Author(s)
当山, 昌直
Citation
沖縄史料編集紀要 = BULLETIN OF THE
HISTORIOGRAPHICAL INSTITUTE(42): 1-36
Issue Date
2019-03-25
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/24866
沖縄島国頭村辺野喜の動植物方名とその利用
当山昌直
1.はじめに
琉球列島の島
しまびと人たちは、身の回りの生き物を区別(認識)し、利用
(1)しながら生きてきた。
認識と利用は相互の関係にあり(山田 2012)
、これらの生物の知識は暮らしの中で、伝統
的に代々受け継がれてきた。
当山(2016)は、これらの伝統的な生き物の知識を生物知識と称し、名称(民俗分類)
として認識され、方言名(以後「方名
(2)」と称する)として反映されるとし、さらに、方
名がつけられた生物のほとんどは暮らしの中で衣食住などに利用されている
(3)としている。
一方、当山(2016)は、従来の動植物方言調査
(4)においては、方名を中心としたものが多く、
その方名と一緒に残ってきた利用に関する知識までも記録することは少ないことを指摘し
ている。
このような経緯を踏まえ、当山ら(2016)は沖縄島国頭村奥の動植物の方名およびその
利用について報告しているが、国頭村内の調査はまだ十分とはいえない。
今回は、沖縄島国頭村奥の調査に引き続き、国頭村辺野喜の動植物方名およびその利用
について調査をする機会があったので報告する。
調査について沖縄島国頭村辺野喜における動植物の方名の調査については、2017 年 11 月 30 日に植物、
2018 年1月8日に植物2回目、2018 年3月 31 日に動物と海域生物の聞き取り調査を国頭
村辺野喜公民館にて行なった。話者の比嘉シゲ(女性:ひがしげ)昭和 2 年 6 月生、山城
初枝(女性:やましろはつえ)昭和 6 年 9 月生、山城豊(女性:やましろとよ)昭和 10
TOYAMA Masanao: Dialect and the Uses of Plants and Animals at Benoki, Kunigami Village, Okinawa Island (1) ここでは、 危険生物等にみられるように非積極的利用としての 「忌避」 も含める。 (2) 松井 (1983) は動植物名に限らず、 あらゆる名詞についてそれぞれの土地の伝統社会において用いられる名 称を 「方名」 と呼んでいる。 ここでは、便宜上、一般的な方言を 「方言」、名詞を 「方言名」 とし、動植物の 「方 言名」 に対してのみ 「方名」 と称する。 (3) 方名はあるが利用されていない、 または利用しているが方名がないなどの事例もみられる。 (4) 主に沖縄島における調査。
年 4 月 5 日生、宮城清(男性:みやぎきよし)昭和 10 年 3 月生、大城道行(男性:おお
しろみちゆき)昭和 10 年 9 月生から聞き取り調査を行なった。当山の調査はパワーポイ
ントで植物約 200 種、動物約 140 種、海の生物の写真を投影し
(5)、複数の話者から同時に
聞き取りをする方法で行なった
(6)。
聞き取り調査の資料を整理して、再度話者の方々に内容を確認してもらい、修正や追加
を行なった。
資料の整理植物
(7)は、植物整理番号、和名、学名、科名、方名、聞取の順序で記した。和名、学名、科)
名は原則として初島・天野(1994)にしたがったが、必要に応じて新しい和名や学名を付
した。外来種は、和名に「*」の記号を付した。
「方名」は、カタカナで表記した。質問および後日の調査でも方名が得られなかったの
は「-」を付した。
「聞取」は、聞き取り内容をまとめたもので、種類の見分け方や特徴、名前の由来、生
息状況、分布の由来などをはじめ、全般的な利用の知識について話された内容を整理した。
なお、内容については、話者の話をなるべく、そのままに近い状態で載せるようにし、意
味がとおるように若干の修正を行なった。
「聞取」の中では、外来語、和名、辺野喜の方言、辺野喜の動植物方名のカタカナ表記
が混在するので、種類ごとの会話において、方言を
太文字、動植物方名を下線が付いた太
文字で示した。会話の中の一般的な生物名は便宜的に漢字で表した。また会話では方言の
みで答えている場合もあったが、一部の方言では、標準語や和名を挿入して理解しやすく
した
。動物は、動物整理番号、質問した動物名、方名、分類、聞取の順序で記した。動物整理
番号は任意で付した通し番号である。質問した動物名は一般名や種名を漢字またはひらが
なで表し、必要に応じてその特徴を記した。方名は植物と同様にカタカナで表記した。質
問および後日の調査でも方名が得られなかったのは「-」を付した。分類は、質問に応じ
て答えられた方名の動物分類学上の位置(範囲)を示し、
対応する種の和名と学名を記した。
和名、学名、科名は一般的に用いられているのを使用し、基本的には沖縄県教育庁文化財
課史料編集班(2015)にしたがった。聞き取り内容の記述方法については植物と同様である。
(5) パワーポイントは、 野鳥やセミ類などの鳴き声も写真と一緒に提示できる利点があり、 調査の効率を高めること ができる。 (6) この方法により、 互いに方言を確認することによって方言の精度が向上し、 また忘れた方言も補完しあうことによ って思い出す機会が増えるという利点があった。 そして、 従来の紙写真を提示しながら調査する方法と比較し てインフォーマントの疲労も少なくなることが期待された。 (7) ここでいう植物とは、 断りの無い限り維管束植物を指しているが、 末尾には苔類等も加えた。海域の生物については、方法は基本的に動物と同じである。記述方法は植物・動物と同
じである。なお、聞き取りは潮干狩の生物を主に取り上げたが、時間の制約上、魚類の聞
き取りまでは至らなかった。
謝辞調査に際し、沖縄県の「生物多様性おきなわブランド事業」の一環として沖縄県環境科
学センターのみなさんにはお世話になった。本稿の作成にあたり、佐藤寛之、谷口恭子の
各氏には助言をいただいた。また、
本研究の一部は、
トヨタ財団の研究助成プログラム(
「消
失の危機にある琉球の生物文化の記録保存から『生物文化遺産』創出の道を開く」
)によ
るものである。さいごに調査でお世話になった国頭村辺野喜のみなさんに感謝したい。
一般方名語彙 001.農作物の一般的な名称 方名:チュクイムン 002.サツマイモの一般的な名称 方名:ヤンム 003.豆腐の材料の大豆の一般的な名称 方名:トーフマミ 004.在来のカボチャの一般的な名称 方名:ナンクヮン 005.稲の一般的な名称 方名:ネー 006.粟の一般的な名称 方名:アワ 007.植物の一般的な名称 方名:- 008.動物の一般的な名称 方名:イキムシ 009.「木」の一般的な名称 方名:ヒー 010.「草」の一般的な名称 方名:クサ 011.蔓性植物の一般的な名称 方名:ハンダ 012.シダ植物の一般的な名称 方名:- 013.カビ類の一般的な名称 方名:コーズジ、コーズ 014.キノコ類の一般的な名称 方名:ナバ 聞取:食べられるのと食べられないのがある。毒があるから。食べられるのはマツナバ(松につ く)、チビナバ、アサグルナバ、シイタケと4つぐらい。あとミミグイも食べた。植物方名語彙 001.イシクラゲ Nostoc commune ネンジュモ科 方名:フックヮ 聞取:フックヮは膨れると言う意味。雨降りのあとによくみる。昔は食べていた。 002.コシダ Dicranopterislinearis ウラジロ科 方名:ワラビ 聞取:戦前、ワラビ細工をやった。硬いので軟らかくするため、大きな鍋で水を沸騰させて、こ れにワラビを入れて、熱いうちに作業をする。 003.カニクサ Lygodiumjaponicum フサシダ科 方名:- 聞取:山羊の餌 004.ヒカゲヘゴ Sphaeropterislepifera ヘゴ科 方名:ヒグ 聞取:成長したヘゴは水分が無くなったら腐れない。幹の部分を橋に使った。戦争中は、ずっと 上のてっぺん(芽)はヌルヌルがあるから川の水につけて食べた。大根みたいな味。 005.リュウキュウイノモトソウ Pterisryukyuensis イノモトソウ科 方名:- 006.タカワラビ タカワラビ科 方名:- 007.タマシダ Nephrolepisauriculata ツルシダ科 方名:(フガーワ) 聞取:根は芋みたいで、少し甘い。特に使い道はない。 008.ホシダ Thelypterisacuminata ヒメシダ科 方名:- 聞取:山羊の餌。 009.シマオオタニワタリ Asplenium nidus チャセンシダ科 方名:- 010.ソテツ Cycasrevoluta ソテツ科 方名:スティチ 聞取:実や茎で味噌もつくった。辺野喜では食べ方がわかっているから中毒した人はいなかった。 大家族はソテツがなければ大変だった。子供たちを育てるためにいろいろなものを食べた。 実を二つに切って、乾かしたら中身が出てくるから、2、3日、これを川に浸けて、それか ら発酵させて、そして臼で突いて処理した。実は美味しかった。幹は皮をとって、中を4つ ぐらいに割って削ってから食べた。戦後しばらく食べた。食糧が無い時だった。処理しない ですぐ食べたら中毒する。毒抜きは、乾燥させて、川に2、3日浸けて、それから発酵させ る。黒くなるまで腐った状態のようにして、これを洗って干してから、それをジューシーに 炊いて食べた。これで毒抜きをした。幹はジューシーにして食べたが味がなかった。干した のをチリニーといった。正月前は、女の子はソテツの綿を集めて手毬をつくった。 011.イヌマキ Podocarpusmacrophyllus マキ科 方名:チャーギ 聞取:腐れらいから建材。タンス材にも使った。三線のチガといって大鼓状のところ、10cmの幅 があればできるということで、1mぐらいずつ切って、これを売った。お金になった。サ バニの板と板をつなぐフンドーはイヌマキだった。大きい木はサバニをつくるひとが買い にきた。実は食べた。たくさん食べたら頭が痛くなった。一日、十五日は仏壇にチャーギヌ ファーを供えた。それともう一種類(マサキ)があった。
012.リュウキュウマツ Pinusluchuensis マツ科 方名:マチー 聞取:床板に使った。シロアリに弱い。芯が赤くなった老木はめったになかった。鍛冶屋の木炭 はマチタンといって、火力が強いのでこれしか使わなかった。臼の材料。松の木は大きくな るから臼がつくれた。小さいのはイタジイでつくった。二人で引くメービキウスというのも あった。水田の樋に使った。辺野喜では樋のことをシーと呼んだ。松は水に強く腐りにくい。 松の真っ直ぐなのを切ってきて、5、6mにしてこれを斧で三角に削った。三角が彫りやす い。木が曲がっていても、(道のカーブで使い)木に合わせて水平になるように彫った。上 の川から集落の上のタンクへこれで飲料水を引いた。タンクはまだ残っている。タンクは集 落全体で使っていた。ここで野菜を洗ったり、また家にはファンルーといった素焼きの容器 があって、それに水を運んだ。 013.モクマオウ Casuarinaequisetifolia モクマオウ科 方名:モクモー 聞取:辺野喜には戦後に入ってきたのかもしれない。今は、枯れてあまりみない。硬くて薪にし か使えない。 014.センリョウ Sarcandra glabra センリョウ科 方名:- 015.ヤマモモ Myricarubra ヤマモモ科 方名:ムム 聞取:実を食べた。数種類あった。ミジムムは甘くて酸が少ない。マチムムは松の葉のにおいが してあまりおいしくない。染料に使ったという話は聞いてない。 016.イタジイ(オキナワジイ)Castanopsissieboldii ブナ科 方名:シーギ 聞取:実はシイノミと呼んでいた。昔はよくとってきて、これでご飯炊いたりして食べた。戦後 までずっと薪に使った。売るのも自宅で使うのも薪のことをサムンと呼んでいた。売るのは 長さが1尺5寸と決まっていた。ホウライチクで輪をつくり、それで束ねた。薪の木は何で もよかった。何でも売れた。シャリンバイや7mのイスノキなど、赤い木は値段が高かった。 それに重かった。赤いのはカマボコ屋とか漆喰を作る所なんかに売れた。火持ちが良かった ようだ。木は柱にした。芯は硬くて、用材として使った。虫もくわない。防虫のため材を埋 めるとかはしなかった。また、通常は川の側の貯木場につけるのだが、そんな余裕はなかっ た。斧で割って芯だけとって家をつくると何百年と持った。芯は割ってとるということでワ イギーといっていた。 017.マテバシイ Lithocarpusedulis ブナ科 方名:クラフ 聞取:薪に使用した。食べなかった。
018.アマミアラカシ Quercusglaucavar.amamiana ブナ科 方名:- 019.オキナワウラジロガシ Quercusmiyagii ブナ科 方名:カシギー
聞取:用材につかう。これより硬い木がダシカ(シマミサオノキ)だった。
020.クワノハエノキ Celtis boninensis ニレ科 方名:- 021.ウラジロエノキ Tremaorientalis ニレ科 方名:-
022.ホソバムクイヌビワ(8)Ficusampelas クワ科 方名:ヒッタラ、ヒットゥラー 聞取:葉はサラサラしている。戦前は鍋の蓋とか、サバニのユートゥイに使った。根は平たくな りこれを使った。山羊の餌。ミミグイがよく生えた。 023.イヌビワ Ficuserecta クワ科 方名:マツビ 聞取:実を食べた。山羊がよく食べる。 024.ガジュマル Ficusmicrocarpa クワ科 方名:ガジマン 聞取:幹を突いて、とってきた赤土で樹液を吸い取り、これでモチをつくる。竹の先につけて鳥 を捕まえた。鳥もちに使う。鳥もちをムタという。ムタギーというのがあって、ガジュマル よりは粘り気がある。実は食べたがおいしいとはいえなかった。薪に使った。(沖縄島南部 では産後の婦人を囲炉裏でガジュマルを燃やして温めたようだが)ここは木が多いから、ガ ジュマルよりは煙が出ないティーチを囲炉裏で燃やした。 025.オオイタビ Ficuspumila クワ科 方名:グルミガンナ 聞取:石垣に生えているからグルミと呼んでいるかも。石垣が壊れにくくなる。熟した実は食べ た。イチジクみたいな味。実には食べられるのと食べられないのがあった。 026.アコウ Ficussuperbavar.japonica クワ科 方名:アホー
聞取:新芽は少し酸っぱいが湯がいて食べるとおいしい。和え物にもした。これにつくミミグイ は食べた。白い汁がでてそれで痒くなるから大変。建材としてはあまり使えなかった。山羊 の餌には上等。薪にもあまり使えなかった。 027.ヒメイタビ Ficus thunbergii クワ科 方名:グミカメ 聞取:石垣に生えている。血圧の高い人が採っていた。 028.ハマイヌビワ Ficusvirgata クワ科 方名:アカニク 聞取:樹液が出るが、触ったら痒くなる。畑の側にあったらヒゲが10mぐらい伸びて大変。山羊 がよく食べる。 029.ヤマグワ(シマグワ)Morusaustralis クワ科 方名:クヮーギ 聞取:実は食べた。おいしい。葉は雑炊にした。養蚕は、戦前2、3軒でやっていた。葉は現在 の奥の山荘付近から運んできた。山羊にもあげた。
030.ノカラムシ Boehmerianiveavar.nipononiveaf. viridula イラクサ科 方名:マーウ
聞取:戦後は仕事がないもんだから、これの真っすぐになっているのをとってきて、皮を剥いで きれいにしてから、定置網、エビを獲る網を作った。テグスの代用にもした。すごく強かっ た。魚、鰻を釣った。山羊がよく食べた。 031.ツルソバ Polygonumchinense タデ科 方名:シービ 聞取:厄介な草。おいしくない。山羊の草。 032.ギシギシ Rumexjaponicus タデ科 方名:サフグサ (8) 写真はクスノハカエデを提示したが、 方名とともに、 この植物の特徴として、 葉がサラサラしていること (天野 1979)、 根が平たくなり鍋の蓋に利用したこと (当山ら 2016) などから本種と同定した。
聞取:山羊もあまり食べない。根の樹液はギタラといって皮膚病に効いた。 033.ツルナ Tetragoniatetragonioides ザクロソウ科 方名:-
聞取:食べられるようだ。
034.スベリヒユ Portulacaoleracea スベリヒユ科 方名:ミンブタ 聞取:あんまり食べていない。酸っぱい。お盆に供えるというのはなかった。
035.リュウキュウボタンヅル Clematisgratavar.ryukyuensis キンポウゲ科 方名:アーブクグサ 聞取:泡がいっぱい出る。以前、女性は髪を洗った。 036.ヤンバルセンニンソウ Clematismeyeniana キンポウゲ科 方名:- 037.シマキツネノボタン Ranunculussieboldii キンポウゲ科 方名:- 038.ハスノハカズラ Stephaniajaponica ツヅラフジ科 方名:- 039.ニッケイ Cinnamomumsieboldii クスノキ科 方名:カラギ 聞取:子どもの頃、葉を食べたり、皮をとって食べたりした。 040.スナヅル Cassythafiliflormis クスノキ科 方名:- 041.クスノキ* Cinnamomum camphora クスノキ科 方名:パットーギー 聞取:虫がつかないので建材にはよかった。辺野喜にもそれを使った家があった。辺野喜のミカ ン畑の近くに樟脳窯があった。皮を剥いで鍋に入れて煎じていたみたい。
042.ヤブニッケイ Cinnamomumpseudo-pedunculatum クスノキ科 方名:シガラギー、シガラ
聞取:良く燃える。山火事がおきれば大変。生木でも燃える。薪には上等。軽いので運びやすい。
実は食べられる。シバニッケイもあるが、両方とも区別しないでシガラと呼んでいる。
043.タブノキ Perseathunbergii クスノキ科 方名:- 聞取:そんなに多くはない。葉は臭い。建材につかう。
044.ハマダイコン Raphanussativusvar.hortensisf. raphanistroides アブラナ科 方名:-
045.トベラ Pittosporumtobira トベラ科 方名:スビラ 聞取:臭い木。山羊がよく食べる。 046.イスノキ Distyliumracemosum マンサク科 方名:ユスギ、ユス 聞取:成長が早い。みかん園の防風林に使っている。イヌマキに比べて虫がつかないがカミキリ ムシがつくのでよくないという人もいる。硬いので辺野喜では戦前は床板に使っている。臼 のアジム(杵)に使った。硬くてよかった。屋敷にはあんまり植えないほうがいいといわれ ている。ユシドーリ、ユスクと言っている。家の人みんないなくなるという言い伝えがある ようだ。
047.ヘビイチゴ Duchesneachrysantha バラ科 方名:- 聞取:食べたことがない。 048.オキナワシャリンバイRhaphiolepis indica バラ科 方名:セーチ、セーチギー 聞取:煙が出ないので薪としては上等。昔は各家庭に囲炉裏があった。正月用の薪にわざわざこ れ切ってきて、皮を剥いで斧で割って囲炉裏にくべた。一時期、海からも山からも切って、 奄美大島に密輸していた。皮を芭蕉の染料に使っていた。昔の女性は自分たちで染めていた。 実をたべた。あまりおいしくない。 049.リュウキュウイチゴ Rubusgrayanus バラ科 方名:オーイチビ 聞取:戦争中は顔が黄色く見えるくらいたくさん食べた。焼畑のあと(地に)、採りに行った。 050.ナワシロイチゴ Rubusparvifolius バラ科 方名:ヌビイチビ 聞取:道の側にある。食べた。
051.リュウキュウバライチゴ Rubusrosaefoliusssp. maximowiczii バラ科 方名:サングヮチャー 聞取:食べた。おいしい。時期的に一番早く、3月ごろ採れる。方名もそれを意味する。 052.ホウロクイチゴ Rubus sieboldii バラ科 方名:イチビ 聞取:葉が大きい。おいしい。よく食べている。 053.ソウシジュ* Acaciaconfusa マメ科 方名:ソーシギ 聞取:水田の緑肥に使用した。 054.デリス Derriselliptica マメ科 方名:- 聞取:使ってない。 055.メドハギ Lespedezacuneata マメ科 方名:ソーローメーシ 聞取:お盆には何本かを必ず供えた。戦前はグソーンチュのお箸ということで供えていたが、今 はやってない。仏壇の位牌のところに葉のついたメドハギを束ねて供えた。束ねたのはソー ローミーと呼んだ。12日に採ってきて、ウークイの後に捨てた。 056.イルカンダ(クズモダマ)Mucunamacrocarpa マメ科 方名:ウリカンダ 聞取:大きくなる。遠くから臭いがする。ロープ代わり。山から木を引く時、川から引いてくる。 オオカー(大きな川)を利用しているので、ロープとして使うのに上等だった。 057.クロヨナ Pongamiapinnata マメ科 方名:-
058.ヤハズエンドウ* Viciasativa nigra マメ科 方名:- 聞取:たくさん生えている。
059.スズメノエンドウ* Viciahirsuta マメ科 方名:-
060.カタバミ Oxaliscorniculata カタバミ科 方名:メービキ、メービキグサ
061.ムラサキカタバミ* Oxaliscorymbosa カタバミ科 方名:ヤハタ 聞取:なんにも使えない。厄介ものだった。埋めてから捨てた。下の方を食べたら甘かった。猪 がよく食べる。 062.ヒラミレモン Citrusdepressa ミカン科 方名:フガナ、シークヮーサー 聞取:熟したら食べる。酸がある時は芭蕉着を浸けてやわらかくしてきれいに垢を落とした。や わらかくなったみたい。戦前も使っている。芭蕉着をつくるころまでで、戦後まもなく使わ なくなった。 063.ゲッキツ Murrayapaniculata ミカン科 方名:ギンギチ 聞取:昔はこれで印鑑を作った。花が咲くと台風が来ると言われていた。 064.ヒレザンショウ Zanthoxylum beecheyanum ミカン科 方名:ギンギジ 聞取:屋敷の生垣。花が咲くと台風が多いとか言われる。 065.センダン Meliaazedarach センダン科 方名:シンダン、シンダンギー 聞取:成長が早い。マークハレーに大きいのがある。タンス材に一番いいようだ。屋敷内には植 えてなかった。 066.アカギ Bischofiajavanica トウダイグサ科 方名:- 聞取:辺野喜ではみない。
067.オオシマコバンノキ Breynia vitis-idaea トウダイグサ科 方名:ジョンマリン 聞取:葉の大きさで、似た種類が2、3種類ある。 068.ハイニシキソウ Euphorbiachamaesyce トウダイグサ科 方名:(ニンブタ) 聞取:食べられるという話は聞いたが、食べたことはなかった。 069.トウダイグサ* Euphorbiahelioscopia トウダイグサ科 方名:- 聞取:この辺にはない。 070.シマニシキソウ* Euphorbiahirta トウダイグサ科 方名:- 071.カキバカンコノキ Glochidionzeylanicum トウダイグサ科 方名:- 072.オオバギ Macarangatanarius トウダイグサ科 方名:チブクク 聞取:山羊の餌に一番上等。葉をおいしそうに食べる。特に包み物などに使うことはなかった。 073.アカメガシワ Mallotusjaponicus トウダイグサ科 方名:サフィ 聞取:時期になるとカメムシがいっぱいいた。山の遠いところにあった。戦後煙草もないときに 葉をぐるぐる巻いて煙草の真似で吸っていた。 074.クスノハガシワ Mallotusphilippensis トウダイグサ科 方名:- 075.キャッサバ* Manihot esculenta トウダイグサ科 方名:-
聞取:擦ってから食べた。 076.ヒマ Ricinuscommunis トウダイグサ科 方名:ヒマ 聞取:戦前は戦闘機の燃料にするといっていた。いつのまにか(辺野喜から)消えてなくなった。 077.ハゼノキ Rhussuccedanea ウルシ科 方名:パンギー 聞取:皮膚の弱い人はこれの下を通るだけでもかぶれる。 078.モチノキ Ilexintegra モチノキ科 方名:ヌタギ 聞取:鳥もちに使う。 079.マサキ Euonymusjaponicus ニシキギ科 方名:タトーギー、フチマ 聞取:仏壇に供えた。お墓にも供えた。タトーギーというのは、ウートートー(拝み)という意 味がある。それでウートートーするといえばタトーギーということになる。普通はフチマと 呼んでいる。 080.ハリツルマサキ Maytenusdiversifolia ニシキギ科 方名:マッコー 聞取:辺野喜ではマッコーはみない。マッコーに似ているものにヤムンワレーというのがある。 081.ゴンズイ Euscaphisjaponica ミツバウツギ科 方名:ニーハンカ 聞取:臭い。使い道がなかった。
082.クスノハカエデ Acerroblongumssp. itoanum カエデ科 方名:マムフ 083.ヒメクマヤナギ Berchemia lineata クロウメモドキ科 方名:- 聞取:辺野喜ではみない。 084.エビヅル Vitisficifolia ブドウ科 方名:ハニブ 聞取:実を食べた。黒くなったら熟しておいしい。 085.コバンモチ Elaeocarpus japonicus ホルトノキ科 方名:- 086.ホルトノキ Elaeocarpussylvestris ホルトノキ科 方名:ソーラシ 聞取:昔は人が亡くなったらこの木で棺桶をつくった。だから縁起が悪い木。 087.ブッソウゲ* Hibiscusrosa-sinensis アオイ科 方名:ブッソウギ
聞取:髪洗いに使った。 088.オオハマボウ Hibiscustiliaceus アオイ科 方名:ユーナ 聞取:戦前、生徒は川で冷水摩擦をして、それから部落内を掃除して、朝読みしてから学校へ 行った。冷水摩擦は学校からの奨励。冷水摩擦にはこの葉を使った。葉っぱの裏の白い粉が あって、こすると垢が落ちた。戦争中は石鹸代わりだった。この木は辺野喜には少なかった。 墓地のところにあった。トイレットペーパーがわりに使った。 089.サキシマハマボウ(アオイ科) 方名:-(ウフガギ、ウフガーギー)
090.サキシマスオウノキ Heritiera littoralis アオギリ科 方名:- 091.シマサルサシ(ナシカズラ)Actinidiarufa マタタビ科 方名:フガー 聞取:男の睾丸に似ているといってフガーと言う。お盆前に探しに行った。(お盆に供えた)。 山に大きいのがある。熟さないのは今で言う米ぬかとかに入れて熟させて食べた。 092.ヤブツバキ Camelliajaponica ツバキ科 方名:ハタシ 聞取:薪に利用。 093.サザンカ(9) ツバキ科 方名:- 聞取:冬に山の中で咲いている。 094.ヒサカキ(10)Eurya japonica ツバキ科 方名:- 095.イジュ Schimawallichiissp. liukiuensis ツバキ科 方名:イジュ
聞取:建材につかった。皮を採ってきて、その皮をつついて、海の魚取ったり、川でうなぎとっ たりした。毒を入れる日は決まっていなかった。食べたい時に皮をとってきてつついてやる。 海は、一日、十五日は大潮で引くからそれに合わせてやった。辺野喜ではイノーが少ないの で、川や田んぼで使った。部落では戦争中に1回やった。戦後は、イジュは使わんでもよ かった。青酸カリがあったから。デリスは使ってない。ほとんど青酸カリを使った。早くて よく効いた。 096.モッコク Ternstroemiagymnanthera ツバキ科 方名:イク 聞取:この辺ではあまりみない。山から切って売っていた。建材として長持ちする。辺野喜は山 の生活をしている。だから部落の神事は山の神とつながっている。櫂の材料。高く売れる から、戦前の禁止木の時代でも隠して売っていた。瓦屋のキチに利用する。与論や伊平屋 に隠して(売っていた)。主に、与論にはイタジイ、伊平屋・伊是名にはイジュを出してい た。与論からは黒砂糖が入ってきた。値段が高いのはこれとイヌマキだった。部落にもこれ を使った瓦屋がある。戦後は、イクだけではなく、木材は何でもかんでも売れる時代だった。 斧を使えない人もいて、慶良間の山までとりに行ったそうだ。縁側の外の柱に皮を剥がない でそのまま使った。 097.テリハボク Calophylluminophyllum オトギリソウ科 方名:- 聞取:あまりなかった。 098.フクギ Garciniasubelliptica オトギリソウ科 方名:フクギ 聞取:実は食べてない。コウモリがよくやってきた。茅葺屋の屋敷はこれで囲われていた。戦前 はいっぱいあったが、石垣がブロックに代わってしまった。石垣はネズミが巣をつくってい て、ハブが来た。用材には使ってない。
099.リュウキュウコスミレ Viola yedoensisvar.pseudo-japonica スミレ科 方名:- 100.パパイア* Caricapapaya パパイア科 方名:マンズイ
(9) ヒメサザンカを含む。 (10) ケヒサカキを含む。
聞取:シリシリしておいしい。昔は結婚式には必ずこれの根っこを茹でたのを出した。地面の下 にある根をとってきて、和え物などにしてお祝いに出した。 101.ツルグミ Elaeagnusglabra グミ科 方名:クミ 聞取:食べた。おいしい。甘いのと酸っぱいのがあった。山に行けばある。 102.サガリバナ Barringtoniaracemosa サガリバナ科 方名:- 聞取:いっぱいあった。今は一本だけ残っている。田んぼの緑肥に使った。 103.モモタマナ Terminaliacatappa シクンシ科 方名:- 聞取:昔はない。最近入った。 104.バンジロウ* Psidiumguajava フトモモ科 方名:バンシルー 聞取:畑のまわりというよりは、原野にあった。実を食べた。おいしい。葉を太陽に干してお 茶をつくった、おいしかった。大きいのも小さいのも、味のないもの、いろいろある。葉は、 お腹が痛いときに煎じて飲ませた。下剤だった。 105.テンニンカ Rhodomyrtustomentosa フトモモ科 方名:- 106.アデク Syzygiumbuxifolium フトモモ科 方名:アリク 聞取:鍬の柄、ハンマーの柄に使った。 107.ノボタン Melastoma candidum ノボタン科 方名:ニーファルー 聞取:おいしくないけど実は食べた。口が赤くなった。
108.リュウキュウタラノキ Araliaryukyuensisvar.ryukyuensis ウコギ科 方名:ダラギー 聞取:食べたが少し癖がある。苦い。天プラとか、湯がいて和え物にした。山羊にもあげた。 109.カクレミノ Dendropanaxtrifidus ウコギ科 方名:- 110.フカノキ Scheffleraheptaphylla ウコギ科 方名:アサグル 聞取:山の奥にしかない。軽くて、弾力性がない。柔らかい。タンスの材料。濡れない家屋内の 板材としては上等。薪に使える。切って放っておいたらアサグルナマというタケが生えてく る。アサグルナマは匂いがあっておいしい。白くてきれい、昔はよく食べた。 111.マツバゼリ* Apium leptophyllum セリ科 方名:- 112.ノチドメ Hydrocotyle maritima セリ科 方名:- 113.ヤブジラミ Torilis japonica セリ科 方名:- 114.ケラマツツジ Rhododendronscabrum ツツジ科 方名:サッカンバナ 聞取:毒があると言われているので、山羊にはあげなかった。 115.サクラツツジ Rhododendrontashiroi ツツジ科 方名:ヤマラックヮ
116.ギーマ Vacciniumwrightii ツツジ科 方名:ギマ
聞取:食べた。二種類あって、ファラタイギマといって山奥にあり、おいしい。今の神社の裏の 川のそばに大きいのがある。ギマより甘みが強い。
117.モクタチバナ Ardisiasieboldii ヤブコウジ科 方名:- 118.タイミンタチバナ Rapaneaneriifolia ヤブコウジ科 方名:- 119.ルリハコベ* Anagallisarvensisf. caerulea サクラソウ科 方名:-
聞取:畑に生えるやっかいな草。山羊の餌。 120.マンリョウ サクラソウ科 方名:- 聞取:毎年ものすごく実をつける。飾り物。 121.モロコシソウ Lysimachiasikokiana サクラソウ科 方名:カバシグサ、ヤマクニブ 聞取:ミカン畑に花が咲いているのをみる。取ってきて枯らしたら匂いがする。虫除け。タンス の中に入れる。カレーのような臭いがした。 122.アカテツ Planchonella obovata アカテツ科 方名:- 123.リュウキュウコクタン Diospyrosegbert-walkeri カキノキ科 方名:-
聞取:この辺にはなかった。戦後に植えた。 124.リュウキュウマメガキ(シナノガキ)Diospyrosjaponica カキノキ科 方名:シブ 聞取:食べたがおいしくない。 125.トキワガキ Diospyros morrisiana カキノキ科 方名:- 聞取:食えないことはないが、渋が強い。 126.アマシバ ハイノキ科 方名:-
127.ナカハラクロキ Symplocos lucida var.nakaharae ハイノキ科 方名:- 128.エゴノキ Styraxjaponicus エゴノキ科 方名:ヒダマギ
聞取:葉は山羊が食べる。用材として利用。軽い。
129.ネズミモチ Ligustrumjaponica モクセイ科 方名:ファグマ、ハグマ
聞取:塩害に強い。砂糖の匂いがする。一番効くのは、口内炎。葉をつついて、(汁と)塩でう がいする。医者の薬より効果があった。葉を2、3枚咬むだけで口内炎が治る。
130.リュウキュウテイカカズラ Trachelospermumasiaticumvar.liukiuense キョウチクトウ科 方名:- 131.サクララン Hoyacarnosa ガガイモ科 方名:-
133.グンバイヒルガオ Ipomoea pes-caprae ssp. brasiliensis ヒルガオ科 方名:ハマガンダ 聞取:追い込み漁の時に、これを切って使った。民間はほとんど茅葺だった。戦争中、学校は瓦 屋根だったが、これを屋根にかぶせていた。擬装に使ったようだ。 134.モンパノキ Argusiaargentea ムラサキ科 方名:スーキ 聞取:ウミンチュがメガネをつくる。辺野喜でもつくっていた。水牛の角はなかなか手に入らな いからこれで作った。お湯に葉を漬けると、このお湯が目の薬になった。目が痛い人。 135.フクマンギ Carmonaretusa ムラサキ科 方名:-
136.オオムラサキシキブ Callicarpajaponicavar.luxurians クマツヅラ科 方名:マモーガ 聞取:綺麗なので、取ってきて飾った。
137.ショウロウクサギ Clerodendrum trichotomumvar.esculentum クマツヅラ科 方名:- 聞取:匂いがするからクワガタがいっぱい集る。食べてない。
138.タイワンウオクサギ Premnacorymbosavar.obtusifolia クマツヅラ科 方名:- 139.ハマゴウ Vitexrotundifolia クマツヅラ科 方名:- 140.ミツバハマゴウ Vitextrifolia クマツヅラ科 方名:- 141.センナリホウズキ* Physalisangulata ナス科 方名:ナスビ 聞取:畑の厄介もの。 142.テリミノイヌホウズキ* Solanumamericana ナス科 方名:- 143.リュウキュウアイ* Strobilanthescusia キツネノマゴ科 方名:エー 聞取:山の中には辺野喜の出身ではなく、本部あたりから移入してきて、これで生活している人 がいた。今帰仁の人もいた。戦前は肥沃なところにたくさんあった。エーチブ(藍壺)と いって集落のそばに二つぐらいあった。辺野喜の近くにはなかった。インガーあたりに畑が あった。辺野喜の住民は、藍畑は特にやってなかったが、ずっと前はやっていたみたい。サ ンゴを採取して石灰をつくる窯が河口近くに戦後まであった。辺野喜の人がやっていた。戦 前は茅葺だったが瓦屋根になると石灰を使った。藍壺への使用については知らない。 144.オオバコ Plantagoasiatica オオバコ科 方名:サンバフ 聞取:葉を食べた。けがした時の血止めによく使った。揉みほぐしてから、傷にくっつけておけ ば血が止まる。おできの吸い出しに使った。 145.ヒョウタンカズラ Coptosapeltadiffusa アカネ科 方名:- 146.タイワンルリミノキ アカネ科 方名:-
148.クチナシ Gardenia jasminoidesf. grandiflora アカネ科 方名:ウンシク 聞取:実は黄色の染料になる。 149.ヘクソカズラ Paederiascandens アカネ科 方名:- 150.ナガミボチョウジ Psychotriamanillensis アカネ科 方名:- 151.シラタマカズラ Psychotriaserpens アカネ科 方名:- 152.シマミサオノキ Randiacanthioides アカネ科 方名:ダシカ、(ファイ) 聞取:オキナワウラジロガシより硬かった。硬いから茅葺する場合の針、草をかつぐ棒、海で魚 とる場合の銛の柄につかった。 153.アカミズキ Wendlandia formosana アカネ科 方名:- 154.ハクサンボク Viburnumjaponicum スイカズラ科 方名:- 155.サンゴジュ Viburnumodoratissimum スイカズラ科 方名:ウフゥワーギ 聞取:魚が捕れるとは知っていたが、使わなかった。いたずらしてやったら小さい魚がとれた。 日常的に辺野喜では使ってない。 156.ゴモジュ Viburnumsuspensum スイカズラ科 方名:- 157.オキナワスズメウリ Diplocyclospalmatus ウリ科 方名:- 158.クサトベラ(テリハクサトベラ) Scaevolataccada クサトベラ科 方名:スーキ 聞取:山羊にあげてはいなかった。
159.ニシヨモギ Artemisiaindicavar.orientalis キク科 方名:フチバー、フティファー 聞取:屋敷内に植えている。食べた。おいしい。ジューシーにした。山羊汁に入れる。魚汁にも
入れた。乾燥させて、痛いところにヤトー(お灸)した。
160.シロノセンダングサ* Bidenspilosa var.radiata キク科 方名:サシグサ 聞取:山羊の餌。
161.シロバナシマアザミ (11)Cirsiumbrevicaulef. albescens キク科 方名:アラマ
聞取:戦後まで食べていた。火に炙って、トゲはとって、湯がいて和え物にした。大根の葉より おいしい。根は食べてない。山羊にもあげた。
162.ホソバワダン Crepidiastrumlanceolatum キク科 方名:インガナ
聞取:海岸に生えている。生でも食べる。サラダにもした。トーフヌカシ(おから)と一緒に食 べる。苦い。血行に良いという。
163.ベニバナボロギク* Crassocephalumcrepidioides キク科 方名:- 聞取:この辺にもあるけど、海にもあるはず。成長早い。 164.モクビャクコウ Crossostephiumchinense キク科 方名:- 聞取:みているけど方言がない。 165.ウスベニニガナ Emiliasonchifolia キク科 方名:テラクサ 聞取:食べてない。 166.ツワブキ Farfugiumjaponicum キク科 方名:チファファ 聞取:食べてない。山羊の餌。山でイチゴをとってくる時に、葉をソテツの葉で留めて、それに イチゴを包んで運んだ。戦争中は、軍命で何年生はいくらといったぐあいに、生徒に供出さ せていた。相当出した。5斤ずつだった。 167.スイゼンジナ* Gynurabicolor キク科 方名:パンダマ 聞取:野菜として利用。おいしい。パンダマジューシにした。 168.アキノノゲシ Lactucaindica キク科 方名:ナガディル 聞取:葉は食べた。柔らかいのと2種類あって、柔らかいのを食べた(確認)。山羊の好物。 169.ハルノノゲシ* Sonchusoleraceus キク科 方名:フクリュー 聞取:あまり食べてない。 170.オニタビラコ Youngia japonica キク科 方名:サンバフ、サンバフグサ 聞取:食べてない。 171.ヒメガマ Typhadomingensis ガマ科 方名:- 聞取:ここではみてない。 172.アダン Pandanusodoratissimus タコノキ科 方名:アダニ 聞取:海岸にいっぱい生えていた。アダンの葉を薪として竃で使うことはほとんどない。他に薪 はいっぱいあるので。幹は特に使ってない。実は食べた。あまり美味しくない。アダンの気 根はアダンナシーといった。これを切ってきて、川に持って行って石で叩いて、薄くして乾 燥させてから縄をなった。これからオーダー(モッコ)をつくった。女性が竹や薪を担ぐの に利用(額にあてる)するカシギンナに利用した。また、絣をつくる場合の縦糸にもつかっ た。縄としてはスルガーよりは弱かった。アダンの葉は草履、帽子など。財布も。子どもの 時、風車はよく作った。実は、お盆にはとってきて供えた。グソーの人にあげるというので 供えた。ウークイしてから捨てた。 173.ダンチク Arundodonax イネ科 方名:デーク 聞取:竹の代わりにキュウリ棚などに使った。1年で腐れる。 174.ホウライチク* Bambusaglaucescens イネ科 方名:インダーダキ 聞取:昔は土地の境界に使った。加工しやすいが、リュウキュウチクより弱い。床板に使うこと はなかった。床板は松。よく見るのは、ケンドーバーキで、工事用。これは家具として作っ
てない。普通の家庭で使う籠は野菜を洗ったりする浅い籠とか、深い籠。普通バーキ(バ キ)と呼んでいる。(女性が額に紐を通して背中で担ぐのが)シル。あとフタバーキ、フン キザール。戦争中はこれを作って生活した。節間が柔らかくて粘り気があって、節間が長い から、籠つくりに使いやすかった。大きいので水鉄砲、小さいので紙鉄砲をつくった。奥の ように夜の灯りには使わなかった。昔は(灯りとして)囲炉裏があった。囲炉裏のお陰で木 材建築でも強かった。煙で燻蒸され、虫はいなくなる。シロアリも入らなかった。我々が 作った縄なんかは、壊す時に見てみたら、燻され、硬くて鎌でもなかなか切れなかった。囲 炉裏はクチャ(裏座)にあった。
175.ジュズダマ* Coixlacryma-jobi イネ科 方名:シシダマ 聞取:女性の首飾り。
176.オヒシバ Eleusineindica イネ科 方名:ホーバシグサ
聞取:根が張っていて草むしりがしにくい。畑では大変。山羊の餌。芯をとってから結んで、喧 嘩勝負して遊んだ。
177.チガヤ Imperatacylindricavar.major イネ科 方名:マカヤ
聞取:植えている畑はなかった。植えなくても繁殖した。畑の雑草。2、3mぐらいの大きいナ ベの蓋をつくった。蓋はフタと呼んだ。これとススキの葉を2、3日陰干ししてから使った。 また、マーニを乾燥させて、切って、蓋をつくるときにマーニで巻いていく。巻いていきな がら広げて、鍋の大きさに合わせた。シンベーナービなどは大きいので、その蓋にできるよ うな木はないので、それでこれを使っているようだ。 178.ススキ Miscanthussinensis イネ科 方名:ジリキ 聞取:リュウキュウチクがあるのでススキを茅葺には使わなかった。ススキの大きいのと小さい のとで名前が変わることはなかった。牛の餌。木炭を運ぶカゴの材料。花が咲いたあとに箒 をつくった。アウスバライの時に、虫除けの一つの啓蒙運動として、昔は一筆毎にススキの サンを挿した。それをやる人は巳と酉の人と決まっていた。部落から2人に頼んで、拝所 行って拝みして、2人で橋の所に行って米をまいて虫除け。虫を流して、今度は遠いヤマト まで流して下さいと豊作祈願する。お墓でススキのサンを使うことはない。8月のシバサシ は、ススキで左まわりで枠をつくり、家であれば、家の角々に挿す。シバサシではススキだ けを使う。 179.ハイキビ Panicumrepens イネ科 方名:ナラキ 聞取:牛の餌。畑に生えたら大変。 180.セイコノヨシ Phragmiteskarka イネ科 方名:ソージビキ 聞取:川沿いにあった。 181.ホテイチク Phyllostachysaurea イネ科 方名:チンブク 聞取:正月の門松にはこの竹を使用した。枝がきれい。門松には竹だったらなんでもよかった。 釣り竿に使った。たまに杖として。学校の先生は黒板の指し棒に使っていた。辺野喜では2、 3箇所に植えられていた。肥沃な土地のものは大きくなるが、(痩せ地で)生育が悪いと節 間が短くなる。根の方(節間)も短くなる。先生方は節間が短いのを使っていた。大きいの は物干し竿につかった。
182.マダケ Phyllostachysbambusoides イネ科 方名:マーチク 聞取:戦前は物干し竿に使っていたが、ホテイチクの大きいのを使うことが多かった。 183.リュウキュウチク Pleioblastuslinearis イネ科 方名:ハヤ、ダヒ、ヤンバルダヒ 聞取:小さいのはハヤ、大きくなったのはダヒといった。1961年頃、この花が咲いて、一時なく なっていた。昔の人が70年か80年ぐらいにいっぺん、花が咲いたら全部なくなったといって いた。男性は用材や薪、女性はこれを売ってお金を稼いだ。茅葺の場合は、この竹の5、6 mぐらいのを5、6本束ねて、1mおきにして、縄で縛った。それで茅が落ちないようにし た。竹は腐りにくい。ハディで縄を通して、縄は藁縄だった。絞めるだけのものにシュロ縄 は使わなかった。茅葺に使う大きな針状のものをファイといった。材料はダシカ(アデク)。 この竹をきれいに編んだものにはチヌグ、目が粗いのがアンヌミ。戦後、壁はアンヌミで つくった。(すきま風を防ぐため、隙間には)茅(ハヤ)を入れた。部落には共同経営の山 原船があった。山から取ってきて船に乗せた。戦後のヤマアッチャーは儲かっていた。月給 取りの月給を一日で稼いだという。フカノキでも何でも売れた時代だった。戦後なってまで、 朝、今のダムの所までは手車で行って、山奥からは川を利用して、引っ張って運んだ。荷車 が85、90名(台)ぐらい並んでいた。何本か束ねて、葉を落とし、竹箒をつくった。夏休み の宿題だった。昔は、茅家はみんなこれで作っている。戦争で皆焼けたから戦後の家もこれ で復興した。家を作る時は共同だから200斤ずつ各家庭から大きな秤で計って1世帯割当てが あった。 184.ツノアイアシ* Rottboelliaexaltata イネ科 方名:- 185.エノコログサ Setariaviridis イネ科 方名:- 聞取:これでネコをいたずらした。子どもの頃は、投げて相手の服に付けた。 186.ネズミノオ Sporobolusfertilis イネ科 方名:-
187.シュロガヤツリ* Cyperus alopeculoidesvar.abtusangulus カヤツリグサ科 方名:-
188.クロガヤ カヤツリグサ科 方名:シギ 聞取:戦争中、避難している時に山小屋を作った。よく使った。実は猪の好物。 189.ハマスゲ Cyperusrotundus カヤツリグサ科 方名:ウムグサ 聞取:厄介な草。採って石で潰さないと枯れない。 190.オオアブラガヤ Scirpusternatanus カヤツリグサ科 方名:シギ 聞取:湿気の多い所にある。川の側にある。葉で手が切れる(けがする)。食べてないが、猪は この実を好む。
191.クロツグ Arengatremulavar.engleri ヤシ科 方名:マミ
聞取:竹のように強くないが、カゴをつくった。これは1年しかもたない。竹は硬いからコツが 分からないとカゴ造りは難しい。これは節もなく柔らかいので素人でもカゴつくりの練習に なる。葉の芯をとって、エビとかカニを獲った。餌はイカの塩漬けがよかった。これでおび き出して、出て来たところを引っ張って獲る。子どもから大人までやっていた。黒いヒゲで、 縄をなった。硬かったけど強い縄だった。
192.ビロウ Livistonachinensisvar.subglobosa ヤシ科 方名:クバ 聞取:葉は、扇、クバ笠をつくった。 193.シュロ Trachycarpusfortunei ヤシ科 方名:スル 聞取:昔は屋敷にあった。今は無くなった。これで作った縄は、牛の鼻輪にしても腐らなかった。 モッコを作ってもアダンでつくったものより何年ももった。木を削る斧の刃を包んだ。蓑も つくった。葉でランドセルをつくり、戦争中はこれに位牌を入れて避難した。雨が降っても これは濡れない。葉は蠅叩きをつくった。 194.シマクワズイモ Alocasiacucullata サトイモ科 方名:- 聞取:みない。 195.クワズイモ Alocasiaodora サトイモ科 方名:ヤガニ 聞取:山で芋をとって食べる時の鍋代わり。石を焼いて、石の熱で炊いて食べた。昔、辺野喜で やっていた。葉は傘代わりに雨よけにした。 196.リュウキュウハンゲ Typhoniumdivaricatum サトイモ科 方名:- 聞取:イノシシがよく食べる。 197.トウツルモドキ Flagellariaindica トウツルモドキ科 方名:フーフリー 聞取:カゴの耳をつくった。強かった。4つぐらいに割って、竹細工をした。4つに割ると内側 の綿の部分はとって、表面を残すと平たくなる。ファライーというカゴに似た編み方(網代 編み)で編み、天井に使う。カゴの場合は、1つずつ編むが、天井の場合は2つずつで編む。 2つで編むと密着するようで、貧乏人は天井板を買えないのでそれを使った。 198.シマツユクサ Commelinadiffusa ツユクサ科 方名:ナナチキグサ 聞取:干ばつに強い。厄介な草。山羊の餌。 199.クサスギカズラ(ナンゴククサスギカズラ)Asparaguscochinchinensis ユリ科 方名:- 聞取:厄介者。ニカガタあたりの湿気の多い所に生える。
200.トキワカンゾウ* Hemerocallis fulva var.sempervirens ユリ科 方名:グヮンソー 聞取:不眠症の薬と聞いた。根の部分を食べると眠りやすくなるという。 201.テッポウユリ Liliumlongiflorum ユリ科 方名:ユリ 聞取:猪がよく食べる。 202.サツマサンキライ Smilaxbracteata ユリ科 方名:- 聞取:辺野喜で繊維を染める染料に使っている人がいた。 203.ノビル Alliumgrayi ヒガンバナ科 方名:ニビル 聞取:昔は段々畑に多かった。アンダミスー(油味噌)にして上等だった。
205.ダイジョウ Dioscoreaalata ヤマノイモ科 方名:グルマー、グルマ 聞取:食用。お汁にいれてもいいし、ジューシーにもして食べた。唐揚げもおいしかった。屋敷 には植えてなくて、山にあった。 206.リュウキュウバショウ* Musabalbisiana バショウ科 方名:ウー 聞取:この辺の山にあった。屋敷は小さいからわずかしか植えない。戦前は各家庭で芭蕉布を 織っていた。妻の仕事。おばあさんが着物もつくっていた。着物はバシャギー(バシャギン、 バシャジン)といった。夏はみんな芭蕉着だった。染めるのはセーチギー(シャリンバイ) の皮を使った。この芭蕉着、商売人がまわってきて、芭蕉着があったら交換してくださいっ て、着物1枚と交換していた。よく交換した。辺野喜は肥沃だから、喜如嘉のより倍以上の びている。結ぶ糸が少ないから、喜如嘉のものより良かったはず。芭蕉の幹の芯を湯がいて 食べた。やわらかくておいしい。何か行事があるとき、折箱の代わりにした。若い連中が芭 蕉の葉をとってきて、これを炙って包んだ。炙ると破れない。昔は遠足行く場合も弁当はカ サヌファー(芭蕉の葉)で包んだ。熱冷ましには使ってない。芭蕉の幹の部分は浮かべて遊 んだ。 207.バナナ* Musa x sapientum バショウ科 方名:バサナイ 聞取:シマバサナイとタイワンバサナイがあった。 208.アオノクマタケラン Alpiniaintermedia ショウガ科 方名:ムーチーバー 聞取:ムーチーはこれで包んだ。 209.ゲットウ* Alpiniazerumbet ショウガ科 方名:サニン、サンニン 聞取:戦前は無かったのでは。山でもみてない。餅を包むのに使ったが、匂いが強いので通常は クマタケランを使った。 動物方名語彙 001.じゃこうねずみ(12) 方名:ビツ 分類:リュウキュウジャコウネズミ(13) Suncus riukiuanus 聞取:少ない。臭い。猫も食べない。鳴くといいことがあると言われた。 002.ねずみ
方名:ウェンチュ
分類:クマネズミ属 聞取:食べるということはなかった。子どもの頃は闘鶏をしていたので、ネズミを焼いてあげた。 003.はつかねずみ方名:-
聞取:見たことない。 (12) 動物方名調査では、 質問の段階では種を特定せずに、 一般的な呼び方で質問するようにしている。 それで、 ひらがなや漢字で表した。 (13) 方名で答えたあとに、 種が特定できる場合は和名と学名で表した。004.けながねずみ 方名:アリ 分類:ケナガネズミ Diplothrix legata 聞取:ちょうどダムの所の谷間にシイノキとイスノキの大きい木があって、これに巣をつくって いた。いつ行っても見られた。 005.とげねずみ 方名:- 分類:オキナワトゲネズミ Tokudaia muenninki 聞取:戦争が終わった頃、山に避難していたときにきれいに皮を剥いで食べる人がいた。 006.こうもり 方名:ハーブイ 分類:クビワオオコウモリ Pteropus dasymallus 翼手目 聞取:食べてない。フクギの実についていた。ミカンの被害も大きい。一晩で木一本分の実がな くなることもあったが、今は網を張っている。 007.小型のこうもり 方名:- 分類:小型コウモリ類(コウモリ亜目) 008.兎(うさぎ) 方名:ウサギ 聞取:学校ではたくさん飼っていた。学校から貰って個人の家でも買った。食べたりした。皮は 山羊より毛が小さいので、焼きにくい、だから普通は皮を剥いで、肉だけをとる。戦後は三 線の皮に、蛇の皮はないので、ウサギの皮を使っていた。 009.猿(さる) 方名:サールー 010.犬(いぬ) 方名:インヌクヮ、イン 聞取:昔はよく食べた。戦後も。赤犬がおいしい。処理するときに、毛に触れた手で肉を触ると 臭くなるので触らないようにした。 011.猫(ねこ) 方名:マヤー 聞取:食べたことがある。おいしかった。犬より味があった。おいしいものだから、マヤーニ [猫煮]とついたのかもしれない。昔は結核にいいと言われた。 012.馬(うま) 方名:ウマ 聞取:少なかった。戦後は山稼ぎで4、5頭がいた。牛は水田の鋤きだが、馬は山仕事。馬を食 べたとしても、炊いたらものすごく肉が減る[食用という感じではない]。山羊は増えるの だが。 013.豚(ぶた) 方名:ゥワー 聞取:昔は豚小屋とトイレは一緒だった。正月前に各家庭1頭つぶして、別に保存用としてスー チ(塩漬け)にした。夜遅く帰ったりすると豚小屋でお祓いした。その場合は豚が鳴かない とだめだった。戦争中は、豚が焼かれて死んでいた。血を抜いてないので、煙の匂いがして おいしくなかった。猪でも山羊でも食べる時は血を抜かないとおいしくない。 014.牛(うし) 方名:ウシ 聞取:戦前は山羊や牛を飼っていた。牛は繁殖用だった。仲買人がやってきて4、5頭引き連れ
ていった。雄牛はウームン、雌牛はミームンといった。牛は水田の仕事にも使った。鋤きや 踏みつぶしたりするのにも使った。緑肥を使っているので、人が踏みつぶすより長持ちした。 015.山羊(やぎ) 方名:ヒージャー 聞取:いろいろな機会に食べた。各家庭には2、3頭ずついた。学校から帰ってから水浴びさせ ていた。餌やりなど子どものノルマがあった。 016.いのしし 方名:ヤマシ
分類:リュウキュウイノシシ Sus scrofa riukiuanus
聞取:よく食べた。戦前から刺身で食べるというのがあった。戦後になって保健所からあまり食 べるなと言われた。猪猟の時などお祈りはやってなかった。跳ね縄は戦後になってワイヤー が出てから。少し残っているはずだが、猪垣があった。猪垣とアナブイ[落とし穴]があっ た。戦後しばらく、芋栽培するときは猪垣の管理もしていた。焼き畑をして、5、6ヶ年放 置して、雑草を生やして肥沃になった頃に伐採して耕して火入れをすると木灰ができる。そ こに[芋を植えると]1ヶ年半で収穫できる。猪の害を防ぐためにサナガキ(棚垣)という のがあった。 017.じゅごん 方名:ザン 分類:ジュゴン Dugondugong 聞取:おいしいらしいが、食べたことはない。 018.いるか 方名:ヒートゥ 分類:歯鯨亜目 聞取:戦後はよく食べた。名護から売りに来た。辺野喜でも1回捕った。部落総出でわけた。塩 漬けした。 019.くじら 方名:グンラ、クジラ 分類:クジラ目(イルカと呼ばれる小型の歯鯨亜目を除く) 聞取:名護で捕っていた。弁当のおかずに1センチ立方ぐらいの角切りしたのを入れた。 020.あひる 方名:アフィラー 聞取:家で飼っていた。よく食べた。クスイムン(薬物)だった。アヒルを飼っているとハブが 来なくなるといわれていた。 021.鶏(にわとり) 方名:スイ 聞取:鶏小屋を作って飼っていた。卵も肉も食べた。鶏を飼ったらハブが来よった。戦後も鶏が 3頭ぐらいハブにやられて死んだ。昔の屋敷囲いは石垣だったが、ハブがいるのでブロック にした。夜、寝ていてハブに咬まれる人もいた。 022.さぎ類 方名:サーミークンダ 分類:サギ科 聞取:サギ類はだいたいサーミークンダという。白いのは田んぼにいるからサーミークンダとも 呼んだ。 023.ばん 方名:フミル
分類:バン Gallinula chloropus 聞取:あまり大きくない。川にもいる。 024.やんばるくいな 方名:アガチ 分類:ヤンバルクイナ Gallirallus okinawae 聞取:山にいる鳥類はみんなヤマドゥイといった。アガチといったらこれのことですぐわかる。 1回だけ食べたことがあるが、なかなか採れない。辺野喜周囲にもいっぱいいたが最近は 減ったような感じ。ダムの周辺に田んぼがあったが、稲を食べに出て来た。 025.のぐちげら 方名:フィリッカ、ヒリッカ 分類:ノグチゲラ Sapheopipo noguchii 聞取:木にはヒーというが、名前は木を突くという意味がある。食べたことはない。 026.あかひげ 方名:アホーモー
分類:ホントウアカヒゲ Erithacus komadori namiyei
聞取:名前は赤いという意味もある。人になじむと、近づいても逃げない。 027.さしば 方名:チンミー 分類:ワシタカ目/サシバ Butasturindicus 聞取:名前は鳴き声がチンミーと聞こえるから。渡ってきて残っているのにはウチダカと言った。 028.うずら(14) 方名:- 029.しぎ類 方名:- 030.やましぎ 方名:- 031.きじ鳩 方名:ホートゥ 分類:キジバト Streptopelia orientalis 聞取:食べた。鳩は肉が多い。 032.青い鳩 方名:オーボートゥ 分類:ズアカアオバト Treron formosae 聞取:食べた。体も大きい。 033.黒い鳩 方名:ウシボートゥ 分類:カラスバト Columba janthina 聞取:鳴き方が独特で寂しい鳴き方をする。 034.ふくろう 方名:チッコフ、チク
分類:リュウキュウコノハズク Otusscopselegans
聞取:小さい。
035.あおばずく 方名:チッコフ、チク
分類:アオバズク Ninox scutulata
聞取:大きい。呼び方はコノハズクと同じ。
036.かわせみ 方名:サナガークェールイ
分類:カワセミ Alcedoatthisbengalensis
聞取:エビを捕まえていた。サナガーはエビのこと。
037.あかしょうびん 方名:コハル
分類:アカショウビン Halcyoncoromanda
聞取:大きな声で鳴く。たまにしか見ない。
038.つばめ 方名:マッタラ
分類:ツバメ Hirundorustica 、リュウキュウツバメ Hirundo tahitica
039.せきれい 方名:アブシハナガ
分類:キセキレイ Motacillacinerea 、(ハクセキレイ Motacilla alba)
聞取:白いのと黄色いのがいた。アブシハナガの名は、尾をクロスするよう動かすから。アブシ は田んぼの畦のこと。 040.ひよどり 方名:ビー 分類:ヒヨドリ Hypsipetesamaurotis 聞取:うんと食べた。戦後も食べた。非常においしかった。二階建てのような鳥かごをつくって、 一階には囮をおいて、その罠で捕まえた。昔の子どもは自分で竹を使って作った。10羽ぐら い捕まえたらご馳走だった。渡り鳥だから10年に1回ぐらいは多い場合がある。それでタン カンが被害をうけて大変だった。 041.いそひよどり 方名:サガワシー 分類:イソヒヨドリ Monticolasolitarius 聞取:昔は海岸だけだったが、岩場が少なくなったせいか、ここ[共同売店]まであがってくる。 042.うぐいす 方名:チク 分類:ウグイス Horornis diphone 聞取:鳴き声がチッチとするから、チクと呼んだと思う。 043.ひばり(15) 方名:- 分類:セッカ Cisticolajuncidis 聞取:ここではあまりみない。 (15) 沖縄島にはヒバリは生息していないが、 調査は一般的に使用されている名称を用いて質問している。
044.しじゅうから 方名:ファンギヌファー 分類:シジュウカラ Parus minor 045.さんこうちょう 方名:- 046.めじろ 方名:オーラマ、オーラマパッパ 分類:メジロ Zosteropsjaponica 聞取:焼き鳥にして骨まで食べた。あの頃は物がなかったので、子どもがよく食べた。 047.すずめ 方名:クラー 分類:スズメ Passermontanus 聞取:昔は多かった。焼き鳥にして食べた。米を作っているころは多かった。軒下によくやって きた。 048.からす 方名:ガラス、ガラサー 分類:ハシブトガラス Corvusmacrorhynchos 聞取:雛が羽根が生えない前に獲って食べた。羽根が生えたら肉がなくなる。 049.ごいさぎ 方名:- 050.りゅうきゅうよしごい 方名:- 051.山にいる亀 方名:ハーミ 分類:リュウキュウヤマガメ Geoemydajaponica 聞取:昔は、山から捕まえてきて甲羅を下にして焼く、4本の足が抜けるので塩につけて食べた。 喘息の薬と言っていた。子どもの遊びというよりは、昔は食糧がないので食べた。大人も食 べる時があった。また、家でも飼っていた。 052.やもり 方名:ヤールー
分類:ヤモリ科/ホオグロヤモリHemidactylusfrenatus/ミナミヤモリGekkohokouensis
聞取:戦前からいた。家と山にいるものは区別してなかった。 053.とかげもどき(夜間出てくる) 方名:- 分類:クロイワトカゲモドキ 聞取:落ち葉の中や腐った木の中にいる。たまに猫が捕ってきた。 054.きのぼりとかげ 方名:- 055.おきなわとかげ 方名:ハミングヮリ 分類:オキナワトカゲ Plestiodon marginatus 聞取:砂地によくいた。今でも時々みる。 056.ばーばーとかげ(山の中にいる) 方名:-