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はじめに(国際家族法研究会シリーズ20)

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Academic year: 2021

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◇ 特別寄稿 ◇

【国際家族法研究会シリーズ20】

は じ め に

2012年11月17日,科学研究費補助金(基盤A)「変貌する家事紛争に対 応した解決モデルの構築」の研究の一環として,シンポジウム「台湾・日 本における家族法・相続法の課題」を大阪大学にて開催した。このシンポ ジウムにおいて,何佳芳氏(東吾大学法学院助理教授)は,「台湾家事事件 法の改正」と題して,台湾において2012年 6 月 1 日から施行された家事事 件法の特徴及び内容を報告され,それを踏まえた上で,渉外家事事件に関 する国際裁判管轄権について検討・報告された。 前者は,家事事件の手続を統一し体系化するとともに,当事者の合意に よる解決を促進し,その過程で子どもの意思を尊重するためのソーシャル ワーカーの立会いなど,私たちが研究しているテーマに関して重要な論点 を含むものだった。後者は,グローバル化における国際裁判管轄ルールを 確立するために,家事事件法53条で明文化した内容を検討するものであ り,国際的な家事紛争の解決手法の開発も私たちの研究テーマに密接に関 連するものだった。そこで本シリーズに掲載することを計画したが,2012 年 6 月施行後の,家事事件法の運用や実情をフォローした上で掲載するこ とによって,内容がより一層,充実したものになると考えた。 2014年 3 月 1 日,上記科研の研究の一環として,「台日家族法・国際私 法研究会」を静宜大学(台湾・台中市)にて開催し,何氏に「台湾家事事 件法の改正と現状」の報告をお願いした。また 3 月 3 日,本法の立案に携 わった林秀雄氏(台湾・輔仁大学法律学院教授),魏大喨氏(最高法院判事) にヒアリングし,さらに新北地方法院少年・家事法庭を訪問し,林春長氏 (同法院少年・家事法庭長)及び 5 名の裁判官と座談会形式で質疑を行い, 家事サービスセンター,促談会議室,法院内に設けられた DV 相談セン 145 (601)

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ターなどを見学した。 今回の国際家族法研究会シリーズでは,何氏の報告について,「台湾家 事事件法の改正について」,「家事事件法における国際裁判管轄」の 2 部に 分けて掲載し,前者については,私たち科研の研究グループが行った上記 ヒアリングから得た知見を紹介することによって,家事事件法の運用によ り当事者の合意による解決がどのように促進されようとしているのか,多 少とも実態的な内容を補足したいと考える(二宮「家事紛争の合意解決の促 進と台湾家事事件法∼調査報告を兼ねて」)。 日本は台湾に遅れること半年,2013年 1 月 1 日から家事事件手続法が施 行された。調停前置の活用と限界,子の意思の尊重とそのための子のサ ポート,家裁調査官の役割の重視,裁判官の専門化など共通する課題も多 い。日本における家事紛争の合意解決手法を検討する上で,貴重な示唆を 得ることができると考え,また日本以上にグローバル化している台湾の家 事に関する国際裁判管轄の議論も有益であると考え,立命館法学への掲載 をお願いした。 (二宮 周平) 立命館法学 2014 年 2 号(354号) 146 (602)

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