論 文
任意形状の孔を有する弾性体の有効弾性係数
平嶋健一 水谷弘次
(平成8年8月31日受理)
Effective Moduli of 2-D Solids with Cavities of Various Shapes
Ken-ichiHIRASHIMA KojiMIZUTANI Abstract The present work studies the effective elastic properties of two−dimensional(2D)solids with holes of various shapes(ellipses, polygons, cracks, etc_). In the analysis we use a complex variable method of elasticity involving a conformal transformation. Then we take a far field result and derive the effective elastic constants of composites with a dilute concentration of polygonal holes. 1. はじめに 性質の異なる材料で構成される混合体は,個々の材 料の性質や組み合わせ方で様々な挙動を示す。このよ うな混合体の挙動を個々の材料の特性を用いて予測す る方法は,これまで多くの研究者によって提案されて いるが,その適用範囲は限られている。混合体には多 くの種類があるので,その材料に適した評価法によっ て挙動を予測しなければならない。 様々な形状,大きさ,方位および分布をもつ孔群を有 する岩盤材料も一種の混合体とみなすことができる。 本論文の主要な目的は,岩盤材料における任意形状 孔群の有効弾性係数に与える影響を調Nるものであ る。実際,自然界における岩盤材料は不均質かつ不連 続であるため,その力学的性質の定量的把握は非常に 複雑であるが,本論文で得られた結果を岩盤材料に応 用することにより,その力学的性質を推定するための 基礎資料となることを目標とする。 * 土フNeWn]二学禾斗, Department of C i v i l and Environmenta l Engineering **パシフィックコンサルタンツ株式会社2.単一孔問題に対する解析理論
2・1 基礎方程式の誘導と応力・変位の表示 本章では,単一孔を有する材料に対して,複素変数 法による理論解の誘導が行われる。ここでは,等方性 弾性材料内に開削される任意形状孔を力学モデルとし て,二次元的な面内荷重が作用する場合の解析理論を 示すが,これらの具体的な理論解の誘導に先立って必 要となる基本的事項に関して以下に述べておく。 2.1ユ重ね合わせ手法による応力問題 いま,解析モデルとして,図1(a)に示すように,孔径 に比して十分遠方に面内の初期応力成分(σ㌃,σ鈴爵) が作用する弾性材料を考える。ここで,座標系として は,孔軸方向がz軸と一致するように選んだ直交デカ ルト座標系を設定するものとする。 このような材料に孔を開削した場合,すなわち図 1(a)の状態での孔周辺材料の応力分布は,材料が弾性 体であるという仮定から,図1(b)および(c)の二つに 分解した応力分布を重ね合わせたものに等しくなる。 ここに,図1(b)は材料内に孔がないとした場合に図 1(a)と同じ外荷重応力が無限遠より作用した場合であ(a) σ叶 y uee■1一 ↓
鴨÷ @↓
d9
(b) σ叶 y 一一τ爵 ↑Y
/・Lx}i σ9÷∼ ’ ↓ 、・・…一…膓 τ爵r一x空_
一…レτ爵 ↑ σ曽X÷十
(c) y 一Yn ↓ −Xn X 1 1 1 1/12 1/21 α11= 「,α22=瓦,α33=瓦’α12=一万;一万’〃13 〃31 レ23 レ32 1
α・3=一怐u=一冗,α23=一瓦=一耳,α44=砺, ↓ σ9 図1孔を有する媒体と外荷重状態 る。この状態において,仮想の孔位置における応力, すなわち,XnおよびYnは容易に求めることができる。 一方,図1(c)は孔の境界周縁に沿ってこれらの応力と 大きさが等しく方向が反対の応力,すなわち,−Xnお よび一Ynが作用した場合の図を示している。 ところで,上述のごとく図1(b)の応力分布および仮 想した孔周縁の応力XnおよびYnは簡単に求められる ことから,結局,弾性材料内に孔を開削する問題は, 図1(c)に示す外荷重応力が孔周縁に沿って作用するよ うな第1種境界値問題を解くことに帰着する。 2ユ.2基礎方程式の誘導 均質な異方性弾性体の場合の応カーひずみ関係式 (構成方程式)は,一般化したHookeの法則によって次 式で与えられる。 εx ey ε1 7yz 7xz 7xy α11 α12 α13 α14 α15 α16 α12 α22 α23 α24 α25 α26 α13 α23 α33 α34 α35 α36 α14 α24 α34 α44 α45 α46 α15 α25 α35 a45 α55 α56 α16 α26 α36 α46 α56 α66 σx σy σz 7「yz 7xz 7「xy ここにμ‘」,(i,ブ=1,2,…,6)は弾性コンプライアンスで あり,弾性定数の逆数に相当する量である。例えば,直 交異方性弾性体の特別な場合で,弾性主軸の方向が座 標系(x,y,z)の座標軸方向と一致するような場合には, 次式のような関係が成立する。 .(1) a55一 謌 一毒その他CD ai」 =・・ ここに,El,E2,E3はx,y, z軸方向の主弾性係数(Young 率),G12,G23,G31はそれぞれX− y,y−ZおよびZ−X 面内のせん断弾性係数である。また,吻はボアソン比 であって,i軸方向に作用した一軸荷重応力によって生 じる」軸方向の直ひずみεゴと,それに直交するi軸方向 の直ひずみεiとの比,すなわち,句=1εゴ/εi1を表す。 ところで,孔の延長がその断面のディメンジョンに比 して十分に長いものとすれば,問題は平面ひずみ状態 として取り扱うことが妥当となる。このような場合に はεz=0となって,式(1)の第3式は, a、一一⊥(。、3σx+。,3σ,+。,、・,.+・,,7xz+・、,r。y).(3) α33 と変形される。これを式(1)に代入すると,その他のひ ずみ成分は次のように表される。 εx εy ory z 7xz 7xy β11β12β14β15β16 β12β22β24β25β26 β14 β24 β44 β45 β46 β15β25β45β55β56 β16β26β46β56β66 σx σy ぴ TX i γxy (4) ここに, βiゴ=・ザα‘3αゴ3.(i,元=・,2,4,5,6) (5) α33 上式(4)はβ‘ゴを弾性コンプライアンスとする平面ひず み状態に対する応カーひずみ関係式(構成方程式)で ある。 次に,二次元弾性体に関するひずみ一変位関係式(幾 何学関係式)と,物体力がないものと仮定した場合の 応力の釣り合い条件式は,それぞれ次式で与えられる。 Ex一f, ey一劣,7・y=蒜+器・ (6)
誓+穿一q裂+爵=・ (7)
さて,いま釣り合い条件式(7)を満たすような応力 関数F(x,y)を導入するものとすれば,これらの応力関 数は各々の応力成分との間に次式のような関係が成立 する。 ax一f,的=纂, r・y−一嘉・ (8)
(2)平成8年12月 山梨大学工学部研究報告 第47号 上式中の応力関数は,また,変位の適合条件を満足しな ければならないことから,二,三の演算ののち,最終的 にF(x,y)に関する次式のような偏微分方程式が得ら れる。 ∂4F ∂4F ∂4F β22孫一2P2・∂。・∂,+(2β・2+β66)∂。・∂,・ (9) ∂4F ∂4F −2β・6∂x∂y・+β・・㌫=°・ 以上に示した応力および変位の成分は考えている物 体の内部で連続であって座標の一価関数でなければな らない。また,これらの成分を決定するためには,式 (6)を満足し,かつ境界条件を満たすような応力関数 F(x,Y)を定める必要がある。 2ユ.3境界条件式 考えている物体の奥行き方向(z軸方向)に変化しな いような一様な境界表面を有する領域の境界周縁に, 座標軸方向の外荷重応力XnおよびYnが作用するよう な第1種境界値問題の場合の境界条件式は,一般に,無 限遠での応力成分と境界の方向余弦を用いて次式で与 えられる。
蕊∴)ご蕊} (1・)
ここに,nは図2に示すように,断面の境界表面にたて た領域の外側方向に向かう法線である。COS(n,X)およ びCOS(n,y)は法線とそれぞれX軸およびy軸方向との 間の方向余弦を表す。これらの方向余弦は境界上の弧 長8で表すことが可能であり,いま,弧sが,考えている 領域が常に左側にあるように弧上を動くときを正の方 向であるとすれば,次式のように与えられる。::::::1竃1竃} (11)
上式中の複符号は境界の領域が内部にあるとき上側を, また,孔問題のように境界の領域が外部にあるときには 下側の符号をとる。なお,図2に示すようなn,s,Xn,Yn の方向がすべて正の方向を表す。 以上より,式(10)の境界条件式を満足するように基 礎方程式(9)を解けば,必要な応力関数F(x,y)が求め られることになる。孔周辺材料の応力および変位はこ れらの応力関数が決定されると容易に算定することが できる。 これらの応力関数に対する一般式と具体的な応力・ 変位の表示については,次節において述べる。 y 図2領域の幾何学形状と第1種境界条件 2・2 等方性弾性体に対する応力関数の一般式と応力・ 変位の表示 面内荷重が作用する二次元異方性弾性体に対して, 式(9)で与えられる基礎方程式を解くことを考える。 いま,式(9)を微分演算子L4を用いて, L4F=0. (12) と表示する。このL4は四次の微分演算子であるが,こ れは次に示すような一次の線形微分演算子に分解する ことが可能である。 D4D3D2D1・F=0, ∂ ∂Dド
怦黹ハ・∼痘・(k=1,2,3,4) } 上式中の係数幽は次の特性方程式; (13) β11μ4−2β16μ3十(2β12十β66)μ2−2β26μ十β22=0.(14) の複素根である。上式の根仰は常に複素根かあるいは 純虚根であり,それらの根のうちの二個は残りの二個 と共役であることが証明されている。ここで,対象とす る材料が等方性弾性体の場合には,式(14)の特性方程 式の4つの根は共に単位の純虚根(ie.ptk=i)となる。 いま,複素変数zを次式; z=x十iy. (15) で定義する。また,式(9)の基礎方程式は次式のように なる。 ∂4F ∂4F ∂4F万+2∂。・∂y・+研=°・ (16)
上式の応力関数F(x,y)に対する一般解はGoursatに よって解かれており,次式で与えられる。 F=・Re[7Φ・(z)+Φ2(Z)]. (17) したがって,等方性弾性体の場合の応力と変位は周知 のMuskhelishviliの方法によって,二っの複素解析関数 軌(z)を用いて次式で与えられる。σx十σy=4Re[Φ{(z)], σy一σx十2iTxy=2[7Φlt(z)十Φ)(z)], 2G(u−iv) = Ktp・(z)一 7Φ1(z)一Φ2(z)・ (18) ここに,G←E/2(1+u))は等方性弾性体のせん断弾性 係数,また,係数κは平面ひずみ状態に対してrc =3−4〃, 平面応力状態に対してはκ=(3−u)/(1+〃)で与えら れる。Eおよびuはそれぞれ弾性係数とボアソン比で ある。 なお,上述の式(18)で与えられる応力と変位は第1 種境界値問題に対するものであり,図1(c)の状態に対 応するものである。したがって,実際の孔周辺の応力・ 変位としては図1(b)の状態のそれを足し合わせて求め る必要がある。すなわち,前節で述べたように,材料内 に作用する無限遠方での初期応力成分を(σ夢,σ鈴楊) とし,これらの応力によって生じる孔がない状態での 初期変位を(u°°JV°°)とすれば,求めるべき最終的な応 力および変位は次式で与えられる。
:三∵二∵ 窟+りρ)
ここに,σi,σg,riy,u’,v’は式(18)で求まる第1種境界 値問題に対する応力成分と変位成分である。また,u°° およびv°°は次式で算定される。 1_v2 vu°°=
@E(oo −
ミ一 σx1−uy)x◎o+(1去”爵一ω)y+u・, 1_u2 u v°°= @E(oo − ◎oσ9−1_Fσi)y +(?tUr.・,・+。)x+v・・ (20) ここに,c2iおよびUo,Voは座標原点における剛体回転角 および剛体移動量であるが,いま考えているような問 題の場合には,これらを零とおいて差支えない。 ところで,上式で与えられる初期変位u°°,v°°は材料 の形成過程において初期応力に起因して発生する潜 在的な変位を意味するものであり,孔が開削される以 前の材料内ですでに発生しているものである。そのた め,本論文で取り扱うような孔問題すなわち,孔掘削 に伴って発生する変位を考えるような場合には,これ らの初期変位は無視するのが妥当であろう(便宜的に u°°=v°°=0とみなす)。したがって,式(18)で与え られる変位がそのまま孔掘削による変位を表すことに なる。 (a) iv 「 r/ (x。 ● ・lV。 x (b) in γ / マ/’ ξ z=x+iv=rete ζ=ξ◆in=ρ eie (z−plaoe) (ζ一pl80e) 図3任意形状境界の円境界への写像 2・3 形状係数hiの決定 前節では,単一孔を有する材料に対して,具体的な理 論解の誘導に先立って必要となる基本的事項に関して 述べてきた。 本節では,等方性弾性材料内に開削される任意形状 孔を力学モデルとして,二次元的な面内荷重が作用す る場合の解析理論を示す。 2.3.1写像関数 まず,任意形状孔を有する断面領域を示す物理的な 複素平面1(=x+iy)を,次式により,図3(b)に示すよ うなく一平面上の単位円上およびその外部に写像する。 M ・=x+・iy≡ω(ζ)ニα・<+Σ(αm+iβm)ζ”’n・(21) m=1 ここに,αm , fim,(mニ0,1,2,…,M)は孔の断面形状に よって決定される実定数である。Mは正の整数を表す。 また,ζ=ρeiδ,(ρ≧1)であり,ρ=1のときz一平面の孔 縁が,ρ>1のときその外部領域がそれぞれ対応する ことになる。 2.3.2ひずみ増分△ε 単一孔を有し無限遠応力場σが作用する材料の総ひ ずみεは次式で与えられる。 ε=Mo:σ+△ε. (22) ここに,Moはマトリクスのコンプライアンステンソル であり,記号(:)は二つの指数を結ぶものである。また, 単一孔によるひずみ増分△εは次式で与えられる。 △・一
」∫ユ (23)
ここに,σとnはそれぞれ孔境界rの変位と孔境界rに直 交する単位ベクトルである。また,Aは孔を含む材料の 総面積である。 ここで,ひずみ増分△εを求める。孔境界r上のすべて の点ω(δ)(図4参照)におけるU,n,Unおよびdsはそ れぞれ次式で与えられる。平成8年12月 山梨大学工学部研究報告 第47号 y X 図4孔境界r上の点w(δ)における変位ひおよび単位ベ クトルn
∵∵i:撒}(24)
また,変位σと複素解析関数Φk(z)との関係は次式で与 えられる。 2G(u十iv)=κΦ1(z)−zΦ1(z)一Φ2(z). (25) よって,ひずみ増分△εは式(24)および(25)を式(23)に 代入することにより次式のようになる。 Ae一氏轤高虫「㎡(δ)d6・ (26)
したがって,ひずみ増分△εは写像関数ω(く)および複素 解析関数軌(z)を用いて求めることができる。 また,ひずみ増分△εは作用応力場σの線形関数として 次式で与えられる。 △ε=H:.a. (27) ここに,4階テンソルHは孔コンプライアンステンソ ルと呼ばれ,マトリクスが等方性弾性体の場合に対し て求めることができる。 2.3.3弾性ポテンシャル関数f 応カーひずみ関係がεη=∂f/∂σ‘ゴで与えられる単 一孔を有する材料に対する弾性ポテンシャル関数f(σ) は次式のように与えられる。 1 ∫(・)=E・・ε(・) 1 1 =;σ:M・:σ+iσ:H:σ ≡fo+△f. (28) Y///
P//丞
x 図5任意方向の傾きαで一軸引張応力Pが作用する任 意形状孔 ここに, 九一 O[(1+・・)t・(…)一・・(t・a)2]・ (29) は孔がない場合の材料の弾性ポテンシャルであり,△f は孔の存在による材料の弾性ポテンシャルの変化量を 表す。また,EoおよびVoはそれぞれマトリクスの弾性係 数とポァソン比である。 2.3.4形状係数hi 孔に対して,任意方向の傾きαで一軸引張応力Pが作 用したとき(図5参照),正多角形孔および2軸対称 孔に対して式(23)は次式のようになる。P5
△ε・・= 「互[(hl−h2)+(ん・+九・)…2・L 、P 5 △ε22= l[(h4−h2)一(れ・+ん・)…2・1,P5
△ε・2= 「互ん3sin 2α・ (30) ここに,Sは孔面積であり, hiは形状係数で孔形状によっ て決定される実定数である。また,孔面it Sは写像関 数ω(〈)を用いて次式で与えられる。 s−G・m∠㌔敵δ)d6・ (31)
先述した孔コンプライアンステンソルHは式(27)と 式(30)より形状係数hiを用いて次式で表すことがで きる。 1SH=
rErr[2hleeee+2h・mmmm+ん・(em+me)(32) ×(ψm十m4)−2h2(e⑫mm十mm4£)].ここに,eとmはそれぞれx’軸とy’軸の単位ベクトルで ある。 また,材料の弾性ポテンシャルの変化量△fは式(28) と式(30)より形状係数hiを用いて次式で表すことが できる。 △f=晶{h・・r(…)一・h・(・・a)2+・・[(h・+h2(33) −h3)eeee+(ん2−h3+九4)mmmm]・σ}・
3.多数孔問題に対する解析理論
材料が多数の孔を有し,各孔に相互作用が働かない と仮定すると,各孔にそれぞれ無限遠応力場σが作用す ることになる。このとき,材料の弾性ポテンシャルの 変化量△fは式(33)の和として与えられる。 簡単な場合として,すべての孔が同じ形状であると すると,形状係数hiはすべての孔に対して同じになる。 結果として,材料の弾性ポテンシャルの変化量△∫中に パラメータpおよびTが現れる。 △∫=;・・Σ∬(k)・σ 一吉{・[h・・r(…)一ん・(tr・)2〕 +σ:T:σ}. ここに, P= 」Σs(k)・ T= 」ΣS(k)[(h・+九・一九・)eeee (34) (35) (36) +(ん2一ん3+ん4)mmmm](k), 孔がランダムに分布している場合(図6参照),テ ンソルTは等方性となり,式(34)中のσ:T:σは次式の ようになる。 ・・T・一…[(九1+ん2一ん3)+(九・一九・+ん・)] ×[2tr(σ・σ)+(t・σ)2]. よって,有効弾性係数は次式のようになる。 E l Eo 1十(1/4)P(3hi−2h2十2h3十3h4)’ 3・1 だ円孔の場合 (37) (38) 主軸長2αおよび2bのだ円孔の場合,写像関数ω(ζ)は 次式で与えられる。 ω(〈)−1[(・+b)く+(・−b)く一1]・ (39) したがって,前述の解析理論により,形状係数hiは次式 のようになる。 図6孔がランダムに分布する材料1:1㌶:三㌧一:}
3・2 正多角形孔の場合 (40) 孔が正多角形孔の場合,写像関数ω(ζ)は次式で与え られる。咽∴客∴...].(41)
ここに,nは正多角形の辺数であり,Rは実定数である。 正多角形孔の形状係数hiを上式の写像関数を用いて 求める。ここで,写像関数は正三角形,正四角形および 正五角形とも式(41)中の第3項までとっている。結果 を図7に示す。正多角形孔の場合,形状係数hl=h4と なる。 また,孔が正四角形以外の正多角形孔の場合(n= 30r n≧5),図7からわかるように,形状係数hl,h2お よびh3には次式の関係がある。 h3=hl十h2. (42) よって,式(34)中のパラメータTを含む項は消え,材料 の弾性ポテンシャルの変化量△∫は孔の方向による影響 がなくなる。つまり,これらの孔を有する材料はどん な孔分布に対しても,有効弾性係数は等方性になるこ とがわかる。 また,孔が正四角形孔の場合,孔分布により有効弾性 係数は異なってくる。 正四角形孔が平行に分布している場合(図8参照), すべての孔に対する単位ベクトル4(k),m(k)は平行にな り(e(k)≡e,m(k)≡m),パラメータTは次式のように なる。平成8年12月 山梨大学工学部研究報告 第47号 hl=1.5860 h2=O.3936 h3=1.9796
y
hl=1.0874 h2=O.3994 h3=1.4868 図7正多角形孔の形状係数hi hl=1.3808 h2=O.5904 h3=1.2031e2
x el 図8正四角形孔が平行に分布する場合 T=(eeee・+・mmmm)去Σ5(・)−P(eeee+mmmm).(43) よって,正四角形孔が平行に分布するとき,有効弾性係 数は次式のようになる。El E2 1
瓦=IE =1+2ph、・ (44)
4.数値計算例
本章では,前章までの解析解を利用して,いくつかの 数値計算例を示し,考察を述べる。 1.0 己 ≧ 0ヨ…十一トー
i b/a=’.0 b/a寺0.5 ib/a=(101 P 0.5 図9だ円孔がランダムに分布する場合の有効弾性係数 の比較 図9は,だ円孔がランダムに分布している場合の有 効弾性係数の比較である。図9から,だ円孔の偏平率 が大きくなるにつれて有効弾性係数が小さくなってい ることがわかる。 1.0 山 1)iO O. 5
P 図10正多角形孔がランダムに分布する場合の有効弾 性係数の比較 図10は,正多角形孔がランダムに分布している場合 の有効弾性係数の比較である。図10から,正多角形の 辺数が多くなるにつれて有効弾性係数が大きくなって いる。また,辺数が多くなるにつれて各孔の有効弾性 係数の差が小さくなっていることがわかる。 図11は,正四角形孔が平行に分布している場合とラ ンダムに分布している場合の有効弾性係数の比較であ る。図11から,孔の分布により有効弾性係数が変化す ることがわかる。1.0 6andomly oribnted iholes