椙山女学園大学
「ふれあい実習?(参加)」の実践報告 : 教員養成
と現職教育のための“ハイブリッド型教育実習”構
築を目指して
著者
山田 真紀
雑誌名
教育学部紀要
号
5
ページ
195-207
URL
http://id.nii.ac.jp/1454/00001766/
椙 山 女 学 園 大 学 教 育 学 部 紀 要(Joumal of the School of Education, Sugiyama Jogakuen University)5:195∼207(2012)
実践 報 告(Report)
「ふ れあい 実習n
参加)」の実践報告
一 教 員 養 成 と 現 職 教 育 の た め め “ハ イ ブ リ ッ ド 型 教 育 実 習 ” 構 築 を 目指 し て ー
Report of “Chalk パface Seminar n : training to
be teachers at elementary school ”:
Investigation into a hybrid system of training
of teachers and training to be teachers
│
はじやに
山田 真 紀
Maki Yamada * 本稿 は椙 山女 学 園大学教育 学部の授業 科目 のひとつである「 ふれあい実習H( 参加)」 の実践 記録であ る。「ふ れあ い実習H( 参加)」は1 年次必修 の「ふ れあい実習I( 観察)」 の上 位科目であ り、 ふ れあい実 習I で 授業観察 の技能を身 につ けた後、 希望者 が椙山 女学 園大学 附属小 学 校( 以下 ;椙山小 学校と略記) にて1 年 間、授業 実習を行 うもの であ る。授業 実習 は、土 曜 日にクリプ トメリ ア ンサタデ ースクこー ル1 に参 加す る小 学 生 を対 象に、年 間15 回程 度行う。 教育学部 が開学し た平 成19 年度 から4 年 間は選択 必修科 目であ り、平 成23 年度 からは選択科 目となってい る。 犬 \ 筆 者 はこ の授 業科 目を、 将来教 具を 目指す 学生 の教員養 成の場 であ るだけ でな く、 大学 の教員 と小 学校教 諭が ともに学 び合 う現 職教 育の場 とし て も位 置づ けてい る。そ して 将来的 には、 総合 学園であ る椙 山女 学園 なち ではのブ 教員 養成七 現職教育 のため のハ イブリ ッド 型教育 実習” の構築 を目指してい る。 まだ道 半ばで はあ るが、 現時点 で の成果と今 後 の課 題につい てま とめ、 今後 のさらなる改 善の一里塚 としたい。 I −ふ れあ い 実 習II (観 察 )の 概 要
(1) 歴 史ト 。。 ニ し ① 人 間 関 係 学 部 の 教 職 履 修 者 が ボ ラ ン テ ィ ア で 運 営 す る 時 代 レ 平 成14 年 度 に 、 当 時 の 椙 山小 学 校 校 長 の 中 村 太 貴 生 先 生 と、 人 間 関 係 学 部 講 師 で あ っ た 筆 者 が 、 主 に 人 間 関 係 学 部 の 教 職 履 修 者 を対 象 に は じ め た 「 椙 山 小 学 校 ボ ラ ン テ ィ ア ( 通 称 : 椙 ぼ ら )」 が ふ れあ い 実 習H ( 観 察 ) の 前 身 で あ る 。 平 成14 年 度 か ら 18 年 度 ま で の5 年 間 は、 授 業 の 位 置 づ け を 持 た な い 、コ筆 者 に と っ て も 学 生 に と っ て も純 粋 な ボ ラ ン テ ィフ 活 動 で あ っ た 。 ト 椙 山小 学 校 で は 、 土 曜 日 に 「 土 曜 講 座 」 と 呼 ば れる講 座 を 開 い てお り 、 希 望 す る 児 童 が 英 語 ・パ ソ コ ン ・ 三 味 線 ・ フ ラ ダ ン ス ・ 造 形 絵 画 な ど の 講 座 に 参 加 し てい た 。 こ れ ら の 講 座 受 講 に 先 立 ち 、児 童 の 基 礎 学 力 向 上 を 図 る 目 的 で「 学 習 タ イ ム」が 設 け ら れ、 195山 田 真 紀 / 「 ふ れ あ い 実 習n ( 参 加 )」 の 実 践 報 告 一教 員 養 成 と 現 職 教 育 の た め の “ ハ イ ブ リ ッ ド 型 教 育 実 習 ” 構 築 を 目 指 し て ー こ の時 間を担 当す る講 師とし て大学 生が招 か れた のである。 学習 タイム は8 時45 分 から9 時30 分 の45 分 間であ り、前 半に算数ドリ ル を行い 、後半 に学 生が準備し た自 主 教材を行 うとい う構成 となってい た。 教職履 修者の実践力 向上の場 として、 また同 じ 総合学 園で学 ぶ小 学生 と大学生 の交 流の場 として機 能することが期待 さ れ、実際 に、 こ の活動 を通して教 職の魅力 に目覚 め、 現在、小 学校教諭 や中学校教 諭として教 壇に 立ってい る卒業生 も多 数輩 出してい る。 一方 で、 人 間関係学部で は小 学校教諭 の免許 状 が取得で きない ため、こ の実習 を通して小学 校教諭 になることを志し て もへ 卒業 後 に通信制大 学に再入 学し なけ れば免 許状が取得 で きない ことから、卒業 後に特別 な苦 労 をして小 学校教諭 になっ た卒業生 が少な くない こ と、 また純粋な ボランティ アであ っ たため、 学生 のモチベ ーション を高く維持す るのが難し く、時 に学 習タイ ムの後半 の自習教材 が、椅子 取りゲ ームやド ッジボ ールなど のレ クリ エ ーシ ョンになっ てし ま うなどの課 題も抱 えていた。 ② 教育学 部開設前 の広 報用授業 と して整備 された時代 平 成19 年度 に教育学 部が開設 されるこ とにな り、「椙ぼら」は「 ふれあい 実習H (参 加 )」 とい う科 目として カリ キュ ラムに位 置づ けら れるこ とになっ た。 新し く開 設さ れる学部 は、 まだ実 態や 成果が ないな かで世 間にむけ てその存在 をPR し ていか なけ れば ならない とい う 難しい 課題 を抱 える もの であ る。 こ うした背 景 のも と、 平成18 年 度 には、寸 椙ぼ ら」 に教育 学部 進学を希 望す る高校 生を招 き、 実 戦力 育 成を重 視す る 教育 学部 の授業 に 触 れて もらお うとい う企 画が 始 まっ た。平 成18 年 度に は、8 時 20 分か ら40 分まで朝 の会、8 時45 分 から9 時30 分まで授業実習、9 時40 分か ら10 時30 分 まで討 論会 とい うふ れあい 実習H づ 参加 ) の構 造が できあ がった。 この活 動 を担って くれたの は、 筆者が 教職科 目を担当 する人 間関係学部 と生活 科学部 の学 生で あっ たが、学 生た ちはみな、こ の活動 が新学 部の広報活動 として も機 能してい るとい う 趣旨を理解 し、かつ 高校生 の前で模 範的な学 生であ らなけ ればな らない とい う自覚 から、 活動 はこ れまで以 上 に真 摯 なものになっ た。高校生 は、小学生 を指導す る大学 生 の頼 も七 さ、小学生 と触 れあ える楽し さに 触れるこ とがで き、 また授業実習後 に展 開さ れる討 論会で の活発な議 論に も触発さ れたようであ る。この企 画に参加し た多 く の高校生が教 育学部 を受 験し てく れ、 この企 画は成功裡 に終了 した。 ③教 育学 部のふ れあ い実習I[ (参加) の授業 へ 平 成19 年度 から授業化 さ れたことに より、活動に「 椙ぼら授業報 告シート」 と「椙 ぼ ら巡回指 導カ ード 上が加 わう た。 「 椙ぼら授 業報 告シ ート」 の現物 は資 料1 に示し たも のである。 こ れは自分 の行っ た授業 と、 準備し た自習教材 の効果 について 振り返 り、 その記録 を文書に とどめ、蓄 積 する ための仕 組みであ る。1 学 期は、 授業担 当者 がすべて の授業報 告シート に目を 通 七、 コメント を記入し、 学生 に返 却する が、2 学期以 降 は、 コメ ント 係ロ ーテー シ
岑 岑 う表 ぐ 輿 Iφ 椙山女 学園大学教育学部紀要 Vol。5 2012 年
椙ポラ 授 業 報 告シ ート( 改訂版)
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^^ ^ 臨 。似^{ 二 言:わ オt^ 蕊 回 | た め 浦 い と し八 鸚やに肖 15 分 ’ ド リ ルトり 笞 □ノ樺1=‘ ……it: ………“瓦。';・;;‘"-=・1・る 。。 恥, 収 キ 匹 但 昔 統 斗 っ ら い ど こ ろ を と。ぼ `レて 進 め でい囃 ヂ ヤ 浩 え が 万拶│ 逗:ズ 。 25 分 30 分 35 分 40 分 45 分 放 課 '4 w 心 ・' i! '-'・・曜W こ'- ″『'〃・ずI● '."w y .' ∼ \4.れ ル 全 で 締 こわ ,fこ子t こIS・ テ キ 外 套 や 毒よ 沁 冨 う . ■ 妓 え洽 わ ゼ;を 争 邨 手 麟 割 云エ るこ・・ ヽ一鯵 文冷 こわ ゼ恋 し な ら い 全 挿 的 侈 ぬ 車 ・り 黙 か な 問 題 を 瞼 伴V 乱向 け て解 哀無 ずる, 芯 で`(ぶ う 齢 、くフ○ 吉んJ μ 已 お M 鯛 串 。 ・’‘ …… ; ; - I . ・ 4 - ^‘・゛ 。・ 1, 岬・ . t 齢・・八入 rここl暇どラ 。暗 示 轟 則 ・ "" ミミミ I'y" ? '^‘'.i, 岬。 'か=……:= 鉦 参 加 降 幻 昿 転 レ魏 明 を すB . 話 。 進 中 ぐ ゝ r. − lj-I ゛マ'WIIマ '7‘ 'W・ 叡才 雛 翁<n 鯵 丸 呑 蛎 ざ を ず 必 。→ 植 者
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椙 山 女 学 園 大 学 教 育 学 部 紀 要 Vol. 5 2012 年 ぐ ー・**。 − I ? ‘ ヨンを 決め、すべ ての学生 が順番 にコメント係 を務めるこ とがで きる ようにし てい る。 学生 にとってピ ア集団 からの刺 激は授業担 当者か らの指 導 を上 回る学習効 果がある た めである。 授業 担当者 は全 員分 の授業 報告 シートの内 容と コメ ント を確認し、 採点し たのち、学 生へ 返却す る。 「 椙ぼら 巡回 指導 カプ ド 」の現 物は 資料2 に示し た ものであ る。 授業 担当者 は1 回 の授業 で2 クラ スの授業 を見 学し、 本票に記入 して、学 生にフィ ード バッ クする。受 講者 数が多 い 年度 には、学生 に も他 のクラス を参観させ、 同様 の巡 回指 導カ ード に記 入し てもらい 、授業 を行っ た学生 にフ ィードバ デクを行っ ていた6 椙 ぼ ら 巡 回 指 導 ずl−ド 芦 芦 授 業 ユ 声 コA 碑 犬 √ 日 時 」2c>\\年 」乞 月\\旦 ム日 …
……Iぴ 唇こ ムca-l ↓I.り ○ つ/良 い 点‥‥‥ ‥ ‥ ‥‥\万… … …… ………… …… ∧ < 上丿万万 …… ……… …j……… \ ・ 和 姐:と斌時 に隋娘<>独節^s 碑 ≪? ㈲ こ4・けCか あ 霞M^3i姦 知M^ 齢 紬Ct. \………… @∧鯵 卵 知 内 釦 \-M崎 恥卜aり 幕iヽi柿 碑 和 丿令 \;琉 肺 ま作 り 摯 戸 吊 礁片 が 叫 屡 なと:<r) 墜 彫V 栴 凧 謁 号 ぺ 阿 柘 あ り* すt^ .:童 血^ £ 如 く 芝長L う 次i 頻( ヽふ な が 齢 肩^ ≫*柔 了* 家 匯 ド 叫 √ 鯵 桐 才 吟 リ 闇^E φ ぺ 序 奪 籾 . ま び 鈴 柄 かV ・ぶ 小 水a 吟 −と ダφ ぽ1 Si f£ まホz ゼr こ^ 貳 よ めfc t? レ‘ ニ…… … …… … 万\十 ダ…… … … … …=………y………: レ… ………十六万………… … …… ………万 ゛ト 寡 駄ドリ心\mm 才哺 糾:時 間^ 弛fl.て 序 寡刳! 。まび 杯 や,て・v ・唾i'-6レ- 旦 牟−・ 中町 エ{!て a ・改 善 点 \……。 … ゜ ‥&主取 郷!i 咀簡t 趨 匯 恥:・球 吻 匯。ご陶 昿 粉 冷^ 峠 鱗 昧りW わずl^ μ てけ ぷ 謐 け こ( ノ……ダ助翠ia 吻 丿釦 排 鴎 印!)^プ り り周 蔡 鳥声 ぶ'薄拉 床 琵 聯 げ\解 紅iムげ £j:加 齢J│ ね 届 回 十十 言 メ ッ セ ÷ ジ … …………jレノ
^ iiCt ヽの沁l ご夜 業λ 晟 閔^4^ む れ 悩 ・佃b 奮^^0 噺 t^-ft 7 妬 岫 尿i 携 妨:i ぷ^ レ ……… ) 鋳 \迦( 郎 糾 レ侈 誰 降 隨 政 蜃 衣 り と感 心I 沁 ニ …… …│ づ)万\二万 ……=ニ … …j\\ \ ………万……に………\十 … … ゜……^l 溥 醐 り 内 盛l)t 誘 £しl^^ 込^ で贋^iXt でタ 舶 れ 祷 。て\捧 奪 酒 どむ し 絲 丿 帥 如 筒{ ふ3 と寫 。^吉 心 賊 がb こり 鍋 叙 熾 渇 ぺ ぐほ ヽ&K 資料2 椙 ぼら巡 回 指導 カ ード
山 田 真 紀 / 「 ふ れあ い 実習H ( 参 加 )」 の 実 践 報 告 一教 員 養 成 と 現 職 教 育 の た め の “ ハ イ ブ リ ッ ド 型 教 育 実習 ” 構 築 を 目 指 し て ー ④ 小 学 校 教 諭 参 加 の 時 代 平 成22 年 度 よ り 、 椙 山 小 学 校 の 校 長 を 教 育 学 部 教 授 が 兼 務 す る よ う に な り 、 ふ れ あ い 実 習H ( 参 加 ) の 指 導 体 制 に も 変 化 が 起 き た 。 平 成22 年 度 に 校 長 に 就 任 し た 宇 土 泰 寛 教 授 の 発 案 に よ り 、 専 任 の 小 学 校 教 諭 が 学 生 指 導 に 加 わ る よ う に な っ た の で あ る 。 小 学 校 教 諭 が 学 生 の 授 業 を 参 観 し 、 そ の 後 に あ る 討 論 会 に お い て ・、 フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え て く れ る だ け で な く 、 学 生 の 「 児 童 が 喧 嘩 を し 、 泣 い て し ま っ た 子 が い た 場 合 、 ど の よ う に 対 応 す れ ば い い か 」 等 の 実 習 中 に 直 面 す る さ ま ざ ま な 課 題 に 「 普 段 の 学 校 生 活 に お い て は 七 の よ う に 対 応 し て い る 」 と い う 具 体 的 な ア ド バ イ ス を 与 え て く れ る よ う に な っ た 。 ・ 。 ・ 1 ¶ 。 さ ら に 平 成23 年 度 か ら 、 椙 山 小 学 校 の 土 曜 教 室 は 「 ク リ プ ト メ リ ア ン サ タ デ ー ス ク ー ル 」 と 名 称 変 更 し 、 講 座 の 中 身 も 整 理 さ れ 、 小 学 校 の 全 教 諭 が 輪 番 制 で 関 わ る よ 引 こ な っ た 。 ふ れ あ い 実 習H ( 参 加 ) に つ い て も 、 当 番 の 小 学 校 教 諭2 ∼3 名 が 学 生 の 授 業 を 見 学 し 、 椙 ぼ ら 巡 回 指 導 カ ー ド に 記 入 し 、 討 論 会 に お い て フ ィ ー ド バ ッ ク を 与 え た り 、 学 生 か ら の 質 問 に 答 え た り と 、 学 生 指 導 を 補 佐 し て く れ る よ う に な っ た 。 さ ら に 、 小 学 校 教 諭 の ア イ デ ィ ア に よ り 、 よ り 効 果 的 に 児 童 の 学 習 支 援 が 行 え る よ う に と 、 ク ラ ス を 担 当 す る 学 生 と ク ラ ス 担 任 を 結 ぶ 「 椙 ぼ ら 連 絡 帳 」 が 活 動 に 加 わ っ た 。 椙 ぼ ら 連 絡 帳 と は 、A4 の フ ァ イ ル で 、3 部 構 成 に な っ て い る 。 表 紙 に は ク ラ ス を 担 当 す る 学 生 の 顔 写 真 と 名 前 が 掲 載 さ れ で お り 、 次 の ペ ー ジ か ら 、 授 業 実 習 を 行 う ご と に 、 本 時 に 行 っ た 授 業 の 内 容 、 気 に な る 児 童 の こ と 、 平 日 の ク ラ ス で の 授 業 の 進 捗 状 況 に つ い て の 質 問 な ど を 書 く ペ ー ジ が 続 く 。 最 後 に は ク リ ア フ ァ イ ル が と じ こ ん で あ り 、 学 生 は 順 に 自 習 教 材 を フ ァ イ ル し て い く 。 学 生 は 毎 回 こ の ノ ー ト を 提 出 し 、 担 任 の 小 学 校 教 諭 は 目 を 通 し 、 必 要 に 応 じ て コ メ ン ト を 書 き 入 れ る 。 こ れ ま で 学 生 は ク ラ ス の 学 習 の 進 捗 状 況 を 把 握 で き ず 自 習 教 材 の 準 備 に 苦 労 す る こ と も あ り 、 ま た 学 習 タ イ ム で 行 っ た 学 習 活 動 や そ こ で 起 き た 児 童 に 関 す る 出 来 事 を 担 任 の 小 学 校 教 諭 に 報 告 す る こ と が な か っ た な か 、 椙 ぼ ら 連 絡 帳 の 登 場 は 大 き な 変 化 で あ っ た 。 学 生 は 担 任 か ら の コ メ ン ト や 激 励 が 嬉 し く 、 さ ら に 活 動 に 対 す る 意 欲 が 高 ま っ た よ 引 こ 感 じ ら れ る 。 (2)「ふ れあ い実習n (参加)」 の実施形態 十 ①学 生の 配置 ニ クリ プト メリ アンサ タデ ースク ールに参加す るのは2 年生 から6 年生 の児 童であり、 全10 クラ スしか ないこ とか ら、 本活 動 に参加で きる学 生数 はお のずと 限ら れてし ま う。 そ のため、4 月 の授業 登録時 に事前登 録 を行い、受 講生 は30 人以 内 に絞られる。 各 クラス に1 名か ら3 名 までの学生が 割り振ら れ、 担当 クラスは1 年間に わたり固定 となる。 授業 実習 は年 間20 回ほ ど開催さ れる クリ プト メリ アン サタデ ースク ールの うち、1 学 斯 と2 学 期に 開催 さ れる約15 回 を対象 に行 う。 初回 の授業 の際に、上 級 学 生のな かから役員 を3 名 選出し、そ の役員 を中心に、 朝の会や討 論会を 進める。
椙山女学園大学教育学部紀要 Vol. 5 2012 年 (Di 日 の流 れ ふ れあい 実習H (参加) の一 日のスケジュ ールは以 下の通 りである。 時 間 内容 学生 の動 きなど 8 時20 分 集合 ・学生 控室 に集合 8 時20 分 ∼30 分 朝 の会 ・朝 の挨拶 ・出席 確認 ・授 業担 当者 や小 学校 の椙 ぼら 担当者 か らの諸 連絡 8 時30 分 ∼45 分 準備 ・授業準 備 ・教室へ の移動 ・教室 環境の整備 (窓開け や簡単 な清掃 等) 8 時45 分∼9 時30 分 授業 ・前半 に算数ドリ ルを行 う ・後半 に自習教材 を使っ た授業を行 う ・ 授業 担 当 者お よ び小 学 校 教諭 は授業 参 観 し、 椙ぼ ら巡回指導 カード に記入 9 時30 分∼9 時40 分 後片付け ・児童 を次の 講座へと遅 れない よう に送り出す ・教室 の後片付け (窓 とカーテ ン閉め) ・学生控 室へ の移動 9 時40 分∼10 時30 分 討論 会 ・ 授業 参観を行っ た教員 からのフィ ード バッ ク ・ 学生 からの質疑 応答 ・「本 日の議論点 」を決 めて全体討 論 ・ 椙ぼ ら報告 シート の回収 ・ 今後 の諸連絡 10 時30 分 ∼11 時 す ぎ 授業 終了 後 片付け ・ 椙ぼ ら連絡帳へ の記入 ・ ドリ ルや自習教 材の採点 ※ 次 回 まで に 学 生 は 「 椙 ぼ ち 報 告 シ ー ト 」 の 記 入 と、 次 回 の 自習 教 材 の 準 備 を 行 う 。
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ふれあい実習n (参加)での学生必学び
学 生は1 年 間、学習 タイ ムの担任 として クラスを任 されるこ とになる ため、 児童 と の信 頼関係の構 築か ら、 効果 的な授業 運営 に至 る まで、 将来、 クラス担任と なっ たと きに直面す るであろう 数々 の実践的 な課題に 直面するこ とに なる。こ れまで 討論会 や 椙ぼら報告 シートの議 論点 に頻出し た学生た ちが直面 する課題 について、 またそ れに 対し て見出 された解 決策 にう いて簡 潔に まとめてお きたい。 (1) 児童の学 習速度 の違い への対応 につい て 「ドリ ル1 ペ ージを10 分 間で解 きましょう」 と指示 を出し た場 合、課 題の1 ペ ージ を3 分程 度で解 き切 ってし まう児童 もい る一方 で、指示 し た10 分 になって もほ んの 数題しか解答 が終 わっ てい ない児童 がいる のが現状 である。解 き終 わっ た児童 は時 間山 田 真 紀 / 「 ふ れあ い 実 習H (参 加 )」 の 実 践 報 告 一教 員 養 成 と 現 職 教 育 の た め の “ ハ イ ブ リ ッド 型 教 育 実 習 ” 構 築 を 目 指 し て ー を も て あ まし 、 隣 の 児 童 と お し ゃ べ り を 始 め て し ま い 、 ま だ 課 題 が 途 中 の 児 童 の 邪 魔 に な っ て し ま う こ と もあ り 、 一 方 で 、 問 題 が 解 き終 わ ら な い 児 童 は 、 問 題 に手 を つ け ない ま ま 、 さ ら に 悪 い こ と に は、 そ の 問 題 の 解 き 方 が 分 か ら ない ま ま 自 習 教 材 に 進 ま ざ る を 得 ない よ う な 状 況 も 生 じ る。 こ う し た児 童 の 学 習 速 度 の違 い に い か に対 応 す べ き な の か 。 討 論 会 で の 議 論 や 小 学 校 教 諭 か ら の ア ド バ イ ス に よっ て 明 ら か に なっ た 解 決 策 は 次 の2 つ で あ る 。 第 一 に、 早 く 問 題 が 解 き終 わっ た 児 童 に対 し 、 チ ャレ ン ジ 問 題 を 準 備 し て お き、 終 わっ た 段 階 で 課 題 を 与 え る 一 方 で、 問 題 を 進 め る 速 度 の 遅 い 児 童 の そ ば に は常 に サ ポ ー ト 役 の学 生 が つ き、集 中 力 が 切 れ ない よ う に見 守 る と と も に、’ つ ま ず きの あ る 問 題 につ い て はヒ ン ト を 出 す な ど の 支 援 を 行 う 。 早 く 解 き終 わ っ た 児 童 に 渡 す チ ャレ ン ジ 問 題 は 、「 ご 褒 美 」 的 要 素 を もつ も の に 位 置 づ け 、「 こ れ が で きた ら す ご い ! 」 とい う 発 展 的 で 難 易 度 の 高 い 問 題 を 数 題 準 備 す る か、 漢 字 ク イ ズ な どの レ クリ エ ー シ ョ ン 的 要 素 を も つ 課 題 を 準 備 し 、 授 業 終 了 後 に 採 点 す る 時 間 を 設 け 、 必 ず 「 よ く が ん ばっ た ね 」 とフ ィ ード バ ッ ク を 与 え る 。 児 童 に 「 早 く 終 わっ た ご 褒 美 」 と し て の 意 識 が 共 有 さ れ な い と 、「 せ っ か く 早 く 課 題 を 終 え た の に 、 もっ と や ら さ れ る な ん て 損 」 と不 平 が で る こ と に な る 。 こ の 一 連 の 方 法 は 複 数 の 教 員 が ク ラ ス に い る 状 況 で 授 業 が 進 め ら れ る場 合 に 有 効 で あ る 。 第 二 に 、 早 く 問 題 が 解 き終 わっ た 児 童 に 「先 生 」 カ ー ド を 渡 し 、 速 度 の 遅 い 児 童 の手 助 け を 手 伝 っ て も ら う とい う 方 法 で あ る。 こ の方 法 は ひ と り の 担 任 が 大 勢 の児 童 に 対 応 せ ざ る を え な い 場 合 に 有 効 で あ り、 また お 互い に 教 え合 う と い う 学 び の共 同 体 の 思 想 に合 致 し た 方 法 で も あ り 、 先 生 役 を す る 児 童 の セ ル フ ェ ス テ ィ ー ム を 高 め、 教 え る 経 験 に よ り さ ら に理 解 が 深 まる とい う 利 点 が あ る 。 一 方 で、 常 に先 生 役 と指 導 を 受 け る 「 速 度 の 遅 い 子 」 が 顕 在 化 す る こ と に よ り 、 児 童 に レ ッ テ ル ば り を す る 潜 在 的 効 果 も 持 ち う る う え 、 児 童 が 児 童 に教 え る 声 が 雑 音 と な り 、 教 室 が 騒 然 と し て し ま う とい う弱 点 を 持 つ 。 ■■■ (2) 答 え 合 わ せ の 仕 方 に つ い て \ 授 業 の 前 半 に 行 わ れ るド リ ル の 時 間 に お い て 、 学 生 の 採 点 の 仕 方 に は以 下 の3 つ の パ タ ー ン が 見 ら れ る 。 第 一 に 、 採 点 係 を 決 め、 問 題 が 解 け た児 童 か ら 個 別 に 採 点 し て い く と い う も の で あ る 。 教 卓 な ど採 点 場 所 を 決 め て 、 児 童 が そ の 場 に 並 ぶ場 合 と 、 挙 手 をし て 採 点 係 の 学 生 が 来 で く れ る の を 待 つ 場 合 が あ る 。 こ の 方 法 は 、 児 童 に 個 別 に 対 応 で き 、 間違 え た 問 題 の 原 因 を と もに 探 る こ と が で き る の が利 点 で あ る 一 方 、 同 時 に 問 題 が 解 きあ が る 児 童 が多 い と 、 待 ち 時 間 が多 く な る こ と、 早 く 終 わっ た 児 童 に別 の 課 題 を 準 備 し て お か な い と、 ド リ ル を 進 め る 速 度 の 差 が 児 童 間 に お い て 大 きく なっ て し ま い 、 ク ラ ス 全 体 の 進 度 が そ ろ わ な く な る と い う 難 点 があ る 。 第二 に 、 問 題 を 解 く 時 間 を 定 め 、 一 斉 に 答 え 合 わせ を す る 方 法 で あ る 。 学 生 が 答 え を 発 表 す る 方 法 と 、 挙 手 制 、 もし く は ラ ンダ ム な指 名 に よ力 、 児 童 に 答 え を 言 わ せ る 方 法 が あ り う る 。 こ の 方 法 で は √ ク ラス 全 体 の 進 度 を 一 定 に 保 つ こ と が 可 能 に な り 、 児 童 が よ く つ まず く
椙山女学園大学教育学 部紀要 Vol. 5 2012 年 箇所 につい て一斉 に解説が可 能であるが、 特に解 説が必要 な児 童におい て、一斉 での 説明 で はな かなか 理解と 定着が 難しい とい う課題 がある。 第三 にド リ ルを回収し て、 授業 後 に採点 する という ものであ る。採 点す る時 間を省略 で きる 点が利 点であ るが、 児童 がよ くつ まず く箇 所 につい ての解説 が。 記憶 が薄 まっ た次回に なっ てし まう とい う致命 的 な欠点があ る。 十 □ い ず れの答 え合 わせめ方法 を取 るにせ よ、 一斉 授業で授業 を進めてい く場合、 クラ ス全体 の 進度をそろ えるこ と、 そして学習 タイ ムの究極の 目的である 寸理解が乏しい 部分 の補 強を行う上 ことを達成 で きる ようにするこ とが肝 要であ る6 学 習とは「 ×を ○ にする ム す なわちで きな かった 問題を できる よう にするこ とであ り、問 題を解い て丸つ け をするこ とで勉強し たつ もり になるの は間違いであ る。ドリ ルを解 くことは、 自分 ので きる問題 とできない 問題を仕分け る作業 に過 ぎず、 できない 問題 をで きるよ 引 こするプロ セス に至 った ときにはじめ て学習 をし ているこ とになるこ とを児童 も指 導す る学 生 もしっ かり と頭 にい れ、「丸 つけ の先上 に重点 を置い た指 導を行っ てほし い ものであ る。前 回の授業 におい て児童 の理解が 十分でな かっ た問題 を、 次の授業 の 冒頭 に復習 する のもよい工夫であ る。 (3) 授業に おける けじめのつ け方 につい て 犬 「私 語な く、 姿勢 正し く児童 が授業 に集 中してい る状 態上 を作り 出す のは、 特 に授 業 を担当 し はじめ て問 もない学生 にとっ て難七 い課 題と なる。「去年担 当七 てくれ た 学生 さ\ん の方が良 かっ た」 などといって学 生を動 揺させた り、 わざ と授業 中 に逸 脱行 為 をし て「 この先生 はどこ まで許して くれるか」 を試した りするこ とは児童 にはよく あるこ とであ る。特 に本物 の小 学校教諭 ではない 学生が、 どこまで厳し く児童 に接 す るこ とがで きる のか。 学生 に「優 しいお 姉さ ん」 を求め、交 流を求 めてくる児童 を前 に戸 惑う学 生 も少 なくない。 授業 におけ るけじ めのつけ方 とし で見出 された方 法は以 下 の2 点 である。1 点目 は、 授業外 と授業 内の違い を明確 にするこ と。 例えば名前 の 呼 び方で も、 授業 開始前はフレ ンドリ ーに名前 に「ちゃ ん」づ けで呼 んだり、友 達同 士で 普段 呼 び合っ てい る通称 (あ だ名) で呼ぶこ とがあっ ても、授業中 は姓 に「さ ん」 を付け て呼 び、接 する。そし て学生 も「 山田先生 」の よう に、 児童 に「先生」 をつ け て 呼 んで もらう こ とが必 要であ る。2 点 目は、 最初 に クラス のル ール を決め るこ と、 そし てそ れを徹底し て守らせ ることであ る。 クラスの ルールを決め た場 合 は、 それ を 黒板 の よく見え る場 所に掲示し てお く。 例えば 寸授業中 は私語をし ない」 とい うこ と を ルー ルとして 決めたなら ば、 私語が ない 状態 になる まで 学生は話 を始め ない、 私語 をす る児 童につい ては常 に注 意を行い、 例外 を認めない、 などの 強い 姿勢が大 切であ る。 こうし て 千こ の先生 は決めたこ とは必ず守 る先生 なのだゴ とい う信頼感 を形成し てい く。 ただし、い つ も怖い 顔、怖い声 を出し ている と児 童は委 縮し てし まい 、\教室 の雰囲気 が悪 く なってし まう ため、「厳し くす るの はみ んなのため 、 よい 授業 にする ため」 とい う 目的を明確 にす・るど ともに、常 に児童に対 する愛 情 を失 わない ことが大
山 田 真 紀 / 「 ふ れあ い 実 習n ( 参 加 )」 の 実 践 報 告 一教 員 養 成 と 現 職 教 育 の た め の “ ハ イ ブ リ ッ ド 型 教 育 実 習 ” 構 築 を 目 指 し て ー 切 で あ る 。 (4) 効 果 的 な 逸 脱 修 正 の方 法 に つ い て 多 く の 学 生 が 直 面 す る の は、丁児 童 と の 良 好 な 関 係 を 崩 さ ず に 効 果 的 に児 童 を 注 意 す る 方 法 と は 」 とい う 問 題 で あ る 。 討 論 会 で は、「 静 か に し な さい ! 」「 ○ ○ さ ん 、 机 の 上 の も の を す ぐ に し まっ て ! 」 と声 を 張 り上 げ る だ け が 逸 脱 修 正 の 方 法 で ない と い う こ と、 そ れ に代 わ る 効 果 的 な 方 法 が い く つ か見 出 さ れ た。 第 一 に、 そ れぞ れ の 担 任 は、 独 自 の 「 児 童 の 集 中 を 集 め る ル ー ル 」 を も っ て い る 。 例 え ば 「5 ・4 ・3 ・2 ・ 1 」 と カ ウ ン ト ダ ウ ン す る 、 あ る リ ズ ム を つ け て 手 を た た き、 最 後 に そ の 手 を 膝 に 乗 せ て 姿 勢 を 正 す 、 な ど で あ る。 最 初 に ル ー ル化 し て お く と、 児 童 は 条 件 反 射 の よ う に 教 室 前 方 に 集 中 で き る よう に な る 。 第 二 に 、 逸 脱し た 行 為 を 指 摘 す る ので は な く、 望 ま し い 行 為 を 指 摘 す る とい う 方 法 で あ る 。「1 号 車 さ ん は 正 し い 姿 勢 で 素 敵 で す ね 」「 ○ ○ さ ん の机 の 上 は 整 理 整 頓 さ れ て い て 美 し い で す ね 」 な ど と 指 摘 す る と 、 で き て い な い 児 童 も 感化 さ れ て 正 し い 姿 勢 に な り、 机 の上 の 整 理 を 行 うこ と が で き る 。 逸 脱 行 為 を 注 意 す る の と 反 対 に 、 で き て い る こ と を 褒 め る と い う方 法 は 、 ク ラ ス の 雰 囲気 を ポ ジ テ ィ ブ な 方 向 に 高 め る こ と が で き る う え 、 褒 め ら れた1 号 車 に 属 す る 児 童 や、 お 手 本 と し て 指 名 さ れ た 児 童 の セ ル フェ ス テ ィ ー ム を 高 め る こ と が で き る 。 特 に、 高 学 年 に な る にし た が い 、ク ラ ス メイ ト の 前 で 名 指 し で 注 意 さ れ る こ と を 「 恥 を か か さ れ た」 と 嫌 が る 傾 向 が 高 ま る た め 、丁正 し い 姿 勢 が で き て い る 人 は 誰 で し ょ う 」 な ど の 問 い か け に よ り 、自 ら が 逸 脱 行 為 を 修正 で き る よ う に 働 き か け る のが 有 効 で あ る 。 第 三 に、 そ れ で も名 指 し で 注 意 し なけ れ ば 逸 脱 行 為 が 修 正 さ れ な い 場 面 もあ り え る 。 そ う い う 場 面 で は、 そ の 児 童 め 机 にい き 、 肩 を 叩 い て 自覚 を 促 す 、 も し く は、 時 間 を かけ て 話 さ な け れ ば な ら ない 場 合 は 休 み 時 間 に 教 卓 に 呼 び、一 対 一 で 話 す 、な ど が 必 要 に な る。 こ う し た 「 個 人 的 に 叱 る 」 場 面 が あ っ た 場 合 は、 特 に 当 該 の 児 童 の 行 動 を 注 意深 く 観 察 し 、 注 意 し た 逸 脱 行 動 が 改 善 さ れ、 正 し い 状 態 に な っ て い る と き に 、T ち ゃ ん と で き る よ う に な っ て え ら い ね」 と フ ォロ ー ア ップ す る こ と が 大 切 で あ る 。 そ う す る こ と で 、「 こ の 先 生 は 自 分 の 悪 い と こ ろ を 指 摘 七 て く れ る だけ で な く 、 自 分 の 良 い とこ ろ も ち ゃ ん と 見 て い て く れる 」と教 員 に 対 す る 信 頼 感 を 高 め るこ と が で き る か らで あ る。 (5) 魅力 ある自習 教材につ いて 算数ドリ ルのあ とに行う 自習教材 につい て、 どのよう な教 材を準 備する かは学生の 腕 の見せ所 であ る。 で きう る限り、 児童が夢 中になって取 り組め、 学習効果 の高い教 材 を準備 すべ きであ る。こ れ まで評 価の高 かった教材 には以 下 のような ものがある。 ・ テーマ を決めて作 文させ、 そ れを新 聞 の読者欄に投稿す るどいう 活動。事 前にこの よう な活動を行 うこ と を小 学校 に報告し ておき、新 聞掲 載が決 まったあ とは小 学校 レ の担任 を通じ て保護者 の許可を得 るこ とが必要である。(全 学年対象 ) ・ 学校周辺 の地図 を拡大印 刷し、北が必 ず上に なるこ とや縮尺 など の地図の決 まりや、
椙山女学園 大学 教育学部紀要 Vol. 5 2012 年 地 図記 号 につい て 学ぶ 活動。「 駅 の前 にあ る○ に ×が入 っ てい る記 号は 何だ ろう、 駅 の前に は何 かあっ たか な」と クイズ形式に なっ ており、 児童は楽し みなが ら取り ニ組 んでい た。(3 年 生の社 会科で 地図について学 ぶため2 ∼3 年生 に適し た活 動)。 ・糸 ・針金 ・荷 造り ひもな どさまざ まな素材を用い て糸電話 を作り、音 の伝達 につ い て学 ぶ実験授業 。音 は振動 となって伝 わるこ と、 そのた め細かい振動 を伝え られる 細 くてや わらかい 素材であ る方が糸電 話に適し てい るこ とを、体験 を通して学 ぶこ とがで きた。 さら に糸電話 をもつ ふたり組がふ た組、対角 線上に立 ち、 中央で 糸と 糸 を接触 させ れば、4 人 で会話 するこ とも可能であ るこ とを確 かめてい た。(4 ∼5 年生 に適し た活動卜 ・国 旗かる たを作り、 裏にそ の国の特徴 につい て記し てお き、 かる たを取 るこ とので き た児童 にそ の特徴 につい て発表して もらう 活動。 ゲ ーム感覚で児 童は夢中 になっ て取 り組める う ん、 繰り返し 行うこ とで、 国々 の国旗 と国の特徴 につい て知 るこ と が できる。(かる たの裏 に書 く国 の特徴 の内容 を工夫 す れば、 どの 学年 にも適し た 活動 である)。 ダ 以上 の例か らも分 かる通 り、 クイズ形式 ・ゲ ーみ形 式を もつ ごとで児 童を夢 中にさ せ、 結果的 に学 習が効 果的 に行わ れてい るような教 材、 また児 童が主体 的に取 り組む こ とのできる工夫 に満 ちた教材 が優 れてい ると分か る。 重要 なのは、児 童の現在 の力 を把握し て、そ れよ りも多 少レ ベルの高いチ ャレ ンジング な教 材とす ること、そし て 授業者 が授業 のねち い を正し く定め、心 を込めて教 材を作 ることであ る。 (6 ) 教 室 に お け る “ 競 争 的 要 素 ” の 取 り 入 れ 方 に つ い て 教 室 に お い て 、 「 誰 が 一 番 に 正 し い 姿 勢 に な れ る か な 」 と か 「 お 片 づ け が ブ番 先 に で き る 班 は ど こ で 七 よ う 」 な ど 、 児 童 の 競 争 心 を 炊 き つ け て 、 望 ま し い 教 室 秩 序 を 導 く こ と は よ く 用 い ら れ る 戦 略 で あ る 。 し か し な が ら 学 習 に お い て 「 プ リ ン ト 、 誰 が 一 番 は や く 終 わ ら せ ら れ る か な 」 と い う 形 で 用 い る と 、 早 く 終 わ ら せ た い 、 勝 ち た い と い う 気 持 ち が 先 行 し 、 じ っ く り 腰 を 落 ち 着 け て 問 題 に 取 り 組 み 、 考 え る こ と が で き な く な り 、 プ ロ セ ス は よ い か ら 答 え を 知 り た い 、 答 え に 繋 が る ヒ ン ト が ほ し い と い う 雰 囲 気 に な っ て し ま 乍 。 教 室 に は 問 題 を 早 く 解 け る 児 童 も い れ ば 、 時 間 の か か る 児 童 も い る こ と が 現 実 で あ り 、 「 問 題 を 解 く こ と は 競 争 で は な い 」 「 す べ て の 児 童 が 自 分 の ペ ー ス で し っ か り と 取 り 組 む こ と が 大 切 で あ る 」 そ し て て す べ て の 児 童 が 問 題 の 意 味 を 理 解 し 、 課 題 を 完 了 で き る こ と が 目 標 で あ る 」 と い う 根 本 を 忘 れ ず 、 そ れ を 児 童 と 共 有 す る こ と が 大 切 で あ る 。 学 習 に お い て 競 争 的 要 素 を 安 易 に 用 い る こ と に は 慎 重 で な け れ ば な ら な い 。 ■ 。 − I■ (7) 児童間の トラブル につい て 学 生が戸 惑う こ との ひどつ に、 児童 が喧嘩し た ときや、 児童 が泣い てし まう とき、 どの ように対応 す ればよいか とい うこ とがある。討 論会で指 摘さ れたこ とは、 どうい
山 田 真 紀 / 「 ふ れ あ い 実 習n ( 参 加 )」 の.実 践 報 告 一教 員 養 成 と 現 職 教 育 の た め の “ハ イ ブ リ ッ ド 型 教 育 実 習 ” 構 築 を 目 指 し て ー う状況でト ラブ ルになった のかを教員 が見てい て把握してい ることが望 ましいが、 常 に見てい られる とは限ら ない ため、そ のよう な場 合は、当事 者の双方 から事情 を聞く こ と、そ ばにいて事 情を知って いる 第三者か らも事情を 聞くごとが必 要である とい う こ とであ る。 そして 当事者 たちに「 どうす れば解 決で きる か」を考え させ、 なる べく 短 時間に問題 を解決 する。児 童が感情的 にな り、す ぐ には場 がお さまらない場合 で も、 「そ れで は続 きは 次の 休み時 間にお 話し まし ょう犬。授業 が始 まり まし たのでレ 席 に戻 っ てくだ さい ね」とい う形で、 一度、 クール ダウンする時 間をもつこ とが効果的 であ る。多 く の場合 、時 間が経つ と児童は機 嫌を直し ている ものだが、「次の休 み時間に」 と約 束した以上 、次 の休み時 間に「 もう大 丈夫で すか ?納得 できまし たか ?」な どの 声 かけを行うこ とは 必要であ る。 尚尚 丿
3 。 教員 養成 と 現 職教 育 のた め の“ ハ イブリ ッド 型 教 育実 習 ”構 築 を
目指し て
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本 活 動 が 始 ま っ て 、 今 年 で ち ょ う ど10 年 目 と な る 。 本 活 動 の ユ ニ ー ク な点 は 、 ① 多 く の 学 校 ボ ラ ン テ ィ ア が 担 任 のお 手 伝 い と し て 教 室 に 入 る 「T2 体 験 」 で あ る の に 対 し 、1 年 間 固 定 の クラ ス で 担 任 体 験 が で き る こ と、 ② 土 曜 日 に 開 催 さ れ る 学 習 タ イ ム を用 い て の 実 習 で あ る た め 、平 日 の 授業 と重 複 す る こ と な く 活 動 に 参 加 で き る こ と 、 そ し て 学 生 に とっ て は、教 職員 免 許 法 が 定 め る 教 育 実 習 にお け る 授 業 実 習 と は 異 な り 、 自 習 教 材 の 準 備 や 授 業 方 法 に お い て 、 さ ま ざ ま な や り 方 を 試 す こ と の で き る、 試 行 錯 誤 の 許 さ れる 時 間 で あ る こ と、 ③ そ し て 、 授 業 後 に 行 わ れる 討 論 会 に お い て、 多 く の 学 生 が 直 面 す る 課 題 につ い て 、 学 生 ・ 小 学 校 教 諭 ・ 大 学 教 員 が フ ラ ッ ト な 関 係 で 議 論 し 、 複 数 の 解 決 策 を 見 出 す こ とが で きるこ と 、 の3 点 を 指 摘 す る こ とが で き る 。 そ し て 、 本 活 動 が 、 優 れ た 教 員 養 成 の場 と し て 機 能 し て い る だ け で な く、 小 学 校 教 諭 と大 学 の 教 員 の 学 び あ い の 場 に も な っ て い る こ と が 重 要 で あ る 。 つ つ優 れ た 教 員 養 成 の 場 で あ る こ と は 、 上 述 し た 通 り で あ る が 、 さ ら に 付 け 加 え る な ら ば 、「 椙 ぼ ら 報 告 シ ー ト 」を 使 い 、授業 実 習 を や り っ ぱ な し に せ ず 、反 省 す る 時 間 を 持 ち 、 う ま く い か な い 部 分 は言 語 化 し て お い て 、 今 後 の 課 題 と す る こ と を 積 み重 ね て い る こ と の 意 味 で あ る 。 学 生 は こ の プ ロ セ ス の な か で 、 問 題 意 識 を育 て て お り、 今 後 の 大 学 の 講 義 の な か で 、 ま た は ボ ラ ン テ ィ ア 等 の 実 践 的 活 動 の な か で 、 自 分 な り の 解 決 策 を 見 出 し て い く こ と に な る。 問 題 意 識 の ない と こ ろ に 効 果 的 な学 習 は 生 み だ さ れ ない の で あ り 、寸 理 論 と 実 践 を 両 輪 とし て 優 れ た 教 員 養 成 を 行 う 」 とい う 教 育 学 部 の 基 本 理 念 の片 輪 を 担 う 、 重 要 な 実 践 の場 と な っ て い る とい え る 。 さ ら に 重 要 な の は 、 小 学 校 教 諭 と 大 学 の 教 員 の学 び あ い の 場 に も な って い る とい う 点 で あ る 。 学 生 が 発 す る 問 題 意 識 を テ ーマ と し て 、 あ る い は、 と も に 参 観 し た 学 生 の 授 業 を ど の よう に 改 善 す べ き か を テ ー マ と し て 、 複 数 の 小 学 校 教 諭 と大 学 教 員 が 意 見 を 述 べ 合 う 。 こ の 時 間 は 非 常 に刺 激 的 で 、 若 い 小 学 校 教 諭 は 「 な か な か ベ テ ラ ン の 先椙山女学 園大学 教育学部紀要 Vol. 5 2012 年 ’ 生 方のや り方や、 心がけてい ること を知る機会 がないので、 とて も勉 強になっ た」 と 喜 んでお り、参加全 具に とっ て非常 に満足 のい く時間 となっ ている。 その場 にい あ わ せ るこ とので きた学生に対 する教育 的効果 は言わずもが な、 である。 筆者の ライフワ ークの ひとつに、教 員養成 と現職教育 のハ イブリ ッド型の「 椙山的 連携 」を模索 する こ とがあ るが、そ の萌芽的 なあり方 がここ に見 られる と感じ る。 現在、 日本め教員 養成は岐 路に立っ ている。教 職という 職業 は、新 卒新任であ った として も1 年目か らベテ ランの教員 と同じ よう に「正規の教員 」 とし て教壇 に立たな け れば なら ない。新 任教員 を迎 える 現場 からは、「大学 が もっ と実践 的 な教 員養 成を 行い 、1 年 目から教 具とし て必要 な力 をもつ新人 を送って ほしい」 という声 が 聞か れ る一 方、大 学から は「大学が すべ きこ とは、教員 として必 要な幅広い教 養や教 職に必 要 な知識 を与えるこ とであ り、 現場で 必要な実 戦力 は現場で 指導して ほしい」 という 声 が聞か れる。こ のような一種 の責任 の押し付け合 いでは、望 ましい教 員養成 は成り 立 だない であ ろう。今 、求め られる のは、大学 と現場が連携 して、真 に教員 とし て力 のつ く教員 養成の仕 組みを見 出すこ とである。 そし てそのプロ セス のなかで、教 員養 成 の場 となる現場 にお いて もメリット が生じるこ と、 例え ば、 現場 の教員 の力量 形成 に役 立つ機 会があっ たり、現場 の教育 実践の質が向 上した りという副 産物があ るよう な互酬性 のあ る仕組 みづ く りを構築す るこ とが望 まれる。 今 後 も本 活動を “教 員養成 と現職教育 のハ イブリ ッド型教 育実習” に育ててい くこ とが筆者 の目標であ るノ づ ■ 注 i 椙 山小 学 校 が 土 曜 日 に開 催 す る特 別教 室 の こ と。 従 来 は 「 土曜 教 室 」 と 呼 ば れて い た が、 平 成 23 年 度 よ り、 現 在 の 「 クリ プ ト メ リ ア ン サ タデ ー ス ク ール 」 に名 称 変 更 し、 内容 も刷 新 さ れ た。 伝 統・ア ート・ス ポ ーツ・コミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン・サ イエy ス を柱 と し、 造形 絵 画 、 パ ソ コン 、 囲 碁、 和 太鼓 、長 唄 三 味 線、 フ ラ ダン ス、 サ イエ ンス 、折 り 紙、フ ラ ン ス語 、 サッ カ ー の 講座 が 開 か れ、 2 年 生 か ら6 年 生 の 児童 が 自 分 の 興 味 関心 にあ わ せ て、2 つ の 講座 を選 択 し、 参 加 し て い る。 年 間20 回 程 度。 3 月 に はこ こ で 学 習 し た こ と を 発 表 す る 「学 習 発 表 会 」 が 予 定 さ れ て い る。1 日 の ス ケ ジ ュ ー ル は8 時45 分 ∼9 時30 分 か 「学 習 タ イ ム」、9 時40 分 ∼10 時30 分 か 「 講 座1 」、 10 時40 分 ∼11 時30 分 か 「 講 座2 」 とな っ てい る 。