完全非連結群の表現の基礎
高瀬 幸一 (宮城教育大学)
目 次
1 完全非連結空間上の分布 2 1.1 局所コンパクト空間の連結成分 . . . . 2 1.2 完全非連結空間 . . . . 3 1.3 局所コンパクト空間上の不変測度 . . . . 5 1.4 smooth 関数 . . . . 6 1.5 完全非連結空間上の分布 . . . . 6 1.6 コンパクト台分布に関する smooth 関数の積分 . . . . 7 1.7 コンパクト台分布の畳込み積 . . . . 8 1.8 群の作用で不変な分布 . . . . 9 2 smooth G-加群 11 2.1 基本的な性質 . . . 11 2.2 smoothH(G)-加群と smooth G-加群 . . . 12 2.3 HK(G)-加群 . . . 13 2.4 反傾表現 . . . 14 2.5 誘導表現 . . . 17 2.6 誘導表現の基本的な性質 . . . 17 2.7 許容表現の指標 . . . 22 2.8 Schur の補題と既約表現の存在 . . . 22 3 l-sheaf 24 3.1 基本的な性質 . . . 24 3.2 局所閉集合への制限 . . . 28 3.3 l-sheaf の自己同型群 . . . 30 3.4 誘導表現と l-sheaf . . . 33 3.5 l-sheaf と誘導表現 . . . 37 A 半単純加群と半単純環 39 A.1 半単純加群 . . . 39 A.2 Jacobson 根基 . . . 42 A.3 半単純環,単純環 . . . 43A.4 Noether 加群と Artin 加群 . . . 47
A.5 Noether 環と Artin 環 . . . 48
A.7 加群の指標 . . . 53 A.8 K-代数の Jacobson 根基 . . . 55 参考文献 57
1
完全非連結空間上の分布
1.1
局所コンパクト空間の連結成分
位相空間 X が連結であるとは,X の開かつ閉な部分集合が X と∅ に限 ることをいう.X の極大な連結部分空間を X の連結成分と呼ぶ.部分空間 M ⊂ X が連結ならば,X におけるその閉包 M も連結である.よって X の 連結成分は X の閉集合である. 命題 1.1.1 コンパクト Haudorff 空間 X の連結成分 M に対して M =∩ W∈F W である.ここで F は M を含む X の開かつ閉部分集合の全体で ある. [証明] L = ∩ W∈F W は連結でないとすると,X の閉集合 E, F で L = E∪F かつ E∩F = ∅ なるものがある.A = M ∩E, B = M ∩F とおくと,M = A∪B
かつ A∩ B = ∅ だから A = M 又は B = M. そこで A = M, 即ち M ⊂ E とする.X の開集合 U, V で E⊂ U, F ⊂ V かつ U ∩ V = ∅ なるものがあ る1.X = U∪ V ∪ ∪ W∈F Wc だから,有限個の Wi ∈ F (i = 1, 2, · · · , r) が あって, X = U∪ V ∪ Wc 1∪ · · · ∪ W c r となる.よって L⊂ W1∩ · · · ∩ Wr⊂ U ∪ V. ここで U′= U∩ W1∩ · · · ∩ Wr∈ F,実際, U′c= Uc∪ W1c∪ · · · ∪ Wrc= V ∪ W1c∪ · · · ∪ Wrc だから U′ は X の開かつ閉集合で M ⊂ U′ である.よって F⊂ L ∩ V ⊂ U′∩ V ⊂ U ∩ V = ∅ となり,矛盾する. 命題 1.1.2 局所コンパクト Hausdorff 空間 X のコンパクトな連結成分 M , 及び M ⊂ U なる X の開集合 U に対して,M ⊂ W ⊂ U なる X のコンパ クト開集合 W が存在する. 1Hausdorff 空間 X のコンパクト部分集合 E, F に対して,X の開集合 U, V で E⊂ U, F ⊂ V かつ U∩ V = ∅ なるものがある.
[証明] x∈ M に対して x ∈ Vx⊂ Vx⊂ U かつ Vxがコンパクトなる X の開集 合 Vxがあり,有限個の{x1,· · · , xr} ⊂ M をとって M ⊂ Vx1∪· · ·∪Vxr = V とできる. Y = V = Vx1∪ · · · ∪ Vxr はコンパクトで,M は Y の連結成分である.よって命題 1.1.1 より M =∩ W∈F W (F は M ⊂ W なる Y の開かつ閉部分集合の全体)となる.ここで Y = V ∪ (Y \ M) = V ∪ ∪ W∈F (Y \ W ) より,有限個の{W1,· · · , Wt} ⊂ F をとって Y = V ∪ (Y \ W1)∪ · · · ∪ (Y \ Wt), ∴ M ⊂ W1∩ · · · ∩ Wt⊂ V とできる.このとき W = W1∩ · · · ∩ Wt は Y の閉集合だからコンパクト である.一方,W は Y の開集合でもあるから,X の開集合 W′ があって W = W′∩Y となるが,W ⊂ V ⊂ Y で V は X の開集合だから,W = W′∩V は X の開集合となる.最後に W ⊂ Y ⊂ U である.
1.2
完全非連結空間
局所コンパクト Hausdorff 空間 X の各点がコンパクト開集合からなる基 本近傍系をもつとき,X は完全非連結であるという. 命題 1.2.1 局所コンパクト Hausdorff 空間 X が完全非連結となる必要十分 条件は X の連結成分は全て一点からなることである. [証明] 十分であることは命題 1.1.2 より良い.X が完全非連結であるとして, X の連結成分 M が相異なる二点 x, y を含むとすると,x∈ W かつ y ̸∈ W な る X のコンパクト開集合 W がとれる.このとき U = M∩ W, V = M ∩ Wc は M の開集合で M = U∪ V , U ∩ V = ∅ かつ x ∈ U, y ∈ V となり, M が 連結であることに反する. 命題 1.2.2 局所コンパクト Hausdorff 群 G に対して,次は同値である; 1) G は完全非連結, 2) 単位元 1∈ G を含む開集合 U ⊂ G に対して,K ⊂ U なるコンパクト 開部分群 K⊂ G が存在する.[証明] 1)⇒ 2) 1 ∈ M ⊂ U なるコンパクト開集合 M がとれる(命題 1.2.1). このとき Q ={x ∈ G | Mx ⊂ M} は G の開かつ閉部分集合である,実際, q∈ Q とする.任意の x ∈ M に対して xq ∈ M で M ⊂ G は開集合だから, x, q の開近傍 Ux, Vxで UxVx⊂ M なるものがとれる.M はコンパクトだか ら,有限個の{x1,· · · .xr} ⊂ M をとって M ⊂ Ux1∪ · · · ∪ Uxr とできる.こ のとき V = Vx1∩ · · · ∩ Vxr は q の開近傍で M V ⊂ M となり,V ⊂ Q とな るから,Q は G の開集合である.p∈ Qc とする.M p̸⊂ M だから mp ̸∈ M なる m∈ M がとれる.M は G の閉集合だから mW ∩ M = ∅ なる p の 開近傍 W がある.よって W∩ Q = ∅ となり,Q は G の閉集合である.さ て,1∈ M だから Q ⊂ M,よって Q はコンパクトで 1 ∈ Q である.よっ て K = Q∩ Q−1 は G のコンパクト開集合で 1∈ K である.更に x, y ∈ K に対して,{x, y−1, x−1, y} ⊂ Q だから M xy−1⊂ My−1⊂ M, M yx−1 ⊂ Mx−1⊂ M, よって xy−1∈ Q ∩ Q−1= K となるから,K は G の部分群である. 後に用いるために次の命題を示しておく; 命題 1.2.3 局所コンパクト完全非連結空間 X のコンパクト集合 M ⊂ X の 有限開被覆{Vi}i=1,2,··· ,r に対して,φi∈ Cc∞(X)Vi (i = 1, 2,· · · , r) を次の 三条件を満たすように取れる; 1) φi(x)≥ 0 かつ φ1(x) +· · · + φr(x)≤ 1 for ∀x ∈ X, 2) φ1(x) +· · · + φr(x) = 1 for∀x ∈ M, {φi}i=1,2,··· ,r を M と{Vi}i=1,2,··· ,r に関する 1 の分解と呼ぶ. [証明] 任意の x ∈ M ∩ Vi に対して,開コンパクト集合 x ∈ Wx ⊂ Vi がとれて,M はコンパクトだから,開コンパクト集合 Wi ⊂ Vi をとって M ⊂ W1∪ · · · ∪ Wr とできる.ここで U1= W1, U2= W2∩ W1c, U3= W3∩ W1c∩ W c 2,· · · とおくと,Ui⊂ Vi は開コンパクト部分集合で M ⊂ U1∪ · · · ∪ Ur, Ui∩ Uj =∅ if i ̸= j となる.よって φi= χUi ∈ Cc∞(X)Vi とおけばよい. 以下,X, G を局所コンパクト Hausdorff 完全非連結空間,及び群として, G 上の左 Haar 測度 dG(x) を一つ固定しておく.G のモジュラー関数を δG と書く (i.e. dG(xg) = δG(g)dG(x)).局所コンパクト群上の Haar 測度につ いては [2, Chap.V] を見よ.
1.3
局所コンパクト空間上の不変測度
局所コンパクト Hausdorff 空間上の不変測度について復習しておく.2 閉部分群 H⊂ G をとる.連続関数 ρ : G → R>0 で ρ(gh) = ρ(g)ρ(h), ρ(h) = δH(h)δG(h)−1 (∀g ∈ G, h ∈ H) なるものを H に関する G 上の ρ-関数と呼ぶ.このとき G/H 上の測度 µρ で ∫ G φ(x)ρ(x)dG(x) = ∫ G/H (∫ H φ(xh)dH(h) ) dµρ( ˙x) (∀φ ∈ Cc(G)) (1.1) なるものが定まる(dH(h) は H 上の左 Haar 測度).特に g∈ G に対して dµρ(g· ˙x) = Jρ(g, ˙x)dµρ( ˙x) (Jρ(g, ˙x) = ρ(gx)/ρ(x)) となる.従って ρ が群 の準同型写像であるときには,dµρ(g· ˙x) = ρ(g)dµρ( ˙x) (g ∈ G) となるが, より精確には 命題 1.3.1 連続群準同型写像 ρ : G→ R>0に対して,dµρ(g· ˙x) = ρ(g)dµρ( ˙x) (g∈ G9 なる G/H 上の測度 µρが存在する必要十分条件は δH(h) = ρ(h)δG(h) (h∈ H) なることである. 系 1.3.2 G/H 上に G-不変測度が存在する必要十分条件は δH(h) = δG(h) (h∈ H) なることである. H に関する G 上の ρ-関数 ρ : G → R>0 に対して H\G 上の測度 µ′ ρ を dµ′ρ(Hx) = dµρ(x−1H) により定義する. 注意 1.3.3 積分公式 (1.1) を書き直すと ∫ G φ(x)dG(x−1) = ∫ H\G (∫ H φ(hx)δG(h)−1dH(h) ) ρ(x−1)−1dµ′ρ( ˙x) (φ∈ Cc(G)) なる積分公式を得る.従って [1] の Theorem 1.21 で与えられ た,φ(hx) = δH(h)−1δG(h)φ(x) (∀h ∈ H) なる φ ∈ Cc∞(G) に対して定義 された線形形式 νH\G は ⟨νH\G, φ⟩ = ∫ H\G φ(x)dνH\G(x) = ∫ H\G φ(x)ρ(x−1)−1dµ′ρ( ˙x) である. 2この節で述べることは一般の局所コンパクト Hausdorff 空間で成り立つ.[2, Chap.V]1.4
smooth 関数
X から複素ベクトル空間 E への関数 f が smooth であるとは,∀v ∈ E に対して f−1(v) が X の開集合となることをいう. C∞(X, E) ={f : X → E : smooth } = { ∑ λ∈Λ χMλ· vλ Mλ⊂ X : open compact, vλ∈ E Mλ∩ Mµ=∅ if λ ̸= µ } , Cc∞(X, E) ={f ∈ C∞(X, E)| supp(f) : コンパクト } とおく.C∞(X) = C∞(X,C), Cc∞(X) = Cc∞(X,C) とおくと,自然な複素 線形写像 C∞(X)⊗CE→ C∞(X, E) (f⊗ v 7→ [x 7→ f(x)v]) は単射(dimCE <∞ ならば全射)となり,同型 Cc∞(X)⊗CE ˜→ Cc∞(X, E) を導く.1.5
完全非連結空間上の分布
X の開集合 V に対して Cc∞(X)V ={φ ∈ Cc∞(X) | supp(φ) ⊂ V } とお いて Γ(DX, V ) ={T : Cc∞(X)V → C : 複素線形形式 } の元を V 上の分布と呼ぶ. 定理 1.5.1 X の開集合 V ⊂ W と T ∈ Γ(DX, W ) に対して,制限写像を resWV T = T|C∞ c (X)V ∈ Γ(DX, V ) と定義することにより,X 上の分布の層 DX が定義される(簡単のために T|V = resWV T と書く).3 [証明] 前層であることは明らか.{Vγ}γ∈Γを X の開被覆とする.T ∈ Γ(X, DX) が T|Vγ = 0 for∀γ ∈ Γ とすると,任意の φ ∈ C ∞ c (X) に対して supp(s) = M ⊂ Vγ1∪ · · · ∪ Vγr (γi∈ Γ) として,M と {Vγi}i=1,··· ,rに関する 1 の分解 を{ψi}i=1,··· ,r とすると(命題 1.2.3),s = r ∑ i=1ψi· s で ψi· φ ∈ Cc∞(X)Vγi
だから ⟨T, s⟩ = r ∑ i=1 ⟨T, ψi· s⟩ = 0 となる,T = 0.一方,Tγ ∈ Γ(Vγ,DX) (γ ∈ Γ) で Tγ|Vγ∩Vλ = Tλ|Vγ∩Vλ とすると,任意の φ ∈ C∞ c (X) に対して,supp(s) = M ⊂ Vγ1∪ · · · ∪ Vγr 3層の一般論については [3, Chap. II] を参照.
(γi ∈ Γ) として,M と {Vγi}i=1,··· ,r に関する 1 の分解を{ψi}i=1,··· ,r とし て,ψi· φ ∈ Cc∞(X)Vγi だから ⟨T, s⟩ = r ∑ i=1 ⟨Tγi, ψi· s⟩ とおく,M ⊂ Vλ1∪ · · · ∪ Vλs (λj∈ Γ) として M と {Vλj}j=1,··· ,r に関する 1 の分解を{ηj}j=1,··· ,sとすると,Vij = Vγi∩ Vλj 及び θij = ψi· ηj とおく と,{θij}i,j は M と{Vij}i,j に関する 1 の分解で ψi· s = s ∑ j=1 θij· s, ηj· s = r ∑ i=1 θij· s となるから r ∑ i=1 ⟨Tγi, ψi· s⟩ = s ∑ j=1 ⟨Tλj, ηj· s⟩ となり,T∈ Γ(X, DX) が定義できて,T|Vγ = Tγ (∀γ ∈ Γ) となる. T ∈ D(X) = Γ(DX, X) と φ∈ Cc∞(X) に対して ⟨T, φ⟩ = ∫ X φ(x)dT (x) = ∫ X φdT と書く.x∈ X における DX の stalk をDX,x = lim−→ x⊂V ⊂X Γ(DX, V ) とする. T ∈ D(X) に対して supp(T ) = {x ∈ X | T ̸= 0 in DX,x} とおいて Dc(X) =
def.{T ∈ D(X) | supp(T ) : compact} とおく. 例 1.5.2 f ∈ C∞(G) に対して⟨Tf, φ⟩ =∫ G φ(x)f (x)dG(x) (φ ∈ Cc∞(G)) により Tf∈ D(G) が定義され supp(Tf) = supp(f ). f と Tf を同一視する.
1.6
コンパクト台分布に関する smooth 関数の積分
局所閉部分空間 Y ⊂ X に対して,C∞ c (X) から Cc∞(Y ) への全射複素線 形写像 pY : φ7→ φ|Y から単射複素線形写像 p∗Y :D(Y ) → D(X) (⟨p∗YT, φ⟩ = ⟨T, pYφ⟩) を定義する.特に開集合 V ⊂ X に対して 0→ D(Vc) p ∗ V c −−→ D(X)−−−→ Γ(DX, V )resXV → 0 : exact.T ∈ Dc(X) に対して M = supp(T ) とすれば,∃T0∈ D(M) s.t. T = p∗MT0 だから, ⟨T, φ⟩ = ∫ X φ(x)dT (x) = ∫ X φdT = def.⟨T0, φ|M⟩ (φ∈ C∞(X)) と定義する. 命題 1.6.1 T ∈ Dc(X) と φ∈ C∞(X, E) に対して ⟨v, α⟩ = ∫ X ⟨φ(x), α⟩dT (x) (∀α ∈ E∗= Hom C(E,C)) なる唯一の v∈ E が存在する.v = ∫ X φ(x)dT (x)∈ E と書く. [証明] Mλ∩ Mλ′ =∅ (λ ̸= λ′) なるコンパクト開集合 Mλ ⊂ X (λ ∈ Λ) と vλ∈ E (λ ∈ Λ) があって φ = ∑ λ∈Λ χMλ· vλ と書けるから,有限個の λ∈ Λ を除いて supp(T )∩ Mλ=∅ より v =∑ λ∈Λ ⟨T, χMλ⟩ · vλ∈ E とおくと,任意 の α∈ E∗ に対して ⟨v, α⟩ = ∑ λ∈Λ ⟨T, χMλ⟩ · ⟨vλ, α⟩ = ∫ X ⟨φ(x), α⟩dT (x). 一意性は 0̸= v ∈ E ならば ⟨v, α⟩ ̸= 0 なる α ∈ E∗ が存在することによる. 例 1.6.2 p∈ X に対して εp= [φ7→ φ(p)] ∈ Dc(X) s.t. supp(εp) ={p} で, ⟨εp, φ⟩ = φ(p) (∀φ ∈ C∞(X, E)). 例 1.6.3 コンパクト部分群 K⊂ G 上の正規化された Haar 測度を dK(k) と して⟨εK, φ⟩ = ∫ K φ(k)dK(k) (φ∈ Cc∞(G)) により εK ∈ Dc(G) が定義され る.supp(εK) = K.
1.7
コンパクト台分布の畳込み積
S, T ∈ Dc(G) とする.G× G 上の関数 (φ ⊗ ψ)(x, y) = φ(x) · ψ(y) (φ, ψ ∈ Cc∞(G)) が Cc∞(G× G) を C 上張るから,φ ⊗ ψ 7→ ⟨S, φ⟩ · ⟨T, ψ⟩ によりS⊗ T ∈ D(G × G) を定義すると supp(S ⊗ T ) = supp(S) × supp(T ) だから S⊗ T ∈ Dc(G× G) である.そこで S ∗ T ∈ D(G) を
⟨S ∗ T, φ⟩ =
∫
G×G
φ(xy)d(S⊗ T )(x, y) (φ∈ Cc∞(G))
により定義すると,supp(S∗ T ) ⊂ supp(S) · supp(T ) だから S ∗ T ∈ Dc(G) を S, T の畳込み積と呼ぶ.次の命題は形式的に容易に証明される;
命題 1.7.1 1) Dc(G) は畳込み積に関して ε1を 1 とするC-代数である, 2) εg∗ εh= εgh (g, h∈ G), 3) コンパクト部分群 K ⊂ G に対して εg∗ εK∗ ε−1g = εgKg−1 (g∈ G), 4) fi∈ Cc∞(G) に対して Tf1∗ Tf2 = Tf1∗f2,ここで f1∗ f2(x) = ∫ G f1(xy)f2(y−1)dG(y) (x∈ G).
1.8
群の作用で不変な分布
G が X に連続に作用するとき,g ∈ G は φ ∈ C∞(G) に (g· φ)(x) = φ(g−1· x) により作用するから,T ∈ D(X) に対して ⟨g · T, φ⟩ = ⟨T, g−1· φ⟩ (φ∈ C∞ c (X)) により g· T ∈ D(X) を定義する.G は G 自身に左右から連続に作用するか ら,C∞(G),D(G) に左右から作用する. 定理 1.8.1 G がコンパクトで X への作用が推移的ならば,µ(X) = 1 な る X 上の G-不変測度 µ が唯一存在して,G-不変な T ∈ D(X) は φ 7→ ∫ X φ(x)dµ(x) の定数倍に限る. この定理を示すために,まず次の補題を示す; 補題 1.8.2 G がコンパクトのとき,G-不変な T ∈ D(G) は φ 7→ ∫ G φ(x)dG(x) の定数倍に限る. [証明] µGを µG(G) = 1 なる G 上の Haar 測度として,T (1) = λ∈ C とお く.コンパクト開部分群 K⊂ G に対して G = n ⊔ i=1 giK (n = (G : K)) とお くと 1 = µG(G) = n ∑ i=1 µG(giK) = nµG(K) より µG(K) = (G : K)−1である.一方,任意の g∈ G に対して χgK= g·χK だから T (χgK) = T (χK),従って 1 = χG = n ∑ i=1 χgiK より λ = T (1) = n ∑ i=1 T (χgiK) = n· T (χK),よって T (χgK) = λ· (G : K)−1 = λ· µG(K) (∀g ∈ G).よって ∀φ ∈ Cc∞(G) に対して φ = r ∑ i=1 λi· χgiK (λi∈ C) とおくと T (φ) = r ∑ i=1 λi· T (χgiK) = λ r ∑ i=1 λi· µG(giK) = λ· ∫ G φ(x)dµG(x). 定理 1.8.1 の証明 閉部分群 H ⊂ G に対して X = G/H としてよい. G, H はコンパクト群だから δG= δH = 1,従って X 上の G-不変 Radon 測 度 µ があって,G, H 上の正規化された Haar 測度 dG(x), dH(h) に対して ∫ G φ(x)dG(x) = ∫ X (∫ H φ(xh)dH(h) ) dµ( ˙x) (φ∈ Cc(G)) が成り立つ.特に µ(X) = 1 である.j : G→ G/H = X を自然写像 とする と,コンパクト開集合 M ⊂ X に対して j−1(M )⊂ G はコンパクト開集合 だから j∗: Cc∞(X)∋ φ 7→ φ ◦ j ∈ Cc∞(G) は単射複素線形写像となり,よって j∗:D(G) ∋ S 7→ S ◦ j∗∈ D(X) は全射複素線形写像となって, ⟨j∗S, φ⟩ = ⟨S, j∗φ⟩ = ⟨S, φ ◦ j⟩ (∀φ ∈ Cc∞(G)) となる.よって S∈ D(G), g ∈ G に対して ⟨g · (j∗S), φ⟩ = ⟨j∗S, g· φ⟩ = ⟨S, (g · φ) ◦ j⟩ =⟨S, g · (φ ◦ j)⟩ = ⟨g · T, φ ◦ j⟩ = ⟨j∗(g· S), φ⟩ (∀φ ∈ Cc∞(X)) より g·(j∗S) = j∗(g·S) となる.よって G-不変な T ∈ D(X) に対して T = j∗S なる G-不変な S∈ D(G) がとれる.補題 1.8.2 から ⟨S, φ⟩ = λ · ∫ G φ(x)dG(x) (∀φ ∈ Cc∞(G)) (λ∈ C) となるから,任意の ψ ∈ Cc∞(X) に対して ⟨T, ψ⟩ = ⟨S, ψ ◦ j⟩ = λ · ∫ G ψ( ˙x)dG(x) = λ· ∫ X ψ(x)dµ(x). 定理 1.8.3 T ∈ D(G) に対して,単位元の近傍 V があって g · T = T (or T· g = T ) for ∀g ∈ V ならば T ∈ C∞(G).
[証明] コンパクト開部分群 K⊂ G があって,任意の k ∈ K に対して k·T = T とできる.∀g ∈ G に対して X = Kg ⊂ G はコンパクト開集合で,(k, x) 7→ kx により K は X に連続かつ推移的に作用して,T|X∈ D(X) は K-不変であ る.一方 S = [Cc∞(X) = Cc∞(G)X ∋ φ 7→ ∫ G φ(x)dG(x)]∈ D(X) も K-不変であるから,定理 1.8.1 より T|X= λg· S (∃λg∈ C).ここで任意 の k∈ K に対して λkg = λg だから,f = [G∋ g 7→ λg∈ C] ∈ C∞(G) は左 K-不変である.ここで G =⊔ i Kgi とおくと,∀φ ∈ Cc∞(G) に対して ⟨T, φ⟩ =∑ i ⟨T |Kgi, φ|Kgi⟩ =∑ i λgi ∫ Kgi φ(x)dG(x) = ∫ G φ(x)f (x)dG(x). よって T = Tf = f ∈ C∞(G) を得る. 系 1.8.4 H(G) = C∞ c (G) は Dc(G) の両側イデアルである.コンパクト開 部分群 K⊂ G に対して HK(G)def= εK∗ H(G) ∗ εK ={φ ∈ Cc∞(G) : 両側 K-不変} は εK を 1 とするH(G) の C-部分代数である. 例 1.8.5 コンパクト開部分群 K ⊂ G に対して,εK = vol(K)−1 · χK ∈ Cc∞(G) である.
2
smooth G-
加群
2.1
基本的な性質
E を G-加群とする.コンパクト部分群 K⊂ G に対して EK={v ∈ E | kv = v ∀k ∈ K}, E(K) = ⟨kv − v | k ∈ K, v ∈ E⟩C とおき E∞def= ∪ K⊂G:コンパクト開部分群 EK={v ∈ E | [x 7→ xv] ∈ C∞(G, E)}. 定義 2.1.1 E = E∞のとき E を smooth G-加群と呼び,更に任意のコン パクト開部分群 K⊂ G に対して dimCEK <∞ のとき E を許容 G-加群と 呼ぶ.E を smooth G-加群とすると,T ∈ Dc(G), v∈ E に対して [x 7→ xv] ∈ C∞(G, E) だから T v = ∫ G xvdT (x)∈ E が定義されて, E は左 Dc(G)-加 群となる. 命題 2.1.2 smooth G-加群 E とコンパクト部分群 K⊂ G に対して 0→ E(K) −→ E−−→ EεK K → 0 : exact. [証明] v∈ E, k ∈ K, α ∈ E∗= HomC(E,C) に対して ⟨k(εKv), α⟩ = ∫ K ⟨(kk′)v, α⟩dK(k′) =⟨εKv, α⟩ より εKE⊂ EK.逆に v∈ EK に対して ⟨εKv, α⟩ = ∫ K ⟨kv, α⟩dK(k) =⟨v, α⟩ for ∀α ∈ E∗ より εKv = v となり,εKE = EK である.v∈ E, k ∈ K に対して ⟨εK(kv), α⟩ = ∫ K ⟨(k′k)v, α⟩dK(k′) =⟨εKv, α⟩ for ∀α ∈ E∗ より εK(kv) = εKv,従って kv− v ∈ Ker(εK).逆に v∈ Ker(εK) とする. lv = v∀l ∈ L なるコンパクト開部分群 L ⊂ G をとって K = n ⊔ i=1 ki(K∩ L) (n = (K : K∩ L) < ∞) とおくと ⟨εKv, α⟩ = ∫ K ⟨kv, α⟩dK(k) = n ∑ i=1 ∫ K∩L ⟨(kil)v, α⟩dK(l) = n ∑ i=1 (K : K∩ L)−1⟨kiv, α⟩ for ∀α ∈ E∗. よって n ∑ i=1 kiv = 0.よって v = n−1 n ∑ i=1 (v− kiv)∈ E(K) となる.
2.2
smooth
H(G)-加群と smooth G-加群
定義 2.2.1 E が左H(G)-加群で E = ∪ K⊂G:コンパクト開部分群 εK· E のとき,E を smooth H(G)-加群と呼ぶ.E が smooth G-加群ならば,E は自然に smoothH(G)-加群となる.
逆に E を smoothH(G)-加群とすると,T ∈ Dc(G) と v∈ E に対して,
v∈ εK· E なるコンパクト開部分群 K ⊂ G をとり,T ∗ εK∈ H(G) より T vdef= (T ∗ εK)v∈ E
とおくと,E は左Dc(G)-加群となる.そこで g∈ G に対して g · v = δg· v
2.3
H
K(G)-加群
K ⊂ G をコンパクト開部分群とする.smooth G-加群(従って smooth H(G)-加群)に対して EK = ε K· E は HK(G)-加群となる. 定理 2.3.1 smooth G-加群 E に対して次は同値である; 1) E は単純 G-加群(即ち,単純H(G)-加群), 2) 任意のコンパクト開部分群 K ⊂ G に対して EK = 0 または EK は単 純HK(G)-加群. [証明] 1)⇒ 2) あるコンパクト開部分群 K ⊂ G に対して {0} V EK な るHK(G)-部分加群 V があったとすると,Dc(G)· V ⊂ E は Dc(G)-部分加 群となり EK∩ Dc(G)· V = εK· (Dc(G)· V ) = (ε ∗ Dc(G)∗ εK)· V = V より{0} Dc(G)· V E となる. 2)⇒ 1) {0} V E なる G-部分加群 V があったする.u∈ E ̸∈ V, 0 ̸= v∈ V をとり,u, v ∈ EK なるコンパクト開部分群 K⊂ G をとると u∈ EK̸∈ VK, 0̸= v ∈ VK より{0} VK EK となる. 定理 2.3.2 smooth 単純 G-加群 E1, E2 に対して,EK1 と E2K が非自明かつ HK(G)-加群として同型ならば,E1 と E2 は G-加群として同型である. [証明] 1)⇒ 2) 明らか.2) ⇒ 1) T : E1K→ E˜ 2K をHK(G)-加群の同型写像と して V ={(x, T x) | x ∈ E1K} ⊂ E1K⊕ E2K:HK(G)-部分加群, W =Dc(G)· V ⊂ E1⊕ E2:Dc(G)-部分加群 とおくと WK = (εK∗ Dc(G)∗ εK)· V = V より W ̸⊂ Ei, Ei̸⊂ W (i = 1, 2).よって pi: W ∋ (x1, x2)7→ xi∈ Ei:Dc(G)-加群の準同型写像に対して,0̸= Im(p1)⊂ E1 (∵ W ̸⊂ E2) より Im(p1) = E1,又 Ker(p1)⊂
W∩ E2 E2より Ker(p1) = 0 となる.よって p1: W ˜→ E1 はDc(G)-加群
の同型を与える.p2 についても同様だから,Dc(G)-加群の同型 E1→ E˜ 2 を
定理 2.3.3 コンパクト開部分群 K⊂ G と単純な HK(G)-加群 V に対して, HK(G)-加群の同型 EK→ V が成り立つような単純 smooth G-加群 E が存˜ 在する. [証明] 0 ̸= v ∈ V として,全射 HK(G)-加群準同型写像 f : HK(G) → V (φ7→ φ·v) に対してイデアル a = Ker(f) ⊂ HK(G) をとる.E1, E2⊂ H(G) を夫々HK(G) と a で生成された左H(G)-部分加群とすると E1K= εK∗ E1=HK(G), E2K = εK∗ E2= a より,HK(G)-加群として (E1/E2)K= εK· (E1/E2) = (εK∗ E1+ E2)/E2 ˜ → EK 1 /E K 1 ∩ E2=HK(G)/a ˜→ V. よって H(G)-加群 E3 = E1/E2 は 0̸= ∀u ∈ (E1/E2)K で生成される.こ こで Zorn の補題を用いて,E = E3/E′ が単純H(G)-加群となる H(G)- 部 分加群 E′ ⊂ E3が存在して,(E′)K ⊂ E3K→ V は HK˜ (G)-部分加群だから, E′)K={0} 又は E3K である.ここで (E′)K = E3K ならば E′= E3 となり 矛盾するから,(E′)K ={0}. よって HK(G)-加群として EK = εK· (E3/E′) = (E3K+ E′)/E′ ˜ → EK 3 /E K 3 ∩ E′→ E˜ K 3 → V.˜ よって単純H(G)-加群 E に対応する単純 smooth G-加群をとればよい.
2.4
反傾表現
smooth G-加群 E に対して E∗ = HomC(E,C) は ⟨g · α, v⟩ = ⟨α, g−1· v⟩ (g∈ G, α ∈ E∗, v ∈ E) により G-加群となり,E∨ = (E∗)∞ は smooth G-加群となる.これを E の反傾表現と呼ぶ.コンパクト開部分群 K⊂ G に対 して,命題 2.1.2 から (E∨)K = (E∗)K = { α : E→ C : 複素線形写像 ∃K ⊂ G:コンパクト開部分群 s.t. {v − k · v | v ∈ E, k ∈ K} ⊂ Ker α } = { α : E→ C : 複素線形写像 ∃K ⊂ G:コンパクト開部分群
s.t. E(K) = Ker(εK)⊂ Ker α
} = α : E→ C : 複素線形写像 ∃K ⊂ G:コンパクト開部分群 s.t. α : E−−→ εK EK −→ ∃ C
だから,複素線形同型 (EK)∗→ (E˜ ∨)K (β7→ [v 7→ ⟨εK· v, β⟩]) が成り立つ.v∈ EK に対して⟨v, ∗⟩ ∈ (E∨∨)K で,v7→ ⟨v, ∗⟩ は単射 G-加 群準同型写像 E→ E∨∨を与える.まず次の補題を示す; 補題 2.4.1 smooth G-加群 E の G-部分加群 V ⊂ E に対して V⊥={α ∈ E∨| ⟨V, α⟩ = 0} は E∨ の G-部分加群で V = (V⊥)⊥={v ∈ E | ⟨v, V⊥⟩ = 0} となる.即ち ⟨ , ⟩ : V × E∨/V⊥ ∋ (v, ˙v′)7→ ⟨v, v′⟩ ∈ C, ⟨ , ⟩ : E/V × V⊥∋ ( ˙v, v′)7→ ⟨v, v′⟩ ∈ C は共に非退化双線形形式となる.特に E∨が単純 加群ならば E も単純 G-加群となる. [証明] V⊥ が E∨ の G-部分加群となることと V ⊂ (V⊥)⊥ は明らか.v ∈ E̸∈ V とする.v ∈ EK なる開コンパクト部分群 K⊂ G をとると,α(v) ̸= 0, α(V ) = 0 なる α∈ (EK)∗ があって v′ = α◦ εK ∈ (E∨)K ⊂ E∨ である. このとき ⟨v, v′⟩ = α(εKv) = α(v)̸= 0, ⟨V, v′⟩ = α(εKV ) = α(VK) = 0 となり,v̸∈ (V⊥)⊥. 反傾表現については次の命題が基本的である; 命題 2.4.2 許容 G-加群 E に対して 1) E∨は許容 G-加群で,G-加群の同型 E ˜→ E∨∨(v7→ ⟨v, ∗⟩) が成り立つ. 2) G-加群として E の単純性と E∨ の単純性は同値. [証明] 任意の開コンパクト部分群 K⊂ G に対して
dimC(E∨)K= dimC(EK)∗= dimCEK<∞
だから,E∨ は許容 G-加群である.又
dimC(E∨∨)K= dimC(E∨)K= dimCEK<∞
より,v7→ ⟨v, ∗⟩ は複素線形同型 EK→ (E˜ ∨∨)Kを与える.よって T : E ˜→ E∨∨
は G-加群の同型写像である.又,E が単純 G-加群ならば E∨∨ は単純 G-加
群,従って補題 2.4.1 より E∨ は単純 G-加群となる.逆は再び補題 2.4.1 に
命題 2.4.3 C を自明な G-module とみて HomG(E⊗CF,C) = { α : E⊗CF → C : C-linear s.t. α(g· ξ) = α(ξ) for ∀g ∈ G, ξ ∈ E ⊗CF } である.このとき次のC-線形同型が成り立つ;
HomG(E, F∨)∋ A ˜7→ [u ⊗ v 7→ ⟨Au, v⟩] ∈ HomG(E⊗CF,C).
[証明] A∈ HomG(E, F∨) と g∈ G, u ∈ E, v ∈ F に対して
⟨A(g · u), g · v⟩ = ⟨g · A(u), g · v⟩ = ⟨Au, v⟩
より,A7→ [u ⊗ v 7→ ⟨Au, v⟩] が 単射複素線形写像であることはよい.α ∈
HomG(E, F∨) とする.u∈ E に対して
αu: F ∋ v 7→ α(u ⊗ v) ∈ C
とおく.任意の k∈ K に対して k · u = u なるコンパクト開部分群 K ⊂ G
があるから,任意の k∈ K に対して
αu(k· v) = α(u ⊗ (k · v)) = α((k−1· u) ⊗ v) = α(u ⊗ v) = αu(v),
又,任意の g∈ G に対して
αg·u(v) = α((g· u) ⊗ v) = α(u ⊗ (g−1· v) = αu(g−1· v) = (g · αu)(v).
よって A = [u7→ αu]∈ HomG(E, F∨) で,任意の u∈ E, v ∈ F に対して
⟨Au, v⟩ = ⟨αu, v⟩ = α(u ⊗ v).
命題 2.4.4 M, N を smooth G-加群とすると
1) A∈ HomG(M, N∨) に対して⟨Au, v⟩ = ⟨u, A∗v⟩ (∀u ∈ M, v ∈ N) な
る A∗∈ HomG(N, M∨) が唯一存在する.
2) A7→ A∗ は複素線形同型 HomG(M, N∨) ˜→ HomG(N, M∨) を与える.
[証明] 命題 2.4.3 より複素線形同型
HomG(E, F∨) ˜→ HomG(E⊗CF,C)
˜
→ HomG(F ⊗CE,C) ˜← HomG(F, E∨)
A7→ [u ⊗ v 7→ ⟨Au, v⟩] 7→ [v ⊗ u 7→ ⟨Au, v⟩] = [v ⊗ u 7→ ⟨Bv, u⟩] ←p B.
が成り立つ.
smooth G-加群 E があるとき,v∈ E, α ∈ E∨ に対して G 上の smooth
2.5
誘導表現
閉部分群 H ⊂ G と smooth H-加群 E に対して,C∞(G, E) は (g·φ)(x) = φ(g−1x) (g∈ G, φ ∈ C∞(G, E)) により G-加群となるから,その G-部分加群
IndGHE ={φ ∈ C∞(G, E)∞| φ(xh) = h−1· φ(x) ∀h ∈ H}, indGHE ={φ ∈ IndGHE| supp(φ) : compact (mod H)} を夫々誘導表現,コンパクト誘導表現と呼ぶ. 群 G は G に右から作用することも出来るので,誘導表現を別の具合に定 義することができる.即ち,C∞(G, E) を (g· φ)(x) = φ(xg) により G-加群 として,その G-部分加群 Ind GHE ={φ ∈ C∞(G, E)∞| φ(hx) = h · φ(x) ∀h ∈ H}, indGHE ={φ ∈ Ind G
HE| supp(φ) : compact (mod H)}
を考えるのである.これら二通りの誘導表現は,φ ∈ C∞(G, E) に対して
φ−(x) = φ(x−1) (x∈ G) とおけば,φ 7→ φ− が G-加群の同型
IndGHE ˜→ Ind GHE, indGHE ˜→ indGHE (2.2) を与えるから,どちらで考えても同じことである.保型表現の文脈では群の 右作用を用いる文献が多いようだが,純粋に表現論の文脈では群の左作用を 用いる場合が多いように思われるし,群の左作用の方が記号的に自然と思わ れるので,当面 IndG HE, ind G HE に関する記述を与えて,最後に自然な同型を 通じて IndG HE, ind G HE に関する記述を与える. コンパクト開部分群 K ⊂ G に対して G = ⊔ g∈Ω HgK, Kg = H∩ gKg−1 とおくと,φ7→ (φ(g))g∈Ω により次の複素線形同型が成り立つ; ( IndGHE )K ˜ → ∏ g∈Ω EKg, ( indGHE )K ˜ →⊕ g∈Ω EKg. 従って,E が許容 H-加群で G/H かコンパクトならば,Ω は有限集合とな るから,IndG HE = ind G HE は許容 G-加群となる.
2.6
誘導表現の基本的な性質
誘導表現の間の関係を与えるために,閉部分群 H ⊂ G に関する G の ρ-関数 ρ : G→ R>0 に付随する H\G 上の測度を µ′ ρ とする. 命題 2.6.1 G-加群の同型 IndGH(δ−1H δG⊗ E∨) ˜→ ( indGHE )∨ (ψ7→ ⟨∗, ψ⟩) が⟨φ, αψ⟩ = ∫ G/H ⟨φ(x), ψ(x)⟩ρ(x)−1dµρ( ˙x) により与えられる.[証明] コンパクト開部分群 K ⊂ G に対して ψ ∈ L(G, δ−1H δG⊗ E∨)K とし て,任意の φ∈ indG HE, k∈ K に対して ⟨k · φ, ψ⟩ = ⟨φ, k−1· ψ⟩ = ⟨φ, ψ⟩. よって ⟨∗, ψ⟩ ∈ (indGHE )∨ である.更に G = ⊔ i KgiH として,任意の φ∈ S(G, E)K に対して,殆ど全ての i に対して φ(gi) = 0 で ⟨φ, ψ⟩ =∑ i ⟨φ(gi), ψ(gi)⟩ · ∫ K· ˙gi ρ(x)−1dµρ( ˙x) より ψ 7→ ⟨∗, ψ⟩ は単射である.一方,任意の α ∈ (indGHE )∨K をとると, 命題 2.1.2 より α : S(G, E)−−→ εK S(G, E)K→˜ ⊕ i EKi −−−−→ ∑ iαi C である.ここで Ki= H∩ gi−1Kgi であり αi∈ ( EKi)∗ である.ここで ( EKi)∗= (E∨)Ki =(δ−1 H δG⊗ E∨ )Ki とみて,βi∈ ( δH−1δG⊗ E∨)Ki が (∫ K· ˙gi ρ(x)−1dµρ( ˙x) )−1 αi∈(EKi)∗ に対応しているとする.(βi)i∈ ∏ i ( δH−1δG⊗ E∨)Ki に対応して ψ∈ ( IndGH(δH−1δG⊗ E∨) )K が定まる.即ち x = kgih∈ KgiH に対して ψ(x) = δH(h)δG(h)−1· h−1· βi とおく.このとき任意の φ∈(indGH )K に対して ⟨φ, ψ⟩ = ∫ G/H ⟨φ(x), ψ(x)⟩ρ(h)−1dµ ρ( ˙x) =∑ i ∫ K· ˙gi ⟨ψ(gi), φ(gi)⟩ρ(x)−1dµρ( ˙x) =∑ i ⟨βi, φ(gi)⟩ ∫ K· ˙gi dµρ( ˙x) = ∑ i ⟨αi, φ(gi)⟩ = ⟨φ, α⟩ となるから,⟨∗, ψ⟩ = α となる. 次に示す関係は Frobenius 相互律と呼ばれて,以下の議論では重要な働 きをする;
定理 2.6.2 smooth G-加群 M と smooth H-加群 E に対して 1) 複素線形同型及びその逆写像
HomG(M, IndGHE) ˜→ HomH(M, E) (A7→ TA),
HomH(M, E) ˜→ HomG(M, IndGHE) (B7→ SB)
が TAu = (Au)(1), SBu = [x7→ B(x−1· u)] により与えられる.
2) 複素線形同型 Θ : HomH(δHδ−1G ⊗ E, M∨) ˜→ HomG(ind G HE, M∨) が ⟨Θ(A)φ, u⟩ = ∫ G/H ⟨A(1 ⊗ φ(x)), x−1· u⟩ρ(x)−1dµ ρ( ˙x) により与えられる. [証明] 1) A∈ HomG(M, IndGHE) に対して α(A) : M ∋ u 7→ (Au)(1) ∈ E : 複素線形写像
α(A)(h· u) = (A(h · u))(1) = (h · A(u))(1) = A(u)(h−1) = h· (A(u)(1)) ∀h ∈ H
より α(A)∈ HomH(M, E).一方 B∈ HomH(M, E) とすると,u∈ M に対
して
fB,u: G∋ x 7→ B(x−1· u) ∈ E : 複素線形写像 s.t.
1) fB,u(xh) = B(h−1x−1· u) = h−1· fB,u(x) for∀h ∈ H,
2) k· u = u for ∀k ∈ K なるコンパクト開部分群 K ⊂ G があるから
fB,u(kx) = B(x−1k−1· u) = fB,u(x) for∀k ∈ K より fB,u∈ IndGHE で
fB,g·u(x) = B(x−1gu) = fB,u(g−1x) = (g· fB,u)(x) for∀g ∈ G.
よって β(B) = [u7→ fB,u]∈ HomG(M, IndGHE) で,任意の A∈ HomG(M, IndGHE)
に対して
fα(A),u(x) = α(A)(x−1· u) = (A(x−1· u)(1)
= (x−1· Au)(1) = (Au)(x) for ∀x ∈ G より β◦ α(A) = [u 7→ fα(A),u= Au] = A.又,任意の B∈ HomH(M, E) に 対して
2) 次のC-linear isom. の列から,Θ の存在は明らか; HomG(indGHE, M∨) ∼ −−−−−−→ 命題 2.4.4 HomG(M, ( indGHE )∨ ) ∼ −−−−−−→ 命題 2.6.1 HomG(M, Ind G H(δ−1H δG⊗ E∨)) ∼ −−−−−−→ 1) HomH(M, δ −1 H δG⊗ E∨) ∼ −−−−−−→ 命題 2.4.4 HomH(δHδ −1 G ⊗ E, M∨). 具体的な対応は A7→ A∗s.t. ⟨A(1 ⊗ v), u⟩ = ⟨1 ⊗ v, A∗u⟩ = ⟨v, A∗u⟩ 7→ [u 7→ [x 7→ A∗(x−1· u)] 7→ [u 7→ ⟨∗, [x 7→ A∗(x−1· u)]⟩] = B 7→ B∗ で,f∈ indG HE, u∈ M に対して ⟨B∗f, u⟩ =⟨f, Bu⟩ = ⟨f, [x 7→ A∗(x−1· u)]⟩ = ∫ G/H ⟨f(x), A∗(x−1· u)⟩ρ(x)−1dµρ( ˙x) = ∫ G/H ⟨A(1 ⊗ f(x)), x−1· u⟩ρ(x)−1dµ ρ( ˙x) となる. 命題 2.6.3 閉部分群 N ⊂ H ⊂ G と smooth N-加群 V に対して,次の G-加群の同型が成り立つ;IndG H ( IndHNV ) ˜ → IndG NV (ψ7→ [x 7→ ψ(x)(1)]). [証明] φ∈ IndGNV に対して,開コンパクト部分群 K ⊂ G があって任意の k∈ K に対して φ(kx) = φ(x) (x ∈ G) となる.φx(h) = φ(xh) (h∈ H) と おくと,任意の k∈ H ∩ x−1Kx に対して φx(kh) = φ x(h) (h∈ H) ,又任 意の q∈ Q に対して φx(hq) = q−1· φx(h) となる.よって φx∈ IndHNV .そ こで φ′ : G∋ x 7→ φx∈ IndHNV とおくと,任意の k∈ K に対して φ′(kx) = φ kx = φxであり,任意の h∈ H に対して φ′(xh) = φxh= h−1· φx= h−1· φ′(x) となるから φ′∈ IndG H(Ind H NV ) となる.このとき任意の g∈ G に対して (g· φ)′(x) = φg−1x= (g−1· φ′)(x)
となる.一方,f∈ IndG H(Ind H NV ) に対して,開コンパクト群 K⊂ G があっ て任意の k∈ K に対して f(kx) = f(x) (x ∈ G) となる. e f : G∋ x 7→ f(x)(1) ∈ V とおくと,任意の k∈ K に対して ef (kx) = f (kx)(1) = f (x)(1) = ef (x).任 意の q∈ Q に対して e f (xq) = f (xq)(1) = (q−1· f(x))(1) = f (x)(q) = q−1· (f(x)(1)) = q−1· ef (x). よって ef ∈ IndGNV .このとき任意の g∈ G に対して g g· f(x) = (g · f)(x)(1) = f(g−1x)(1) = ef (g−1x) となる.更に e φ′(x) = φ′(x)(1) = φx(1) = φ(x) e f′(x) = efx= [h7→ ef (xh) = f (xh)(1) = (h−1· f(x))(1) = f(x)(h)] = f(x). 以上の結果を自然な同型 (2.2) により IndG HE 及び ind G HE について述べれ ば次のようになる;まず,コンパクト開部分群 K⊂ G に対して G = ⊔ g∈Ω HgK, Kg = H∩ gKg−1 とおくと,φ7→ (φ(g))g∈Ω により次の複素線形同型が成 り立つ; ( IndGHE )K ˜ → ∏ g∈Ω EKg, ( indGHE )K ˜ →⊕ g∈Ω EKg. 命題 2.6.4 G-加群の同型 IndGH(δ−1H δG⊗ E∨) ˜→ ( indGHE )∨ (ψ7→ ⟨∗, ψ⟩) が⟨φ, ψ⟩ = ∫ H\G ⟨φ(x), ψ(x)⟩ρ(x−1)−1dµ′ ρ( ˙x) により与えられる. 定理 2.6.5 smooth G-加群 M と smooth H-加群 E に対して 1) 複素線形同型及びその逆写像
HomG(M, IndGHE) ˜→ HomH(M, E) (A7→ TA),
HomH(M, E) ˜→ HomG(M, IndGHE) (B7→ SB)
2) 複素線形同型 Θ : HomH(δHδ−1G ⊗ E, M∨) ˜→ HomG(ind G HE, M∨) が ⟨Θ(A)φ, u⟩ = ∫ H\G ⟨A(1 ⊗ φ(x)), x · u⟩ρ(x−1)−1dµ′ ρ( ˙x) により与えられる. 命題 2.6.6 閉部分群 N ⊂ H ⊂ G と smooth N-加群 V に対して,次の G-加群の同型が成り立つ;IndG H ( IndHNV ) ˜ → Ind G NV (ψ7→ [x 7→ ψ(x)(1)]).
2.7
許容表現の指標
(π, E) を G の許容表現とする.φ∈ Cc∞(G) =H(G) に対して dimCIm π(φ) < ∞ だから ⟨J(π), φ⟩ = tr π(φ) (∀φ ∈ Cc∞(G)) により J(π)∈ D(G) を定義し,π の指標と呼ぶ. 定理 2.7.1 互いの同型でない G の既約許容表現 πi (i = 1, 2,· · · , r) に対し て{J(πi)}i=1,2,··· ,r はC 上一次独立である. [証明] πi の表現空間を Ei として,コンパクト開部分群 K ⊂ G をとって EiK̸= 0 (i = 1, 2, · · · , r) とする.定理 2.3.1 と定理 2.3.2 より,これらは互い に同型でない単純HK(G)-加群である.よって 1 をもつ有限次元C-代数の単 純加群の指標の一次独立性(定理 A.7.2)から,tr(πi)|HK(G)(i = 1, 2,· · · , r) はC 上一次独立である. 系 2.7.2 G の既約許容表現 π, π′ に対して J(π) = J(π′) ならば π と π′ は 同型である.2.8
Schur の補題と既約表現の存在
G が σ-コンパクト(可算個のコンパクト集合の和集合)のときには,次の Schur の補題が成り立つ;定理 2.8.1 smooth 単純 G-加群 E に対して EndG(E) ={λ · idE| λ ∈ C}.
[証明] まず EndG(E) は divisionC-algebra である.そこで A∈ EndG(E)̸∈ {λ · idE| λ ∈ C}
として Rλ = (A− λ · idE)−1 ∈ EndG(E) (λ ∈ C) とおく.0 ̸= ξ ∈ E に対して{Rλ· ξ | λ ∈ C} ⊂ E は C 上一次独立である.実際,相異なる {λi}i=1,··· ,r⊂ C に対して r ∑ i=1 ci· Rλi· ξ = 0, ci∈ C s.t. (c1,· · · , cr)̸= (0, · · · , 0) とすると r ∑ i=1 ci· Rλi= r ∑ i=1
ci· (A − λi· idE)−1 = f (A)· r ∏ i=1 Rλi (f (X)∈ C[X]) = c· s ∏ j=1 (A− µj· idE)· r ∏ i=1 Rλi (c, µj∈ C, c ̸= 0) ∈ EndG(E)×, より ξ = 0 となり矛盾する.一方,ξ∈ EK なるコンパクト開部分群 K ⊂ G があるから E =⟨g · ξ | g ∈ G⟩C=⟨g · ξ | ˙g ∈ G/K⟩C で,G は可算個のコンパクト集合の和集合だから,(G : K) は可算.よって dimCE は可算となり,C は可算となって矛盾する. 更に G は十分多くの単純 smooth G-加群をもつ; 定理 2.8.2 0̸= ∀T ∈ Dc(X) に対して T· E ̸= 0 なる smooth 単純 G-加群 E が存在する. [証明] まず T (χgK)̸= 0 なるコンパクト開部分群 K ⊂ G と g ∈ G をとり ⟨T, χgK⟩ = ⟨T, g · χK⟩ = ⟨g−1· T, χK⟩ = ⟨εg−1∗ T, χK⟩ だから,S = εg−1∗ T ∈ Dc(G) とおくと⟨S, χK⟩ ̸= 0.よって ⟨εK∗ S ∗ εK, χK⟩ = ∫ G×G×G χK(xyz)d(εK× S × εK)(x, y, z) = const.× ∫ K dG(x) ∫ G dS(y) ∫ K dG(z)χK(xyz) = const.× ⟨S, χK⟩ ̸= 0 より 0̸= h = εK∗ S ∗ εK ∈ HK(G)⊂ H(G) = Cc∞(G). そこで h∗(x) = h(x−1) (x∈ G) とおくと,h∗ ∈ Cc∞(G) で,h0= h∗∗ h ∈ HK(G) ⊂ Cc∞(G) とおくと h0(1) = ∫ G |h(x)|2dG(x) ̸= 0 より h 0 ̸= 0, h∗0= h0.よって h20= h∗0∗ h0̸= 0, h40= h 2 0∗ h 2 0̸= 0, · · · .
よって h0 = h∗∗ h ∈ HK(G) は冪零でない.ここで Jacobson 根基の性質 (定理 A.8.3)から h0̸∈ ∩ m⊂HK(G):極大左イデアル m, よって h0 ̸∈ m なる極大左イデアル m ⊂ HK(G) が存在する.よって単純 HK(G)-加群 V =HK(G)/m に対して,HK(G)-加群として EK→ V なる単˜ 純 G-加群 E をとれば,h0̸= 0 on E,よって h ̸= 0 on E,よって S ̸= 0 on E,よって T ̸= 0 on E.
3
l-sheaf
3.1
基本的な性質
X 上の複素数値 smooth 関数のなす C-代数の層を CX∞ と書く.CX∞-加群 を簡単に X 上の l-sheaf と呼ぶ.X 上の l-sheafL と開集合 V ⊂ X に対 して Γc(V,L) = {s ∈ Γ(V, L) | suup(s) : compact} は Γ(V,L) の C∞ c (V )-部分加群である.また (sx)x∈V ∈ ∏ x∈V Lx ∀x ∈ V に対して x∈ ∃W ⊂ V : 開集合, ∃s ∈ Γ(W, L) s.t. sy = [s]∈ Ly for∀y ∈ W を φ· (sx)x∈V = (φ(x)sx)x∈M (φ∈ C∞(V )) により C∞(V )-加群とすると, これは s7→ ([s] ∈ Lx)x∈V により C∞(V )-加群として Γ(V,L) と同型となる から,これらを同一視することにする. 命題 3.1.1 X 上の l-sheafL に対して C∞ c (X)·Γc(X,L) = Γc(X,L) である. [証明] s∈ Γc(X,L) に対して,M = supp(s) はコンパクトだから,M ⊂ W なる開コンパクト集合 W ⊂ X がとれて χW ∈ C∞ c (X) である.任意の x∈ X に対して,Lxで [χW · s] = χW(x)[s] = [s] if x∈ W 0 otherwise = [s] if x∈ M 0 otherwise = [s] より,開集合 x∈ ∃V ⊂ X があって (χW · s)|V = s|V. よって χW · s = s と なる.逆に Cc∞(X)· L = L なる Cc∞(X)-加群 L に対して X 上の l-sheafL が 次のように定義される.まず L(x) =⟨φ · s | s ∈ L, φ ∈ Cc∞(X) s.t. φ(x) = 0⟩C =⟨χM · s | s ∈ L, M ⊂ X : open compact s.t. x ̸∈ M⟩C ={s ∈ L | φ · s = 0 for some φ ∈ Cc∞(X) s.t. φ(x)̸= 0} とおくと,t =∑ i φi· si ∈ L (φi ∈ Cc∞(X), si ∈ L) に対して t≡∑ i φi(x)si (mod L(x)) for∀x ∈ X である.実際,コンパクト開集合 M⊂ X と s ∈ L に対して t = χM· s の場 合に示せば十分である.x̸∈ M のとき,t ∈ L(x) だから t ≡ χM(x)· s ≡ 0 (mod L(x)) は明らか.x∈ M のとき χM · (χM · s − s) = 0, χM ∈ Cc∞(X) s.t. χM(x)̸= 0 より t− s ∈ L(x).よって t ≡ χM(x)· s (mod L(x)). さて,開集合 V ⊂ X に対して Γ(V,L) = (sx)x∈V ∈ ∏ x∈V L/L(x) ∀x ∈ V に対して x∈ ∃W ⊂ V :open, ∃s ∈ L
s.t. sy ≡ s (mod L(y)) for ∀y ∈ W
とおき,これを φ· (sx)x∈V = (φ(x)· sx)x∈V (φ∈ CX∞(V ), (sx)x∈V ∈ Γ(V, L)) により CX∞(V )-加群とし,開集合 V ⊂ W ⊂ X に対して制限写像を resWV : Γ(W,L) ∋ (sx)x∈W 7→ (sx)x∈V ∈ Γ(V, L) により定義すると,X 上の l-sheaf L が得られる.こうして出来た L を Cc∞(X)-加群 L により生成された(或いは対応する)l-sheaf と呼ぶ.このと き∀x ∈ X に対して複素線形同型 Lx∋ [(sy)y∈V] ˜→ sx∈ L/L(x) が成り立つ.更に 命題 3.1.2 Cc∞(X)-加群の同型 L ˜→ Γc(X,L) (s7→ (s ∈ L/L(x))x∈X) が成り立つ.特に ∩ x∈X L(x) = 0.
[証明] s∈ ∩ x∈X L(x) として s =∑ i χMi· si とおく.ここで si∈ L でコンパ クト開集合 Mi ⊂ X は Mi∩ Mj =∅ (i ̸= j) なるものとする.∀x ∈ Mi に 対して,s≡ si (mod L(x)) だから si∈ L(x).よって si= ∑ j χM( jx)· s (x) j with M (x) j ⊂ X:open compact s.t. x ̸∈ M (x) j , s (x) J ∈ L と書けて,コンパクト開集合 x∈ V(x)⊂∩ j Mj(x)c がとれる.よって有限個 の{x1,· · · , xr} ⊂ Mi があって Mi⊂ V(x1)∪ · · · ∪ V(xr)となり χMi= χMi· (χV(x1)+· · · + χV(xr )). よって χMi· si= ∑ k,j χMi· · · χV(xk)· χM(xk) j · s(xk) j = 0. よって s = 0 となる.s ∈ L ,→ L(X) とする.C∞ c (X)· L = L より s = ∑ j χMj · sj (Mj ⊂ X:open compact, sj ∈ L) とできる.x ̸∈ ∪ j Mj ならば s∈ L(x) だから supp(s) ={x ∈ X | s ̸∈ L(x)} ⊂∪ j Mj, よって supp(s) はコンパクトである.よって L ,→ Lc(X) である.一方, s = (sx)x∈X∈ Lc(X) として M = supp(s) ={x ∈ X | sx̸= 0} とおく.コンパクト開集合 M ⊂ U ⊂ X がある,x ∈ U に対して,コンパク ト開集合 x∈ ∃Vx⊂ X と tx∈ L があって
sy≡ t1 (mod L(y)) for∀y ∈ Vx
となる.よって有限個の{x1,· · · , xr} ⊂ U をとって U ⊂ Vx1∪ · · · ∪ Vxr と できる.ここで W1= Vx1, W2= Vx2∩ V c x1, W3= Vx3∩ V c x1∩ V c x2,· · · とおくと,Wi⊂ X はコンパクト開集合で Wi∩ Wj=∅ (i ̸= j) かつ U ⊂ W1∪ · · · ∪ Wr. よって t = r ∑ i χu· χWi· txi ∈ L とおくと,x ∈ U ならば t≡ txi≡ sx (mod L(x)) (x∈ Wi⊂ Vxi),
x̸∈ U ならば t ≡ 0 ≡ sx (mod L(x)).よって s = t である. さて CX∞-module L に対して,L = Γc(X,L) は Cc∞(X)· L = L なる Cc∞(X)-module だから,L により生成された CX∞-module を L∗ とすると, 開集合 V ⊂ X に対して Γ(V,L∗) = (sx)x∈V ∈ ∏ x∈V L/L(x) ∀x ∈ V に対して x∈ ∃W ⊂ V :open, ∃s ∈ Γc(X,L) s.t. sy≡ s (mod L(y)) for ∀y ∈ W
, Γ(V,L) = (sx)x∈V ∈ ∏ x∈V Lx ∀x ∈ V に対して x∈ ∃W ⊂ V :open, ∃s ∈ Γ(W, L) s.t. sy= [s]∈ Ly for∀y ∈ W だから,自然な C∞(V )-加群の準同型写像 iV : Γ(V,L∗)→ Γ(V, L) ((sx∈ L/L(x))x∈V 7→ ([sx]∈ Lx)x∈V) が定義されて,CX∞-加群の準同型写像 i = (iV)V ⊂ X:open:L∗→ L が定義される.ここで 補題 3.1.3 任意の x∈ X に対して複素線形同型 ix= lim−→ x∈V ⊂X iV :L∗x= L/L(x) ˜→ Lx (s7→ [s]) が成り立つ. [証明] s∈ L = Γc(X,L) s.t. [s] = 0 in Lx とすると,x̸∈ supp(s),よって コンパクト開集合 x∈ V ⊂ X があって supp(s) ∩ V = ∅ と出来る. よって χV ∈ Cc∞(X) に対して χV(x)̸= 0 かつ χV · s = 0 ([χV · s] = χV(y)[s] = 0 inLy for∀y ∈ X に注意).よって s ∈ L(x) である.逆に s ∈ L(x) とする と,∃φ ∈ Cc∞(X) s.t. φ(x)̸= 0 かつ φ · s = 0.よって φ(x)[s] = [φ · s] = 0 inLx.よって [s] = 0 inLxとなる. 任意の [s]∈ Lx(s∈ Γ(V, L), x ∈ V ⊂ X : 開集合) に対して,x ∈ W ⊂ V なるコンパクト開集合 W ⊂ X がとれて,s′ = χ M · s ∈ Γ(V, L) とおけば [s′] = [s] ∈ Lx かつ supp(s′)⊂ W である.∀y ∈ X \ W に対して y ∈ Vy かつ Vy∩ W = ∅ なる開集合 Vy⊂ X がとれて X = V ∪ ∪ y∈X\W Vy である. s′|V∩Vy = 0 (y∈ X \ W ) だから,t|V = s′ かつ t|Vy = 0 (y∈ X \ W ) なる t∈ Γc(X,L) が存在して,[t] = [s] ∈ Lxとなる.
上の補題から,自然なCX∞-加群の同型 i = (iV)V⊂X:L∗→ L˜ が成り立つ. X 上の CX∞-加群 L, M に対して L = Γc(X,L), M = Γc(X,M) とおく. C∞ X-加群の準同型写像 f = (fV)V⊂X:open :L → M に対して,C∞(X)-加群の準同型写像 fX : Γ(X,L) → Γ(X, M) は Cc∞ (X)-加群の準同型写像 fX : L → M を導く.逆に Cc∞(X)-加群の準同型写像 f : L→ M が与えられたら,任意の x ∈ X に対して複素線形写像 fx: L/L(x)→ M/M(x) (s7→ f(s)) が定まり,任意の開集合 V ⊂ X に対して fV : Γ(V,L) → Γ(V, M) ((sx)x∈V 7→ (fx(sx))x∈V) は C∞(V )-加群の準同型写像となり, (fV)V⊂X:open:L → M はCX∞-加群の準同型写像となる. 以上をまとめるて,次のように言うことが出来る; 定理 3.1.4 L 7→ Γc(X,L) は X 上の l-sheaf の圏から Cc∞(X)· L = L なる Cc∞(X)-加群の圏への圏同値を与える.
3.2
局所閉集合への制限
L を X 上の l-sheaf として,部分集合 M ⊂ X に対して Γ(M,L) = (sx)x∈M ∈ ∏ x∈M Lx ∀x ∈ M に対して x∈ ∃W ⊂ X : 開集合, ∃s ∈ Γ(W, L) s.t. sy= [s]∈ Ly for∀y ∈ M ∩ W とおく. 命題 3.2.1 局所閉集合 M⊂ X に対して Γ(M, L) は φ·(sx)x∈M = (φ(x)sx)x∈M (φ∈ C∞(M )) により C∞(M )-加群となる.[証明] M⊂ X が閉集合の場合に示せばよい.このとき C∞(X)∋ ψ 7→ ψ|M ∈ C∞(M ) は全射である.実際,開集合 L ⊂ M に対して,L = M ∩ V なる開集合 V ⊂ X をとり L ⊂ W なるコンパクト開集合 W ⊂ V がとれる.L ⊂ M ∩ W ⊂ M ∩ V = L より L = M ∩ W だから,χ(M )L = χW|M となる. よって φ∈ C∞(M ) に対して ψ∈ C∞(X) s.t. φ = ψ|M とおくと (sx)x∈M ∈ L(M) ⇒ ∀x ∈ M に対して x ∈ ∃V ⊂ X:open, ∃s ∈ L(V ) s.t. sy = [s]∈ Ly for∀y ∈ M ∩ V
⇒ φ(y)sy= ψ(y)[s] = [ψ|V · s] ∈ Ly for∀y ∈ M ∩ V
⇒ (φ(x)sx)x∈M ∈ L(M). そこで局所閉集合 N ⊂ M ⊂ X に対して,制限写像を resMN : Γ(M,L) → Γ(N, L) ((sx)x∈M 7→ (sx)x∈N) により定義すれば,X 上のC∞ X-加群L を局所閉集合 Y ⊂ X に制限した Y 上の CY∞-加群L|Y が Γ(V,L|Y) = Γ(V,L) (V ⊂ Y : 開集合) により定義さ れる. 命題 3.2.2 L が l-sheaf ならば,局所閉集合 M ⊂ X に対して Γ(M,L) = (sx)x∈M ∈ ∏ x∈M Lx ∀x ∈ M に対して x∈ ∃V ⊂ X:open, ∃s ∈ Γc(X,L) s.t. sy= [s]∈ Ly for∀y ∈ M ∩ V で ,制限写像 resXM : Γc(X,L) → Γc(M,L) は全射である. [証明] (sx)x∈M ∈ Γ(M, L) として,x ∈ M を固定しておく.開集合 x ∈ V ⊂ X と s∈ Γ(V, L) があって,任意の y ∈ M ∩ V に対して sy= [s]∈ Ly とな る.一方,sx= [t]∈ Lx なる t∈ Γc(X,L) がとれる.[s] = sx= [t]∈ Lxだ から,コンパクト開集合 x∈ U ⊂ V があって s|U = t|U となる.よって任 意の y∈ M ∩ U に対して sy = [s] = [t]∈ Ly となる.(sx)x∈M ∈ Lc(M ) と して L ={x ∈ M | sx̸= 0} ⊂ M : コンパクト
とする.任意の x ∈ M に対して tx ∈ Γc(X,L) とコンパクト開集合 x ∈ Vx ⊂ X があって,任意の y ∈ M ∩ Vx に対して sy = [tx] ∈ Ly となる. L⊂ ∪ x∈M Vx だから L⊂ V = Vx1∪ Vx2∪ · · · ∪ Vxr となる.よって W1= Vx1, W2= Vx2\ Vx1, W3= Vx3\ (Vx1∪ Vx2),· · · とおくと,Wi⊂ X はコンパクト開集合で V = W1⊔W2⊔· · ·⊔Wrとなり,任 意の y∈ M ∩Wi に対して sy= [txi]∈ Ly となる.そこで t = r ∑ i=1 χWi·txi∈ Γc(X,L) とおくと,任意の x ∈ M に対して,x ∈ r ∪ i=1 Wiならば x∈ M ∩ Wi なる i があって sx= [txi] = [t]∈ Lx となる.x̸∈ r ∪ i=1 Wi ならば,x̸∈ L だから sx= 0.一方,[t] = 0∈ Lx だか ら sx= [t]∈ Lx となる.よって (sx)x∈M = ([t]∈ Lx)x∈M となる. 完全非連結空間 Y から X への連続写像 q : Y → X があるとき,Y 上の l-sheafL に対して,Γc(Y,L) は φ·s = (φ◦q)·s (φ ∈ Cc∞(X), s∈ Γc(X,L)) により Cc∞(X)-加群となる.このとき Cc∞(X)· Γc(Y,L) = Γc(Y,L) となる から,対応する X 上の l-sheaf を q⋆L と書く. L を X 上の l-sheaf とする.開集合 Y ⊂ X に対して Γc(X,L)Y ={s ∈ Γc(X,L) | supp(s) ⊂ Y }
とおくと,制限写像 s7→ s|Y は複素線形同型 Γc(X,L)Y → Γc˜ (Y,L) を与え
るから,その逆写像を infY X とする.閉集合 Z = X\ Y に対して,命題 3.2.2 より Cc∞(X)-加群の完全列 0→ Γc(Y,L) inf Y X −−−→ Γc(X,L) res X Z −−−→ Γc(Z,L) → 0 が成り立つから,包含写像を i : Y → X, j : Z → X とすると,X 上の l-sheaf の次のような完全列が成り立つ; 0→ i⋆(L|Y)→ L → j⋆(L|Z)→ 0.
3.3
l-sheaf の自己同型群
定義 3.3.1 X 上の l-sheafL に対して,(θ, θ♯ V) が (X,L) の自己同型写像で あるとは1) θ は X の位相自己同型写像, 2) 開集合 V ⊂ X に対して θ♯V : Γ(V,L) ˜→ Γ(θ−1V,L) は複素線形同型写 像で θ♯ V(φ· s) = (φ ◦ θ) · θ ♯ V(s) (∀φ ∈ Cc∞(V ), s∈ Γ(V, L)), なることを言う.(X,L) の自己同型写像全体 Aut(X, L) は (θ, θV♯)· (η, ηV♯) = (θ◦ η, η♯θ−1V ◦ θ ♯ V) により群となる. 定義 3.3.2 Cc∞(X)-加群 L に対して,(θ, θ ♯) が (X, L) の自己同型写像であ るとは,θ は X の位相自己同型写像であり,θ♯ は L の複素線形自己同型写 像で θ♯(φ· s) = (φ ◦ θ) · θ♯(s) (∀φ ∈ Cc∞(X), s∈ L), なることを言う.(X, L) の自己同型写像全体 Aut(X, L) は (θ, θ♯)· (η, η♯) = (θ◦ η, η♯◦ θ♯) により群となる. このように定義すると 命題 3.3.3 X 上の l-sheafL に対して L = Γc(X,L) とおくと,次の群の同 型が成り立つ; Aut(X,L) ˜→ Aut(X, L) ((θ, θ♯V)7→ (θ, θ♯X|L)) [証明] まず (θ, θ♯)∈ Aut(X, L) に対して θ♯L(θ(x)) = L(x) for∀x ∈ X. (3.3) 実際,L(θ(x)) =⟨φ · s | s ∈ L, φ ∈ C∞ c (X) s.t. φ(θ(x)) = 0⟩Cより θ♯L(θ(x)) =⟨θ♯(φ· s) = (φ ◦ θ) · θ♯s| s ∈ L, φ ∈ Cc∞(X) s.t. φ(θ(x)) = 0⟩C =⟨φ · s | s ∈ L, φ ∈ Cc∞(X) s.t. φ(x) = 0⟩C = L(x). よって開集合 V ⊂ X に対して Γ(V,L) = (sx)x∈V ∈ ∏ x∈V L/L(x) ∀x ∈ V に対して x∈ ∃W ⊂ V :open, ∃s ∈ L
s.t. sy ≡ s (mod L(y)) for ∀y ∈ W
とおくと (sx∈ L/L(x))x∈V 7→ (θ♯(sθ(y))∈ L/L(y))y∈θ−1(V )) により定義さ れた θV♯ : Γ(V,L) → Γ(θ−1(V ),L)
はC-線形同型写像である.実際,∀x ∈ θ−1(V ) に対して
θ(x)∈ ∃W ⊂ V : opne, ∃s ∈ L s.t. sy≡ s (mod L(y)) for ∀y ∈ W .
よって開集合 x∈ θ−1(W )⊂ θ−1(V ) に対して
sθ(y)≡ s (mod L(θ(y))) for ∀y ∈ θ−1(W )
よって (3.3) より
θ♯(sθ(y))≡ θ♯(s) (mod L(y)) for∀y ∈ θ−1(W )
又∀x ∈ V に対して L/L(θ(x))∋ s ˜7→θ♯(s)∈ L/L(x) が複素線形同型写像だから,θ♯ V は複素線形同型写像となる.更に θ♯V(φ· (sx∈ L/L(x))x∈V) = θ♯V((φ(x)s∈ L/L(x))x∈V) = (θ♯(φ(θ(x))sθ(x))∈ L/L(x))x∈θ−1(V ) = (φ(θ(x))θ♯(sθ(x))∈ L/L(x))x∈θ−1(V ) = (φ◦ θ) · θV♯((sx∈ L/L(x))x∈V). X 上の l-sheaf L と群準同型写像 G → Aut(X, L) (g 7→ (θg, θ♯g,V)) に対 して 1) g∈ G は x ∈ X に g · x = θg(x) により連続的に作用する, 2) Γ(L, X) を g · s = θ♯g−1,X(s) (g∈ G, s ∈ Γ(L, X)) により G-加群とし たとき,Γc(L, X) は smooth G-加群である と仮定する.ここで g∈ G, x ∈ X に対して,複素線形同型写像 lim −→ x∈V θg,V♯ :Lx= lim−→ x∈V Γ(V,L) ˜→ lim−→ x∈V Γ(θ−1g V,L) = Lg−1·x (3.4) により [g· s = θ♯ g−1,X]∈ Lx は [s]∈ Lg−1·x に写されるから, supp(g· s) = g · supp(s) (g∈ G, s ∈ Γ(X, L)) である.従って Γc(X,L) は Γ(X, L) の G-部分環群となることに注意する.更 に x∈ X の固定部分群 Gx に対してLx= lim−→ x∈V ⊂X Γ(L, V ) は自然に smooth Gx-加群となる.ここで s∈ Γ(X, L)∞に対して fs: G∋ g 7→ [g−1· s] ∈ Lx