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Higher plasma prorenin concentration plays a role in the development of coronary artery disease

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Academic year: 2021

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Title

Higher plasma prorenin concentration plays a role in the

development of coronary artery disease( 内容と審査の要旨

(Summary) )

Author(s)

吉田, 学郎

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学) 甲第1002号

Issue Date

2015-12-16

Type

博士論文

Version

none

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/54096

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 吉 田 学 郎(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 1002 号 平成 27 年 12 月 16 日 学位規則第4条第1項該当

Higher plasma prorenin concentration plays a role in the development of coronary artery disease

(主査)教授 森 田 啓 之 (副査)教授 山 本 哲 也 教授 岩 間 亨 論 文 内 容 の 要 旨 レニン-アンジオテンシン系は心血管系の重要な調節因子であり,レニン-アンジオテンシン系の 慢性的な活性化は,心血管疾患の発症と進行の原因の1つである。これまでに,高い血漿レニン活 性は高血圧患者における心筋梗塞のリスク増加と関連することや,高レニン血症が冠動脈疾患を有 する患者において心疾患の罹患率および死亡率と関連していることが報告された。 一方,長年にわたりプロレニンはレニンの不活性前駆体であると考えられていたが,プロレニン 受容体の発見以来,プロレニンはレニン-アンジオテンシン系の重要な調節因子と考えられるように なった。合併症を有する糖尿病患者の血漿プロレニン濃度は著しく増加しているとの報告がある。 しかし,血漿プロレニン濃度の測定が臨床で一般的に行われていないため,冠動脈疾患と血漿プロ レニン濃度の関連は明らかでない。そこで我々は,血漿プロレニン濃度と冠動脈疾患および臨床パ ラメーターの関連について検討した。 【対象と方法】岐阜大学医学部附属病院で冠動脈造影検査を行った患者 100 名を対象とした。不安 定狭心症や過去 3 ヶ月以内に発症した心筋梗塞,重症心不全を有する患者は除外した。最終的に主 要冠動脈に有意狭窄を認めた患者 59 名(CAD 群)と認めなかった患者 26 名(非 CAD 群)について解析 を行った。 臨床的パラメーターとして年齢,血圧,投薬内容,心臓超音波検査所見,血漿プロレニン濃度, 血漿レニン活性,血清アルドステロン濃度,血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度,HbA1c 値,総 コレステロール値を用いた。医学系研究科医学研究等倫理審査委員会の承認を得て研究を実施し, 各患者より内容の説明後に同意を取得した。 【結果】CAD 群と非 CAD 群間で血圧,喫煙歴,使用されている降圧剤の内容に差は認められなかっ たが,CAD 群で有意に年齢が高く糖尿病や脂質異常症の割合が高かった。心臓超音波検査所見では, 左室駆出率が CAD 群よりも非 CAD 群で有意に高かった。血液検査項目では,血漿プロレニン濃度は 血漿レニン濃度と血漿レニン活性との間に弱い相関関係を認めた(r=0.32, r=0.37, p<0.01)。しか し,血漿プロレニン濃度とアルドステロン濃度,推定糸球体濾過量の間に相関を認めなかった。ま た 血 漿 プ ロ レ ニ ン 濃 度 は 左 室 駆 出 率 の 間 に 相 関 を 認 め な か っ た 。 血 漿 レ ニ ン 活 性 は CAD 群 [1.1(0.6-2.4)ng/ml/hr]と非 CAD 群[1.0(0.5-2.1)ng/ml/hr]で有意差は認められなかった(p=0.84)。 血漿プロレニン濃度も CAD 群[522(297-1097)pg/ml]と非 CAD 群[490(321-786)pg/ml]で有意差は認め られなかった(p=0.70)。血漿プロレニン濃度は糖尿病患者と非糖尿病患者で有意差は認められなか った(789±501 and 661±568 pg/ml, p=0.30)。しかし高い血漿プロレニン濃度を有する患者では, [ ]

(3)

冠動脈疾患を発症している割合が高く,receiver operating characteristic 曲線を用いて最適な カットオフ値を求めたところ 1,100 pg/ml であり,CAD を検出するための陽性的中率は 94%,陰性 的中率は 36%であった。一方,血漿レニン活性の最適なカットオフ値は 0.8 ng/ml/hr で,CAD を予 測するための陽性的中率は 72%,陰性的中率は 32%であり,CAD の検出において高血漿プロレニン 濃度は,高血漿レニン活性よりも診断精度が高かった。

【考察】我々は本研究で CAD 群と非 CAD 群の血漿プロレニン濃度を比較した。CAD 群では低血漿プ ロレニン濃度も存在したが,高血漿プロレニン濃度の患者は高頻度に CAD を発症し,特に 1,100 pg/ml 以上では 94%で CAD の発症が認められた。これは高血漿プロレニン濃度の患者に対する冠動 脈検査の介入の必要性を示した。冠動脈狭窄は,血管内膜に酸化 LDL コレステロールが蓄積される か,あるいはそのプラークが破綻し修復される過程で進展し,これらの場合血漿プロレニン濃度は 必ずしも高値である必要はない。一方,(プロ)レニン受容体の活性化は血管の損傷を引き起こすこ とが報告されているので,増加した血漿中のプロレニンは,血管中膜の平滑筋細胞における(プロ) レニン受容体の活性化を介して冠動脈に狭窄を引き起こす可能性も示唆され,冠動脈狭窄の原因が 異なることが考えられた。これが,血漿プロレニン濃度が CAD 群全体としては非 CAD 群と差がなか った理由かもしれない。 プロレニンはレニンの不活性前駆体である。受容体と結合したプロレニンと刺激を受けた(プロ) レニン受容体は細胞内カスケードを活性化し,経路の活性化はレニン・アンジオテンシン・アルド ステロン系を介し心臓血管系に重要な影響を及ぼし得ることが報告されている。(プロ)レニン受容 体は脳,腎臓,心臓,血管平滑筋細胞などの様々な組織に存在し,(プロ)レニン受容体への刺激は 糖尿病性腎症や心臓疾患および血管損傷を引き起こすことが報告されている。従って,血漿プロレ ニン濃度は合併症を伴う糖尿病患者で増加していることが報告されているが,本研究では糖尿病群 と非糖尿病群で血漿プロレニン濃度に差を認めなかった。この違いの理由は,本研究では合併症の 有無にかかわらず糖尿病患者が含まれていたためと考えられた。 本研究の結果は血漿プロレニン濃度が冠動脈疾患またはアテローム性動脈硬化症のマーカーであ り得ることを示唆した。これまでの研究で,プロレニンが用量および時間依存的に細胞外シグナル 関連のプロテインキナーゼの活性化を介してヒト血管平滑筋細胞の増殖を促進することが報告され ている。したがって高濃度の血漿プロレニンが血管平滑筋細胞の増殖を促すことにより血管中膜よ り冠動脈狭窄を誘導し得ることが示唆されるが,その詳細なメカニズムは未だ不明である。しかし 本研究は血漿プロレニンと CAD との関係に新たな見解を示した。 【結論】高血漿プロレニン濃度を有する患者は高頻度に冠動脈疾患を発症していた。高血漿プロレ ニン濃度は内皮損傷またはプラーク中の脂質蓄積を伴わない機序により冠動脈狭窄を誘導する可能 性が示唆された。本研究は,血漿プロレニン濃度と CAD との関係を示した最初の報告である。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 吉田学郎は, 患者の冠動脈疾患の有無による血漿プロレニン濃度の相違,および臨床的パラ メーターとの関連性を初めて明らかにした。本研究成果はプロレニンが冠動脈硬化に及ぼす影響や 病態に関し新たな知見をもたらし,循環器病学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]

Gakuro Yoshida,Masanori Kawasaki,Ichijiro Murata,Yuka Hayakawa,Takuma Aoyama,Nagisa Miyazaki,Yoshihisa Yamada , Kazuhiko Nishigaki , Yoshie Arai , Fumiaki Suzuki , Shinya Minatoguchi: Higher plasma prorenin concentration plays a role in the development of coronary artery disease

参照

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