論文内容要旨
論文題名
Resorption analysis of deproteinized cancellous bovine bone
(除タンパクウシ海綿骨の吸収機構解析)
掲載雑誌名
Dental Materials Journal
(掲載予定)口腔解剖学 成川 正之
内容要旨
目的:ウシ骨由来移植材(XDBBM)は骨欠損部に対して使用される非吸 収性骨補填材と報告されているが、
XDBBM
周囲の組織構築、特に吸収の 有無に関しての詳細に関しては未だ不明である。化学量論的な焼成アパタ イトは破骨細胞によって吸収されないこと、また、生体のアパタイトに近 いカルシウム欠損アパタイトや炭酸含有アパタイトは破骨細胞によって 吸収されることが示されていることから、本研究では、XDBBM
の構造解析と
XDBBM
及びリン酸オクタカルシウムから誘導したカルシウム欠損アパタイト(Ca-d HA)を骨髄腔内への埋入し、組織学的変化を経時的に 解析した。
材料と方法:XDBBM の解析は
X
線回折と赤外分光法で分析した。組織 学的解析は、8 週齢BALB/c
マウス脛骨に1.0mm
径の孔をハンドピース で開け、骨髄腔にXDBBM
あるいはCa-d HA
を埋入した。術後2、4、
12
週で試料採取し、4%PFAで固定後、マイクロX
線CT
(m-CT)解析 後、EDTA 脱灰、パラフィン包埋後、組織切片を作成し、H-E 染色及び 酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)染色を行った。一部の試料は1/2
カルノフスキー液で固定、EDTA脱灰、4%四酸化オスミウムで後固 定後、エポン812に包埋し、透過型電子顕微鏡による解析を行った。結果と考察:
X
線回折と赤外分光法の結果、XDBBM
は炭酸含有ハイドロ キシアパタイトであった。m-CT
では、コントロールとして骨髄開口しただけの群では、骨髄内に骨 新生は認められず、開口部位周囲で活発な骨新生が認められ、術後12
週 で完全に封鎖されていた。組織所見では、骨髄内に骨梁の形成は若干認め られたが、12 週では完全に消失していたことから、骨髄は活発な骨吸収観察に適した部位であることが示された。
m-CT
所見で、12週までXDBBM、Ca-d HA
埋入両群上に新生骨が残存 していることが認められた。組織学的所見では、両群上に骨形成されるが、4、12
週と経過するにつれて骨に覆われていないXDBBM
ならびにCa-d HA
が骨髄腔への露出領域が認められ、この部位にTRAP
陽性の破骨細胞 が接していた。電子顕微鏡観察では、XDBBMならびにCa-d HA
上に位 置する破骨細胞は明帯を周囲に形成し、その内部に刷子縁を形成したが、XDBBM
上の破骨細胞はin vivo
同様にfinger-type
とplate-type
の形状 を示すのに対し、Ca-d HA 上の刷子縁はin vivo
とは異なり、irregular な突起から構成されていた。以上から、