博士学位論文審査の要旨
【学位論文審査の要旨】
提出された学位論文「高感度で全方向を可視化可能なコンプトンカメラを用いた PET 受診者の尿中放射能測定に関する研究」は、高感度で全方向を可視化可能なコンプトンカ メラ技術を独自に開発し、この開発した技術を用いて遠隔からの尿中放射能の測定が可能 なシステムの開発を遂行し、PET 受診者から排泄された尿に含まれる放射能の測定を行っ たものである。新たに開発した装置は、検出部8 個、正六面 体の頂点にそれぞれ結晶を配 置した。またPMT は H11432-100、結晶は 3.5 cm 角 CsI(Tl) をそれぞれ用い、高感度 を達成するために結晶間距離を 5.0 cm とした。検出器のサイズ は 37 cm×10 cm×10 cm と小型化した。
その結果、本研究で開発した検出器を用いて PET 受診者の尿中放射能の測定に成功し、
コンプトンカメラの臨床現場における新たな応用の可能性を示した。今後、実際の受診者 の SUV に尿中放射能の数値を反映した診断の評価に関する研究に期待がかかることが大 いに評価された。
平成31年02月05日に行った最終試験での口述試験および口頭試問では、研究成果に ついて明快なプレゼンテーションを行い、また質疑に対しては的確な応答を行った。
以上から、試験担当者は一致して、渡辺宝君は首都大学東京大学院 人間健康科学研究 科放射線科学域 博士後期課程の論文審査および所定の最終試験に合格したと判定し、博 士(放射線学)の学位を授与することが適当であることを報告する。