文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 ( 二 )
1 ' シ ョ イ バ シ ゴ (東 京 都 保 谷 町 ) ・・・ ・・‑ ・・‑ ‑ ・‑ ‑ ‑ 三 豊 買 五 ' 二 ' カ ル イ (鹿 児 島 県 竹 島 ) ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ≡ ‑ ・‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 云 一 六 '
三 ' シ ロ カ キ ゲ タ (長 野 県 南 穂 高 町 ) ・・・ ・・・ ‑ ・ ・‑ ‑ ‑ ・二 110 五 七 '
四 、 オ ー ア シ (千 葉 県 光 町 ) ‑ ・ ・・・ ‑ llLO 九 八 ' 中 村 俊 亀 智
ハ ナ カ ン ジ キ (新 潟 県 種 苧 原 村 ) ‑ ・・ ・・・ ・・・ ・ ・ ・・・ ‑ ・・‑ W I五 頁
カ ジ キ ゲ タ (鵬 児 島 県 樋 脇 村 ) ・・・ ・・・ ・・・ ‑ ・・・ ‑ ・・・ ・・・ ・・・ W 1九
沖 箱 (所 用 地 不 詳 ) ‑ ・・・ ・・‑ ・‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ・・・ ‑ ‑ 一t三 四
ヤ ソ ギ ョ オ (山 梨 県 原 七 郷 ) ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 二 呈 九 一 ' シ ョ イ バ シ ゴ (背 負 梯 子 )
東 京 都 北 多 摩 郡 保 谷 町 下 保 谷 に て ' 昭 和 三 二 年 二 月 五 日 ' 古 河 静 江 氏 採 集 。 高 橋 孫 右 街 門 氏 寄 贈 。 収 集
番 号 二 二 三 二 八 。 寸 法 は 上 程 二 三 ・ 五 セ ン チ ' 下 程 四 七 ・ 五 セ ン チ ' 高 さ 一 八 〇 ・ 〇 セ ン チ 。 重 さ は 六
・ 一 キ ロ 。
背 負 梯 子 に は ' 形 態 的 機 能 的 に み て 、 お よ そ 三 つ の 型 が 考 え ら れ る 。 第 一 は い わ ば 大 型 の 背 負 梯 子 と も 呼 ぶ べ き も
の で 、 丈 が 極 め て 高 く ' 本 来 ' 刈 取 っ た 稲 束 や 安 東 を 運 ぶ の に 用 い ら れ た と 考 え ら れ る 。 第 二 は 中 型 の 背 負 梯 子 で '
薪 炭 の 披 出 か ら 町 へ の 買 物 に い た る ま で ' 広 く 利 用 さ れ て い た 。 箪 二 は 、 そ の 形 が 極 め て 小 さ く 横 木 (桟 ) は わ ず
か 二 本 で ' 専 ら 山 間 地 帯 で 用 い ら れ て い た と い う 。
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (二 ) (中 村 )
笥 1 図 背負梯子の形態 と大 きさ
史 料 館 研 究 紀 要 /第 三 号
● 一・‑ ・‑
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C /Oo/ / o / 2 0 / 30 / 如 ′ 3 1 1/ J b / 7 P / L ' C/ P o加 え′ ○ 横軸に背負梯子の長さ,縦軸にそれぞれ上程 ・下程 ・アシの長さ ・杜の幅の値を
とってみる。黒丸の柱の幅は梯子の長さが長 くなってもこの図ではそれほど変ら ないが、白丸のアシの長さの値は 1 3 0 センチの辺 りからぐんと大 きくな っ て く る。黄緑は上程 と下程の値を結んだもので 、 1 2 0 センチの辺から大 きくなること がわかる。
二 九 六
こ ゝ に あ げ る 東 京 保 谷 の 背 負 梯 子 は 以 上 の 第 一 の 型 に 属
し ' し か も 、 そ の 典 型 と み な す こ と が で き る 。 そ こ で ' 以
下 こ の 標 本 に つ い て ' 大 型 の 背 負 梯 子 の 形 態 上 の 特 徴 を か
い つ ま ん で 記 し て み よ う と 思 う 。
ま ず 、 そ の プ ロ ポ ー シ ョ ン で あ る が ' 下 程 対 高 さ の 比 は
」 対 三 ・ 七 五 ' 下 程 対 上 程 の 比 は 約 一 ・ 二 〇 に 当 り ' 梯 子
の 枠 組 自 体 ' 細 長 い 、 上 下 の 差 の 著 る し い 梯 形 を な す こ と
が 務 め ら れ る 。 特 に 注 目 さ れ る の は 所 謂 下 の 棒 以 下 の 部 分
( ア シ ) の 長 さ の 割 合 で 、 全 長 の 約 三 分 の 一 を 占 め る 。 こ の
よ う な 長 い ア シ は 大 型 の 背 負 梯 子 族 の 著 る し い 特 徴 を な す
も の と 考 え ら れ る 。 因 み に ' 所 蔵 の 資 料 に つ い て ' 所 用 地
の 明 ら か な も の 五 六 例 中 ' そ の 半 数 を 抜 出 し 、 高 さ の 順 序
に 配 列 し て み る と ' 下 程 と 上 程 と の 開 き は 一 二 〇 辺 り を 界
と し て ' ま た ア シ の 値 は 一 三 〇 辺 り を 界 と し て ' 急 速 に そ
の 値 を 増 す こ と に 気 着 く 。
次 に 細 部 に つ い て は ' 特 に 柱 の 形 が 特 徴 的 で あ る 。 柱 は
根 元 で 橿 七 五 ミ リ 、 厚 さ 三 五 ミ リ ' 頭 部 で 幅 六 〇 ミ リ ' 厚
さ 三 五 ミ リ で 、 第 1 表 の 如 ‑ ' 下 程 に 対 す る 比 率 は 必 ず し
第 2 図 東京保谷のショイバシゴ
ムギ束を運ぶ背負梯子。立てたまま 休めるよう長いアシがあ り、また.
頭には太い笠木がはまっている。柱 は向
って左側、すなわち荷物をつけ るほ うに曲がっている。アシの下の ほ うには荷縄 と負い組とを通す小さ な穴があ
る。柱も技もホゾによって 接合されている.材料の太S̲ として重厚である. ともほどよく釣 り合いを保ち、全体 、長 さ も
高 Y
は な い
が' そ の 断
面 は 細
長 い
矩 形 な を し '
1 般 の
梯 子 柱 の 円 形 半 円 形 あ い は の る
方 形 断 面 対 の は き わ だ た と
っ照 を
示
す。 し
か 柱 は 外 も '
側 に 緩 や か に 酉 柱 形 成 す 曲 の る L t
弧 と
紋 隔 た は 中 の の と り 桟 上 で 約 三 〇 様 の 下 の ミ リ ' の 所 で
約 四
〇 の ミ リ
値 を
不
す。 の こ
種 の 弓
形 の
柱 は'
都
会 風 直 の
線
的 な 背 負
梯 子 の 柱 や'
所 謂 有 爪 型 背 梯 子 柱 の 負 の の
形 は と
著 る し ‑
趣 き を
異 に す の に 思 わ れ る の よ る. も う
ほ
柱 の
ぞ頭 部 に は
笠 木 を お た め の ‑ 幅 三 〇 、 、 リ 、 '
厚 さ
二 〇 ミ リ '
長 さ
六 〇
柄が作 出 れ い
のさ て る。 た' ま ミ リ
下 部
二 〇
セ ン チ の
所 に は' 荷
純 負 い 縄 通 す 小 な 穴 が 穿 た れ て 笠 木 は 縦 続 六 〇 央 部 荷 組 縄 ず と と を さ い る。 そ の 中 は の れ ミ リ '
に よ っ
て' あ た
か も
竪 杵 に び れ て い 外' 背 の よ る。 こ の 負 う ‑ 梯 子 に は 頭 に 笠 木 お か を ず' 上 や 下 ま た 中 の も
横 同 と
様 に
桟 用 固 定 す わ 上 を い て る' い ば 桟 型 式 が 広 行 大 背 梯 子 場 合' 上 桟 わ れ て い こ の 型 の 負 の を 型 る の く 。
式
6 (玄 蟹 缶 慰 St2 柵 球 111 か
第 一 表 背 負 梯 子 の プ ロ ポ 二 シ ヲ ソ
シ ワ イ パ シ ゴ
シ .ラ イ タ ? サ
ヤ セ ウ 吋 7 7 シ ョ イ バ シ ゴ
カ ル イ
ヤ セ ウ マ ?
シ ョ イ コ ウ
シ 声 イ バ シ ゴ オ イ コ ワ
オ イ コ
シ ョ イ タ
シ ヲ 1) コ シ ヲ イ コ
ヤ セ ウ マ 東 京 、 北 多 摩 , 保 谷 埼 玉 、 児 玉 、 金 屋
茨 城 . 久 慈 、 太 子 新 潟 . 南 魚 沼 . 石 打
新 帝 . 中 蒲 夙 横 越 秋 田 . 仙 北
長 野 、 長 野
千 乗 . 安 房 , 西 岬
鹿 児 島 、 大 鳥 . 十 島 山 形
千 葉 、 君 陣 . 木 更 津 茨 城 、 日 立 、 助 川
山 形 、 米 沢
埼 玉 、 飯 能 、 坂 石 山 口 . 大 島 、 西 方 (山 梨 郡 内 地 方 ) 岡 山 、 邑 久 . 牛 窓 千 葉
富 山 . 中 節 川 . 上 市 山 梨
福 島 、 会 沖 若 松
95 55 50 02 27 50 21 4.4 一 2 00 18
3 57 77 78 86 98 45 59 67 65 . 4 一5
7 0 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
90 61 26 23 97 62 71
▲ = 89 01 96
7 79 22 , 2 04 50 22 36 33 03 43 23 97 87 23 18 33 37 43 11 . 4 一4 77 34
62 77 91 01 0 06 33 26 61 38 13
3 11 11 12 21 21 11 12 11 11 12
1 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
0
18 42 51 91 81 00 22 43 38 41
0 11 10 12 11 11 01 01 11 11 10
1 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
0
03 55 28 78 93 40 16 21 21 70
1 11 33 55 83 61 41 44 10 65 26
3 00 00 00 00 00 00 00 11 11 11
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5
tt 韓 bhpl第 3 図 シ
.ョイバ シゴの負い組 負い純はそれ
ぞれ中の桟に結び、下の小さな 穴に通す。図は
その結び方を示す。負い縄は このように一本 の
組 であ って、それをル ープ 状にまわ したもので
ある。それが実際背負 う ときには屑のあた り
で左右 くっついて二本一 筋のようになる.
文
部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 三 ) ( 中
村 ) ら
し
く '
桟 が 折 れ、 柱 に ま た 亀 裂 が
生 て じ
い る
例 が
す く
な
か ら
す 見 受
け ら
れ る。
な
お、 こ の
梯
子 に は
太 さ
1 0 の ミ リ 藁
組 を
用
い
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号 三 〇 〇
‑ プ 状 に 掛 け ら れ る 。 そ し て 、 そ の 中 央 の 所 ' あ た か も 肩 の か ゝ る 辺 り で は 、 一 筋 の 縄 が 二 本 取 り と な る よ う に 掛 け
ら れ て い る 。 柱 の 小 穴 を 利 用 し て の こ の よ う な 配 線 も ま た (柱 の 幅 が 広 く 、 し た が っ て 、 柱 に 穴 を 自 由 に 穿 つ こ と が 〜 で き る の だ と 考 え れ ば ) こ の 種 の 大 型 の 梯 子 の 一 つ の 特 徴 と み な す こ と が で き る 。
採 集 記 録 に よ れ は 、 こ の 標 本 は t も と そ の 持 ち 雀 が ' 特 に 大 工 に 跳 え て 作 ら せ た の だ と い う 。 そ う い え は 、 全 体
の 形 に も 厚 み が あ り ' 作 り に も 隅 々 ま で ゆ き と ど い た 仕 上 げ の あ と を み る こ と が で き る 。 し か し ' 梯 子 の 以 上 の 形 態 ド は 、 ︼明 ら か に ' 在 来 の ' こ の 地 方 に 古 く か ら 行 わ れ て い た と 思 わ れ る 梯 子 の 型 を 借 り た も の と 考 え ら れ る 。 所 蔵 の 資
料 の 中 心 は ' 埼 玉 県 児 玉 郡 金 屋 村 採 集 の シ ョ イ イ タ が あ る 。 こ の 背 負 梯 子 は 上 程 二 四 ・ 〇 セ ン チ 、 下 程 四 三 ・ 〇 セ ン
チ ' 一隊 さ 二 〇 二 セ ン チ ' 重 さ 七 ・ 1 キ ロ で 、 形 ・ 重 さ と も 保 谷 の 背 負 梯 子 よ り は ひ と ま わ り 大 き い が ' そ の 形 は ' 同
じ ょ う に 笠 木 型 式 で ' 断 面 矩 形 の 柱 を 用 い 、 負 い 縄 ・ 荷 縄 の 掛 け 方 な ど も ほ と ん ど 1 致 し て い る i )い っ て よ い 。 こ の
両 者 に や
ゝ近 い 例 と し て は 笠 木 型 式 で 丸 柱 の 大 型 の 梯 子 や 上 樟 型 式 の 大 型 背 負 梯 子 が 考 え ら れ る 。 こ の 種 の 梯 子 は 関
東 地 方 に は 曽 つ て 広 く 分 布 し て い た と 考 え ら れ る 。 な お 、 関 東 地 方 以 外 の 標 本 で は ' と り あ え ず ' 新 潟 県 南 魚 沼 郡 石
打 村 採 集 の 1 例 と 北 方 文 化 博 物 館 旧 蔵 の 同 県 蒲 原 郡 横 瀬 村 の ヤ セ ウ ヤ と を あ げ る こ と が で き る 。 こ の 二 例 は 、 丈 が や
や 短 か ‑ ' 下 程 と ア シ と の 比 率 も や や 低 く 、 そ し て 全 体 の 作 り に も 武 蔵 野 の 背 負 梯 子 と は 白 か ら 異 な る 気 風 が 感 ぜ ら
れ る 。 用 途 も ま た や や 異 な る よ う に 思 わ れ る 。
(
1 ) こ の 標 本 に つ い て は ' そ の 背 景 と し て 所 謂 近 世 以 降 の 南 関 東 の 雑 穀 生 産 を 想 起 し て お ‑ 必 要 が あ ろ
う。 こ の 辺 り で
は ' 昔 、 刈 取 っ た 麦 は 一 尺 二 ' 三 寸 に ま と め ' サ シ ポ ー ' ま た は ' シ ョ イ バ シ ゴ で 畑 か ら 家 の ll ワ に 運 び ' ク ル リ ポ
ー や カ ナ ゴ キ で こ な し た と い う 。 サ シ ポ ー は 一 名 ノ メ シ ポ ー と い い ' 長 さ は 一 八 〇 セ ン チ ' 太 さ は 約 五 〇 ミ リ 。 両 端
に 麦 束 二 束 ず つ 刺 し て 担 ぐ と い う 。 そ し て サ シ ポ ー 三 回 で 運 ぶ 量 が 背 負 梯 子 の 1 回 分 に 当 る が 、 背 負 梯 子 は ゆ っ ‑ り
歩 か ね ば な ら な い L t サ シ ポ ー の 方 は 競 争 で さ っ さ と 運 ん だ の で ' 結 局 ' 梯 子 も サ シ ポ ー も そ の 道 擬 の 畠 は ほ と ん ど
変 ら な か っ た と の こ と で あ る 。 と こ ろ が リ ヤ カ ー が 導 入 さ れ る よ う に な り ' ﹃ 武 蔵 保 谷 村 郷 土資 料 ﹄ が 書 か れ た 時 代 (2 ) に は 、 背 負 梯 子 は も は や 「任 は ぬ と 見 え て 物 置 の 軒 下 な ど に 背 中 当 の 組 も 巻 か ず 負 組 も 附 け ず に 置 い て 」 あ り ' 次 第
に 姿 を 消 し て い っ た 。
註 (‑ ) 高 橋 文 太 郎氏 ﹃武 蔵 保 谷 村 郷土 資 料 ﹄ (昭 和 十 年 ア チ ッ ク ミ ュ ー ゼ ア ム 刊 ) 所 引 の 村 誌 に は 「 土 質 ハ 壌土 ニ シ テ 地
味 肥 工 農 業 盛 一l シ テ 遵 産 物 ll 富 ム 。 其 中 産 叡 ノ 最 モ 多 キ ハ 大 麦 ll シ テ 小 麦 ' 大 豆 、 粟 ' 陸 稲 ' 米 ' 務 ま 等 之 三 次
グ 」 と あ る (同 雷 三 頁 ) . (2 ) 高 橋 氏 同 書 四 四 頁 。
二 ' カ ル イ
鹿 児 島 県 大 島 郡 十 島 村 竹 島 に て ' 昭 和 九 年 五 月 1 四 日 t A M 同 人 採 集 。 収 集 番 号 四 1 0 1 。 寸 法 は 上 程
一 九 ・ 五 セ ン チ 、 下 程 四 一 ・ 五 セ ン チ ' 高 さ 二 一 〇 ・ 〇 セ ン チ 。 重 さ は 三 ・ 四 キ ロ 。
背 負 梯 子 は ま た 従 来 し ば し は 言 及 さ れ て い る よ う に 爪 (荷 物 を 支 え る 腕 木 ) の 有 無 に よ っ て 有 爪 型 と 如 爪 型 と の 二
つ の 型 に 分 け る こ と が で き る 。 有 爪 型 は ' さ ら に ' 爪 の 位 置 そ の 他 に よ っ て ' 爪 が 柱 の 中 程 の 所 に あ る 有 爪 A 型 と '
爪 が 柱 の 根 元 近 く に 位 置 す る 有 爪 B 型 と に 細 分 さ れ て い る 。 有 爪 型 の 分 布 範 囲 は ' 主 と し て 西 南 日 本 で ' そ の う ち 有
爪 A 型 は 中 国 地 方 西 方 の 地 域 か ら 九 州 1 円 ' B 型 は 中 国 地 方 の 東 部 よ り 近 畿 地 方 に か け て 広 ‑ 行 わ れ て い た こ と が ' (1 ) す で に 戦 前 の 調 査 に よ っ て 明 ら か に さ れ て い る 。
し か し 、 以 上 の う ち と く に 有 爪 A 型 に つ い て は ' そ の 用 途 や 製 作 等 に 応 じ て ' さ ら に 幾 つ か の 恐 ら ‑ 地 方 的 な 型 と
も い う べ き も の に 細 分 さ れ る よ う に 思 わ れ る 。 こ ゝ に あ げ る 竹 島 の カ ル イ も ま た 有 爪 A 型 の そ の よ う な 一 例 に 屈 す る
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具の 研 究( 二 ). (中 村 ) 三 〇 一
第 4 図 竹・島 の
カル イ
0 10
よ う に 思 わ れ る 。 そ こ に は カ ル イ 型 の 背 負 格 子 に 独 自 の 特 徴 と も い う べ き も の が 見 出 さ れ る 。
ま ず 例 に よ っ て プ ロ ポ ‑ シ m ソ か ら み て ゆ こ う 。 下 程 対 上 程 の 比 率 は 1 対 〇 ・ 五 ' 下 程 対 高 さ の 比 率 は 1 対 二 ・ 九
で ' 枠 組 は 全 体 と 七 て か な り 上 ほ す み の 梯 形 を な し て い る こ と が 碇 め ら れ る 。 こ の よ う な 形 は カ ル イ の 第 一 の 特 徴 と
考 え ら れ る 。 ∫
次 に 細 部 に つ い て み る と ' 柱 は 根 元 で 七 五 ミ .リ に 三 五 ミ リ の 断 面 矩 形 で ' 根 元 よ り 約 三 〇 セ ン チ の 辺 り ま で ほ ほ ゞ
同 ℃ 幅 で 伸 び ' 111 0 セ ン チ を 越 え る 辺 り か ら 漸 次 細 ま ケ ' し か も 前 記 の 保 谷 の 背 負 梯 子 と は 逆 に ' 外 側 に 向 っ て 湾 曲
し て い る 。 柱 の 頭 部 は 縦 横 三 〇 ミ リ ' 弧 と 紋 と の 障 り は 三 〇 ミ リ で あ る 。 こ の よ う な 柱 の 形 態 は 他 の 有 爪 A 型 に も 共
通 す る 特 徴 と 考 え ら れ る 。 し か し ' こ の 梯 子 で は 根 元 の 部 分 が 特 に 幅 広 い の が 他 の 梯 子 と 異 な る 点 で は な い か と 思 わ
れ る 。 こ の 柱 の 根 元 の 幅 広 さ は 爪 の 位 置 と も 密 接 な 関 係 が あ り ' こ の 広 い 部 分 に 下 の 桟 を 蹴 込 む た め の 穴 と そ し て 爪
を 取 り 付 け る た め の 穴 と が 交 錯 し て い る 。 樺 は 上 中 下 三 本 と も 幅 三 五 ミ リ ' 厚 さ 一 〇 ミ リ の 薄 い 板 で ' い ず れ も 通 し
柄 で 柱 に 接 合 さ れ て い る 。 こ の よ う に 薄 い 板 を 桟 に 用 い .る 手 法 は 有 爪 型 の 梯 子 に 共 通 し た 手 法 で あ る よ う に 思 わ れ
る 。 ま た 中 の 槙 と TL の 横 と の 間 に は 同 じ 板 を 用 い て 包 み 柄 で さ ら に 1 本 の 桟 が 挿 入 さ れ て い る 。 こ れ は 背 中 当 て を 支
え る た め の 桟 で あ る 。
爪 は 長 さ 七 八 ・ 〇 セ ン チ ' 厚 さ 1云 、、ヘ リ ' 幅 二 五 な い し 三 五 ミ リ 。 先 き の 帽 は や
ゝ細 ‑ 、 二 本 の 爪 の 間 隔 は 先 で 1
四 ・ 五 セ ン チ ' 元 で 三 六 ・ 〇 セ ン チ ' 先 が 大 分 狭 ま っ て い る こ と が わ か る 。 爪 の 中 程 の 所 に は 幅 三 五 ミ リ ' 厚 さ 1 0
ミ リ .〇 横 が い れ て あ り ' 爪 は こ の 横 と 前 記 の 中 の 桟 と の 間 に 張 り 渡 さ れ た 太 さ 五 ミ リ の ロ ー プ に よ っ て 支 え ら れ て い
る 。 爪 を 納 切 る 柱 の 穴 は 幅 二 〇 、、/, リ ' 長 さ 五 〇 ミ リ ' 深 さ 三 〇 ミ リ で ' か な り の 余 裕 が あ る 。 す ‑ な ‑ と も こ の 標 本
で は ' 爪 は 脱 着 自 在 で あ る 。 こ の よ う な 爪 の 構 造 は こ の 梯 子 の 用 途 と も 関 係 し て い る の で あ ろ ‑ 。な お ' 爪 と 柱 と の な
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (二 ) (中 村 ) 三 〇 三
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号 三 〇 四
す 角 皮 は 約 四 〇 皮 で 有 爪 A 型 の 標 例 の 六 〇 度 よ り は 若 干 緩 や か な よ う に 思 わ れ る 。 ま た ' 爪 の 位 置 は 柱 の 約 四 分 の 一
の 所 に あ り 、 標 例 の 「 柱 の 半 分 の 位 置 」 よ り は や ゝ 下 に あ る 。 こ れ も ま た こ の 梯 子 の 用 途 と 聯 関 し て い る も の と 思 わ
れ る 。
負 い 縄 の 編 み 方 は 三 ツ 阻 で ' 元 は 平 取 、 先 半 分 は 丸 紅 で あ る 。 こ う し た 負 い 縄 の 形 は 時 と し て 他 の 背 負 梯 子 に も 見
受 け ら れ る 。 し か し ' そ の 枠 へ の 取 り 付 け 方 は は な は だ 特 徴 的 で 、 負 い 縄 は 負 い 縄 と は 別 の 紐 (太 さ 五 ミ リ の 紐 ) で 中
の 横 に 結 び 付 け ら れ て い る 。
背 中 当 て は 縦 三 八 ・ 〇 セ ン チ 、 横 二 二 ・ 〇 セ ン チ ' 厚 さ 二 五 ミ リ 、 こ れ も ま た 負 い 縄 と 同 じ よ う に 枠 か ら は 独 立
し 、 細 い 紐 で 中 の 棒 に 結 ば れ ' 梯 子 か ら 釣 り さ げ ら れ て い る 。 こ の よ う に 梯 子 の 枠 ・ 負 い 縄 ・ 背 中 当 て ・ 爪 の 各 部 分
が 互 に 独 立 し ' こ れ ら が ひ と つ に 組 合 さ れ る と い う 橿 成 方 法 は ' 有 爪 A 型 の 背 負 梯 子 の 著 る し い 特 色 と 考 え ら れ る 。
背 中 当 て の 編 み 方 は ' 藁 を 太 さ l 五 ミ リ ほ ど に 束 ね 、 そ れ を 幅 一 五 ミ リ の 藁 の 帯 で 、 二 束 二 段 ず つ 絡 ら げ た も の で あ
る 。 こ の 種 の 手 法 は 所 謂 巻 藁 細 工 の 手 法 で あ っ て 、 腰 当 て や 鍋 敷 き ・ 鍋 蓋 な ど に も み ら れ ' こ の 地 方 の 工 芸 を 特 徴 的
ず け る 手 法 の 一 つ と 考 え ら れ る 。
こ の 標 本 に つ い て は 用 途 そ の 他 の 記 録 が 明 ら か で は な い が t は ゞ 同 じ 形 の 背 負 梯 子 を 鹿 児 島 県 肝 属 郡 大 根 古 町 で は (2 ) カ リ コ と い い ' 「 南 九 州 の 山 地 に 広 ‑ 分 布 し て 製 炭 と 関 係 ふ か い 」 と い う 。
註 (‑ ) 磯 貝 勇 氏 「 背 負 梯 子 」 (﹃ 日 本 の 民 具 ﹄ 昭 和 三 三 年 角 川 書
店 刊 ) 一 四 九 1 五 五 頁 . (2 ) 小 野 重 用 氏 ﹃ 南 九 州 民 具 図 帖 ﹄ (昭 和 四 一 年 同 氏 刊 ) 六
六 頁 。
三 ' シ ロ カ キ ゲ タ (代 掻 き 下 駄 )
長 野 県 南 安 曇 都 南 穂 高 村 に て ' 昭 和 二 八 年 ' 藤 沢 宗 平 氏 採 集 ' 同 氏 寄 贈 。 収 集 番 号 二 1 六 六 九 。 寸 法 は
長 さ 五 七 ・ 五 セ ン チ ' 最 大 幅 二 三 ・ 五 セ ソ チ ' 高 さ 一 〇 ・ 〇 セ ン チ 。 重 さ 二 ・ 一 キ ロ 。
所 謂 田 下 駄 に は 、 す で に 指 摘 さ れ て い る よ ‑ に ' 用 途 形 態 の 相 異 る 二 つ の 系 列 が 含 ま れ る 。 一 つ の 系 列 は い わ ば 稲
刈 り 下 駄 で ' 湿 田 や 深 田 の 稲 刈 り や 種 播 き 作 業 に 用 い ' 従 来 の 形 態 分 析 に お け る 輪 掬 型 ' 下 駄 型 ' ナ ン バ 型 ' 小 型 の わく が た 枠
型'小 型 の 箱 型 を 含 む 。 こ れ に 対 し ' も う 一 つ の 系 列 は 代 掻 き 下 駄 で 専 ら 田 の 代 掻 き に 用 い ら れ ' 大 型 の 棒 型 ' な おお あ し い し は 箱 型 の 形 態 を な す こ と が す で に 明 ら か に さ れ て い る 。 な お ' 代 措 き 下 駄 ( 一
名大足)の 機 能 は 「 沼 田 に 踏 み こ ま
ぬ た め と 云 ふ よ り ' 緑 肥 を 入 れ て 代 踏 み を し た 後 に 田 の 土 を 平 ら に し た り ' ネ バ ラ せ る の が 目 的 」 で ' 「 人 が 代 踏 み
し た 後 ' 又 は 馬 に 代 踏 み さ せ た 後 を 前 に つ い て い る 縄 を 、 右 足 の は 右 手 に 左 足 は 左 手 に 持 っ て ' 1 足 一 足 踏 ん で い (1 ) く ・ 踏 ま ぬ と .A) ろ が な い よ う に す る の が 大 切 で あ る 」 と い
う。 す な わ ち ・ 代 掻 き 下 駄 の 場 合 に は 稲 刈 り 下 駄 と は 異 な
り ' 下 駄 を 田 の 派 の な か に 踏 み 込 み ' 泥 を 撹 拝 し ' 均 質 化 し 、 底 を 平 ら に す る の が 目 的 な の で あ る 。 事 実 ' 代 掻 き 下
駄 を 田 の な か に 踏 み い れ る と ' 田 の 底 の 重 い 土 が 下 駄 の 枠 や 桟 の 間 か ら 迫 り 上 り ' 表 面 の 軽 い 泥 と 漏 り 合 う と い う 。
そ う い え は こ の 代 掻 き 作 業 は 私 た ち に は 相 当 に 力 の い る 荒 い 作 業 の よ う に 思 わ れ る 。 そ の よ う な 作 業 に 耐 え る た め '
田 下 駄 に は ど の よ う な 工 夫 が な さ れ て い る の で ‑あ ろ う か 。 特 に こ ゝ で は 箱 型 の 代 掻 き 下 駄 に つ い て こ の 点 を 検 討 し て
み よ う と 思 う 。
あしいL‑
第 一 に 足 を の せ
る足板は' 幅 的 一 一 ・ 〇 セ ン チ 、 厚 さ 一 〇 ミ リ の 胴 の 長 い 八 角 形 の 板 で あ る 。 他 の 多 く の 箱 型 の 田
下 駄 の よ ‑ に ' こ の 標 本 も ま た 足 板 と そ れ を と り ま ‑ 枠 や 桟 に は い ず れ も 同 じ 厚 さ の 街 が 用 い ら れ る 。 足 板 は 多 ‑ 節
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (二 ) (中 村 ) 三 〇 五
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号
瀬鮒番腔
O EII
T弊of t, 免 I で 叫 ヾ
両 側 の 枠 木 の 形 は 軽 快 で ' 頭 の 両 端 を 落 し 、 ま る ‑ 削 り ' 一 方 、 尾 は 鳥 の 尾 の よ ‑ に 漸 次 そ の 幅 を 細 め て い る 。 こ
の 模 本 が 採 集 さ れ た と き ' す で に 尾 の 先 き は 折 れ ' そ の 部 分 に 幅 六 八 ミ リ ' 長 さ 二 五 セ ン チ ' 厚 さ 一 五 ミ リ の 割 り 坂
が 当 て て あ る 。 尾 の 出 は 一 三 ・ 五 セ ン チ で 、 こ れ は 全 長 の 約 四 分 の 一 に 当 る 。 こ の よ う に 平 面 が 末 広 が り で ' し か も
後 に 尾 を 長 ‑ ひ ‑ 田 下 駄 の 形 は 岐 阜 県 大 野 郡 の オ ー ア シ ( 1 名 タ ナ ラ シ ゲ タ ) や 静 岡 県 採 集 の オ ー ア シ に も そ の 例 を み
る こ と が で き る 。 恐 ら ‑ ' こ の 形 は 田 下 駄 の 前 進 み の 歩 行 方 法 と 関 係 L t カ の 均 衡 を は か る た め に 思 い つ か れ た 形 で
あ ろ う か 。
と こ ろ が 、 一以 上 は 片 方 だ け の 活 で ' こ の 田 下 駄 の も う 片 方 は や ゝ 作 り を 異 に し て い る 。 も う 片 方 の ほ う は ' 大 分 補
修 し た ら し ‑ 、 経 木 や 桟 の 一 部 が 新 ら し い の と 替 え ら れ 、 そ し て ' 枝 と 横 と の 問 を 前 よ り も 広 ‑ と り ' 枠 と 桟 と の 接
ぎ 方 を 一 層 簡 単 に し た 様 子 が う か が え る (桟 の 間 隔 を 広 げ た の は ' 古 い 足 板 を 生 か し て 使 お う と し て 、 も と の 釘 穴 を
逃 げ よ う と し た た め に そ う な っ た の で あ ろ う )。 特 に 枠 と 桟 と の 接 合 に は 、 枠 木 に 満 を は り ' 柄 を 一 切 使 わ ず 、 桟 を
蹴 込 み 、 外 か ら 釘 で と め て い る 。
所 蔵 の 資 料 に は こ の ほ か な お 二 つ の 箱 型 田 下 駄 が 含 ま れ て い る 。 一 つ は 村 上 俊 順 氏 が 長 野 県 か ら 採 集 さ れ た も の と
い い ' 呼 称 は や は り オ ー ア シ で ' 長 さ 三 八 ・ 五 セ ン チ ' 帽 二 三 ・ 〇 セ ン チ ' 高 さ は 二 ・ 〇 セ ン チ ' 証 さ は 1 ・ 七 五
キ ロ で 、 や は り 厚 さ 一 〇 、、、 リ の 薄 い 板 で 形 作 ら れ て い る 。 そ の 板 の 接 ぎ 方 に は ' 縦 横 一 〇 ミ リ 、 長 さ 一 五 ミ リ の 二
枚 柄 ' あ る い は ' 三 枚 組 み つ ぎ の 手 法 が 用 い ら れ て い る 。 梯 同 志 も 格 子 に 組 合 さ れ ' そ こ に は 一 層 指 物 的 な 味 い が 感
ぜ ら れ る 。 た だ ' 縦 二 四 ・ 五 セ ン チ ' 横 二 セ ン チ の 足 坂 だ け は 無 雑 作 に 釘 で 打 ち つ け ら れ て い る 。 な お 、 こ の 標 本
も ま た 使 い 込 ま れ て い る た め か 板 が 所 々 欠 け て い る 。 も う 1 足 は 上 伊 那 郡 朝 日 村 平 出 の オ ー ア シ で ' 曽 つ て 中 村 寅 1
氏 の 報 告 と と も に ﹃ 民 具 問 答 集 ﹄ に 紹 介 さ れ た も の で あ る 。 こ の 方 は 長 さ 四 〇 ・ 七 セ ン チ ' 幅 二 六 ・ 〇 セ ン チ ' 高 さ
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (二 ) (中 村 ) 三 〇 七
第 5 図 倍州 南 安 曇 の シ ロ カ キ グ タ
= ≡二
o i 0
こ
七 五 ,,' リ や 砂 は や や 小 さ く 、 橡 の 数 も か す か 三 本 で は あ る ・i j 橡 称 と も 酔 い 敵 を 倣 い
、そ か た か & .さ は か え ゥ て 二 ・
二 キ ロ と 若 干 重 ‑ な っ て い る 。 操 は 枠 木 に 厚 い 1 枚 の 通 し 柄 で 接 ぎ ' 足 板 も ま た 前 後 の 桟 に 丈 夫 な 柄 で 接 が れ て い
る 。 そ こ に は 前 の 二 足 の 田 下 駄 と も ま た 違 っ た 1 つ の 行 き か た が な さ れ て い る よ う に 思 わ れ る 。
こ の よ う に み て く る と ' 以 上 三 足 の 田 下 駄 に は 同 じ 箱 型 と は い い 粂 ' そ れ ぞ れ 三 足 三 様 の 作 り が な さ れ て い る こ と
が わ か る 。 恐 ら く こ れ 以 外 に も な お 数 程 の 作 り が 行 わ れ て い た で あ ろ う 。 中 村 氏 も 前 記 の オ ー ア シ の 報 告 の な か で
「 浅 田 に 使 用 す る の は 板 が 蒋 ‑ て 深 く ' 沼 田 に 使 用 す る の は 厚 ‑ て 浅 く 出 来 て い る 。 横 の 板 は ' 三 枚 が 普 通 で あ る (2 ) が 、 中 箕 輪 村 附 近 に て は 四 枚 と し て ' 両 側 の 板 を も っ と 長 ‑ し た も の も あ る 」 と 指 摘 さ れ て い る 。 薄 い 板 を 用 い た 箱
型 の 田 下 駄 は 厚 い 板 の 枠 型 の 田 下 駄 よ り ' 軽 く ' 踏 込 み や す い の で は な か ろ う か 。 そ の か わ り ' 薄 い 板 を 使 え ば そ れ
だ け 敗 れ や す ‑ な る 。 そ こ で ' 白 か ら 板 の 組 み 方 や 接 ぎ 方 が 改 良 さ れ た の で は な か ろ う か 。
註 (‑ ) ア チ ッ ク 、、r d I ゼ ア ム 編 ﹃ 民 具 問 答 集 ﹄ ( ア チ ッ ク ミ ュ
ー ゼ ア ム 刊 昭 和 十 二 年 ) 二 〇 二 頁 。 中 村 寅 一 氏 の 報 告 に
よる。
(
2
)同書二 〇 三 頁 .
四 、 オ ー ア シ (大 足 )
千 葉 県 匝 瑳 郡 光 町 小 川 台 に て ' 昭 和 三 六 年 七 月 七 日 ' 潮 田 鉄 雄 氏 採 集 。 後 同 氏 寄 贈 。 収 集 番 号 二 三 八 八
三 。 寸 簡 g ̲縦 八 六 ・ 〇 セ ン チ ' 横 三 五 ・ 七 セ ン チ ' 高 さ 四 ・ 〇 セ ン チ 。 重 さ 二 ・ 1 五 キ ロ 。
枠 型 の 田 下 駄 に は ' 機 能 的 に み て ' 二 種 の 田 下 駄 が 含 ま れ て い る 。 稲 刈 り 下 駄 と し て の 枠 型 田 下 駄 と ' 代 掻 き 下 駄 (I ) と し て の 枠 型 田 下 駄 と が そ れ で あ る 。 前 者 は 一 般 に そ の 形 が 小 さ い の で 小 形 と 呼 ば れ ' 後 者 は 大 形 と 呼 ば れ て
いる 。
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 ( 二 ) (中 村 ) 三 〇 九
第 7 図 岩手県沢内村のオーアシ
日日甘日
日
H
第 6 園 田下駄の型 と大 き
さ 枠型大型 ( 第 6 図の枠 C 型)の典型
的な 例 として しば しはひかれるもので、田
下
・ 駄のなかで最 も大きな もののひ とつ であ る。桟は板で、いずれ も枠にホゾ接
ぎさ れている。枠の前後には手縄をかけ
た縄 ずれのあ とが溝になっている。手縄 つ手に前後に張ることと.前だけにつけ は四
ることとがある。 支 , F l 号 慧 誓 . 警
警 究 紀 要 第 三 号 史 料 館 研 ナ ンバやゲ
タは板型、枠は枠型の田下駄 を示す。縦
軸は、縦 の値でそれぞれの型 が どの よう
な長 さ、大 きさをとるか.そ の範囲を実線で表わ
してみた。枠 A は桟 が 3 本の型 .B は 4
、5 本の型 、C はそれ 以上の型 、D は
前の桟の長い岐阜県や静 岡県の笠木型である
。枠型 B と枠型 A と 三
は この 図
試 み に ' 田 下 駄 の 縦 の 値 を そ の 形 態 に 対 応 さ せ て み る と ' 約 6 図 の よ う に t は ・J 七 〇 セ ン チ の 辺 り か ら ' こ の 二 つ の
形 態 が 分 か れ て い ‑ こ と が わ か る 。
と こ ろ で 代 掻 き 下 駄 と し て の 枠 型 田 下 駄 の 典 型 と し て し ば し ば 引 か れ る の は 所 蔵 の 岩 手 姑 和 封 郡 沢 内 村 川 舟 採 集 の
オ ー ア シ で あ る 。 縦 力 一 ・ 〇 セ ン チ 、 拭 三 二 ・ 五 セ ン チ ' 重 さ 二 ・ 八 五 キ ロ 。 そ の 形 は 所 蔵 の 資 料 中 最 も 大 き く ' 枠
や 槙 は 幅 五 五 セ ン チ 、 厚 さ 一 〇 ミ リ の 板 で 作 ら れ ' 前 後 と も カ 枚 の 桟 は 幅 二 〇 ミ リ ' 厚 さ 一 〇 ミ リ の 通 し 柄 を 用 い て
接 合 さ れ て い る 。 ほ ゞ 同 形 の 大 型 の 枠 型 田 下 駄 は 潮 田 鉄 雄 氏 の 調 査 に よ っ て ' 千 葉 県 か ら も 一 五 例 は ど 報 告 さ れ て い (2 ) る 。 な お こ の 型 の 田 下 駄 は ' す で に 指 摘 さ れ て い る よ う に ' 山 形 市 場 道 祉 第 八 地 点 出 土 の 田 下 駄 の 型 に ま で さ か の ぼ (3 ) ら せ る こ と が で き る 。
こ
ゝに あ げ る 千 葉 県 光 町 小 川 台 の 紋 鈴 木 紫 郎 氏 所 用 の オ ー ア シ は ' 枠 桟 の 接 合 の 手 法 や 寸 法 か ら み て ' 以 上 の 枠 型
第 8 回 千葉県光町のオーアシ
1
8 (玄 蛮 tS 蹴 起 帖 矧 l仲 1日 l ll
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ソ 二 .TQ o 矧 11 と∠ ' 増 配 憎 11 十 ミ ・ ○ ヤ h ≠ ' 堪 1 1 ・ 郎 入 ≠ ' 敬 叫 軒 ′′ 叫 ' せ Q 懸 Q 匝 ii 僧 」 蛋 ;p 慮 S> な ± tC t
点 ソ 二 伸 〇 ・♂ ぐ JJ , P り Q A‑6 ‑ が 唄 迩 A ) 中 Q 公 私 iR AJ 空 寝 丑 Q 41.g> 伯 東 Q EE TL 義 & 転 樫 Q 駄 在 P tf 志 EB 喋 屯 罵 樟 Jl ≡ 《 宅
第 三 表 枠 型 田 下 駄 の プ ロ ポ ー シ ョ ン
幅 に 対 す る 割 合 呼 称 II)Jl' lr] 仙
さ 座 の 幅 恒 の 画 桟 の 暗 恒 の 厚 さ
オ ー ア シ
オ ー ア シ
タ グ タ
オ ー ア シ
オ ー ア シ
オ ー ア シ
オ ー ア シ
オ ー ア シ
オ ー ア シ 千 黙 、 匝 淀 . 光
岩 手 . 和 封 、 沢 内
秋 田 、 由 利 . 上 川
千 葉 、 成 田 , 野 毛 平
千 英
岐 阜 、 吉 城 、 国 府
岐 阜 、 大 野 、 高 山
新 潟 、 中 頚 城 、 谷 浜
岩 手 、 九 戸 、 晴 山 …… … …屋
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uh)J1.日htt7i,.村 採 集 の タ グ タ に も そ の 例 を 求 め る こ と が で き る 。 第 四 に そ の プ ロ ポ ‑ シ n ン は ' 縦 横 の 比 率 が 拭 1 に 対 し 縦 二 ・
四 で ' こ の 種 の 大 型 の 田 下 駄 の 仲 間 で は ' い さ さ か 横 幅 が 広 い よ う に 思 わ れ る 。 第 五 に 、 「 緒 孔 が 方 形 で 右 足 用 は 前 (4 ) 緒 孔 が 左 側 に 片 寄 り ' 履 き 易 Y 出 来 て い る 」。 そ し て ' 第 六 に ' 横 の 下 に は ' も と 篠 竹 が 丸 竹 の ま ま 八 本 ほ ど と り つ
け ら れ て い た と い う 。 こ の 棟 本 の 桟 の 袋 側 に は そ の 当 時 の 釘 の 跡 が 残 さ れ て い る 。 こ の よ う に 下 駄 の 下 に 篠 竹 を 打 っ
た 田 下 駄 の 例 と し て は ' 小 川 台 に ほ ど 近 い 山 武 郡 横 芝 町 鳥 喰 沼 の 古 市 宗 四 郎 氏 所 用 の オ ー ア シ な ど が す で に 報 告 さ れ
て お り ' こ の 力 十 九 里 の 平 野 地 帯 で は ' こ の よ う に 安 子 を つ け た 枠 型 田 下 駄 が 行 わ れ て い た こ と が 想 像 さ れ る 。 な
お ' こ れ ら の オ ー ア シ の 用 途 は 苗 代 の 下 拓 に あ り ' 苗 代 を 「 押 し か た め る の に 使 う 」 と い ‑ 。 こ の 辺 り で は 昭 和 二
六 ' 七 年 の 頃 ま で は 盛 ん に 使 用 さ れ て い た と の こ と で あ る 。
で は ' こ の よ う な ' お よ そ 典 型 的 な 代 掻 き 下 駄 と は か け は な れ た 大 足 は 如 何 な る 理 由 で 作 り だ さ れ た の で あ ろ う
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 所 用 具 の 研 究 (二 ) (中 村 ) 三 1 三
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号
か 。 ま た 枠 の 下 に 篠 竹 を 取 り 付 け た の は ど の よ う な 利 点 か ら で あ ろ う 。
先 日 ' 私 は 思 い た っ て 、 小 川 台 の 辺 り か ら 鳥 喰 沼 の 附 近 ま で 行 っ て み た 。 鳥 喰 沼 は 今 で は 耕 地 整 理 が 行 わ れ ' 広 々
と し た 水 田 地 帯 と な っ て は い る が ' も と は ヌ ヤ と い い ' 所 々 胸 ま で つ か る 沼 田 で あ っ た と い う 。 そ の 昔 は 田 も 開 か れ
ず 蘭 草 の 刈 り 場 で あ っ た と い う 。 田 が 開 か れ て 後 も ' 土 地 が 低 い の で 近 ‑ を 流 れ る 宮 川 の 川 さ え 引 ‑ こ と が で き ず '
堆 肥 な ど は 浮 い て し ま い ' ほ と ん ど 無 肥 で 耕 作 し た と い う 。 植 え た 苗 が 人 が 後 ず さ り す る と つ い て ‑ る ほ ど 田 の 土 は
柔 か っ た 。 こ の よ ‑ な 沼 田 で の 労 助 は ' 苗 代 で も 「 チ チ ま で つ か り 」 ' わ ず か に 「 オ ー ア シ の 紐 (手 組 ) を た よ り に
し て 歩 く 」 。底 の 方 の 泥 が 大 足 の 上 に あ が ろ う も の な ら ' 重 ‑ て 身 動 き な ら な ‑ な る と い う 。 そ こ で 代 の 下 の 派 が 大 足
の 上 に の ら な い よ う ' 田 下 駄 に 篠 竹 を つ け る の だ と い う 。
一 方 、 小 川 台 の 場 合 は ' 例 え 山 間 の 田 で あ っ て も ' か な り よ ‑ 開 け ' 深 さ も 聞 け ば せ い ぜ い 膝 の 辺 り ま で で あ ろ う
と い う 。 こ ゝ で も 昔 は 田 下 駄 が 使 わ れ た が ' そ れ は 前 記 の 沢 内 型 の 代 掻 き 下 駄 で ' こ の 標 本 の よ う な 代 掻 き 下 駄 は や
は り 異 例 に 属 す る と の こ と で あ る 。 し か し 、 な か に は い ‑ ら か 柔 い 所 も あ り ' こ の 標 本 は そ う し た 苗 代 田 の 仕 上 げ に
使 わ れ た の で あ ろ う と い う 。 ま た ひ と つ に は 持 ち 主 の 鈴 木 さ ん は 竹 細 工 を や っ て い た の で 、 恐 ら ‑ ' 沼 田 の 代 掻 き 下
駄 か ら 思 い つ い て ' 幅 が 広 ‑ ' 軽 い 代 掻 き 下 駄 を 工 夫 し た の だ ろ う と の こ と で あ っ た 。
註
(‑)潮 田 鉄 雄 氏 「 田 下 駄 の 変 遷 」 (﹃ 物 質 文 化 ﹄ 一 〇 号 所 載 )
三
四 頁 。
(
2 ) 同 氏 ﹃ 田 下 駄 図 集 ﹄ (物 質 文 化 研 究 会 刊 ) そ の ほ か 。 (3 ) ﹃山 形 市 史 ﹄ 別 巻 1 (昭 和 四 三 年 同 市 刊 ) 1 1 0 頁 。 木
下 忠 氏 「 お お あ し 」 (﹃ 民 具 論 集 ﹄ ‑ 所 載 ) 一 〇 三 ‑ 〇 四 頁 ' (4 ) 潮 田 氏 「統 千 葉 県 の 田 下 駄 」 (﹃ 民 族 学 研 究 ﹄ 三 一 巻 一 号 所 載 ) 五 四 頁 。
第 9 図 長野県開田村のワカンジキ
五 ' ハ ナ カ ン ジ キ (鼻 か ん じ き )
新 潟 県 古 志 都 種 芋 原 村 に て ' 昭 和 一 〇 年 六 月 二 二 日 、 A M 同 人 採 集 。 坂 牧 善 長 氏 寄 附 。 収 集 番 号 五 三 〇
八 。 寸 法 は 縦 三 九 ・ 〇 セ ン チ ' 横 二 二 ・ 〇 セ ン チ 。
1 は前輪 . 2 は後輪 、 3 ほ爪 、 4
は足をとめる緒。複輪型のか んじきの典型的な例で
ある。緒はプ ド〜か何かの木の皮で、図 のように 1 本で張 られているのが面白い。二の字形をもとに し て組 を張ること、その縄が一筋であることとはワラ
の純を使っ てのネ ットワークに もうけつがれている。
文
部 省 史 料 館 所 蔵 生 活
用 具 研 の
究 (
二 ) ( 中
村 ) 重 さ
は 四
百 グ ム ラ 。
わ か ん じ k I ) 輸 棟
に は'
輪
の 構
造 に
応 単 型' 複 て' 輪 輪 型 じ の 二
つ の
型 が あ 場 合' 一 る。 そ の 単 輪 型 は 「 本 の
材 を
側 面
又 は
前 端 或 は 後 端 部 に 結 て ん だ の 」 も で' ま た'
複 輪
型 は 「
二 本 の 材 向 合 せ' 輪 を き の
( 1
) 中 央 側 面
に て
結 ん だ の 」 で あ 複 輪 型 輪 標 る。 の も は 地 形
そ の
他 の
条 件 に て よ っ
短 冊
形 や サ 形 ク の ビ 爪 が あ の 爪 支 点 両 輪 が 接 合 こ を と て れ て り さ し '
い る。
そ の よ う
な 複 輪
型 の 輪
椀 の 典
型
的 な
例 と し
第 1 0 回 新潟県のハナカンジキ
史 料 館 肝 究 紀 要 第 三 号
第 四 表 輪 螺 の プ ロ ポ ー シ ョ ン
ス カ リ
ス カ リ
ス カ リ
ハ ナ カ ソ ジ キ
カ ソ ジ キ
ユ
キ ワ
ッ ル カ ソ ジ キ
カ ソ ジ キ
カ ソ ジ キ
カ ソ ジ キ
カ ソ ジ キ
カ ソ ジ キ
カ ソ ジ キ
ユ キ フ ミ
カ ン ジ キ
マ グ 新 潟 、 中 魚 沼 ,十 日 町
新 潟 、北 魚 沼 、湯 之 谷
新 潟 、 中 頚 城 、 谷 浜
新 潟 、 古 志 、 種 苧 原
新 潟 、北 魚 沼 、湯 之 谷
広 島 、 山 県 、 中 野
新 潟 、 北 魚 沼 、湯 之 谷
新 潟 、 中 頚 城 、 乗 取
秋 田 、 大 館 , 新 町
岐 阜 、 大 野 、 高 山
新 約 , 南 魚 沼 、 湯 沢
新 潟 、 北 魚 沼 、 川 口
新 潟
福 島 、 会 津 若 松
岐 阜 、 吉 城 、 上 宝
群 馬 、 利 根 、 水 上
桝 樟 印 嘲 蕉 恕 医 襟 胡 嘩 喝 峨 Q 蒔 慰 ( I 1) (廿 脊 ) …… .?ヨ …: i :o 39 .0 38 .0 38 .0 38 .0
0 6 2
6 7 2 0
1 3 5 4
2
…… 喜享 享̲‑善 書 一 二IT ̲
章=i ≡̲‑̲ 二 丁 111 1 43 35 × 14 × 75 30 × 25 × 10 0
45 × 12 × 80 27 × 30 × 12 5 35 × 15 × 12 0
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号
第1 1 図 新潟 県の マル カ ソジキ
t >
単輪型で、 しかも輪はL L l の丸竹である。ネ ットの張 り方には二つの型がある。左 端のは右端のように.はじめ六角形に純を張っておき ( A‑ B‑CID‑ E‑ F
‑A) 、 それに内側の星形の組をかけたもの ( G‑ ∫‑H‑ L‑ Ⅰ‑冗‑ G‑ L
‑G) で、他の型は図の中央のように横縄の目に縦の縄を通 してゆ く。
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 ( 二 ) ( 中 村 )
こ の マ ル カ ソ ジ キ は 山 竹 を 丸 竹 の ま ま 曲 げ て こ し ら え る 単 輪 型
の 輪 裸 で ' 純 の 頚 り 方 に は お よ そ 二 つ の 型 が 確 認 さ れ て い る
が 、 い ず れ に せ よ 軽 ‑ 作 り や す く ' そ の た め 昇 カ ソ ジ キ に 取 っ
て
か わ っ た の だ と 思 わ れ る 。
註 (‑ ) 高 橋 文 太 郎 氏 ﹃ 輪 櫨 ﹄ (昭 和 一 七 年 日 本 常 民 文 化 研 究 所 刊 ) 二 百 。 (2 ) 勝 谷 稔 氏 ﹃ 雪 の 道 ﹄ (昭 和 三 十 年 税 雪 科 学 館 刊 ) 頁 。 (3 ) 「 た て 一 尺 二 三 寸 よ こ 七 寸 五 六 分 ' 形 図 の 如 ‑ シ ャ ガ ラ と い ‑ 木 の 枝 に て 作 る 。 界 は 反 し て ク マ イ ブ と い う 茄 又 は カ ゾ ラ と
い う つ る を も 用 ふ 云 云 」 (﹃ 北 越 雪 譜 ﹄) 。 高 桁 氏 前 掲 畜 図 版 七 。
六
' カ ジ キ ゲ タ (加 治 木 下 駄 )
鹿 児 島 県 薩 摩 郡 樋 脇 村 市 比 野 に て ' 昭 和 1 0 年 一
一 月 一 五 日 、 早 川 孝 太 郎 氏 採 集 。 同 氏 寄 贈 。 収 集
番 号 五 八 四 九 。 寸 法 は 長 さ 二 1 ・ 1 セ ン チ ' 幅 八 ・〇 セ ン チ ' 高 さ 五 ・ 五 セ ン チ 。 重 さ 二 八 七 グ ラ
ム 。
加 治 木 下 駄 は 鹿 児 島 県 姶 良 郡 粟 野 町 の 竹 迫 ・ 上 村 の 両 部 落 で
三 一 九
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号 三 二 〇
藩 政 時 代 以 来 作 ら れ て き た と い う 。 こ の 下 駄 は 履 き や す く ' 竹 の 皮 の 表 が 付 い て い る の で 冬 暖 か ‑ 、 足 に 馴 じ み や す
く ' そ し て .. 鼻 緒 が 切 れ た り 歯 が 折 れ た り す る 心 配 が な い と い い ' こ の 地 方 で は 広 ‑ 「 普 段 履 き 」 と し て 愛 用 さ れ た (1 ) と い う 。 そ の よ う に 重 宝 な ' 実 用 的 な 加 治 木 下 駄 に は い っ た い ど の よ う な 特 徴 が 備 わ っ て い た の で あ ろ ‑ か 。 (2 ) こ の 標 本 で は 台 は 長 さ 二 〇 ・ 五 セ ン チ ' 厚 さ 二 五 ミ リ ' 所 謂 櫛 形 に 削 ら れ て い
る。材 料 は 杉 で あ る と い ‑ 。 歯 は 連
歯 で ' 断 面 は 所 謂 銀 杏 歯 の 型 で あ る 。 台 の 上 面 の 幅 と 歯 先 き の 幅 の 間 に は 二 〇 ミ リ の 開 き が あ る 。 加 治 木 下 駄 の 安 定
性 は 第 1 に こ の よ う な 低 い 台 と 歯 の 形 と に 基 ず い て い た よ ‑ に 思 わ れ る 。 な お こ の 台 の 形 は 出 土 品 の 下 駄 に 脚 て ' 古
い 形 を と ど め て い た と も 考 え ら れ る 。
ま た 歯 の 前 後 は 斜 め に 削 り 落 さ れ て い る 。 下 駄 の 歯 の 形 に は ' 薩 摩 下 駄 の よ う に 両 繰 り と い っ て 歯 の 前 後 を 縦 に ま
第1 2 図 加治木下駄 の面構成
・
ト‑
加治木下駄 はお よそ1 2 の面 で樺成 さ れ て い る。おのおのの面の形は私 たちの下駄屋の下 駄ほ ど単純化されていない し、仕上げに も荒 さが残 されてはいるが.この ように整理され、
定型化されていることがわかる。タす が低 く、
歯の形が梯形で、 しか も前後 とも.歯の外側
が斜 めに削 られているのがおもしろい。 この
上に竹の皮 を編んだ表てをつけては く.
っ す ぐ に 削 り と る 型 と ' 「 神 戸 」 や 「 小 町 」 の よ う に 前 側 を 斜 め に 削 り 落 す 型 と が あ り ' 後 者 を ノ メ リ と い う 由 で あ
る 。 加 治 木 の 場 合 、 前 後 の 歯 が 斜 め に 削 り 落 さ れ て い る の だ か ら ' こ れ は い わ ば 両 ノ メ リ の 型 で あ ろ う 。 こ の よ う に
前 後 と も 歯 の 形 が ノ メ リ に な っ て い る 下 駄 は ' す ‑ な く も 所 蔵 の 資 料 に つ い て み れ ば ' 加 治 木 の 系 統 に 屈 す る 標 本 に
限 ら れ る よ う に 思 わ れ る 。
歯 と 歯 と の 間 隔 は 七 五 ミ リ ' 深 さ は 二 〇 ミ リ で ' 全 体 の 長 さ に 対 す る 歯 と 歯 と の 間 隔 は ' 他 の 析 似 の 模 本 と 比 較 し
て み る と ' 極 め て 大 き い こ と が わ か る 。 こ の 歯 と 歯 と の 間 の 溝 を 広 ‑ と る と い う 点 は ' 下 駄 全 体 の 重 さ の 軽 減 に 関 係
し て い る よ う に 思 わ れ る 。
台 の 上 に は 厚 さ 一 〇 ミ リ の 竹 の 筒 の 皮 で 編 ん だ 表 が 張 り 付 け ら れ て い る 。 こ の 表 を 編 む の に は ' ま ず 竹 の 皮 を 幅 一 〇 ミ リ ほ ど に 裂 き 、 そ れ を さ ら に 二 つ に 折 っ て 編 む と .い う 。 こ の 作 業 は 非 常 に 根 の い る 仕 事 で あ る と い ‑ 。 台 に は そ
の 先 端 か ら 一 五 ミ リ の 所 に 四 ツ ' 後 か ら 一 〇 ミ リ の 位 置 に 一 ツ 、 歯 の 間 の 溝 の 前 側 と 後 側 と に 一 つ ず つ ' 都 合 四 ヶ 所
に 小 さ な 穴 が 穿 た れ て お り ' こ の 小 穴 に 太 さ 三 ミ リ の 掠 欄 の 紐 を 通 し ' 表 を 預 り つ け る 。 と こ ろ が 鼻 緒 も や は り 竹 の
皮 の ス ゲ 緒 で ' 横 緒 も ま た 鼻 緒 と 同 じ よ ‑ に 表 の 草 履 の 裏 で 結 ん で と め る 。 す な わ ち ' 加 治 木 下 駄 の 場 合 ' 緒 は 台 の
下 で 結 ぶ の で は な ‑ 、 予 め 草 履 を 編 ん で お き 、 そ れ を 椋 欄 の 細 い 紐 で 台 に 縫 い つ け る 。 加 治 木 下 駄 で は こ の よ ‑ に 台
と 表 と が 作 り の 上 で 独 立 し て い る の で あ る 。 加 治 木 下 駄 は 草 履 を 台 に の せ た も の で あ る 。 な お 台 の 表 側 の 鼻 緒 の 位 置
に は 前 壷 に 似 せ て 浅 い 彫 り 込 み が な さ れ て い る 。 履 き や す ‑ 「 履 け ば 履 ‑ ほ ど 締 っ て ‑ る 」 'ま た は 緒 が 切 れ る こ と が
な い と い う こ の 下 駄 の 特 性 は こ の よ う な 表 と 台 と の 構 造 に 基 ず ‑ も の で は な い か と 考 え ら れ る 。
所 蔵 の 資 料 に は 加 治 木 の 系 統 に 属 す る 標 本 八 点 の ほ か t や ゝ 広 ‑ 類 例 を 求 め れ ば ' ノ メ リ 歯 型 の 下 駄 が 約 1 五 例 ほ
ど 見 出 さ れ る . そ の 内 訳 は ほ ゞ 次 の よ ‑ で あ る 。 今 ' そ の 重 さ と 寸 法 と を 比 べ 合 せ て み る と ' 加 治 木 は そ の ‑ ち 最 も
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (二 ) (中 村 ) 三 二 一
収 蛮 蟹 缶 慰 起 駄 綜 111 か
第 5 表 加 治 木 下 駄 の プ ロ ポ ‑ シ ョ ソ 11 1 1 11 1
呼 〜称 所 用 地 幅 に 対 す る 比
長 さ 1 高 さ 座 の 高 さ 極 の 可 活 の 深 さ 58 49 42 50 53 2 7 20 69 6 20 69 7 20 75 1 23 72 3 37 38 37 39 43 77
4 12 5
6 72 4 15 37 5 80 03 64 25 15 19 6 カ ジ キ グ タ
カ ツ チ キ ゲ タ
カ ジ キ グ タ
ピ ッ タ イ ゲ タ
ピ ッ タ イ ゲ タ
ピ ッ タ イ ゲ タ
ブ ツ タ イ
ウ ツ ツ ケ
ウ ツ ツ ケ
ビ ッ ク イ
オ モ チ ッ キ
ボ ン ボ ン ゲ タ
松 田 屋 下 駄
コ プ 下 駄
ク リ ノ キ グ タ
ラ イ マ ン ゲ タ 鹿 児 島 , 薩 摩 、 樋 脇
鹿 児 島 、 酉 桜 島
鹿 児 島 、
施 児 島 、 鹿 児 島 、
鹿 児 島 、 鹿 児 島 、
鹿 児 島 、 鹿 児 島 、
鹿 児 島
福 岡 、 糸 島 、 芥 屋
福 岡 , 糸 島 , 芥 屋
佐 賀 、 小 城 、 南 山
絃 児 島 、 大 島 、 硫 黄 島
新 潟 、 北 魚 沼 , 湯 之 谷
静 岡 、 焼 津 、
三 重 、 志 摩 、 和 具
岩 手 、 江 刺 、 福 岡
青 森 、 八 戸 、
8 g
7 2 2 2 4 4 4 9 2 9 0 8 8 7 9 0 2 5 6 4 7 3 0 1 0 3 5 6 2 9
6 7 6 5 6 3 3 3 3 3 2 2 3 3 3 2
6
90 80 80 75
8 5
5 0 0 0
0 1 9 0 8
0 1 1 1
3 9
7 6 5
4 2 2
2
8 8
8 0 0
0. 70 0. 73 0. 89 0. 60 1. 00 0. 88 0. 73 0. 75 0. 75 0. 78 0 8 0 9 0 9 0 ≡; 計 一 し …; 8:≡
3 0
7 4 5 0 5 0
0
8 5
4 7 7
5 0 0
0
臣 享
3 3 3 2
3 0 0 0 0
0. 30 0. 47 0. 4 1 0. 27 0. 25 0
0 .3 3 0. 55 0. 55
軽
第 1 3 図 加治木下駄の仲間たち
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号
港 第 1 4 図 沖
漁師が沖に出るとき釣の道具な どをいれてゆ く箱で,厚い板で作られていて、
重い盃がはまっている.身も蓋 も隅は三枚紀みつぎの手法で按合され、木の釘 でとめてある.底板は宝の板よりやや うすい.所用地はわからない.
文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 ( 二 ) ( 中 村 )
に て 製 し 、 海 水 に 浸 す も 潮 の 入 る な 最 堅 こ と く も 牢 で あ る ( 1 ) と い
う・ .
そ の よ う
な 湖 の 入 ら な い 堅
牢 箱 な は の な 栂 ど よ う 造 な の で あ ろ う 。 寸 法 て み 標 本 を る の に お い て は' 高 一 と と こ 身 は っ さ ' 八 八 チ、 そ 正 面 は 二 六 セ ン の 八 奥 行 1 九 セ ン チ' き は . ・
・
〇 セ チ。 ン 従 て の こ っ 標 本 の 本 体 は 正 方 形 の 側 面 縦 と ' 坑 の 比 率 が 一 対 一 四 の ・ 矩 形 の 正 面 有 す が か を る こ わ と る。
胴 の 側 板 は 厚 さ 1 四 底 板 厚 は ] ○ の さ , ( リ , , , , 、
リ で' 厚 い 板 を 用 い て 作 れ て い ら る 。 問 題 は そ の 板 同 志' 側 板 と 側 板 の と 阻 み 方 で' 側 板 と 正 面 の 板 は と 非 常 に 特 徴 的 な l 柾 の 三 枚 組 み つ 手 法 用 の ぎ を い て 接 合 れ て い お そ さ る。 よ 組 み つ の ぎ 手 法 に は 相 つ 欠 け ぎ ゃ 五 枚 組 み つ ぎ な の ど 型 が あ 三 枚 る。
組 つ 最 み は そ の ぎ も 一 般 的 型 な で は あ が、 の 沖 箱 側 る こ の そ れ は、 面 の 板 の 上 端 か 約 ら
六
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号 三 二
六蓋 の 内 側 の セ イ と 膚 の 側 板 の 湖 か tP ヰ の 部 分 と の 間 に は 約 1 0 ミ リ の 開 き が あ り ' 袖 は あ な が ち
蓋受 け に は な ら な い
こ と が わ か る 。
側 板 と 底 板 と の 接 合 は 平 打 ち で 、 太 さ 五 ミ リ の 木 の 釘 が 用 い ら れ て い る 。 底 板 に は ' こ の 木 の 釘 の 位 置 と は す こ し
ず つ ず れ ' 別 に 直 径 三 ミ リ ほ ど の 小 さ な 釘 の 跡 が 二 部 に か す か な が ら 残 さ れ て い る 。 こ の 小 さ な 釘 の 間 隔 は 約 五 〇 ミ
リ で ' も と 底 板 の 四 隅 に そ っ て 細 い 横 が 打 ち つ け ら れ て い た こ と を 示 す 。
蓋 は 被 せ 蓋 の 型 式 を と り 、 正 面 は 三 〇 ・ 〇 セ シ チ ' 奥 行 き は 二 二 ・ 〇 セ ン チ ' 高 さ は 六 ・ 五 セ ン チ ' 板 は 厚 さ 約 一
四 ミ リ あ る 。 甲 板 の 表 面 に は 木 理 が ‑ つ き り と 浮 び 上 り ' こ の 箱 が な が い 歳 月 ' 使 用 に 耐 え て き た こ と を 物 語 る 。 蓋
の 緑 も ま た 激 し ‑ 凹 凸 し て い る 。 蓋 の 側 板 同 志 は 三 枚 組 み つ ぎ で 組 ま れ 、 ま た ' 正 面 に は 緑 の 所 に 幅 一 二 ミ リ ' 長 さ
八 〇 ミ リ 、 厚 さ 五 ミ リ の 短 冊 形 の 竹 の 板 が 一 枚 打 ち つ け ら れ て い る 。 こ の 板 は ' 反 対 側 の 同 じ 位 置 に も ' か す か な が
ら 同 じ ほ ど の 大 き さ の 板 を と め た と 思 わ れ る 釘 の 跡 が 残 さ れ て い る の で t 蓋 を と め る 緒 の 縄 ず れ を 防 ぐ た め に 取 り 付
け ら れ て い た の で あ ろ う 。 紐 も 現 在 は す で に 失 わ れ て い る が 」 曽 て は 、 底 の 下 に 槙 が あ り ' こ の 横 の 穴 を 通 し て 緒 が
か け ら れ て い た と 考 え ら れ る 。
箱 の 表 に は 一 面 に 墨 か 渋 が 塗 ら れ て い た ら し ‑ ' 剥 落 の 様 相 を 呈 し て い る 。 ま た ' 箱 の 蓋 を 返 し て み る と ' そ こ に
は 細 い 刃 物 の 引 き 症 や 突 き 症 が 生 々 し く 残 さ れ て い る 。 こ の 症 は 餌 袋 に い れ る 小 魚 む 刻 ん だ 跡 で は な い か と い 午
所 蔵 の 資 料 中 ' こ の 沖 箱 に 析 す る 標 本 と し て は 」 高 知 県 室 戸 町 の 吉 岡 高 吉 氏 所 用 の 沖 箱 、 鹿 児 島 県 大 島 郡 十 島 村 平
島 旦 向 氏 所 見 の イ ソ バ コ ' 沖 縄 か ら 採 集 さ れ た ク ト イ バ ー ' 高 知 県 清 水 町 の 山 城 星 儀 右 街 門 船 住 徳 丸 の 仕 切 箱 、 そ れ
に 、 静 岡 県 採 集 の ツ ゲ の 五 例 を あ げ る !) と が で き る 。 こ の う ち 静 岡 の ツ ゲ は 側 板 に は 袖 が な く ' 王 は 側 板 に 打 io つ け
ら れ た 姫 に よ っ て 受 け る よ う に な っ て い る の で ' 一 応 除 外 す る と す れ ば t
J残 り 四 例 に は ' 側 板 の 袖 と い い 全 体 の 寸 法
第 1 5 図 高知県室戸の沖箱
1 I
1
・①
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L ̲̲] 占 1
は組ずれをふせぐ鉄の軌 2 は蓋を うける木の枠 、 3 は緒を通す枠の小さ な穴 、
4 は組み手のア リ型のホゾ 、5 は底板 、 6 は底板の下に打たれた桟, 7 は
落 としの仕切箱 . 8 は箱の底鼠 9 は桟にあけられている緒を適す小穴、
1 0 は袖。第 1 4 図の所用地不明の沖箱も、 もとはこのような形をし
ていたと考 えられる 。 文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (二 ) (中 村 ) と い い 、 板 の 接 ぎ 方 と い い '
蓋 ' 底 の 作 り に い た る ま で t は ゞ 共 通 の 手 法
を 見 出 す こ と が で き る 。と こ ろ で 、 こ の 四
例 に つ い て ' 特 に 興 味 深 い の は 側 板 の 袖 の 機 能
で あ ろ ‑ 。 袖 は 以 上 四 例 で は 組 み 手 に と ど ま
ら ず ' 王 の 枢 と な る 桟 を 支 え て い る 。 こ の 桟 は 吉
岡 氏 の 沖 箱 で は 幅 三 〇 ミ リ 、 厚 さ 一 五 ", リ で
三 枚 阻 み つ ぎ の 蟻 柄 ' 平 眉 の 磯 箱 や ク ー イ バ ー
で は 平 打 ち で 接 合 さ れ て い る が ' い ず れ も 釘
な ど つ か わ ず 身 の ま わ り に ぴ っ た り 撮 め ' 袖 の
上 に の せ ら れ て い る の で あ る 。 し か し ' こ の 桟
の お か げ で ' 身 と 蓋 と は 完 全 に 喝 合 い ' ま た 、 身 と 蓋 と の 間 に 生 ず る
内 部 の 透 間 を 利 用 し て ' 中 子 を 落 し で い れ る こ
と 滝 で き る よ う に な る 。 そ こ で ' こ の 所 用
地 不 明 の 標 本 に も 仮 に 袖 の 上 に 横 が 験 ま っ て い た
と す れ ば ‑ 桟 を 拡 認 す る こ と
史 料 館 研 究 紀 要 第 三 号
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