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自由化と私的医療保険

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自由化と私的医療保険

安 井 敏 晃

■アブストラクト

本稿では,現在わが国において極めて身近な保険となっている私的医療保 険について検討した。まず同保険が扱うリスクの性質について検討を行い,

生命保険が扱う死亡リスクに比べて保険で扱うことが難しいリスクであるこ と,さらに定額の医療保険であっても取り扱っているリスクは 医療費 リ スクであることを改めて確認した。次に同保険に関する疑問や批判について 検討した。この保険は自由化以降に多様化が進展しているが,その多様化に ついて疑問や批判が投げかけられている。これらの疑問について検討した上 で,医療保険のあり方について私見を述べた。

■キーワード

自由化,医療費,多様化

はしがき

周知のように1995年の保険業法改正に始まる自由化によりわが国の保険事 業は様変わりしたといってよいであろう。業法改正により生損保それぞれの 子会社による相互参入が認められ,保険企業の数が増加した。また本稿で取 りあげる私的医療保険を含む第三分野については生損保会社がそれぞれ本体 での参入が認められた。その後も算定会料率の遵守義務が廃止され,損害保 険事業においてウェイトの高い分野の保険料率が自由化されるなど,自由化

/平成22年9月3日原稿受領。

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は著しく進展して現在に至っている。このように保険事業は大幅に自由化が 進んでいるが,本稿ではその中でも医療保険を取り上げたい。生損保本体に よる兼営は現在でも認められていないが,医療保険では両業界が直接対峙し ている分野である。いわば自由化の象徴的な分野といえよう。医療保険の自 由化以後の現状と今後のあり方について検討していきたい 。

第一節 私的医療保険について

私的医療保険について検討をすすめるにあたり,煩瑣ではあるがまずその 意味内容を改めて確認しておきたい。当然ではあるが,私的医療保険は公保 険ではなく私保険として販売されている医療保険を意味する。さらに医療保 険そのものは保険辞典において 被保険物が疾病または災害により医師の治 療を受けた場合に所定の給付をする保険 と定義されている 。さらに,わ が国においてこの医療に関する保険には医療費を塡補する保険(これは医療 費用保険として販売されている)だけではなく,医療サービスが必要となる 際に定額が支払われる保険も販売されている。前者に比べて後者の方が一般 的であるため,医療保険というときには両者を含む場合もあるが,後者だけ を意味する場合が多い。このように医療保険のなかで,定額保険が中心であ ることは世界的にみるとむしろ特殊であることが指摘されている 。

医療保険の類語としては,健康保険(固有名詞としての健康保険ではなく,

普通名詞としての健康保険)があるが,これと医療保険の意味するところは 微妙に異なっていることに注意したい。健康保険(Health Insurance)は,

医療費用保険(Medical Expense Insurance)と就業不能所得保険(稼得

1) 保険は一つの制度であるから,保険商品と呼ぶのは一種の擬制である。それ 故,保険についての知識が乏しい消費者に保険のメカニズムを伝えるうえでは,

保険商品と呼ぶ捉え方は必ずしも適切ではない場合がある。しかしながら,本 稿では,各社が保険者となり取り扱っているそれぞれの医療保険を区別する必 要から,以後商品という言葉を使用している。

2) 保険研究所[1978] 保険辞典 p.44。

3) 泉[2006],p.251。

(3)

保険:Disability Income Insurance)の二つに大きくわけられている 。し かしながら前述のように,わが国の医療保険は定額の医療保険が主体である が,これはもちろん前者ではなく,また純粋の就業不能所得保険とも異な る 。事態が複雑なのは,この健康保険と医療保険を区別しない場合がある ことである。例えば,生命保険用語英和辞典は

Health Insuranceを健康保

険だけでなく医療保険とも訳している 。また他にも,医療保険が前述の健 康保険の意味として把握される場合がある 。確かに,就業不能所得保険と 医療費用保険には共通する部分もある。しかしながら,本稿では,医療保険 は定額の医療保険と医療費用保険からなるものとして理解し,これらと就業 不能所得保険を併せた保険が健康保険であると理解したい。その理由として は次の点があげられる。まず,わが国においては私的医療保険の範疇に就業 不能保険を含めて考えることが一般的ではないどころか,前述のように定額 の医療保険を指すことが多いからである。さらに,米国における

Health Insuranceの意味である。中浜は米国においては   Health Insuranceでさえ

一般に

Medical Expense Insuranceと同じ意味で用いられていることを指

摘している 。就業不能保険を含むことに異論がないはずの

Health Insur- anceでさえ,そのような理解がなされている。そのため,本稿では医療保

険の範疇に医療行為と直接結びつかない就業不能所得保険を含めないことに より,無用な誤解を避けておきたい。

4) ブラック[1996],p.375。

5) もっとも,後述のように一種の就業不能所得保険であるとする見解もある。

泉[2006],p.251。

6) 生命保険文化研究所 1998年生命保険用語英和辞典 。同辞典には 医療保 険,健康保険病気や傷害によって生じる 所得の喪失loss of income ╱ 院費外科手術費高額療養費 等をカバーするHIを言う とある。

7) 医療保険(health insurance)は,医療費保険と就業不能所得保障保険に 大別される 。中浜[2006],p.32。

8) 中浜[2006],p.32。

(4)

第二節 医療保険が扱うリスクについて

それではこの私的医療保険が扱うリスクにはどのような特徴が見られるの だろうか。この点について堀田および明田の先行研究を基に考えていきた い 。

堀田は医療保険が扱うリスクを医療リスクとして分析し,次の三つの特徴 をあげている 。まず第一に 十分なリスク情報の入手が困難な ことであ る。このことは情報の非対称性から生じる。第二にこのリスクは, 加齢と ともに著しく大きくなる逓増リスク であることである。第三にこのリスク は 医療保障制度や医療技術の変化など,外部要因に大きな影響を受ける ということである。

また明田は死亡保険の引受リスクと比較したうえで,この医療保険の引受 リスクの特徴として次の点を挙げる 。第一に 発生率が不明確,不安定 ということである。第二に 手術給付と死亡保険引受リスク の間には逆相 関の関係があるということである。第三に 加入後のモラルハザードが働き やすい ということである。このうち,第一の発生率が不明確,不安定であ ることの内容としては,さらに次の諸点が指摘されている 。まず各社の給 付内容が異なるため同じ基準で統計がとれないことがある。次に加入形態に より各種の統計に差が生じる可能性があること,さらに各社個別のデータで は,そのデータ数には限界があるということがある。最後に医療保険自体が 新しい保険であるために高齢者のデータが乏しいということがあげられる。

第二の特徴としてあげられていた逆相関の関係にあるという点であるが,

これは医療技術の革新によって手術給付が増大する可能性はあるものの,そ

9) 堀田[2006a],pp.3‑14,[2006b],pp.223‑248,[2007],pp.1‑12,明田裕

[2006],pp.201‑222。

10) 堀田[2007],pp.5‑6。

11) 明田は医療リスクではなく医療保険の引受リスクとして説明している。明田

[2006],pp.202‑203。

12) 明田[2006],pp.202。

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のことは逆に死亡給付を減少させるようになるという意味である。そのため この特徴は死亡給付を付加した医療保険の引き受けリスクの特徴ではあって も,医療リスクそのものの特徴ではない。

さらに堀田は,生命保険と比較しながら医療保険の特徴として次の諸点を 挙げている 。まず第一に 保険事故認定の客観性が低い ということであ る。第二に リスク発生が反復的である ということである。このことは医 療保険においては保険事故が繰り返して生じうると言うことを意味している。

第三に 給付形態の違い ということである。これは定額の医療保険といえ ども,生命保険のように約定の保険金額が支払われるのではなく,例えば一 日の給付金は定額であっても,入院日数により受け取る保険金の総額は異な る。このように入院給付金が疾病日数により増減するということから,損害 保険に近い性質をもつという意味である。第四に モラルハザードの発生に ついて である。医療保険の場合には,生命保険に比べ,よりモラルハザー ドが発生する懸念があることが指摘されている。第五に 財務上のリスク管 理 の問題があるということである。このことは,保険金支払に影響を与え る変数が多く,将来の保険金支払額を正確に予測することが難しいことを意 味している。これらの医療保険の特徴のうち,第三の給付形態の違いという 特徴を除くと,残りの指摘は単に医療保険の特徴というにとどまらないであ ろう。保険事故認定の客観性が低いこと,リスクの顕在化が反復的であるこ と,モラルハザードの作用が大きいこと,リスクの正確な把握が困難という 点(前述の将来の保険金支払額を正確に予測することが難しいという点に相 当)は,医療保険の特徴であると同時にいずれも医療リスク自体の特徴とし て把握することができよう。

指摘されているこれらの特徴から,医療保険と生命保険とでは,取り扱う リスクが大きく異なることは明らかである 。生命保険(死亡保険)が扱う

13) 堀田[2007],pp.6‑10。

14) これに対して,本来の就業不能所得保障保険におけるリスクは,死亡リスク と共通点がある。他ならぬ 就業が不能 という点が共通するからである。死

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死亡リスクは被保険者の死亡に伴う関係者の経済的不利益の発生のおそれで ある。ここでは主たる稼ぎ手が死亡した場合の妻子などの遺族の経済的不利 益,企業のキーパーソンの死亡に伴う企業の打撃が問題であった。それに対 して医療リスクではどうだろうか。その性格を明らかにするために,医療費 を塡補する医療費用保険において,リスクが顕在化する場合を考えてみよう。

最初に被保険者の傷害なり疾病といった体の不調がある。次にそれを治療す るための処置として医療サービスを受け,その費用を支出することで損失が 発生することになる。もちろんわが国において主流となる定額の医療保険に おいても,リスクが顕在化する場合は同様に傷害なり疾病があり,その治療 のための費用が発生することになる。定額保険の場合には支払われる保険金 ないし給付金の額は,必ずしも支出した費用と同額ではない点が異なってい るものの,両者ともに取り扱うリスクは医療費支出のおそれ,つまり医療 費 リスクである。前述の指摘に加えて,この医療リスクはより正確にい うと医療費リスクとして捉えられるべきであることを確認しておきたい。

ところが前述のように,わが国の医療保険はその中心が定額保険である医 療保険であり,医療費を塡補する損害保険ではない。その保障内容は医療費 に関わるものではあるが,厳密に医療費を塡補する保険ではない 。入院給 付金ならば入院日数に定額を乗じた金額が支払われる。手術給金ならば,例 えば入院給付金日額の何倍かの金額が支払われる。それゆえ,治療に必要と なった治療費を厳密に計算して塡補するわけではない。また支払われた給付

亡保険は一家の主たる稼ぎ手が死亡により稼得能力を失うからこそ残された遺 族のために必要となるのである。全面的恒久的就業不能(total and perma- nent disability)の場合であれば,死亡と同じく,就業不能状態が固定化され ることになる。ヒューブナ―は,生命保険はすべての形態の経済的死亡から保 護するとしている。この経済的死亡として 棺桶死亡 (casket death)と 生きながらの死亡 (living death)そして 引退死亡 (reirement death の3種類をあげるが,この 生きながらの死亡 こそが恒久的就業不能である

(Huebner[1964],p.11)。もっとも全面的であっても,一時的就業不能であ れば,その状態は固定化されるわけではない。

15) 堀田[2006b],p.231。

(7)

金は決してその使途が限定されている訳ではない。しかしながら,この入院 給付金は入院が前提であり,手術給付金もまた手術が前提となる。そのため この保険が扱うリスク自体はやはり医療費リスクとしてしか捉えられない 。

この医療費リスクが死亡リスクと大きく異なる点は,同じく人体に関わる リスクであっても,前者はあくまで費用リスクということである。そのため,

死亡リスクと異なり,リスクが顕在化した場合の損失額を算出することが本 来は可能なはずである。

また,死亡リスクは死亡という状態そのものをペリルとするリスクである のに対して,医療費リスクは人間それ自体の異常状態つまり疾病や傷害その ものをペリルととらえてはいない。その異常状態を正常な状態に回復させる ための処置つまり医的サービスへの支払いをペリルととらえ,その費用を損 害と捉えるリスクである。この疾病および傷害と人体の関係は,いわば異常 事態と保険の目的物との関係ということができる。住宅総合保険を例にとり この関係を考えてみよう。住宅総合保険においては,建物にペリルが発生し たことにより生じる損害を塡補することになるが,このペリルが建物に与え たダメージはさらに建物の滅失と建物の損傷に分類されることになる。つま り建物が滅失することと,滅失しないものの何らかの損傷を受けた場合の二 種類である。この滅失と損傷を人の場合になぞらえるならば死亡が前者にあ たり,医療を必要とする疾病や傷害は後者にあたることになる。建物が滅失 する頻度が,その損傷の頻度にくらべてより低いように,死亡事故の発生頻 度は疾病と傷害を合計した場合の頻度よりも当然小さくなる。このことから も医療費リスクが,死亡リスクに比べてはるかに頻度が高いことはわかる。

さて,このように医療費リスクについて概観してきたが,指摘されてきた リスクの特徴は,次のように整理することができるのではないか。すなわち

①加齢に伴い事故発生確率が逓増すること,②外部要因に非常に影響を受け ること,③リスク情報が乏しいこと(これは二つのリスク情報に分けられる。

16) このように医療費に対して定額の保険金との間にギャップがあることについ ては,後述のように問題点が指摘されている。

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すなわち個々の被保険者自身のリスクおよび危険団体のリスク双方について 情報が乏しいことである),④モラルハザードの影響が強いこと(被保険者 の主張が大きな影響を持つため,事故の客観性が低いことも含む),⑤リス クの顕在化が反復すること,⑥費用リスクであることの六つである。これら の特徴のうち,⑥を除いた特徴からは,少なくとも死亡リスクに比べて保険 による対処が難しいことがわかる。特に長期の医療保険については,保険で 対処することがかなり難しいことが指摘されている 。

もっとも,現在では保険期間が長期におよぶ医療保険が販売されている。

この点に関して明田は特に,終身保障について十分注視する必要があると注 意を喚起している 。また販売後に事故発生率等の基礎率に大きな変更があ った場合について,基礎率変更権の留保などの対処策が採用されていること を指摘している 。確かにこれらの方策を実施することが可能であれば,長 期の医療保険は可能となる。しかしながら,堀田はこれらの対応策は様々な 問題を生じさせることを指摘している 。また,そもそも基礎率の変更とい う契約の基礎を根本から変える方策を考慮する必要があること自体が,長期 の医療保険が難しいことの証左ともいえよう。

第三節 私的医療保険の現状に対する疑問

それでは次にこの私的医療保険の現状について考えていきたい。同保険は 活況を呈しており,2010年現在では医療保険関連の特約商品を含めると,実 に50社近くから販売されている程である 。単に取り扱う会社数が多いだけ ではなく,その内容も幅が広くさまざまなバリエーションがある。特に自由

17) 堀田[2006b],p.243。

18) 明田[2006],p.208。

19) 明田[2006],pp.210‑213。

20) 堀田[2006b],pp.243‑244。

21) 新日本保険新聞社が発行する 平成21年度版 第三分野商品のすべて に収 録されている会社のなかで,これらの保険を販売している会社は実に48社にお よぶ。

(9)

化以降,商品毎の違いは大きくなっていき,現在に至っては単に違いがある というだけにとどまらず,簡単には比較できない程であることが指摘されて いる 。このような多様化が進むことは,一見望ましいようにも考えられる。

消費者の価値観やライフスタイルは多様であることから,求める保険商品も また多様なはずである。そのため消費者にとり多くの選択肢があることは,

それだけ自己のニーズに適合する保険を選択できるため,望ましいように思 える。

しかしながら,この現在の多様化については疑問や批判も多いのである。

例えば米山は,医療保険を含む第三分野における自由化について,三つの疑 問を投げかけている 。第一に 商品の機能が見えなくなってしまうほどの 多様化(複雑化)では消費者の利便性につながらないのではないか ,第二 に 標準化できていない ことから, 適正な価格づけをしているのか ,第 三に 国民の本当に必要とすべきニーズにマッチした保険であるのか とい う疑問である。他にも,疑問や批判をなげかける論者は多い 。

第一の疑問と第二の疑問はともに,多様化の進展方向への批判ということ ができよう 。前述のように,多様化が進展しすぎたことから,相互の比較 が困難になったことが批判されている。確かに,商品毎に内容が大きく異な ることから,相互の機能の比較は難しい。そのために,その価格が妥当であ るのか,もはや消費者には判断が難しくなってしまっているのである。それ どころか,もはや保険の専門家でさえ各社の保険商品を比べることが難しい との指摘さえあるほどである 。つまり担保される範囲や不担保の期間,免 責事由など細かな点で内容が異なっているため,各々の保険商品を比較した 場合に,自分にとり最も望ましい保険商品はどれか,そして保障内容に照ら

22) 宮地[2006],p.117。

23) 米山[2009],pp.39‑40。

24) 江澤[2006],p.136,明田[2006],p.221,堀田[2006b],p.238等。

25) 米山[2009],pp.39‑40。

26) 明田[2006],p.221。

(10)

してどの商品が割安であるのかを,簡単には比較できないほど様々な商品が 販売されているのである。このことが望ましくない理由には,保険業の自由 化の理念が関わっている。

そもそも保険業自由化が実際に進展したのは,1996年の保険業法改正以降 であるが,この改正は1992年の保険審議会答申( 新しい保険事業の在り 方 )を契機とする改革の成果であることが指摘されている 。この審議会 においては,保険事業の在り方について3つの視点から検討がなされたが,

その一つが利用者の立場からの視点である(後の二つは国民経済的見地,国 際性である)。この利用者の立場はさらに3つの観点から検討がなされてい る。その一つが 事業の効率化を進め,より安くより良い商品,サービスの 提供がなされるかどうか という観点であった 。言うまでもなく,何が より安くよりよい商品 であるのかがわからなくなる程の多様化は望まし いわけではないことがわかる 。

また前述の第二の疑問のなかには,多様化がもたらした副作用についても 疑問が投げかけられている 。 複雑化ゆえに不払いや不適切な不払いが生 じたとすると という条件付きではあるが,保険金不払い問題の発生があげ られている。周知のように,2005年に保険金不払い問題が生損保いずれの業 界においても発覚し,大きな関心を集めることとなった。金融庁の調査結果 はこの不払問題の原因の一つとして支払査定担当者等が十分に約款・マニュ アル等に対して理解せずに支払業務に従事していたことを指摘している 。

27) 水島[2006],p.131。

28) 後の2点は 事業の健全性を維持することにより,安定的な商品,サービス の提供がなされるかどうか , 利用者間の公平性が確保されたものとなるかど うか という点である。保険研究会編[1992]pp.26‑27。

29) もっとも,社会的に望ましいか否かはともかく,大手企業と比較して経営効 率が劣ると考えられる中小保険企業が,価格競争を避けるために商品内容を複 雑化することは,合理的な行動であるといえる。

30) 米山[2009],p.39。

31) 金融庁 損害保険会社の第三分野商品に係る保険金の不払い事案の調査結果 について (平成19年3月14日発表,http://www.fsa.go.jp/index.html

(11)

商品内容が単純であれば,当然より早くより深く理解することが可能となっ たであろう。それ故,多様化のみが不払い問題をもたらしたとは言えないも のの,原因の一端を担っていたものと考えられよう。

さらに前述の第三の疑問は,多様化の結果生み出された商品内容に対する 指摘と理解することができよう 。もちろん多様化の進展によりさまざまな 商品が生まれてきており,そのすべてが批判されているわけではない。例え ば宮地は近年の医療保険の動向として次の点を指摘している。保障対象範囲 の拡大,ターゲットの拡大(ここでは,医療保険の対象となる被保険者の範 囲の拡大を意味している),女性特化型医療保険の増加,入院給付金の通算 支払い限度日数の拡大と入院日数の拡大,医療保障の終身化,競合他社の多 さ,支払の多様化,保険料を割安にする工夫である 。これらのうち,保険 料を割安にする工夫などが望ましくないわけではない。しかしながら,短期 入院についてまでも給付金が支払われる傾向はどうか。米山はこの点を疑問 視する 。他にも公的健康保険が充実していることを理由に,短期入院に対 しては貯蓄等で十分対処が可能であるとして,この場合の保険給付に疑問を 投げかける論者がいる 。これらの批判は,公的医療保険制度が発達してい る我が国における私的医療保険制度のあり方を考えるうえでも重要なので,

今少しこの点を考えてみたい。

現在では前述のように,私的医療保険の給付対象として短期入院への対応 が進んでいる。しかしながら同保険が販売された当初,短期の入院について

32) 米山[2009],p.39。

33) 宮地[2006],pp.103‑108。

34) 米山[2009],pp.39‑40。

35) 安井(信)[2007],p.8。学術的な見地からだけではなく,消費者向けの保 険のアドバイス記事においてもこの点が指摘される。例えば内藤は,同じく公 的医療保険が発達していることを理由に民間医療保険はいらないとしている。

その代わりに貯蓄をすすめ, 貯蓄こそ,万能の保険 として貯蓄を重視する ことを述べている(内藤[2008],p.96)。もちろん,貯蓄と保険を同一視する 点に問題はあるが,公的保険の充実から民間医療保険の必要性を疑問視するこ とには首肯できる点がある。

(12)

は保険金または給付金が支払われてはいなかった。給付対象となる入院日数 の変化について,丹下に依拠して確認しておきたい 。入院を保障する私的 医療保険商品は単品では1976年から販売されたが,当初は20日以上の継続入 院に対して初日から給付金が支払われるものが基本であった。つまり,短期 の入院は対象外であったのである。その後1987年には,多くの会社で4日間 の不担保期間が導入された。不担保期間が短くなったのであるから,従来よ り短期の入院にも対処するようになったのである。さらに2001年以降に第三 分野商品が解禁されてからは,不担保期間そのものが廃止されてしまったり,

一泊どころか日帰り入院へも支払うような商品が登場した。

現在ではごく短い入院をも保険金(給付金)の支払い対象とする保険商品 は珍しくはなくなった 。このように不担保期間を短縮・廃止した理由とし ては,入院の短期化に対処するためであることが指摘されている 。退院患 者の平均在院日数をみると,1990年には,47.4日であったのが,2008年には,

37.4日と20年あまりでちょうど10日間も短くなっている 。もちろん,入院 日数自体が短期化し,支払い条件を満たさない場合が多くなれば,入院保障 を付保する必要性に疑問が抱かれるようになることはわかる。それ故,入院 期間の短期化に対して,保険者が何らかの対応をせまられたことは理解でき る。例えば縄田は この実態を踏まえ,消費者ニーズを満たすためには,長 期入院に対するリスクより,給付日数を短縮化し,保険料を低廉化し競争力 を高める動きは自然の流れといえる と指摘する 。確かに,入院日数の短 期化が進むことに対応して,不担保期間を縮小していくことは消費者にとり わかりやすく,また理解をえられやすいであろう。

しかしながら,いくら理解されやすいとしても,短期入院までも本来保険

36) 丹下[2009],pp.3‑5。以下この入院日数の変遷は丹下[2009]参照。

37) 宮地[2006],p.106。

38) 丹下[2009],p.5,宮地[2006],p.106。

39) 平成20年患者調査による。

40) 縄田[2008],p.261。

(13)

で対処する必要が本当にあるのだろうか。公的医療保険が整備されているわ が国においては,特殊な状況でない限り短期の入院に必要な自己負担額は決 して高くなることはない。高額療養費制度があることから,一般所得者の場 合には8万100円に上限額を超えた医療費の1%を加えた金額が自己負担の 限度額である。この程度であれば貯蓄で十分まかなうことが可能である。不 担保期間を短縮するのではなく,指摘されているように,むしろ短期の入院 を担保範囲から除くことが必要なのではないか 。除外することにより,保 険金支払件数が減少するから,支払保険金総額の減少を通じて結果として保 険料は低廉となるはずである。江澤は不担保期間の復活は小損害免責と同じ 効果をもたらすとし,保険料を低廉にする効果を指摘している 。確かに,

小損害免責には三つの目的があるとされ,そのひとつに保険金の支払総額を 減少させることで保険料を低減させる効果がある 。小損害はそれ自体に対 する保険金支払い額は小さいものの,発生頻度が高いことから総額では無視 できない金額になる。それゆえ,小損害を免責とすることで保険料の低減が 期待できるのである。不担保の期間を長くすることもまた同様の利点を見込 める。しかも,入院期間自体が短期化しているのであるから,その効果は大 きいはずである。例えば,平成20年患者調査によると,病院における推計退 院患者数の在院期間では,在院期間が14日以内の患者数の割合が全体の64.3

%を占めている。在院期間を1月以内にまで広げるとその割合は8割以上に およぶ 。同調査によると,さらに一般診療所に至っては,在院期間が14日 以内の患者数の割合は全体の79.5%を占めている。もちろん保険金の支払わ れる件数が少なくなるならば,保険としての魅力は低下してしまうように考 える消費者もいることであろう。そのためこのことは消費者のニーズに逆ら

41) 安井(信)[2007],p.5。

42) 江澤は不担保期間について,他にもモラルハザード対策として意味があるこ とを指摘している。江澤[2006],p.137。

43) 近見[1993],pp.144‑145。

44) 同じく病院における在院期間が15日以上30日未満の患者数は,16.9%を占め る。 平成20年患者調査 p.66。

(14)

うために,一見,望ましくないようにも思えよう。しかし当然のことながら,

保険として十分に機能を果たせるのである。例えば火災保険統計から,火災 に罹災する確率を見てみよう 。2007年度における住宅物件の事故頻度は 1.57%にすぎない 。それにも関わらず,火災保険の普及率は53.5%に達し ている 。火災保険の必要性が理解されているのは事故発生時の損害額が大 きいからである。つまり家計にとって,損害強度が高いからである。同じく 平成19年度の新契約における保険金額の平均をとると15,200,365円と,平均 的な家計にとり極めて高額であることがわかる 。

そのため,入院期間自体の短期化に対しては,逆に不担保期間を維持ある いはむしろ拡大することで,保険金支払いの抑制を通じた保険料の低廉化を 図ることが望ましいのではないか。消費者に理解をうる必要があるならば,

一種の消費者教育も必要となろう 。

このように,多様化の内容として短期入院への対応には批判があった。反 対に長期入院への対応については,その重要性はよく指摘されている 。も ちろん公的医療保険によりほとんどの医療費がカバーされるため,患者側の 負担は小さく3割負担にすぎない。しかも高額療養費制度がある。しかしな がら,長期入院ともなると,考慮しなければならない点がある。まず,前述 の高額療養費制度はあくまでも月ごとの限度額である。また差額ベッド代が 必要な場合には,長期入院の負担はさらに重くなる 。

45) 損害保険料率算出機構統計集(平成20年度) ,pp.6‑7。

46) リトンベーシス事故頻度である。

47) 損害保険ファクトブック2006 。火災保険(建物)53.5%(2002年12月調 査)。

48) もっともあくまでも 保険金額 の平均であり, 保険価額 の平均ではな い。

49) 不担保期間に関してではないが,堀田は今後医療保険を巡り,民間保険会社 が取り組む課題として,複雑な保険商品を誤解なく,わかりやすく消費者に伝 える工夫が必要であると指摘している。堀田[2006b],p.245。

50) 安井(信)[2007],p.5,宮地[2006],p.118。

51) 他にも長期入院のばあいには,所得の喪失が大きな問題となる。しかし,本

(15)

このように,長期入院において私的医療保険の必要性は明らかである。し かしながら,長期入院への対応に対しては懸念がないわけではない。他なら ぬモラルハザードの存在である。そもそも医療保険自体が,前述のようにモ ラルハザードが懸念される保険である 。まして長期の入院が対象となると,

モラルハザードの作用が大きいことが指摘されている 。江澤が紹介するよ うに,宮副は保険金支払い事例から分析した結果,入院日数が累計700日以 上の場合では,医学的には入院する必要がないと思われる件数が少なくない ことを指摘している 。そのため,長期入院を保障することになると,実効 性の高いモラルハザード対策が不可欠となる 。前述の医療費リスクの特徴 がやはり制約となるのである。

第四節 私的医療保険のあり方について

このように私的医療保険の多様化については批判や疑問も投げかけられて いる。さらに,多様化にとどまらず,現状の私的医療保険のあり方そのもの についても疑問が提起されている。前述のようにわが国の私的医療保険につ いては就業不能所得保険に過ぎないとの指摘がなされていたが,米山も同様 の指摘をしている 。その疑問は,公的医療保険が発達しているわが国にお

来ならばこのリスクに対しては就業不能所得保険が必要となるはずである。

52) 明田[2006],pp.202‑203,堀田[2007],p.8。

53) 江澤[2006],pp.128‑130。江澤は宮副や吉田の調査を紹介して,長期入院 でのモラルハザードの作用が大きいことを指摘している。吉田等は症状毎に分 析した結果として,高血圧では,入院日数とともにこの作用が大きいと思われ る入院占率が増加していることを明らかにしている(吉田他[2002],pp.260‑

262)。

54) 宮副[1990],p.257。

55) 極めて長期の入院(超長期の入院)を保障するに際しては,例えば,団体保 険に限定すること等が対策として有効と考えられる。対象となる団体を一企業 の被用者団体とするなど,加入条件を厳しくするのである。つまりモラルハザ ードの作用を保険契約以外の手段で制約するのである。もっとも,被保険者の 範囲が狭まるという問題点はある。

56) 泉[2006],p.251,米山[2009],p.39。

(16)

ける私的医療保険のあり方そのものについての疑問といえるので,この点を 改めて考えてみたい。

前述の泉は,わが国の私的医療保険が就業不能時の収入保障保険にすぎな い原因として,公的医療保険のカバーする範囲が広いので, 民間の医療保 険は存在意義を見いだせなかった ことを指摘している 。つまり,わが国 においては,医療費用を塡補する保険のニーズが低いため,定額の医療保険 が中心となったということである。医療費用を負担するだけの医療 費用 保険はわが国の消費者には好まれていないのである。他にも同様の指摘がな されている。例えば,須藤は医療費の自己負担額を全額塡補する医療費用保 険が1984年に健康保険の被保険者の自己負担額が1割に改正された際に開発 されたことを述べた後に,この保険が 全く売れなかった ことを指摘して いる 。現在でも,この医療費用保険は決して大きな地位を獲得しているわ けではない。インシュアランス統計号(損保版)の種目別元受保険金額一覧 表においては項目さえ設定されていない。それに対して前述のように,生命 保険商品の中で定額の医療保険は,がん保険を含めると個人保険の商品中新 規契約件数で全体の4割に達している。保険商品として保険業に与える影響 を考えた場合には,医療費用保険は定額の医療保険とは比較にならない程小 さな存在であるといえる。

この医療保険の主流が定額保険であることに対する疑問は,前述のように リスクと保障が対応していないことへの疑問と捉えることができよう。つま

57) 泉[2006],p.252。もっとも,就業不能保険が無意味だというわけではない。

この保険はわが国では,損害保険会社からは所得補償保険として販売され(損 害保険料率算出機構[2009],p.62),生命保険会社からは就業不能保障保険と して販売されている(刀禰・北野[1997],p.92)。その必要性はすでに認識さ れており,人保険のなかでフロンティアとなると述べられる程である(明田

[2005],pp.125‑128.,出口[2009],pp.237‑238)。現在ではライフネット社 が本格的な就業不能保険を販売しているが,まだ医療保険のように広く普及し ているわけではない。

58) 西村他[2006],p.10。

(17)

り,医療費リスクに対して,定額の保障がなされることへの疑問である。前 述のように,医療費リスクはそもそもモラルハザードの作用が大きいもので あった。それにも関わらず,必要な保障よりも得られる給付金等の金額が高 くなる可能性があるのならば,モラルハザードの作用を増幅させかねないこ とになる 。それに対して医療費用を塡補する医療費用保険ではリスクと保 障が対応しており,その懸念は少ない。そのため,医療費リスクに対処する 保険としてはより望ましいものとも考えられる。しかしながら,この医療費 用保険が本格的に展開していく場合にも,考慮しておかなければならない点 がある。

これまで見てきたように,私的医療保険のあり方は公的医療保険に影響さ れている。それだけではなく,逆に私的医療保険が公的医療保険に影響を及 ぼす場合もある。このことから,私的医療保険と公的医療保険の相互関係を 考えねばならないことが山田により指摘されている 。例えば,公的医療保 険の給付範囲を制限することは,私的医療保険への加入動機を高める。その 結果,私的医療保険からの給付があることで自己負担が低下すれば,医療へ の需要が高まる可能性があるのである 。公的医療保険財政の改善を図るた めに,受療率自体を下げる場合を想定してみたい。この目的を果たすために,

被保険者の自己負担割合を上昇させるとする。そのときに私的医療保険がそ の自己負担割合分の医療費を補償するときには,受療率低下という目的を達 成することは難しくなる。自己負担割合の設定は小損害免責の設定と同様に 機能するが,その機能の一つに事故防止を促す効果があった 。保険で塡補 されるのではなく,自己負担を余儀なくされることから,事故防止を心がけ るようになるということである。同様に疾病にかからないように体調管理に

59) 泉は 日額型の医療保険が入院期間を引き延ばすファクターにもなりうる。

実際に,給付金のために入院期間を数日引き伸ばすという例などはいくらもあ る と指摘している。泉[2006],p.259。

60) 山田[2006],pp.29‑30。

61) 山田[2006],pp.29‑30。

62) 近見[1993],pp.144‑145,江澤[2006],p.137。

(18)

心がけるという効果を狙い,公的医療保険が自己負担割合を高めたとしても,

医療費保険が自己負担分の補償をするならば事故防止の促進という目的を阻 害することになりかねない。もっとも,医療費用保険が発売されたのは,厚 生省(当時)による私的医療保険の導入をはかるという方向性のもとに開発 されており ,また前述のように販売が好調ではなかったため,この懸念が 現実のものとなっているわけではない。しかしながら今後,公的医療保険制 度の改革は進めざるをえない。その動向によっては,制度改正の目的を阻害 しうる商品が販売される可能性が皆無というわけではない。

結びにかえて

さて,これまで私的医療保険について検討してきた。同保険は,私保険の 中で重要な存在となっているだけではない。公的医療保険の政策を計画・実 行していくうえでも,私的医療保険の存在を無視することはできない。今後 も公的医療保険制度の改革は不可避であるが,その際にはすでに指摘されて いるように ,医療保険と私的医療保険の連携を進めていくことを検討すべ きであろう。そのためには,公的医療保険の改革を受けて新たな私的医療保 険商品を開発するというだけではなく,公的医療保険制度を改革していく際 にも,私的医療保険の現状および動向を考慮したうえで,制度設計を進めて いく必要がある。従って,場合によっては,私的医療保険の商品内容に対し て新たな規制が必要になることも考えられよう。

(筆者は香川大学経済学部教授)

(本稿は,財団法人かんぽ財団・財団法人簡易保険加入者協会平成21年度の助成に よる研究成果の一部である。)

63) 東京海上編[1989],p.251。

64) 堀田[2006b],p.245。

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参照

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