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保険医学からみた民間医療保険の課題

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(1)

保険医学からみた民間医療保険の課題

小 林 三世治

■アブストラクト

医療保険は,生・死を支払対象とする死亡保険と異なり,支払事由が多岐 にわたり多様かつ複雑である。 医療費と入院期間中の所得保障 の性格を 併せ持つものの,わが国で最も普及している民間医療保険である疾病入院給 付特約保険を例に,保険医学(医的危険選択)の立場から,日本保険医学会 誌に掲載された論文を中心に医療保険の課題を検討した。医療保険にも選択 効果が認められるが,その特徴は死亡保険と異なっていた。 公平の原則に のっとり,最小限のコストで,安定した危険差益を確保する といった危険 選択の使命を医療保険においても果たしていくために,正確に告知しやすい 専用告知書の作成,責任開始期後2年経過した入院は責任開始期以後の原因 とみなす約款規定の見直し,給付日額・日数に対する妥当な上限設定,長期 保険期間の短縮,健康情報収集手段の上手な組み合わせ,モラルリスクにも 留意した的確な引受査定,などの対応が望まれる。

■キーワード

民間医療保険,保険医学,危険選択

1.はじめに

保険医学の定義は種々なされてきた。例えば,保険医学の先達はその著書

*平成18年10月28日の日本保険学会大会(中央大学)報告による。

/平成19年1月24日原稿受領。

(2)

の中で,保険医学を 被保人の選択に必要なる事項を研究する学問 命保険における被保険者の医的選択に関する事項を研究する学問 生命 保険事業に於て,被保険者の合理的なる医学的選択を目的として生まれた学 と記述している。いずれにしても,保険医学のコアに民間保険事業が 健全に機能・運営されるために不可欠ともいえる医的危険選択(以下, 危険 選択 )があることに異論はないであろう。

生命保険の危険選択はもともと死亡保険 を対象に組み立てられてきてお り,死亡保険でつちかわれた危険選択のノウハウが民間医療保険(以下,

医療保険 )にも適するかについて過去にも議論されている 。死亡保険に 対しておこなっている危険選択が,入院・手術の可能性の高い重症患者を排 除することによって,間接的に医療保険に対しても選択効果をもたらしたと の指摘もある 。危険選択の目的は 公平の原則にのっとり,できるだけコ ストをかけず,安定した危険差益の確保 することであり,この点に関し て医療保険も死亡保険も変わりはない。しかしながら,死亡保険と構造的な 違いのある医療保険 はやはり危険選択においても死亡保険のそれと異なっ

1) 丹治善造 実践生命保険医学 南江堂,1926年7月,p.15。

2) 高田他家雄 生命保険医学 南江堂,1935年11月,p.2。

3) 渡邉定 寿命予測と生命保険 有光社,1943年7月,p.3。

4) 死亡保険の危険選択の実務については次の論文が簡明で分かりやすい。佐々 木光信 生命保険と危険選択 保険学雑誌 574号,2001年9月,pp.47‑61。

5) 喘息,筋肉骨格系の疾患,精神系統の疾患が支払事由の50

%を占める医療保

険は悪性新生物,高血圧や心臓病などの循環器疾患が70%を占める死亡保険と 異なる分野である。有澤誠 疾病保険の将来の問題点 日本保険医学会誌 74巻,1976年12月,p.159‑163。

6) 陸田博 疾病保険の診査上の問題点 日本保険医学会誌 74巻,1976年12 月,pp.139‑141。

7) 小林三世治 我々に求められているものは何か 日本保険医学会誌 100巻 1号,2002年9月,pp.17‑26。

8) 医療保険は構造上,死亡保険・年金保険と,次の5つの点で異なっていると いう。①保険事故の認定,②リスク発生構造,③給付形態,④モラルハザ−ド の発生,⑤財務上のリスク管理。堀田一吉 医療リスクの特性と医療保険の構 造 堀田一吉編著 民間医療保険の戦略と課題 勁草書房,2006年6月,pp.5‑10。

(3)

ていると予想される 。

生命保険の危険選択は ①告知・診査 などによる被保険者に関する健康情 報の収集,②収集された健康情報をもとに保険契約の引受け可否を判断する 引受査定,③保険金・給付金 の請求事由が約款どおりか否か判断する支払 査定からなる 。

死亡保険を対象に発展してきた危険選択は,健康情報収集・引受査定・支 払査定が三位一体となって機能するが,本稿では主として健康情報収集・引 受査定に焦点をあて,保険医学からみた医療保険の課題およびその対応につ き検討したい。

2.方法

支払事由が生・死といった比較的単純な死亡保険と異なり,支払事由が多 岐にわたる医療保険は多様かつ複雑であり,その傾向は 保険の自由化

9) 医療保険は危険選択上,①軽度の告反であっても給付金を受け取る機会が多 い,②受取人は告反者本人,③ 罪の意識 は比較的軽微,④保険事故の確率 を変えることができる,⑤入院の不必要性につき客観的な立証は困難,⑥入院 日数の延長は恣意的に可能である,などの点で死亡保険と異なる。安藤博章

疾病保険の選択⎜査定を中心に⎜ 日本保険医学会誌 74巻,1976年,12月,

pp.

142‑148。

10) 保険契約加入時に実施する健康診断を 診査 という。主に医師によってお こなわれるものをさすが,人間ドックや労働安全衛生法に基づき企業が実施す る定期健康診断の結果を利用するものなどがある。

11) 生命保険では,被保険者の生・死(高度障害状態を含む)に支払う場合を 保険金 ,それ以外を 給付金 とよぶことが多い。

12) 医療保険の危険選択全般については,江澤雅彦 生命保険をめぐるアンダー ライティングの諸課題 堀田一吉編著 民間医療保険の戦略と課題 勁草書房,

2006年6月,pp.121‑146が,また支払査定については,小林三世治 医療技術 の進歩と民間医療保険 堀田一吉編著 民間医療保険の戦略と課題 勁草書房,

2006年6月,pp.147‑167が参考になる。

13) 2001年前後の 保険の自由化 と各社の商品開発の動きは,宮地朋果 医療 保険をめぐる商品開発の動向 堀田一吉編著 民間医療保険の戦略と課題 勁 草書房,2006年6月,pp.97‑120に詳述されている。

(4)

以後,特に著しい。

本来は,それぞれの医療保険について保険医学的観点から分析すべきであ ろうが,論点を絞るために,今回は 医療費と入院期間中の所得保障 2つの性格を併せ持つものの,わが国において最も広く普及している医療保 険と目される疾病入院給付特約保険(以下, 疾病入院特約 )について,日 本保険医学会誌に掲載された論文を中心に危険選択上の特徴をレビューし た 。なお,本稿では特に断らないかぎり,入院20日以上に給付するいわゆ る旧型の疾病入院特約を分析の対象とし,データは金額ではなく件数ベース である。

3.結果

⑴ 保険年度別給付指数(図表1)

第一生命において1976〜1985年度の10年間にわたる社医・嘱託医 といっ た 診 査 医 扱 い の 無 条 件 体 契 約(経 過 契 約 件 数:男15,236,553件・女

14) 泉泰治 医療の変化と医療保険の将来 日本保険医学会誌 104巻3号,

2006年9月,pp.251‑263。

15) 医学研究の分野においては, 科学的根拠の質 からみて無作為化比較対象 試験が望ましいとされている(原野悟

EBM

がわかる疫学と臨床診断 新興 医学出版社,2002年1月,p.52)。また,総説論文の分析法には,①統計的手 法を用いデータを定量的に結合させるメタ分析と,②焦点を絞って網羅的・批 判的に情報収集して要約するシステマティックレビューがある(名郷直樹 メ タ分析とシステマティックレビュー

EBM

ジャーナル 4巻2号,2003年,

pp.

82‑83)。本稿では無作為化比較対象試験やメタ分析・システマティックレビ ューを特に行っていない。しかし,日本保険医学会誌に掲載された論文の多く は,失効・解約等による追跡契約の中途脱落はあるものの,各社の持っている データをすべて解析の対象としており,その意味で信頼性は高い。

16) 診査(告知聴取を含めた保険加入申込者の健康診断)をおこなう医師。保険 会社に雇用された社医と保険会社から診査を委託された開業医を中心とした嘱 託医にわかれる。

17) 一般に次式で近似される。経過契約=(年始保有契約+年末保有契約+死 亡)×1/2×観察年数

(5)

6,647,035件)の疾病入院特約(給付件数:男440,181件・女172,567件)につ いて分析した結果である 。基礎率は1981年度予定率を使用。

入院給付指数(以下, 給付指数 )は,男・女それぞれ第1保険年度の65

%・59%から保険年度が進むにつれ,図表1の破線で示した死亡指数と同様,

上昇している。特に男の給付指数は第8・9保険年度で100%・102%と予定 率以上の値を示した。

⑵ 再入院率

日本生命で1981年度以降に加入した診査医扱い・面接士 扱いの無条件体 契約を加入後4年以内かつ1985〜1991年度に初めて入院給付を受けた契約

(経過契約件数・再入院件数:男875,071件・77,050件,女594,830件・49,774 件)について解析した 。再入院率(‰)=(再入院件数÷経過契約件数)×

1000で算出。

18) 山本勝,伊東直文 最近10年間の疾病入院給付率統計 日本保険医学会誌 87巻,1989年12月,pp.278‑286。

19) 生命保険協会の試験に合格し,被保険者の告知記載事項の確認と外観の観察 をおこなう 生命保険面接士 のこと。

20) 西川征洋 入院給付金受給後の再入院率 日本保険医学会誌 92巻,1994 年12月,pp.200‑215。

図表1 保険年度別給付・死亡指数

山本勝ほか:最近10年間の疾病入院給付率統計,日本保険医学会誌 87:278,1989

(6)

1992年度無条件体契約の全体の入院発生率28.43‰に対して再入院率は 87.27‰と3.3倍高かった。

⑶ 疾患・保険年度別給付率(図表2,3)

分析対象は図表1と同じく,第一生命において1976〜1985年度の10年間に わたる社医・嘱託医の診査医扱いの無条件体契約に付加された疾病入院特約 である。疾患別に給付率(対1万経過契約件数)の推移を保険年度でみた。

男(図表2)では胃・十二指腸潰瘍や肝疾患といった消化器系の疾患が第 1保険年度で43.4・24.3と,女(図表3)では良性新生物や妊娠分娩産褥が 第1保険年度で32.7・29.3と契約早期から高い給付率を示した。妊娠分娩産 褥は完全な右肩下がりである。

⑷ 年齢・性別給付指数(図表4)

分析対象は図表1と同じ。男は40代までは給付指数が74〜75%でほぼ横ば いであるが,50代で95%,60代では予定率を超え103%に達した。女は突出 した20代の85%を除くとほぼ各年代とも60〜69%であった。死亡指数(破 線)は,件数の少ない小児期以外,各年代とも男64〜78%・女55〜71%と比 較的安定している。

山本勝ほか:最近10年間の疾病入院給付率統計,日本保険医学会誌 87:278,1989 図表3 疾患・保険年度別給付率(女) 図表2 疾患・保険年度別給付率(男)

(7)

⑸ 疾患・年齢別給付率(図表5,6)

分析対象は図表2,3と同じ。経過契約件数1万あたりの給付率は,男

(図表5)では,20代以降ほぼ横ばいの肛門の疾患や椎間板ヘルニアと異な り,胃・十二指腸潰瘍と肝疾患が10代の17.2と8.0から50代,60代の64.1と 53.8,69.1と45.9と,年齢が増すにつれ急激に上昇している。女(図表6)

では悪性新生物や肝疾患が年齢とともに給付率が上がっているのに対して,

妊娠分娩産褥の給付率は20代・30代で89.7・38.7,良性新生物は40代・50代 で75.4・41.9と隆起している。

図表4 年齢・性別給付指数

図表5 疾患・年齢別給付率(男) 図表6 疾患・年齢別給付率(女)

山本勝ほか:最近10年間の疾病入院給付率統計,日本保険医学会誌 87:278,1989 山本勝ほか:最近10年間の疾病入院給付率統計,日本保険医学会誌 87:278,1989

(8)

⑹ 給付日額・性別給付指数(図表7)

分析対象は図表1と同じ。給付指数は,男が女よりも給付日額の多寡にか かわらず高いが,男・女とも給付日額5千円未満64%・56%から1万円超162

%・158%と,給付日額が高額になるにつれ上昇した。

⑺ 商品・給付日額別支払率(図表8)

日本生命で1987〜1992年に加入した診査医・面接士扱いの無条件体契約を 1991〜1992年の事業年度方式で観察した結果である 。対象は5日以上継続 入院で4日不担保とする疾病入院特約。経過件数・入院件数は男7,810,674 件・183,126件,女3,891,797件・126,335件。支払率(%)=(入院給付金支払 額÷危険保険料)×100で算出し,保障系商品は定期・定期特約付養老・定期 特約付終身保険を,貯蓄系商品は養老・終身保険をそれぞれ合算した。

保障系商品の支払率は給付日額が5千円以下・5千円超1万円以下・1万 円超2万円以下と高額になるにつれ上昇するのに対して,貯蓄系商品の支払 率は給付日額が高額になるにつれ低下している。1万円超2万円以下では保 障系商品の支払率は貯蓄系商品のそれより10%以上高い。

図表7 給付日額・性別給付指数

21) 江藤誠司 主契約の属性別に見た入院発生状況 日本保険医学会誌 92巻,

1994年12月,pp.216‑222。

山本勝ほか:最近10年間の疾病入院給付率統計,日本保険医学会誌 87:278,1989

(9)

⑻ 年齢別平均入院日数(図表9)

当時の千代田生命が1985年度の無条件体契約で第3保険年度までに入院

(入院日数8日〜120日)した給付日額5千円以下の男の入院日数につき検 討 。患者の入院日数は1987年患者調査から算出。

平均入院日数は年齢が進むにつれ被保険者・患者とも増加し,またどの年 齢層でも被保険者のほうが患者より長い。55〜64歳ではその差が6.7日に達 した。

図表8 商品・給付日額別支払率

図表9 年齢別入院日数(被保険者/患者)

22) 佐々木光信,松田弘史,丹羽吉郎,吉田勝美 入院継続率について 日本 保険医学会誌 88巻,1990年12月,pp.266‑274。

江藤誠司:主契約の属性別に見た入院発生状況,日本保険医学会誌 92:216,1994

佐々木光信ほか:入院継続率について,日本保険医学会誌 88:266,1990

(10)

⑼ 都道府県別入院発生・死亡指数(図表10)

日本生命のデータ。1983〜1993年に加入した無条件体契約を1991〜1993年 に第10保険年度まで観察した結果である 。経過契約件数・入院件数・入院発 生指数は男36,873,022件・575,134件・41%,女24,028,703件・398,568件・

44%であった。入院発生指数の計算には当該疾病入院特約の予定入院発生率 を使用。

都道府県間での入院発生指数をみると,男は最高62%・最低29%で2.1倍,

女は64%・35%で1.8倍と,死亡指数の男1.4倍・女1.5倍より大きな開きがあ った。都道府県別の入院発生指数は,死亡指数と違って,当該自治体の病床 数・医師数と正の相関関係があり,特に病床数とは相関係数が男0.809女 0.759と強い正の相関関係がみられた。

診査有無・保険年度・性別入院発生指数(図表11)

日本生命が1983〜1986年度に成立した男29歳以下・女39歳以下の無条件体 契約を対象に,医師扱い・面接士扱いを有診査(経過契約件数:男4,311,303 件,女3,514,216件),告知書扱いを無診査(経過契約件数:男1,0277,784件,

23) 塩谷敏之 都道府県別に見た死亡指数と入院発生指数 日本保険医学会誌 94巻,1996年12月,pp.95‑99。

図表10 病床数・医師数/入院発生・死亡指数 相関係数

(上:男 下:女)

病床数 医師数

入院発生指数 0.809

0.759

0.514 0.412

死亡指数 0.150

‑0.395

0.093

‑0.272

塩谷敏之:都道府県別に見た死亡指数と入院発生指数,日本保険医学会誌 94:95,

1996

(11)

女669,181件)として,両者における入院発生指数の違いを調べている 。 入院発生指数の計算には当該疾病入院特約の予定入院発生率を使用。

男女とも診査の有無にかかわらず保険年度が深まるにつれ入院発生指数は 上昇する傾向を示した。診査有無別に入院発生指数をみると,男は第5〜6 保険年度にかけ,女は第1〜6保険年度にわたって有診査が無診査より高い。

診査有無・保険年度・年齢・給付日額・性別入院日数(図表12,13,14)

生命保険協会の死亡率調査M側専門委員会が1987年以降の疾病入院特約

(5日以上継続入院で4日不担保)について1989事業年度に支払いが行われ た無条件体契約を第3保険年度までの分析した結果である 。給付件数・延 べ入院日数・平均入院日数は男84,657件・1,891,625日・22.34日,女59,517件

・1,130,117日・18.99日,計144,174件・3,021,742日・20.96日であった。

24) 高山実 診査有無別の疾病入院発生状況について 日本保険医学会誌 89 巻,1991年12月,pp.245‑250。

25) 白水知仁,赤堀俊也,大山司郎,佐々木光信,清水一良,高山学,塚越茂,

樋口明,前田優,牧野弘志 死亡率調査

M

側専門委員会報告:新疾病入院保 障契約の分子統計分析について⎜入院給付日数を中心に⎜ 日本保険医学会 誌 91巻,1993年12月,pp.217‑244。

図表11 診査有無・保険年度・性別入院発生指数

高山実:診査有無別の疾病入院発生状況について,日本保険医学会誌 89:245,1991

(12)

有診査(告知書扱い以外)と無診査(告知書扱い)に分けて平均入院日数 を保険年度別にみると,第1〜3保険年度すべてで男女とも有診査が無診査 より長い(図表12)。

平均入院日数を年齢別にみると,男は20代から年代を増すにつれ有診査が 無診査よりも平均入院日数が短い。女は診査の有無で男ほど大きな差はなく,

50代を過ぎて有診査が無診査よりも平均入院日数が短い(図表13)。

平均入院日数を給付日額でみると,5千円までは男は有診査が無診査より 短く,女では逆に有診査の方が長い。1万円以上になると男女とも有診査が 無診査より短くなっている(図表14)。

図表13 診査有無・年齢・

性別入院日数 図表12 診査有無・保険年度・

性別入院日数

白水知仁ほか:新疾病入院保障契約の分子統計分析について,日本保険医学会誌 91:217,1993

図表14 診査有無・給付日額・性別入院日数

(13)

不担保期間・保険年度別給付指数

疾病入院特約に対する特別条件は特別保険料法と部位不担保法の大きく2 つにわけられる。特別保険料法は超過危険に応じて割増保険料をいただく方 法であり,部位不担保法は指定した部位に生じた疾病の治療を目的とする入 院については一定期間不払いとする方法である。

第一生命が1976〜1984年度の疾病入院特約の条件付契約について分析 。 経過契約件数・給付件数は特別保険料法では男211,305件・8,910件,女74,159 件・2,630件,部位不担保法で男192,875件・5,171件,女74,791件・1,544件 で,基礎率は1981年度予定率を使用。

特別保険料法の合計給付指数は男102%・女78%でそれぞれ査定評価を超え ることはなかったが,部位不担保法は,不担保期間内の給付指数は査定評価 内におさまっていたものの,不担保期間1〜3年を超える保険年度2〜4年 の時点で138%・104%・85%と前年度の60%台に比べ上昇していた。

4.考察

第一生命の10年間にわたる観察では,給付指数は男・女とも第1保険年度 の65%・59%から保険年度が増すにつれ右肩上がりで上昇しており,疾病入 院特約においても,死亡保険と同様,危険選択効果が認められた(図表1)。

ただし,第8〜10保険年度の男では給付指数が100%前後と危険選択効果は 消失している。保険期間が長期にわたる医療保険の危険選択に課題が残る。

さらに,日本生命のデータでも疾病入院特約の再入院率は全体の入院発生率 よりも3倍以上高く,医療保険においても危険選択の必要性は明らかである。

疾患別・保険年度別に給付率(対1万経過契約件数)を第一生命のデータ でみると,男では胃・十二指腸潰瘍や肝疾患は第1保険年度から高い給付率 を示し,また肛門疾患や椎間板ヘルニアは胃・十二指腸潰瘍や肝疾患よりも 給付率は低いが,保険年度が経過しても給付率はほぼ横ばいであった(図表

26) 清家克哉,田村慶三 当社条件体契約の死亡・疾病入院発生状況について 日本保険医学会誌 85巻,1987年12月,pp.264‑273。

(14)

2)。女では子宮筋腫に代表される良性新生物の給付率は第1保険年度から 高く,妊娠分娩産褥にいたっては保険年度の経過にしたがって給付率が低下 している(図表3)。これらの疾患では選択効果はほとんど認められなかっ た。また,三井生命の成績 でも新生物・心血管系・泌尿器系の疾病発生率は 低く,このような疾患に対する危険選択は効果が期待できる一方,糖尿病,

胃潰瘍,肝胆系疾患などの疾病発生率は高く,疾患によって選択効果に差が でる。さらに,男女とも主契約条件体の疾病発生率は主契約無条件体のそれ よりも高く,疾病入院特約でみるかぎり,疾病危険と死亡危険との乖離があ る 。

指数は本来ならば年齢別・性別によって大きな変動はないはずである。第 一生命の報告では,給付指数が男は50代以上で上昇し女では20代で隆起を示 した(図表4)。男の胃・十二指腸潰瘍の給付率(対1万経過契約件数)は50 代・60代で64.1・69.1と,また,肝疾患の給付率も50代・60代で53.8・45.9 と高く,この2つの疾病が50代以上における給付指数上昇の原因と考えられ る(図表5)。女では妊娠分娩産褥の給付率が20代で89.7とピークを形成し ており,給付指数の20代での隆起の主因をなしていた。他方,子宮筋腫・卵 巣のう腫が大多数を占める良性新生物の給付率は40代で75.4と高いものの,

給付指数はほぼ平坦であり,年齢による変化は給付率ほどみられなかった

(図表4)。男は50代以上・女は20代において,基礎率が適正に設定されてい なかったか,適正に設定されていたとしたならば,この年代で男では胃・十 二指腸潰瘍,肝疾患,女では妊娠分娩産褥による逆選択が起きたことを示唆 している。胃・十二指腸潰瘍,肝疾患,妊娠分娩産褥,良性新生物など,い

27) 岡 本 浩 欠 陥 と 疾 病 発 生 率 日 本 保 険 医 学 会 誌 78巻,1980年12月,

pp.

221‑226。

28) 日本生命のデータから 疾病保険が主契約と異なる要素を持ち,その危険評 価が難しい との指摘あり。安藤博章,宮本重喜,川島康生,西野敏明 当社 疾病保険条件体入院発生について 日本保険医学会誌 81巻,1983年12月,

pp.

79‑88。

(15)

ずれも加入時の検診 では把握しにくい健康状態であり ,正しく告知をし ていただくために,死亡保険とは別に医療保険に特化した専用告知書 を用 意する,あるいはモラルリスク(保険制度の濫用・悪用)が混入しやすい医 療保険の性質をかんがみて, 責任開始期から2年を経過した後に開始した 入院は責任開始期以後の原因とみなす とした約款規定を見直す などの工 夫も必要となろう。

モラルリスクの混入に関連して,死亡率調査M側専門委員会が分析した給 付日額別の平均入院日数では日額5千円以下において顕著な傾向はみられな いが,疾病入院特約は給付日額が高額になるにつれ給付が上昇することはよ く知られた事実である 。第一生命の山本らの論文では,日額が5千円を超

29) 保険加入時の医師による診査は既往歴や現症に関する質問(告知聴取)と触 診・打診・聴診・血圧測定・尿検査などをおこなう検診からなる。

30) 生保10社の医師により構成された 疾病保険研究会 が1976〜1977年度に発 生した約15万件の入院給付について分析。 胃・十二指腸潰瘍,椎間板ヘルニ ア,良性腫瘍の発生率が高く,告知に頼らざるをえない と報告している。木 下和之,川本久,上野武,福地誠,今治久昇,碓井公一,大野一成,鈴木勇,

鈴木正裕,阿南博文 疾病保険の入院率について 日本保険医学会誌 78巻,

1980年12月,pp.227‑248。

31) 入院の原因となった疾病の占率は胃・十二指腸潰瘍23

.

8

%,急性・慢性肝炎8 .

8

%,痔・肛門疾患8

.

8

%,腰部疾患8 .

2

%であり, 疾病特約で必要な告知とは何

か との問題提起がすでになされている。伊藤梅雄 疾病特約の料率算定面よ りみた疾病保険の危険選択上の問題点 日本保険医学会誌 73巻,1975年12 月,pp.70‑75。

32) 罰が有効な抑制効果として働くためには,摘発・発覚する確率が十分大き くなくてはならない。しかし,そのためには多くのコストがかかる。・・・摘 発・発覚される確率が大幅に下がっても,罰が大きければ誰も保険犯罪などし たりはしないであろう。罰がインセンティブを支えている以上,その大きさは 摘発・発覚の確率との関係で決定されるべき (小林三世治 医療技術の進歩と 民間医療保険 堀田一吉編著 民間医療保険の戦略と課題 勁草書房,2006年 6月,pp.153‑154)であり,疾病入院特約における みなし規定 は民間保険 にとって重要な公平の原則を踏まえて一度議論すべきと筆者は考えている。

33) 宮永忠夫,尼子隆士 疾病保険のその後の問題点 日本保険医学会誌 76 巻,1978年12月,pp.169‑183。

(16)

えると給付指数は男女とも100%を超え,1万円超では男女とも予定給付率 の1.6倍前後に達していた(図表7)。また,日本生命の江藤の発表によると,

貯蓄系商品に付加された疾病入院特約は給付日額が高額になるにつれ支払率 が低下するのに対して,保障系商品に付加された疾病入院特約は給付日額が 高額になるにつれ支払率が上昇している(図表8)。さらに,千代田生命の 佐々木らは,平均入院日数について5千円以下の被保険者と当時の厚生省が 医療機関を対して行った患者調査の結果を比較して,平均入院日数は年齢と ともに長くなるが,いずれの年齢においても患者よりも被保険者の方が長か ったと報告している(図表9)。疾病入院特約にみられるこれらの特徴は単 に医学的理由だけで説明がつかない。 医療費と入院期間中の所得保障 の 2つの性格を併せ持つ疾病入院特約は,経済合理性から考えると,給付日額 が疾病により支出された金額と就労不能による収入減少額の合計を上回る場 合は入院を選択するという行為は当然なのかもしれない。実際,疾病入院特 約の入院率は所得と負の相関関係がある 。長期入院例を分析した安田生命 の宮副 は,①平均入院日数が長いのに対して契約日からの経過日数は短い,

②入院累計日数で死亡発生をみると,200日台(200〜299日)61件と最も高 く,日数が進むにつれ減少し,500日台以降ではゼロ,③入院累計日数が増 加するにつて手術の頻度も減少,また④糖尿病・肝疾患・椎間板ヘルニア・

虚血性心疾患など自覚症状や簡単な検査で安易に診断が下された例が多く,

長期入院例に逆選択・モラルハザードが混入していると述べている。民間医 療保険のひとつである疾病入院特約が今後とも国民に受け入れられ健全に発 展・機能していくよう,モラルリスクの発生防止にすべての関係者がつとめ るべきであり,その対策として,民間企業たる保険会社が営利を目的に競争

34) 入院率に影響を与える因子として身体的要因・年齢・職業・性別・給付日額・

所得があげられ,入院率と年齢は正の相関・所得とは負の相関がある。若林伸 夫,安藤博章,沼田輝夫,玉置嘉広 疾病保険の危険選択に関する若干の考 日本保険医学会誌 75巻,1977年12月,pp.95‑99。

35) 宮副一郎 長期疾病入院の考察 日本保険医学会誌 88巻,1990年12月,

pp.

249‑258。

(17)

に走るにしても,給付日額や給付日数の上限について ,時代にあわせた適 切な設定を考慮すべきであろう 。

都道府県によって入院率 や入院発生指数 あるいは入院日数 が異なる と日本保険医学会で報告されてきた。日本生命の発表によれば,都道府県に よる入院発生指数の最高/最低の比は男で2.1倍・女で1.8倍にのぼり,この入 院発生指数の地域差はその地域の病床数や医師数によって説明され,特に病 床数との間では相関係数が男・女で0.809・0.759と強い正の相関関係が存在 していた(図表10)。なお,死亡指数でみると,病床数では女で,医師数で は男女で,相関係数は小さいながらも負の相関関係が認められている。民間 の医療保険だけでなく公的な医療保険においても地域差がみられ, 医療費 の地域差は患者及び医療提供者の行動に起因していると考えられる。さらに,

医療サービスにおける情報の非対称性を考慮すると,医療費の地域差は主に 医療提供者の行動の差によってもたらされることが明らか といわれてい る。民間の医療保険・公的な医療保険ともに保険である以上, 大数の法則

36) 疾病入院特約について一例をあげると,日本生命は1976年3月に給付日額限 度7,000円から20,000円に,付加ルールが主契約満期保険金の1

.

5/1,000から死 亡保険金の3/1,000に変更した。宮永忠夫,尼子隆士 疾病保険のその後の問 題点 日本保険医学会誌 76巻,1978年12月,pp.169‑183。

37) 疾病保険の給付金額について, 何を目的にし,何を対象にしているかによ って自から決まってくる妥当な給付額を基準として比較検討されるべき問題 とし, 公的健康保険とのかねあい を考慮すべきで, 理由のわからない給付 金額のエスカレート は 私的疾病保険の発展に大きなマイナスを来たすこと になるのではないか といった危惧が疾病入院特約発売まもない時期に表明さ れている。有澤誠 疾病保険の将来の問題点 日本保険医学会誌 74巻,

1976年12月,pp.159‑163。

38) 橋本淑郎 地方病院に於ける入院状況と疾病特約状況との比較観察につい 日本保険医学会誌 77巻,1979年12月,pp.185‑200。

39) 前掲注23)。

40) 前掲注25)。

41) 府川哲夫 少子高齢化と医療費をめぐる論点と実証研究 西村周三,田中滋,

遠藤久夫編著 医療経済学の基礎理論と論点 勁草書房,2006年6月,pp.

190‑192。

(18)

が機能することになり,内部補助を皆無にすることはできない。しかし,連 帯性(solidarity)に基礎をおく公的な保険と異なり,相互性(mutuality に基礎をおく民間保険では 公平の原則 は守るべき重大な基本原則であ る 。 公平の原則 にてらして民間の医療保険における地域差はどの程度 まで許されるのであろうか。地域差が許容限度を超えていると判断された場 合,地域別料率の導入がひとつの選択として浮かぶ。しかし,保険期間が例 えば終身といった長期にわたる医療保険で,しかも被保険者が居住地・職場 などを頻繁に変える昨今の社会情勢では,地域別保険料の導入は困難であろ うし,また期待する効果についても疑問符がつく。地域差の縮小をはかると 同時に,既述した深い保険年度における選択効果の消失への対策として,保 険期間の短縮を議論すべきではなかろうか。

これらの特徴を有する疾病入院特約における被保険者に関する健康情報収 集の手段はどうあるべきか。日本では生命保険の医的危険選択は販売する商 品構成の影響 を受けて養老保険を中心に発達してきた。健康情報収集の手 段は告知書のみによる無診査(告知書扱い)と社医・嘱託医による診査医扱 いや定期健康診断の結果を利用する健康管理証明書扱いなどの告知書扱い以 外の有診査とに大きく区分される。健康情報収集の手段によって選択効果に 違いがあり,有診査が無診査よりも選択効果が優れているとの評価が一般的 であった。このため,その後は無診査も導入されるようになったが,疾病入 院特約を売り出した当初は,ほとんど有診査によって危険選択が行われてい

42) 公平の原則というが,保険として大数の法則を働かせながら,危険をどこ まで細分するのか,その根拠は,細分化による経費や販売見込はどうか,等な ど,そして最終的に消費者の納得は得られるか,といった点は,公平の原則を 考慮するにあたって大切である。いずれにしても,この公平の原則なしには,

生保会社の健全な運営はありえない と筆者は考えている。前掲注7)。

43) 日本では 1890年の不況の影響を受けて,一部の会社では貯蓄機能を合わせ 持った養老保険の占率が高ま り,それ以後は養老保険が大手生保会社の主力 商品となった。佐藤保久 資本主義と近代生命保険業 ,千倉書房,2003年5 月,pp.29,78,142。

(19)

た 。男29歳以下・女39歳以下と比較的若年者を対象とした日本生命の高山 の分析では,保険年度につれ上昇した入院発生指数は,男では第1〜3保険 年度で,女では第1〜5保険年度で,有診査が無診査より悪い(図表11)。

平均入院日数は給付指数あるいは入院発生指数ほど選択効果を必ずしもパラ レルに表わしていないとしても,死亡率調査M側専門委員会の報告による と,保険年度につれ長期化する平均入院日数は,男女とも有診査が無診査よ り長い(図表12)。同じく平均入院日数を年齢別にみると,男は20代から有 診査が無診査より短く,女は50代を過ぎて有診査が無診査より短い(図表 13)。平均入院日数を給付日額でみると,5千円以下において男は有診査が 無診査より短く,女は逆に有診査が無診査より長く,1万円以上において男 女とも有診査が無診査より短い(図表14)。このように,疾病入院特約にお いては,有診査というコストをかけても,必ずしも選択効果があがるとは限 らない。明治生命のデータ では,主契約に対する条件が重くなるほど,入 院率は上昇する傾向にあり,死亡に対する危険評価をそのまま採用した疾病 入院危険の評価は大勢では正しかったと結論づけている。逆に,日本生命の 報告 では疾病入院特約は特別保険料法・部位不担保法とも主契約無条件体 のほうが主契約条件体より発生率が高く,主契約の死亡危険と特約の疾病危 険はリンクしていない。主契約に付随した疾病入院特約について有診査など コストをかけて被保険者の健康情報を収集するとしても,医療保険における 健康情報収集の手段は,性・年齢・給付日額あるいは主契約が保障系か貯蓄 系か,などに意を配りつつ 公平の原則にのっとり,最小限のコストで,安定 した危険差益を確保 するための最適な組み合わせは何か,改めて問われよう。

44) 疾病医療保険は こども保険を除いて告知書扱いを認めていない会社が多 かった。奈良勝典 シンポジウムのおわりに 日本保険医学会誌 73巻,

1975年12月,pp.81‑91。

45) 吉原信良 当社の条件体契約の疾病入院について 日本保険医学会誌 82 巻,1984年12月,pp.281‑294。

46) 川本久,佐伯忠孝,岩崎敏,西野敏明 疾病保険続報⎜条件体の経験⎜

日本保険医学会誌 77巻,1979年12月,210‑225。

(20)

収集した被保険者の健康情報をもとに,①申し込みどおりに無条件お引受 け,②条件付契約の提示,③申し込まれた保険はお断り,といった引受査定 が多くの保険会社でおこなわれている。疾病入院特約について条件付契約を 分析した第一生命の分析では,実際の給付指数が特別保険料法では査定評点 を超えることはなかったが,部位不担保法は不担保期間内の給付指数は査定 評点中におさまっていたものの,不担保期間を超える時点で上昇していた。

疾病入院特約の条件付契約を疾病別に調べた日本生命の報告 によると,一 般に査定指数が高くなるにつれ入院指数も上昇しており,血圧異常では査定 指数と入院指数がほぼ一致,妊娠分娩産褥は部位不担保法の適用でよかった が,胃・十二指腸潰瘍,外傷は部位不担保期間直後に入院指数が上昇してお り,これらの疾患は保険料割増法が適していた。疾病入院特約にみるように,

医療保険の引受査定にあたっては,逓増性・逓減性といった医学的な観点か らの疾病ごとの危険評価のみならず,モラルリスクの側面を重視した総合的 な判断が求められよう。

5.おわりに

疾病入院特約を例に保険医学の立場から医療保険の課題を検討した。その 結果,医療保険にも危険選択効果が認められるが,その特徴は死亡保険と異 なっていた。 公平の原則にのっとり,最小限のコストで,安定した危険差 益を確保する といった危険選択の使命を医療保険においても果たしていく ために,①正確に告知しやすい専用告知書の作成,② 責任開始期後2年経 過した入院は責任開始期以後の原因とみなす 約款規定の見直し,③給付日 額・日数に対する妥当な上限設定,④長期保険期間の短縮,⑤健康情報収集 手段の上手な組み合わせ,⑥モラルリスクにも留意した的確な引受査定,な どの対応が望まれる。

(筆者は第一生命保険相互会社勤務) 47) 安藤博章,稲葉茂,山崎諭 当社疾病保険条件体入院発生について(第二

報) 日本保険医学会誌 82巻,1984年12月,pp.295‑300。

参照

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