• 検索結果がありません。

新 「中 国婚姻 法」 の離婚 制度 に関す る一考 察

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "新 「中 国婚姻 法」 の離婚 制度 に関す る一考 察"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

新 「中 国婚姻 法」 の離婚 制度 に関す る一考 察(高 橋)59

新 「中 国 婚 姻 法 」 の離 婚 制 度 に 関 す る一 考 察

1.序

2.離 婚 制度 の改 正点 1)裁 判離 婚 の基準 2)離 婚後 の子 女 の扶養 3)離 婚後 の財 産 分割

3.離 婚 法定 基準 へ の例示 主義 の導 入 4.離 婚 制 限規定 の維 持

1)妊 娠期 間 中 の特 殊保 護 2)軍 人 の婚姻 の特 殊保 護 5.離 婚 損害 賠償 制度 の創 設 6.結

高 橋 強

1.序

1980年 婚姻 法 は 、95年10月 、 第8期 全 国人 民代表 大会(以 下 、全 人代) 常 務 委員 会 第16回 会 議 が 「婚 姻 法 」改 正 を決 議 して、正 式 に検 討 作 業 が 始

め られ た。 そ の後 、全人 代 内務 司法委 員会 が主 体 とな り婚姻 法 の執行 状況 を 調 査 し、 い くっ か の省 や市 の婚姻 法 改 正意 見を聴 い て、96年10月 にそ の結 果 を全 人代 に報告 した。 同年 年末 か らは 、 同司法委 員会 は 民政部 、 国家計 画 出産委 員会 、全 国婦 女連 合会 、最 高 人民法 院等 の機 関 に委託 し、婚姻 法改 正 指導 グルー プを設 けた 。99年 初 め には 、 同指導 グル ー プは起 草作 業 を終 え 、

(2)

そ れ を 受 け て 全 人 代 常 務 委 員 会 法 制 作 業 委 員 会 が 「婚 姻 法 改 正 案(草 案)」

の起 草 作 業 を 開 始 した 。 同 作 業 委 員 会 は 、 全 国婦 女 連 合 会 、 人 民 法 院 、 民政 部 、 衛 生 部 等 の機 関 や 、 法 律 家 、 一 般 人 か らも 、 幅 広 く婚 姻 法 改 正 に対 す る 意 見 を徴 集 した り、 北 京 、 上 海 、 広 東 、 新 彊 等 で の婚 姻 法 執 行 状 況 を調 査 し た り して 、2000年8月 、 「婚 姻 法(改 正 草 案)」 を 提 出 したG同 年10月 、 第

9期 全 人 代 常 務 委 員 会 第18回 会 議 は 、 同 「改 正 草 案 」 の 第1回 目審 議 を 行 い 、 同年12月 、 同 第19回 会 議 は 再 度 審 議 した 。

2001年1月 、 全 人 代 常 務 委 員 会 委 員 長 会 議 の決 定 に基 づ き 、 「婚 姻 法(改 正 草 案)」 が 公 布 され 、 全 国 レベ ル で 意 見 が 徴 集 され る こ と に な っ た 。 同年

2月28日 ま で に 、 全 人 代 常 務 委 員 会 法 制 委 員 会 は 、 労 働 者 、農 民 、 知 識 人 、 公 務 員 、 司 法 関 係 者 、 学 生 、 軍 人 等 各 界 か ら、 年 齢 も13歳 か ら90歳 ま で 年 齢 を 問 わ ず4000余 りの 改 正 意 見 を 徴 集 した 。 と 同 時 に 、 全 国 レベ ル で 様 々

な座 談 会 、 討 論 会 も 開催 し、 広 範 な 意 見 を徴 集 し、 草 案 に 対 す る再 度 の 改 正 を 検 討 した 。5年 半 にわ た る検 討 作 業 を経 て 、2001年4月28日 、 第9期 人 代 常 務 委 員 会 第21回 会 議 で 第3回 目の審 議 を し 「婚 姻 法(改 正 案)」 は 可 決 さ れ 、 即 日公 布 、 施 行 さ れ た(以 下 、 新 婚 姻 法)。 中 国 「立 法 法 」 の 規 定 に よ る と 、 全 人 代 常 務 委 員 会 の 会 議 日程 に入 った 法 律 案 は 、 通 常3回 の 審 議 を 経 た 後 に 公 布 され る。

改 正 作 業 が こ の よ う に 長 く、 また 全 国 レベ ル で 大 き な論 議 を 呼 び起 した の は 、 当 初 か ら以 下 の よ う な 問 題 に 、 焦 点 が 向 け られ て い た か らで あ る と 言 わ れ る 。 即 ち 、 不 倫 の相 手 の 「第3者 」 は 懲 罰 を受 け るべ き か 、 「包 二 妨(妾 を 囲 う)」 行 為 は 重 婚 と して扱 わ れ る の か 、 法 院 が 離 婚 判 決 を下 す 条 件 は 何

(1)

か、過 失有 る一 方 の離婚 の 自由を制 限す るべ きか等 の問題 で あ る。

本稿 の 目的 は 、離 婚制 度 を中心 に、そ の改 正点 を整理 し、 その 中で幾 っか の特 徴 を取 り上 げ なが ら、80年 婚姻 法 の改正 の本 質 を検討 す る所 にあ る。

(3)

新 「中 国婚姻 法」 の離婚 制度 に関す る一考 察(高 橋)61

2.離 婚 制 度 の 改 正 点

1)裁 判離 婚 の基準

中国 の離 婚制 度 には、協議 離婚 と裁 判離 婚 の2つ の制 度 が あ る。 この度 の 婚 姻 法改 正 に よ り、新 婚姻 法 は、裁判 離婚 の基 準 に対 し、新た に更 に明確 な 規 定 を与 えた 。80年 婚 姻 法 第25条 は 、「も し感 情 が 確 か に破 綻 し、調 停 に 効果 が ない場 合 、離 婚 を許 さ なけれ ば な らな い」 と規定 した 。「感 情 が確 か に破綻 した」 が裁 判離 婚 の基 本 的条 件 で、離 婚 を許す か否 か の原則 的 限界 で あ った。 同規 定 は 、家庭 の安定 を維 持 し、離 婚 自由の関係 を保 護す るこ とに 正確 に対 処 してい るので 、新婚 姻法 にお いて も改 正せ ず 、依然 と して人 民法 院 の離婚 判決 の基 準 で あ る。

80年 婚 姻 法制 定 以後 、 「感 情 が確 か に破綻 した」 とい う離 婚基 準 を如 何 に 掌握 す るか におい て、人 民法 院 は審 判 の実践 の中で 多 くの経験 を積 んだ。 こ の度 の改 正 は審 判 実践 の経 験 を総 括 した もの で、 そ の結果 、「以 下 の情 況 の 1っ で もあれ ば、調 停 に効果 が ない場 合 、離婚 を許 さ なけれ ば な らない」 を 加 えた(新 婚 姻 法 第32条)。 即 ち ① 重 婚 あ る いは配 偶 者 の あ る者 が他 人 と 同居 してい る場 合 ② 家 庭 内暴 力 また は虐 待 、遺 棄 が あ る場 合 ③ 賭 博 、 薬 物 等 の悪 習 が直 らな い場 合 ④ 感 情 の不 和 に よ る別 居 が 満2年 と な って い る場合 ⑤ そ の他 の夫 婦 間 の感情 が 破 綻 してい る情 況 で あ る。 更 に 、0 方 が失 踪 宣告 を受 け、 も う一方 が離婚 訴訟 を提 起 した場 合 、離婚 を許 さ なけ れ ば な らない と した(新 婚 姻法 第32条)。 これ らの規 定 は、 司法 の審 判 にお い て、裁 判離婚 の基 準 に関す る規定 を更 に正確 に適用す るの に便利 で あろ う。

但 しこれ らの情況 は 、婚姻 当事者 が離 婚 を提起 す る必要 條件 で は ない。 これ ら以 外 の情況 が発 生 して、夫 婦 の感情 が確 か に破 綻 し、調停 に効果 が ない場 合 には、 人民法 院 は離 婚 を許 さなけれ ば な らない。

(4)

2)離 婚 後 の子女 の扶 養

夫 婦 の離婚 は 、未成 年子 女 の心身 に対 し大 きな傷害 を もた らし、そ の後 の 父母 の教 育如何 に よ って は、深刻 な青 少年 問題 に発 展す る。 今 日、次 第 に深 刻で大 き な社 会 問題 と な りっっ あ るのが 現状 で あ る。 子女 の離婚 後 の扶養 に 関 して は、新 婚 姻法 は、80年 婚姻 法 の規 定 を基 本 的 に維持 してい る。「父母 と子 女 の関係 は 、父母 の離婚 によ って は解 消 しない。」 「離i婚後 も、 父母 は子 女 に対 し依 然 と して扶養 と教 育 の権利 を有 す る。」「離婚 後 、授乳 期 間 中の子 女 は、授 乳す る母 の も とで扶 養 され る こ とを原 則 とす る。」(新 婚 姻 法 第36 条)。 お よび 「離 婚後 、一・方 が扶 養す る子 女 に対 しても、他 方 が そ の必 要 と す る生 活 費 と教 育 費 の一 部 また は全部 を負 担 しなけれ ば な らない。」「子 女 の 生 活費 と教 育費 につ いての協 議 また は判 決 は 、子女 が必 要 に応 じて 父母 の い ずれ か 一方 に対 し、協 議 また は判決 で決 定 した額 を こえ る合理 的 な請 求 を妨

げ ない。」(新 婚姻 法 第37条)で あ る。

そ の中で1条 項だ けが新 た に加 え られ た 。所 謂 面接 交渉 権 の 内容で 、即 ち

離 婚後 、 直接 子女 を扶養 して い ない父 あ るいは母 は、 その 子女 に会 う権 利 を有 し、他 の一 方 はそれ に協 力す る義務 を負 う。子 女 に会 う権 利 を行使 す る 方式 、 時間 は 当事 者 が協 議 によ って決 め る。協 議 が成 立 しない場合 は人 民法 院 の判 決 によ る。 父 あ るいは母 が子 女 に会 うこ とが 、子女 の心 身 の健 康 に不 利 で あ る場 合 、 人 民法院 は法 に拠 り会 う権 利 を中断す る。 中 断の事 由が消失 後 は 、会 う権 利 は回復 され なけれ ば な らない。」(新 婚 姻法 第38条)と 規 定 した。直接 子 女 を扶 養 しな い父 あ るい は母 が 、 その子 女 の成 長情 況 を理解 す る ことを保 障す る為 に、新 た に設 け られ た規 定 で あ る。

3)離 婚後 の財 産分 割

離 婚後 の財 産 分割 に関 しては、新婚 姻 法 は8つ の新 た な規 定 を加 え た。1 っ は 、夫 婦 が個 別財 産制 を取 り決 め た場 合(新 婚 姻法 第19条)、 離婚 の際 、

(5)

新 「中 国婚 姻法 」 の離 婚制 度 に関す る一 考察(高 橋)63

原則 上 は各 自の財産 は 、各 自の所有 に帰す るで あ る。2つ 目は、「夫 あ る い は妻 が 家庭土 地請 負経 営 の中 で享受 して い る利益 等 は、法 に拠 り保 護 が与 え られ なけれ ば な らない。」(新 婚姻 法 第39条 第2項)で あ る。今 日農 村 婦 女 が 離婚 後 、土地 請負経 営権 を失 い、生活 に困窮 してい る状況 に対処 す る為 で あ る。92年 施行 の 「婦 女権 益保 障法 」 で も 「離 婚後 の女 の責 任 田、 口糧 田、

宅地等 は保 障 され なけれ ば な らない」(同 第30条)と し、農村 婦 女 の請負 っ た 田の保 護 に配 慮 してい た。3っ 目は、80年 婚 姻 法 で は、 離婚 の 際 、夫 婦 共 有財 産 は双 方が協 議 して処 分す るが 、協 議 が成 立 しない場 合 、人 民法 院 は 財 産 の具体 的情 況 、女 と子 女 の利 益 を配慮 す る原則 に従 い判 決す ると してい た が、 この 「女 と子 女の利益 を配 慮す る原 則」 を 「子 女 と女 の利 益 を配慮 す る原則 」 に変更 した(新 婚 姻法第39条)。 子女 の利 益保 護が強 調 され てい る。

4っ 目は 、「一 方が 子 女 を養 育 し、老 人 の世話 を し、 も う一 方 の仕 事 に協 力 した等 に よ り、比較 的 多 くの義務 を果 た した場 合 、離婚 の際 、 もう一方 に 対 し補償 を請 求す る権 利 を有 し、 もう一方 は補償 を与 え なけれ ば な らない。」

(新 婚姻 法 第40条)で あ る。 多 くの婦 女 の家 事 労働 に対 す る物 質 的 補償 で あ る◎5つ 目は、離 婚 の際 、一方 の生 活が 困難 な場合 、 も う一方 は 「そ の住 居 等個 人 の財 産 の中か ら適 当 な」(新 婚姻 法第42条)援 助 を しなけれ ば な ら

ないで あ る。離 婚後 の女性 に と って、住居 の 問題 が深刻 で あ る こ とを物 語 っ て い る。r婦 女権 益保 障法 」 で は 「国家 は離 婚 した 女 の家 屋所 有 権 を保 護 す

る」(同 第44条)と し、特別 な保 護 を 明記 してい る。6っ 目は、離婚 損害 賠 償制 度 の確 立で あ る。重婚 あ るいは配偶 者 の あ る者 と他 人 との 同居 、 家庭 内 暴 力 あ るいは虐待 、家庭構 成員 の遺 棄 によ り離婚 に至 った場合 、無過 失 の一 方 は損 害賠 償 を請 求す る権 利 を有す る(新 婚 姻 法 第46条)。7っ 目は 、「離 婚 の際 、一方 が夫婦 共有 財産 の隠匿 、転売 、破 損 また は債務 の偽 造 によ り相 手方 財産 の 占有 を企 てた場合 、夫 婦共 有財 産 の分割 にお いて 、夫 婦 共有財 産 の隠匿 、転 売、破 損 また は債 務 の偽造 を した側 へ の財 産 分割 を、減額 また は

(6)

財 産 分 割 しな い こ とが で き る。」(新 婚 姻 法 第47条)で あ る 。8っ 目は 、 離 婚 の 際 、 夫 婦 共 同生 活 で 負 った 債 務 は 、 夫 婦 共 有 財 産 で 返 済 す る が 、 共 有 財 産 で 返 済 し きれ な い 場 合 、 或 い は 「財 産 を 各 自が 所 有 して い る場 合 」(新 婚

(2)

姻 法 第41条)、 双 方 が 協 議 して返 済 す るで あ る 。

3.離 婚 法 定 基 準 へ の 例 示 主 義 の 導 入

1950年 代 よ り、「理 由論 」 と 「感情 論 」 との論争 が あ った◎理 由論 は 、離 婚 は正 当 な理 由が必 要 で あ る ことを原則 とす る、即 ち理 由が正 当 な らば 、離 婚 を許 さなけれ ば な らないが、理 由が正 しくなけれ ば 、離婚 は許 すべ きで は ない とい う もので あ る。 感情 論 は、夫 婦 の感情 破綻 を も って原則 と し、破綻 主義 に属す る。即 ち夫婦 の感 情 が確 か に破綻 し、夫婦 関係 が維 持 で き ない場 合 、離 婚 を許 さ なけれ ば な らないが 、そ うで ない場合 は許す べ きで はな い と

いう もので 、婚 姻 の 本質 か ら出発 し、実際 に 「死亡 した」 婚姻 関係 の解 除 を 許す もので あ る。

80年 婚姻 法が公 布 され て以降 、「理 由論」 と 「感情論 」が再 び論 争 を始 め、

20年 の経 験 を積 み 重 ね た 「感 情 論 」 が優 勢 を 占め た 。感 情 論 者 は 、婚 姻 の 基礎 は愛 情 で 、婚姻 の締 結 には愛 情 を基礎 とす べ きで 、婚姻 の維 持 も愛情 を 基礎 とす べ きで あ ると主 張 した。愛 情 の ない婚 姻 は 「死亡 した」婚 姻 で 、 こ の種 の 「死 亡 した」 婚姻 を解 除す る ことは、社 会 、家庭 、個 人 に対 しても有 益 で、社 会 主義 の婚 姻道徳 に符 合 して い るとの主張 が 、多 くの賛 同 を得 た。

無 責 離婚 主 義 的 な破 綻 原則 を採用 した こ とは、 「正 当 な理 由」 を必 要 とす る有 責離 婚主 義 と比 べ大 き く進 歩 した と思 われ る。 しか し離婚 破綻 原則 を採 用 した其 の他 の国 と比べ る と、破綻 原則 の実 体規 定 を婚姻 関係 と しないで感 情 と し、そ の上如 何 なる列 挙性規 定 も な く、 司法 の実 践 の中 で困惑 と基 準 の 不 統一 を生 じさせ た。 この よ うな背 景 が あ り、 この度 の婚姻 法 改正 の 中で 、

(7)

新 「中国婚 姻法 」 の離 婚制 度 に関す る一 考 察(高 橋)65

裁 判離 婚 の基準 に対 し 「感情 破綻 」 なのか 「婚 姻 関係破 綻」 なのか の論争 を

(3)

引 き起 した。全 国婦 女連 合会 、上 海市 関係 部 門、広 東 省関係 部 門、農 村婦 女 は 「婚姻 法(改 正 草 案)」 に関す る提議 の中 で 、揃 って 「感 情破 綻 」 を 「婚

(4)

姻 関係 破綻 」 に修 正す るよ う求 めた 。

婚 姻関係 の破 綻 を も って、従来 の感 情破 綻 とい う離 婚理 由に代 替 させ る と

(5)

い う主 張 は 、以下 の理 由に よ り次 第 に優 勢 を 占め て い った。1.「 婚 姻 の前 提」 か ら、結婚 条 件 と して規 定 され て い るのは 男女双 方 の完 全 な る 自由願 望 で あ って、感 情 を基 礎 とす べ きで あ る と言 ってい る訳 で は な い。2.「 婚 姻 関係 の内容」 か ら、婚姻 は双 方 の物 質生 活や 精神 生活 や性 生活 の共 同体 と し て存 在 してお り、感 情 は精 神 生 活 の一部 にす ぎ ない。3.r婚 姻 の法 律 の特 徴」 か ら、配 偶者 や 子女 や老人及 び家庭 に対 す る社会 的義 務 と法 的義務 は、

この責任 感や 義務 感 の 中か ら生 まれ るもので あ り、感情 の有 無や深 浅 で転移 させ られ ない。4.「 法 律 の調整 す る対 象」 か ら、感 情 は意識 形態 の範 疇 に 属 し不確 定性 と易 変性 を備 え る もので 、法 律が 感情 の評価 をす るの は困難 で あ る。5.「 司法実践 」 か ら、「感情 が確 か に破綻 」 してい るとの認定 には裁 判 官 の主観 的随 意性 が大 き くな らざ るをえ ない。 以上が 主 た る理 由であ る。

この よ う な論議 の背 景 もあ り、離 婚法 定基 準 に例示 主義 を導 入す る方 向に大 き く向か った もの と思わ れ る。

離婚 法定基 準 の立 法方 式 には主 と して3種 類 あ り、列 挙主 義 、概 括 主義 、 例 示主 義 であ る。列 挙主 義 にお い ては、法 院 は法 律が 明文 で列挙 した理 由を 離 婚 を許す 依拠 とす る一方 、法 定理 由に符 合 しない離 婚の提起 を受理 しない。

しか し原告 が提 出 した離 婚理 由は、事 実 が証 明 され れ ば、離 婚 は許 され る こ とに な る。概 括 主義 は、法律 は離 婚理 由 を具 体的 に列挙 せ ず、婚 姻 が破綻 し て挽 回で きな い、或 いは夫婦 関係 が維 持継 続 出来 ない こ とを、概 括 的 な離 婚 理 由 と して、裁 判 官 に よ って破綻 か否 か の認 定が行 われ る。例 示主 義 は概 括 主義 と列 挙主 義 を結合 させ 、離 婚 を提起 出来 る理 由を列挙 し、一 つ の相 対 的

(8)

く  ラ

に抽象 的 な規 定 を用 い て概 括 を加 え、列 挙 の不足 を補 うので あ る。

80年 婚 姻 法が 採 用 した の は 、概 括 主義 で、 感 情破 綻 を確 認 した 情 況 を列 挙 してい ない。 この種 の立 法方 式 は、 当事者 や裁 判官 に一つ の具体 的 な離婚 基準 を提供 す る ことが 出来 ないので 、運用 性 の違 い 、裁 判 官 の 自由裁量権 が 大 き過 ぎた等 の弊害 を もた ら した。 裁判 官 の婚 姻破 綻 に対 す る認識 は 、 自身 の離婚 観 念 の影 響 を完 全 に受 けて しまうので 、 同一離婚 案 件で も法 院が 異 な ると、甚 だ しきは同 じ法 院 で も裁判 官が異 な ると、審 理 の結 論 が異 な り、 司 法 の不 公 正 現 象 を生 じさせ た。 この 問題 を解 決す る為 に、最 高人 民法 院 は 1989年 に 「人 民法 院 が離 婚 案 件 を審 理 す る際 、如 何 に夫婦 感 情 が確 か に破 綻 したか を認定 す るか に関す る若干 の具 体 的意 見」 を公布 して、夫婦 の感 情 が確 か に破 綻 した と い う概括 的基 準 を、14種 類 の情 況 に具 体 化 した。 即 ち、

① 一 方 が 法定 結 婚禁 止 の疾病 を患 ってい る、② 軽 率結 婚 で 結 婚後 夫 婦 の 感 情 が成 立 しな くて共 同生活 が 困難 、③ 一方 が 不 治 の精神 病 を患 った 、④ 詐 欺結 婚 、⑤ 結 婚 登録 後 共 同生 活 せ ず和 合 の可 能性 が な い、⑥ 請 負 婚 や 売 買 婚 、 ⑦ 感 情 不 和 で別 居 満3年 で 確 か に和 合 の可 能性 が ない 、⑧ 不 倫 ・違 法 な 同居 で教 育 を経 て も改心 の様 子 が ない 、⑨ 重 婚 、⑩ 労働 に従 事 しない と か賭 博 等 の悪 習 で 家庭 へ の義 務 を果 た さ ない 、⑪ 長期 の懲 役 で 夫 婦 の感 情

を著 しく害 した 、⑫ 失 踪満2年 、⑬ 虐 待 ・遺棄 、⑭ 感 情破 綻 を導 いた そ の 他 の原 因 で あ る。 これ らは あ る程 度 、 司法実践 の中 の基 準不 統 一 問題 を解 決 し、80年 婚 姻 法 規 定 の不 足 を補 い、離 婚 訴 訟 制度 の機 能 を正 常 に発揮 させ るの に有利 で あ った。

婚姻 法改 正過 程 の中 で、離婚 の基 準 に対 し概 括主 義 を導入 す るの か、概 括 主 義 と列挙 主義 を結 合 させ た例 示 主義 を導 入す るのか 、論争 が起 きた。 あ る 論者 は 、現 行 の概括 主義離 婚基準 は 、離婚 の複雑 性 に適応 出来 ると主 張 した 。 婚 姻関係 は、特殊 な社 会 関係 で、 そ の 内容 は社 会生 活 の各 方面 に及 び、大 変 複雑 で あ るか らで あ る。概 括 主i義は融通 性 は あ るが 、具体 性 、運用 性 を欠 く

(9)

新 「中 国婚 姻 法」 の離婚 制度 に関す る一考 察(高 橋)67

欠点 が あ り、列 挙 主義 は 明確 で は あ るが 、全 て の理 由を尽 くす こ とは 出来 な く、実 際 の運 用 に融 通 が きか な く不適 応 な限界 が あ る。

この度 の改 正後 の新 婚姻 法第32条 は 、例 示 主義 的 な立法 方 式 を採 用 し、

概 括的 な基 準 「も し感情 が確 か に破綻 し、調停 に効果 が ない場合 、離 婚 を許 さなけれ ば な らない」 の後 に、感 情 が確 か に破 綻 した こと と確認 す る5つ の 情 況 、① 重婚 あ るいは配 偶 者 の あ る者 が他 人 と同居 して い る場 合 ② 家 庭 内暴 力 また は虐 待 、遺 棄 が あ る場 合 ③ 賭 博 、薬 物 等 の悪 習 が 直 らな い場 ④ 感 情 の不 和 に よ る別居 が満2年 と な って い る場 合 ⑤ そ の他 の夫 婦 間の感 情 が破綻 して い る情況 、 と列挙 した。前 者3っ は、0方 あ るい は双 方 に過 失 が有 り、夫婦 感情 の破 綻 に至 った場 合 で、4番 目は 、双方 の別 居 が0 定 の期 限 に達 した ことを も って感 情破 綻 の基準 と してい る。 この場合 、当事 者 の過 失 の有 無 は問わ ない。5番 目は 、概 括 的規 定 その もので 、如何 なる情 況 で あ ろ うと、 当事 者 が、夫 婦感 情 は確 か に破 綻 し、共 同生 活 出来 ない証拠

{7)

を提起 さえす れ ば 、夫 婦 感情 は確 か に破綻 した と見 な され る。89年 に最 高 人 民 法 院 が公 布 した14種 類 の情 況 のそ の 多 くを受 継 いで い る。 但 し家 庭 内 暴 力 、薬物 は 、新婚 姻法 が新 た に取 り入れ た情 況 で あ る。

別居 の期 間 に関 して 、前 述最 高 人 民法 院 の14種 類 の 中で は満3年 で あ っ たが 、新婚 姻法 で は満2年 とな った。 離婚 行為 者 に不必 要 な制 限 を減 少 させ

る ことが 、「婚姻 の 自由、離婚 の 自由」 を体 現す る ことで あ る とか、衝 動 的 で軽 率 な離 婚 を防 止す るの に2年 間 は短 くな い とか等 、満2年 を支 持す る者 が 多 か った。別 居満1年 で許 すべ きで あ るとい う意見 もあ った。別居 その も のが感 情破 綻 の始 ま りで、1年 間か け て調 停 が不 調 な らば、 それ は完全 に破

(8)

綻 して い る こ と の証 明 で あ る、 と い う理 由か らで あ る。 中 に は 「別 居2年 す れ ば 離 婚 で き る」 と い った 観 念 が 定 着 しな い よ う にす る為 に 、 別 居 期 間 に

(9)

関す る条項 そ の もの を、削 除す るよ う求 め る意見 もあ った 。

全 国婦 女連 合 会 が2000年 に全 国 レベル で実施 した4000人 を対 象 と した サ

(10)

ンプ ル 調 査 に 拠 る と、 平 均 して15.78ヶ 月 の別 居 で あ れ ば 、 離 婚 を許 さ な け れ ば な らな い 、 と い う こ と に な る 。 男 性 だ け で 見 る と 、 平 均16.34ヶ 月 と な り、 女 性 だ け で 見 る と 、15.27ヶ 月 と い う こ と に な る。 女 性 は 長 い 別 居 期 間

(10)

を 望 ま な い よ う で あ るQ

4.離 婚 制 限 規 定 の 維 持

結 婚 した いか ら結婚 す る、離 婚 した いか ら離婚 す ると い った 自由は、や は り法 律 の規 定 の下 のそ して道徳 規範 の下 の 自由で あ る。 とい うのは個 人 の 自 由は 、他 人 や集 団 の 自由を妨 げ ない情 況下 にお い て、 は じめ て実現 され るか らで あ る。従 って婚姻 の 自由 を絶対 化 し、法律 や道徳 の機 能 を否認 し軽 視す るこ とは 、大 変有 害 で あ る。

現 代社 会 の婚姻 観 は普遍 的 に、婚 姻 は契約 の上 に成 り立 っ法 律 関係 で、法 律 の規範 の下 で制 限 を受 け る と認Aし て い る。 当事者 が契 約 を締結 し、 国家 が承 認 し、従 って 国家 は この長 期 の契約 に対 し一定 の義務 を負 う。 も しそ う

で なけれ ば婚 姻登 録 を行 う必要 は ない。 法律 が規 定 した結 婚要 件 と離婚 条件 は、 国家 が婚姻 とい うこの種 の社 会 関係 形成 及 び解体 に対 して行 う、関与 、 審 査 、監 督 の手 段で あ る。 この視点 か ら言 うと、 国家が、社 会全体 の利益や 、 法律 の弱 者 に対す る保 護 を実現す る為 に、離婚 問題 にお い て、制 限的 な条項

を規 定す る こと も、必要 な ことで あ る。

従 って こ こで 言 う ところの 「制 限」 とは 、過 失 あ る離 婚 請求 の者 に対 す る 制 限 で は ない。 新 婚姻 法 には 、80年 婚 姻 法 の伝 統 を 受継 ぎ 、妊娠 期 間 中 の 婦 女 に対す る離 婚 と、 また軍 人 の婚姻 に関す る離婚 に対 し、特殊 保 護 を設 け て い る。

(11)

新 「中国婚姻 法」 の離婚 制度 に関す る一・考察(高 橋)69

1)妊 娠期 間 中の特 殊保護

新 婚 姻 法 は第34条 で 、妊娠 期 間 中 の特殊 保 護 原則 に対 し必要 で 完 全 な補 充 を した。即 ち 「女 が妊娠期 間中 、分娩1年 以 内 あ るいは妊娠 中絶6ヶ 月 以 内で あれ ば 、男 は離婚 を求 め ては な らない。 女が 離婚 を求め るか 、人 民法 院 が 男 の離婚 の 申立 てを確 か に受理 す る必要 が あ ると認 め る場合 は、 この限 り で は ない。」 と規 定 した。 「女 が妊 娠 中絶6ヶ 月 以 内」 の部 分 が 、 同第34条 に新 た に加 え られ た 内容 であ る。 女 は妊娠 期 間 中、或 いは分 娩及 び妊娠 中絶 後 しば らくは、身 体上 、精神 上、 比較 的脆 弱で 、感情 の上で の刺 激 に抗 しき れ ない し、胎 児や嬰 児 も入 念 な世 話 が必要 で、 この時 期 男 の離婚 請求 に対 し 一定 の制 限 をす るの は理 にか な って い る し、社 会 の公 共道 徳 が求 め る と ころ

くユ  

で あ る。 なお 男 の離 婚 訴訟権 は制 限 され ただ け で あ って、剥 奪 され たわ けで

くユ2)

は ない。期 間の満 了 した後 は その訴権 は 自然 に回復 され る。

「婦 女権 益 保 障 法」 第42条 も、「女が 計 画 出産 の要 請 に応 じて妊 娠 中絶 し た場 合 、手術 後6ヶ 月 以 内、 男は離婚 を提 起 す るこ とはで き ない。 女が離 婚 を提起 した場合 、或 いは人 民法 院 が男側 の離婚 請 求 を受理 す る必 要 が確 か に あ ると認 め る場 合 は 、 この限 りで は ない」 と規定 してお り、婚姻 法 の精 神 と

一 致 し て い る(Y3)

2)軍 人 の婚姻 の特 殊保 護

新 婚 姻 法第33条 は 「現 役 軍 人 の配偶 者 が離 婚 を 申立 て る場合 は 、軍 人 の 同意 を得 なけれ ば な らないが 、軍 人の0方 に重大 な過 失 が あ る場 合 は除 く」

と規定 した。 これ は1980年 婚姻 法 第26条 の規 定 を完 全 に した もので 、現 役 軍 人 の婚姻 に対 す る特殊 保護 で あ る。

この条 項 は解 放戦 争時 期 、現役 軍 人が 前線 で安 心 して任 務 に着 け る よ う、

各解 放 区 の婚姻 条例 の 中で制 定 され た特 殊 規 定で あ る。「全 ての革 命 軍 人 の 配 偶 者 と全社 会世 論 の 同情 を得 られ るものだ」 とか 「革命軍 人 の一 方配偶 者

(12)

は、個 人 の暫 時 的 な利 益 を犠牲 に して、民族 、社 会 、 国家 の公 共 の永久 的利 益 に従 う ことが 出来 る とい う、0種 の表 現 で あ る」 とか の制 定主 旨が 、1950

年婚 姻 法起 草 の報告 に見 られ る。

50年 来 の情 況 に は大 き な変 化 が 生 じた。 軍 人 の婚姻 を保 護 し、 現役 軍 人 の配偶 者 に国家 の事業 に献 身す るよう励 ます のは必要 で あ るが、 高 尚 な道徳 や情操 は個 人 の 自覚 や実行 に依 拠す る もので あ り、 法律 の強制 執行 によ る も の では ない。 軍人 とその妻 は同様 に普通 の公 民 で、憲 法が賦 与 した基 本 的権 利 を享 受 し、軍人 が提起 した離 婚 の場合 、法 院 は離 婚 の判 断 を下す こ とが 出 来 る し、軍人 の妻 が離婚 を提起 した場合 に、軍人 が も し同意 しな くて離 婚 で きない な ら、軍 人 の妻 は平等 の権 利 を失 う ことに なる。 国家 の法 律 は復員 転 業 の各 方面 にお いて、軍 人 に対す る保 護措 置 は少 な くな く、婚姻 問題 にお い

(14)

て更 に 「特 殊公 民」 で あ るべ きで は ない。

婚 姻 関係 にお いて、一 方 の利 益 を犠牲 にす るこ とで対価 とす る ことは 、非 常 に不公 平 で あ る。 「婚姻 法(改 正 草案)」 第33条 の中 で は 「軍 人 の一 方 が 重大 な過 失 が あ る場 合 は除 く」 の一 言が なか った ので 、一部 の法 律家 は 「人 民法 院 が、婚 姻 関係 の破綻 は軍 人 一方 の重大 な過 失 によ るものだ と明 らか に な った場 合 は、 この限 りで は ない」 という規 定 を追加 し、軍 人 の婚 姻 を保 護 し、過失 あ る軍 人 の0方 配 偶者 の離 婚権 を保 障す る よう提 議 した 。全 国婦 女 連合 会 は、「軍 人 の一 方 が重 大 な過 失 が ある場合 は 除 く」 を加 え る こと を提 議 しなが らも、 同第33条 の削 除 も一 方 にお い て提議 して い る。 同条 項 は そ もそ も 「婚 姻 の 自由」 及 び 「離 婚 の 自由」 に矛盾 し、平和 な時代 、都市 にお け る軍 人 の過 失行 為 は、軍 人 の配 偶 者や 社会 に対 しもた らす 影響 は甚大 で あ

{15)

るか らで あ る。

0方 、 司法実 践 の現場 にお いて は、次 の よ うな理 論構 成 を し、離 婚 自由の 原 則 との整 合性 に筋 道 を立 て 、軍人 の婚 姻 の特 別保 護 と婚 姻 自由の原則 は相 互 に違 背 しない とい う立 場 を と って きた 。即 ち、最高 人民法 院 「民事政 策 の

(13)

新 「中 国婚姻 法」 の離 婚制 度 に関す る一考 察(高 橋)71

法律 を完 全 に執 行す る若 干問 題 に関す る意 見」(1984年8月)第9条 第2項 は 「現 役 軍 人 の配 偶 者 が離 婚 を提 起 した場 合 、婚 姻法 第26条 規 定 に照 ら し 合わ せ審理 をすべ きであ る。軍 人 が離婚 に同意 しない場合 、原 告 に軍 人 との 夫婦 関係 を大切 にす るよう教 育 し、極 力和 合 す るよ う調停 し或 いは離 婚 を許 さ ないよ うにす べ きで あ る。夫婦 の感情 が確 か に破綻 し、調停 工作 も効 果 が な く、確 か に夫婦 関係 が継 続 出来 ない場 合 、軍人 が所 属 してい る部 隊 の 団以 上 の政 治機関 を通 して、軍 人 思想工 作 を十分 して 、離 婚 を許 さなけれ ば な ら

ない。」 と規 定 した 。

新 婚 姻 法 は結 果 的 に は、 司 法実 践 で は な く法 律 家 の提 議 を採 用 し、即 ち

「但 し感 情が確 か に破綻 し維持 出来 ない場合 、軍 人 の一方 に説得 した と言 う 基礎 の上 に、離婚 を許 す」 で は な く、「軍 人 の重 大 な過 失 が あ った場 合 を除

{16)

く」 を採用 し、 同第33条 の但 書 と した 。

以上 の経過 を経 て、軍人 の婚 姻 に対 す る特殊 保 護 をよ り完 全 なものに した 。 現役 軍人 の婚 姻 を崩壊 させ 犯罪 を構 成す る場 合 は 、法 に拠 り刑 事 責任 を追 究

され るべ きで あ る。「刑 法 」 第259条 は 「現役 軍 人 の配 偶 者 で あ る と知 りな が ら、 これ と同居 あ るいは結婚 した場合 、3年 以下 の有期 刑 に処 せ られ る。」

と規 定 してい る。

5.離 婚 損害 賠 償制 度 の創設

全 国婦 女 連合 会 組織 の 民意 調 査 に よ る と、 そ の中 で88.1%の 人 が 、離 婚 訴訟 の 中で 、「婚姻 家 庭 を崩 壊 させ た行 為 を行 った方 が 責任 を負 う」 原 則 を 実施 して もよ い と考 え てい る。 中年 の中 にはそ の多 くが 、離 婚手 続 きを更 に 厳 格 に し、そ れで も って婚 姻家 庭 に背 いた者 を懲 戒す るよう希望 す る傾 向が 強 い よ うで あ る。

良好 な家庭 が 、0人 の 良心 に背 いた者 に よ って崩壊 させ られ る。 そ の者 を

(14)

懲 罰 し、家産 を使 い果 た した場合 は罰 す るべ きで あ る。 また重婚 の場 合 は 、 先ず処 罰 しその後 離婚 を許す べ きで あ る、 とい う提 議 もあ った。 新婚 姻 法 は 社 会 の要望 に応 じなけれ ば な らない。 そ こで離婚 の際に、無過 失 の一 方や女 、

子女 の権益 を考 慮す る原則 を実現 す る為 に、過 失賠 償制 度 を創設 した。

創 設過 程 にお い て 、「婚姻 法(改 正 草案)」 第46条 で は 、3種 類 の情 況 を 離 婚損 害賠 償 の範 囲 に列 挙す るよ う提 議 され た。即 ち 「一方 の重 婚 、或 い は 夫 婦 の名義 で は ない婚外 の 同居 関係 を形成 し、家庭 内暴 力 を振 る った り或 い は其 の他行 為 を も って家庭構 成員 を虐 待 した り、或 いは家庭 構成 員 を遺棄 し た り して、離婚 を導 いた場合 、無過 失 の一 方 は損害 賠償 を請 求す る権 利 を有 す る。」 と。

新婚 姻 法 は これ を修 正 して 、第46条 「以下 の情 況 が 一っ で もあ り、離 婚 を導 い た場 合 、 無 過失 の一 方 は損害 賠償 を請 求す る権 利 を有す る◎ ① 重 婚 の場合 ② 配偶 者 あ る者 の他 人 との 同居 の場 合 ③ 家 庭 内暴 力 を振 る った 場合 ④ 家 庭構 成 員 を虐 待 、遺 棄 した場 合」 を規定 した 。 なお 同第32条 で は この4つ の情 況 を、感情 が確 か に破綻 し、調停 も効果 が な く、離 婚 を許 可

(17)

す る判決 を下 す こ とが 出来 る情 況 で あ る と見 な してい る。

この度 の婚 姻法 改 正 の特 徴 の一 つ は、離婚 制度 の中 に 「離婚 自由の保 障 、 弱者利 益 の保 護 、法律 公 正の実 現」 を貫徹 した ことで あ ると言われ るが 、具 体 的 に は、特 に 同第46条 を創 設 し、経 済 的援 助制 度 を強化 した こと に表 れ

てい る。

離婚 損害 賠償 制度 の本質 は 、一種 の権利 救 済制度 で、 それ は夫婦 関係 の中 の無過 失 の一 方 で、被害 を受 けた配偶 者 の権利 に対 す る救 済 を通 して、被害 者が 受 けた財産 損 失や精 神 損失 を補償 し、 また過 失有 る一方 を懲罰 す る こと を通 して、是非 を明 らか に し、責任 を 明確 に し、警 告 を発 し、 この種 の過 失 行 為 を抑制 す る ことであ る。従 って、行為 者 の過失 の程 度 が一 定 の深刻 な程 度 に達 した場合 、損 害賠 償 の民事 責任 を負わね ば な らない。

(15)

新 「中 国婚 姻法 」 の離婚 制度 に関 す る一考 察(高 橋)73

離 婚損 害 賠 償 の要 件 は以下 の4っ で あ る。 即 ち ① 行 為者 に過 失 が あ る こ ② 損害 の事 実 が あ る こと ③ 過 失行 為 と損害 事 実 の 間 に因 果 関係 が あ

(18)

る こ と ④ 離 婚 の 発 生 と 、損 害 賠 償 請 求 権 者 の 無 過 失 で あ る。

こ こで 留 意 が 必 要 な の は 、 「包 二 妨 」 或 い は 「包 二 爺 」 と 「配 偶 者 あ る者 の 他 人 と の 同居 」 との 関 係 で あ る。 離 婚 損 害 賠 償 制 度 を審 議 した2000年10 月 の 全 人 代 常 務 委 員 会 第1回 審 議 に お い て は 、 重 婚 を構成 す る場 合 に対 して は 、 刑 法 に 拠 り処 罰 し、 「包 二 妨 」 或 い は 「包 二 爺 」 が 原 因 で 離 婚 に 至 った 場 合 に は 、 重 く民 事 賠 償 責 任 を 負 わ せ るべ き で 、 無 過 失 の 一 方 は 損 害 賠 償 を 請 求 す る こ とが 出来 る と提 議 した 。 そ こ で 同 年12月 、 同常 務 委 員 会 で 第2

回 の 審 議 が な され た 際 、 「一 方 の 重 婚 、 或 い は 家 庭 内暴 力 を 振 る った り或 い は其 の 他 行 為 を も って家 庭 構 成 員 を虐 待 した り、或 い は 家 庭 構 成 員 を遺 棄 し た り して 、...,!'ニを 導 い た 場 合 」 に 、 「夫 婦 の 名 義 で な くて 婚 外 の 同 居 関 係 を 形 成 し離 婚 を導 い た 場 合 」 が 新 た に 追 加 され 、 そ の情 況 が あ る場 合 も 、 無 過

(19)

失 の 一 方 は 損 害 賠 償 を請 求 す る こ とが 出来 る と した 。 離 婚 損 害 賠 償 の範 囲 が 拡 大 さ れ る結 果 と な った 。 同情 況 は 新 婚 姻 法 第46条 で は 、 「配 偶 者 あ る者 の 他 人 と の 同 居 」 と い う表 現 に な って い る。 「包 二 妨 」 或 い は 「包 二 爺 」 の 情 況 と は 、 一 般 的 に は 一 方 が 他 方 の 為 に金 銭 、住 居 を提 供 し、 双 方 が 共 同 で 一 定 の 時 間 居 住 して い る 婚 外 の 同 居 関 係 で 、 子 女 を 設 け て い る場 合 も あ る。

「包 二 妨 」 或 い は 「包 二 爺 」 情 況 に お い て は 、 夫 婦 の 名 義 で 同 居 して い る場 合 も あ る。 従 って 「包 二 妨 」 或 い は 「包 二 爺 」 と 「配 偶 者 あ る者 の 他 人 と の 同居 」 と は 、 全 く同 じ内容 で は な い 。 「配 偶 者 あ る者 の 他 人 と の 同 居 」 の 法 律 概 念 は 、 今 日で は 次 の よ う に解 釈 され て い る。 即 ち 「夫 婦 の 名 義 で な く、

持 続 的 に安 定 的 に共 同 で 居 住 して い る」 状 態 を指 す 。 そ の場 合 、 婚 外 の 異 性 と(同 性 は 含 め な い)、 夫 婦 の 名 義 で は な く、 時 間 的 に は 持 続 して 、 状 態 的 に は安 定 して 、 共 同 で居 住 と い う5っ の条 件 を備 え な けれ ば な らな い 。 従 っ て 、 男 女 間 の姦 通 行 為 、 或 い は偶 然 の 一・回 や 二 回 の婚 外 性 的 関 係 の 発 生 は 、

(16)

も ち ろ ん含 まれ な い。 最 近 、最 高 人 民法 院 は婚 姻 法 第1部 解 釈 を発 表 し、

rr包 二妨 』 は必ず しも重婚 罪 を構 成 しない」 と した が 、 同解 釈 の補 強 と も

{20)

考 え られ る。

なお 「二妨 」 に対 し損害 賠償 が請 求 で き るか どうか に関 して は、新婚 姻 法 には明確 な規 定 は ない。夫 が 自己 の収入 で も って 「二妨」 に物 品 を贈与 す る が 、それ は 同時 に夫婦 の共 有財 産 を減 少 させ てい る ことで、妻 は被 害者 と な る。 この よ うに 「包 二妨」 行為 が妻 の財 産権 に損 害 を与 え てい る場 合 、 司法 の実践 にお い ては、離 婚 の際 に夫 に分割 され る共 有財 産 か ら相 応部 分 を差 し

(21)

引 いて い るよ うで あ る。

どの よ うに賠償 す るか に関 して、全 人代 常務委 員会 委員 の一部 で は、新婚 姻 法 が離婚 損害 賠償 に対 して制 定す る規 定 は、 民事法 の公 平 の原則 に符 合す べ きで あ ると提 議 した 。損害 賠償 基 準 は、損害 の過失 責任 と損害 の程度 に基 づ き、情 況 を斜 酌す る規 定 を設 け るべ きで 、それ で も って最 高額 を確定 し比 例 割合す る形式 で も って規 定 を制 定 し、司法解 釈 の 中で 明確 に し、司法 機 関 が 法 に依 って処理 で き るよ うに させ るので あ る。 そ の賠償額 につ い て、曾 て 全 国婦 女連 合会 は、過 失有 る一 方が 無過 失 の一方 に損 害賠償 す る際 には、 そ の賠償 額 は個 人 の全 財 産 の20%で あ る と、提 議 した ことが あ る。 また広 東 省 関係部 門は 、無過 失 の一方 に財 産賠 償請 求権 や精 神 賠償請 求権 を賦 与 し、

精 神 損害 賠 償 の額 は5000元 か ら5万 元 の 間 、或 い は過 失 有 る一 方 の所 得 財

(22)

産 の10〜30%と す るとの提議 も してい る。

証 拠 の問題 に関 して、全 国婦 女 連合 会 、一部 の弁 護士 は、新婚 姻法 第5章 に次 の よう な1条 項 を加 え るよ うに提 議 した 。即 ち 「一方 に 、重 婚 、婚外 同 居関係 、夫婦 共有財産 の隠 匿、転売 、破 損等 の過 失行為 が あ るか否 かの場合 、 離婚 訴訟 の過程 にお い て、被害 者 は人 民法 院 に法 に拠 り調査 を申請す る権利

(23}

を有 し、 人 民法 院 は調 査 を実 施 しなけれ ば な らな い。」 と。 この提議 は 、新 婚姻 法 第45条 「重 婚 の 者 に対 し、家 庭 内暴 力 を振 る う、或 いは 家庭 構成 員

(17)

新 「中 国婚姻 法」 の離 婚制度 に関す る一考 察(高 橋)75

へ の虐 待 、遺棄 で犯 罪 を構成 した者 に対 し、法 に拠 り刑事 責任 を追 究 し、被 害 者 は刑事 訴訟 の関連規 定 に照 ら し人民 法院 に 自 ら訴 え るこ とが で き、公安 機 関 は法 に拠 り捜査 すべ きで、 人 民検 察 院 は法 に拠 り公訴 を提起 しなけれ ば

な らない。」 とな った。

誰 が賠償 請 求 を提起 す る権 利 を有す るか の問題 に関 して、検 討す る価値 の あ る提 議 があ る。新 婚姻 法 は、 無過 失 の一方 のみ が賠償 を要求 す るこ とが 出 来 る と規 定 して い る(同 第46条)。 これ は 「包 二妨 」 或 い は 「包 二爺 」、家 庭 内暴 力等 行為 の被 害者 に、請 求提起 を困難 にさせ てい る。 とい うの は、現 実 的 にはよ く次 の よ う な情 況が存 在す る。即 ち、一方 が 「包二 妨」 を し、 そ の妻 が離婚 の 際 に賠 償請 求 を提起 す るが 、夫 は妻 の長 期 に渡 る 自身 に対す る 気遣 い の欠如 が 「包 二妨 」行 為 を導 いた と し、妻 に も過失 が あ り、賠償 請求 出来 ない と主張 す る者 もい る。 上海 市関係 部 門 、広 東 省 関係 部 門 か らも同様

(24)

の疑 問が 出 され 、新 婚姻 法 の過 失賠償 制度 の不 備 を指 摘 してい る。 そ こで一 部 専 門家 は、被 害者 が請 求 を提起 す る際 、被害 者 が 「無過 失 の一方 」 であ る か否 か に限 定す る必 要 は な く、他 方 に 「包 二 妨 」 「包 二爺 」、 家庭 内暴 力及 び家庭 構成 員へ の虐 待 、或 い は家庭構 成員 へ の を遺 棄 、 とい った行 為が あれ ば、 もう一方 は賠償 を要 求す る権 利 が あ る、 と提議 した。

厳格 に言え ば、過 失賠 償 は被害 者 のみ に与 え られ る一種 の賠償 請 求権 で は あ るが、実 際 の損害 賠償 責任 が発 生す るか否 か は、法 院 を通 して法 に拠 り当 事 者 の過失 及 び過失 の程 度 に基 づ いて 、実際 の情 況 に合わ せ て判定 が なされ るもので あ る。 も し請求 者 に も過 失 が あ る場合 、裁 判 官 に よ って過 失 の比較 を通 して適 当 な賠償 額 が確 定 され なけれ ば な らない。 過失 が大 の一 方 は賠償 責任 を負 い、 も し双 方 の過 失が相 等 の場合 、賠償 を与 え ない。 司法 の実践 か ら見 ると、過失 の程 度 は比較 す る ことが で き、賠償 は実施 され 得 るもので あ

(25)

る と 言 わ れ る。

(18)

6.結

以 上 の 考 察 を通 して 、 二 っ の 大 き な 印 象 を 持 った 。 一 っ は 「包 二 妨 」 問題 の 破 綻 主 義 離 婚 制 度 に対 す る挑 戦 、 も う一 っ は 女 性 の 権 益 に 対 す る 更 な る保 護 で あ る。

1)「 包二 妨」 問題 の破綻 主義 離婚 制度 に対す る挑 戦

「包二 妨」 問題 の解 決 を 目指 す過 程 で 、離 婚 損害 賠 償制 度 が 創設 され た感 が 強 い。過 失 有 る一方 に対 す る、 民事 的 な制 裁 を通 して、「包 二妨 」 行 為 を 抑制 しよう とす るものであ る。今 日、破綻主 義離婚制 度 は、過失行 為 の制 裁 、 懲罰 的機 能 を次第 に減 少 させっ っ あ る。 同制 度 はむ しろ、 困難 な情 況 に陥 っ た婚 姻 か ら救 済す る一 種 の解放 手段 で あ る と言 って も過 言で は ない。離 婚損 害賠 償制 度 の創 設 は 、む しろ破綻 主 義離 婚制 度 の制裁 、懲 罰 的機能 を復 活 さ せ て い る よ うで あ る。 「包二 妨」 へ の制 裁 、懲 罰 は 、一方 にお いて 「夫婦 相 互 の忠実 義務 」規 定 の制 定 に繋 が った もの と考 え る。 新婚 姻法 第4条 は 「 婦 は互 い に尊重 しなけれ ば な らない。家庭 内で は老 人 を敬 い子供 を愛 し、互 いに助 け合 い、平等 で仲 良 く文 明的 な婚姻 ・家庭 関係 を保 た なけれ ば な らな い。」 と規定 した。

「包 二妨 」 問題 へ の取 り組 み は 、離婚 法 定基 準 に例 示主 義 の導 入 を促 進 さ せ た。 「包 二 妨」 の事実 が 、そ の ま ま客観 的 な離 婚 判決 の基 準 と な った◎ 破 綻 主 義離 婚 制 度 で は 、夫 婦 関係 の破 綻 の 有 無 が 離 婚 判 決 の基 準 で あ るが 、

「包 二妨」 は、一 つ の客観 的 な離婚 基 準 を提供 した ことに な る。新 婚姻 法で は 、同基 準 と して重 婚 、家庭 内暴 力 、家庭 構成 員へ の虐 待 や遺棄 も追 加列 挙 され た。 そ の事 によ り、感 情破 綻 主義 中心 の考 え方 か ら、婚 姻 関係 破 綻 主義 に転換 され てい った よ うに思え る。 これ は また従来 の司法実 践 の現場 で も、

具体 的 な客 観的 な例 示 が求め られ て いた ことで もあ る。 これ らの家庭 問題 は、

(19)

新 「中国婚姻 法」 の離婚 制度 に関す る一考 察(高 橋)77

「包 二 妨 」 問 題 と 同様iに改 革 開放 時 代 に 深 刻 に な った も の ば か りで あ り、 離 婚 損 害 賠 償 の 範 囲 に 包 括 さ れ 、 懲 罰 の 対 象 と も な って い る。

2)女 性 の権 益 に対 す る更 な る保 護

女性 の権 益 に対す る更 な る保 護 が顕著 で あ るの は、離婚 後 の財産 分割 にお いてで あ ろう。 土地 請負経 営権 の保 護 、家事 労働 に対 す る物質 的補 償 、住 居 問題 へ の配 慮 、離婚 損害 賠償 制度 の創 設等 は 、婚 姻 法 の基 本 原則 の一 つ で あ る 「女 性 の権 益保 護 」 を離婚 制度 の 中で 更 に充 実 させた 内容 に な って い る。

また妊 娠 期 間 中 の特殊 保 護 にお い て も、「妊 娠6ヶ 月以 内」 を もそ の期 間 の 中 に入 れ 、手厚 い保 護iを準備 した。 更 に軍 人 の配偶 者 に対 し、但 書条 項 「軍 人 の一方 に重 大 な過 失 が あ る場合 は除 く」 を加 え、軍 人 の一方 に重大 な過 失 が あ る場合 、軍人 の 同意が な くて も離 婚 の 申立 てが 出来 るよ うに した。 中 国 の 国情 か ら考 え ると、女性側 へ のか な りの譲歩 が 見 られ る。

1950年 婚 姻 法 を改 正 して80年 婚 姻法 が制 定 され た 当時 、離 婚 法定 基 準 に 感情破綻条項 を導入 した ことは、画期 的 なことで あ り、また重 要 な内容 であ っ た 。 文化 大 革 命 時 代 の後 遺 症 は、50年 離 婚 法 の主 旨を歪 曲 させ 、 理 由論 を 追 加 し離 婚 処理 を行 っていた か らで あ る。 そ の後約20年 間 の 改革 開 放 の 時 代 を経 て、80年 婚 姻 法 を改 正 した2001年 の新 婚 姻 法 は、 婚姻(関 係)破 の立場 に移行 しなが ら、離婚 を許 可す る客観 的 な情 況 を列 挙 した 。「包 二妨」、

重婚 、(妻 へ の)暴 力や 虐待 、家 庭構 成 員 に対 す る遺 棄 等 の情 況 で あ る。 更 に これ らに対 しては、離 婚 の際 に損害 賠償 まで科 してい る。所 謂社 会 主義 婚 姻 道 徳 が 、 あ る程 度 機能 して いた80年 代 以 前 と比 べ る と、家 庭 問題 の様 相 の違 い は余 りにも大 きい。社 会 主i義婚 姻道 徳 が、経 済 改革 の 中で の物 質 的豊 か さ と、対外 的 に も対 内的 にも大 き く開放 され た社 会情 況 に遭遇 し、 その機 能的衰退 を露 呈 してい るように思 え る。 同道徳 が影響 力 を及 ぼせ ない分 だけ 、

(20)

制 裁 を も って 、婚 姻 秩 序 を維 持 しよ う と して い る の で あ る。 同 道 徳 が 予 想 も しなか った 程 の 社 会 変 化 と 、 また 社 会 の 複 雑 化 が 進 行 して い った の で あ ろ う。

新 婚 姻 法 の 離 婚 規 定 は 、80年 婚 姻 法 に 比 べ2箇 条 増 え て12箇 条 に な って い る。 な お 離 婚 損 害 賠 償 責 任 の導 入 は 、 ま さ に 夫 婦 関 係 へ の 過 失 責 任 の導 入 と 言 っ て も過 言 で は い と思 わ れ る。 夫 婦 間 で 個 人 に 属 す る所 有 財 産 を 、 自 由 に 取 り決 め られ る よ う に な った こ と と も考 え 合 わ せ る と、 社 会 主 義 婚 姻 道 徳 へ

の 、 資 本 主 義 法 原 理 の 導 入 と い った 感 じさ え 受 け る。

(2001年2月19日 脱 稿)

)q

(2) {3) (4)

(5)

{6}

(7}

(8) C9) BYO) (11) (12}

(Z3}

楊 学 明 曲 直 『新 婚 姻 法 熱 点 聚 焦 』 遼 寧 画 報 出版 社2001年6月8〜12頁 夏 吟 蘭 蒋 月 醇 寧 蘭 『21世 紀 婚 姻 家 庭 関 係 新 規 制 一 新 婚 姻 法 解 説 与 研 究 』 中 国 検 察 出版 社2001年9月3〜5頁 、 王 麗 捧 李 燕 『新 婚 姻 法 釈 義 与 典 型 案 例 』 山 東 人 民 出 版 社1〜3頁 、 「婚 姻 法 改 正 」 ジ ュ リス ト1207 号2001年9月155頁

段 京 連 「訴 訟 離 婚 中 需 要 関 注 」 民 主 与 法 制2001年 第14期50〜51頁 夏 吟 蘭 蒋 月 醇 寧 蘭 『前 掲 』287〜288頁

全 国 人 大 常 委 会 法 制 工 作 委 員 会 民 法 室 編 『中 華 人 民 共 和 国 婚 姻 法 修 改 立 法 資 料 選 』 法 律 出版 社2001年6月113、198、207、284頁

張 賢 玉 「修 改 訴 訟 離 婚 法 定 理 由 的 立 法 建 議 」 婚 姻 与 家 庭1997年8月38〜

39頁 。

夏 吟 蘭 蒋 月 醇 寧 蘭 『前 掲 』287頁

夏 吟 蘭 蒋 月 醇 寧 蘭 『前 掲 』291〜293頁 楊 学 明 曲直 『前 掲 』303〜304頁

全 国 人 大 常 委 会 法 制 工 作 委 員 会 民 法 室 編 『前 掲 』114頁 楊 学 明 曲 直 『前 掲 』304頁

楊 学 明 曲直 『前 掲 』305〜306頁 夏 吟 蘭 蒋 月 醇 寧 蘭 『前 掲 』138頁

拙 著 『改 革 開 放 下 にお け る 中 国 の 家 族 政 策 』(ア ジ ア 研 究 所 叢 刊 第4集) 創 価 大 学 ア ジ ア 研 究 所1995年3月125頁 、 なお 同 書 は 「婦 女 権 益 保 障 法 」

(21)

新 「中 国婚 姻法 」 の離 婚制 度 に関す る一 考察(高 橋)79

を論 じて い る。

(14)楊 学 明 曲直 『前 掲 』307〜308頁

(15)全 国 人 大 常 委 会 法 制 工 作 委 員 会 民 法 室 編 『前 掲 』114頁 (16)楊 学 明 曲直 『前 掲 』309〜310頁

(17)楊 学 明 曲直 『前 掲 』310〜312頁

(18)夏 吟 蘭 蒋 月 醇 寧 蘭 『前 掲 』293〜295頁 (19)楊 学 明 曲直 『前 掲 』313頁

(20)「 北 京 晩 報 」2002年1月2日 付 。

(21)呂 娼 「聚 焦 『二 妨 』 案 」 法 律 与 生 活2001年8期16頁 、 孫 若 軍 「『二 妨 』 没 有 資 格 獲 取 財 産 」 民 主 与 法 制2001年11期49頁

(22)楊 学 明 曲 直 『前 掲 』313頁 、 全 国 人 大 常 委 会 法 制 工 作 委 員 会 民 法 室 編

『前 掲 』210頁

(23)楊 学 明 曲 直 『前 掲 』314頁 、 全 国 人 大 常 委 会 法 制 工 作 委 員 会 民 法 室 編

『前 掲 』118頁

(24)楊 学 明 曲直 『前 掲 』313頁 、 全 国 人 大 常 委 会 法 制 工 作 委 員 会 民 法 室 編

『前 掲 』200、210頁

(25)楊 学 明 曲 直 『前 掲 』315頁

参照

関連したドキュメント

[r]

仲人を先頭に婚家に向かう嫁入りの際に、村の入口や婚家の近くで嫁入り一行の通過

1.はじめに

わが国において1999年に制定されたいわゆる児童ポルノ法 1) は、対償を供 与する等して行う児童

前項においては、最高裁平成17年6月9日決定の概要と意義を述べてき

((.; ders, Meinungsverschiedenheiten zwischen minderjähriger Mutter und Vormund, JAmt

Zeuner, Wolf-Rainer, Die Höhe des Schadensersatzes bei schuldhafter Nichtverzinsung der vom Mieter gezahlten Kaution, ZMR, 1((0,

[r]