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諸言近年、国内外を問わず、陸上競技における多くの 種目で記録は向上し続け、記録更新が繰り返されて いる。競技者各個人をみた場合、日々のトレーニン グにより体力を向上させ、技術と結びつけることで自 己記録(競技パフォーマンス)を向上させている。コ ントロールテスト(フィールドテストと称されることもあ る)は実施者の体力を評価することで、体力の向上を 把握したり、今後のトレーニング計画に役立てること ができる。コントロールテストは多くの指導現場で実 施されているもののその効果、再現性や、実施種目 の妥当性は不明確な部分が多い。そこで本研究は、
陸上競技投擲種目におけるコントロールテストの現状 を踏まえ、コントロールテストにおける実施結果と競 技力との関連性を検討し、先行研究の再現性を検証 した。これらにより、今後の指導現場における実践的 な資料を得ることを目的とした。
(1) 陸上競技におけるコントロールテストの役割 現在、陸上競技の現場において、コントロールテ ストが広く実施されている。コントロールテストの目的 には大きく、「トレーニングの管理」、「パフォーマン スの予測」、「タレント発掘」の3つがある1)。 コントロールテストが競技力との間に相関関係が ある場合、体力の到達目標を設定することで、トレー ニング計画を立てる際の重要な資料とすることができ る。また、そのトレーニングの効果が狙い通りに現わ れているかをコントロールテストの結果から検証するこ とで、トレーニングに再度フィードバックすることも可
能である。この他、コントロールテストはタレント発 掘にもしばしば利用される。ボブスレーにおけるタレ ントの発掘への使用や、陸上競技の選手発掘として 用いられることが多く、当然のことであるが対象とした 競技種目の運動特性に近い種目が実施される。
(2) コントロールテストの現状と問題
我が国ではソ連、東欧など海外と比較し、トレー ニングの指標として役立つ専門的な手段を用いたテ ストは少ない。また、山崎の専門書2)を参考にしても コントロールテストの方法は英国などの海外で実施さ れている者を使用した例が多く、その手段の確立に 遅れをとっている。
前述のようにコントロールテストは指導の現場にお いて非常に重要な役割をしている。そのため、コント ロールテストにおける実施種目は言うまでもなく適切な 種目である必要がある。トレーニングにおける特異 性の原則により、競技種目の特性に一致した体力が 必要とされるが、特にそのスポーツの専門性が進む ほど、その種目に要求される運動能力が必要になる
3)。陸上競技においては、単純に飛距離、タイムに より争うこと、また、動作が「走る・跳ぶ・投げる」など のように単純であるという特性から、球技などの種目 と比較して、体力がそのまま競技結果へと反映されや すいと考えられる。陸上競技においては現在、立幅 跳、ダッシュ、砲丸後方投げなど単純な身体動作に よる種目がコントロールテストに多く利用されている。 しかしながら、指導者あるいは競技者の経験と勘によ りテスト項目を選定しているのが現状であり、その妥 当性について不明確な部分も多いと指摘する現場指
陸上競技投擲競技者におけるコントロールテストに関する研究
A study on the controltest in Athletic throwers
キーワード:投擲、無酸素パワー、
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種目テスト、コントロールテスト高梨 雄太
導者も多い4)。テストの有効性に科学的根拠による 裏付けがあれば、その利用価値も高く、より精度の高 いトレーニング計画が可能となるといえる。また、科 学的根拠を検証することで無駄を省き、競技者、指 導者の負担を軽減させ、簡易に実施することも現場に とっては重要なことである。
また、コントロールテストの妥当性は、競技特性だ けではなく、性差においても検証されるべきである。 コントロールテストに関する報告は男性を対象としたも のが多く、女性を対象に検討した例が全体的に少な いのが現状である。中丸ら10)はこれを理由に女性競 技者を対象に体力特性の検証を実施している。この 報告の中で、女子は男子と比較して体格的に劣る、 また、投擲種目の場合は使用する投擲物の重量が男
女で異なるため、要求される特性も異なるとし、性差 を考慮することの重要性が述べられている。また、青 木ら6)もバウンディング能力やスプリント能力と競技 力との関連性には性差があり、考慮することの必要 性を説いている。このようにいくつかの例はあるもの の、まだ検討例が少ないのが現状である。
これらのようにコントロールテストにおける実施種目 の妥当性、性差を検証することは大切である。しかし、 実施種目の妥当性をいかにして検証するかが課題で もあると考えられる。コントロールテストに関する研究 報告では一回きりのデータ収集で競技力との相関関 係を検討するといった例1)、4)が多くみられる。一方で、
井奥ら13)は陸上競技のようないわゆる競技種目にお ける技術の変化はトレーニング前後のみで観察する のではなく、長期にわたって継続的に変化の過程を 観察してゆく必要があると述べ、陸上競技跳躍競技 者に対し、5ヶ月間に渡り、立幅跳の記録推移を縦 断的に検証をしている。しかし、このような報告例は 少なく、陸上競技投擲種目を対象に鍛錬期前後の二 度のテスト実施結果により競技力との関連性を検討 した例2)もあるが、継続的とまでは至っていない。し かしこれら、コントロールテストを「トレーニングの管 理」、「パフォーマンスの予測」の目的で実施した場 合、体力と競技力の変化は、単回でみるのではなく、 継続的に実施し変化を縦断的に観察してゆく必要性 があるといえる。
(3) 陸上競技投擲におけるコントロールテスト 投擲競技においてもコントロールテストの役割が重 要である。投擲競技は重量物を保持し、その物体をよ り遠くへ投射する特性上、爆発的なパワーの発揮が
要求される。従って、山崎による円盤投の専門書2)な どでもパワーの発揮能力を評価する手段としての種目 が紹介されている。投てき競技者の体力と競技力との 関連性を検討した報告においても、立幅跳、立三段 跳、30mダッシュ、砲丸後方投げなど、爆発的パワー の評価を対象とし実施されている。しかしながら、投 擲競技を対象とした例は非常に少なく、その実施種目 の妥当性や再現性について不明確な部分が多い。ま して、女性競技者について述べられたものは非常に 少ない。国内女子やり投競技者を対象とした報告5)、 女子学生投擲競技者を対象とした報告7)があるが、
データ数が少ないことを課題としており、今後の検証 の必要性が考えられる。本研究はこれら、女子投擲 競技者を対象としたコントロールテストと競技力の関 連性を検討し今後の現場指導に役立てるものである。
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方法(1) 対象者
対象者は、陸上競技投擲種目を専門とする女性競 技者(身長163.1±5.2、体重68.4±5.3、BMI指数 25.8±2.9、年齢21.0±1.0)とした。競技力は、全国 大会入賞経験者から、地方大会出場レベルの範囲 であり、競技レベル、体力、体格ともに平均的な特 性を持つ競技者であった。なお、競技力は「IAAF SCORINGTABLE」により得点に換算した。これら、 対象者の特性を表1に示した。
(2) 調査期間・場所
2008年10月〜2009年8月の期間に4回実施した。
調査期間の位置づけがしやすいよう、トレーニング
表1 対象者の特性
の期分けとピーキング曲線を図1に示した。計測は T大学陸上競技場にて実施した。
(3) 測定項目および測定方法
測定項目は競技パフォーマンス及び、コントロー ルテスト(4種目テストと、自転車エルゴメーターによ る方法)計7項目とした。以下に詳細を記載する。
1) 競技パフォーマンス
競技パフォーマンスは、 それぞれの異なった投擲 種目を比較するため保持記録を得点化し評価した。 得点化には2008年、 国際陸連IAAFのSCORING TABLESを用いた。
2) コントロールテスト
コントロールテストはイギリス、アメリカの陸上競技 パワー系種目の競技者の間で実施されている、英国 陸連方式4種目テスト:TEST QUADRATHRON(以 後、4種目テスト)を用いた11)。測定項目は、30mダッ シュ、立幅跳、立三段跳、砲丸後方投げの4種目と した。なお、砲丸後方投げは4.0kgの砲丸を用いた。
測定は2回実施し、良い方の記録を採用した。また、
各種目の測定記録は換算表により得点化し合計得点 を求めた。各種目の測定方法は以下の通りである。
①30mダッシュ
スタンディングの姿勢から、最初の1歩が地面
に接した時が計測のスタートとなり、ゴール線に胴 が到達した時の時間を計測した。記録は1/100秒 とした。
②立幅跳
両足を軽く開いて、つま先が踏み切り線の先端 にそろうように立ち、両足で同時に踏み切って前方 の砂場に向かい跳躍させた。身体が砂場に触れ た位置のうち、最も踏み切り線に近い位置と踏み 切り線の両足の中央の位置とを結ぶ直線を計測す ることとした。
③立三段跳
両足を軽く開き、つま先が踏み切り線の先端にそ ろうように立ち、両足で同時に踏み切り左右交互に 着地し、3歩目で砂場へ両足を着地するよう実施し た。身体が砂場に触れた位置のうち、最も踏み切 り線に近い位置と踏み切り線の両足の中央の位置 とを結ぶ直線を計測した。
④砲丸後方投げ
両足を軽く開き、砲丸足止め板より、4.0㎏の砲 丸を使用し、頭越しに後方に両手で投げることとし た。計測は砲丸の落下地点のうち最も砲丸足止め に近い位置と足止めの外側まで(両足の中央の位 置)を結ぶ直線を計測した。
3) 無酸素パワー能力
無酸素パワー能力の測定はコンビ社製のパワー
図1 年間トレーニング計画
マックスVを用いて、最大無酸素パワー、負荷1.0kp での最高回転数を測定した。最大無酸素パワーの 測定はパワーマックスVにプログラムされている無酸 素パワーテストを用いて、3段階の負荷で10秒間の 全力ペダリングを実施した。なお、各段階の休息は 120秒とした。これにより得られた無酸素パワー能力 から各被験者の体重により、体重当たりの無酸素パ ワー能力を算出した。各負荷と最大ペダリング速度 との関係を最小自乗法により直線回帰し、最大無酸 素パワーを推定した。負荷1.0kpでの最高回転数の 測定は負荷1.0kpにて5秒間の全力ペダリングを実 施し、表示される最高回転数をデータとして用いた。
以上、これらの調査項目について4回の実施の中 で最も得点の良かったものを測定項目ごとに集計し、 検討データとして使用した。なお、競技パフォーマン スは、2009年10月までに公認競技会にて記録された
ものを対象者の競技パフォーマンスとした。
(4) 統計処理
測定で得られたデータは、体力と競技パフォーマ ンスとの関連性には、各項目間をピアソンの積率相 関係数を用いて関連性を検討し、その有意性につい て検定を行なった。
結果
各測定項目における測定結果を表2に示した。ま た、各測定項目間の相関関係を表3に示した。競 技パフォーマンスと各測定項目の相関関係を検討 した結果、立幅跳(r=0.851、p<0.01)、立三段跳
(r=0.805、p<0.01)、30m走(r=-0.808、p<0.01)、
4種 目テ スト合 計 点(r=0.792、p<0.01)の4種 目 において有意な相関関係がみられた。しかしなが
表2 測定結果
表3 各測定項目との相関係数
ら、砲丸後方投げ(r=0.394)、最大無酸素パワー値
(r=0.468)、1.0KPによる最高回転数(r=0.503)の それぞれの項目には相関関係はみられなかった。こ のほか、コントロールテスト内部の相関関係について は、立幅跳と立三段跳(r=0.944、p<0.001)、4種 目合計点と立幅跳(r=0.927、p<0.001)、4種目合計 点と立三段跳(r=0.961、p<0.001)において0.1%水 準で有意な相関関係がみられた。
3. 考察
本研究は年間を通して実施された4回のコントロー ルテストにより得られた競技者個人における最も良い データを検討に使用した。気象条件、トレーニング 期分けなどにコントロールテストにおける発揮の度合 が左右されるため、条件としては統一されていない 危険性も考えられる。しかし、冬期に実施されたコン トロールテストにおいて記録を大きく伸ばす者もみら れることからも、シーズン中や、気温が高いなどの条 件が必ずしもコントロールテストにとって好条件である とは単純にいえない。
また、これらは対象者個人や、各測定項目などによ り、記録の出やすい条件は様々であるといえる。そこ で本研究では年間を通して最も良かった測定記録を
個人の持つ最高の体力として用いた。
また、競技パフォーマンスについてもコントロール テストの度に計測し、その都度、体力レベルが正確 に反映されているかを検討することが望ましいが、冬 期には競技会も実施されないため本研究において は、各被験者の保持する最高記録を個人の「競技パ フォーマンス」とし扱った。
本研究はコントロールテストにおける実施結果と 競技力の関連性を検討することで、実施種目の妥 当性を検証し、今後の指導現場における実践的な 資料を得ることを目的とした。先行研究において7)は 立幅跳と立三段跳と投擲の競技パフォーマンスに 有意な相関関係があることを報告している。本研究 におけるコントロールテストの結果を分析した結果、
立 幅 跳(r=0.851、p<0.01)、 立 三 段 跳(r=0.805、 p<0.01)、において有意な相関関係がみられ、先行
研究を支持する結果となった。しかしながら、先行 研究においては5%水準であった相関関係が本研究 では両項目とも1%水準であった。これは、先行研究
(n=10)と比較し対象者数が14名と比較的増えたこ とにより、より正確なデータが得られたためと考えられ る。競技者と跳躍力の関係は、特にやり投競技者を 対象とした報告5)においても、重要視され、その後の 中野ら6)による研究においてもやり投競技者の跳躍力 の重要性を示唆している。さらに、高梨4)はやり投競 技者と比較し、円盤投、砲丸投競技者の跳躍力(立 幅跳、立三段跳)は同等以上であるデータを示して いる。これら投擲競技における競技パフォーマンスと 立幅跳、立三段跳の関連性は多くの報告と一致して おり、コントロールテストの種目として再現性が高いこ とがいえる。そのほか、競技力と30m走の間にも有 意(r=–0.808、p<0.01)な相関関係がみられた。先 行研究2)、4)においては、30m走と競技パフォーマン スとの間に有意な相関関係は観察されなかったと報
図2 立幅跳と競技パフォーマンスの相関
図3 立三段跳と競技パフォーマンスの相関
告している。その理由として、投擲競技者は重量物 を保持するという特性上、自重による軽負荷な状態で はうまく相関関係が表れなかったのではないかと予測 している。また、その後の高梨ら8)の報告では、競技 パフォーマンスと30m走との間には有意な相関関係 はみられないものの、30m走の記録が向上することに より、競技パフォーマンスも上昇することからテスト項 目としては有効であるとしている。すなわち、体重が 比較的重く、記録への影響も予測されるが、競技者 個人内でみた場合、競技パフォーマンスとの関連性 があると思われる。本研究は、被験者が先行研究と 比較して多いことも影響し、より正確な結果が出た可 能性も考えられた。一方、4種目テストの中で唯一、
砲丸後方投げにおいては競技パフォーマンスとの有 意な相関関係はみられなかった。先行研究7)、9)に おいては競技パフォーマンスとの有意な相関関係が 報告されている。本研究において有意な相関関係が 観察されなかった一つの理由として、やり投競技者 の測定結果が著しく低かったことがあげられる。高 梨7)は競技力が同水準でもサークル系競技者とやり 投競技者の砲丸後方投げの測定値に有意(p<0.05) な差があり、やり投競技者の方が低いことを報告し ている。また、中野ら6)においてもやり投げ競技者と サークル系競技者との体力特性の違いを述べてい る。本研究においても被験者の半数がやり投競技者 であり、測定結果に影響したとも考えられた。やり投 は比較的軽い投擲物(600g)を長い助走を用いて投 擲する競技であるこのことから4kgの重量物を静止状 態から瞬間的に投射するような動作においては能力 がうまく発揮されなかった可能性が考えられる。この ことからも、やり投げ競技者をコントロールテストにお いて評価する場合、より競技特性に近い種目を選定、
開発する必要性もあるかもしれない。以上4種目テス トにおいて合計点と競技パフォーマンスの間には有意
(r=0.792、p<0.01)な相関関係が認められたことか らも4種目テストによる評価は有効であるといえる。
本研究は4種目テストの他に自転車エルゴメーター による無酸素パワー能力についても検討した。しか し、最大無酸素パワーテスト(r=0.468)、1.0KPに よる最高回転数(r=0.503)の両種目において競技パ
フォーマンスとの相関関係は観察されなかった。先 行研究2)、4)においては競技パフォーマンスと関連 性があるとされている。また、中丸ら5)は陸上競技 におけるパワー系の種目の指導現場では無酸素パ ワー能力を適切に評価することが重要であるとしてい る。本研究において相関関係が観察されなかった 理由として砲丸後方投げ同様にやり投げ競技者の 測定値が著しく低かったことがあげられる。砲丸後 方投げと最大無酸素パワー能力には深い関連性が あることが知られている2)が、本研究においてもこの
図4 30m走と競技パフォーマンスの相関
図6 4種目テスト合計点と競技パフォーマンスの相関 図5 砲丸後方投げと競技パフォーマンスの相関
項目間には有意(r=-0.802、 p<0.01)な相関関係が みられたことから、砲丸後方投げと同様の理由が考 えられる。また、1.0KPの軽負荷による最高回転数に おいても競技パフォーマンスとの間には有意な相関 関係がみられなかったが、先行研究2)と同様の結 果であった。本研究においても、投擲競技の特性 上、軽い負荷による高速度の筋収縮ではうまく能力 が発揮されなかったと考えられる。しかしながら、これ ら、自転車エルゴメーターの両項目と、4種目テスト の合計点との間には有意な相関関係(最大無酸素パ ワー値:r=0.773、p<0.01;1.0KPによる最高回転数:
r=0.685、p<0.05)がみられたことからも、4種目テスト と同時に実施する価値があるといえる。このほか、内
部における相関関係をみると、特に4種目テスト内部 の相関関係が高いことが伺える。特に立幅跳、立三 段跳の間には非常に高い相関(r=0.944、p<0.001) がみられ、先行研究3)と同様の結果であった。立幅 跳と立三段跳のいずれか一方を実施すれば十分で あるとも考えられる程だが、先行研究においても指摘
されている通り、立幅跳は単純動作によるパワー発 揮であることに対し、立三段跳は着地をそのまま次の 踏み切り動作へつなげる必要があるため技術を要す ることからも、異なった特性の運動を評価する方法と して両方の実施が望まれるといえる。また、4種目テス トの合計点と4種目テスト全ての項目間には有意な相
関関係がみられた。
以上これらの結果により、4種目テストおよび自転 車エルゴメーターによる測定項目2種目の合計6種目 によるコントロールテストの実施は有効であると結論さ れた。しかしながら、多くの先行研究において一様 の見解が示されている項目は立幅跳、立三段跳及 び、4種目テスト合計点の3項目であり、その他の種 目については報告により様々である。本研究は先行 研究よりも対象者が増えているものの、14人では未 だ不十分であるともいえるため今後も引き続き調査す ることにより、データ数の確保、縦断的な検討などが 必要であるといえる。また、本研究ではやり投競技者 とサークル系競技者(砲丸投、円盤投)を合わせて、
投擲競技者として扱ったが、今後は種目別に検討す る必要性も考えられた。
4.
まとめ本研究はコントロールテストにおける実施結果と競 技力の関連性を検討することで、実施種目の妥当性 を検証し、今後の指導現場における実践的な資料を
得ることを目的とし実施した。
結果は以下の通りである。
1) 4種目テストの合計点と競技力の間には有意
(r=0.792、p<0.01)な相関関係が確認され た。
2) 最大無酸素パワー(r=0.468)および、1.0KP による最高回転数(r=0.503)と競技パフォーマ ンスの間には有意な相関関係はみられなかっ た。
3) 最大無酸素パワー(p<0.01)及び、1.0KPによ る最高回転数(p<0.05)と4種目テストの間には それぞれ有意な相関関係が認められた。
図7 最大無酸素パワー値と競技パフォーマンスの相関
図8 1.0KP最高回転数と競技パフォーマンスの相関
以上の結果により女子投擲競技者の体力をコント ロールテストにより評価する際、これらの測定は有効 であると結論された。
付記
本研究は平成21年度東京女子体育大学実践研 究活動補助費による研究成果の一部である。
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