Non-SUSY Minimal SO(10) GUT
モデルにおけるfermions
の質量の解析藤本 侑貴
首都大学東京 理工学研究科 物理学専攻 素粒子理論研究室
2018
年1
月目次
第
1
章 はじめに3
第
2
章 標準模型5
2.1
群とゲージ対称性. . . . 5
2.2
電弱相互作用. . . . 6
2.3 Higgs
場と自発的対称性の破れ. . . . 7
2.4
湯川相互作用とfermions
の質量. . . . 9
2.5
強い相互作用. . . . 11
2.6
標準模型の問題点. . . . 12
第
3
章Grand Unification Theory 14 3.1 Grand Unification Theory . . . . 14
3.2 The Georgi-Glashow SU (5) model . . . . 14
3.3
繰り込み群方程式とfermions
の質量. . . . 16
3.4 SU(5)GUT
モデルの問題点. . . . 19
第
4
章SO(10)GUT 20 4.1 SU(4) C × SU (2) L × SU (2) R . . . . 20
4.2 SO(10)
群. . . . 21
4.3 SO(10)
のSM
への破り方. . . . 22
4.4 SO(10)GUT
におけるfermions
の質量. . . . 24
第
5
章Minimal Non-Supersymmetric SO(10)GUT 26 5.1 Economic Yukawa Sector in SO(10) . . . . 26
5.2 RGEs for Gauge Coupling Constants . . . . 27
5.3 RGEs from M GU T to M I . . . . 27
5.4 RGEs from M I to M Z . . . . 29
5.5
モデルパラメータ. . . . 30
第
6
章 解析32 6.1
先行研究とneutrino
実験の問題点. . . . 32
6.2 Best fit
とその解析. . . . 33
6.3 NOvA
実験とT2K
実験での実験結果を用いた解析. . . . 39
第
7
章 まとめ41
Apendix 42
謝辞
44
参考文献
45
第 1 章
はじめに
素粒子物理学の目的は、自然界に存在する最も基本となる粒子を発見し、その性質や相互作用を解明、そし てそれを数学的に記述することである。素粒子物理学において現在のところ最も多くの実験結果を理解再現 することが出来ている模型は標準模型
(the Standard Model,SM)
である。2012
年には標準模型において存 在が予言されたHiggs
粒子が、欧州原子核研究機構(CERN)
の大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron
Collider,LHC)
を用いた実験により発見され、標準模型はより確実に存在が認められた。それでも標準模型には理論的または実験的観点から解決すべき問題をいくつか抱えている。理論的な問題点としては「重力が量子 化できていない」、「調整可能なパラメータを数多く含む」、「繰り込み不可能なものがある」等が存在する。実 験的観点による問題点は「
neutrino
に質量がない」、「暗黒物質の候補となる粒子が存在しない」、「バリオン数 の非対称性を説明できない」等が存在する。そのために現在、「標準模型を超える理論(Beyond the Standard
Model)
」について理論と実験の両方で盛んに研究されている。それらの大々的な解決策として統一理論が強く支持されている。統一理論とは、自然界にある相互作用は宇宙初期は元々
1
つの相互作用で、それらがエネ ルギーの変化により分かれたという考え方である。この考え方は電場と磁場を一つの相互作用とする量子電磁 気学(Quantum Electrodynamics (QED))
に端を発している。また、標準模型は電磁相互作用と弱い相互作 用を統一する電弱統一理論である。そして統一理論は対称性と大きな関係がある。例えばQED
は時空の対 称性を導入することで得ることが出来る。そして標準模型は1961
年にSheldon Lee Glashow
がハドロンが 持つ量子数であるアイソスピンとストレンジネスとの類推からSU (2) × U (1)
対称性を考えたことが始まり である。従って対称性を考えることが統一理論を構築する上で重要になってくる。それではどのような対称 性があるでしょうか。よく考えられているのが標準模型では破れている左巻きと右巻きの対称性(Left-Right
Symmetriy)
や、バリオン数の非対称性を説明するB-L
対称性、bose
粒子とfermi
粒子が同じ粒子であると考 える超対称性(Super Symmetriy)
等である。これらの対称性を導入することで相互作用、特に量子化できて いる強い相互作用を電弱相互作用と統一しようとするのが大統一理論(Grand Unification Theory,GUT)
で ある。しかし、GUT
を構築する上で重要になってくるのが実験事実である。まず標準模型の相互作用の強さ を示す結合定数(coupling constants)
を合わせなければならない。また、標準模型に存在する粒子のパラメー タも合わせなくてはならない。これらの多くのパラメータを合わせた上で実験事実と矛盾しない模型を構築す る必要がある。だが調整可能なパラメータを数多く含む事もあり、様々な複雑なモデルが日夜考えられている のが今の現状である。それらの中から一つに絞るためには、新しく強い拘束条件をもつ実験事実を発見するこ とが必要である。そしてそのような実験をするためにも、現状可能なモデルの整理をすることが重要であると は思われる。なので本研究では、出来るだけ単純かつ現状否定されていないモデルを考えることで、GUT
モ デルについて深く考察することが目的である。本論文の構成を以下に示す。まず第
2
章では相互作用に注目して標準模型を説明する。第3
章ではGUT
理 論の例としてSU(5)GUT
を紹介し、GUT
理論の構築方法と問題点を解説する。次に第4
章で実際に用いる 対称性であるSO(10)
によるGUT
について一般的に言えることを解説する。そして第5
章及び第6
章では今 回用いるモデルについて詳細に議論していく。最後の第7
章で解析と結論を与える。第 2 章
標準模型
2.1
群とゲージ対称性Dirac fermion
場ψ(x)
に対する局所的(local)
ゲージ変換を考える。ψ(x) → ψ ′ = exp( − iα(x))ψ(x) (2.1)
ここで
α(x)
はx = (t, x)
の関数であり、時空の異なる点で異なる値を取りうる。これは位相の変換であり、1
次元
unitary
変換U (1)
に分類される。このゲージ変換によって得られるψ ′ (x)
は自由粒子のDirac
方程式(iγ µ ∂ µ − m)ψ(x) = 0 (2.2)
を満たさない。そこで、ゲージ場
A µ
を導入し、微分を共変微分に置き換える。∂ µ → D µ = ∂ µ + ieA µ (2.3)
このとき、
fermion
場ψ(x)
が、場A µ
の元で運動する場合の運動方程式(iγ µ D µ − m)ψ(x) = 0 (2.4)
を満たすためには、場の変換に対してゲージ場が
A µ (x) → A ′ µ (x) = A µ (x) + 1
e ∂ µ α(x) (2.5)
と変換すればよい。また、
Lagranjian
密度は新しく増えたゲージ場の運動エネルギー項を加えるとL = ψ(iγ µ D µ − m)ψ − 1
4 F µν F µν (2.6)
F µν = ∂ µ A ν − ∂ ν A µ (2.7)
となり、これは
e
をfermion
場ψ(x)
の電荷とすれば、ゲージ場A µ
は電磁場であることがわかる。つまり、場
ψ(x)
にlocal
対称性U (1)
ゲージ不変性を課すことによって、電磁相互作用を媒介するゲージ場A µ
が自然 と現れる。言い換えれば、場に存在するゲージ対称性によって相互作用が記述される。一般にゲージ対称性が
SU(N )
群である場合を考える。SU (N )
群とは、行列式が1
のN
次元unitary
行列 の為す群のことである。N
個の成分を持つ場ψ(x) =
ψ 1 ψ 2
.. . ψ N
(2.8)
の
SU (N )
群による微小変換U(x)
はψ(x) → ψ ′ (x) = U (x)ψ(x) = exp(igθ a (x)T a )ψ(x) (2.9)
と表せる。ここでg
は結合定数と呼ばれる実数定数であり、θ a (x)
は変換のパラメータである。また、T a
は ゲージ群の無限小変換の生成子であり、SU (N )
群の場合はa = 1, ..., (N 2 − 1)
のN × N
エルミート行列で ある。この変換の下で場ψ
のLagrangian
密度が不変になるために微分を共変微分に置き換えると∂ µ → D µ = ∂ µ + igA a µ (x)T a (2.10)
であり、
Lagrangian
密度が不変になるためにはA a µ (x) → A ′ µ a (x) = A a µ (x) + f abc A b µ (x)θ c (x) − 1
g ∂ µ θ a (x) (2.11)
とならなければならない。ここでf abc
はSU (N)
群の構造定数と呼ばれ、[ T a , T b ]
= if abc T c (2.12)
で表される完全反対称な定数である。従って
SU (N)
ージ対称性を持つLagranjian
密度はL = ψ(iγ µ D µ − m)ψ − 1
2 tr(F µν a F aµν ) (2.13)
F µν a = ∂ µ A a ν − ∂ ν A a µ − gf abc A b µ A c ν (2.14)
となる。またゲージ場A µ
に対して質量項を考えると、ゲージ不変でなくなってしまう。すなわち、ゲージ不 変性の要請によってゲージボソンの質量は0
である。2.2
電弱相互作用電磁相互作用は
U (1)
ゲージ対称性によって描写される。一方、弱い相互作用は弱い相互作用のみの独立し たゲージ対称性だと考えると、現実と合わない性質が現れる。そこで標準模型では、電磁相互作用と弱い相互 作用を1
つの電弱相互作用の異なる成分として表す。この対称性はSU (2)
群とU (1)
群の直積によってSU (2) × U(1)
ゲージ対称性として表される。そして、この対称性が自発的に破れ、その結果、破れのない部分群
U (1)(SU (2) × U (1)
群のU (1)
とは異なる)
が電磁相互作用となる。今後それぞれを区別するために、電磁相互作用のゲージ 対称性をU (1) QED
、電弱相互作用のゲージ対称性をSU (2) L × U(1) Y
とする。弱い相互作用は左巻きの
fermions
にのみ作用し、また、右巻きneutrino
は存在しない。従って、右巻き と左巻きの対称性が破れており、それぞれに対して異なるゲージ変換を考える必要がある。そこで左巻きのfermions
をSU (2)
二重項、右巻きのfermions
を一重項として考える。簡単のため第一世代のleptons
だけを 考えると、左巻きのleptons
はL = ( ν eL
e L
)
となり、右巻きの電子は
e R
と表す。ここで
fermion
場ψ
に対する右巻き・左巻きの場ψ R , ψ L
は、斜影演算子P R = 1 + γ 5
2 , P L = 1 − γ 5 2
を用いて、
ψ R = P R ψ , ψ L = P L ψ
と表される。それぞれのleptons
に対して、SU(2) L
ゲージ変換とU (1) Y
ゲージ変換を考えると、
Lagrangian
密度はL = iLγ µ D µ L + ie R γ µ D µ e R − 1
2 tr(B µν B µν ) − 1
2 tr(W µν i W iµν ) (2.15) D µ L =
(
∂ µ + ig Y B µ
Y
2 + ig L W µ i T i )
L (2.16)
D µ e R = (
∂ µ + ig Y B µ
Y 2
)
e R (2.17)
B µν = ∂ µ B ν − ∂ ν B µ (2.18)
W µν i = ∂ µ W ν i − ∂ ν W µ i − g Y ε ijk W µ j W ν k (2.19) ε(i = 1, 2, 3)
は完全反対称テンソル、Y /2
はU (1) Y
の生成子、T i
はSU (2) L
の生成子である。T i
は二次元 表現で表すと、Pauli
行列によってσ i /2
と表すことが出来る(Appendix)
。一方Y
はweak hypercharge
と 呼ばれ、電荷の演算子Q
と、weak isospin
と呼ばれるT 3
によってQ = T 3 + Y
2 (2.20)
という関係にある。それぞれの
leptons
に対する値は表(1
)に示す。質量項については、fermion ψ
の質量 項は、ψ = ψ † γ 0
より−L m = mψψ = mψ L ψ R + mψ R ψ L (2.21)
と書かれるはず。従って電弱相互作用の場合、左巻きは
SU (2) L
二重項、右巻きは一重項なので、質量項はSU (2) L
対称性を破ってしまう。しかしながら実際は質量をもつ。その方法は後述で説明する。2.3 Higgs
場と自発的対称性の破れゲージ場
B µ , W µ
が表すゲージボソンの質量はゲージ変換不変性によって厳密に0
であることを要請する。しかしながら、弱い相互作用が無限遠方まで働かず、高エネルギーでのみ観測されることから、媒介するボ ソンの質量は極めて大きいと考えられる。そこで導入されたのが、物理系を表す
Lagrangian
はゲージ不変 であるが、「真空」がゲージ不変ではないという考え方で、それを起こすために新たにHiggs
場を定義する。Higgs
場とはスピン0
・電荷0
のボーズ粒子によるスカラー場である。この場がゲージ変換不変であれば、Lagranjian
密度にHiggs
場ϕ
の項L H = (D µ ϕ) † (D µ ϕ) − V (ϕ) (2.22)
を加えてもゲージ変換不変のままである。このとき真空として選ばれるのは、
Higgs
場のポテンシャル項V (ϕ)
が最小値を取るときであるので、もしその最小値がゲージ対称性を持たない場合、真空として選ぶことによっ て対称性が破れ、ゲージ場は質量を獲得する。実際に
SU (2) L × U (1) Y
ゲージ対称性の場合を考えてみる。ゲージ変換不変な複素スカラー場ϕ
はSU (2) L
二重項として
ϕ = ( ϕ +
ϕ 0
)
として表す。さらに
ϕ +
の電荷はQ = 1
で、ϕ 0
の電荷はQ = 0
とする。すると、T 3 ( ϕ +
ϕ 0 )
= 1 2
( ϕ +
− ϕ 0 )
(2.23)
よりϕ +
とϕ 0
で同じweak hypercharge Y = 1
となるので、ϕ
は左巻きのleptons
と同様のゲージ変換を受 け、共変微分はD µ ϕ = (
∂ µ + ig Y B µ
Y
2 + ig L W µ i T i )
ϕ (2.24)
となる。一方、ゲージ変換不変なポテンシャル項は、繰り込み可能なことから
ϕ
のたかだか4
次の関数でありV (ϕ) = µ 2 ϕ † ϕ + λ(ϕ † ϕ) 2 (2.25)
となる。ポテンシャルが極小値を持つためには
λ > 0
である。また、µ 2 > 0
の場合は最小値はϕ = 0
のと きなので、ゲージ対称性は破れず、質量を持たせることはできない。従ってµ 2 < 0
であり、このときポテン シャルが最小になるのはϕ † ϕ = − µ 2
λ (2.26)
のとき。この段階では
ϕ
の変換に対する自由度が4
つ残っているが、真空期待値として⟨ 0 | ϕ | 0 ⟩ = ( 0
√ ν 2
) , ν =
√ − µ 2
λ (2.27)
に選ぶことによって、真空が
SU (2) L × U (1) Y
ゲージ対称性を破る。しかしながらQ ⟨ 0 | ϕ | 0 ⟩ =
( T 3 + Y
2 )
⟨ 0 | ϕ | 0 ⟩ = 0 (2.28)
より、
U (1) QED
対称性は破れていない。つまりHiggs
場ϕ
が真空期待値を持つことで、ゲージ対称性はSU (2) L × U (1) Y → U(1) QED
と自発的に破れる。ここで
ϕ
の運動項に注目すると、真空においてD µ ϕ → i
√ 2 ( g Y
2 B µ + g L
2 W µ i σ i ) ( 0
√ ν 2
)
= iν 2 √ 2
( g L W µ 1 − ig L W µ 2 g Y B µ − g L W µ 3
)
(2.29)
より、L kin = 1 2
( g L ν 2
) 2 (
W 1µ W µ 1 + W 2µ W µ 2 ) + 1
2
(√ g 2 L + g Y 2 ν 2
) 2
( cos θ W W 3µ − sin θ W B µ ) (
cos θ W W µ 3 − sin θ W B µ
) (2.30)
となる。ここで
θ W
はWeinberg
角と呼ばれ、cos θ W = g L
√ g L 2 + g Y 2 , sin θ W = g Y
√ g L 2 + g 2 Y (2.31)
と置く。さらに
W µ ± = 1
√ (
W µ 1 ± iW µ 2 )
, Z µ = cos θ W W µ 3 − sin θ W B µ (2.32)
と置けば、
L kin = ( g L ν
2 ) 2
W +µ W µ − + 1 2
(√ g 2 L + g Y 2 ν 2
) 2
Z µ Z µ (2.33)
となる。よって
SU (2) L × U(1) Y
のゲージ対称性が破れると共に質量0
のゲージ場B µ , W µ
が質量M W = g L ν
2 , M Z =
√ g 2 L + g Y 2 ν 2
を持った
W ±
ボソンとZ
ボソンに変化した。これは元々Higgs
場ϕ
にあった4
つの自由度のうち1
つだけが
Higgs
場になり、残りの3
つがゲージボソンに吸収され、質量を獲得したという事である。また、ゲージ場Z µ
に直交した成分は質量を持たないが、それは電磁場A µ
で与えられる。従って、Z µ
とA µ
との間には( Z µ
A µ )
=
( cos θ W − sin θ W sin θ W cos θ W
) ( W µ 3 B µ
)
(2.34)
という関係があり、SU (2) L × U(1) Y
のゲージ場がWeinberg
角で混ざりU (1) Q ED
のゲージ場になる。ま た、leptons
の共変微分のうちA µ
の成分はD µ → ∂ µ + i √ g L g Y
g 2 L + g 2 Y ( Y
2 + T 3 )
A µ = ∂ µ + i √ g L g Y
g 2 L + g Y 2 QA µ (2.35)
となるので、U (1) QED
の結合定数e
はe = g L g Y
√ g 2 L + g 2 Y
であることが分かる。2.4
湯川相互作用とfermions
の質量Higgs
場が導入されたことで、Higgs
とfermions
の相互作用が新たに考えられる。しかし、新たな相互作用も
SU (2) L × U (1) Y
不変でなくてはならない。まず、SU(2) L
不変性を保つために、2
重項である左巻きfermion
場、SU (2) L 1
重項である右巻きfermion
場、SU (2) L 2
重項であるHigs
場が1
つずつの積の形の相 互作用でなければならない。また、その積自体もU (1) Y
不変でなくてはならない。つまり、leptons
の場合、それぞれの
U (1) Y
変換をL ′ = exp
(
− iα Y L
2 )
L , e ′ R = exp (
− iα Y e
R2 )
e R , ϕ ′ = exp (
− iα Y H
2 )
ϕ
と置くと、( Lϕe R ) ′
= exp ( − i α
2 ( − Y L + Y H + Y e
R) )
となるので、U (1) Y
不変な条件は− Y L + Y H + Y e
R= 0
であり、成り立っている。よって、
SU (2) L × U (1) Y
なLagrangian
密度は、L yukawa = − y e Lϕe R + h.c. (2.36)
となり、これを湯川相互作用
(Yukawa Coupling)
と呼び、y e
は電子の湯川結合定数である。さらに、自発的 対象性の破れによってHiggs
が真空期待値をとるとL yukawa = − y e L ( 0
√ ν 2
)
e R + h.c. = − y e ν
√ 2 (e L e R + e R e L ) = − y e ν
√ 2 ee (2.37)
となる。よって電子は自発的対称性の破れによって、湯川相互作用より質量
m e = y e ν
√ 2
を獲得した。今まで第一世代の
leptons
についてのみ議論してきたが、これをquarks
および3
世代にまで拡張すること が出来る。そのとき、quarks
はSU (2) L
二重項である左巻きのquarks
と、SU (2) L
一重項である右巻きu type quarks, d type quarks
の3
つQ = ( u L
d L
)
, u R , d R
が存在し、湯川相互作用は
L yukawa = − y u Qϕu R − y d Qϕd R + h.c. (2.38)
となる。また、quarks
において世代間の混合が存在する。湯川相互作用による3
世代quarks
の質量項を考え ると、L yukawa = − u L M u u R − d L M d d R (2.39) u L =
u L
c L
t L
, u R =
u R
c R
t R
, d L =
d L
s L
b L
, d R =
d R
s R
b R
となるが、
leptons
と違い、quarks
の場合はu type quarks
とd type quarks
の二つがあるので、どちらか一 方の質量行列M
(3 × 3
ユニタリー行列)を対角にとると、もう一方が対角に取れず、質量固有状態で世代間 の混合が起こる。なので、今後は世代間の混合をd
型quarks
に押し付けたCabbibo-
小林-
益川行列(CKM
行列)
d ′ s ′ b ′
= V CKM
d s b
(2.40)
を用いて、特に区別するときは
d ′ s ′ b ′
を
SU (2) L
二重項を構成する状態、
d s b
を質量固有状態とする。2.5
強い相互作用標準模型における強い相互作用は
quarks
にのみ作用し、SU(3) C
ゲージ対称性によって記述される。leptons
はの一重項であるのに対して、quarks
はカラーによって三重項q f =
q f 1 q f 2 q f 2
で表される。ここで
f
はquarks
のフレーバーf = 1, 2, ..., 6 = u, d, c, s, t, b
である(質量固有状態)。よってLagrangian
はL QCD =
N
f∑
f=1
q f (iγ µ D µ − m f ) q f − 1
2 tr(G a µν G aµν ) (2.41) D µ q f = (
∂ µ + ig 3 T a G a µ )
(2.42) G a µν = ∂ µ G a ν − ∂ ν G a µ − g 3 f abc G b µ G c ν (2.43) T a
はSU (3) C
の生成子(a = 1, 2, ..., 8)
であり、二次元表現で表すと、Gell-Mann
行列によってλ a /2
と表す ことが出来る(Appendix)
。以上より標準模型を対称性の観点から見ると、高エネルギーでは
SU (3) C × [SU (2) L × U(1) Y ]
という対称性を持っていて、エネルギーが下がると
Higgs
が極小値を取ることで、対称性がSU(3) C × U (1) QED
に破れる。
表
2.1 SM
におけるfermions
の表現SU (3) T 3 Y /2 Q
( u L
d L
)
3 (
+1/2
− 1/2 )
+1/6 (
+2/3
− 1/3 )
u R 3 0 +2/3 +2/3
d R 3 0 − 1/3 − 1/3
( ν eL
e − L )
1
( +1/2
− 1/2 )
− 1/2
( 0
− 1 )
e − R 1 0 − 1 − 1
ϕ = (
ϕ + ϕ 0
) 1
( +1/2
− 1/2 )
+1/2 (
+1 0
)
2.6
標準模型の問題点標準模型にはいくつかの問題点がある。その内の二つに注目してみる。一つは
neutrino
には質量が存在す ることである。標準模型において、neutrino
には右巻きが存在しないので、SU (2)
対称性より質量は厳密に0
となるはずである。しかし、1998
年にニュートリノ振動が発見された。これはneutrino
が空間を伝播すると きの固有状態である質量固有状態(ν 1 , ν 2 , ν 3 )
と、観測する際にe, µ, τ
と相互作用するフレーバー固有状態(ν e , ν µ , ν τ
)が異なるために起こる。なので、quarks
と同様に世代間の混合を(Pontecorvo)-
牧-
中川-
坂田行列(
MNS
行列)によって
ν e
ν µ
ν τ
= V M N S
ν 1
ν 2
ν 3
(2.44)
と表される。
二つ目の問題はアノマリーによるものである。経路積分で対称性について考えると、パラメータ
ϵ a
による 場の無限小のLocal
変換δψ = ψ ′ (x) − ψ(x) = ϵ a (x)G a (x) (2.45)
に対して、場の経路積分の測度Dψ = Πdψ(x)
がDψ ′ = Dψ exp (
i
∫
d 4 xϵ a (x)A a (x) )
(2.46)
のように変化するとするとき、作用S[ψ] =
∫
d 4 L (x)
を用いて経路積分
∫
Dψe iS[ψ]
が不変となるものが対称である。計算してみると、
∫
Dψ ′ e iS[ψ
′] =
∫
Dψ exp (
i
∫
d 4 xϵ a (x)A a (x) )
exp (
iS[ψ] + i
∫
d 4 x δS[ψ]
δψ(x) ϵ a (x)G a (x) )
=
∫
Dψ exp (
i
∫
d 4 xϵ a (x) (
A a (x) + δS[ψ]
δψ(x) G a (x) ))
e iS[ψ] (2.47)
となるので、
∫
d 4 xϵ a (x) (
A a (x) + δS[ψ]
δψ(x) G a (x) )
= 0 (2.48)
さらに任意のパラメータ
ϵ a (x)
で成り立つので⟨ A a (x) + δS[ψ]
δψ(x) G a (x) ⟩ = 0 (2.49)
という恒等式を得る。
Local
変換不変なのでδS[ψ] =
∫
d 4 x δS[ψ]
δψ(x) ϵ a (x)G a (x) = 0 (2.50)
であり、任意のパラメータ
ϵ a (x)
で成り立つので、上の恒等式は⟨ A a (x) ⟩ = 0
を与えるべきである。なので⟨ A a (x) ⟩ ̸ = 0
のような場合をアノマリーがあると呼ぶ。ここで
SU (N)
ゲージ理論が持つアノマリーについて見てみる。ψ(x)
はN
個の成分から成る、右手型もしくは左手型のディラック場とする。するとP R † = P L , P L † = P R
となるので、微小変換は
δψ R = igθ a T a P R ψ , δψ R = − ψigθ a T a P L (2.51) δψ L = igθ a T a P L ψ , δψ L = − ψigθ a T a P R (2.52)
従って経路積分の測度はDψ ′ R Dψ R ′ = DψDet(1 − igθ a T a P L )DψDet(1 + igθ a T a P R )
= DψDψDet(1 + igθ a T a γ 5 )
= DψDψ exp (∫
d 4 xigθ a tr (
T a γ 5 δ 4 (0) ))
(2.53) Dψ L ′ Dψ ′ L = DψDψ exp
(
−
∫
d 4 xigθ a tr (
T a γ 5 δ 4 (0) ))
(2.54)
となる。よってアノマリーは⟨ T a γ 5 δ 4 (0) ⟩ = 0
なら無い。もし
δ 4 (0)
が単なる数ならば、SU (N )
の場合、T a
もγ 5
もトレスは0
なので問題ない。しかし正 則化の仕方によってはそうならない可能性がある。ただしディラック場が複数あるときは、それらの足し合わ せによってアノマリーが相殺されることがある。例えば右手型と左手型が常に対になっている場合は相殺でき ることがすぐにわかる。しかし、標準模型の場合、右手型と左手型が対になっていないので相殺できるとは 限らない(カイラルアノマリー)。だが実際に確かめてみると、leptons
とquarks
の両方が存在して初めてア ノマリーが相殺されることがわかる。また、weak hypercharge
が少しでも異なれば相殺されない。これは偶 然とは考えにくい。つまり、標準模型の背後には何かquarks
とleptons
を統一する理論が存在すると予想で きる。第 3 章
Grand Unification Theory
3.1 Grand Unification Theory
QCD
によると、強い相互作用はlocal SU (3)
ゲージ対称性によって記述される。Weinberg-Salam
モデル によると、電弱相互作用はlocalSU(2) L × U (1) Y
によって記述される。そしてSM
の粒子の表現と電荷をま とめると表1
のようになる。これらを満たした上でquarks
とleptons
を統一しようと考える。その方法とし て、電磁場と弱い相互作用のように、電弱相互作用と強い相互作用が高エネルギーでは統一されているという 考え方がGrand Unification Theory(GUT)
である。つまりquarks
とleptons
は同じ粒子の異なる状態であ り、高エネルギーでは区別できないが低エネルギーでSU (3) C × [SU (2) L × U (1) Y ]
に破れることで区別さ れアノマリーが不思議に見えてしまうのではということである。そこでまず、SU (3) × [SU (2) × U (1)]
を含 む最も小さな単純群を考えてみると、それはSU (5)
群である。そこで、最も単純なGeorgi-Glashow SU (5)
model
を考えて見るが、残念ながらこのモデルは実験的に排除されている。しかしさらに複雑な群を見るためにも、
GUT
によってSM
の粒子がどのように記述されていくのかを見ていく。3.2 The Georgi-Glashow SU (5) model
SU (5)
でも単純なGeorgi-Glashow
モデルでSM
の粒子を記述してみる。SU (5)
の生成子はtraceless
でhermitian
な5 × 5
行列である。SU (3)
の生成子λ a (a = 1, ..., 8)
は左上の3 × 3 block
に、SU (2)
の生成子T a (a = 1, ..., 3)
は右下の2 × 2block
に埋め込まれる。Weak hypercharge
演算子Y
はtraceless
でSU(3)
とSU (2)
の生成子と交換する(Apendix)
。また、すべてのSU (5)
の表現は5
表現と5
表現で表すことが出来 る。そこで2
つの5
表現A i , A ˜ i
を用いて2nd
ランクの表現を考える。2nd
ランクのantisymmetric
テンソルA ij
はA ij = A i A ˜ j − A j A ˜ i
であらわせる。これは
10
個の独立な成分を持ち、SU (5)
の5
表現の次に小さい5
表現である。一方、2nd
ラ ンクのsymmetric
テンソルS ij = A i A ˜ j + A j A ˜ i
は
5 × 5 = 25
表現からantisymmetric
な表現を引いたものなので、15
表現である。第一世代のフェルミ粒 子すべてをリストアップすると(このとき粒子・反粒子、quarks
のカラーを区別する)、に含まれる粒子は15
個ある。従って、他の表現は15
次元を超えてしまうので、フェルミ粒子が過不足なく現れるのであるならば、15
個のフェルミ粒子は5, 5, 10, 10, 15, 15
表現であらわされる。生成子の関係性から、
SM
の量子数を表すことができるのは5 + 10
のときのみである。5
表現をSU (3)
とSU (2)
に分解すると、(3, 1) + (1, 2)
となる。従って5
表現は(3, 1) + (1, 2)
となる。(1, 2)
表現に当てはま るのは(e − L , ν eL ) T
しかない。一方(3, 1)
表現にはu R
とd R
とが考えられる。しかしながらSU(5)
の生成子 はすべてtraceless
であるので、電荷Q = T 3 + Y /2
より、5
表現の電荷を足し合わせると0
にならなければ ならない。よって(3, 1)
はd
であり、実際d
のカラー3
つと(e − L , ν eL ) T
の電荷を足し合わせるとQ = 1 3 + 1
3 + 1
3 − 1 + 0 = 0
となる。
10
表現は5 × 5
のantisymmetric
なものなので、5 = (3, 1) + (1, 2)
より、10
表現をSU (3)
とSU (2)
に分解すると、10 = [ { (3, 1) + (1, 2) } × { (3, 1) + (1, 2) } ] A
= [(3, 1) × (3, 1)] A + (3, 1) × (1, 2) + [(1, 2) × (1, 2)] A
= (3, 1) + (3, 2) + (1, 1) (3.1)
となる。
(3, 1)
表現に当てはまるのは残っているu R
であり、(3, 2)
表現に当てはまるのは(u L , d L ) T
で、(1, 1)
表現にはe + R
である。以上より同じ表現に
quarks
とleptons
が存在するので、SU(5)GUT
では陽子崩壊が起こる。実際、SU (5)
の随伴表現である24
表現のゲージボソンをSU (3) C × [SU (2) L × U(1) C ]
に分解すると、24 = (8, 1) + (1, 3) + (1, 1) + (3, 2) + (3, 2) (3.2)
となり、quarks
とleptons
のゲージ相互作用を担うX,Y
ゲージボソン(3, 2), (3, 2)
を含む。SU (5)GUT
におけるSU (3) C × [SU (2) L × U(1) C ]
への自発的対称性の破れを考える。SM
の場合と同じ ように考えると、SU(5)
の随伴表現で変換するHiggs
場Σ ij
が真空期待値を取ることによって破れると考えられる。
Higgs
場のポテンシャルを考えると、V (ϕ, Σ) = V ϕ (ϕ) + V Σ (Σ) + λ 4 (trΣ 2 )h † ϕ + λ 5 ϕ dag Σ 2 ϕ (3.3) V Σ = − m 2 1 (trΣ 2 ) + λ 1 (trΣ 2 ) 2 + λ 2 (trΣ 4 ) (3.4)
V ϕ = − m 2 2 (ϕ † ϕ) + λ 3 (ϕ † ϕ) 2 (3.5)
となる。このとき、
ϕ
はSM
において破れるHiggs
二重項の拡張ϕ T = (ϕ 1 , ϕ 2 , ϕ 3 , ϕ + , ϕ 0 )
であり、
SM
におけるHiggs
二重項が下の2
つの成分に対応している。このポテンシャルでとSU (3) C ×
[SU (2) L × U (1) C ]
交換するように真空期待値を取らなければならないので⟨ Σ ⟩ = M diag(2, 2, 2, − 3, − 3) (3.6) M 2 = m 2 1
2(30λ 1 + 7λ 2 )
となる。この破れは
X,Y
ゲージボソンにオーダーM
の質量を与えるので、陽子崩壊の寿命はM 4
に比例してτ ∼ M 4
g 5 2 m 5 p
となる。ここで
g 5
はSU (5)GUT
における結合定数、m p
は陽子の質量である。3.3
繰り込み群方程式とfermions
の質量相対論的な場の量子論において摂動展開しようとしても発散してしまうことがある。これはループの運動量 積分の範囲がに
0
から無限大まであり、cut-off
が無いためである。そこで繰り込み理論では、私たちが物理 的に測定可能な量からこれらの無限をすべて除去することで計算するという方法である。例えば、スカラー場
ϕ
に対して4
乗の相互作用を考えるϕ 4 theory
の場合、2-loop
の自己エネルギーΣ(p 2 )
は4
次の発散をする。従って、µ 2
でTatlor
展開すると発散項が2
つ現れ、Σ(p 2 ) = Σ(µ 2 ) + (p 2 − µ 2 )Σ ′ (µ 2 ) + ˜ Σ(p 2 ) (3.7)
としてΣ(µ 2 )
は4
次の発散、Σ ′ (µ 2 )
はlog
発散する。一方Σ(p ˜ 2 )
は有限な項で、Σ(µ ˜ 2 ) = 0 , Σ ˜ ′ (µ 2 ) = 0
である。従って、2
点関数i∆(p)
はi∆(p) = i
p 2 − m 2 − Σ(p 2 ) + iε = i
p 2 − m 2 − Σ(µ 2 ) − (p 2 − µ 2 )Σ ′ (µ 2 ) − Σ(p ˜ 2 ) + iε (3.8)
となる。ここで、µ 2
をm 2 + Σ(µ 2 ) = µ 2
と置き換えるとi∆(p) = i
(p 2 − µ 2 )[1 − Σ ′ (µ 2 )] − Σ(p ˜ 2 ) + iε (3.9)
となり、∆(p 2 )
はp 2 = µ 2
でpole
を持つ。従ってµ 2
はphysical mass
と呼ばれ、裸の質量m 2
の発散をΣ(µ 2 )
の発散が打ち消して有限の質量を持った。これが質量の繰り込みである。さらに発散項Σ ′ (µ 2 )
を取り 除くために、Σ ′ (µ 2 )
とΣ(p ˜ 2 )
が結合定数λ 0
のオーダーを持つことから、繰り込み定数Z ϕ = [1 − Σ ′ (µ 2 )] − 1 = 1 + Σ ′ (µ 2 ) + O (λ 2 0 ) (3.10)
によってi∆(p) = iZ ϕ
p 2 − µ 2 − Σ(p ˜ 2 ) + iε (3.11)
とすることが出来る。よって、繰り込まれた場
ϕ
を繰り込まれていない場ϕ 0
でϕ = √
Z ϕ ϕ 0 (3.12)
とすれば、繰り込まれた
2
点関数i∆ R (p)
はi∆ R (p) = i
p 2 − µ 2 − Σ(p ˜ 2 ) + iε = Z ϕ − 1 i∆(p) (3.13)
となる。n
点関数の場合、繰り込まれていないn
点関数G (n) 0
はµ
に依存していないことからµ ∂
∂µ G (n) 0 = 0 (3.14)
これに対して、繰り込まれた
n
点関数G (n)
は繰り込み定数Z(ϕ 0 = √
Zϕ)
を使ってG (n) = Z − n/2 G 0
と書けるので、
Z − n/2 µ ∂
∂µ (Z n/2 G (n) ) = 0 (3.15)
である。さらに、
n
点関数がµ
とλ
の関数として左辺を計算すると、Z − n/2 µ ∂
∂µ (Z n/2 G (n) ) = Z − n/2 (
µ ∂Z n/2
∂µ + Z n/2 µ ∂
∂µ )
G (n)
= Z − n/2 ( n
2 µZ n/2 − 1 ∂Z
∂µ + Z n/2 µ ∂
∂µ + Z n/2 µ ∂λ
∂µ
∂
∂λ )
G (n)
= (
− nµ ∂
∂µ ln Z − 1/2 + µ ∂
∂µ + µ ∂λ
∂µ
∂
∂λ )
G (n) (3.16)
となるので、
β(λ) = µ ∂λ
∂µ , γ(λ) = − µ ∂
∂µ ln Z − 1/2 (3.17)
と置くと、
(
µ ∂
∂µ + β(λ) ∂
∂λ + nγ(λ) )
G (n) = 0 (3.18)
となる。このとき、
β
とγ
がµ
を含んでいると次元をあわせることが出来ないので無次元量λ
にのみ依存し ている。従って、結合定数λ
はphysical mass µ
によって変化することがわかる。このようなµ
の変化によ る方程式を繰り込み群方程式(Renormalization Group Equation)(RGE)
と呼ばれ、β
は結合定数の振る舞 いを表している。特に、非可換群によるゲージ場の場合、結合定数
g
の1-loop
でのβ(g)
はβ = − g 3
16π 2 [ 11
3 t 2 (V ) − 4
3 t 2 (F) + 1 3 t 2 (S)
]
(3.19)
t 2 (F)δ ab = tr (
T a (F )T b (F ) ) t 2 (S)δ ab = tr (
T a (S)T b (S) )
となる。ここで
T a (F )
とT a (V )
はゲージ場とfermions,scalars
との生成子。t 2 (V )
は随伴表現における2
次 のCasimir
演算子で、構造定数f abc
自体が随伴表現となるのでt 2 (V )δ ab = f acd f bcd
となる。よってµ ∂g
∂µ = β(g) = − a
16π 2 g 3 (3.20)
と置きこの方程式を解くと