観光情報から見た観光地化と自然保護との関係
―小笠原南島に関する観光情報誌を事例として―
The Relation between Process of Materializing Tourist Area and Conservation of Nature from Information Perspective
土 居 利 光 *
Toshimitsu Doi
I.問題の所在
1.1 問題の所在 (1) 問題の所在
東京都小笠原村にある南島は,東京都が定めた「東 京都の島しょ地域における自然の保護と適正な利用に 関する要綱」(以下「本要綱」という)に基づいて,自 然の保護と利用の両立を図るべき対象地域として指定 されている。本要綱が定められたのは,南島における 観光等による過度の利用に一定の規制を図ろうとした ことが発端であり,「自然を守る」ということを自然と 人間との関係性を構築することと捉え,こうした視点 から南島において本要綱に基づく利用の規制などの施 策が進められたことが指摘されている(土居2011)。
南島は観光する場所として利用されているが,ここ で課題とされたのは,一般的に守るべき価値があると して認識されている自然に対して,それを損なう形で 行なわれる観光等の利用の在り方であった。本要綱が 定める自然の保護と利用の両立を図るべきとして指定 される地域は,人による過度の立入等によって人為的
な影響を受けるおそれがある地域であるとともに,次 の要件のいずれかに該当するということが条件となっ ている。
・多様な生物及び生態系の確保のための貴重な動物 の生息地,繁殖地もしくは渡来地又は植物の生育地
・地質学又は地形学上貴重な地域
・景観がすぐれている地域
これらの要件は守るべき自然の価値として捉えるこ とが可能であるとともに,観光利用の側面からは観光 客を惹き付ける資源としての意味を持っている。この 際に問題となるのは,観光客がその自然を守るべき価 値があると認識するかどうかであり,自然の保護と観 光等の利用とを両立させるべきであるという視点から は,その認識をいかなる方法によって作っていくかと いうことに課題は集約される。
本稿では,自然の価値がどのような情報の表現によ って観光資源として利用者に対して提供されているか,
また,価値ある自然を守ることと観光として利用する ことの関係についてどのような形で情報が伝えられて いるかについて,本要綱が対象とした南島を事例とし て考察した。方法としては,観光情報誌などにおける 情報の表現方法の変遷を見ることによって,自然に対 する観光側からの価値の伝え方の特徴を把握すること とした。
摘 要
本論文は,自然の価値がどのような情報の表現によって観光資源として利用者に対して提供されているか,
また,価値ある自然を守ることと観光として利用することの関係についてどのような形で情報が伝えられて いるかについて,南島を事例としてガイドブックなどの観光情報誌の表現を分析することによって考察し た。結果は,南島の観光とは,基本的に風景への係わりであり,卓越した景観によって成立した風景として の観光地に自然の価値などの要素を加えつつある過程として捉えることが可能であり,自然の保護に関し て,ガイドブックなどの情報提供の媒体に自然の価値を風景の価値として感じられるような表現を盛り込ん でいく必要があることを明らかにした。
*恩賜上野動物園 園長 首都大学東京 客員教授
〒110-8711東京都台東区上野公園9-83 e-mail [email protected]
(2) 観光の概念
自然の保護と観光の利用との関係を考察するに当た っては,観光情報誌などの意義の確認や自然保護の面 における観光の位置づけなどを明確にするため,観光 の意味内容について一定の整理を行って進める必要が ある。
観光の定義について寺前が観光政策の視点から整理 を行なっている。そこでは,観光基本法1)制定以前の 法律の中に観光という用語が存在し世間に通用してい ることを理由として観光基本法においては観光の定義 がなされなかったことに対して,法律において観光に 関する定義既定は存在しないこととなり規範性を前提 とする法制度論からは未成熟であると指摘している (寺前2007)。また,Metelkはtourismがさまざまに定 義されるとしている(C. J. Metelk 1981.pp.75-76)。この ように観光の定義には確定したものがなく,研究ある いは論文において一定の整理を行っていることが多い。
敷田・森重は研究目的に合わせたさまざまな定義が なされてきたことを指摘した上で,観光とレクリエー ションとを区分する観点から滞在時間に着目する必要 があるとして,「宿泊を伴う日常生活圏以外での休養や 教養のための活動」としている(敷田・森重2001.p.89)。 同様にさまざまな定義があるという観点から中尾は,
各年代における塩田の記述を引用した上で,「観光者が 自己の自由時間(=余暇時間)に非日常生活圏で行なう 様々な(広義の意味での“生涯学習”)活動で,観光消 費を伴うものであり,「非定住性原理」(住みつかな い)・「非営利性原則」(働いて稼がない))を有する活動」
としている(中尾2009.pp.4-6)。
また,多くの文献では,平成7年6月2日観光政策 審議会答申第39号「今後の観光政策の基本的な方向に ついて」における観光の定義を参考として挙げており,
それは「観光とは自己の自由時間(=余暇)の中で,
鑑賞,知識,体験,活動,休養,参加,精神の鼓舞等,
生活の変化を求める人間の基本的欲求を充足するため の行為(=レクリエーション)のうち,日常生活圏を 離れて異なった自然,文化等の環境ももとで行おうと する一連の行動をいう」いうものである。
これらの定義は,観光と呼ぶべき行動を行う主体に 着目して,時間,場所,行動の目的について一定の枠 を定めたものと評価することができる。
一方,内田は「観光の語源は一般旅行者の使う意味 では主に「観光旅行」を指し,旅行者を運んだり,斡 旋したり,迎える側にとっては「観光事業」を意味し ていることが多い」とする(内田1995.pp.26-27)。こ
こでは,事業としての観光が明確に示されている。同 様に,現代の観光の概念が,「個人の活動」から「ホス トとゲストの相互作用」へ,さらに「ホスト,ゲスト,
ブローカーのシステム」と変遷しており,観光事業が 不可欠な要素となっているという指摘がある(安村 2007.p.19)。溝尾は,過去の論文における定義ととも に,観光とレクリエーションとの関係,観光資源や観 光対象との関係などを明確にするなどによって定義化 を試みている。そこでは,基本的にツーリズムが日本 語の旅行ないし観光事業を意味することから観光はツ ーリズムの一部であるとするともに,移動を伴うレジ ャーのうちレクリエーションと別な範疇として位置づ けている(溝尾2003.pp.1-13,溝尾2009.p.19)。以上 においては,観光の定義を行う上で観光事業が前提と されている。
観光上の宣伝など現代において観光に注目が集まる のは,観光の持つ経済的な役割が大きいからにほかな らない。観光の対象として考えられる場所に関して,
誰が,何を目的としてその場所の情報を発信するのか,
また,受け手がどのようにして入手するか,あるいは,
どのような内容に興味を持つのかといった情報の相互 作用を考察する際には,それが観光に関する情報であ ることに留意する必要がある。観光に関する情報にお いては,来る人を迎える側からは来てもらえる情報と いう意味合いが強いのは当然のことであり,観光事業 との関わりがあることを考慮すべきである。
こうしたことから,本稿では,観光を第一義的に「日 常生活圏以外で余暇時間に行われる活動とそれを支え る一連の経済活動との総体」として捉える。さらに,
情報の相互作用の中から観光の対象となる場所が新た に生まれてくる可能性も大きいため,「総体」を情報の 交換を含めた流動的なシステムとして見ることとする。
(3) 南島の観光地としての魅力の着眼点
「小笠原の観光宣伝」2)では,小笠原の観光の魅力 を「動植物の魅力」,「風景の魅力」,「人・文化の魅力」,
「観光施設・メニュー」,「小笠原の過ごし方の魅力」
の五つの範疇に整理しているが,南島は「風景の魅力」
の中に分類され次のように記述されている。
「沈水カルストと呼ばれる珍しい地形をしており,
カタツムリの一種であるヒロベソカタマイマイの化石 や石灰岩が風化してできたラピエが見られる。新東京 百景に選ばれている。」(p.8)
この記述を本要綱の要件に沿って見てみると,記載 されている沈水カルスト,ラピエなどといった用語は
「地質学又は地形学上貴重な地域」としての表現とし
て捉えることができる。しかし,注意しなくてはなら ないのは,読み手がこれらの用語の意味内容を正確に 理解する場合のみその価値が伝わることである。一方、
「珍しい地形」であることと「新東京百景」であるこ とは,景観あるいは風景が特異であることの表現であ り,「景観がすぐれている地域」を示していると考えら れる。しかし,「珍しい」という表現だけでは見る者の 主観的な表現に止まっているとともに,「新東京百景」
という用語についても選定の理由がないままでは価値 が伝わることがない。
つまり,この記述においては地形・地質と景観との 関係は不明確であり,情報提供者が両者の関係を伝え ようとする意図の有無も同様に不明確である。そして 情報の受け手には「珍しい場所らしい」ということが 伝わっているに過ぎない。
いうまでもなく「景観がすぐれている地域」は,観 光の観点からしても人を引き付ける大きな要因であり,
それだけで観光の重要な要素であるとともに,自然保 護の観点からも保護すべき対象とすることができる。
これに加えて,南島においては「地質学又は地形学上 貴重な地域」という意味が観光の要素として重ねられ ていると考えられる。こうした場合,両者の関係性を,
無関係である時にはそれを含めて説明しなければ,本 来の価値が正確に情報の受け手に伝わることはない。
また,情報の受け手,つまり観光利用者は,両者の関 係性を理解することによって初めて景観の素晴らしさ を観光や保護上の価値として新たに見出すのである。
さらにこのような場所において自然保護を図ろうとす る場合にも,地質・地形上の価値と景観の価値とを正 確に捉えることによって保護すべき理由を補強するこ とが可能となる。
以上のことから本稿では,地形・地質と景観との関 係に主に焦点を当てて,資料の検討を行った。
1.2 風景の概念 (1) 風景の定義
1.1(3)において指摘したように「風景」が南島の魅 力とされているが,観光情報誌などにおける情報の表 現方法を考察するに当たって,風景の捉え方,つまり
「風景」という概念について整理しておく。
風景に似た用語としては,景観,景色などがある。
広辞苑では,景観とは「風景外観。けしき。ながめ。
また,その美しさ。自然と人間界のこととが入りまじ っている現実のさま。」,景色とは「山水などのおもむ き,ながめ。風景。」,風景とは「けしき。風光。その
場の情景。」としている。ここからは,この三つについ ての大きな違いは見られない。しかし,志賀重昂の「日 本風景論」を始めとして,風景論あるいは風景の名称 を冠した書物は多い。沢田は,景観という用語が英語 のlandscapeの地理学の訳語として考案され,用いら れてきたが,日常的な文脈の中では風景とほぼ同義で あるとしている(沢田1975.p.25)。
一方,高山は,風景が文芸的,主観的,日常的な概 念であるのに対し,景観が地理学の概念として用いら れたことから科学的,客観的な概念として捉えられて いることが相違点であり,見る者の見方によって成立 する視覚性が共通点であるとした(高山 2010.p.135)。 また,内田は,景色は自然景観に対して,景観は局部 的・場所的外観に対して使用されるが,風景は用語と して使用される分野の範囲が広いとともに感情の思い 入れの深さがあるとしている(内田2001.pp.6-7)。
風景の定義は様々であるが以上を踏まえ,風景とは
「ながめ」を指す用語であるが,視覚に基づく個人的 な印象、あるいは他の人の視覚映像を誘発する個人的 な「ながめ」の切り取り方であると考えることができ る。これは,勝原が風景を審美的印象とし,景観を環 境の単なる「ながめ」として捉えている(勝原 1979. p.4)ことにほぼ等しい。
(2) 観光における風景の意味
観光案内といった観光に関する情報において風景 が扱われる場合,それは単なる「視覚に基づく個人的 な印象」ではなく,「他の人の視覚映像を誘発する個人 的な「ながめ」の切り取り方」となっている。これは,
観光地を選択することにおいて,観光を予定する者は その地域に関する情報にまったく依存しなくてはなら ないし,そのことを了解している情報の発信者は,来 てもらうように情報を提供するからである。
こうした情報において重要なのは,観光地あるいは 観光地としたい場所の在り様を的確に表現することで あり,その場所の価値の要点ないし本質を視覚的に切 り取り,情報の提供を受ける観光を予定する者の視覚 を呼び起こす情報として与えることである。
Ⅱ.南島に関する観光情報
2.1 情報媒体の内容 (1) 小笠原の観光情報媒体
小笠原に関する宣伝や情報を見たり聞いたりする場 合の媒体については,「小笠原の観光宣伝」に記述され ている。全国の18歳以上の男女を対象とした調査では,
(2) 観光の概念
自然の保護と観光の利用との関係を考察するに当た っては,観光情報誌などの意義の確認や自然保護の面 における観光の位置づけなどを明確にするため,観光 の意味内容について一定の整理を行って進める必要が ある。
観光の定義について寺前が観光政策の視点から整理 を行なっている。そこでは,観光基本法1)制定以前の 法律の中に観光という用語が存在し世間に通用してい ることを理由として観光基本法においては観光の定義 がなされなかったことに対して,法律において観光に 関する定義既定は存在しないこととなり規範性を前提 とする法制度論からは未成熟であると指摘している (寺前2007)。また,Metelkはtourismがさまざまに定 義されるとしている(C. J. Metelk 1981.pp.75-76)。この ように観光の定義には確定したものがなく,研究ある いは論文において一定の整理を行っていることが多い。
敷田・森重は研究目的に合わせたさまざまな定義が なされてきたことを指摘した上で,観光とレクリエー ションとを区分する観点から滞在時間に着目する必要 があるとして,「宿泊を伴う日常生活圏以外での休養や 教養のための活動」としている(敷田・森重2001.p.89)。 同様にさまざまな定義があるという観点から中尾は,
各年代における塩田の記述を引用した上で,「観光者が 自己の自由時間(=余暇時間)に非日常生活圏で行なう 様々な(広義の意味での“生涯学習”)活動で,観光消 費を伴うものであり,「非定住性原理」(住みつかな い)・「非営利性原則」(働いて稼がない))を有する活動」
としている(中尾2009.pp.4-6)。
また,多くの文献では,平成7年6月2日観光政策 審議会答申第39号「今後の観光政策の基本的な方向に ついて」における観光の定義を参考として挙げており,
それは「観光とは自己の自由時間(=余暇)の中で,
鑑賞,知識,体験,活動,休養,参加,精神の鼓舞等,
生活の変化を求める人間の基本的欲求を充足するため の行為(=レクリエーション)のうち,日常生活圏を 離れて異なった自然,文化等の環境ももとで行おうと する一連の行動をいう」いうものである。
これらの定義は,観光と呼ぶべき行動を行う主体に 着目して,時間,場所,行動の目的について一定の枠 を定めたものと評価することができる。
一方,内田は「観光の語源は一般旅行者の使う意味 では主に「観光旅行」を指し,旅行者を運んだり,斡 旋したり,迎える側にとっては「観光事業」を意味し ていることが多い」とする(内田1995.pp.26-27)。こ
こでは,事業としての観光が明確に示されている。同 様に,現代の観光の概念が,「個人の活動」から「ホス トとゲストの相互作用」へ,さらに「ホスト,ゲスト,
ブローカーのシステム」と変遷しており,観光事業が 不可欠な要素となっているという指摘がある(安村 2007.p.19)。溝尾は,過去の論文における定義ととも に,観光とレクリエーションとの関係,観光資源や観 光対象との関係などを明確にするなどによって定義化 を試みている。そこでは,基本的にツーリズムが日本 語の旅行ないし観光事業を意味することから観光はツ ーリズムの一部であるとするともに,移動を伴うレジ ャーのうちレクリエーションと別な範疇として位置づ けている(溝尾2003.pp.1-13,溝尾2009.p.19)。以上 においては,観光の定義を行う上で観光事業が前提と されている。
観光上の宣伝など現代において観光に注目が集まる のは,観光の持つ経済的な役割が大きいからにほかな らない。観光の対象として考えられる場所に関して,
誰が,何を目的としてその場所の情報を発信するのか,
また,受け手がどのようにして入手するか,あるいは,
どのような内容に興味を持つのかといった情報の相互 作用を考察する際には,それが観光に関する情報であ ることに留意する必要がある。観光に関する情報にお いては,来る人を迎える側からは来てもらえる情報と いう意味合いが強いのは当然のことであり,観光事業 との関わりがあることを考慮すべきである。
こうしたことから,本稿では,観光を第一義的に「日 常生活圏以外で余暇時間に行われる活動とそれを支え る一連の経済活動との総体」として捉える。さらに,
情報の相互作用の中から観光の対象となる場所が新た に生まれてくる可能性も大きいため,「総体」を情報の 交換を含めた流動的なシステムとして見ることとする。
(3) 南島の観光地としての魅力の着眼点
「小笠原の観光宣伝」2)では,小笠原の観光の魅力 を「動植物の魅力」,「風景の魅力」,「人・文化の魅力」,
「観光施設・メニュー」,「小笠原の過ごし方の魅力」
の五つの範疇に整理しているが,南島は「風景の魅力」
の中に分類され次のように記述されている。
「沈水カルストと呼ばれる珍しい地形をしており,
カタツムリの一種であるヒロベソカタマイマイの化石 や石灰岩が風化してできたラピエが見られる。新東京 百景に選ばれている。」(p.8)
この記述を本要綱の要件に沿って見てみると,記載 されている沈水カルスト,ラピエなどといった用語は
「地質学又は地形学上貴重な地域」としての表現とし
テレビ,雑誌(広告や宣伝),旅行会社のチラシ・パン フレット,雑誌(記事)の割合が高くなっている(p.18)。 また,小笠原を訪れた観光客が小笠原に関する宣伝や 広告などの情報を見たり聞いたりした場合の媒体は,
インターネット(47.1%),旅行ガイドブック(34.9%), ダイビング雑誌等記事(25.4%),旅行会社のチラシ・
パンフレット(24.4%)が上位を占めているほか,る るぶ特集広告(10.5%)となっている(p.20)。小笠原 を訪れた観光客の旅行前における情報収集源について は,ガイドブック(17.8%)や雑誌・本(17.4%)とな っている(p.21)。
ここでは観光ガイドブックにおける南島の記述に着 目して,その自然の価値の分析を行った。観光ガイド ブックを取り上げた理由は,小笠原に訪れる人を対象 として観光資源としての南島が表現されていること,
通時的な資料として扱えること,インターネットに次 いで主要な情報収集源となっていることなどである。
(2) 小笠原に関するガイドブック
広辞苑ではガイドブックを「手引書,指南書,(旅 行)案内書」としているように,旅行にかぎらず一般的 な案内のための本を指す。細野は,「わが国でガイドブ ックといえば旅行関係のものを指すほど観光ガイドブ ックは旅行にとって欠かせないものとなっている。各 地の観光資源・施設を軸に,宿泊施設や飲食店,土産 品,特産品など,また,交通関係の情報などから構成 されている。」と解説しており(細野1995.p.22),ガイ ドブックといえば旅行案内を意味することが多い。
日本の観光ガイドブックについては,金子が整理・
分析しており,「JTB(旧・日本交通公社)」が戦前から、
「実業之日本社」と「山と渓谷社」が1960年代から,
「昭文社」が1980年代から主要なガイドブックを刊行 したとしている(金子2009.p.125)。
これらのガイドブックのうち,1969年に発行された 日本交通公社の「最新旅行案内」では,小笠原に関す る情報は入っておらず,確認できたもので最も古いの は1979年の日本交通公社の「ポケットガイド15伊豆 七島小笠原」である。
(3) 南島のガイドブックの検討方法
本稿では,財団法人日本交通公社「旅の図書館」
(http://www.jtb.or.jp/library/index.php?contest_id=1)の蔵 書検索において,「小笠原」をキーワードとして検索し た結果として抽出された書籍・雑誌のうち(アクセス日
2011.5.29),南島に関して記述されているガイドブック
などを選択した。なお,一般的なガイドブックの形式 はとっていないが,小笠原の観光をする際に参考とな
るような,あるいは参考となるように意図しているで あろうと推測される図書も対象とした。
観光ガイドブックでは,「見てもらいたい」と情報 提供者が判断した情報を知らせるだけでなく,情報を 受け取る者が「来たくなる」ように仕向ける要素も含 まれている。「来たくなる」ように仕向けるための情報 提供の方法として,ガイドブック形式や随筆的な紹介 方法などの図書の性格,提供すべき情報の構成方法,
説明の表現の仕方,写真の使い方などが考えられる。
本稿では,ァ)図書の形式,ィ)取り上げ方,ゥ)表現,
ェ)写真の使い方,ォ)地図の表示,に分けて整理した。
順番は発行年の古い順であり,段落や漢数字などは適 宜変更した。また,「…」は省略した部分であり,料金 や船名などの記載は省略した。
2.2 南島に関する具体的記述
(1) 1979.交通公社のポケットガイド15伊豆七島・小
笠原.日本交通公社出版事業局 ァ)携帯版のガイドブックである。
ィ)見出し「南島」として,父島の見どころの一つとし て紹介している。
ゥ)「父島の南西1㎞のところにある島で,地殻の変動 によってサンゴ礁が隆起したもの。北側は海中公園に 指定されているだけあって,澄んだ海中には熱帯魚や サンゴ礁がいたる所で見られる。周囲は険しい海蝕崖 で,上陸地点はサメ池と呼ばれる湾。その名の通りサ メの群れをみることができる。島内には白砂の砂漠が あり,そこここに熱帯植物が茂る。二見港からチャー ター船で30分。」(p.135)
ェ)表題「隆起サンゴで知られる南島」として白い砂浜 とラピエの山のカラー写真を掲載する(巻頭)。「年平 均気温22度という,南海の楽園。豊かな自然がそここ こに残りとりわけサンゴ礁やカラフルな熱帯魚は,海 の青さとあいまって,訪れる人を魅了する。1m 以上 もの大物も狙える釣天国。」という小笠原の説明が加え られている。
ォ)地図には南島の表記はない。
(2) 1982.伊佐九三四郎,檀上完爾.各駅停車全国歴史
散歩14東京都 下 三多摩・伊豆七島・小笠原.河出 書房新社
ァ)地元の人の評価を踏まえて歴史と見どころを紹介 したガイドブックである。
ィ)見出し「小笠原のシャングリラ・南島」として紹介 している。
ゥ)「…南島には,小ぶりなサメが遊泳するのでサメ池
と呼ぶ入江から上陸する。これといった船着場はなく,
でこぼこの激しい石灰岩質のくぼみに舳先が突きあた ると,岩に跳びうつる。ラテライト性の赤土を踏んで 登ると,ぐるりを丘にかこまれた白砂の浜に出る。断 崖の一角が海食でトンネル状になり,そこから外海に 通じているのが扇池。小さな天然のプールだが,ここ にも魚がいっぱいだ。白砂を裸足で踏むと焼けてジン ジンするが,奥の真水の池をめぐって丘に登ってみる。
丘の向こう側は断崖で,波が激しく迫っている。海が 荒れてサメ池から上陸できないときは,この崖をよじ 登って上陸するのだが,北方の先端の断崖には,オオ ミズナギドリの巣があるということだ。この島は沈水 カルスト地形なのでまわりは造礁サンゴが美しいが,
白砂の上に立ってあたりを眺めまわすと,なにか突然 別世界に放りだされたような不思議な感動をおぼえる。
…」(pp.229-231)
ェ)表題「南島の扇池」として砂浜や海の中で遊ぶ人が いる扇池の写真(モノクロ)を掲載する(p.230)。 ォ)父島の地図(p.227)の「南島」の中に,「サメ池」
の名称を付記する。
(3) 1984.交通公社のポケットガイド15伊豆七島・小
笠原.日本交通公社出版事業局 ァ) 1979年(初版)と同じ。
ィ)1979年(初版)と同じ。
ゥ)1979年(初版)と同じ。
ェ)表題「隆起サンゴで有名な南島の海蝕崖」として扇 池とその背景の写真を掲載する(p.13)。
ォ) 1979年(初版)と同じ。
(4) 1992.小笠原自然環境研究会編.フィールドガイド
「小笠原の自然-東洋のガラパゴス」.古今書院 ァ)小笠原諸島とそこに生息する固有種などの生物を 正確に伝えることを意図して 23 名の専門家によって 執筆された自然を中心にしたガイドブックである。
ィ)「小笠原の自然への招待」という項目の中の「個性 豊かな島々」の一つとして紹介している。
ゥ)「父島の南西端の南崎とその向かいの南島は石灰岩 地域で,擂り鉢状のドリーネ地形(南島の鮫池,陰陽 池)や世界的にも珍しいといわれる沈水ドリーネなど 独特の地形がみられる。」(p.12)
ェ)表題「南島の石灰岩ドリーネ景観」として俯瞰した 陰陽池を掲載する(p.11)。
ォ)なし。
(5) 1994.JTBのポケットガイド25伊豆七島・小笠原.
日本交通公社出版事業局
ァ)携帯版のガイドブック、1996 年版も出版されてい
るが内容は同じである。
ィ)父島の紹介(「買う・泊まる」に頁)の中に見出し「ひ と足のばせば 南のキングオブパラダイス」として別 枠で紹介している。
ゥ)「父島の南西に浮かぶ南島は,一度は訪れたい,宝 石のように美しい無人島だ。世界でも珍しい沈水カル ストという地形のこの島には,南国の楽園というにふ さわしい大自然がそこここにあふれている。たとえば,
真っ白な砂浜に囲まれた天然プールのようなエメラル ド色の扇池や,オブジェのような,隆起サンゴの不思 議な景観。砂浜にはヒロベソカタマイマイという陸産 貝類の化石が点在している。また,夏にはカツオドリ の繁殖地にもなる。…」(p.122)
ェ)表題「扇池はまさに南国の楽園」として扇池の遠景 が,表題「これがヒロベソカタマイマイの化石」とし て砂浜に置かれたヒロベソカタマイマイを掲載する
(p.122)。
ォ)父島の地図(p.115)の「南島」の中に「扇池」の 名称を付記する。
(6) 1995.地図の本29小笠原諸島.日地出版
ァ)携帯版のガイドブックである。
ィ)父島の見所として南島の紹介している。
ゥ)「父島の南西にある,海岸カルスト地形の島で,サ ンゴ礁が隆起したり,沈降したりしてできたもので,
地質学的には大変貴重だという。島に渡るには,波の 穏やかな日にカヌーやモーターボートで,南岸に細長 くえぐられた鮫池に上陸。ごくまれには名前のように,
鮫が遊んでいるので,のぞくとドキッとさせられるこ ともある。ごつごつした岩のころがる坂を登っていく と,赤茶けた土,純白の砂丘,地を這うハマゴウやシ バの植物の群生が一望に見下ろせる。隆起サンゴ,タ コの木の群生,カツオドリの生息など,自然がそのま まの姿で息づいていて,別世界にいるような錯覚に陥 る。…」(p.41)
ェ)表題「南島」として扇池の遠景を掲載する(p.2)。 ォ)父島の中央山以南に地図(p.41)の「南島」の中に
「鮫池」「隆起サンゴ礁」「カツオドリ生息地」が,付 近には「海洋カルスト地形」「海中公園」の名称を掲載 する。
(7) 1995.メイトガイド17伊豆七島・小笠原・東伊豆.
近畿日本ツーリスト
ァ)携帯版のガイドブックである。
ィ)父島の見所として「南島」を紹介している。
ゥ)「小笠原にきたら,ぜひ訪れたいところがココ〝南 島″。サンゴ礁の隆起によってできた沈水カルスト地 テレビ,雑誌(広告や宣伝),旅行会社のチラシ・パン
フレット,雑誌(記事)の割合が高くなっている(p.18)。 また,小笠原を訪れた観光客が小笠原に関する宣伝や 広告などの情報を見たり聞いたりした場合の媒体は,
インターネット(47.1%),旅行ガイドブック(34.9%), ダイビング雑誌等記事(25.4%),旅行会社のチラシ・
パンフレット(24.4%)が上位を占めているほか,る るぶ特集広告(10.5%)となっている(p.20)。小笠原 を訪れた観光客の旅行前における情報収集源について は,ガイドブック(17.8%)や雑誌・本(17.4%)とな っている(p.21)。
ここでは観光ガイドブックにおける南島の記述に着 目して,その自然の価値の分析を行った。観光ガイド ブックを取り上げた理由は,小笠原に訪れる人を対象 として観光資源としての南島が表現されていること,
通時的な資料として扱えること,インターネットに次 いで主要な情報収集源となっていることなどである。
(2) 小笠原に関するガイドブック
広辞苑ではガイドブックを「手引書,指南書,(旅 行)案内書」としているように,旅行にかぎらず一般的 な案内のための本を指す。細野は,「わが国でガイドブ ックといえば旅行関係のものを指すほど観光ガイドブ ックは旅行にとって欠かせないものとなっている。各 地の観光資源・施設を軸に,宿泊施設や飲食店,土産 品,特産品など,また,交通関係の情報などから構成 されている。」と解説しており(細野1995.p.22),ガイ ドブックといえば旅行案内を意味することが多い。
日本の観光ガイドブックについては,金子が整理・
分析しており,「JTB(旧・日本交通公社)」が戦前から、
「実業之日本社」と「山と渓谷社」が1960年代から,
「昭文社」が1980年代から主要なガイドブックを刊行 したとしている(金子2009.p.125)。
これらのガイドブックのうち,1969年に発行された 日本交通公社の「最新旅行案内」では,小笠原に関す る情報は入っておらず,確認できたもので最も古いの は1979年の日本交通公社の「ポケットガイド15伊豆 七島小笠原」である。
(3) 南島のガイドブックの検討方法
本稿では,財団法人日本交通公社「旅の図書館」
(http://www.jtb.or.jp/library/index.php?contest_id=1)の蔵 書検索において,「小笠原」をキーワードとして検索し た結果として抽出された書籍・雑誌のうち(アクセス日
2011.5.29),南島に関して記述されているガイドブック
などを選択した。なお,一般的なガイドブックの形式 はとっていないが,小笠原の観光をする際に参考とな
るような,あるいは参考となるように意図しているで あろうと推測される図書も対象とした。
観光ガイドブックでは,「見てもらいたい」と情報 提供者が判断した情報を知らせるだけでなく,情報を 受け取る者が「来たくなる」ように仕向ける要素も含 まれている。「来たくなる」ように仕向けるための情報 提供の方法として,ガイドブック形式や随筆的な紹介 方法などの図書の性格,提供すべき情報の構成方法,
説明の表現の仕方,写真の使い方などが考えられる。
本稿では,ァ)図書の形式,ィ)取り上げ方,ゥ)表現,
ェ)写真の使い方,ォ)地図の表示,に分けて整理した。
順番は発行年の古い順であり,段落や漢数字などは適 宜変更した。また,「…」は省略した部分であり,料金 や船名などの記載は省略した。
2.2 南島に関する具体的記述
(1) 1979.交通公社のポケットガイド15伊豆七島・小
笠原.日本交通公社出版事業局 ァ)携帯版のガイドブックである。
ィ)見出し「南島」として,父島の見どころの一つとし て紹介している。
ゥ)「父島の南西1㎞のところにある島で,地殻の変動 によってサンゴ礁が隆起したもの。北側は海中公園に 指定されているだけあって,澄んだ海中には熱帯魚や サンゴ礁がいたる所で見られる。周囲は険しい海蝕崖 で,上陸地点はサメ池と呼ばれる湾。その名の通りサ メの群れをみることができる。島内には白砂の砂漠が あり,そこここに熱帯植物が茂る。二見港からチャー ター船で30分。」(p.135)
ェ)表題「隆起サンゴで知られる南島」として白い砂浜 とラピエの山のカラー写真を掲載する(巻頭)。「年平 均気温22度という,南海の楽園。豊かな自然がそここ こに残りとりわけサンゴ礁やカラフルな熱帯魚は,海 の青さとあいまって,訪れる人を魅了する。1m 以上 もの大物も狙える釣天国。」という小笠原の説明が加え られている。
ォ)地図には南島の表記はない。
(2) 1982.伊佐九三四郎,檀上完爾.各駅停車全国歴史
散歩14東京都 下 三多摩・伊豆七島・小笠原.河出 書房新社
ァ)地元の人の評価を踏まえて歴史と見どころを紹介 したガイドブックである。
ィ)見出し「小笠原のシャングリラ・南島」として紹介 している。
ゥ)「…南島には,小ぶりなサメが遊泳するのでサメ池
形の島で,世界でも2カ所しかない。…中央部に塩水 湖があり,自然の神秘に満ちており,小笠原第一の美 景というにふさわしい。…」(p.108)
ェ)表題「まさに神秘の別世界,南島のエメラルドの扇 池」が付けられ,扇池でシュノーケルをしている人と 背景が載せられている(p.108)。
ォ)父島の地図(p.103)の「南島」に「カツオドリ生 息地」「隆起サンゴ」の名称を記載する。
(8) 1996.私の日本9伊豆七島・小笠原.弘済出版社
ァ)携帯版のガイドブックである。
ィ)父島の見所として「南島」を紹介している。
ゥ)「南島は父島の南西に浮かぶ無人島。世界でも2カ 所しかない,隆起サンゴ礁でできた枕水カルスト地形 といわれる島だ。…上陸は,ネブリブカが産卵のため にやってくる入江のサメ池から。ネブリブカはおとな しく,サメ池で泳ぐこともできるが,刺激はしないこ と。島には海水の入江,扇池があり,海水浴やスノー ケリングができる。扇池のそばの砂丘には化石のヒロ ベソカタマイマイも見られるが,天然記念物なので持 ち帰りは厳禁。島全体も海中公園に指定され,砂など の一切持ち帰ることはできない。南島の北側はカツオ ドリの生息地。7~8月ならカツオドリの夫婦が交代で 卵を温めている姿も見られる。飲み物,食べ物,帽子 などは持参を。」(p.137)
ェ)表題「南島の扇池」として俯瞰した扇池を掲載する
(p.137)。
ォ)父島の地図(p.133)の「南島」に「海中公園」「扇 池」「カツオドリ生息地」の名称を記載する。
(9) 1997.ブルーガイドパック14伊豆七島・小笠原.
実業之日本社
ァ)携帯版ガイドブックである。
ィ)父島の見所として「南島」を紹介する。
ゥ)「南崎から南島にかけては,枕水カルスト地形とい って,サンゴ礁が隆起・沈降してできたところである。
このあたりは潮の流れが速く,航行にはたいへん困難 なところだが,遊覧船で行くことができる。南島瀬戸 の海の透明度は高く,二見港や小港海岸などとはまっ たく異なった色をしている。これがほんとうのサンゴ 礁の色というのであろう。深さによって,また海中の 藻や岩礁によって海水の色が7色もの階層をなして見 える。南島に上陸するには,海のおだやかな潮順のよ い時間に限られる。というのは,南島のサメ池への入 口がカヌーでやっと入れるほどの狭さだからだ。この サメ池は,その名の示すごとく1.5~2㍍のネムリザメ というサメがいる。南島へ上陸するにはこの池の北側
の猫の額ほどの入江へ舟を着けるわけだが,サメは浅 い浜のなま温かいところが好きとみえて,ヒレを水面 から出してゆうゆうと泳ぎまわっている。島の中央に 隆起サンゴ礁がとりでのような形をしてピークをなし ている。隆起サンゴ礁は足を切りやすいのでスポーツ シューズで歩こう。北側の左手には扇状をした扇池と 砂丘がくぼ地一帯に広がっている。その砂丘の中にタ コの木が群生しているのが印象的。砂丘にはヒロベソ カタマイマイの半化石がたくさんあるが,ここは特別 保護地区なので,持ち帰ることは禁じられている。ま た,隆起サンゴ礁の穴をのぞいてみよう。アナドリが ヒナをあたためている姿をみつけることができるかも しれない。南島の風景は小笠原国立公園の記念切手に 選ばれ,小笠原で唯一つ新東京百景にも選定された。」
(pp.85-86) ェ)なし。
ォ)父島の地図(pp.78-79)の「南島」に「カツオドリ
(ミズナギドリ)生息地」「タコの木群生」「隆起サン ゴ」「貝の半化石」「サメ池」「サメ」「枕水カルスト地 形」「海中公園」の名称を記載する。
(10) 1998.松本一雅.長期滞在者のための小笠原観光
ガイド(父島編).やまもぐら
ァ)見所などを随筆風に紹介する。著者が小笠原に赴任 した際に個々の場所を解説したガイドブックがないこ とに触発されて執筆したとしている。
ィ)「石灰岩の島」として紹介している。
ゥ) 沈水カルスト地形などの説明に続いて次のような 印象が記載されている。「船から尖った灰色の岩に上陸 する。ラテライトの朱色の土と緑のコウライシバの生 える丘を越えると,白い白い砂丘にでる。目を奪うほ どに輝く純白の砂浜で,四周は高い丘陵。砂浜から外 洋は見えない。外界の音も聞こえず,見えるのは輝く 白い砂と紺碧の海,雲ひとつない青い空,芝の緑と土 の朱色だけで,幻想の中に切りとられた小宇宙だ。唯 一,西の丘陵が浸食されトンネルが開き,中央の窪地 に海水が進入して幾何学的な半円形の池をつくってい る。コバルトの海がうち寄せるこの池は扇池という。
澄んだ青い波,石灰質の白砂で遊ぶファンタジーの世 界である。…周囲の丘陵を歩くと,岩は尖った灰色の 石灰岩だ。これは雨水が石灰岩を溶食したものでラピ
エ(lapie)という。針の山の凹地にカツオドリが巣を
作る。」(pp.114-115),さらに植生について「南島にあ るのは砂浜と岩ばかり。植物はほとんどない。しかし 戦前はモンパノキやクサトベラが生い茂り,島内を歩 くだけでも大変だったという。それがほとんど生命の