小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達
その他のタイトル Development of the Cognitive Structure of the Parents‑Child Relations Among School Children in Primary, Junior High and Senior High
Schools
著者 辻岡 美延, 小高 恵
雑誌名 関西大学社会学部紀要
巻 26
号 1
ページ 65‑84
発行年 1994‑09‑30
URL http://hdl.handle.net/10112/00022544
関西大学「社会学部紀要」第
26巻
1号 ,
1994, pp. 65‑84 ISSN 0287‑6817小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達
辻 岡 美 延 ・ 小 高 恵
Development of the Cognitive Structure of Parents‑Child Relations Among School Children in Primary, Junior High and Senior High Schools.
Bien Tsujioka• Megumi Kotaka
Abstract
In the first study, data concerning Tsujioka's Children's Report of Parental Behavior Inventory CEICA)‑administered to elementary school students (37 boys, 26 girls), junior high school students (46 boys, 53 girls) and high school students (179 boys, 108 girls)‑were analyzed by means of'factor analysis. In the first‑order factor analysis, 4 similar primary factors (Emotional Support, Identification, Control, and Auton‑
omy) were obtained at every stage. In the second‑order factor analysis, primary factor correlations were analyzed by means of Schonemann's Procrustian factor analysis and 2 secondary factors (Acceptance and Control> were obtained. It was found that the cognitive structure was differentiated with school children's grades.
In the second study, sex and grade differences of four scales of the EICA for mothers and fathers were examined by means of analysis of var‑
; ance and multiple comparisons by the Tukey method. A main effect of grade was found to be significant in all scales, but the main effect of sex was insignificant.
Key words : development, parents‑child relations, EICA, Procrustian factor analysis
抄 録
分析
1においては辻岡らの作成した親子関係診断尺度
EICAが小学生(男子
37名,女子
26名),中 学生(男子
46名,女子
53名),高校生(男子
179名 , 女子
108名)に実施され, 因子分析によりそれぞ れの組の準拠構造が求められた。一次因子は各群に類似した 4 つの因子—情緒的支持の因子,同一 化の因子,統制の因子, 自律性の因子一ーが得られた。それぞれの一次因子間相関をさらに二次のプ
ロクラステス因子分析を行った結果,
2つの二次因子(受容の因子と統制の因子)が得られ,発達段
階によってその構造が分化していく様子が図示された。
また分析 2においては分散分析, 及び, 多重比較法を用いて, 発達的な変化を検討した。その結
果 , どの尺度においても学年の主効果は認められたが,性別の主効果は認められなかった。
キーワード:発達,親子関係,
EICA,プロクラステス因子分析
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26巻第
1号
問 題
子どもは親の養育態度・行動をどのように認知しているのだろうか。
1960年代,海外において は子どもによる親の養育態度・行動の報告を取り上げた研究が多くなされてきた
(Slater,P. E. 1962; Roe, A. & Siegelman, M. 1963; Siegelman, M. 1965; Schaefer, E. S. 1965a 1965b)。わが国においても
1960年代後半から
1970年代にかけて親子関係を診断するための研究が続々と発 表された(小嶋
1967, 1968, 1969, 1970; Kojima, H. 1975;品川ら
1958;辻岡・山本
1975, 1976, 1977a, 1977b, 1977c, 1978;古川
1972, 1974)。
古川
(1972)は小学生とその両親を対象に親のリーダーシップ行動測定に関する研究を行って いる。彼女は, 親子関係に重要と思われる項目を選択し, これを因子分析し,
Performance Factor(しつけ・訓練)と
Maintenance Factor(情緒的相互作用)の
2因子を見いだしてい
る。そして,それぞれの因子から
10項目ずつ項目を選択し,親の自己認知と子どもの親認知との 得点差を検討し,その結果,親のリーダーシップ行動に対する親の自己認知と子どもの認知との間 に認知的不一致があり,その傾向は母親よりも父親と子どもとの間での方が強いということを考 察している。また, P 機能と M 機能の相関値は,父親と母親の自己認知では有意な相関が認められ ており,子ども認知では,父親については P 機能 •M機能の相関値は有意ではあったが,母親につ いては有意な相関が認められなかったと報告しており,父親の P 機能と M 機能は分離したものと 子どもは認知しておらず,母親についてはそれらの機能は独立した機能として認知していると述 べている。さらに,子ども認知の父親と母親の P 機能 •M機能,親の自己認知の父親と母親の両 者の相関が高く,夫婦は類似した P 機能 •M機能のリーダーシップ行動をとっていることが報告 されていた。彼女は,親に対する子どもの態度測定を行っており,それとの関係も検討しており,
それによると親のリーダーシップ行動と子どもの親に対する関係は,子どもが親に対してポジテ
ィプ(理解があり,信頼し,誇りをもち,親しみをもち,尊敬する)な態度をとるものは親の自
己認知によるタイプは P 優位型であり,子どもの認知によるタイプは M 優位型である結果が得ら
れている。また,古川 (1974) は PM式親子関係調査を用いて,幼稚園児,小学生 2•
4• 6年
生,中学
2年生,高校
2年生,母親を対象に親のリーダーシップ行動認知の父親・母親の理想像
と現実像の発達的変化の研究を行っている。それによると,現実次元では P 尺度と M 尺度とは独
立であるが,理想次元では両者の相関は高く,独立ではないということ,しかし現実次元に関し
ては, P 機能と M 機能を独立な機能として測定できる尺度として信頼できるということを報告し
ている。そしてこの尺度を用いて,発達的変化(上記の
7つの発達段階により現実と理想の
P機
能 ・M 機能がどのように変化するか)について, P 機能と M 機能は,理想次元では異なっている
が (P 機能では凸型:曲線回帰, M 機能では一ー型:直線回帰), 現実次元では母親に対しては
小• 中・高校生における親子関係の認知構造の発達(辻岡・小高)
型,母親については P 機能が凸型, M機能が—型)ことを見いだしている。また,現実次元と 理想次元の発達的変化については,父親に対する
M機能認知以外では異なったパクーンを示して おらず,現実次元と理想次元は平行的に変化していたのである。また,理想次元と現実次元のズ レは,
M機能認知については理想が現実よりも高く,
P機能認知については母親に対しては現実 が理想よりも高かったが父親についてはズレが認められていなかった。さらに,そのズレの発達 的変化は父親の M 機能認知と母親の P 機能認知において認められており,そのプロセスも異なっ ていたと報告している。また,彼女は P 得点 •M得点の父母間の差の検定を行っており,その結 果,現実次元においては,多くの尺度で差が認められ, p•M機能とも父親よりも母親が高く,
「父親不在・母親支配」は子どもの発達段階に関係なく起こっており,そして父親との関係にお いては, 「情緒的相互作用」を多くしてほしいということからズレを, 母親との関係においては
「しつけ・訓練」をもっと弱くしてほしいということからズレを認知していると考察している。
また,
Schaefer,E. S
. (1965a, 1965b)は子どもの認知する親の態度・行動に関する質問紙調 査
(CRPBI:Children's Reports of Parental Behavior Inventory)を子どもに実施し,これ を因子分析し, 「受容一拒否」「心理的統制一心理的自律性」「厳しい統制一ゆるい統制」の
3つ の因子を見いだしている。小嶋
(1969)は ,
Schaefer,E. S
.の尺度の邦訳版,及び,氏がこれ を元にして作成した親用の
PR‑PBI(Parents'Reports of Parental Behavior Inventory)を中学生とその両親に施行し,
Schaeferの見いだした
3因子を抽出している。 これとは別に
CRPBIを用いた研究に辻岡・山本の研究が挙げられる。辻岡・山本
(1977c)の親子関係の相互 認知の研究においては,
Kojima,H.
(1975)で用いられた資料を①息子一父,③息子ー母,⑧娘 一父,④娘ー母,⑥これら
4つのデータを結合させた結絆サンプル,を
5つの独立なデータとし て考え,これを因子分析し,プロクラステス回転を用いて分析しているが,その結果
5つの組に 共通した
7個の一次因子(親と子どもにそれぞれに出現する情緒的支持の因子,統制の因子,自 律性の因子と親と子どもにおいて共通の次元として出現した同一化の因子)と 4つの二次因子
(情緒的支持の因子,同一化の因子,統制の因子,自律性の因子)が得られたと報告している。
また辻岡・山本
(1975),辻岡・山本
(1976)においては
Schaeferの
CRPBI (Children's Reports of Parental Behavior Inventory)の尺度を出発尺度として因子分析的研究を行って いるが,その結果,息子→父,息子→母,娘→父,娘→母の
4つの組合せにおいて安定かつ一貫
して出現する次のような
4つの因子を見いだしている。
1.
情緒的支持の因子
(EmotionalSupport)この因子は, 自分の父親(または母親)が 子どもを愛し,子どもを気持ちの上で支持する傾向を測定するものである。
2.
同一化の因子
(Identification)この因子は, 自分の父親(または母親)が子どもと一 体感をもち,親の延長線上あるいは分身として子どもを考える傾向を調べるものである。
3.
統制の因子
(Control)この因子は自分の父親(または母親)の子どもへのしつけ, 訓 育,勉学への厳しさ等,親からの超自我の圧力を調べるものである。
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4.
自律性の因子
(Autonomy)この因子は,自分の父親(または母親)が子どもの人格を 認め,自主性を尊重し,子どものことは子ども自身に任せようとする傾向を調べるものであ る 。
そして辻岡・山本
(1976)では,これら
4因子を測定し,親子関係のどの
4つの組合せに対し ても転移可能性
(transferability)を有するような親子関係診断尺度
EICAを「因子的真実性 の原理」により作成している。 さらに辻岡・山本
(1978)ではこの親子関係診断尺度
EICAを 用いた子どもの親への認知構造の類型化を行っている。
さて,これまでの辻岡らの研究は中学生のみを対象に行ってきているが,本研究においては,
辻岡らの研究成果に基づいて作成された親子関係診断尺度
EICAを小学生, 中学生,高校生に 実施し,この
4つの因子がそれぞれの発達段階においても出現するかどうかを検討し(分析
1),発達段階に応じて認知される父親・母親の養育態度がどのように変化するかを検討することにす
る(分析
2)。
分 析
1方 法
被 験 者 小 学 生
63名(男子
37名,女子
26名),中学生
99名(男子
46名,女子
53名),高校生
287名(男子
179名,女子
108名)を用いた。
尺度名 辻岡・山本
(1976)により作成された親子関係診断尺度
EICA(「情緒的支持
(ES)」
「同一化
(ID)」「統制
(CO)」「自律性
(AU)」 の
4尺度, 父・母に対しそれぞれ同一項目の
40項目からなる)を用いた。
分析手続き
(1)小学生,中学生,高校生それぞれの
40X40項目の相関行列を算出した。(尚,
小学生・中学生のデータの数が少なかったため, 本研究においては男子→父の組, 男子→母の 組,女子→父の組,女子→母の組を併せて用いた)
(2)
これらの相関行列の固有値をもとめ,
ScreeTest(辻岡・東村
1975)により,因子数を
4個と定め,主成分分析を行い,
Varimax回転,
Promax法で斜交回転を行い,斜交解を求め た 。
(3)
小学生・中学生・高校生の二次因子構造を直接比較するために,上記で得られたそれぞれ
の一次因子間相関行列を因子数を
2個と定め,主成分分析を行い,高校生の主成分解を標的行列
にして小学生,中学生の主成分解を
Schonemannの完全直交フ゜ロクラステス回転を行い,
Var‑ imax回転により直交解を求めた。
(Fig. I‑1を参照)
小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達(辻岡・小高)
□ □ ロ
牝 A
c 肛R
o V P
Tv
,.v.,,
Vrmx
vY.i, Vrmx
,,v.,̲
Vrmx
注)RHG 高校生についての一次因子間相関行列
R1R
中学生についての一次因子間相関行列REL 小学生についての一次因子間相関行列 PCA 主成分解
oVHG高校生についての主成分解 oVJR 中学生についての主成分解
oVEL 小学生についての主成分解
PRC直交プロクラステス解
JR11。 中学生についてのプロクラステス回転行列 。VJR 中学生についての直交プロクラステス解 EL11。 小学生についてのプロクラステス回転行列 。VEL 小学生についての直交プロクラステス解 Vrmx Varimax解 Tv Varimax変換行列
Fig. 1‑1 二次のプロクラステス因子分析の簡略説明
結 果
I ‑1 一次因子分析 (TableI ‑1‑1 I ‑1‑3を参照)
①小学生についての結果
第
1因子 情緒的支持の因子 この因子には,「36心配事をじっくり聞いてくれるので気持 が楽になる(.646)」「8
いっしょにいると気持が楽になる(.634)」「16 私の悩みや心配事を理 解してくれる(.616)」「20 いつも私の考えや意見に耳を傾けてくれる(.603)」等の情緒的支持 尺度内の9項目が高い正の負荷を示し,尺度外としては,同一化尺度の「3 私にいろいろ気を 使っている(.306)」の項目が正の負荷を示し,自律性尺度の「29 私が外へ行くとき何時に帰り なさいとは言わない(‑.374)」の項目が負の負荷を示している。このことから,この因子は子どもに対する気遣いを含んでおり,子どもの行動を高い次元から受け入ようとする親の養育態度の 次元であると考えられる。 (「の次の番号は項目番号をしめす)
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関 西 大 学 「 社 会 学 部 紀 要 」 第
26巻 第
1号
TableI‑1‑1
小 学 生 の 親 子 関 係 診 断 尺 度
EICAの 準 拠 構 造 値
情 緒 的 自 律 性 統制 同一化
N o , 支持 M E A N
S.D.4
私の言うことに耳を傾けてくれる
459 ‑ 042 ‑ 178 140 2.706 564 8いっしょにいると気持が楽になる
634 175 ‑ 003 ‑ 173 2.579 596 12私が困っているときには元気づけてくれる
412 ‑ 290 ‑ 163 293 2.706 505 16私の悩みや心配事を理解してくれる
616 ‑ 100 108 ‑ 032 2.540 626 20いつも私の考えや意見に耳を傾けてくれる
603 ‑ 095 ‑ 302 128 2.603 592 24私には友だちがとても大事だということを理解してくれる
584 014 123 ‑ 094 2.611 563 28私がどんな物の見方をしているのか理解しようとする
567 ‑ 086 029 029 2.508 639 32私と一緒に仕事をするときは私の意見を聞いてくれる
570 202 ‑ 008 ‑ lll 2.587 633 36心配事をじっくり聞いてくれるので気持が楽になる
646 086 127 ‑ 214 2.500 652 40私が喜ぶ本や雑誌を買ってくれたり学校で役立つことを
263 010 ‑ 165 017 2.603 679教えてくれたりする
1
なんでも私がしたいようにさせてくれる
‑ 067 438 ‑ 158 248 1.770 768 5私のやりたいときに宿題をやらせてくれる
‑ 003 220 ‑ 152 308 2.135 876 9好きなだけ外へ行かせてくれる
012 667 ‑ 040 ‑ 048 1.595 747 13私がしたいことはどんなことでもさせてくれる
042 695 ‑ 041 ‑ 087 1.587 705 17私が友だちの家に一晩泊まるのを許してくれる
143 169 ‑ 126 ‑ 178 2.198 787 21学校が終わった後は私の好きなことをさせてくれる
‑ 067 515 079 ‑ 173 1.730 801 25夜や週末は私の好きなように過ごさせてくれる
081 325 ‑ 080 198 1.905 886 29私が外へ行くとき何時に帰りなさいとは言わない
‑ 374 219 ‑ 243 101 1.635 887 33夜でも私が行きたいときはいつでも外へ出してくれる
027 646 067 ‑ 207 1.238 526 37私の行きたい所ならどこへでも何も聞かずに行かせてくれる
‑ 134 549 ‑ 098 ‑ 032 1.365 662 2私が家の手伝いをしないと腹を立てる
‑ 045 ‑ 189 154 ‑ 172 1.540 783 6私が年長者に口答えするのを許さない
022 ‑ 264 378 105 2.262 747 10いつも私の性格を改めさせようとする
100 163 580 015 1.952 785 14私が何をすぺきかいつも私に指図したがる
‑ 068 030 385 063 1.865 800 18「なぜそんなことをしたのか説明しなさい」と
‑ 206 ‑ 213 612 157 2.071 919しつこく言う
22
私がいいつけ通りにするまで私を自由にさせてくれない
197 ‑ 093 481 ‑ 423 2.071 828 26私に何かいいつけるとそれを守るまでやかましくいって
‑ 040 ‑ 198 640 027 2.095 830聞かせる
30
私のために沢山のきまりや規則を作り,
家の秩序を守ろうとする
113 168 501 017 1.825 827 34私が悪いことをすればすべてなんらかの方法で
‑ 071 032 685 ‑ 075 2.071 789罰しなければいけないと思っている
38
私が学校の勉強や家での雑用を怠けると私を罰するのを
057 011 704 ‑ 237 1.960 791当然のことだと思っている
3
私にいろいろ気を使っている
306 ‑ 011 ‑ 204 178 2.310 740 7いつも私を喜ばすことを考えている
‑ 051 ‑ 058 ‑ 058 545 2.175 725 11ほかのだれとよりも私と一緒にいたがる
‑ 025 302 192 350 1.976 684 15私にたびたびほほえみかける
180 035 089 286 2.278 773 19私を喜ばそうとしていろいろなことをする
‑ 110 ‑ 214 ‑ 114 742 2.302 727 23暇さえあれば私に話しかけたり私と一緒にいたがる
042 ‑ 071 146 473 2.111 789 27私の暇な時はたいてい,一緒に過ごしてほしいと思っている
290 ‑ 056 096 285 2.214 773 31友だちと出かけるよりも私と一緒に家にいる方が好きだ
195 377 147 182 2.040 728 35私のことが好きだということを態度で表すぺきだと思っている
015 021 367 388 2.095 695 39私が大きくなって家の外で過ごす時間が増えてきたことを
‑ 098 191 381 244 1.865 738残念がっているようだ
M E A N以外は小数点省略
小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達(辻岡・小高)
第
2因子 自律性の因子 この因子には,「1
3私がしたいことはどんなことでもさせてくれ る(.
695)」「
9好きなだけ外へ行かせてくれる(.
667)」 「3
3夜でも私が行きたいときはいつ でも外へ出してくれる(.
646)」 「3
7私の行きたい所ならどこへでも何も聞かずに行かせてくれ る(.
549)」等の自律性尺度内の
7項目や尺度外としては同一化の「3
1友だちと出かけるよりも 私と一緒に家にいる方が好きだ(.
377)」「1
1ほかのだれとよりも私と一緒にいたがる(.
302)」 が正の負荷を示しており,親が子どもと一緒にいたいと子どもが認知するほど,親はどんなこと でもさせてくれると認知していることがわかる。以上の結果から, 全体的な構造は
EICAの自 律性尺度の項目に多く負荷を示しており,ここにおいても自律性の因子と命名する。しかしなが ら,負荷する項目からもわかるように,この自律性の因子には小学期における子どもに対する甘 やかしも含まれており,自律性の発達には親の甘やかしも重要な要因であると考えられる。
第
3因 子 統 制 の 因 子 この因子には「3
8私が学校の勉強や家での雑用を怠けると私を罰す るのを当然のことだと思っている(.
704)」 「3
4私が悪いことをすればすぺてなんらかの方法で 罰しなければいけないと思っている(.
685)」 「2
6私に何かいいつけるとそれを守るまでやかま しくいって聞かせる(.
640)」 「 『1
8なぜそんなことをしたのか説明しなさい』としつこく言う
(. 612)」等の統制内の
9項目や「3
5私のことが好きだということを態度で表すべきだと思って いる(.
367)」「3
9私が大きくなって家の外で過ごす時間が増えてきたことを残念がっているよ うだ(.
381)」の同一化尺度の項目が正の負荷を示し, 情緒的支持尺度の「2
0いつも私の考え や意見に耳を傾けてくれる(‑.
302)」が負の負荷を示している。 このことから, この因子は親 の統制的な養育態度次元を代表する因子と考えられる。また,子どもに対する厳しさの裏には子 どもへの一体感が考慮に入れられているということが伺われる。
第
4因子 同一化の因子 この因子には,「1
9私を喜ばそうとしていろいろなことをする
(. 742)」「
7いつも私の喜ばすことを考えている(.
545)」 「2
3暇さえあれば私に話しかけた り私と一緒にいたがる(.
473)」等の同一化尺度内の
5項目や自律性の尺度の「
5私のやりた いときに宿題をやらせてくれる(.
308)」に正の負荷を示し, 統制尺度の「2
2私がいいつけ通 りにするまで私を自由にさせてくれない」の項目が負の負荷を示している
(‑.423)。つまり,こ の因子は子どもを分身として考え,子どもが喜べば親も喜ぶという,子どもとの一体感を表す養 育態度であり,分身的愛もしくは分離不安を表す親の態度であると思われる。以上の結果から,
全体的な構造は
EICAの同一化尺度の項目に多く負荷を示しており, ここにおいても同一化の 因子と命名する。
②中学生についての結果
第 1因 子 情 緒 的 支 持 の 因 子 この因子には「3
6心配事をじっくり聞いてくれるので気持が 楽になる(.
739)」「1
6私の悩みや心配事を理解してくれる(.
738)」「1
2私が困っているとき には元気づけてくれる
(.634)」等の全ての情緒的支持尺度の
10項目が負荷を示しており, この
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