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小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達

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小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達

その他のタイトル Development of the Cognitive Structure of the Parents‑Child Relations Among School Children in Primary, Junior High and Senior High

Schools

著者 辻岡 美延, 小高 恵

雑誌名 関西大学社会学部紀要

巻 26

号 1

ページ 65‑84

発行年 1994‑09‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00022544

(2)

関西大学「社会学部紀要」第

26

1

号 ,

1994, pp. 6584  ISSN 02876817 

小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達

辻 岡 美 延 ・ 小 高 恵

Development  of  the  Cognitive  Structure  of  Parents‑Child  Relations  Among School Children in Primary, Junior High and Senior High Schools. 

Bien Tsujioka• Megumi Kotaka 

Abstract 

In  the  first  study,  data  concerning  Tsujioka's  Children's  Report  of  Parental  Behavior  Inventory  CEICA)‑administered  to  elementary school  students  (37  boys,  26 girls),  junior  high  school  students  (46 boys,  53  girls)  and  high  school  students  (179 boys, 108 girls)‑were analyzed by  means of'factor analysis.  In  the  first‑order factor analysis,  4 similar  primary factors  (Emotional  Support,  Identification,  Control,  and Auton‑

omy)  were obtained at  every stage.  In  the  second‑order factor analysis,  primary  factor  correlations were analyzed by means of  Schonemann's  Procrustian  factor analysis  and 2 secondary  factors  (Acceptance and  Control>  were obtained. It was  found  that  the  cognitive structure was  differentiated with  school  children's  grades. 

In  the  second study,  sex  and grade differences of  four  scales of the  EICA for mothers  and  fathers were examined by means of  analysis of  var‑

ance and  multiple  comparisons by  the  Tukey method.  A main effect  of  grade was  found to be  significant  in  all  scales,  but  the main effect  of  sex  was  insignificant. 

Key words : development, parentschild relations, EICA, Procrustian factor analysis 

抄 録

分析

1

においては辻岡らの作成した親子関係診断尺度

EICA

が小学生(男子

37

名,女子

26

名),中 学生(男子

46

名,女子

53

名),高校生(男子

179

名 , 女子

108

名)に実施され, 因子分析によりそれぞ れの組の準拠構造が求められた。一次因子は各群に類似した 4 つの因子—情緒的支持の因子,同一 化の因子,統制の因子, 自律性の因子一ーが得られた。それぞれの一次因子間相関をさらに二次のプ

ロクラステス因子分析を行った結果,

2

つの二次因子(受容の因子と統制の因子)が得られ,発達段

階によってその構造が分化していく様子が図示された。

また分析 2においては分散分析, 及び, 多重比較法を用いて, 発達的な変化を検討した。その結

果 , どの尺度においても学年の主効果は認められたが,性別の主効果は認められなかった。

キーワード:発達,親子関係,

EICA,

プロクラステス因子分析

‑ 65 ‑

(3)

関西大学『社会学部紀要』第

26

巻第

1

問 題

子どもは親の養育態度・行動をどのように認知しているのだろうか。

1960

年代,海外において は子どもによる親の養育態度・行動の報告を取り上げた研究が多くなされてきた

(Slater,P. E.  1962; Roe, A. & Siegelman, M. 1963; Siegelman, M. 1965; Schaefer, E. S. 1965a 1965b)

わが国においても

1960

年代後半から

1970

年代にかけて親子関係を診断するための研究が続々と発 表された(小嶋

1967, 1968,  1969,  1970; Kojima, H. 1975; 

品川ら

1958;

辻岡・山本

1975, 1976,  1977a, 1977b, 1977c, 1978; 

古川

1972, 1974)

古川

(1972)

は小学生とその両親を対象に親のリーダーシップ行動測定に関する研究を行って いる。彼女は, 親子関係に重要と思われる項目を選択し, これを因子分析し,

Performance Factor 

(しつけ・訓練)と

Maintenance Factor 

(情緒的相互作用)の

2

因子を見いだしてい

る。そして,それぞれの因子から

10

項目ずつ項目を選択し,親の自己認知と子どもの親認知との 得点差を検討し,その結果,親のリーダーシップ行動に対する親の自己認知と子どもの認知との間 に認知的不一致があり,その傾向は母親よりも父親と子どもとの間での方が強いということを考 察している。また, P 機能と M 機能の相関値は,父親と母親の自己認知では有意な相関が認められ ており,子ども認知では,父親については P 機能 •M機能の相関値は有意ではあったが,母親につ いては有意な相関が認められなかったと報告しており,父親の P 機能と M 機能は分離したものと 子どもは認知しておらず,母親についてはそれらの機能は独立した機能として認知していると述 べている。さらに,子ども認知の父親と母親の P 機能 •M機能,親の自己認知の父親と母親の両 者の相関が高く,夫婦は類似した P 機能 •M機能のリーダーシップ行動をとっていることが報告 されていた。彼女は,親に対する子どもの態度測定を行っており,それとの関係も検討しており,

それによると親のリーダーシップ行動と子どもの親に対する関係は,子どもが親に対してポジテ

ィプ(理解があり,信頼し,誇りをもち,親しみをもち,尊敬する)な態度をとるものは親の自

己認知によるタイプは P 優位型であり,子どもの認知によるタイプは M 優位型である結果が得ら

れている。また,古川 (1974) は PM式親子関係調査を用いて,幼稚園児,小学生 2•

4• 6

生,中学

2

年生,高校

2

年生,母親を対象に親のリーダーシップ行動認知の父親・母親の理想像

と現実像の発達的変化の研究を行っている。それによると,現実次元では P 尺度と M 尺度とは独

立であるが,理想次元では両者の相関は高く,独立ではないということ,しかし現実次元に関し

ては, P 機能と M 機能を独立な機能として測定できる尺度として信頼できるということを報告し

ている。そしてこの尺度を用いて,発達的変化(上記の

7

つの発達段階により現実と理想の

P

能 ・M 機能がどのように変化するか)について, P 機能と M 機能は,理想次元では異なっている

が (P 機能では凸型:曲線回帰, M 機能では一ー型:直線回帰), 現実次元では母親に対しては

(4)

小• 中・高校生における親子関係の認知構造の発達(辻岡・小高)

型,母親については P 機能が凸型, M機能が—型)ことを見いだしている。また,現実次元と 理想次元の発達的変化については,父親に対する

M

機能認知以外では異なったパクーンを示して おらず,現実次元と理想次元は平行的に変化していたのである。また,理想次元と現実次元のズ レは,

M

機能認知については理想が現実よりも高く,

P

機能認知については母親に対しては現実 が理想よりも高かったが父親についてはズレが認められていなかった。さらに,そのズレの発達 的変化は父親の M 機能認知と母親の P 機能認知において認められており,そのプロセスも異なっ ていたと報告している。また,彼女は P 得点 •M得点の父母間の差の検定を行っており,その結 果,現実次元においては,多くの尺度で差が認められ, p•M機能とも父親よりも母親が高く,

「父親不在・母親支配」は子どもの発達段階に関係なく起こっており,そして父親との関係にお いては, 「情緒的相互作用」を多くしてほしいということからズレを, 母親との関係においては

「しつけ・訓練」をもっと弱くしてほしいということからズレを認知していると考察している。

また,

Schaefer,E

.  S

.  (1965a, 1965b)

は子どもの認知する親の態度・行動に関する質問紙調 査

(CRPBI:Children's Reports of Parental Behavior Inventory)

を子どもに実施し,これ を因子分析し, 「受容一拒否」「心理的統制一心理的自律性」「厳しい統制一ゆるい統制」の

3

つ の因子を見いだしている。小嶋

(1969)

は ,

Schaefer,E

.  S

. 

の尺度の邦訳版,及び,氏がこれ を元にして作成した親用の

PR‑PBI(Parents'Reports  of  Parental  Behavior Inventory) 

を中学生とその両親に施行し,

Schaefer

の見いだした

3

因子を抽出している。 これとは別に

CRPBI

を用いた研究に辻岡・山本の研究が挙げられる。辻岡・山本

(1977c)

の親子関係の相互 認知の研究においては,

Kojima,

H. 

(1975)

で用いられた資料を①息子一父,③息子ー母,⑧娘 一父,④娘ー母,⑥これら

4

つのデータを結合させた結絆サンプル,を

5

つの独立なデータとし て考え,これを因子分析し,プロクラステス回転を用いて分析しているが,その結果

5

つの組に 共通した

7

個の一次因子(親と子どもにそれぞれに出現する情緒的支持の因子,統制の因子,自 律性の因子と親と子どもにおいて共通の次元として出現した同一化の因子)と 4つの二次因子

(情緒的支持の因子,同一化の因子,統制の因子,自律性の因子)が得られたと報告している。

また辻岡・山本

(1975),

辻岡・山本

(1976)

においては

Schaefer

CRPBI (Children's  Reports of Parental Behavior Inventory)

の尺度を出発尺度として因子分析的研究を行って いるが,その結果,息子→父,息子→母,娘→父,娘→母の

4

つの組合せにおいて安定かつ一貫

して出現する次のような

4

つの因子を見いだしている。

1. 

情緒的支持の因子

(EmotionalSupport) 

この因子は, 自分の父親(または母親)が 子どもを愛し,子どもを気持ちの上で支持する傾向を測定するものである。

2. 

同一化の因子

(Identification)

この因子は, 自分の父親(または母親)が子どもと一 体感をもち,親の延長線上あるいは分身として子どもを考える傾向を調べるものである。

3. 

統制の因子

(Control)

この因子は自分の父親(または母親)の子どもへのしつけ, 訓 育,勉学への厳しさ等,親からの超自我の圧力を調べるものである。

‑ 67 ‑

(5)

関西大学「社会学部紀要」第

26

巻第

1

4. 

自律性の因子

(Autonomy)

この因子は,自分の父親(または母親)が子どもの人格を 認め,自主性を尊重し,子どものことは子ども自身に任せようとする傾向を調べるものであ る 。

そして辻岡・山本

(1976)

では,これら

4

因子を測定し,親子関係のどの

4

つの組合せに対し ても転移可能性

(transferability)

を有するような親子関係診断尺度

EICA

を「因子的真実性 の原理」により作成している。 さらに辻岡・山本

(1978)

ではこの親子関係診断尺度

EICA

を 用いた子どもの親への認知構造の類型化を行っている。

さて,これまでの辻岡らの研究は中学生のみを対象に行ってきているが,本研究においては,

辻岡らの研究成果に基づいて作成された親子関係診断尺度

EICA

を小学生, 中学生,高校生に 実施し,この

4

つの因子がそれぞれの発達段階においても出現するかどうかを検討し(分析

1),

発達段階に応じて認知される父親・母親の養育態度がどのように変化するかを検討することにす

る(分析

2)

分 析

被 験 者 小 学 生

63

名(男子

37

名,女子

26

名),中学生

99

名(男子

46

名,女子

53

名),高校生

287

名(男子

179

名,女子

108

名)を用いた。

尺度名 辻岡・山本

(1976)

により作成された親子関係診断尺度

EICA

(「情緒的支持

(ES)

「同一化

(ID)

」「統制

(CO)

」「自律性

(AU)

」 の

4

尺度, 父・母に対しそれぞれ同一項目の

40

項目からなる)を用いた。

分析手続き

(1)

小学生,中学生,高校生それぞれの

40X40

項目の相関行列を算出した。(尚,

小学生・中学生のデータの数が少なかったため, 本研究においては男子→父の組, 男子→母の 組,女子→父の組,女子→母の組を併せて用いた)

(2) 

これらの相関行列の固有値をもとめ,

ScreeTest 

(辻岡・東村

1975)

により,因子数を

4

個と定め,主成分分析を行い,

Varimax

回転,

Promax

法で斜交回転を行い,斜交解を求め た 。

(3) 

小学生・中学生・高校生の二次因子構造を直接比較するために,上記で得られたそれぞれ

の一次因子間相関行列を因子数を

2

個と定め,主成分分析を行い,高校生の主成分解を標的行列

にして小学生,中学生の主成分解を

Schonemann

の完全直交フ゜ロクラステス回転を行い,

Var imax

回転により直交解を求めた。

(Fig. I1

を参照)

(6)

小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達(辻岡・小高)

□ □   ロ

牝 A

R

o V P 

Tv 

,.v.,, 

Vrmx 

vY.i,  Vrmx 

,,v.,̲ 

Vrmx 

RHG  高校生についての一次因子間相関行列

R1R 

中学生についての一次因子間相関行列

REL  小学生についての一次因子間相関行列 PCA 主成分解

oVHG高校生についての主成分解 oVJR  中学生についての主成分解

oVEL 小学生についての主成分解

PRC直交プロクラステス解

JR11。 中学生についてのプロクラステス回転行列 VJR 中学生についての直交プロクラステス解 EL11。 小学生についてのプロクラステス回転行列 VEL 小学生についての直交プロクラステス解 Vrmx Varimax Tv  Varimax変換行列

Fig.  1‑1 二次のプロクラステス因子分析の簡略説明

結 果

1  一次因子分析 (TableI ‑1‑1 13を参照)

①小学生についての結果

1因子 情緒的支持の因子 この因子には,「36心配事をじっくり聞いてくれるので気持 が楽になる(.646)」「

8

いっしょにいると気持が楽になる(.634)」「16 私の悩みや心配事を理 解してくれる(.616)」「20 いつも私の考えや意見に耳を傾けてくれる(.603)」等の情緒的支持 尺度内の9項目が高い正の負荷を示し,尺度外としては,同一化尺度の「3 私にいろいろ気を 使っている(.306)」の項目が正の負荷を示し,自律性尺度の「29 私が外へ行くとき何時に帰り なさいとは言わない(‑.374)」の項目が負の負荷を示している。このことから,この因子は子ど

もに対する気遣いを含んでおり,子どもの行動を高い次元から受け入ようとする親の養育態度の 次元であると考えられる。 (「の次の番号は項目番号をしめす)

‑ 69 ‑

(7)

関 西 大 学 「 社 会 学 部 紀 要 」 第

26

巻 第

1

TableI‑1‑1 

小 学 生 の 親 子 関 係 診 断 尺 度

EICA

の 準 拠 構 造 値

情 緒 的 自 律 性 統制 同一化

N o ,   支持 M E A N  

S.D. 

私の言うことに耳を傾けてくれる

459  ‑ 042  ‑ 178  140  2.706  564 

いっしょにいると気持が楽になる

634  175  ‑ 003  ‑ 173  2.579  596  12 

私が困っているときには元気づけてくれる

412  ‑ 290  ‑ 163  293  2.706  505  16 

私の悩みや心配事を理解してくれる

616  ‑ 100  108  ‑ 032  2.540  626  20 

いつも私の考えや意見に耳を傾けてくれる

603  ‑ 095  ‑ 302  128  2.603  592  24 

私には友だちがとても大事だということを理解してくれる

584  014  123  ‑ 094  2.611  563  28 

私がどんな物の見方をしているのか理解しようとする

567  ‑ 086  029  029  2.508  639  32 

私と一緒に仕事をするときは私の意見を聞いてくれる

570  202  ‑ 008  ‑ lll  2.587  633  36 

心配事をじっくり聞いてくれるので気持が楽になる

646  086  127  ‑ 214  2.500  652  40 

私が喜ぶ本や雑誌を買ってくれたり学校で役立つことを

263  010  ‑ 165  017  2.603  679 

教えてくれたりする

なんでも私がしたいようにさせてくれる

‑ 067  438  ‑ 158  248  1.770  768 

私のやりたいときに宿題をやらせてくれる

‑ 003  220  ‑ 152  308  2.135  876 

好きなだけ外へ行かせてくれる

012  667  ‑ 040  ‑ 048  1.595  747  13 

私がしたいことはどんなことでもさせてくれる

042  695  ‑ 041  ‑ 087  1.587  705  17 

私が友だちの家に一晩泊まるのを許してくれる

143  169  ‑ 126  ‑ 178  2.198  787  21 

学校が終わった後は私の好きなことをさせてくれる

‑ 067  515  079  ‑ 173  1.730  801  25 

夜や週末は私の好きなように過ごさせてくれる

081  325  ‑ 080  198  1.905  886  29 

私が外へ行くとき何時に帰りなさいとは言わない

‑ 374  219  ‑ 243  101  1.635  887  33 

夜でも私が行きたいときはいつでも外へ出してくれる

027  646  067  ‑ 207  1.238  526  37 

私の行きたい所ならどこへでも何も聞かずに行かせてくれる

‑ 134  549  ‑ 098  ‑ 032  1.365  662 

私が家の手伝いをしないと腹を立てる

‑ 045  ‑ 189  154  ‑ 172  1.540  783 

私が年長者に口答えするのを許さない

022  ‑ 264  378  105  2.262  747  10 

いつも私の性格を改めさせようとする

100  163  580  015  1.952  785  14 

私が何をすぺきかいつも私に指図したがる

‑ 068  030  385  063  1.865  800  18 

「なぜそんなことをしたのか説明しなさい」と

‑ 206  ‑ 213  612  157  2.071  919 

しつこく言う

22 

私がいいつけ通りにするまで私を自由にさせてくれない

197  ‑ 093  481  ‑ 423  2.071  828  26 

私に何かいいつけるとそれを守るまでやかましくいって

‑ 040  ‑ 198  640  027  2.095  830 

聞かせる

30 

私のために沢山のきまりや規則を作り,

家の秩序を守ろうとする

113  168  501  017  1.825  827  34 

私が悪いことをすればすべてなんらかの方法で

‑ 071  032  685  ‑ 075  2.071  789 

罰しなければいけないと思っている

38 

私が学校の勉強や家での雑用を怠けると私を罰するのを

057  011  704  ‑ 237  1.960  791 

当然のことだと思っている

私にいろいろ気を使っている

306  ‑ 011  ‑ 204  178  2.310  740 

いつも私を喜ばすことを考えている

‑ 051  ‑ 058  ‑ 058  545  2.175  725  11 

ほかのだれとよりも私と一緒にいたがる

‑ 025  302  192  350  1.976  684  15 

私にたびたびほほえみかける

180  035  089  286  2.278  773  19 

私を喜ばそうとしていろいろなことをする

‑ 110  ‑ 214  ‑ 114  742  2.302  727  23 

暇さえあれば私に話しかけたり私と一緒にいたがる

042  ‑ 071  146  473  2.111  789  27 

私の暇な時はたいてい,一緒に過ごしてほしいと思っている

290  ‑ 056  096  285  2.214  773  31 

友だちと出かけるよりも私と一緒に家にいる方が好きだ

195  377  147  182  2.040  728  35 

私のことが好きだということを態度で表すぺきだと思っている

015  021  367  388  2.095  695  39 

私が大きくなって家の外で過ごす時間が増えてきたことを

‑ 098  191  381  244  1.865  738 

残念がっているようだ

M E A N以外は小数点省略

(8)

小・中・高校生における親子関係の認知構造の発達(辻岡・小高)

2

因子 自律性の因子 この因子には,「1

3

私がしたいことはどんなことでもさせてくれ る(.

695)

」「

9

好きなだけ外へ行かせてくれる(.

667)

」 「3

3

夜でも私が行きたいときはいつ でも外へ出してくれる(.

646)

」 「3

7

私の行きたい所ならどこへでも何も聞かずに行かせてくれ る(.

549)

」等の自律性尺度内の

7

項目や尺度外としては同一化の「3

1

友だちと出かけるよりも 私と一緒に家にいる方が好きだ(.

377)

」「1

1

ほかのだれとよりも私と一緒にいたがる(.

302)

」 が正の負荷を示しており,親が子どもと一緒にいたいと子どもが認知するほど,親はどんなこと でもさせてくれると認知していることがわかる。以上の結果から, 全体的な構造は

EICA

の自 律性尺度の項目に多く負荷を示しており,ここにおいても自律性の因子と命名する。しかしなが ら,負荷する項目からもわかるように,この自律性の因子には小学期における子どもに対する甘 やかしも含まれており,自律性の発達には親の甘やかしも重要な要因であると考えられる。

3

因 子 統 制 の 因 子 この因子には「3

8

私が学校の勉強や家での雑用を怠けると私を罰す るのを当然のことだと思っている(.

704)

」 「3

4

私が悪いことをすればすぺてなんらかの方法で 罰しなければいけないと思っている(.

685)

」 「2

6

私に何かいいつけるとそれを守るまでやかま しくいって聞かせる(.

640)

」 「 『1

8

なぜそんなことをしたのか説明しなさい』としつこく言う

(.  612)

」等の統制内の

9

項目や「3

5

私のことが好きだということを態度で表すべきだと思って いる(.

367)

」「3

9

私が大きくなって家の外で過ごす時間が増えてきたことを残念がっているよ うだ(.

381)

」の同一化尺度の項目が正の負荷を示し, 情緒的支持尺度の「2

0

いつも私の考え や意見に耳を傾けてくれる(‑.

302)

」が負の負荷を示している。 このことから, この因子は親 の統制的な養育態度次元を代表する因子と考えられる。また,子どもに対する厳しさの裏には子 どもへの一体感が考慮に入れられているということが伺われる。

4

因子 同一化の因子 この因子には,「1

9

私を喜ばそうとしていろいろなことをする

(. 742)

」「

7

いつも私の喜ばすことを考えている(.

545)

」 「2

3

暇さえあれば私に話しかけた り私と一緒にいたがる(.

473)

」等の同一化尺度内の

5

項目や自律性の尺度の「

5

私のやりた いときに宿題をやらせてくれる(.

308)

」に正の負荷を示し, 統制尺度の「2

2

私がいいつけ通 りにするまで私を自由にさせてくれない」の項目が負の負荷を示している

(‑.423)

。つまり,こ の因子は子どもを分身として考え,子どもが喜べば親も喜ぶという,子どもとの一体感を表す養 育態度であり,分身的愛もしくは分離不安を表す親の態度であると思われる。以上の結果から,

全体的な構造は

EICA

の同一化尺度の項目に多く負荷を示しており, ここにおいても同一化の 因子と命名する。

②中学生についての結果

第 1因 子 情 緒 的 支 持 の 因 子 この因子には「3

6

心配事をじっくり聞いてくれるので気持が 楽になる(.

739)

」「1

6

私の悩みや心配事を理解してくれる(.

738)

」「1

2

私が困っているとき には元気づけてくれる

(.634)

」等の全ての情緒的支持尺度の

10

項目が負荷を示しており, この

‑ 71  ‑

(9)

関西大学「社会学部紀要」第

26

巻第

1

因子は子どものことを気遣う親の養育態度であり,子どもを情緒的に支持する因子であると考え られる。

2

因子 自律性の因子 この因子には「1

3

私がしたいことはどんなことでもさせてくれる

(. 646)

」 「

9

好きなだけ外へ行かせてくれる(.

623)

」 「3

3

夜でも私が行きたいときはいつで も外へ出してくれる(.

596)

」等の自律性の尺度の

9

項目が正の負荷を示し,統制尺度の「22 私 がいいつけ通りにするまで私を自由にさせてくれない」は負の負荷を示している(‑.

378)

。 こ のことから,この因子を自律性の因子と命名することにする。ただし,これらの項目は,中学

1

年生にとっては親のルーズなしつけ, あるいは自由放任の因子と考えることもできると思われ る 。

3

因子 同一化の因子 この因子には「2

7

私の暇な時はたいてい,一緒に過ごしてほしい と思っている(.

671)

」 「3

1

友だちと出かけるよりも私と一緒に家にいる方が好きだ(.

652)

23

暇さえあれば私に話しかけたり私と一緒にいたがる(.

632)

」等の全ての同一化尺度の

10

項 目と情緒的支持尺度の「3

2

私と一緒に仕事をするときは私の意見を聞いてくれる ( .  3

26)

」 が 正の負荷を示しており,親の子どもへの分離不安を表す次元であると思われる。

4

因 子 統 制 の 因 子 この因子には「1

0

いつも私の性格を改めさせようとする(.

593)

「1 」

4

私が何をすべきかいつも私に指図したがる(.

592)

「3 」

0

私のために沢山のきまりや規則を作り,

家の秩序を守ろうとする(.

564)

」等の統制尺度内の

9

項目が負荷を示し, この因子は子どもを 統制する親の養育態度を表す次元であると考えられる。

⑧高校生についての結果

1

因子情緒的支持の因子この因子には「1

6

私の悩みや心配事を理解してくれる(.

685)

20

いつも私の考えや意見に耳を傾けてくれる(.

681)

」 「1

2

私が困っているときには元気づ けてくれる(.

678)

」等の全ての情緒的支持尺度の

10

項目が正の負荷を示している。 このことか

らこの因子は子どもを情緒的に支持する親の養育態度を表す次元であると考えられる。

2

因子 自律性の因子 この因子には「

9

好きなだけ外へ行かせてくれる(.

744)

」 「3

3

夜でも私が行きたいときはいつでも外へ出してくれる(.

682)

」 「1

3

私がしたいことはどんなこ

とでもさせてくれる(.

634)

」等の自律性尺度内の

9

項目が負荷を示しており, この因子は自律 性の因子と命名することにする。

3

因子 同一化の因子 この因子には「2

3

暇さえあれば私に話しかけたり私と一緒にいた がる(.

670)

」 「1

1

ほかのだれとよりも私と一緒にいたがる(.

646)

」 「2

7

私の暇な時はたいてい,

一緒に過ごしてほしいと思っている(.

615)

」等の同一化尺度内の

9

項目が負荷を示しており,

この因子は子どもと一緒にいることを欲する親の養育態度を表していると思われる。

参照

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