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密教文化 Vol. 1950 No. 9-10 001山口 益「廻諍論の註釋的研究 (二) P1-20」

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(1)

(二)

リ ニ ク 又 復 有 レ 義。 偶 言。 ハ ル や ニ ル ヲ 七 智 入 知 三 読 法 善 法 有 二 自 燈 一 蔚 モ シ ノ 世 入 知 レ 有 レ 禮 飴 法 亦 如 レ 是 ス ヤ ノ ヲ ク ヤ ヲ ニ 此 偶 明 二 何 義 一。 法 師 読 二 善 法 一 善 法 一 百 ア リ ク ノ 一 十 有 九。 謂 心 一、 相、 一 者 受、 二 者 想、 三 者 畳、 四 者 鯛、 五 者 観 察、 六 者 欲、 七 者 信 解 脱、 八 者 精 進、 九 者 憶 念 馬 十 者 三 摩 提、 十 一 者 慧、 十 二 者 捨、 十 三 者 修 困 十 四 者 合 修、 十 五 者 習、 十 六 者 得、 十 七 者 成、 十 八 者 辮 才、 十 九 者 適、 二 十 者 勤、 二 十 一 者 思、 二 十 二 者 求、 二 十 三 者 勢 力、 二 十 四 者 不 嫉 へ 二 十 五 者 自 在、 二 十 六 者 善 辮 才、 二 十 七 者

悔、

悔、

欲、

欲、

捨、

思、

求、

願、

読、

界、

行、

生、

住、

滅、

集、

老、

簡、

悶、

疑、

量、

愛、

信、

樂、

順、

取、

衆、

敬、

法、

敬、

漱、

給、

給、

順、

宿、

動、

樂、

瀧復、

定、

悩、

得、

廻 謡 論 の 註 繹 的 研 究

(2)

教 文 化

説、

怠、

憤、

津、

畏、

信、

直、

読、

静、

驚、

錯、

輕、

嫌、

焼、

貧、

⊥ハ

瞑、

擬、

知、

捨、

有、

悪、

喜、

捨、

十、

通、

執、

亀者

浄、

捨、

盆、

用、

定、

智、 一 百 六 者 無 常 三 昧。 少 十 三 法 無 塵 訪 本 ク ノ ァ リ 如 レ 是 善 法 一 百 一 十 有 九。 ニ ノ ア ル ニ ハ 善 法 善 法 自 禮 一彼 不 善 法 不 善 ア リ ク ノ ニ ハ お ノ ア リ ノ

隆。

性。

ハ ナ リ 轟 ハ ノ 昌 ハ ノ 昌 ハ 性 無 記。 欲 界 欲 界、 色 界 色 界、 無 色 界 幡 ノ 轟 ハ ノ 静 二 ハ 無 色 界、 無 漏 無 漏 ふ 苦 集 滅 遣 苦 集 滅 ノ * 犠 ハ ノ ナ リ 道、 修 定 修 定。 ク ノ ク ノ ル レ バ ル ヲ 如 レ 是 如 レ 是 見 下 有 二 無 量 種 種 諸 法 一 皆 有 申 ク ナ レ バ ノ シ カ バ ー シ 自 禮 上。 如 レ 是 若 読 L 切 諸 法 皆 無 二 自 ク ノ 二 シ テ ト フ コ ト ヲ ト セ 膿 一 如 し 是 無 髄 得 上 レ 言 レ 室 者、 義 不 二 相 慮 一。 ニ リ ニ ク 此 復 有 レ 義。 偶 言。 ニ ハ ノ ァ リ ト ハ レ ノ ナ リ ク 八 出 法 出 法 膣 是 聖 人 所 レ 読 ク ノ 昌 ハ ノ ア リ 如 レ 是 不 出 法 覧 不 出 法 自 饅 ス ヤ ノ ヲ マ ケ バ ヲ ノ ア リ ク 此 偶 明 二 何 義 輌。 如 読 二 出 法 一 出 法 自 饅。 如 レ ノ ニ ハ ノ ァ リ 昌 ハ ノ 是 不 出 法 不 出 法 自 膿。 畳 分 畳 分 自 ア リ ニ ハ ノ ア リ ニ ハ 腫。 菩 提 分 菩 提 分 自 饅。 非 菩 提 分 非 ノ ア リ ク ノ モ シ ノ 菩 提 分 自 燈。 如 レ 是 飴 法 皆 亦 如 レ 是。 シ ク ノ 几 轟 ノ ヲ 屯 ク 若 如 ゾ 是 見 二 彼 無 量 種 諸 法 自 燈 一、 而 如 レ ノ カ バ テ 是 読 下 一 切 諸 法 皆 無 二 自 謄 一、 以 レ 無 二 自 謄 野 ケ テ ス ト ト セ 名 爲 上 レ 室 者、 義 不 二 相 慮 一。 ま た 家 に

(3)

-2-七

は、

る。

諸 絵 の 法 に つ い て も、 此 が 充 當 せ ら る。 叢 に 法 の 分 位 を 知 る 人 々 は、 諸 善 法 の 百 十 九 を 思 量 す。 即 ち ( 一 ) 識 と ( 二 ) 受 と ( 三 ) 想 と ⋮ ⋮ ⋮ ︹ 中 間 西 藏 課 本 に て ( 七 七 ) 疑 ま で を 省 略 ︺⋮ ⋮ ⋮ ( 七 八 ) 律 儀 の 清 浮 と ( 七 九 ) 内 善 信 と ( 八 ○ ) 畏 と の 一 分 と、 ( 八 一 ) 信 と ( 八 二 ) 漸 と ( 三 八 )、 質 直 ど ⋮⋮ ⋮ ︹ 中 間 西 藏 繹 本 に て ( 二 七 ) 不 一 切 智 ま で を 省 略 ︺ ⋮ ⋮ ⋮ ( 二 八 ) 無 爲 法 と な り と 云 ふ や う に、 善 法 の 善 な る 自 性 は 百 十 九 あ り。 ︹叢 の 百 十 九 法 に つ い て は、 註 解 中 の ﹁ 梵 藏 漢 三 本 に 於 け る 百 十 九 法 の 封 照 表 ﹂ 参 照 ︺ 同 様 に 不 善 法 に 竜 不 善 な る 自 性 あ り。 有 覆 無 記 に 庵 有 覆 無 記 の 自 性 あ ろ。 無 覆 無 記 に は 無 覆 無 記 の 自 性 あ う。 欲 と 説 か れ た る ︹ 諸 法 ︺ に 蘇 欲 と 読 か れ た る 自 性、 色 と 読 か れ た る ︹ 諸 法 ︺ に ば 色 と 説 か れ 疫 る、 無 色 と 読 か れ た る も の に は 無 色 と 読 か れ た る、 無 漏 に は 無 漏 な る、 ま た、 苦 集 滅 道 と 云 ふ も の に 似 苦 集 滅 道 と い ふ 自 性 あ り。 修 所 断 の も の に ば 修 所 断 の、 非 所 断 の 竜 の に は 非 所 断 の 自 性 あ り と、 ︹ 思 量 す ︺。 凡 そ か く の 如 く 多 種 の 法 の 自 性 が 見 ら る る が 故 に、 ﹁ 一 切 法 は 無 自 性 な わ。 無 自 性 な る が 故 に 室 な り ﹂ ど 云 へ る こ と は 理 不 相 鷹 な う。 ま た 次 に 八 若 し 出 離 等 な る 法 の 分 位 を 読 け る 入 々 に、 出 離 の 自 性 あ る 法 と 非 出 離 な る 諸 法 と の あ る こ と も 理 は 同 じ。 ま た、 一叢 に、 法 の 分 位 を、 読 く 入 々 に と り て は、 出 離 な る 法 に は 出 離 な る 自 性 あ う。 非 出 離 な る 諸 ︹ 法 ︺ に は 非 出 離 な る 自 性 あ う。 菩 提 分 相 鷹 の 諸 ︹ 法 ︺ に は 菩 提 分 相 鷹 ︹ な る 自 性 ︺ あ り。 菩 提 分 不 相 慮 ︹ な る 諸 法 ︺ に は 菩 提 分 不 相 鷹 な る ︹ 自 性 ︺ あ り。 畳 支 相 鷹 の 諸 ︹ 法 ︺ に は 畳 支 相 鷹 ︹ な る 自 性 ︺ あ う。 畳 支 非 相 鷹 の 諸 ︹ 法 ︺ に ば 畳 支 非 相 鷹 ︹ な る 自 性 ︺ あ う。 又 諸 飴 の も の に も 同 じ。 さ れ ば、 か く の 如 く 多 種 な る 諸 法 の 自 性 を 見 る が 故 に そ れ 故 に、 ﹁ 一 切 法 ば 無 自 性 な う、 そ れ 故 に 室 な り ﹂ と 読 け る も の は 宜 し か ら す。 註 解 第 七 偶 藪 に 善 法 に 善 の 自 性 あ り、 云 女 と し て 學 げ ら れ、 引 廻 諜 論 の 註 縄 的 撚研 究

(4)

密 教 文 化 偶 に 愚 出 離 法 菩 提 分 法 等 に 法 の 自 性 あ り と 學 げ ら れ る。 自 性 と は 實 体 的 な 存 在、 實 有 で あ る か ら、 藪 に 有 自 性 論 は、 三 世 實 有 法 体 恒 有 を 読 く 読 一 切 有 部 宗 思 は れ る。 言 ふ ま で も な く、 読 一 切 有 部 と は、 佛 陀 が、 四 諦 十 二 因 縁 な る 韓 迷 閨 四悟 の 道 を 読 く に あ た つ れ た、 五 薔 十 二 庭 十 八 界 等 の あ ら ゆ る 教 相 徳 目 を 尊 持 す る 上 座 ( st h a v ir a ) 系 統 の 部 派 で あ る が、 教 相 重 傅 持 す る 思 想 は、 そ れ ら 教 相 徳 目 め ﹁ 決 定 相 ﹂ 實 張 せ し む る に 至 る。 そ れ ら 教 相 徳 目 の 實 体 性 が 阿 毘 整 理 せ ら れ た も の が、 五 位 七 十 五 法 で あ り、 大 体 世 論 に 見 ゆ る 毘 婆 沙 師 の 教 読 の 上 に そ の 整 理 完 成 し た れ る と い ふ。 併 し か く の 如 き 整 理 完 成 し た 形 は 固 よ さ う い ふ 形 態 が 完 成 せ ら れ た の で な く、 読 一 切 有 部 に 形 成 し 出 さ れ た 當 初 か ら、 幾 多 の 攣 遷 を 経 た も の そ の 五 位 七 十 五 法 の 中 で は、 固 よ り 心 性 即 ち 心 心 所 の が 中 心 に 究 明 せ ら れ た こ と は 疑 が な い が、 故 木 村 は、 古 く 界 身 足 論、 品 類 足 論 及 び 毘 婆 沙 論 か ら、 法 曇 心 論、 法 救 の 雑 阿 毘 曇 心 論、 世 親 の 倶 舎 論、 及 び と い ふ 次 第 に 於 て、 心 々 所 読 畿 達 の 跡 を 歴 史 的 に 究 ( 宗 教 研 究、 新 笙 一 巻、 第 一、 二 號 )。 し か し 西 紀 七 世 紀 た 中 観 派 月 稻 論 師 の 認 め て ゐ る 如 く ( 月 稻 造 中 論 繹 頁 参 照 )、 廻 評 論 の 長 行 繹 が 龍 樹 の 述 作 で あ る 之 せ ら ば、 廻 諄 論 の 薙 に 學 げ ら れ て ゐ る 百 十 九 善 法 な る も の も、 善 法 即 ち 善 的 な 心 の 容 態 と し て、 法 勝 の 阿 毘 曇 心 論. ( 西 紀 二 〇 〇 年 ) 時 代 頃 の、 心 心 所 読 の 一 の 形 と し て 注 意 す べ き も の で あ ら う。 そ し て そ こ に は ﹁ 百 十 九 善 法 ﹂ と い ふ け れ ど も、 そ れ は 心 即 ち 識 で 始 め ら れ、 倶 舎 論 で は 大 地 法 に 囁 せ ら る べ き 受 想 思 鰯 作 意 欲 等 の 心 所 が 學 げ ら れ、 主 と し で 善 法 が 枚 學 せ ら れ て は 欄ゐ る が、 必 ず し も 善 法 の み で は な く し て、 荒 臨、 解 怠、 覆 な ど 云 ふ 不 善 法 も 見 え、 ま た 生 佳 滅 な ど の 不 相 鷹 行 法 も 枚 學 せ ら れ て ゐ る。 そ れ 故 に、 蕪 の 百 十 九 法 は、 龍 樹 時 代 の 有 部 に 於 け る 五 位 七 十 五 法 的 な 法 数 が、 善 法 を 中 心 と し て 掲 げ ら れ た も の で な い か と 思 は れ る。 從 つ て、 こ の 廻 諄 論 に 於 け る 百 十 九 法 は、 倶 舎 論 に 至 る ま で の 阿 毘 達 磨 法 敏 攣 遷 の 一 の 重 要 な 資 料 で あ る。 不 善 法 や 不 相 懸 行 法 な ど が 雑 然 と 算 へ ら れ な が ち 何 故 に ﹁ 善 法 ﹂ と し て 掲 げ ら れ た か は 明 瞭 で な い が、 そ の 中 の 不 相. 懸 行 法 な ど は、 善 法 が 生 起 す る に つ い て、 そ れ に 關 聯 の あ る 法 と し て 掲 げ ら れ た も の で な い か。 受 想 思 鰯 作 意 等、 倶 舎 論 の 所 謂 大 地 法 な ど に 至 つ て は、 固 よ り そ れ で あ る。 百 十 九 法 と い ふ け れ ど も、 梵 藏 漢 何 れ に も 百 十 九 の 整 備 さ れ た も の は 一 も な い。 封 照 表 の 示 す 如 く 三 本 の 上 に 相 當 出 波 相 異 が あ る。 封 照 表 に 於 て は、 漢 諜 の 語 が 略 々 梵 藏 語 の 課 語 と し て 適 當 と 思 は れ る も の に つ い て は 別 に 梵 藏 語 の 爲 に 課 語 を 與 へ 凄 い。 漢 課 の 百 十 九 法 中 に な い も の 及 び、 漢 繹 依 用 の

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-4-課 語 が 一 般 に 用 ひ ら れ て ゐ る 課 語 で な い 場 合 等 の 語 の 爲 に は、 翻 課 名 義 集 等 に よ つ て 別 に 課 語 を 設 け る こ と に し だ。 三 本 封 照 上 の 注 意 す べ き 事 項 に つ い て は、 封 照 表 の 後 に 附 記 す る 註 に 於 て 此 を 述 べ る。 三 本 の 中、 西 藏 本 を 基 準 と し た の は、 ゴ 一本 中、 西 藏 本 が 原 曲 ハ と し て 最 も 整 備 完 成 せ ら れ た 形 に あ る か ら で あ る。

廻 謬 諭 の 駐 繹 的 研 究

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-6-廻 謬 論 の 駐 糧 的 研 究

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-8-廻 諜 論 の 註 繹 的 研 究

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-10-廻 課 論 の 註 繹 的 研 究

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密 教 文 化 第 八 偶 に 關 し、 そ の 他 註 解 す べ き 事 項 は、 漢 課 と の 此 を 述 べ る こ と と す る。 の 封 考 第 七 偶 第 二 句 ﹁ 智 人 知 読 法 ﹂ の ﹁ 読 法 ﹂ ぱ、 く ﹁ 法 読 ﹂ と し て も、 そ の 意 味 が 梵 本 の d h a r m a -に 直 接 關 聯 せ し め ら れ な い。 漢 繹 者 の 原 本 に は、 ﹂ が 別 な る 形 を 有 つ た の で あ ら う か。 ﹁ 世 人 知 有 体 ﹂ の ﹁ 世 人 ﹂ に つ い て は、 こ の 偶 の 梵 参 見 せ な け れ ば な ら な い。 さ て n a m d h a r m a n am b d h a r m a v a s th a v id a c c a m ao n y-I k u c a la m j a n a h s v a h a v a m c es esv a b y e s a v in i y o g a h 1 II と 云 ふ 梵 本 の ﹁ v id a h ﹂ は 第 一 句 に 諜 す る 所 の ﹁ 智 人 ﹂ で あ る が、 こ の ﹁ V id a h ﹂ は ﹁ Ua n a h ﹂ と 二 聯 に 讃 ん で ﹁ 智 あ る 人 々 ﹂ と 讃 む べ き 言 葉 で あ る。 然 る に 漢 繹 者 は そ れ を 繭 聯 に 扱 ふ こ と を 失 し、 ﹁j a n a h ﹂ を 切 り 離 し て ﹁ 世 人 ﹂ と 課 し た も の で あ る。 る れ の 當 を 得 ざ る こ と は 云 ふ ま で も な い。 長 行 の ﹁ 心 二 相 ﹂ と 云 ふ ﹁ 二 相 ﹂ は、 梵 藏 本 で は ﹁ 二 分 ( o k a d e c a )﹂ と 云 ふ。 西 藏 本 で は 第 八 ○ ﹁ 畏 ﹂ の 次 に 出 さ れ る も の で あ る。 梵 本 の 形 態 で は、 始 め に ﹁ 二 分 ( 二 相 ) ﹂ な

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-12-る 語 を 與 へ、 識 ( 心 ) 以 下、 第 八 ○ の 畏 ま で の 語 は 皆、 所 爵 格 ( g e n it i v e c a s e ) が 附 せ ら れ て ゐ る か ら、 そ れ は ま さ し く は、 梵 藏 本 に よ る 國 課 の 如 く な る の で あ る。 漢 繹 者 は そ れ を 識 ( 心 ) の 字 に だ け 關 係 せ し め て、 心 の 一 相 と 云 ひ、 そ め 飴 の 語 は そ れ を 主 格 口 ( n o m i n aa t iv e c a s e ) と し て 扱 つ た の で あ ら う。 併 し、 何 故 に 第 入 ○ の 畏 ま で に は 所 驕 格 が 付 せ ら れ て そ れ が ﹁ 一 分 ﹂ に 關 係 し、 そ れ 以 後 が 主 格 で 出 さ れ た か。 そ の 理 由 は 私 に は わ か ら な い。 百 十 九 法 中 の 語 に つ き 注 意 す べ き も の は、 先 の 封 照 表 中 に 既 に 此 を 述 べ た。 ﹁ 無 記 ﹂ に つ い て、 西 藏 本 に は 有 覆 無 記 と 無 覆 無 記 と の 二 の 場 合 を 學 げ る。 梵 本 に は 文 肱 の 少 し く 異 な る も の が あ る が 有 覆 無 記 の 語 が 見 ち る る か ら、 そ れ は 西 藏 本 の 如 く あ る の が、 も と の 形 で あ ら う。 漢 課 の ﹁ 無 記 無 記 本 性、 無 記 本 性 無 記 ﹂ と は 異 な 言 葉 遣 ひ で あ る が、 同 じ 檬 な 語 が 二 度 繰 返 さ れ て ゐ る こ と は、 原 形 が 西 藏 本 の 如 く あ つ た こ と を 示 す も の で な い か。 前 後 の 文 肱 か ら 考 へ て、 こ れ が さ う で あ つ た で あ ら う と 想 は し め る。 併 し 漢 諜 に 於 て ﹁ 無 記 本 性 (p r a kr it i ) 無 記 ﹂ と い ふ 語 は、 ﹁ p r a k r it a -a v y a kr it a nm p r a k r it a -a v ya k r -ita h ﹂、 と い う や う な 形 で、 藪 の 梵 文 に 顯 は れ て 居 る と 見 ら 価 な い で も な い の で あ る か ら、 藪 は 漢 梵 爾 本 の 上 に 何 等 か の 相 似 た 原 形 が あ る と 見 ら れ な い で は な い。 そ の 黙 か ら 云 へ ば 西 藏 課 の 形 の 如 く に 見 込 ん で し ま ぶ の も 如 何 か と 思 ぼ れ る が、 併 し 法 相 の 形 か ら 云 へ ば 西 藏 諜 本 の そ れ が 尤 な も の で あ る と 思 は れ る。 ﹁ 修 定 修 定 ﹂ と 云 ふ の は、 梵 藏 本 に 於 け る 修 ︹ 道 ︺ 所 断 に 相 當 す る の で あ ら う。 修 道 は 修 脅 ( a b h y a sa ) を 体 と す る も の で あ る け れ ど も、 b h a v a n a は 僻 書 に も ﹁m e d it a t io n ﹂ (Apte; Monier-williams)の用例があり、修輝定と漢課 繹 せ ら れ た 場 合 も あ る ( ラ ー デ ル 氏 十 地 経 索 引 )。 今 は 修 定 の 語 で 以 て 修 道 所 噺 を 表 は す の で あ る。 修 道 所 断 が 學 げ ら れ た 黙 か ら 考 へ る と、 ﹁ 苦 集 滅 道 ﹂ は、 そ の 四 諦 の 一 々 を 四 の 行 相 ( 苦 室 無 常 無 我、 因 集 生 縁、 滅 静 妙 離、 道 如 行 出 ) で 観 察 す る 見 道 十 五 心 -尤 も 第 十 六 心 は 修 道 で あ る が -を 云 ひ、 前 の 修 所 断 か ら 考 へ て、 見 所 断 を 云 ふ ご と に な る の で あ ら う。 漢 課 に ぱ 梵 藏 本 の ﹁ 非 所 断 の も の に は 非 所 断 の 自 性 あ り ﹂ が 訣 け て ゐ る。 非 所 断 と は 倶 舎 論 巻 二 ( 冠 導 本 一 三 左 ) に 出 つ る 如 く 無 漏 を 云 ふ。 第 八 偶 の ﹁ 出 離 法 ﹂ 即 ち 漢 課 の ﹁ 出 法 ﹂ の ﹁ 出 離 ﹂ は ﹁ 輪 廻 か ら 出 る ﹂ の 意 味 で あ る。 ﹁ 輪 廻 か ら 出 る ﹂ と は、 ﹁ 異 生 位 を 越 え る ﹂ こ と で あ り、 ﹁ 聖 道 は 能 く 輪 廻 を 越 た、 能 く 決 し て 浬 葉 に 趣 く ﹂ と 云 は れ る 正 性 離 生 ( 正 性 決 定 )、 即 ち 見 道 の こ と を 云 ふ も の で あ ら う。 倶 舎 論 二 十 三 ( 冠 導 本 一 〇、 右 ) に 云 ふ。 正 性 言 ハ目 二 諸 聖 道 一、 生 ハ 煩 憐 ナ リ。⋮⋮ 聖 道 能 越 故 名 二 離 生 一 能 決 趣 二浬 榮 一、 或 決 二 了 諦 相 一故、 諸 聖 道 得 二 決 定 名 噂 廻 諜 論 の 註 繹 的 研 究

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密 教 文 化 七 畳 支 ( b o d h y-a n g a )、 菩 提 分 は 三 十 七 科 道 分 ip a k s a )。 出 離 法 以 下、 何 れ も 佛 道 修 行 の 階 梯 の 夫 汝 示 し た も の で、 そ れ ら の 道 性 の 有 自 性 を 主 張 す る の 辮 中 邊 論 封 治 修 脅 品 な ど に よ れ ば 七 畳 支 は 見 道 に 於 の 力 用、 八 聖 道 は 修 道 の そ れ を 示 し た も の で あ る 論 巻 二 十 五 (冠 導 本、 一 四 左 ) に よ れ ば、 ﹁ 修 道 位 中、 近 二隔 一助 レ畳 勝 故、 読 二庵 支 増 一。見 道 位 中、 速 疾 而 韓 通 行 勝 故、 増 ﹂ と 云 ひ、 言 は ば 七 畳 支 が 修 道 の、 八 聖 道 が 見 道 の す こ と と な つ て ゐ る。 今 は 読 一 切 有 部 の 所 読 で あ る る か ら、 倶 舎 論 に 示 す 如 き そ れ で あ ら う。 菩 提 分 は 道 分 全 体 を 示 す の で あ る が、 始 め に 出 離 法 と 云 ひ、 が 示 さ れ て、 そ の 髭 支 が 修 道 の 力 用 を い ふ も の で あ 特 に 出 離 法 即 ち 見 道 と 七 畳 支 即 ち 修 道 と を 別 に 取 り れ ら を 三 十 七 科 道 分 で 総 括 し た も の と 認 め て も よ い 五 リ ニ ク 復 有 レ 義。 偶 言。 シ ヨク バ ト イ ブ ス ラ モ 九 諸 法 若 無 レ 髄 無 禮 不 レ 得 レ 名 レ バ リ ゾ ナ ラ ン 有 二 自 燈 一 有 レ 名 唯 名 云 何 名 ス ヤ ノ ヲ シ ク バ 偶 明 二 何 義 一。 若 一 切 法 皆 無 二 自 燈 一、 ク シ ト モ ほ シ ヲ デ ノ ユ ル ト キ ハ 読 レ 無 二 自 鐙 奏 戸 語 亦 無。 何 以 故。 有 レ 物 レ バ シ テ ノ ド ル ヲ ニ 有 ジ 名、 無 レ 物 無 レ 名。 以 二 一 切 法 皆 有 一 レ 名 故。 シ ル リ ル ガ ニ 當 レ 知 諸 法 皆 有 二 自 匿 一。 法 有 二 自 禮 一 故 ブ コ ト ヲ ト 不 レ 得 レ 言 二 一 切 法、 室 一。 ク ナ ル 轟 ノ シ カ バ シ ト 如 レ 是 若 読 三 一 切 法 室 無 二 自 謄 ゴ 者、 義 ロ セ ニ ク 不 二 相 慮 一。 偏 言。 ゆ で シ レ テ ヲ デ 二 シ ト イ ハ 一 〇 若 離 レ 法 有 レ 名 於 轟 彼 法 中 一 無 ク リ ト む チ シ 読 二 離 レ 法 有 ヲ 名 彼 人 則 可 ゾ 難 ス ヤ ノ ヲ シ ノ ユ ブ そ ナ ル ト キ ハ リ 此 偏 明 二 何 義 一。 若 汝 意 謂、 有 レ 法 有 レ 名、 レ デ ヲ リ ク ナ ル ト キ ハ ノ ヘ ニ シ テ 離 レ 法 有 レ 名 ゆ 如 レ 是 一 切 諸 法 皆 室 無 ハ ズ キ ニ ル ト キ ル ナ リ ト 自 膿 成。 非 二 物 無 名 一、 有 レ 物 有 レ 名。 ニ ク シ ク ナ ラ バ ノ の る ク ヤ 此 我 今 読。 若 如 レ 是 者、 有 二 何 等 入 一、 読 下 レ テ ヲ ニ リ ト ヤ シ ニ リ ュ レ バ 離 二 法 隆 一 別 有 中 名 字 劫 若 別 有 レ 名、 別 有 レ 法 チ ス コ ト ヲ カ ラ ス 者、 則 不 ヒ 得 レ 示、 彼 不 レ 可 レ 示。 ノ ノ ニ シ テ ニ ニ リ ト ハ 如 ゾ 是 汝 心 分 別 別 有 二 諸 法 一 別 有 レ 名 者、 ラ 是 義 不 レ 然。 ま 疫 次 に ノ

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-14-九 若 し 法 の 自 性 無 な ら ん か、 無 自 性 と い ふ 名 も、 か く の 如 く 無 な る べ し。 何 故 な れ ば 依 事 無 き 名 は あ り 得 べ か ら ざ れ ば な り。 若 し 一 切 法 の 自 性 が 無 な る と き は、 そ こ に は 少 く と も 自 性 は 無 な り。 そ の と き に は 自 性 無 な り と い ふ 名 す ら も 同 様 に 無 と な る べ し。 何 故 な る か。 何 と な れ ば、 依 事 な き 名 は 如 何 な る も の も 無 な れ ぼ な り。 そ れ に よ り て 名 が あ り 得 る に よ り て 諸 法 の 自 性 は あ り。 自 性 有 る が 故 に 一 切 法 は 室 に あ ら ず。 そ れ 故 に、 ﹁ 一 切 法 は 自 性 無 し。 無 自 性 性 な る が 故 に 室 な り。 ﹂ と 読 く こ と は 理 不 相 鷹 な り。 一 〇 若 し、 ﹁ 自 性 は あ り。 而 も そ は 諸 法 中 に は 無 し ﹂、 と 云 は ば、 そ れ 故 に、 諸 法 無 く し て の、 ︹ 彼 ︺ 自 性 の 囑 す る 所 の も の が 共 庭 に 指 示 せ ら れ 得 る 理 な り。 汝 若 し ﹁ 依 事 無 き 名 は あ る べ か ら ず ﹂ と 思 惟 し て、 ﹁ ︹名 に は ︺ 自 性 は あ り、 而 も そ は 一 切 法 の 上 に は あ る べ か ら ず。 か く の 如 ぐ な る と き は、 諸 法 に は 自 性 無 き 故 に、 法 の 空 性 は 成 立 せ ら れ た る こ と と な る べ し。 而 も 名 は 依 事 無 き に は あ ら ず ﹂ と 思 惟 せ ん か。 そ の 義 に つ き、 我 々 は 言 ふ。 か く の 如 く な ゐ と き は、 彼 の 自 性 は、 法 と 別 離 な る 如 何 な る 物 の 上 に あ る 物 な る か。 そ こ に そ れ が 指 示 せ ら れ 得 る 理 な り。 而 も, 彼 ︹ 物 ︺ は 指 示 せ ら れ ず。 そ れ 故 に、 ﹁ 自 性 あ り、 而 も 彼 れ 諸 法 中 に は 無 し。 ﹂ と の 所 執 は 破 壊 せ ら る。 註 解 第 九 偶 ﹁ 自 性 無 な ら ん か 自 性 無 と い ふ 名 も か く の 如 く 無 な る べ し ﹂ と 云 ふ。 ﹁ 自 性 無 と い ふ 名 ﹂ と い ふ そ の ﹁ 名 ﹂ と は、 作 想 ( s a n j a -k a r a n a ) と 解 せ ら れ て ( 和 課 稻 友 倶 舎 論 疏、 二、 一 四 六 頁 )、 自 性 無 と い ふ ﹁ 像 を 取 る こ と の 作 用 ﹂ ( n im it t a -u d g r a h a n a ) で あ る か ら、 そ れ は 云 は ば、 自 性 無 を 自 性 無 と 執 り 語 る 所 の 中 襯 の 教 読 を 指 示 す る。 有 自 性 論 者 と し て は、 さ う い ふ ﹁名 ﹂ が あ る と す れ ば、 董 の 名 ( n a m a n ) の 樹 象 有 名 ( n a m ln ) が、 自 性 無 な る 物 と し て あ ら ね ば な ら ぬ と 考 へ る わ け で あ る。 依 事 な き 名 は 無 で あ る か ら で あ る。 有 自 性 論 者 が 自 性 無 を 読 く 中 観 の 教 読 と い ふ も の を 考 へ る と き に は、 さ う 云 ふ 形 態 と な る で あ ら う。 と こ ろ で、 か か る ﹁ 自 性 無 な る 物 ﹂ と は、 廻 課 論 の 註 程 的 研 究

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密 教 文 化 物 の 自 性 を 許 し て お い て、 後 に そ れ の 止 滅 を 執 る 場 は、 先 に 了 得 し た る 自 性 を 損 減 殿 請 す る も の で あ る 無 見 と な る ( 梵 文 中 論 註、 冒 二 七 三 頁、 第 九 L 一 〇 行 )。 か の 室 性 を 物 と し て 現 に 有 な り と 分 別 計 執 り、 從 つ か る 室 性 の 所 依 の 爲 の 物 の 自 性 を も 分 別 計 執 す る 四 九 五 頁、 第 一 ○ 行 -二 行。 同 四 九 六 頁、 第 一 ○ -一 ) は れ る や う に、 自 性 無 な る 物 と は 言 ふ け れ ど も、 そ に 物 の 有 自 性 を 考 へ る 所 駐 で あ る。 故 に そ れ は 名 は 名 に よ つ て 名 づ け ら る る 有 名 物 も 實 に あ り、 名 に カ タ チ の 像 が 取 ら れ、 想 が 成 立 す る ( 作 想 ) と 云 ふ の で あ て 鼓 に は 第 三 論 項 の 前 分 所 破 に 於 け る ﹁ 能 量 有 る に 量 は 有 り ﹂ と 云 へ る も の と 同 じ 態 度 の 有 自 性 論 が 出 る と 見 徹 す こ と も 出 來 る。 に 名 は あ り 得 る が 故 に 諸 法 の 自 性 は あ り ﹂ と は、 名 ば 作 想 が な く、 何 の 言 葉 も な く な つ て、 世 間 も な く な く な る か ら、 名 は あ る べ く、 有 名 も あ る べ し、 と 論 を 繕 導 す る の で あ る。 名 の 有 自 性 論 が 云 何 な る 學 派 の 所 論 で あ る か。 筍 且 規 定 す べ き で は な い で あ ら ケ が、 前 の 第 四 論 項 に 於 自 性 あ り と 主 張 し た も の が 読 一 切 有 部 で あ つ た の に 是 も 有 部 の 所 宗 の 提 示 で は な い か と 思 ふ。 固 よ り 部 に 於 け る 不 相 懸 行 法 の 名 句 文 三 身 實 有 読 の ﹁ 名 ﹂ が、 特 に 取 り 出 さ れ た も の と 認 め て で あ る。 蓋 し 冠 導 倶 舎 論 巻 五 ( 一 八 左 ) に 引 用 ず る 毘 婆 沙 論 十 四 の 文 に よ れ ば、 佛 は 利 他 の 爲 に 名 句 文 三 身 に 善 巧 を 得 て 他 の 爲 に 藍 塵 界 等 を 読 き、 以 て 浬 桑 を 得 せ し む る の で あ る と 云 い、 名 句 文 な る 不 相 懸 行 法 を 實 有 と す る こ と の 意 趣 を 披 渥 し て ゐ る が、 先 の 第 四 論 項 に 於 て ﹁ 善 法 に 善 の 自 性 あ り ﹂ 云 女 と い つ た の は 藪 の 繭 庭 界 等 を 読 い た と 云 ふ 慈 威 界 等 の 法 に 相 當 し、 先 に は そ れ を 自 性 と し て あ り と 云 ふ た の で あ る か ら、 藪 に は そ の 慈 塵 界 を 読 く 爲 の 名 句 文 が ま た 實 有 で あ り 有 自 性 で あ る と 主 張 す る 次 第 に な る の で な い か。 尤 も 名 句 文 三 身 な る 不 相 鷹 行 法 は、 名 句 文 の 三 身 が 並 び 學 げ ら れ る の で あ つ て、 た だ 名 の 實 有 だ け で は な い。 併 し、 名 句 文 三 身 の 實 有 読 を、 倶 舎 論 の そ の 場 所 に 経 量 部 の 立 場 か ら 論 難 す る 跡 を 見 る と、 名 句 文 三 身 の 中 で は、 ﹁ 名 ﹂ 渉 主 と し て 論 ぜ ら れ、 ま た 冠 導 倶 舎 論 巻 五 ( 一 九 右 ) に 引 用 す る 唯 識 述 記 の 語 に よ れ ば、 ﹃ 名 詮 一法 自 性 一、 句 詮 二 法 差 別 一、 文 体 是 字、 爲 二 名 句 一 所 依 ﹂ と 云 ふ。 そ こ で 三 身 の 中 で は 名 が 主 た る も の で あ る こ と が 知 ら れ る。 況 ん や 作 想 た る 名 は、 前 に も い ふ 如 く 先 の 第 三 論 項 の 能 量 即 ち 了 得 作 用 の 態 を 表 は す も の で あ 註 り、 唯 識 家 の 論 疏 で は、 瓶 と 布 等 の 名 が 読 か れ た る 如 く 瓶 と 布 等 の 義 も 同 檬 に 有 り と 分 別 計 執 す る は 遍 計 所 執 性 で あ る。 な ど と も 述 べ ら れ て、 義 即 ち 物 な る 有 名 に 封 し て 名 が 主 体 面

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-16-を 表 は し て ゐ る。 よ つ て 今 名 句 文 三 身 の 中 で、 名 の 實 有 の み が 代 表 的 に 出 さ れ て ゐ る こ と に 何 等 の 誇 か る べ き 黙 は な い の で あ る。 註、 大 乗 蕪 巌 二脛 論 求 法 品 第 三 九 偶 の 安 慧 註 の 語 を 用 ふ。 ﹁振 大 乗 論 所 知 相 分 に も 名 と 義 と の 同 様 な 關 係 は 出 さ る ( 佐 々 木 月 樵 著 封 謬 振 大 乗 論、 三 八 頁 )。 第 一 ○ 偶 叢 に は、 ﹁ 自 性 あ る 名 と い ふ 馬 の が 一 切 法 中 に は な く し て、 一 切 法 よ り 別 に あ る ﹂ と す る 所 宗 を 豫 想 し、 若 し か か る 所 宗 な れ ば、 か か る 有 自 性 め 名 が 一 切 法 よ り 別 に あ り 得 る 因 由 を 示 す べ き で あ る と 徴 難 す る。 そ れ は 第 九 偶 よ り の 随 懸 論 で あ る。 今 こ ご に 豫 想 せ ら れ て ゐ る 所 宗 は、 室 な る 一 切 法 と 云 ふ も の が 有 名 ( n a m in ) と し て あ つ て、 そ れ に 封 す る 名 ( n a m a n ) が 別 に 自 性 を 以 て 別 物 と し て あ る で あ ら う と の 考 へ の 下 に 立 て ら れ た も の で あ る。 そ し て 一 切 法 室 と 云 ふ こ と が、 か か る 有 自 性 な る 名 の 依 事 ( v a s t u ) で あ る と 云 は ん と す る の で あ る か ら、 こ の 考 へ も、 一 切 法 室 と 云 ふ こ と を ﹁ 物 ﹂ ( b h a v a ) と し て 考 へ、 從 つ て 同 時 に か か る 物 の 所 依 と な れ る 有 自 性 物 を 想 定 す る 有 自 性 論 で あ る。 中 観 読 が か か る 所 宗 で あ れ ば、 と 豫 想 す る の で あ る が、 藪 の 所 論 は、 本 論 の 壁 頭 に 於 て も 云 は れ た 如 く、 ﹁ 一 切 法 室 を 読 く 教 読 が あ ら ね ば な ら ぬ か ら、 少 く と も 言 教 ・ 言 葉 が 室 な る 一 切 法 よ り 別 に 有 自 性 的 に あ ら ね ば な ら ぬ ﹂ と 豫 想 し て 出 さ れ た 所 宗 と 同 じ も の で あ る。 そ れ が 今 は ﹁ 名 ﹂ と 云 ふ も の に 於 て 述 べ ら れ た の で あ る。 漠 課 と の 封 考 第 一 〇 偏 第 四 句 ﹁ 彼 人 則 可 難 ﹂ の ﹁ 彼 人 ﹂ と は、 こ の 廻 諄 論 の 漢 繹 者 は、 關 係 代 名 詞、 疑 問 代 名 詞 の 男 性 の 形 を ﹁ 人 ﹂ と 課 す る 傾 向 が あ る。 藪 の 長 行 中 に も そ の 例 は 見 え、 後 分 能 破 第 二 二 偶 の 第 三 句 に も そ の 著 る し い 例 を 見 る。 今 は ﹁ d h a r m a ir v in a s v a b h a v a h s a y a s y a a s t i t a t y u k t a m u p a d e s t u m II ﹂ の ﹁ y a s y a ﹂ を 男 性 輩 数 騒 格 と 見 倣 し て、 ﹁ 彼 人 ﹂ の 語 を 與 へ た も の と 思 は れ る。 そ れ が 爲 に 第 三 句 に も ﹁ 読 離 法 有 名 ﹂ と 云 ふ ﹁ 読 ﹂ の 字 を 入 れ た の で あ ら う。 尚 ﹁ 可 難 ﹂ と 云 ふ ﹁ 難 ﹂ の 語 は 原 文 中 に 見 え な い。 或 は ﹁ u p a d e s t u m ﹂ が、 ﹁ p u a k r o s t u m ﹂ と で も あ つ た も の で な い か。 長 行 の ﹁ 有 法 有 名 離 法 有 名 ﹂ を、 梵 藏 本 の 如 く ﹁ 依 事 な き 名 は あ る べ か ら す と 思 惟 し て、 ︹ 名 に は ︺ 自 性 あ り。 而 も そ は 一 切 法 の 上 に は あ る べ か ら す ﹂ と 了 解 す る こ と は 困 難 で あ る。 少 く と も ﹁ 依 事 無 き 名 は あ る べ か ら す と 思 惟 し て ﹂ に 相 當 す る 語 は 漢 課 に は 見 出 し 得 な い。 ﹁ 有 何 等 人 読 離 法 体 別 有 名 字 ﹂ の ﹁ 何 等 人 ﹂ も、 先 に 注 意 す る 如 く、 こ れ は 疑 問 代 名 詞 男 性 輩 歎 爵 格 の 如 何 な る ﹁ k a s y a ﹂ と あ る の を 何 等 人 と 諜 し た の で あ る。 ﹁ 若 別 有 名 別 有 法 者 則 不 得 示 ﹂ の ﹁ 不 ﹂ は ﹁ 可 ﹂ が 傳 爲 中 に ﹁ 不 ﹂ と 誤 ま ら れ た の で あ ら う。 廻 諜 論 の 註 繹 的 研 究

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教 文 化 六 リ ニ ク 有 レ 義。 偏 言。 シ ラ バ シ ス ル コ ト ヲ ヲ 一 法 若 有 二 自 禮 一 可 レ 得 レ 遮 二 諸 法 一 シ ク バ ニ ニ ノ ア ヲ ン ス ル 諸 法 若 無 レ 禮 覧 爲 セ 何 所 レ 遮 シ リ ル ト ギ ハ シ ス ル コ ト ヲ ヲ 如 有 レ 瓶 有 レ 泥 可 レ 得 レ 遮 昌 瓶 泥 一 ル レ バ チ ス ル コ ト ヲ レ バ ナ リ ヶ レ バ ル ヲ セ 見 こ 有 レ 物 則 遮 一 見 こ 無 レ 物 不 ヲ 遮 ス ヤ ノ ヲ レ バ ス ル コ ト ヲ ケ レ バ セ 明 二 何 義 一。 有 レ 物 得 レ 遮。 無 レ 物 不 レ 遮。 ト キ ハ チ ル ガ ラ ス レ バ チ ス ケ レ バ 二 瓶 泥 目 則 不 上 レ 須 レ 遮。 有 レ 瓶 則 遮。 無 レ セ ク ノ ク ノ ナ ラ バ チ ラ レ 遮。 如 レ 是 如 レ 是 法 無 自 艦、 則 不 レ 須 レ レ パ ル コ ト ヲ ナ レ バ ゾ セ ン 有 二 自 禮 一、 可 レ 得 レ 有 レ 遮。 無 云 何 遮。 ク ニ ア モ チ シ テ バ バ 切 法 皆 無 こ 自 燈 一、 而 便 遮 言 輔ニ シ ト セ 法 無 二 自 燈 一 者、 義 不 二 相 鷹 一。 家 の 中 に 此 瓶 は 無 し と い ふ こ の 遮 遣 は、 現 に 有 な る 恵 の の 上 に こ そ 見 ら る。 そ れ 故 に 汝 の こ の 遮 遣 は 現 に 有 な る 自 性 に 關 す る も、 の な り。 こ こ に、 物 が 有 な る と き に 遮 遣 が な さ る る と 雌 も、 現 に 無 な る と こ ろ に 於 て は 爾 ら ず。 例 へ ば、 家 に 瓶 な し と 云 ふ が 如 し。 瓶 の 現 に 有 る と き に 遮 遣 は な さ る る も、 現 に 無 な る と こ ろ に は 爾 ら ず、 同 様 に 諸 法 の 自 性 無 し と 云 ふ と き も、 自 性 の 現 に 有 な る と き に 遮 遣 乏 な る と 錐 も、 現 に 無 な る と こ ろ に は 爾 ら ず。 故 に、 今、 ﹁ 一 切 法 の 自 性 無 し、 ﹂ と 読 け る こ と は 理 不 相 鷹 な り。 註 解 第 二 偶 一 切 法 無 自 性 の 敦 読 は、 有 な る 自 性 を 遮 遣 す る も の で あ る か ぢ、 一 切 法 有 自 性 で あ つ て こ そ 遮 遣 は 成 立 す る が、 無 自 性 ・ 無 で あ つ て は 遮 遣 は 成 立 し な い。 乃 ち 一 切 法 無 自 性 の 教 読 は 成 立 し な い と 云 ふ。 有 自 性 論 者 は 中 観 論 者 の 遮 遣 す る と い ふ こ と が、 先 の 第 三 偏 に 於 て、 ﹁ 有 な る 聲 を 以 て 有 と な る べ き 聲 を 遮 す る と い ふ 如 き こ と で も あ ら う ﹂ と 計 慮 し た の で あ る が、 藪 に も そ れ を 別 の 喩 を 構 え て 論 成 せ ん と す る。 漢 課 と の 封 照 漢 課 は こ の 偶 を、 法 を 以 て 読 く も の と、 喩 を 以 て 読 く も の と の 二 行 偶 を 以 て 繹 述 し て ゐ る。 七 キ ニ ハ ノ ア ラ ン ス ル シ レ バ ノ ク ス ベ シ 汝 何 所 レ 遮。 若 有 二 遮 膿 一、 能 遮 二 一 切 諸

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-18-ラ 法 自 譜 野。 偶 言。 う ク バ ハ ノ ア ラ ン ス ル 一 二 若 法 無 二 自 禮 一 言 語 何 所 レ 遮 シ ナ ル ヲ バ ス ル ヲ ク シ テ モ ゼ ン ヲ コ 若 無 法 得 レ 遮 無 レ 語 亦 成 レ 遮 ス ヤ ノ ヲ シ ク バ モ シ 此 偶 明 二 何 義 一。 若 法 無 レ 艦、 語 亦 無 レ 膿。 ゾ シ デ コ ブ ヤ シ ト シ

壁。

ク ナ ル ニ ノ セ バ シ デ モ カ ヲ ズ ル ヲ ヲ シ ク ン バ 如 レ 是 遮、 不 レ 読 三 言 語 一亦 得 レ 成 レ 遮。 若 如 ゾ ノ ノ ノ キ ナ ル キ ノ ノ ア リ 是 者、 火 冷 水 堅 如 し 是 等 過。 ま 完 次 に 遮 す る こ と の あ る よ り し て は 一 切 法 の 自 性 は 成 立 せ ら る。 一 二 若 し 彼 自 性 な く ば、 汝 の こ の 語 に よ り て 何 を か 遮 せ ん。 所 以 は 無 な 噛る も の に は、 語 な く し て も、 遮 す る こ と 成 立 す る が 故 な り。 若 し 彼 自 性 が 實 に 無 な る と き は、 一 切 法 ︹ 自 性 ︺ な し と い ふ 此 語 を 以 て 御 身 は 何 を 遮 す る や。 何 故 な れ ば、 無 な る も の に と り て は 語 無 く し て も 遮 は 成 ず れ ば な り。 例 へ ば 火 に は 冷 性 の ︹ 無 な る ︺ と、 水 に は 熱 性 の ︹ 無 な る ︺ と の 如 し。 駐 解 第 劇 呂 偏 偶 前 の 語 の ﹁ 遮 す る こ と の あ る よ り し て は 一 ヘ ヘ ヘ ヘ へ 切 法 の 自 性 は 成 立 せ ら る ( p r a s id d h a ) ﹂ と は、 西 藏 諜 に よ つ て の 繹 述 で あ つ て、 梵 文 で は そ の ﹁ 成 立 せ ら る ﹂ が ﹁ 遮 せ ら れ す ( a p r a t is id d h a h ) ﹂ と 云 ぴ、 漢 課 で は 藪 が ﹁ 汝 何 所 遮、 若 有 遮 体、 能 遮 一 切 諸 法 自 体 ﹂ と 云 ふ。 梵 本 の ﹁ 遮 せ ら れ す ﹂ と 云 ふ 否 定 形 な る に 封 し て、 漢 諜 は そ れ が 肯 定 形 で 表 は さ れ て ゐ る 差 違 は あ る け れ ど も、 梵 漢 共 に ﹁ 遮 ( p r a t is id d h a ) ﹂ の 語 が 用 ぴ ら れ、 西 藏 課 が 用 ぴ た 原 語 た る ﹁ p a s id d h a ﹂ よ り は 原 語 の 相 異 せ る こ と が 知 ら れ る。 漢 課 は 肯 定 形 で あ る 爲 に、 始 め に ﹁ 何 所 遮 ﹂ と 反 語 を 用 ぴ た の で あ る。 そ こ で 漢 諜 の 意 味 は、 ﹁ 遮 す る 自 体 が あ れ ば 一 切 法 の 自 体 を 遮 す る こ と が あ り 得 る。 し か し そ こ で は 同 時 に 一 切 法 の 自 体 が あ る と い ふ こ と が 豫 定 せ ら れ て ゐ る こ と に な る か ら、 汝 の 云 ふ 遮 す る と い ふ こ と は 一 体 ど う い ふ こ と に な る の か。 遮 す る と い ふ こ と が、 か く て は 却 つ て 一 切 法 の 官 体 を 成 す る こ と に な る の で な い か ﹂ と の 意 味 で あ る。 梵 文 の ﹁ 遮 ﹂ の 語 の 否 定 形 の 方 が 卒 直 で 了 解 せ ら れ 易 い。 ま た 次 下 の 偶 の 語 と め 連 絡 も そ の 方 が よ い。 乃 ち、 ﹁ 遮 体 が あ る よ り し て は 甲 切 法 の 自 体 は 成 立 せ ら る る の で あ る か ら、 一 切 法 の 自 体 は 遮 せ ら れ な い の で あ る。 然 る に ﹃ 若 し 彼 自 性 が 無 な る と き は ﹄ ( 偶 の 第 一 句 ) と い ふ や う に 聯 關 し て ゆ く か ら で あ る。 こ の 第 一 二 偶 を 先 の 二 偶 と 比 較 す る に、 前 偶 で は、 ﹁ 有 廻 課 論 の 註 繹 的 研 究

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密 教 文 化 す べ く、 無 は 遮 し 得 べ く も あ ら す ﹂ と 云 つ て、 有 な 能 遮 の 敷 読 も 成 立 す る で あ ら う。 由 て 室 教 読 が 成 立 に は 有 で あ る べ き で あ ら う、 と す る。 そ れ は 有 で あ ど を 表 面 か ら 語 ら う と す る も の で あ る。 こ れ に 反 し 偶 は、 ﹁ 無 な 叫 ば 遮 す る 教 読 を 用 ふ る 必 要 な し ﹂ で 第 二 偶 と 同 じ こ ど を 裏 面 か ら 反 照 的 に 読 か ん と あ る。 中 観 論 者 と し て は ﹁ 遮 ﹂ と い ふ こ と の 意 味 が 詮 明 に ば な ら ぬ か ら、 こ の 第 一 二 偶 に 野 す る 後 分 能 破 の 第 於 て は、 遮 の 意 味 を 限 定 す る。 長 行 繹 の 終 ﹁ 例 へ ば 火 に は 冷 性 の 無 な る ⋮ の 如 く ﹂ に は 無 な る 冷 性 や、 水 に は 無 な る 熱 性 は、 語 無 く し の 遮 が 自 ら に 成 立 し て ゐ る。 語 を 以 て 遮 す る の 必 要 る。 こ れ を ﹁ 若 如 是 者 火 冷 水 堅 如 是 等 過 ﹂ と 云 へ る も の く の 如 く で あ る か ら、 汝 の 遮 と い ふ も の は、 火 の 冷 が 語 無 く て も 自 ら に 遮 せ ら れ 得 て ゐ る の に、 そ れ を 用 ぴ て 遮 す る と い ふ や う な 過 失 が あ る ﹂ と 解 す る も そ し て そ こ に ﹁ 火 冷 水 堅 ﹂ と い ふ ﹁ 堅 ﹂ と は、 梵 く ﹁ 熱 ﹂ で な い と 意 味 が 適 鷹 し な い。 こ の ﹁ 堅 ﹂ 者 の 誤 謬 で は な く、 翻 繹 後 に 於 け る 傳 爲 中 の 過 誤 で ふ。

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