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各種混和材料を添加したセメントの塩分固定化特性の把握 〔1302〕

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Academic year: 2021

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(1)

各種混和材料を添加したセメントの塩分固定化特性の把握

芝浦工業大学 工学部 ○ 小宮山祐人 芝浦工業大学 伊代田岳史

1.研究背景および目的

RC 構造物の劣化現象の一つである塩害は、塩化物イ オンがコンクリート内部に浸入することで、鉄筋の不動 態皮膜を破壊し、鉄筋腐食を起こす現象である。コンク リート内部に浸入した塩化物イオンは、自由塩化物イオ ンと固定化塩素の二つに分類でき、自由塩化物イオンは 内部の微細空隙中を移動できる状態として存在する。ま た、固定化塩素はフリーデル氏塩( F 塩)等として水和 物中に吸着する固相塩素と、固相壁面に電気的に吸着す る吸着塩素に分類でき、これらの固定化塩素は鉄筋の腐 食に寄与しないと言われている。そのため、浸入した塩 化物イオンをできるだけ、固定化塩素とすることが望ま しい。しかし、混和材の添加率の変化が

F

塩の生成に与 える影響についての研究が十分に行われていないのが現 状である。

そこで、モルタル供試体を用いて、塩水浸漬による塩 分浸透深さを測定し、混和材の添加率の変化が塩分固定 化に与える影響を調べた。その結果を図 1 に示す。結果 より、高炉セメント A 種に石灰石微粉末( LSP )を添加 した配合において、 LSP の添加率の増加に伴い、塩分浸 透深さが小さくなる傾向を確認した。この傾向から、混 和材の添加率の違いが、塩分固定化に寄与する

F

塩など の生成過程や量などに影響を与えている可能性が考えら れる。 このため、 各種混和材の添加率を変化させる事で、

F 塩などの生成物の生成過程に与える影響を把握するこ とを本研究の目的とした。

2.実験概要 2.1 供試体諸元

本研究では、各種混和材の中で、塩害環境下の構造物 で多く適用されている高炉スラグ微粉末( BFS )とフラ イアッシュ( FA )を用いた。また、増量材や初期強度の 改善を目的として、一般的に用いられる石灰石微粉末

( LSP )を使用した。

セメントの配合は、表 1 に示すように、研究用セメン ト( OPC )に各種混和材( BFS 、 FA 、 LSP )を添加した 二成分系セメントと、 BFS の添加率を 20 %に固定し、 FA

および LSP を添加した三成分系セメントとした。これら のセメントを、水結合材比 50% 一定で塩素を排除したイ オン交換水を用いて、供試体の全方向から塩分が浸入す るように、 φ52×5 ( mm )の寸法のセメントペースト供試 体を作製し、 20 ℃、相対湿度 60% の環境下で 28 日間封 緘養生した。

2.2 試験概要 (1)塩水浸漬試験

28 日封緘養生を行った供試体を、短期間で塩分が浸透 するように濃度 5% に保った塩水に、 20 ℃、相対湿度 60%

の環境下に置き、塩水浸漬させた。

(2)粉末 X 線回折試験(XRD)

粉末 X 線回折装置を用いて、塩水浸漬による F 塩など の生成物の定性分析を行った。測定は、養生終了時の材 齢 28 日と、塩水浸漬試験における浸漬日数 1 、 3 、 5 、 7 、 14 日の供試体を使用した。

図 1 浸漬期間 28 週における塩分浸透深さ

表 1 使用したセメントの配合表

0.00  2.00  4.00  6.00  8.00  10.00  12.00  14.00  16.00 

OPC B30 B30L3.5 B30L7 B30L14

mm

表 1 使用したセ セメントの配 配合表

120

第67回セメント技術大会講演要旨 2013

〔1302〕

(2)

試料は浸漬させた供試体を塩水から取り出した後、全量 粗粉砕し、アセトンに一日浸漬させ水和反応を停止させ た。その後 40 ℃乾燥炉で一時間程度乾燥させ、粉砕機で ふるい目 149μ mを全通するように微粉砕したものを測 定に使用した。測定対象は、塩分固定化能力を有する、

F 塩および F 塩の生成に影響を及ぼす kuzel 氏塩(k塩)

とした。また、これらの生成に関与すると考えられるモ ノサルフェート( AF m)やエトリンガイト( AFt ) 、モノ カーボネートの測定も行った。

3.試験結果及び考察

3.1 N および BFS、FA を添加した配合

図 2 に N 配合の測定対象の水和物の経時変化を示す。

封緘養生中に、 AFt および AFm の生成を確認した。塩水 浸漬後、 AFm が減少し、 k 塩が生成した。その後、 k 塩 の減少に伴い F 塩の増加が確認できたことから、k塩か ら F 塩への転移が考えられる。これらの傾向は、 BFS お よび FA を添加した系では、二成分、三成分に関わらず、

同様の傾向を示した。塩水浸漬後に減少した AFt の回折 ピークが浸漬 5 日目以降に増加した。これは、 AFm が F 塩へと変化する過程で放出された、硫酸イオン ( SO

42-

)が、

セメント中に残存するアルミネート相( C

3

A) と反応する 事により、 AFt が再度生成している為と考えられる。 N および BFS 、 FA を添加した配合の考えられる生成物フ ローチャートを図 3 に示す。

3.2 LSP を添加した配合

図 4 に、 N に LSP を添加した系の結果を示す。封緘養 生の段階で、 AFt およびモノカーボネートが生成してお り、塩水浸漬 1 日において、モノカーボネートの減少に 伴い、 k 塩は生成せず、 F 塩のみが生成した。また、 BFS に LSP を添加した三成分も同様の結果を示した。 LSP を添加した配合の考えられる生成物フローチャートを図 5 に示す。

3.3 BFS およびLSP を添加した各配合の積分強度の経時 変化

図 6 に BFS および LSP を添加した配合の F 塩の積分 強度の経時変化を示す。 BFS および LSP の配合において 積分強度が各浸漬日数において、 N および B20 と比較し 上回る傾向を示した。この結果から、 BFS および LSP を 同時に添加することで、 F 塩の生成を促す傾向がある事 を把握した。

4.まとめ

LSP を添加した配合では、 k 塩が生成せず、 F 塩のみ が生成することを確認した。また、塩分浸透深さや F 塩 の積分強度より塩分固定化に与える影響は、 F 塩の生成 過程に寄らず、最終的な F 塩の生成量が及ぼす影響が大 きいものと考えられる。

図 2 N 配合の積分強度の経時変化

図 3 N および BFS、FA の生成物のフローチャート

図 4 LSP を添加した配合の積分強度の経時変化

図 5 LSP を添加した配合の生成物のフローチャート

図6 BFS およびLSP を添加した配合のF 塩の積分強度経 時変化

謝辞

:

本研究において、貴重なご助言を頂いた、後藤誠史山口大学 名誉教授、浅賀喜与志帝京科学名誉教授には心から感謝致します。

0 2 4 6 8 10 12 14

積分強度(cpsdeg)

浸漬日数(日)

AFt AFm k F モノカーボネート

AFt

反応 放出

塩水浸漬 k塩 F塩 Cl

SO42‐

C3A

SO42‐

AFm Cl

0 2 4 6 8 10 12 14 16

cpsdeg)

浸漬日数(日)

AFt AFm k F モノカーボネート

反応 放出

塩水浸漬

Cl F塩

モノカーボ

ネート

C3A

CO32‐

AFt CaO

CaCO3

0 2 4 6 8 10 12 14

0 5 10 15 20 25 30

積分強度(cpsdeg

浸漬日数(日)

N B20 B20L10 B20L20 B20L30

121

第67回セメント技術大会講演要旨 2013

1日目   5月

13日

(月)

 1会場第

 2会場第

3会場

参照

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