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拡大に おける岩澤

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Academic year: 2021

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(1)

ある種の実

2

次体の円分

Z2

拡大に おける岩澤

λ

不変量について

田中 修平

平成22129

(2)

目 次

1 はじめに 2

1.1 本修士論文の目的 . . . . 2

1.2 記号の約束と一般的な定理の紹介 . . . . 2

2 Zp-拡大の岩澤理論 7 2.1 岩澤類数公式 . . . . 7

2.2 Λ-加群の構造 . . . . 8

2.3 岩澤類数公式の証明 . . . . 13

3 Q( p)の円分Z2-拡大における岩澤λ-不変量 22 3.1 主定理1の紹介と証明の指針 . . . . 22

3.2 pの上の素イデアルについて . . . . 25

3.3 具体的な元から求める2-rank . . . . 28

3.4 主定理の証明 . . . . 31

(3)

1 はじめに

1.1 本修士論文の目的

本修士論文は福田氏,小松氏による共著論文[2]の解説論文である.この論文では pp 1 (mod 16)を満たす素数としたときの,実2次体Q(

p)の円分Z2-拡大に おける岩澤λ-不変量について述べている.

岩澤健吉氏が1959年に証明した岩澤類数公式とは,Zp-拡大K/kにおける中間体kn のイデアル類群の位数のp-部分について記述した公式である.このp-部分を表わす際 に用いられる不変量µ,λ,νについて,それらがどのような整数になるかを調べること は長らく研究されてきた.しかし一般にλ-不変量はµ-不変量に比べて調べることが難 しく,一般的な結果はまだほとんど得られていない.λ-不変量についてはGreenberg 予想と呼ばれる重要な予想が立てられており,Greenberg予想の解決を目標として研 究が進められている.

予想 1.1 (Greenberg予想). 有限次代数体kが総実であるとは,kQ上の共役体が 全て実数体Rに含まれることをいう.任意の総実代数体kと任意の素数pに対して,

µp(k) = λp(k) = 0である.

Greenberg予想に関しては任意の素数pについてµp(Q) = λp(Q) = 0となることが 証明されているが,他には一般に証明された事実がない.しかし,以下の2つの方法

Greenberg予想の解決に有効であると考えられる:

(1) λに対してできるだけ小さい上限を求める,

(2) λ= 0となる具体的な場合を求める.

福田-小松[2]ではこの(1),(2)の方法どちらに対しても新しい結果を与えている.

先ほどµ-不変量がλ-不変量よりも多くの結果が得られていると述べたが,µ-不変

量については岩澤の予想と呼ばれる予想が立てられており,それが部分的に解決され ているのである.

予想 1.2 (岩澤の予想). 任意の有限次代数体kと任意の素数pに対して,µp(k) = 0 である.

岩澤氏はこの予想がkGalois p-拡大の場合に成り立つことを示した.今回は2

体の円分Z2-拡大に対してλ-不変量を調べており,µ-不変量に対する岩澤氏の方法の

類似となっている.

1.2 記号の約束と一般的な定理の紹介

ここでは本論文内で用いる記号と定理の紹介をする.

(4)

定義 1.3 (Euler関数). mm 2なる整数とする.環(Z/mZ)の乗法群(Z/mZ)× の位数](Z/mZ)×を,φ(m)で表わす.このφEuler関数と呼ぶ.ただし,φ(1) = 1 と約束し,Euler関数φは自然数全体に対して定義されていると考えることにする.

簡単に言えば,φ(m)とは1a < mを満たす整数aの内,mと互いに素となるも のの個数を表わしている.Euler関数の例としては,φ(10) = 4,φ(20) = 8,また,素 pに対しφ(p) =p1等が考えられる.

代数体Kに対し,その整数環をOKと表わすことにする.

定義 1.4 (整数基). Kn次の代数体とするとき,その整数環OKは階数nの自由加

群である.よって,あるOKの元w1, . . . , wnが存在して,

OK =Zw1+· · ·+Zwn

であって,かつOKの任意の元αに対して有理整数a1, . . . , anが一意的に存在して,

α=a1w1 +· · ·+anwn,

と表わせる.このような{w1, . . . , wn}を代数体Kの整数基という.

上で定義した整数基より代数体の判別式が定義される.

定義 1.5 (代数体の判別式). Kを代数体,{w1, . . . , wn}Kの整数基とする.さら に,win個の共役元をwi(1), . . . , w(n)i と表わすことにする.このとき

DK =

w(1)1 · · · w(1)n

... ... w(n)1 · · · wn(n)

2

と定義し,DKを代数体Kの判別式と呼ぶ.判別式DKKの整数基のとり方によ らずKのみにより定まり,また,0でない有理整数になる.

1.6. 2次の代数体Q(

1)の整数環OQ(1)Z[

1]で,整数基は{1,

1} なる.また,

1の共役元は

1

1である.よってQ(

1)の判別式は,

DQ(1) =

1

1 1

1

2

= (2

1)2 =4

となる.

本論文では代数体Kの単数群をO×Kと表わすことにする.

次に代数体の整数環における素イデアル分解について説明する.一般に代数体の整 数環では素元分解は成立しない.しかし,そのかわりに素イデアル分解が成立するの である.代数体Kの有限個の元α1, . . . , αnに対し,

OKα1 +· · ·+OKαn={a1α1+· · ·+anαn| a1, . . . , an OK}

(5)

α1, . . . , αnで生成されるKの分数イデアルといい,(α1, . . . , αn)と書く.分数イデ アルと区別するため,OKのイデアルを整イデアルとよび,以降Kの分数イデアルを 単にKのイデアルとよぶことにする.また,OKの素イデアルをKの素イデアルとよ ぶ.IK0でないKの分数イデアル全体とする.このときIKの元A = (α1, . . . , αn), B = (β1, . . . , βm)に対し,ABの積を

AB= (α1β1, α1β2, . . . , α1βm, α2β1, . . . , αnβm)

と定義することにより,IKAbel 群となる.IKKのイデアル群という.代数体 の整数環はDedekind環なので,素イデアル分解の一意性が成り立っている.

定理 1.7 (素イデアル分解の一意性). Kを代数体,AOK0でないイデアルとす

る.このとき,Aに対してOKの素イデアルP1, . . . , Pg,整数e1, . . . , egが存在して,

A =P1e1· · ·Pgeg

と分解できる.この分解は素イデアルの順序を除いて一意的である.

特にAが整イデアルであることと,e1, . . . , egが全て非負整数であることは同値で ある.

次に代数体の類数を紹介する.

定義 1.8. K を代数体,IKK のイデアル群とする.このとき,K 0でない単 項イデアル全体PK = {αOk| α K×}IKの部分群となり,IKPKによる剰余 Cl(K) = IK/PKKのイデアル類群,各剰余類をKのイデアル類とよぶ.また,

Cl(K)の位数hK =]Cl(K)Kの類数という.

類数とは素元分解がどれだけ成り立たないかを表わす数であり,hk1であること OKが単項イデアル整域であることは同値である.

次に代数体の整数環における素数pの分解の様子を説明する.Aを素数pの単項イ デアル(p) =pOKとしたとき,その分解を

(1.1) (p) = P1e1(P1/p)· · ·Pgeg(Pg/p)

と表わし,Pipの上の素イデアル,ei(Pi/p)を素イデアルPiの分岐指数とよぶ.ま た,素イデアル分解(1.1)を考えたとき,OK/PiFpの有限次拡大となっており,そ の拡大次数fi = [OK/Pi :Fp]を素イデアルPiの次数という.

定理 1.9. Kn次の代数体とし,素数pで生成される単項イデアル(p) = pOKの素 イデアル分解が(1.1)で与えられているとする.各Piの次数をfiとすると,

(1.2)

g i=1

ei(Pi/p)fi =n

が成立する.特に,K/QGalois拡大のとき,e1(P1/p) = · · · = eg(Pg/p),f1 =

· · · =fgが成立している.このとき1 i gなる任意のiに対して全て一致してい ei(Pi/p),fiをそれぞれe,fとおくと,(1.2)よりef g =nが成り立つ.

(6)

定義 1.10. 素イデアル分解(1.1)において,ei(Pi/p) = 1となるPiは不分岐であると いう.1 i gなる任意のiについて不分岐であるとき,素数pK/Qで不分岐 であるという.Piが不分岐でないとき,つまりei(Pi/p) > 1が成り立つとき,Pi K/Qで不分岐であるという.

K/Qpが分岐するかどうかを判定するには,次のDedekindの判別定理が有用で ある.

定理 1.11 (Dedekindの判別定理). 代数体Kの判別式をDKとする.pK/Qで分 岐することと,p|DKであることは同値である.したがってK/Qで分岐する素数は 有限個である.

1.12. 1.4より,DQ(1) =4なので,Q(

1)/Qで分岐する素数は2のみで あることが分かる.

次に2次体における素数pの単項イデアル(p)の分解を判定できるKronecker記号 を紹介する.

定理 1.13 (藤崎-山本-森田[15]). mを平方因子を持たない整数,K = Q(

m),DK

Kの判別式とする.このとき素数pに対し,Kronecker記号(D

K

p

)を以下のように 定義する.

(1) pが奇素数のとき,(D

K

p

)は通常のLegendre記号と見なす.

(2) p = 2のとき,p 1 (mod 8)ならば(D

K

2

) = 1,p 5 (mod 8)ならば(D

K

2

) =

1,2|DKならば(DK

2

)= 0と定義する.

Kronecker記号の値により,(p) =pOKの素イデアル分解は以下のように定まる.

(A) (D

K

p

) = 1であることと(p)が完全分解すること,すなわち相異なるOKの素イ デアルP, P0が存在して(p) = P P0となることは同値である.

(B) (D

K

p

) =1であることと(p)が素イデアルでf = [OK/(p) : Fp] = 2であること は同値である.

(C) (D

K

p

) = 0であることと(p)が完全分岐すること,すなわちOKの素イデアルP が存在して(p) =P2となることは同値である.

次に有限Abel p-群のp-rankを紹介する.

定義 1.14. pを素数,Aを有限Abel p-群とする.このときAに対しある正の整数ai が存在して,

A'

ai

Z/paiZ

と表わせる.ai 1を満たすiの個数,すなわち右辺の直和因子の個数をp-rankA 表わす.

(7)

最後にp-進単数基準について述べる.Kを代数体,QpQpの代数的閉包,Cp

p-進絶対付値に関してのQp の完備化とする.CpからCへの埋め込みを一つ固定す

ると,KからCpへの埋め込みを考えることはKからCへの埋め込みを考えること になる.r1, r2をそれぞれKQ上の共役体で実共役体であるものの個数,複素共役 体の組の個数とし,r =r1 +r21とおく.KからCpへの埋め込みで実共役なもの σ1, . . . , σr1,複素共役なものをσr1+1, σr1+1, . . . , σr1+r2, σr1+r2 とする.δiσiが実 ならばδi = 1,σiが複素ならばδi = 2と定義する.ε1, . . . , εrKの単数として,

RK,p1, . . . , εr) = det(δilogpiεj))1≤i,j≤r と定義する.

定義 1.15 (p-進単数基準). {ε1, . . . , εr}K の単数基とする.このとき,Rp(K) = RK,p1, . . . , εr)と定義し,Rp(K)Kp-進単数基準と呼ぶ.

謝辞

末筆になりましたが,2年間に渡り御指導下さいました雪江明彦教授に心から感謝 申し上げます.また,セミナー等でお世話になりました田嶋和明先輩,奈良忠央先輩,

五十嵐健太君,小島聡史君,佐々木万喜夫君,山田洋輔君,キン ショウヒ君,吉田 宏大君にも感謝します.

(8)

2 Zp-拡大の岩澤理論

この章ではZp-拡大の岩澤理論を紹介する.詳しい内容については[12]13節を参 照されたい.

2.1 岩澤類数公式

まず初めに代数体のZp-拡大を定義する.

定義2.1(Zp-拡大). pを素数,Zpp進整数環とする.有限次代数体kに対し,その拡 K/kZp-拡大であるとは,K/kGalois拡大で,かつ位相群としてGal(K/k)' Zpが成り立つことをいう.

Zpの閉部分群は{0}pnZp (n0)のみである.よってK/kZp-拡大とし,kn

pnZpに対応するK/kの中間体とすると,

k =k0 k1 ⊆ · · · ⊆kn ⊆ · · · ⊆

n0

kn=K, Gal(kn/k)'Z/pnZ

となっている.

任意の代数体kは少なくとも一つのZp-拡大を持つことが知られている.それは以 下に紹介する円分Zp-拡大と呼ばれる拡大である.

2.2 (円分Zp-拡大). pが奇素数であるとき,n 0に対してQpn次である Qpn+1)/Qの唯一の中間体をQ(n)とおく.p = 2の場合はQ(n) =Q(cos(2n+2))とお く.このとき,

Q=Q(0) Q(1)⊆ · · · ⊆Q(n) ⊆ · · · ⊆Q =

n0

Q(n)

Gal(Q/Q) = lim←−Z/pnZ'Zp

が成り立っている.この拡大Q/Qを有理数体Qの円分Zp-拡大という.

任意の有限次代数体kに対しては,k = kQとおくと,Galois拡大の推進定理 より,

Gal(k/k) = Gal(kQ/k) = Gal(Q/kQ)'Zp

が成立し,kkの円分Zp-拡大となる.ただし,中間体knに関してはkn=kQ(n) となるとは限らない.あるnに対してQ(n) kとなる場合があり,このときは番号 がずれてしまう.

次に岩澤類数公式を紹介する.knのイデアル類群の唯一のp-Sylow部分群をAn おく.AnGal(kn/k)が作用するのでZp[Gal(kn/k)]-加群となる.岩澤理論ではAn を個別に考えるのではなく,各nに対してのAnを一つのまとまりとして考えること にその特徴がある.

(9)

定理 2.3 (岩澤類数公式[12],1959). Anの位数をpenとするとき,nに依存しない非 負整数µp(K/k),λp(K/k)および整数νp(K/k)が存在して,十分大きなnに対して

en=µp(K/k)pn+λp(K/k)n+νp(K/k) が成り立つ.

整数µp(K/k),λp(K/k),νp(K/k)は素数pZp-拡大K/kによってのみ定まる定 数で,それぞれ岩澤µ-不変量,岩澤λ-不変量,岩澤ν-不変量と呼ぶ.3つの岩澤不変 量の内,µ-不変量とλ-不変量の2つは岩澤加群と呼ばれる加群の構造に深く関係して いる.

2.2 Λ-加群の構造

Λを形式的冪級数環Zp[[T]]とおく.岩澤類数公式の証明は岩澤加群の構造を調べ ることによってなされるが,後に示すように岩澤加群はΛ-加群とみなせる.そこで この節ではΛ-加群の構造について説明することにする.

まず初めにΛの性質について述べる.ΛNoether 環であるがEuclid環ではな い.したがって一般にΛの任意の元同士での割り算はできないが,以下に紹介する distinguished多項式による割り算は可能である.

定義2.4(distinguished多項式). P(T) =Tn+an1Tn1+· · ·+a0 Λdistinguished 多項式であるというのは,p|ai (0in1)が成り立つことである.

2.5. p= 2のとき,任意のnZ1に対し(T + 2)ndistinguished多項式である.

また,pが奇素数のとき,(T + 1)p+p1distinguished多項式となる.

定理 2.6 (割り算定理). P(T) Λdistinguished多項式とする.このとき任意の f(T)Λに対し,q(T) Λ,deg(r(T))<deg(P(T))なるr(T)Zp[T]が存在して,

f(T) = q(T)P(T) +r(T)の形に一意的に表わせる.

証明. [12]Proposition 7.2を参照せよ.

定理 2.7 (Weierstrassp-進準備定理). 任意のf(T)Λ\{0}は,distinguished多項 P(T)Λ,U(T)Λ×,µZ0を用いてf(T) =pµP(T)U(T)の形に一意的に表 わせる.この分解においてµ(f) =µ,λ(f) = degP(T)とおき,それぞれf(T)µ- 不変量,λ-不変量とよぶ.

証明. [12]Theorem 7.3を参照せよ.

定理2.7の系として以下のことがわかる.

2.8. Λは一意分解整域であり,その素元はpと既約distinguished多項式に限る.

(10)

distinguished多項式はmonicであるためpでは割り切れない.したがって任意の distinguished多項式は既約distinguished多項式のみによって分解されることが分か る.すなわち定理2.7において.f(T)distinguishedならば,µ= 0.

次にΛのイデアルについて説明する.ここで紹介する補題は岩澤類数公式の証明に 用いられる.

補題 2.9. (f(T), g(T)) = 1,すなわち f(T) g(T) が共通因子を持たないとき,

]Λ/(f(T), g(T))<∞.

証明. [12]Lemma 13.7を参照せよ.

Λの素イデアルについては,以下の通り.

補題2.10. Λの素イデアルは0,(p, T),(p),(P(T))(ただしP(T)は既約distinguished 多項式)に限る.また,(p, T)Λの唯一の極大イデアルである.

証明. [12]Proposition 13.9を参照せよ.

(p, T)は単項イデアルでないのでΛは単項イデアル整域ではない.よってEuclid

でないことが分かる.節冒頭でΛEuclid環でないと述べた根拠は補題2.10にある.

補題 2.11. f(T)Λ,f(T)/Λ×ならば]Λ/(f(T)) =∞.

証明. [12]Lemma 13.10を参照せよ.

Λの性質を一通り紹介したので,次にΛ-加群の間に成り立つ擬同型の概念を紹介 する.

定義 2.12 (擬同型). M, M0Λ-加群とする.MM0に擬同型であるとは,Λ-準同 M −→M0が存在し,かつそのkernelcokernelが共に有限であることをいう.こ の条件は有限Λ-加群A, Bが存在し,さらにΛ-加群の完全系列

0−→A−→M −→M0 −→B −→0

が成り立つこと,と言い換えることができる.MM0に擬同型であることをM M0 と表わすことにする.

2.13. 擬同型は反射律と推移律については成り立っているが,対称律は成り立た

ない.すなわち,M M0が成立してもM0 Mとは限らない.

2.14. (p, T)Λは成り立つが,Λ (p, T)は成立しない.

証明. 自然な写像(p, T),Λを考えれば,(p, T)Λが成立することは明らか.Λ (p, T)が成立するかどうかを考える.Λ(p, T)と仮定し,Λ-準同型ϕ:Λ−→(p, T) ϕ(1) =f(T)(p, T)を満たすとする.このときϕ(Λ) = (f(T))(p, T).(p, T) 極大イデアルなのでf(T)/ Λ0である.よって補題2.11より]Λ/(f(T)) = なので,

](p, T)/(f(T)) =となる.したがってcokernelが無限となり矛盾する.以上により Λ(p, T)は成立しないことが示された.

(11)

次に有限生成Λ-加群の構造定理を紹介する.

定理 2.15 (Cohen). M を有限生成Λ-加群とする.このとき,

M Λr (s

i=0

Λ/(pni) )

(t

j=0

Λ/(Pj(T)mj) )

が成り立つ.ここで,r, s, t, ni, mj Z0であり,P(T)は既約distinguished多項式 である.この直和分解はM によりPj(T)の単元倍を除いて一意的に定まる.

ここでは証明の概略を述べる.詳細については[23]Theorem 13.12を参照された い.Mは有限生成なので有限個の生成元u1,· · · , unが存在する.λi Λに対し,

R = {

1,· · · , λn)Λn n

i=1

λiui = 0 }

とおくと,R Λnの部分加群であり,Λ Noether環より有限生成である.した がって,

Λm−−−→φ Λn−−−→M −−−→0

が完全系列となる準同型写像φが存在する.このφを標準基底に関して行列表示して,

T =

λ1,1 · · · λ1,n

... ... λm,1 · · · λm,n

とおく.T Mの生成系{ui}に関する行列という.T を基本変形を用いて対角化す ることにより定理2.15.が証明できる.以下にここで用いる基本変形を紹介する.

定義 2.16 (行列の基本変形). 行列T に対し,以下の変形を基本変形とよぶ:

(A) 行同士,列同士は交換できる.

(B) ある行のスカラー倍を別の行に加える.列についても同様.

(C) ある行を単元倍する.列についても同様.

(1) T が行1, pλ2,· · · , pλn)を含むとき,この1, pλ2,· · · , pλn)1,· · · , λn) し,その行を除く全ての行の第一成分をp倍する.つまり,

T =

α1 α2 · · · αn ... ... ... λ1 2 · · · n

... ... ... β1 β2 · · · βn

−→T0 =

1 α2 · · · αn ... ... ... λ1 λ2 · · · λn

... ... ... 1 β2 · · · βn

と変形する. 

参照

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