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2014年度技術部活動報告集

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2014年度技術部活動報告集

著者 福井大学工学部技術部技術部活動報告集編集委員会

雑誌名 技術部活動報告集

巻 20 (2014年度)

発行年 2015‑03

URL http://hdl.handle.net/10098/8777

(2)

技術研究会等参加報告

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はじめての はじめての はじめての

はじめての LabVIEW 体験セミナー 体験セミナー 体験セミナー 体験セミナー 参加報告 参加報告 参加報告 参加報告

内山内山

内山内山 裕二裕二裕二裕二*

1. 概要概要概要概要

LabVIEWとは,主に計測や制御を行うアプリ

ケーション開発ソフトであり,その他のソフト ウェア言語とは違い,用途に合わせたブロック を配置し,ブロックとブロックを配線すること で容易にプログラムを作ることが可能である.

仕事を行う上で,今後は機器制御という観点 から機器開発・試作を行っていくことを目標と し,その準備段階として LabVIEWの基礎的な 知識及び操作について学ぶことを目的とする.

2. セミナー概要セミナー概要セミナー概要セミナー概要

セミナーはLabVIEWを提供しているNational Instruments社(以下NI)が開催しており,今回 は5/22に石川で行われたセミナーに参加した.

セミナーでは,LabVIEWとはどのようなもの かと説明から始まり,実際にPC上でLabVIEW を操作し,また制御機器として NI が提供して いるDAQ(図1)と呼ばれるデバイスとそれに 組み込むI/Oモジュール(図2-図4)を制御し,

温度センサからのデータ収録や任意波形の出力 及び計測・表示・解析といった一連の流れを通 して,基礎的な知識・操作を学ぶ.

? レガシーNI CmpactDAQシャーシ

シャーシにI/Oモジュールを組み込む.

8 つの I/O モジュールを組み込むことができ る.

図1 DAQ(NI cDAQ-9172)

* 第1技術室 機器開発・試作班

? 熱電対入力モジュール

熱電対を取り付け,温度測定を可能とする.

図2 I/Oモジュール(NI 9211)

? アナログ出力モジュール

4chのアナログ出力を可能とする.

図3 I/Oモジュール(NI 9263)

?アナログ入力モジュール

4chのアナログ入力を可能とする.

図4 I/Oモジュール(NI 9215)

3. セミナー内容セミナー内容セミナー内容セミナー内容 3.1 LabVIEWとは

LabVIEWはNIより提供されている設計・

試作・実装・テストシステムの開発に最適な システム開発ソフトウェアである.様々な業 界で取り扱われており,それは多種のハード ウェアへの優れた統合性,及びソフトウェア 設計の容易性があるためと考えられる.ハー ドウェアについては,NIより提供されている デバイス類はもちろんのこと,他社から出て

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いるハードウェアに対しても,10000 種類以

上のLabVIW用の計測器ドライバが用意され

ている.その為,一般的な計測器に対しては,

即座にLabVIEWで開発が可能となる.また,

ソフトウェア設計について,他のソフトウェ アとは違い,用途に応じたブロックを配置し,

それを配線するだけというグラフィカルな設 計が可能である.その為,直感的に設計を行 うことができ,言語を学ぶよりは簡単に使用 することが可能となる.

3.2 LabVIEW操作

まずは LabVIEW を用いて,簡単なプロジ ェクトを設計する.LabVIEWには,データ収 録に関する関数や解析に関する関数,または テキスト出力に関する関数,グラフ表示に関 する関数等,多くの汎用的な関数に対するブ ロックがすでに用意されている.そのため,

用途に合わせたブロックを配置・配線するだ けで,簡単に目的のソフトウェアを作ること ができる.(図5参照)

図5 LabVIEWプログラム

次に図1-図4で示したデバイスを用いて,

実際に計測を行う.デバイスとPCはUSBで 接続する.最初に熱電対入力モジュールを用 いて外気温の測定を行う.モジュールには指 定の端子に熱電対センサを取り付ける.後は

LabVIEW上で,集録した気温をグラフ表示出

来るように設計した.実際に動作させたとこ ろ,ほぼリアルタイムでグラフが変動してお り,ある程度のサンプリング数ならば処理速 度的にも問題は無かった.しかし,サンプリ ング数を多くすれば必然的に処理速度も遅く なり,グラフ表示も時間が掛かるようになっ

た.LabVIEWを使う上でPCの性能が大きく

関わってくることを感じた.

またアナログ出力を行い,SIN波を出力し,

そのままアナログ入力に接続して,信号の解 析までを行う.アナログ出力は,信号出力の ためのブロックを配置するだけで出力するこ とができた.アナログ入力は,信号入力ブロ ックとスペクトル解析ブロックを配線するだ けで信号処理を行うことができた.(図6参照)

信号解析ブロックは他にもフィルタや統計,

振幅レベル計測,タイミング計測,歪み測定,

トーン計測,カーブフィット等多くの信号解 析のためのブロックが用意されている.

図6 アナログ入出力解析グラフ

4. セミナーを終えてセミナーを終えてセミナーを終えてセミナーを終えて

LabVIEW のメリットとして大きく感じるの

は,容易性が挙げられる.ブロック配線という 視覚的なプログラムなので,他の言語とは違い 導入部に入りやすい.また,LabVIEW自体に多 種のブロックがあり,目的とする用途のブロッ クを使えば,簡単にプログラムを作成すること ができる.また,LabVIEWは様々なソフトと連 携することも可能であり,それは開発の汎用性 に繋がり,複雑な処理も容易に行うことが可能 となる.これは,少ない経験ではあるが私の行 ってきた組み込みシステムの中では,一番利便 性があると感じる.LabVIEWを使いこなすこと ができるようになれば,それは非常に大きな力 になるので,今後も積極的に取り組んでいきた い.

(5)

アナログ新世代ソリューションと回路設計セミナー in 北陸 受講報告

小林 英一*

1. 目的

近年,電子情報通信機器内での信号処理にお いてはデジタル化が顕著に進んでいるが,電源,

高周波,ノイズ対策,各種センサ,アンプ,AD コンバータ(以下ADC)といった多くのアナロ グ技術によって支えられていることに変わりは ない.重要技術であるにも関わらず,近年のデ ジタル偏重の世相を反映してか,アナログ設計 技術者の数が減ってしまっていると思う.特に 大学教育では不十分と感じる設計・試作の機会 を実験・実習等で設けたいと考えているが,そ の前に技術者として自身の能力を高めなければ ならない.今回リニアテクノロジー株式会社(以 下LTC)主催で本セミナーが石川県金沢市で開 催される通知あり,新しい技術に触れることに よる技術力向上を期待し,受講した.

2. セミナー概要

日 時:平成26年6月11日(水)

会 場: ANAクラウンプラザホテル金沢 中宴会場「瑞雲」

主 催:LTC

共 催:株式会社アルティマ(以下ALTIMA),

株式会社横山商会

講 師:亀元政秀様,野口和彦様(LTC), 仁井康夫様(ALTIMA)

受講者:約30名 受講料:無料 プログラム:

1. リニアテクノロジーとは ?

・仕様書に書かれていない5つの顧客価値

2. 産業機器向けソリューション

・高精度アナログ信号処理ソリューション

・設計がますます簡易に!最新絶縁電源・課題に 応えるパーフェクトスイッチャとμModule

・産業機器の新しい要求に向けたソリューショ ン

* 第3技術室 システム制御班

3. 製品付加価値向上に先端(とんがり)製品を!

・Power System Management と開発製造コスト 低減

・Power over Ethernet とケーブルコスト低減

・切れない無線 Dust Networks

4. アナログ回路設計の勘所とLTSpiceの使い方

・最新のアナログ回路設計のコツをアドバイス

・アナログ回路シミュレータLTSpiceの使い方

5. FPGA 電源マネージメント設計手法

・電源マネージメントの必要性

・Power System Management (PSM)で可能な事

・評価用ボードを用いたデモ

Pic.1 セミナー会場 3. 受講内容

3-1. LTCについて

LTCは高性能アナログ製品に特化した企業で ある.日本市場における割合は産業・計測・医 療・車載の分野で計82%,通信分野で10%とな っており,その反面で価格競争の厳しいデジタ ルコンシューマ(テレビ,レコーダといった民 生機器)分野では僅か 1%となっている.日本 以外の世界的に見ても90%のビジネスがコンシ ューマ以外の市場にあり,製品価格よりも高性

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能や高付加価値で勝負している.ICを採用した 場合の回路/レイアウト設計,デバッグ,シミ ュレーション等無償サポートの他,ダイバンク 方式というウエハ在庫を3拠点に持ち,急なト ラブルに強い体制で,短納期と安定供給を実現 している.また製品の製造中止をしないという 原則は非常に珍しく,高信頼性かつ長寿命製品 を設計する担当者にとっては大きなメリットと 考える.

3-2. 産業向けソリューション

まず高精度ADCとOPアンプの紹介があった.

ADC についてはΔΣ(デルタシグマ)変調と SAR(逐次変換)の製品それぞれの特徴を知っ た.OP アンプについては低ノイズ品,IV変換

(トランスインピーダンス・アンプとも言う)

向けやADC前段向け(ADCドライバ)等の紹 介あり.ただ製品ラインアップを一見すると高 速化の面では最高級でも 320MHz 付近にあり,

競合するAnalog Devices社の製品に比べて見劣 りする.ADCやOPアンプはアナログインター フェイスとして計測技術には欠かせない存在で ある.簡易計測器については学内からの設計相 談も多く,今後の役に立つと思われる.

SOT23-5pinパッケージのマイクロパワー(数

W級)絶縁電源フライバックコントローラの紹 介あり,フォトカプラ(フィードバック回路)

不要,変圧器の3次巻線不要とされる.高耐圧 が要求されるピンには絶縁距離が考慮されてい るが,最大入力電圧は+72V のため,商用電源

向けAC/DCコンバータ(例:ACアダプタ)内

部の整流平滑回路に直結して使用はできない.

μModule 降圧DC/DCについては入力+12V, 4出力(+3.3V, +2.5V, +1.8V, +1.5V)で1chあた り 4A も出力可能ながら 1.4cm2 という超小型 BGAパッケージの製品があり,とても驚いた.

3-3. 先端(とんがり)製品

LTCの講師は先端的な高付加価値のある製品 を「とんがり」製品と呼んでいた.

Power over Ethernet(以下PoE)はLANケー ブルでネットワークに接続されたデバイスに電 力を供給する技術で既に情報・通信分野におい てはかなり浸透しており,監視カメラ等での採 用が多い.車載・FA分野では今後が期待されて おり,モチベーションはケーブルコストの低減 である.従来のPoE+(IEEE 802.3at)では最大 供給電力は25Wまでだったが,LTCが開発した

LTPoE++では 90W まで拡張されている.この

LTPoE++はまだ IEEE 化されていないものの既

に 業 界 標 準 に な り つ つ あ り , ま た LTC は IEEE802.3xx PoE に関するタスクフォースメン バーで IEEE 標準化を進めている.尚,LTC は IEEE802.3 車載PoEに関する勉強会のチェアマ ンでもある.

切れない無線技術dust networksは99.999%の 高い接続性と,同規格の他社と比較して 1/8 と いう超低消費電力が特徴のワイヤレス・ネット ワーク技術.高い接続性はチャネル・ホッピン グ(周波数冗長性)とメッシュ構造(空間冗長 性)で実現しており,低消費電力は送受信機双 方に正確な時計を積み,通信時間を決めて(例 えば4msに1回通信する等)消費電力を節約し ている.各種センサと組み合わせ,高い接続性 を有しながら手軽で様々な応用例が想像できる.

3-4. アナログ回路設計の勘所とLTspice スイッチング電源(以下SW電源)を例に説 明があった.SW 電源の種類,データシートの 見方,コイルやダイオードの選定方法等,かな り具体的な内容で非常に参考となった.

LTspice の使い方では入力コンデンサの選定

によっては過電圧トランジェント(過渡応答)

が引き起こされる例を用いて解析をしていた.

その他,多層(4層,6層)基板における好ま しい層配置や電源パターンレイアウトについて の説明もとても参考になった.

3-5. FPGA電源マネージメント設計手法 Altera社Cyclone V SoC (ARM) Helioボードを

搭載した LTC PSM評価キットの紹介あり,価

格は31,800円である.電源の出力電圧・電流を

モニタしたり,出力電圧を動的に可変したりす る等,動作実演をされていた.

4. まとめ

内容は盛り沢山で,業務に繋がる内容も多く,

とても良い刺激となるセミナーだった,LTCの 製品群は開発および製造単価が高い少量生産品 や非常に高い性能と信頼性が要求される製品・

用途に向いており,対する本学内からの需要も 汎用製品より特殊な要求が多いという印象あり,

相性が良いように思われる.尚,今回紹介あっ た製品は全て表面実装パッケージの部品(SMD) であり,これら小型部品の実装技術修得は今後 避けては通れない要素であるとも感じた.

(7)

能力開発セミナー 参加報告

~ NC旋盤技術(プログラム~加工編) ~

峠 正範*

1. 目的

先端科学技術育成センターの主業務のひとつ である機器開発や試作において,軸物(フランジ など)の加工は日常的に要求されている.軸物の 加工には, 汎用旋盤や NC 旋盤(Numerically Controlled Lathe)が多く使用される.NC旋盤は,

加工プログラムを繰り返し使用することで均一 な部品を製作でき,加工プログラムの交換により 多種類の部品を製作できるという特徴を持つこ とから多用されている.

現在,加工プログラムは対話型プログラミング により作成しており,各種機能の詳細は要点のみ を理解している.そこで,プログラミング法の基 礎を習得し,軸物加工(旋盤作業)の基礎技能の 向上を目的としてセミナーを受講した.

2. 能力開発セミナー概要

セミナーは,ポリテクセンター福井(福井県越 前市行松町25-10)で開催された在職者訓練(能力 開発セミナー)の加工・組立コースのNC旋盤技 術を受講した.実施日程は,2014年6月24日~

27日の4日間で,合計24時間であった.

概要は,図面要求を満足するための,プログラ ム作成及び各種補正の設定・調整方法等について 課題加工実習を通して習得することである.1)

3. 受講内容

セミナーは,県内企業のNC旋盤加工未経験~

10年の6名で開催された.表1にカリキュラムを 示す.第1日目に3時間程度のNC旋盤の概要に 関する講義があり,以降はNC旋盤の基本的な機 能,言語の表し方および動作に必要な工具位置の 表し方(座標値)について習得した.

NC旋盤は,工作物と工具との相対運動を位置,

速度などの数値情報により制御し,加工にかかわ る一連の動作をプログラムで指令することによ り,円筒形状の部品を加工できる工作機械である.

* 第1技術室 機器開発・試作班

そのプログラムは,人と機械が互いに分かる記号

(アルファベット)と数値を動作順序に従って並 べたものであり,汎用旋盤を操作する動作順序と 同じように記述することで,NC 旋盤を動かすこ とができる.表2にプログラムの基本パターンを 示す.左側にプログラム,右側に解説を示す.■

および▲には,各機能で指定された桁数の数字が 入力される.プログラムは,初期設定,加工工程,

終了操作の3工程に分けられ,加工工程は,図面 により異なる.

表1 カリキュラム1)

1. 概要 (1)NC 旋盤概要

(2)切削加工概要 (3)安全上の留意事項 2. 各種機能と

応用

(1)主軸・送り・工具・準備・

補助機能

(2)荒加工用プログラム 作成方法及び注意点 (3)仕上げ加工用プログラム 作成方法及び注意点 (4)ノーズR 補正 (5)単一固定サイクル・

複合固定サイクル 3. プログラミング

課題実習

(1)課題提示及び注意点 (2)加工工程の検討 (3)疑問点,問題点の抽出 (4)プログラミング

4. 加工実習 (1)加工作業の確認と検討 イ.段取り作業の確認と 検討

ロ.プログラムチェック 方法の確認と検討

ハ.テストカット方法の 確認と検討

ニ.課題加工

5. まとめ (1)質疑応答

(2)訓練コース内容のまとめ (3)講評・評価

(8)

初期設定では工具の準備を行い,加工工程では 工具の移動により加工を行い,終了操作では工具 を安全な位置に移動させ停止する.

初期設定はNC旋盤の仕様に依存し,終了操作 は作業環境に依存するため,適宜プログラムの修 正を行う.

表2 プログラムの基本パターン

O■■■■ (P-NAME); プログラム番号

N■■ (S-NUMBER1); シーケンス番号

G50 S■■■■; 主軸最高回転叡設定

G00 T■■▲▲ 工具選択,

補正番号選択

G96(G97) S■■■ M03;

周速一定制御

(回転数一定制御),

切削速度(回転数)

指定,

主軸正回転

X■■.■ Z10.0; 加工物へのアプローチ

G01 Z■■.■ F1.0 (M08);

切削送り速度 1.0 mm/revで 加工開始点へ アプローチ

(切削油ON)

加工工程(加工経路)

G00 U1.0 Z10.0 (M09); 加工物より工具逃がし

(切削油OFF)

X200.0 Z150.0 (M05) 工具交換位置へ復帰

(主軸回転停止)

M01; オプショナルストップ

N■■ (S-NUMBER2) シーケンス番号

G50 S■■■■; 主軸最高回転数設定

省略

X200.0 Z150.0 (M05); 工具交換位置へ復帰

(主軸回転停止)

M01; オプショナルストップ

N■■(S-NUMBER3); シーケンス番号

G50 S■■■■; 主軸最高回転数設定

省略

(最後の工具)

G00 U1.0 Z10.0 (M09); 工作物より工具逃がし

(切削油OFF)

X200.0 Z150.0 M05 工具交換位置へ復帰,

主軸回転停止

T■■00; 最初の工具選択,

補正キャンセル

M30; プログラム終了

図1 加工実習用NC旋盤(中村留製;SC-250)

図2 プログラミング課題

図1に本セミナーで使用したNC旋盤(中村留 製;SC-250)を示す.NC装置は,FANUC 21i-TB である.図2にプログラミング実習の課題を示す.

プログラムは,表 2 の基本パターンを基礎とし,

提示された工具とその切削条件を用いて,加工工 程を記述した.最後に,NC旋盤を用いて,機械操 作・段取り・加工作業の実習を行った.

4. まとめ

これまで,NC 旋盤のプログラムは対話型プロ グラミングにより作成していたため,プログラミ ング法を基礎から学ぶことにより各種機能の理 解が深まった.対話型プログラミングでは対処で きない形状の軸物加工を行う際には,習得した技 能を活用したいと考える.

文献

1)ポリテクセンター福井,NC旋盤技術(プログ

ラム~加工編),在職者訓練コースガイド,

(2014),pp. 25.

(9)

能力開発セミナー 参加報告

~ フライス盤精密加工技術 ~

峠 正範*

1. 目的

先端科学技術育成センターの主業務のひとつ である機器開発や試作において,フライス盤加工 は基本作業として行っている.しかし,フライス 盤加工は,平面加工,側面加工,段加工,溝加工 など多岐にわたり,加工物の精度を出すためには 技能の向上が不可欠である.そこで,フライス盤 作業の技能向上として,精密加工を行うための加 工条件や手順の習得を目的としてセミナーを受 講した.

2. 能力開発セミナー概要

セミナーは,ポリテクセンター福井(福井県越 前市行松町25-10)で開催された在職者訓練(能力 開発セミナー)の加工・組立コースのフライス盤 精密加工技術を受講した.実施日程は,2014年7 月8日~11日の4日間で,合計24時間であった.

概要は,フライス盤による精密な加工をするた めの加工条件や手順,そして注意すべき安全作業 について実習を通して習得することである.1)

3. 受講内容

セミナーは,県内企業のフライス盤加工未経験

(他の工作機械は経験あり)~9年の 6名で開催 された.表1にカリキュラムを示す.研修は,第 1 日目の午前中にフライス盤の一般知識,切削作 用と条件に関する講義があり,以降はフライス盤

(ヒラオカ製/イワシタ製)による加工実習を行 った.加工実習は,正面フライスによる六面体加 工,エンドミルによる段付削りおよび直溝削りの 順に行い,工程毎に講師による実演指導が行われ た.

図1に実習で使用したフライス盤(ヒラオカ製)

を示す.フライス盤は,テーブル上に工作物を取 り付け,主軸に取り付けた切削工具(フライス)

を回転させて加工する機械である.

* 第1技術室 機器開発・試作班

表1 カリキュラム1)

1.切削加工概論 (1)切削加工概論

(2)切削の3条件 (3)切削工具及び被削材 2. 高精度部品の

加工工程

(1)主軸・送り・工具・準備・

補助機能

(2)加工工程の検討 (3)切削条件の検討 (4)切削工具の検討 (5)測定器の選択

3.精密加工実習 (1)精密六面体の加工

(正面フライス加工)

(2)段付削り(エンドミル加工) (3)直溝削り(エンドミル加工)

4.製品評価 (1)寸法精度

(2)形状精度 (3)あらさの規格 (4)あらさの評価 5.統括討議及び

評価

(1)質疑応答

(2)訓練コース内容のまとめ (3)講評・評価

図1 加工実習用フライス盤

(ヒラオカ製)

切削工具

テーブル 工作物 主軸

(10)

図2に精密加工実習の課題図面を示す.加工の 工程は,六面体加工→段および溝加工→勾配部加 工の3工程に分けて行った.六面体加工は,支給 された材料を直方体(50×50×30 mm)に仕上げる 加工であり,正面フライスおよび各種冶具を使用 し六面を実演指導に習い加工した.重要な点は,

材料の固定に丸棒(軟質材)を使用することや場 合によって材料と平行台を密着させないことと 感じた.段および溝加工は,六面体加工で製作し た材料を凸型(図3上側凸部)および凹型(図4 上側凹部)に仕上げる加工である.図面を参考と して,材料に凸型および凹型のケガキ線を描き,

線を目安としてエンドミルにより加工した.重要 な点は,加工の条件と仕上げの手順と感じた.勾 配部加工は,バイスを図面指定の角度に傾けて材 料を固定する方法で行った.角度の調整は,基準 長さに対する傾き度合をダイヤルゲージにより 調整した.傾き度合いは,部品①の場合50 mmで 5 mm(27mm-22 mm)の勾配のため,ダイヤルゲ ージにより10 mmで1 mmの勾配となるようにバ イスを調整した.バイスの調整手順が重要な点で ある.

図5に習得した成果を示す.左側に課題①と課 題②の段および溝加工部のはめ合せ,右側に勾配 加工部のはめ合せを示す.

図2 フライス作業実習課題2)

図3 精密加工実習課題①

図4 精密加工実習課題②

図5 精密加工実習課題のはめ合せ

4. まとめ

業務では,NC 工作機械による加工や,六面体 加工済みの材料を使用することが多いため,基礎 的な加工法を習得できたことは今後の実習指導 に役立つと感じた.

文献

1)ポリテクセンター福井,フライス盤精密加工技 術,在職者訓練コースガイド,(2014),pp. 24.

2)ポリテクセンター福井,フライス盤,フライス 盤作業実習課題②

課題①

課題② 課題②

課題①

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SolidWorks&Simulation 夏期講習会 受講報告

青山 直樹*

1. 目的

機器開発・試作班の主業務である装置試作業 務 に お い て , 設 計 支 援 ソ フ ト ウ ェ ア で あ る

3D-CAD SolidWorks を使用し,試作支援を行

っている.SolidWorksでは,3Dのパーツモデル やアセンブリモデルを容易に作成することが可 能であり,さらに,3Dモデルから2Dの組立図 や加工図に展開することも容易に行うことがで きる.他にもCAE(Computer Aided Engineering) と呼ばれている線形解析・非線形解析・振動解 析・熱流動解析等といった,様々な解析機能が 備わっており,構造体の強度解析や流体の流動 解析も可能だ.しかし,現時点では解析機能を 十分に活かしきれておらず,高度の設計依頼に 関しては手が出ない状況である.そこで,高度 な設計依頼に対応できる設計・解析技術を習得 することを目的とし,SolidWorks社が開催して いる講習会を受講した.

2. SolidWorks Simulation講習会

本講習会は,教育機関における 3 次元 CAD 及びCAEによる授業・実習を支援することを目 的とし,教育機関に在籍する教職員対象で行わ れた.開催期間は2014年9月1日~4日までの 計4日間で開催され,CAD初級・中級・実践編 及びCAE基礎・実践編が行われた.会場は,ソ リッドワークス・ジャパン株式会社(東京都品

川区大崎2-1-1)の本社で開催された.今回は,

後半に開催された2日間のCAE基礎・実践編を 受講した.CAE基礎・実践編の参加者は,2日 間で12名の参加があり,大学・高専・工業高校・

職業能力開発学校等の幅広い分野から教職員が 受講されていた.

3. 講習内容

講習は,線形静解析・振動解析・熱流体解析 の3つのテーマで行われた.はじめに,有限要

* 第1技術室 機器開発・試作班

素法(FEM:Finite Element Method)に関する概 要,及び本ソフトで解析する際に用いられる計 算手法である Mises応力の説明が行われ,その 後,実際に CAD 操作や実験に取り組むという 内容で行われた.以下,講習テーマ及び日程を 示す.

[1日目]

①SolidWorks Simulationで実験とCAE-強度編

<概 要>

フックに荷重をかけ,解析で求められた結果と の違いを検討する.

<内 容>

CAE を用いて4種類のフックの線形静解析を 行い,どのフックが最良な設計かを判断する.

図1に4種類のフックを示す.実験は,3Dプリ ンタで製作されたABS樹脂のフックを使用し,

引張り試験を行って強度破壊させる.その後,

PC でシミュレーションをした解析値と破壊が 行われた実験値を比較し,解析方法の妥当性の 評価を行う.

図1 線形静解析モデル

(12)

[2日目]

②SolidWorks Simulationで実験とCAE-振動編

<概 要>

手計算や解析で求めた固有値を実験機で再現し,

共振現象を体験する.

<内 容>

CAEを用いて長さの違う3種類の板バネの固有 値解析を行い,それぞれの板バネの固有値を求 める.図2に3種類の板バネを示す.振動実験 機を用いて,解析により算出した固有値で板バ ネを振動させて,共振させた様子と,固有値以 外の振動数で板バネを振動させたときの様子を 観察する.

図2 固有値解析モデル及び振動実験機

③SolidWorks Simulationで実験とCAE-熱流体編

<概 要>

簡易的な基板と筐体を使用し,温度測定および 熱流体解析を行う.

<内 容>

電子機器を使用した時に発生する熱を測定する.

図3に実験で用いる簡易的基板のモデルを示す.

CAE を用いて簡易的な基板に一定温度を与え,

筐体のあるエリアの温度解析および筐体内の流 体解析を行う.熱電対を用いて筐体内温度を実 測し,実測値と解析値を比較する.

図3 熱流体解析モデル

4. 所感

講習会は,前述のとおり PC 上でのシミュレ ーションおよび実機にて現象を体験するという 内容で構成され,PC操作だけでなく実践も行わ れたことで,とても理解しやすかった.ここで は,複数の講習の中で特に印象に残った講習テ ーマの感想を述べる.それは,線形静解析の講 習で,3Dプリンタを用いて製作した製作物を用 いて,解析値および実験値の評価を行ったとい うことだ.昨今,社会で 3D プリンタが注目さ れるようになり,パーソナルユースの 3D プリ ンタの普及が著しくなった.しかしながら,パ ーソナルユースの 3D プリンタは熱溶解積層法

(FDM:Fused Deposition Modeling,以下FDM)

という手法を用いて,熱可塑性樹脂を造型し,

物を製作するためいくつか問題が存在する.そ れは,製作精度および強度に難があるというこ とである.これらが原因で,FDMのパーソナル ユース 3D プリンタの使用用途はフィギュアや ホビー部品等の製作にとどまっており,実用的 な活用がなされていないのが現状である.講習 では,FDM の短所をきちんと把握し,CAE の 講習にうまく使われているところに感心した.

教育支援において 3D プリンタを活用する機会 があれば,取り入れたいと思う.

今回の講習では,CAE解析を行う時に必要で ある荷重方向・拘束方法・要素数などのパラメ ータの設定方法や,導き出された解析結果が本 当に正しいかを判断する方法を得ることができ た.CAE は,操作することは然程難しくなく,

誰にでも操作することは可能である.しかし,

導き出された結果をきちんと判断できなければ,

設計媒体に解析結果を反映させて設計を行うこ とはできない.もし,間違った解析結果を設計 媒体に反映させて,ものを製作した場合,もの が破損して大きな事故につながってしまう恐れ がある.つまり,CAEという便利なツールは使 用者の数学・力学の知識や経験によって,良く も悪くもなるツールということである.今後,

CAE で得られた解析結果を判断できる能力を 育むために日々の自己研鑽に努めたい.また,

CAEの活用の幅をひろげて,CAEを用いた教育 支援ならびに技術支援としての高度な設計依頼 に対応していきたい.

(13)

平成 26 年度 北海道大学 総合技術研究会 報告

宮川しのぶ

1. はじめに

平成26年9月4日から5日の2日間,北海道大学に おいて総合技術研究会が開催された.この総合技術研 究会は文部科学省所管の大学共同利用機関法人,国立 大学法人および独立行政法人国立専門学校機構に所属 する技術系職員が技術研究発表,討論を通じて技術の 研鑽,向上を図りさらには相互の交流と協力により技 術の伝承をもふまえ,わが国の学術振興における技術 支援に寄与することを目的としている.今回は機器分 析研究会と実験実習技術研究会を合わせた総合技術研 究会となっており,北海道大学名誉教授でノーベル賞 を受賞された鈴木章先生が特別講演された.その他,

口頭発表とポスター発表が行われた.分野としては機 械・建築・生物・化学など12分野に分けられており,

今回は派遣先で行った研究内容を基に,機器・分析技 術分野でポスター発表を行った.

2. 発表概要

発表題目:「レオメーターによる粘度評価」

発 表 者:宮川 しのぶ 発表要旨:

1.はじめに

レオロジーとは物質の変形や流動性を取扱う研 究分野である.ペンキなどの塗料改良分野では基本 的なレオロジー特性を評価することが多い.また,

レオロジー特性を応用している分野が高分子の成 形加工分野である.このようなレオロジー特性を評 価するためによく測定されるのは,定常せん断粘度,

動的粘弾性,クリープ等である.これらの測定は粘 度計を用いて行う.粘度計には様々な種類があるが,

測定原理で分けると細管式・落球式・回転式などが 挙げられる.細管式粘度計は流体が細管内を流れる 時間などを測定し粘度を求めるため,低粘度のニュ ートン流体の測定に用いられる.落球式粘度計は鉄 球が液体中を落下する速度から粘度を求める.その ため低粘度から高粘度までニュートン流体の高精 度測定が可能である.回転式粘度計は二重円筒,B 型,E型など様々な種類があり,ニュートン流体か ら非ニュートン流体まで測定できることから,一般

第2技術室 物理計測班

的に使用されている粘度計である.中でも回転式粘 度計の回転数を自在にコントロールできる装置は 総称してレオメーターと呼ばれている.

昨年度,レオロジー特性評価が可能なレオメータ ーが導入された.そこで,身近な試料を用いてレオ メーターの測定操作から解析までを行ったので報 告する.

2.実験

2.1 実験装置

レオメーターは当大学大学院工学研究科繊維先 端工学専攻に設置されているMCR302レオメータ ー(Anton Paar社製)を使用した(図1).装置の コントロールは附属パソコンの専用ソフトから行 った.装置の温調システムはオーブンとペルチェ の2種類あるが,今回は室温で測定を行ったため 全てペルチェを使用した.治具はコーンプレート CP50-1及びコーンプレートCP25-2を使用した.

2.2 測定

今回使用した MCR302 レオメーターはトルク制 御モーターが 2 つのエアベアリングで支えられて いることから,装置を立ち上げる前に,エアーを供 給するコンプレッサーを起動しなければならない.

エアーの供給後,装置本体,サーキュレータ,PCの 電源を入れる.装置本体の液晶パネルでStatusを確 認し,PC で装置の初期化を行う.ヘッドカバーを 外し,測定治具を接続すると自動認識されるので,

ゼロギャップ,キャリブレーションを行った.温度 設定を行い,ペルチェ部分にサンプルを適量のせ,

図1 MCR302 レオメーター(Anton Paar 社製)

(14)

プレートを測定位置まで下ろし,上下からサンプル を挟み込み測定準備完了となる.その後,PC 附属 のソフトから測定条件を設定し測定を行う.

本実験ではレオメーターの基本操作から解析を 習得するために,身近なサンプルを使用して測定し た.測定サンプル及び測定条件について下記に示す.

サンプル:ケチャップ(チューブ),ケチャップ(デ ィップ),マヨネーズ(チューブ),シリコンオイル 測定モード:定常粘度

測定条件:温度;25(℃)

せん断速度;0.01~1000(1/s)

2.3 結果

各種ケチャップの粘度とせん断速度の関係を図 2に示す.比較のためにニュートン流体であるシ リコンオイルも合わせて示す.シリコンオイルの 粘度がせん断速度に対して一定であるのに対し,

ケチャップは低速度では粘度が高く,高速度では 粘度が低いことがわかる.応力とひずみ速度の関 係(図3)より,ケチャップはある応力を境に流 れ方が大きく変わることがわかる.これらの結果 の解釈についてはポスターで報告を行った.

3. 研究会概要

会 期:平成26年9月4日(木)~5日(金)

会 場:北海道大学 札幌キャンパス(北海道札 幌市北区北17条西8丁目)

登 録 者 数:782名(口頭;178名 ポスター;227名 聴講;377名)

プログラム:

9月4日(木)13:00~17:00

 特別講演 「人類の進歩に役立つ科学の例 ―有機ホウ素化合物を利用する有機合成―」 北海道大学 名誉教授 鈴木章 先生

 ポスターセッションA/B 9月5日(金)9:00~15:40

 企画講演(機器・分析技術分野)

「機器・分析技術研究会―20年の歩み―」

 口頭発表

 セッションⅠ~Ⅴ

※分野

01:機械・材料系,製作技術分野 02:特殊・大型実験,自然観測技術分野 03:電気・電子・通信系技術分野 04:極低温技術分野

05:情報系技術分野

06:生物・農林水産系技術分野 07:生命科学技術分野

08:機器・分析技術分野 09:実験・実習技術分野

10:建築・土木・資源系技術分野 11:施設管理・安全衛生管理分野 12:地域貢献・技術者養成活動分野 図2 定常粘度曲線

10-1 100 101 102 103 104

10-2 10-1 100 101 102 103 γ / s -1

図3 応力-ひずみ曲線

101 102 103

10-2 10-1 100 101 102 103 γ / s -1

■ケチャップ(ディップ)

▲ケチャップ(チューブ)

◆シリコンオイル

(15)

平成 26 年度 北海道大学 総合技術研究会 報告

井波 真弓*

1. 研究会概要

日 時: 平成26年 9月 4日(木)~

5日(金)

会 場: 北海道大学 札幌キャンパス 北海道大学 高等教育推進機構・体育館(札幌 市北区北17条西8丁目)

主 催: 国立大学法人 北海道大学 参加登録者数: 782 名(口頭発表:178 名,

ポスター発表;227名,聴講;377名)

2. 目的

本研究会は全国の大学,高等専門学校及び 大学共同利用機関の技術職員が,日常業務で 携わっている広範囲な技術的教育研究支援活 動について発表する研究会である.発表内容 も通常の学会とは異なり,日常業務から生ま れた創意工夫や失敗事例なども重視し,参加 者の技術交流と技術向上を図ることを目的と している.

今回は,研修先研究室で行った酵母におけ る遺伝子組み換え実験について報告した.以 下にその発表概要を示す.

3. 発表概要

発表題目: 「酵母における相同組換え技術の 発展と応用」

発表概要: 酵母は優れたモデル生物として広 く研究に用いられている.特に,相同組換え 効率が高く,ゲノムに正確に変異を導入でき ることは最大の利点となっている.本発表で は,出芽酵母における遺伝子組換え技術につ

いて,99.9%の相同性をもつ2つの遺伝子それ

ぞれの破壊株作製法を報告する.また,この 技術を応用してゲノム内に蛍光タンパク質を コードする遺伝子を挿入し,遺伝子の発現状 態変化を蛍光顕微鏡により観察する方法を紹 介する.

*第2技術室 化学計測班

3.1. モデル生物としての酵母

酵母はパンや酒(日本酒,ビール,ワイン)

の製造に用いられる身近な微生物である.一 方で,より高等な生物における生命現象を理 解するための重要なモデル生物である.細胞 単位で起こる基本的な生命現象は酵母からヒ トまで広く保存されており,もっとも単純な 真核生物である酵母で解析し,そこで明らか になったことが高等生物でも保存されている か確かめるという戦略により多くの発見がも た ら さ れ た . 出 芽 酵 母 (Saccharomyces cerevisiae)は以下に示す特徴から,モデル生 物としてよく用いられている [1,2] .

・実験室で簡単に扱える.

・増殖が早い(約2時間).

・安定した1倍体と2倍体が存在する.

・外部 DNA により効率よく形質転換される.

・相同組換え効率が高い.

・ゲノムへの変異導入が簡便である.

・遺伝学的解析が容易に行える.

さらに,全ゲノム配列が決定され(12 Mb;

約 6,000 遺伝子),データベースとして公開さ れたことは非常に重要である.これにより出 芽酵母の遺伝子機能解析が飛躍的に進み,ヒ トを含む多くの生物種の遺伝子機能の解明に 貢献している.

3.2. 遺伝子破壊株の作製

先に述べたように,分子生物学的解析にお いて酵母を用いる最大の利点は,染色体上の 標的遺伝子を自由に操作できることである.

(16)

本発表では,99.9%の相同性をもつ2つの遺伝 子(DDI2/3)を,酵母の選択マーカー遺伝子 URA3 に置換することにより破壊する方法を 紹介する.

最初に,形質転換用プラスミドを作製する.

標的遺伝子の上流相同領域(pro)および下流 相同領域(ter)を,酵母ゲノム DNA を鋳型 にした PCR 法により増幅し,プラスミドに 挿入した(図1a).続いて,URA3 遺伝子(プ ロモーター,URA3 遺伝子コード領域,ター ミネーター)を別のプラスミドから切り出し,

先に作製したプラスミドのproとterの間に挿 入した(図1b).通常,標的遺伝子の上流・下 流の相同領域は 100 bp ほどでよいとされる が [1],DDI2/3は付近の配列も 10 kb にわた って類似しており,プロモーターでは 365 bp のうち 363 bp ,ターミネーターでは 610 bp のうち 608 bp が DDI2 と DDI3 で相同で ある.このような場合,標的遺伝子から離れ た二つの遺伝子間で配列が異なる領域でプラ イマーを設計し,組換えに必要な相同領域を 長くすることで,選択的に形質転換させるこ とができる.DDI3については pro を 560 bp,

ter を1570 bp とした.

次 に , 作 製 し た プ ラ ス ミ ド か ら

(pro-URA3-ter)断片を制限酵素処理し,宿主 に形質転換した(図1c).宿主細胞内で染色体 上の標的遺伝子と導入断片の両端との相同部 分の間で組換えを起こし(図 1d),DDI3 を

URA3 に置換することができる(図1e).形質

転換体を選択培地(YMD(ura-))に塗布し,

約2日後,複数の形質転換体が観察された.

図1 遺伝子破壊株の作製方法

単離を行った後ゲノム抽出を行い,4 組のプラ イマーセットを用いてPCR法によりDNA 断片を 増幅し,電気泳動法により断片の大きさを確認し た . そ の 結 果 , 作 製 し た 株 は ddi3 破 壊 株

(ddi3Δ)であることが確認された.

3.3. 蛍光タンパク質を用いた遺伝子発現の観

遺伝子の相同組換え技術を応用し,標的遺 伝子内に蛍光タンパク質をコードする遺伝子 を挿入することで,遺伝子の発現状態を蛍光 顕微鏡下で観察することができる.

出芽酵母において性を決定する HML 領域 では,遺伝子発現抑制機構が働くことが知ら れている.今回はこのHML領域近隣の遺伝子 発現を観察する.まず,HML領域にレポータ ー遺伝子 URA3 を相同組換えにより挿入し

(図2a),形質転換体を選択培地(YMD(ura-))

に塗布し,URA3 が挿入された株を選択する

(図 2b).続いて,URA3 を蛍光タンパク質

EYFP をコードする遺伝子と置換し(図 2c),

5-フルオロオロト酸(5-FOA)により形質転換 体を選択する(図3d).URA3をもつウラシル 非要求性株は5-FOA培地に生えることはでき ないため,5-FOA 耐性株を選択すれば URA3 とEYFPが置換された株を得ることができる.

また,EYFPと蛍光波長が異なる蛍光タンパク

質m-Cherryをコードする遺伝子を,染色体上

の恒常的に発現する領域に挿入し,m-Cherry の蛍光を内部標準として用いる.このように して作製した株では,HML領域で遺伝子が発 現していれば EYFP の蛍光が観察され,遺伝 子発現抑制機構が働くと EYFP は新たに合成 されなくなり蛍光は観察されない.

図2 蛍光タンパク質発現株の作製方法

この方法は,様々な遺伝子に適用可能で各 遺伝子の発現状態を顕微鏡で生細胞観察する ことができる.酸や熱などの刺激に対する応 答や世代間の発現調節の変化など多様な研究 への応用が考えられる.

図3 蛍光タンパク質挿入株

(17)

平成 26 年度 北海道大学 総合技術研究会 報告

伊藤 雅基,内山 裕二**,山口 綾香***

1. はじめに

平成26年9月4日,5日に北海道大学で総合 技術研究会が開催された.本研究会は,全国の 大学,高等専門学校及び大学共同利用機関の技 術職員が,日常業務で携わっている広範囲な技 術的教育研究支援活動について発表する研究会 となっており,日常業務から生まれた創意工夫 や失敗事例なども重視し,参加者の技術交流と 技術向上を図ることを目的としている.

本研究会では,2 日間を通してポスター発表 及び口頭発表が行われ,特別講演ではノーベル 化学賞を受賞された鈴木章先生による講演が行 われた.

本研修は,新人研修の一環として研究会に参 加し,情報収集を目的にポスター発表及び口頭 発表の聴講を行ったので,その聴講内容を報告 する.

2. 特別講演

「人類の進歩に役立つ科学の例 -有機ホウ 素化合物を利用する有機合成-」

北海道大学名誉教授 鈴木 章 先生

クロスカップリング反応とは,2 つの異なる 物質の炭素原子と炭素原子を結合させる反応の ことで,有機化合物をつくるうえで大変重要な 反応である.ベンゼン環化合物同士のクロスカ ップリング反応では,鈴木クロスカップリング が発明される以前はウルマン反応と呼ばれる銅 を用いてハロゲン化アリール同士をカップリン グ反応させることによりビフェニルを合成する 方法がよく用いられていたが,この反応は高温 条件を必要とし,また生成物についても異性体 ができてしまうといった欠点があった.鈴木先 生が発明した鈴木クロスカップリング反応は,

パラジウム触媒を用いて有機ホウ素化合物と有 機ハロゲン化合物を塩基性条件下でクロスカッ プリングさせる方法であり,比較的温和な条件

* 第2技術室 物理計測班

** 第1技術室 機器開発・試作班

***第2技術室 化学計測班

で,異性体ができることもなく,なおかつ水や 空気に安定で,ホウ素を含む副生成物が水溶性 で無毒であることから様々な利点を持っている.

これらの特徴を有する鈴木クロスカップリング 反応は,高血圧治療薬や抗がん剤といった医薬 品,農薬,液晶や発光ダイオード等,幅広い分 野で使用されており,一つの合成法が様々な分 野で活躍できるという凄さに感銘を受けた.

この画期的な合成法を編み出した鈴木先生は 2010年にノーベル化学賞を受賞され,講演では 上に述べた鈴木クロスカップリングの説明以外 にも,先生ご自身の経緯やノーベル受賞時の様 子についてもお話された.ノーベル賞について のお話では,受賞決定時の体験談や受賞のとき に頂くメダルや賞状に関する大変貴重なお話も 聴くことができた.

3. ポスター発表・口頭発表

「RasberryPiによるA-D変換システム」

RasberryPiとは,ARMを搭載したコンピュー タボードであり,サイズが85mm×56mmと非常 に小さく,安価である.またLinuxベースのOS を起動することが可能で,汎用コンピュータと して活用することができる.その他ではマイコ ンのように組み込みシステムとしても使用する ことができる.今回,分子化学研究所より発表 されたRasberryPiによるA-D変換システムの概

要はRasberryPiの導入を考える上で非常に参考

になった.

分子科学研究所では,ある機器からの信号を 取得したいという要望があり,RasberryPi を利 用したAD変換システムを作成した.(図1)

RasberryPi自体にはA-D変換の機能は無いため

A-D変換のICを使い,RasberryPiからはSPI通 信により IC の制御及びデータの取得を行うと いうものであった.A-D変換にはマイコンを使 うという手法もあるが,分子科学研究所の方は

Linux の取扱いに長けていたため,組み込みシ

ステムとして RasberryPi を使用されていた.

RasberryPi の使用は今回が初めてであるといわ

れていたが,簡単に扱うことができ,また安価

(18)

であることを推されていた.

今後,RasberryPi は組み込みシステムの観点 や多様的な面(サーバーとしても使用すること が出来る,カメラを取り付けることにより画像 処理を行うこともできる等)から,また小型なの で持ち運びが容易であることから,場所を問わ ずデータの取得解析を行う等,多方面にて研究 に も 使 用 可 能 で あ る と 考 え る . そ の 為 に も

RasberryPi を扱うことができるように取り組ん

でいく.

「アウトリーチ活動の報告(野菜などの色の 分離実験)」

京都大学理学研究科技術部はアウトリーチ活 動として,学生実験の課題である「生体関連物 質の光吸収とクロマトグラフィーによる分離」

を基に中高生を対象とした野菜の色素成分の分 離実験を行っている.

学生実験では,身近な野菜類から色素成分を 抽出し,シリカゲルカラムクロマトグラフィー によって精製し,そして精製後に回収した各サ ンプルについて吸収スペクトル測定を行い標準 物質のスペクトルと比較することで物質の同定 を行う.アウトリーチ用では,実験を簡便化さ せるために野菜類から抽出が完了している色素 成分を薄層クロマトグラフィー(TCL)で分離

することにより各色素成分の同定を行った.身 近にある野菜を試料として用いる点,実験の簡 便さや安全性の点から中高生に好評であったよ うだ.また,簡単に外部で実験が行える点から も大変有用性があると考えられる.そして,実 験についての実験テキストを提供し,大学でど のような実験を行っているのか?どのような原 理で分離・分析しているのか?等の説明も行い,

難しい専門用語に対して理解しやすい簡単な言 葉で言い換えることにより中高生の実験に対す る理解を深め,それに対する興味を更に高める こ と が 可 能 に な っ た と 報 告 さ れ た .

「工作機械による地形図模型の製作-3Dプリン ターと比較」の紹介

近年,異常豪雨による山沿い付近の土砂災害 が全国各地で発生しており,土石流による家屋 流出をはじめ数多くの被害をもたらしている.

今後の防災対策として,土石流発生メカニズム の解明と土砂崩れを未然に防ぐ安全な防災対策 の開発が急務となる.

そこで,本報告では,室内における防災実験 用の模型開発の情報収集として,山沿いの斜面 や地形を3D模型により再現できるNC(数値制 御)工作機械について紹介する.

国土地理院が電子地図の3次元(3D)画像と CAD データを公開したことで,3Dプリンター で地形図の模型を作ることが可能となっている が,NC工作機械を使用した模型(図2参照)に おいても 3D プリンターと同様にデータさえあ れば製作することができる.加工用プログラム

を3DCAD/CAMで作成してNC工作機械に読み

込ませ自動運転させる.NC工作機械を駆使し,

25000 分の 1の地形図模型を製作することがで

き,複雑で判読が難しい等高線や山の高さ・標 高差が高精度で製作できる.3D模型を使うこと で,複雑な地形も再現でき,精度の高い実験が できると考える.

図1 RasberryPiを利用したAD変換システム

図2 NC工作機械3D模型の活用例

(19)

第 73 回全国産業安全衛生大会 参加報告

安藤 誠*

1.はじめに

平成26年10月23日(木)から24日(金)(分 科会)にかけ,中央労働災害防止協会主催による

「全国産業安全衛生大会2014in広島」が広島国際 会議場・広島市文化交流会館・アステールプラザ で開催された.大会では全国の事業所等から安全 衛生への改善事例や取り組みについて報告が行 われるため,安全衛生に対する意識向上及び情報 収集を目的として参加した.

2.聴講内容

分科会は 9 テーマあり,主に「安全衛生教育」

を聴講してきた.研究報告は質疑応答も含め1件 20分であった.聴講してきた発表は以下の通りで ある.

安全衛生教育

・関電プラント火力部門「職長と作業者の役割分 担を明確にしたKY活動」の改善例

関電プラント㈱/長友審

・異常時に備えた教育・訓練の取り組み 東日本旅客鉄道㈱/渡瀬清隆

・異常時対応能力の向上を目指した取り組み 西日本旅客鉄道㈱/髙田幸裕

・リスク感度を高める安全体感室の開設と発掘し たリスクの低減に向けて

西日本旅客鉄道㈱/野上和彦

・若手社員の安全意識向上を目的とした体験型安 全教育の取り組み

北海道旅客鉄道㈱/橋本侑弥

・不安全行動撲滅に向けての「出前危険体感研修」

および「安パト褒める仕組み」の取り組み ㈱NTT東日本-栃木/笠井規男

・安全の本質を探究する教育体制の構築 東海旅客鉄道㈱/橋本圭祐

* 第2技術室 物理計測班

安全管理活動 ゼロ災運動

・今だからこそ理念・手法・実践とトップ・ライ ン・職場で推進するゼロ災運動(運動展開)

中央労働災害防止協会教育推進部/畑英志

・組合のゼロ災活動 Back to the Basic 新潟県電気工事工業組合/服部芳和

・安全先取り「0からゼロへ」全員参加の KY活 動への取り組み

中部セキスイハイム工業㈱/山下伸一 リスクアセスメント

・精密鋳造職場における危険有害要因の削除 川崎重工業㈱/池田祥平

・飯能電気所のリスクアセスメントを用いた安全 活動の取り組み

西部鉄道㈱/村田崇

・屑処理センター建屋内作業の安全化 ㈱ホーシン/小久保秀亮

各発表は非常に興味深いものであったが,その中 でも今後の業務に参考となったものを報告する.

●リスク感度を高める安全体感室の開設と発掘 したリスクの低減に向けて

過去5年間の労働災害を見ると,「挟まれ・巻き 込まれ・切れ・擦れ」が全体の60%を占めており,

経験年数の浅い社員がケガをしていた.ケガに対 する警戒心がない,作業前・作業中の危険予知の マンネリ化などが課題であり,解決策として「気 付き力の向上」を目指し,“疑似体験ができる教育 施設”を作った.安全体感室は「危険予知」と「体 感」に分かれており,危険予知コーナーではDVD 教材や過去に発生した労働災害や災害発生時の 状況再現をパネル化して掲示し,一人ひとりに考 えさせるよう工夫,体感コーナーは,日常作業で ありがちな動作を触覚,視覚,聴覚によって体験・

体感させ,その感触を自らのリスクとして感じ取 らせるようにした.初年度は保護具に重点を置き,

安全帽を落下させ衝撃音や破壊状況を体感させ,

(20)

墜落事故の怖さを植え付けた.安全帯は着用させ てぶら下がり,体に受ける痛みを自ら感じ取らせ た.アンケートの結果では,ほぼ全員が危険予知 の感度が上がったと回答し,保護具の重要性も再 認識していた.また,新たなリスクとして「音」

「切創」が挙がり,音については耳栓着用の再指 導,切創については部品を固定して行うなど,作 業方法を変更してリスク低減を図った.成果とし て軽微な労働災害も減少し,安全意識が向上した.

また,新たなリスクも発掘しリスク低減措置を行 うことが出来た.

図1.安全体感室

●安全の本質を探究する教育体制の構築

近年労働災害の件数は少ないものの毎年発生 して,鉄道特有の四大災害(接触,感電,墜転落,

交通事故)である感電,墜転落も発生している.

発生原因は,知識不足,不注意,ルール違反が原 因で現行の安全教育が不十分であった.原因に対 する新たな教育を「知る」「感じる」「考える」教 育と称し,安全への道を構築することとした.

・「知る」教育

過去事例パネルを制作し,パネルには発生概 要,原因,対策等を記載した.「知る」教育を 通じて,発生状況と原因を考え理解し,過去の 労働災害を風化させない様にする.

・「感じる」教育

四大災害防止として3種類,多発災害防止と して23種類の体感型訓練装置を制作した.「感 じる」教育を通じて,労働災害の恐ろしさを体 感させ,危険感受性を向上させる.

・「考える」教育

NT(なぜだろうトレーニング)活動を活用し てグループディスカッションと行動目標設定 を行う.グループディスカッションでは原因追 及と回避方法の理解,労働災害を発生させない 意識の醸成を,行動目標設定ではどこに危険が

あるか,どのように防止するかを自ら考え,自 身の行動目標を設定する.

図2.卓上ボール盤の危険体験

3.まとめ

大会に参加して様々な事業所から取り組みや 教育について聴講することができ,安全に対する 意識が向上した.

また,安全衛生教育では,教えるだけの教育で はなく,危険を体験させる「体験教育」の報告が 多く,今後の安全教育に取り入れたいものがいく つかあった.ゼロ災運動では, KYT や指差し呼 称の大切さを改めて学び,事前に事故防止になる ことを再確認することが出来た.

本大会で得られた知見を,今後のグループ業務 や派遣先業務に活かして,労働災害防止に努めて いきたい.

図3.KYTのモデル演技

(21)

第 29 回東京大学大学院理学系研究科・理学部 技術部シンポジウム聴講 報告

小林 英一*

1. 目的

東京大学大学院理学系研究科・理学部技術部 が主催する第29回 技術部シンポジウムに参加 し,国立天文台技術系職員の紹介,ヘリウム液 化機関係,技術部Webサイトの改訂など現在の 業務および職種がとても近い方々が発表する内 容を聴講し交流することで,業務に対する理解 を深め,技術力を高めることができると期待し 参加した.

2. 開催日程

日 時:平成26年11月6日(木)

会 場:東京大学理学系研究科附属天文学教育 研 究 セ ン タ ー ( 東 京 都 三 鷹 市 大 沢 2-21-1)

参加費:無料 内 容:

1. 国立天文台の技術職員について

2. ヘリウム液化機や寒剤供給体制について 3. 技術部ウェブサイトの改訂について

Pic.1 集合写真 3. 内容

最初に,山内薫技術部長から開会の挨拶があ った.

* 第3技術室 システム制御班

本シンポジウムは出野貴仁実行委員長ほか実 行委員6名で運営されており,中堅職員が中心 的役割を担っていると感じた.以下,当方の業 務に関係の深い内容について一部抜粋する.

3-1. 国立天文台技術系職員の紹介

国立天文台は平成 16 年度の国立大学法人化 の際,大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台になった.本部は三鷹キャンパス内 にある.国立天文台の職員総数は530名で,常 勤の技術系職員は 67名(行政職の技術職員 36 名,教育職の研究技術職員31名)が在席してお り,そのうち44名(66 %)は三鷹勤務で実験 や装置の設計開発等を担当する職員,残る 23 名(34%)は国内の水沢観測所や野辺山宇宙観 測所,岡山天体物理観測所等に勤務(22 %),

もしくはハワイ観測所など海外(12 %)におり,

勤務地は広域にわたる.国立天文台は担当毎の プロジェクト制(フラット型)を採っているた め,年間目標の設定や出向・配置換えの希望調 査,採用時研修や語学研修等を担当する「技術 推進室」,ならびに全体会の開催や予算配分を受 け技術に関わるイベントの企画や実行を担当す る「技術系職員会議」といった仕組みが別に存 在する.職階は技術員(一般職)から順に,主 任技術員,技師(課長補佐級),主任技師(課長 級)となっており,他に裁量労働制を容れた研 究技師,主任研究技師という職階もある.

3-2. ヘリウム液化機や寒剤供給体制について 低温センター液化供給部門では,本郷地区 3 キャンパス内へ年間 43万Lの液体窒素と年間 27万Lの液体ヘリウムを供給している.(福井 大学内においては,液体窒素で年間最大15万L, 液体ヘリウムで年間最大1万L程の供給量)

ヘリウム液化機はLinde社製L280で液化率は 170 L/h(公称値).週に4,5日は稼働させている ため,低温センターにほぼ付きっきりの状態に なる.平成23年度中,配管が閉塞し急に液化率

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