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2015 年におけるマリンエンジニアリング技術の進歩 年におけるマリンエンジニアリング 技術の進歩 本文は,2015 年一年間における国内及び国外のマリンエンジニアリング技術の進歩の大勢について, 下記各部門別に本学会関係研究委員会委員長並びに関係各位に執筆をお願いし, 本学会誌編集

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本文は,2015 年一年間における国内及び国外のマリンエンジニアリング技術の進歩の大勢について,下記各部 門別に本学会関係研究委員会委員長並びに関係各位に執筆をお願いし,本学会誌編集委員会にて取りまとめたも のである.各部門とも,研究の展望について客観的に概説し,技術水準,機器の生産・性能の向上などを示すデ ータ,資料または製品などの紹介を行っている.取りまとめに当って特に意図した事項は,基礎的工学の進歩に 関するものは極く簡単な記述にとどめたこと,研究論文,研究資料などについては,関係学会誌を参照する形に したこと,個々の製品あるいは業績などの紹介は,代表的なものだけにとどめたことなどである.章立ては,昨 年同様としたが,第11 章その他として最近のトピックスについて調査研究を行っている第 2 種研究委員会関連 の話題を掲載した.なお資料のご提出をいただいた企業・団体の関係各位に対して厚く感謝申し上げる次第であ る. 記 1.一般 2.ディーゼル機関 3.蒸気タービン・ボイラ 4.ガスタービン 5.推進装置 6.電気・電子・自動化システム 7.燃料・潤滑油 8.補機 9. 艤装・甲板機械 10.周辺技術 11.その他 1.一般 1.1.造船関係 1.1.1 業界動向 1) 2015 年は日本の新造船受注量は英国の IHS Fairplay 社発行の“World Shipbuilding Statistics” (旧ロイド統計)によれば、4 半期を通じて安定的に 推移し, 2014 年の1,931 万総トンを6.6%上回る2,058 万総トンであった.第1 四半期は日本(621 万総トン) が韓国(416 万総トン)や中国(479 万総トン)を抑 えて世界受注1 位を記録した. 為替レートは2014 年 12 月に 7 年ぶりに 120 円台 をつけたが,その後も120円前後の水準を概ね維持し, 年平均は 121.0 円であった. その他の業界ニュース は,パナマ運河では新通航料体系・料金の発表(4 月), 大型フェリーの火災事故(7 月),新スエズ運河の開通 (8 月),韓国大手造船会社が海洋案件の大型損失計上 を発表,国内5 位の大手海運会社の民事再生法申請(9 月)など. 1.1.2 受注・就航動向 1)

前述の”World Shipping Statistics”によれば 2015 年1 月から12 月までの世界の新造船受注量は,76,570 千総トンで対前年比6.2%の減少.国別の受注シェアは, 総トンベースで,中国33.0%,韓国30.9%,日本26.9%, 欧州(CESA 加盟国)4.4%,その他 4.8%.各国の対 前年比状況は,総トンベースで,中国は19.4%減,韓 国は3.9%減,日本は 6.5%増.同様に竣工量について は,67,412 千総トンで対前年比 4.3%の増加.国別の 竣工量シェアは,総トンベースで,中国37.3%,韓国 34.4%,日本 19.3%,欧州(CESA 加盟国)2.3%,そ の他6.8%.各国の対前年比状況は,総トンベースで, 中国は10.7%増,韓国は 2.6%増,日本は 3.1%減. 1.1.3 国際規則動向2) 国際海事機関(IMO)関連の主要な会合として,5 月に第68 回 海洋環境保護委員会(MEPC68),6 月に 第95 回 海上安全委員会(MSC95)が開催された. MEPC68 では,GHG・大気汚染関係について,荒 天時等における EEDI 適用船舶の安全確保のための 「最低出力ガイドライン(暫定版)」に関し,基準を強 化する案の採択,検討中である「燃費報告制度」の適 用対象船舶(総トン数 5000 トン以上の国際航海に従 事する船舶)等の具体的な内容に関する審議の進展が なされた.バラスト水条約については,バラスト水処 理設備を先行搭載した船主が,今後のガイドラインの 改正等により不利益を被ることがないようにする方向 性が合意された.極海コードについては,環境要件関 係部分を採択し安全関係部分と併せて,2017 年 1 月 1 日に発効する予定となった. MSC95 では,新たに国際的なガス燃料船の安全基 準を義務の決定,極海を航行する船舶に乗船する船員 の基準の義務づけ,大型コンテナ船の安全対策として, 検査機関の国際規則の見直しについて国際船級協会連

2 0 1 5 年 に お け る マ リ ン エ ン ジ ニ ア リ ン グ

技 術 の 進 歩

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合に報告を求めることになった. 1.1.4 造船・海運業界におけるトピックス 2015 年 1 月から 12 月の造船各社のプレスリリース から新規性関連など主なものを以下に紹介する. 1.1.4.1 ジャパン マリンユナイテッド(JMU)3) ・1,000 トン型巡視船「たらま」「いけま」引渡し 横浜事業所磯子工場(神奈川県横浜市)建造.海上 保安庁向け1,000 トン型巡視船「たらま」(PL85) および「いけま」(PL86)を引渡し.本船は平成 24 年度補正予算で計画された巡視船「くにがみ」型6 隻の1 番船および 2 番船にあたり,船名は配属先(第 十一管区海上保安本部)の沖縄県内にある島名に由 来. 図1 上から「たらま」,「いけま」 ・ツバル国向け国際航海貨客船を引渡し 横浜事業所鶴見工場(神奈川県横浜市)建造.日本 政府の無償資金協力(ODA)による「貨物旅客兼用 船建造計画」において,ツバル国より受注した1337 総トンの国際航海貨客船「NIVAGA III」(ニバンガ スリー)を引渡し.船名は現地の言葉で海神に由来 しており,被代替船の船名「NIVAGA II」を引き継 いだもので,ツバル国にとって親しみ深い船名. 図2「NIVAGA III」 ・ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」の引渡式 横浜事業所磯子工場(横浜市磯子区)にて実施.防衛 省向け平成22 年度計画ヘリコプター搭載護衛艦「い ずも」.本艦は,護衛艦「ひゅうが」「いせ」の発展 型として航空機運用の中枢艦機能と国際平和協力活 動等における洋上拠点となる輸送機能が強化されて いる.基準排水量 19,500 トン全通甲板型ヘリコプ ター搭載護衛艦の1番艦で,海上自衛隊の護衛艦と しては、護衛艦「ひゅうが」「いせ」の基準排水量 13,500 トンを上回り最大であり,ヘリコプター5 機 分の発着艦スポットを装備. 図3 ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」 ・ヘリコプター搭載護衛艦の命名ならびに進水式 横浜事業所磯子工場(横浜市磯子区)にて実施. 本艦は、護衛艦「ひゅうが」,「いせ」の発展型であ る「いずも」型護衛艦の 2 番艦.「かが」と命名. 艦名は,石川県南部地方の旧国名に由来.平成 29 年3 月に完成,引渡し予定. ・高効率ハイブリッドCRP(二重反転プロペラ)推進 システム搭載大型フェリー受注 横浜事業所・磯子工場建造,2018 年の竣工を予定. フェリーさんふらわあ(大分県大分市)より大型フ

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ェリー2 隻を受注.竣工後は大阪府・大阪南港~鹿 児島県・志布志港間の定期航路に投入予定. 本船は,CRP(二重反転プロペラ)推進システム に加え,各種省エネ付加物の導入,最適船型の開発 により,優れた環境性能を達成.また,主機駆動と 電動機駆動という2 つの駆動方式を持つハイブリッ ド推進システムを採用し,「通常航海時の推進効率重 視の運航」と「出入港時の操船性能重視の運航」を 両立. 1.1.4.2 川崎重工業4) ・177,000m3 型 LNG 運搬船 2 隻受注 坂出工場建造.中部電力と日本郵船が折半出資する Trans Pacific Shipping7 Limited.(トランス・パシ フィック・シッピング7 リミテッド)および中部電 力 と 商 船 三 井 が 折 半 出 資 す る Trans Pacific Shipping8 Limited.(トランス・パシフィック・シ ッピング8 リミテッド)向け.2018 年の引き渡し 後に中部電力が主に米国フリーポートより調達する LNG の輸送に投入予定.本船は,北米シェールガ スプロジェクト向けに開発され,2016 年に完成予定 の新パナマ運河を通峡可能.船体構造の最適化によ る船体重量の軽量化や2 軸推進方式の採用と船体形 状最適化を図ることで,推進性能を最大限に高める とともにDFD 電気推進システムを採用することに より低速域から高速域の幅広い船速域で優れた燃費 性能を発揮. 1.1.4.3 三菱重工業5) ・次世代LNG 運搬船を 2 隻受注 長崎造船所建造.三井物産向け.船体構造の効率化 やハイブリッド推進システムの採用などにより, LNG 搭載量や燃費性能を大幅に向上させた船型を 採用.完成・引き渡しは2018 年と 2019 年の予定. 同社が北米産シェールガスの輸送用に初めて受注し たLNG 運搬船として,三井物産が参画する米国の キャメロン(Cameron)LNG プロジェクトに投入 予定.この 2 隻は,今治造船との合弁会社である MI LNG カンパニーを通じて受注.信頼性の高い MOSS 方式の球形タンクを改良して上半球部分を 膨らませたリンゴ形状タンクを4 基搭載.タンク総 容積は17 万 7,000m3 で、2016 年初めにも運用開 始が見込まれる新パナマ運河の通行が可能.推進機 関は,蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組 み合わせたハイブリッド2 軸方式 STaGE(Steam Turbine and Gas Engines)を採用.同社独自の高 効率再熱舶用蒸気タービン機関UST(MHI Ultra Steam Turbine Plant)と,ガスと油の両方を燃料

にできる2 元燃料ディーゼルエンジン発電設備およ び電気推進機関を搭載.エンジンの排熱をUST で 有効利用することでプラント効率が大幅に改善され, 低速域から高速域まで高効率運航が可能. ・次世代LNG 運搬船「サヤリンゴ STaGE」2 隻受注 長崎造船所建造.日本郵船向け.船体構造の効率化 やハイブリッド推進システムの採用などにより, LNG 搭載量や燃費性能を大幅に向上させた最新の 船型.完成・引き渡しは2018 年の予定.米国のキ ャメロン(Cameron)LNG プロジェクトから三菱 商事が調達するLNG の輸送に投入予定. 図4 次世代 LNG 運搬船「サヤリンゴ STaGE」 [柴田 繁志] 参考文献 1) 造船工業会ニュース Vol.208, 209 2) 国土交通省 Press Release http://www.mlit.go.jp/ 3) ジャパン マリンユナイテッド プレスリリース http://www.jmuc.co.jp/press/ 4)川崎重工プレスリリース http://www.khi.co.jp/pressrelease/ 5) 三菱重工ニュース http://www.mhi.co.jp/news/

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1.2 船級協会 1.2.1 船級規則の動向 2015 年 1 月 1 日から 2015 年 12 月 31 日までに改 正された機関・電気関連の船級規則のうち,主要なも のについて概要を次に示す. a)プロペラ軸の予防保全管理方式(鋼船規則 B 編)-2015 年 5 月 8 日施行 プロペラ軸の予防保全管理方式を採用する船舶にお いては,プロペラ軸の軸受部の状態を温度監視装置及 び潤滑油の定期的分析によって監視することで,損傷 等を未然に防止することが期待される.そのため,プ ロペラ軸の抜出し間隔を監視結果に応じて決定するこ とができる当該予防保全管理方式の採用を検討する船 舶が増加している.しかしながら,一部の就航船にお いて,軸受部の温度監視装置に関する冗長性の要件(2 個以上の設置又は船内から交換可能な装置であること) を満たさないことから当該予防保全管理方式を採用で きない船舶があった.当該船舶に対しては,従来予防 保全管理方式を採用する船舶に要求している6 ヶ月毎 の潤滑油の分析に加え,1 ヶ月毎の潤滑油の水分混入 量の確認又は従来の潤滑油の分析を3 ヶ月毎に実施す る要件を追加することでプロペラ軸の十分な管理が可 能であると考えられた.このため,上記要件を満足す る船舶においても,現行の予防保全管理方式と同様の 取扱いができるよう関連規定が改められた. b)軸発電装置(鋼船規則 H 編)-2015 年 5 月 8 日施行 SOLAS 条約第 II-1 章第 41.5 規則では,1998 年 7 月1 日以後に起工された船舶に対し,主電源供給の連 続性に関する規定として,2 組以上の発電装置を有す る船舶において,運転中の発電装置1 組が停止した場 合に残りの発電装置が速やかに起動し,必要な電気設 備へ給電ができることが要求されている. 上記規定に従い,鋼船規則H 編において,発電装置 として軸発電装置及びディーゼル発電装置を各1 組ず つ備える船舶に対し主電源供給の連続性が要求されて おり,また,国際航海に従事する船舶に対しデッドシ ップから復帰するための設備も併せて要求されている. 当該要件を満足するべく,運航中にディーゼル発電装 置が故障した際に,待機中の軸発電装置からの給電が できるようにするとともに,デッドシップからの速や かな復帰のため,主機を無電源状態から始動できる追 加のディーゼル発電装置等の設備を備える必要がある. しかしながら,航路を制限される船舶等,デッドシッ プからの復帰の要件が免除される船舶については,主 電源供給の連続性に関する要件のみ適用される.その ため,当該船舶であって運航中にディーゼル発電装置 1 組で給電する船舶においては,待機中の軸発電装置 を起動するために追加のディーゼル発電装置等の設備 が必要だが,軸発電装置1 組で給電する場合において は,当該発電装置が停止した際に待機中のディーゼル 発電装置によって主電源供給の連続性を維持すること ができる.このため,追加の設備要件が合理的なもの となるよう関連規定が改められた. 1.2.2 IACS の動向 2015 年 1 月 1 日から 2015 年 12 月 31 日までに採 択された機関・電気関連の IACS 統一規則(UR)及 び統一解釈(UI)のうち,主要なものを次に示す. a)プロペラ軸及び船尾管軸の検査(UR Z21(Rev.3)) 海水潤滑式又は油潤滑式の船尾管軸受を有するプ ロペラ軸又は船尾管軸(以下,軸)の検査に関する要 件が規定されているIACS UR Z21(Rev.2)に対し,こ の程,各船級協会において各船の保守管理の程度に応 じた適切な検査が実施できるよう要件の総合的な見直 しが行われ,5 年間隔の軸の抜出し検査の要件等が整 理された.更に,各船級協会の独自の知見を活かした 検査方式すべてがメニューに加えられ,各船の検査毎 に自由にその検査方式を選択できるよう規定が改めら れるとともに,新たに清水潤滑式船尾管軸受の検査に 関する要件が加えられた. b)高圧電気設備(UR E11(Rev.3)) IACS UR E11(Rev.2)においては,供給電圧が 1,000V を超え 15,000V 以下の高圧電気設備に対し, その設計及び試験の要件が規定されている.この程, 関連するIEC 規格と整合させるべく同IACS UR の見 直しが行われた結果,高圧配電盤及び高圧制御盤に対 する内部アークの保護要件等が追加された. 1.2.3 IMO の動向 国 際 海 事 機 関 ( International Maritime Organization : IMO)には,海上における人命及び安 全について検討している海上安全委員会(MSC)と海 洋環境の汚染防止について検討している海洋環境保護 委員会(MEPC)があり,国際条約及びそれに関連す る規則の制定改廃を掌っている.2015 年 1 月 1 日か ら2015 年 12 月 31 日までの MSC/MEPC の動向とし て,機関・電気関連の主なトピックを以下に紹介する. a)SOLAS 関連 MSC95(2015 年 6 月)での主なトピックは次のと おり. 1)ガス又は低引火点燃料を使用する船舶の安全に関す るコード(IGF コード) IGFコードの制定並びに同コードを強制化するため のSOLAS 条約 II-1 章及び II-2 章が改正された. 2)貨物タンクの通気装置

貨物タンクの通気装置の二次的手段として各貨物タ ンクにP/V 弁の設置を要求する SOLAS 条約 II-2 章 4 規則及び 11 規則が改正された.なお,各貨物タンク

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に圧力センサーを設置する代替措置は引き続き認めら れる. 3)雰囲気管理装置 雰囲気管理装置を導入した場合におけるRORO 区域 等の換気回数を減らすことを認めるSOLAS 条約 II-2 章20 規則が改正された. b)MARPOL 関連 MEPC66(2015 年 5 月)での主なトピックは次の とおり. 1) EEDI 検査・証書ガイドラインの改正 海上速力試験解析法のISO 規格(ISO15016:2002) の改正作業がISO と国際水槽試験会議(ITTC)によ り行われ,「ISO15016:2015」が 2015 年 4 月 1 日に発 行された.これを受け,EEDI 検査・証書ガイドライ ンに引用されている当該 ISO 規格等について審議を 行った結果,EEDI 検査・証書ガイドラインの一部改 正が採択された. 2) 燃料油の硫黄分規制 MARPOL 条約附属書 VI において,燃料油中の硫黄 分濃度を0.5%に強化する前に,低硫黄燃料油の供給が 可能であるかをレビューすることが規定されている. 同レビューは2018 年までに完了し,同レビューによ り,0.5%規制の 2020 年の開始,若しくは 2025 年ま での延期が決定される.今回,レビューの開始時期及 び手法について検討を行うための通信部会からの最終 報告が審議された.審議の結果,レビュー実施のため の特別作業部会を設立すること,2015 年 9 月 1 日ま でにレビューを開始すること及びレビュー結果の最終 報告をMEPC 70(2016 年秋)に提出することが合意 された. 3) MARPOL 条約附属書 VI 及び NOx テクニカルコードの 改正 ガス専焼エンジンのNOx 認証の要件(二元燃料エン ジンにも適用される要件も一部含む)を追加する NOx テクニカルコード改正案が承認された.また,NOx 排 出規制海域内においてNOx 3 次規制値に適合したエ ンジンのみが運転されていることを示すための航海日 誌への記録要件を追加する MARPOL 条約附属書 VI の改正案が承認された. 4) NOx 排出規制海域内における二元燃料エンジンの 油モード運転に関するガイダンス NOx 排出規制地域内において,二元燃料機関が油 燃焼モードでの運転を余儀なくされる以下の取り扱い を明確化するMEPC サーキュラーが承認された. ・ガス供給設備の故障によるガス供給制限時 ・建造直後及びドライドックの際のガスフリー時 ・エンジンの発停止時,低負荷時,逆転時など 1.2.4 研究の動向 2015 年に実施した機関関係の研究開発のうち,主要 なものを以下に示す. ・船内騒音対策効果の検証に関わる研究 日本海事協会では「業界要望による共同研究」とし て,大学及び国内造船所と共同で船内騒音の低減に効 果的な騒音対策の検証を実施している.本研究の目的 は,騒音規制値の義務化に対応した船舶の建造に寄与 することである. 図1.2 ディーゼル主機関の搭載台数及び損傷率の年度別推移 Figure 1.2 Year-by-year shifts in the number of main diesel engines installed

onboard ships and their respective damage rates 2 ストローク機関搭載台数 Number of 2-stroke engines

2 ストローク機関損傷率 Damage rate of 2-stroke engines

損傷率( % ) Dam age r at e( % ) 搭載台数 Numbe r of engine s

4 ストローク機関搭載台数 Number of 4-stroke engines 4 ストローク機関損傷率 Damage rate of 4-stroke engines 年度 Year

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1.2.5 日本海事協会の統計による国内の動向 2015 年度,日本海事協会に登録された主機搭載の新 造船は454 隻であり,搭載された主機の台数は 528 台 である.それらの内訳を表1.2 に示す.前年度に比べ ると隻数で48 隻,主機台数で 51 台減少しており.合 計出力においては789,401kW 減少している. 1.2.6 損傷統計及び概要 2014 年度,検査記録書により報告された日本海事協 会船級登録船における機関関係の一般損傷について以 下に示す. 図1.2 は,ディーゼル主機関の搭載台数及び損傷率の 年度別推移を示したものである.搭載台数は,1995 年度以降2 ストローク機関の搭載台数が増加し,4 ス トローク機関の搭載台数が減少する傾向であったが, 2006 年度以降 4 ストローク機関の搭載台数も増加に 転じている. 損傷率は,年度により増減はあるものの,最近 10 年間は 7%を下回った値で推移しており,全体的には 減少傾向にある. [松本 俊之] 表1.2 新造入級船に搭載された主機の出力区分

Table 1.2 Distribution of Engine Output of Ships Newly Registered with ClassNK in 2015 出力(kW) Output (kW) タービン,推進用電動機 Steam Turbines* or Electric Motors 2 ストローク機関

2-Stroke Diesel Engines 4-Stroke Diesel Engines 4 ストローク機関

合計 Total 以上~未満 Above - Under 隻数 No. of ships 台数 No. of engines 合計出力 Total output 隻数 No. of ships 台数 No. of engines 合計出力 Total output 隻数 No. of ships 台数 No. of engines 合計出力 Total output 隻数 No. of ships 台数 No. of engines 合計出力 Total output 30,000~ 0 0 0 4 4 209,940 0 0 0 4 4 209,940 25,000~30,000 1 1 26,000 0 0 0 0 0 0 1 1 26,000 20,000~25,000 0 0 0 1 1 21,910 0 0 0 1 1 21,910 18,000~20,000 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 16,000~18,000 0 0 0 15 15 246,870 0 0 0 15 15 246,870 14,000~16,000 0 0 0 16 16 247,562 0 0 0 16 16 247,562 12,000~14,000 0 0 0 12 12 154,820 0 0 0 12 12 154,820 10,000~12,000 0 0 0 7 7 73,265 0 0 0 7 7 73,265 9,000~10,000 0 0 0 42 42 400,850 0 0 0 42 42 400,850 8,000~9,000 0 0 0 76 76 632,660 0 0 0 76 76 632,660 7,000~8,000 0 0 0 36 36 270,084 0 0 0 36 36 270,084 6,000~7,000 0 0 0 50 50 330,197 0 0 0 50 50 330,197 5,000~6,000 0 0 0 40 40 225,838 0 0 0 40 40 225,838 4,000~5,000 0 0 0 26 26 119,130 0 0 0 26 26 119,130 3,000~4,000 0 0 0 20 20 71,960 5 6 20,127 25 26 92,087 2,000~3,000 0 0 0 8 8 21,743 8 9 22,368 16 17 44,111 1,000~2,000 0 0 0 0 0 0 28 45 65,970 28 45 65,970 0~1,000 0 0 0 0 0 0 59 114 68,128 59 114 68,128 合計 Total 1 1 26,000 353 353 3,026,829 100 174 176,593 454 528 3,229,422 (1) タービン,推進用電動機搭載船 1 隻のうち,タービン搭載船は 1 隻で 1 機 1 軸である. (2) 2 ストローク機関搭載船 353 隻は全て 1 機 1 軸である. (3) 4 ストローク機関搭載船 100 隻のうち,1 機 1 軸は 27 隻,2 機 2 軸は 71 隻, 4 機 4 軸は 1 隻である. Notes:

1) The steam turbine installed onboard one ship equipped with such a system consisted of one main turbine with one tail shaft.

2) The prime movers installed onboard all subject ships (353 ships in total) equipped with a 2-stroke diesel engine consisted of one main engine with one tail shaft.

3) Of the 100 ships equipped with 4-stroke diesel engines onboard, the prime movers of 27 ships consisted of one main engine with one tail shaft and those of 71 ships consisted of two main engines with two tail shafts and those of 1 ships consisted of four main engines with four tail shafts.

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1.3 研究開発 本稿では,企業や大学以外の組織で実施されている 研究,あるいは公募型研究の動向について記す. 1.3.1 日本船舶技術研究協会 1) 一般社団法人日本船舶技術研究協会では,我が国造 船・海運産業の国際競争力及び技術基盤の強化を図る とともに,物流効率化,安全確保,環境保全等のこれ ら産業が直面する技術課題に対応するため,戦略的研 究開発を行っている.2015 年度に実施された課題を以 下に列記する.また,下記以外の船舶技術や海洋開発 に関しても,業界のニーズを踏まえた調査研究やプロ ジェクト育成(インキュベーション等)を実施してい る. a) 船舶ビッグデータを活用した海事産業の国際競争 力強化(2015 年度終了):船舶の運航と情報通信技術 の組み合わせは,今後の海事産業における技術革新に おいて極めて重要であり,国際競争力を大きく作用す る.そのため,我が国海事産業が注力すべき船舶ビッ グデータの活用分野や技術を特定し,その具体的な開 発目標や工程を明示した戦略工程表を策定した. b) レーザアークハイブリッド溶接による新溶接法の 研究開発(2015 年度終了):船舶建造の高品質化・効 率化等を実現するレーザアークハイブリッド溶接に関 して,実証実験装置を使用して厚板の片側完全溶け込 みT継手及びステイク溶接継手等の新溶接法の研究を 実施し,片側完全溶け込みT 継手については適正溶接 条件の導出,ステイク溶接継手については基礎的な知 見を得る等,所定の成果をあげた. c) 未来の船舶技術に関する調査研究(2015 年度終 了):主として船舶技術に関する先端技術やその応用技 術について文献調査等を実施し,未来の船舶技術のイ メージを議論するための基礎資料をとりまとめた. d) 造船用パワーアシストスーツの開発(2016 年度も 継続):「造船所へのパワーアシストスーツ適用可能性 に関する調査研究」(2014~2015 年度)では,上向き 作業(溶接,グラインダー,歪取り,塗装等)に適し たパワーアシストスーツについては造船所のニーズが 高いだけでなく,既に市場投入済みあるいは開発中の 他産業用パワーアシストスーツを使用した造船現場で の試着や労働負荷・安全性評価等により,造船工程用 として使用する際に必要な機能等が明らかになった. そこで,当該事業の成果等を踏まえつつその開発(プ ロトタイプの作製)を進めている. e) 工場見える化システムの実用化(2016 年度も継 続):「船舶建造高品質化・効率化技術の調査研究(工 程管理システムの調査研究)」(2012~2014 年度)で は,ビデオ画像を用いて造船所の作業者や工程をモニ タリングするシステムを構築した.当該システムに加

速 度 セ ン サ や Wi-Fi ,GPS (Global Positioning System),RFID(Radio Frequency Identifier)リー ダ等のデータを活用するシステムを融合し,人・モノ の識別,作業識別及び行動識別を行う総合的なモニタ リングシステムを開発して,造船所の現場で活用でき る「工場見える化システム」としての実用化を図って いる. f) レーザアークハイブリッド溶接における FPD に関 する調査研究(2016 年度も継続):レーザアークハイ ブリッド溶接の継手は,硬くて狭い溶接金属部を有す るため,継手の靱性評価のためのシャルピー試験時に FPD(Fracture Pass Deviation)が発生する可能性が ある.この場合,破断経路が溶接金属から母材側に逸 れて見かけの吸収エネルギーが大きくなり,溶接部自 体の正確な靱性評価が困難となる.この課題を解決す るため,関連する文献等を参考にシャルピー衝撃試験 を実施し,その結果を分析する等により,レーザアー クハイブリッド溶接部に対する靱性評価方法を確立し ている. g) 液化水素ローディングシステムの開発とルール整 備(2016 年度も継続):将来,大量の水素需要に対応 するためには,海外の安価な褐炭や再生可能エネルギ ーから水素を製造し,液化して日本に輸送する一連の 水素サプライチェーンの確立が必要である.このサプ ライチェーンの一部を構成する液化水素用のローディ ングシステムの開発及びローディングのためのルール 整備を実施している. h) 革新的将来船舶技術に関する調査研究(2016 年度 も継続):2015 年度までに実施してきた造船生産技術 や船舶技術に関する調査結果,そしてこれらの調査結 果に対する関係者の意見等を踏まえつつ,革新的将来 船舶技術(生産技術を含む)の今後の方向性を議論す るための基礎資料をとりまとめている. i) 新たな海洋フロンティアへの展開に向けた基礎的 調査(2016 年度も継続):我が国には造船技術を基盤 にした優れた洋上浮体関係の技術の蓄積がある.現在, 石油・ガス等の生産海域は次第に沖合化,大深度化が 進展している.さらには,洋上風力発電や,海流・潮 流・波力発電といった海洋エネルギーの利用の試み等, 我が国の優れた浮体関係技術が貢献できる潜在的分野 や領域は拡大している状況にある.このため,我が国 の浮体関連技術を活用できる可能性のある分野・領域 についての基礎的調査を実施し,今後の具体的展開に つなげることで,優れた技術を持つ我が国企業の進出 を支援していく. j) 高速船の構造設計技術の高度化に関する調査研究 (2016 年度も継続):現在,長さ 50m までの高速船 に適用される「高速船構造基準」を見直し,適用範囲

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を拡大すること,及び新しい高速船の構造設計に対応 可能な基準とすることを目標に調査研究を実施し,我 が国造船界・国内旅客船業界の競争力の強化を図って いる. k) バラストタンクの防食技術に関する調査研究 (2016 年度も継続):バラストタンクの防食システム の性能向上,コスト削減,環境負荷低減を目標として, エポキシ塗装に代わるバラストタンク防食技術として の耐食鋼+塗装システムを実現するために,造船・海 運・塗料メーカ・鉄鋼メーカの参加による調査研究を 実施している. l) シップリサイクル条約対応プロジェクト(2016 年 度も継続):EU 域内でシップリサイクル条約準拠法が 発効する一方,日本国内ではシップリサイクル条約の 批准に向けた検討が進められ,2016 年夏頃を目処に国 内法制化に際しての方向性が国により取りまとめられ ることとなっている.これらの国内外の動向に的確に 対応するため,引き続き国内の内航海運・造船事業者 に周知啓蒙活動等を展開していく.さらに,国内法制・ 制度整備の同港や内容の把握に努め,早期に内航海 運・造船事業者等関係者へ周知し,同協会のイベント リ作成の内容や体制にも適時に反映している.また, EU 域内法の適用を受けインベントリ保持義務が生じ るEU 域内寄港日本漁船へのインベントリについての 周知啓蒙及びインベントリ作成支援を実施している. 1.3.2 日本舶用工業会 2) 一般社団法人日本舶用工業会では,環境問題への対 応に関する事業や,研究開発等の活性化に関する事業 を行っている.環境問題への対応に関する事業として, 2015 年度に以下の 3 項目を実施した. a) 省エネ対策への取り組み:舶用機関製造業における CO2排出削減等に向けた自主行動計画を定めた. b) シップリサイクルへの対応:国交省が設置した「シ ップリサイクル条約の批准に向けた検討会」(シップリ サイクル条約は2009 年 5 月に採択)に参加し,条約 及び関連ガイドラインに適合するための国内の法制度 のあり方等を検討するとともに,本条約についての周 知,啓蒙を図った. c) バラスト水排出規制への対応:IMO 条約策定に関 し,業界としての要望を日本政府に伝え,また,技術 的なサポート等を実施するとともに,本条約について の周知,啓蒙を図った. さらに,研究活動等の活性化に関する事業として, 新製品開発活性化のための支援事業を行っている.国 際競争力の強化と新需要開拓に資する新製品開発等の 活性化を図るため,日本財団の助成を受け,2015 年度 に以下の4 課題を実施した. a) 舶用ディーゼル/ガス機関対応の燃料消費量表示装 置のニーズ型技術開発(2014~2015 年度):今後増加 が見込まれるガス機関(ディーゼル/ガスのデュアルフ ューエル機関)を対象に,軸馬力計で計測した機関出 力や燃焼条件等からガス機関の高精度な燃料消費量 (率)の計測技術を確立することにより,運航中の船 舶の燃料消費量(率)やCO2排出量・EEOI(エネル ギー効率運航指標)等をリアルタイムにモニタするこ とが可能な燃料消費量表示装置(2014 年度に試作済 み)を設置し,ディーゼル/ガス機関の実機同等の試験 機による陸上総合試験を行った. b) 舶用液体水素用温度センサ及び温度監視システム の技術開発(2015~2016 年度):燃料電池自動車への 水素利用の動きが進んでいることを背景として,世界 初の液体水素運搬船が実用化に向けて計画されている. しかし,船舶用として-253℃の超低温を計測すること が可能な舶用液体水素用温度センサは存在しない. 2014 年度 FS 事業で調査した結果,感度を向上するこ とで液体水素用温度センサの開発が実現可能であるこ とが分かった.本研究は,温度センサの用途(タンク 内,ガス漏れ,荷役用配管等)に最適な形状とした 5 種類の舶用液体水素用温度センサ及び温度監視システ ムを開発するものである.2015 年度は,プロトタイプ の温度センサを試作し,その性能評価等を実施した. c) 複合材料製ポンプ(インペラ及びケーシング)につ いての技術開発(2015~2016 年度):舶用ポンプのイ ンペラやケーシングの材料は一般的に青銅鋳物である が,本研究ではポンプ効率の向上及び軽量化を図るた め複合材料(FRP)製ポンプの開発を行う.2014 年 度FS 事業で調査した結果,渦巻きポンプ材料に求め られる最適な繊維と樹脂の組み合わせや成型方法等で 複合材料(FRP)製ポンプの開発が実現可能であるこ とが分かった.本研究は,口径40 の横型渦巻きポン プと口径200 の縦型渦巻きポンプの試作機を製作し, 青銅鋳物製のポンプと比較してポンプ効率を 2%以上 向上させつつ,ポンプ重量を40%以上軽減でき,メン テナンスも容易な複合材料(FRP)製ポンプ(インペ ラ及びケーシング)を開発するものである.2015 年度 は,横型及び縦型の渦巻きポンプを設計し,横型渦巻 きポンプを試作した. d) IMO の国際的規制に対応した小型化を可能とする 排ガス浄化システムの技術開発(2015 年度):一般に 船舶は高硫黄燃料を使用している.IMO の排ガス (SOx)規制をクリアするためには低硫黄燃料を使用 すれば良いが,低硫黄燃料は高価であり実用的ではな いと考えられる.このためその代替措置として排ガス 浄化装置(スクラバ)が認められているが,現在のス クラバ装置は構成する機器類が多く,大きなスペース が必要である.本研究は,洗浄水を中和するためマグ

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ネシウム板を電極材とした電池型アルカリ供給装置を 使用したスクラバ(SOx)に係る洗浄水汚濁防止シス テムに関する商品を開発するものである.同装置は従 来型と比較して大幅なスペース低減が可能であり,ま た,マグネシウム電池の取り扱いや運搬等が容易であ ることからランニングコストも低く経済的効果が期待 できる. これらのほか,新製品開発活性化のための環境の整 備として,2015年度に以下のFS事業4件を実施した. ・船体姿勢(運航時等)最適化のためのバラスト自動 調整装置の調査研究 ・IMO の騒音規制に適合する周波数可動型サイレンサ の開発 ・排ガス浄化装置(EGCS)洗浄水の水質計測につい ての調査研究 ・貨物運搬船やタンカー等における亀裂発見のための サーモグラフの応用についての調査研究 上記支援事業のほかに,従来のスマートナビゲーシ ョンシステム研究会を発展させた新たな研究会を発足 させ,国際規格のフォロー並びに本システムの更なる 検討のための活動を行った. 1.3.3 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 3) 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構では, 民間で行われる高度船舶技術の実用化促進により内航 海運の効率化や環境負荷低減することを目的に,高度 船舶技術実用化助成事業 4) を実施している.当該事業 として,2015 年度は以下の 2 課題を実施した. a) 複合材料製プロペラの実用化(2014~2015 年度): 複合材料製プロペラは,従来のアルミ青銅鋳物(NAB) の回転軸(ボス)にカーボン繊維プラスチック(CFRP) 製の翼(ブレード)を組み合わせたプロペラである. CFRP は NAB に比べ,軽量,高強度,高い振動減衰 等の特性を有しており,この特性を利用して搭載する 船舶の推進性能及び静粛性を向上させ,内航海運の効 率化,環境負荷低減,乗船者の快適性等に資すること を実用化の目的とする.本事業では,プロペラの構造 解析及びボスとの嵌合部の強度解析等を実施し,複合 材料製プロペラの設計及び製造法について検査機関の 承認を得るとともに,実船性能確認試験等を通じて, 実用化を図った. b) 内航船向け中速主機関用金属ばね防振装置の実用 化(2015 年度):従来,船舶機関の防振装置には防振 ゴムが使用されてきたが,本事業ではより高い防振効 果及び耐久性を有する金属ばねを用いた内航船舶向け 防振装置の実用化を図る.これによりメンテナンス作 業が簡略化されるとともに静粛性が向上し,内航海運 の効率化,乗船者の快適性等がさらに促進されること となる.振動計算等により最適な防振装置の構造を検 討,計画し,性能確認試験を実施した.また,防振構 造設計については検査機関の承認を取得するとともに, 量産化に向けた商品化設計等を通じて実用化を図った. 1.3.4 次世代海洋環境関連技術開発支援事業 5) 国土交通省は,海洋環境問題への関心の高まり等を 背景に,国際海運から5 割の CO2排出量削減を図るこ とを目的として「次世代海洋関連技術開発支援事業」 (2013~2016 年度)を行っている.当該事業として, 2015 年度は以下の 19 課題を実施している.なお,19 課題すべてに,一般財団法人日本海事協会が共同研究 者として参画している. ・船舶からのGHG 削減に資する研究開発 -広範囲な 負荷域で利用できる舶用マイクロバイナリー発電シ ステム- (バイナリー発電:沸点の低い媒体を蒸発 させてタービンを回して発電を行う方式)

・船舶に搭載可能なLNG(Liquefied Natural Gas) 燃料タンク及び気化システムの研究開発 ・帆主機従ハイブリッド船「ウィンドチャレンジャー」 の研究開発(帆主機従ハイブリッド船:主たる推進 力は帆によって得つつ,エンジンがそれを補完する 船舶) ・船舶主機排熱利用 VPC システムの実証(VPC

(Variable Phase Cycle)システム:沸点の低い媒 体を用いて,気体と液体が混ざった流体でタービン を回して発電を行うシステム) ・船体塗膜粗度低減と粗度パラメーターから実船摩擦 抵抗変化率を推定する方法の研究 ・低圧ガス噴射式2 ストローク・ガスエンジンの研究 開発 ・防汚材フリー超低燃費防汚塗料の研究開発 ・スマートフリートオペレーションの研究開発 ・ばら積船からのCO2削減のための各種省エネ手法・ 装置の開発及び投資回収に関する研究 ・高度航海支援システムの研究開発 ・舶用大型ディーゼル機関のEGR 装置による CO2及

び NOx 削減技術の実証(EGR(Exhaust Gas Recirculation):排ガスの一部をエンジン吸気に戻 すことによりNOx 排出低減を図る技術)

・多種燃料対応舶用機関の研究開発

・CPP 回転数翼角の同時制御による船舶の省エネ技術 の開発(CPP(Controllable Pitch Propeller):可変 ピッチプロペラ,プロペラの翼角を変化させること のできるプロペラ) ・舶用ディーゼル主機の複合低環境負荷システムの開 発(複合低環境負荷システム:排気ガスの一部をエ ンジンの吸気に返すEGR システム,燃料に微細な 水を混ぜる水エマルジョン燃料供給システム及び大 小の過給機を負荷によって切り替える過給機カット

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を組み合わせ,CO2削減を達成しつつ,NOx の排出 量も低減するシステム) ・環境に優しい機関システムの開発(メタノールを燃 料として使う機関システムの開発) ・舶用コンバインドサイクルシステムの研究開発(コ ンバインドサイクル:ガスタービンとその排熱を利 用した蒸気タービンを組み合わせた機関) ・空気潤滑法の既存船装備技術に関する開発(空気潤 滑法:船底から気泡を吹き出すことで船体の抵抗を 減少させる技術) ・シェールガス対応LNG 運搬船に搭載する新形式 2 軸推進プラントの研究開発 ・LNG 改質による舶用燃料電池を使用したハイブリ ッド電力供給システムの研究開発 1.3.5 海洋資源開発関連技術開発支援事業 6) 国土交通省は,世界の海洋開発市場の急成長を背景 に,海洋資源開発に関する研究開発を促進し,我が国 の海事産業の活性化及び国際競争力の強化を図ること を目的として「海洋資源開発関連技術研究開発支援事 業」(2013~2017 年度)を行っている.2015 年度は, 新規及び継続課題併せて以下の14 課題を実施してい る. ・オフショア向けガス混焼エンジンの開発 ・オフショア向け液化天然ガス移送ホースの開発 ・FLNG(Floating Liquefied Natural Gas)等向け

舶用天然ガス液化装置の開発

・波長児童切り替え型LED(Light Emitting Diode) 光無線通信装置の開発 ・オフショア支援船等向け船体位置保持技術の開発 ・オフショア支援船等向け舶用推進機器のシステム化 技術の開発 ・自立潜水型海中設備保守整備技術の開発 ・次世代大水深用半潜水型掘削リグの開発 ・オフショア向け大出力,高電圧発電システムの開発 ・大型サプライボート向け電気推進システムの開発 ・膜厚自己診断塗料を使用したオフショア向け高耐久 性塗料の開発 ・水中用高速通信非接触回転コネクタの開発 ・新たな通信バンド(Ka 帯)を利用した衛星通信装 置の開発 ・次世代船体位置保持技術の開発 1.3.6 海上技術安全研究所 7) 国立研究開発法人海上技術安全研究所(2016 年 4 月1 日より国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研 究所海上技術安全研究所)では,独立行政法人通則法 に基づく第3 期中期計画(2011~2015 年度)におい て,海事行政に係る政策課題に適切に対応するため重 点的に取り組む研究開発課題を定めて実施している. 当該課題のうち2015 年度に実施された研究及び成果 (中期計画期間に得られた内容を含む)の概要を以下 に記す.多くの研究が他組織との共同研究となってい る.なお,研究に関する詳細な情報は研究報告書 8) び各年度の業務実績報告9) 等から得ることができるの で,そちらを参照されたい. a) 海洋環境保全関連(CO2排出削減を含む) 1) 海洋・大気等規制の概念設計と規制手法の開発に関 する調査研究:我が国の現在及び将来における新しい 大気環境規制の策定に対する技術的バックアップ,及 び大気環境分野の発展への寄与を目的として,AIS

(Automatic Identification System)情報等を利用し た船舶由来大気汚染物質排出インベントリデータ解析 システムの開発,及び排出インベントリデータの作 成・精緻化等を行った.同インベントリデータ及び気 象データを用いて大気反応・拡散シミュレーション計 算を行い,SOx,NOx,PM 濃度等における船舶寄与 割合の評価及び環境規制による大気汚染物質低減効果 の評価を行った.また,将来の環境規制(グローバル 硫黄分規制)導入時における費用対効果に関するケー ススタディを行った. 2) 実運航性能シミュレータの開発に関する研究:実運 航状態をより忠実に再現することを目的として,船体 応答,主機トルクリミット,ガバナー制御を考慮して 船速,燃料消費量の評価を可能とする実運航性能シミ ュレーション技術を開発し,実船データによる検証を 行った.同技術に基づき,実運航での燃料消費量を1% の精度で推定することが可能な実運航性能シミュレー タ(VESTA)を開発した.また,同技術を利用して船 首部に装着する実海域省エネ装置STEP を開発・実用 化し,実船による検証により実海域で主機出力 3%の 低減を確認した. 3) 船舶の省エネ設計のための革新的水槽実験技術の 研究:実海域における船舶の性能評価を目的として, 波浪中での船体・プロペラ・主機応答を一体として評 価できる新しい水槽試験技術を開発した.この試験法 を実現するため,ターボチャージャーを含む2 ストロ ークディーゼル主機の数学モデルを構築し,さらに同 モデルを用いて,波浪中を航行する模型船のプロペラ トルク変動に応じた主機回転数・燃料投入量の変動を 水槽試験で計測することが可能な主機特性模擬自航装 置を開発した.また,模型船と実船の粘性抵抗の違い を補正するため,応答性が高く波浪中でも所定の補助 推力を発生することが可能な補助推力装置を開発した. 実海域水槽においてこれらを用いた自由航走試験を行 い,実海域での船速低下や燃料消費量を直接的に計 測・評価できることを確認した. 4) 実海域省エネデバイスの開発に関する研究:実海域

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性能に優れた省エネデバイスの提案とその設計法の確 立を目的として,プロペラと一体化した最適省エネデ バイスシステムの開発等を実施した.実海域における 省エネ効果に優れたWAD(Weather Adapted Duct) を開発し,他の省エネデバイスとの干渉問題について 検討した.CFD を基盤とする WAD 設計ツールの高度 化により,伴流係数の良くない船型でも高い省エネ効 果が得られる新しい省エネ装置 USTD(Upper Side Tapered Duct)を開発した. 5) マリンハイブリッドシステムの開発に関する研 究:船舶の省エネ化や高度化の観点から注目されてい る,二次電池やモータを利用した船舶ハイブリッド化 による省エネ効果を分析・評価し,舶用ハイブリッド システムの概念設計や低温排熱回収技術等の要素技術 開発を行った.リチウムイオン電池並びに周辺機器の 安全性評価試験を行い,民間企業と共同で船舶用電池 システムを完成させた.容量13kWh の船舶用リチウ ムイオン電池システムをシームレス実験船に搭載し, リチウムイオン電池の充放電及び主機アシスト運転等 の各種実船試験により,それらの機能及び有効性を実 証した.さらに,船舶のハイブリッド化による CO2 削減効果を確認するため,スチームエンジン・スター リングエンジン・熱電発電モジュール等について,要 素試験並びに実船試験を実施した.また,天然ガス燃 料の船舶利用を想定したガスエンジン・燃料電池に関 する各種試験を実施し,負荷変動や低負荷運転対応の ための蓄電技術の適用等,実用化に必要な技術課題を 抽出した. 6) NOx 低減技術の高度化に関する研究: NOx ポスト 3 次規制への対応を念頭に置き,舶用 SCR システムの 高機能化,耐久性向上,低コスト化を図ることを目的 とした研究である.SCR を搭載した低速ディーゼルエ ンジンの実船試験方案の検討,SCR 脱硝システムの認 証技術に関するスキームA及びスキームBの精度確認 試験,セメント運搬船の3 号発電機排気管に設置した SCR 脱硝を用いた触媒耐久実船試験,実船 SCR シス テムに装着したジルコニア式NOx センサの長期排ガ ス暴露試験等を実施した.また,EGR(排ガス再循環), エマルジョン燃料,HIS(Hybrid Injection System) 等のNOx 低減のためのインエンジン技術について各 種の基礎試験を実施し,多くの知見を得た。 7) 環境影響物質処理システム(脱硝・脱硫・排熱回収) の最適化(GHG 排出削減を含む)に関する研究:複 数の排ガス後処理技術を組み合わせたシステムの 最適化設計を行うため,「舶用排ガス後処理システム シミュレータ」を開発し,実験結果との比較解析を行 った.また,モデルケースを使ったパラメータサーベ イ解析等を介して排熱回収システムの最適条件に関す る評価法を検証した.IMO におけるブラックカーボン (BC,Black Carbon)に関する議論に対応すること を目的に,中速4 ストロークエンジン及び低速 2 スト ロークエンジンを用いてFSN(フィルタスモークメー タ),PAS(光音響法),MAAP(多角度吸光度法), LII(レーザー誘導発光法)等の BC 計測法による同時 計測ラボ試験を行い,多くの知見を得た.また,実船 計測を行い,各計測法の船上計測の実現可能性・耐久 性等についても検討した.さらに,スクラバの常時モ ニタリングのための計測技術(pH,多環芳香族炭化水 素(PAH,Polycyclic Aromatic Hydrocarbon),濁度) の検証及びスクラバ排水性状に関する調査を行った. 8) 船舶に起因する生態系影響の評価技術の構築に関 する研究:船舶付着による水生生物の越境移動が問題 視されていることを背景に,IMO は船体付着生物の越 境移動の最小化に関するガイドラインの検討を進めて いる.本研究では,ムラサキイガイ,フジツボ及びス ジアオノリを用いた生物付着ラボ試験を実施し,その 結果を踏まえて客観性を有する船舶防汚塗料の性能評 価手法を構築した.さらに,上記の生物付着ラボ試験 方 法 を ISO ( International Organization for Standardization)で国際標準化するために,防汚塗 料の選択方法や施工上留意すべき点等を含む新規作業 項目を提案した. b) 安全・基準関連 1) 先進的な荷重・構造一貫性能評価手法の開発及び新 構造基準の検討に関する研究:IMO の油タンカー及び ばら積み貨物船GBS(Goal Based Standards)に適

合した国際船級協会連合(IACS)の共通構造規則 (CSR)の導入等の結果,構造解析の適用範囲が貨物 エリア全体まで拡大している.また,大型コンテナ船 等では全船構造解析が不可欠な状況にある.こうした 背景のもと,非線形現象が顕著となる荒天時を含めて, 全船モデルに作用する荷重の時刻歴の推定から,それ を入力とする構造応答及び強度評価までを一貫して実 施できる手法及び解析プログラム(NMRI-DESIGN) を開発した.さらに,実用化と普及を目指して,ばら 積み貨物船及び大型コンテナ船の降伏,座屈及び疲労 強度評価を造船所との協業により実施した. 2) リスクベースの安全性評価手法を適用した設計技 術の確立及び安全基準の策定に関する研究:リスクベ ース設計に必要となるハザード同定(HAZID, HAZard Identification)手法,事故シナリオの体系化 を行うとともに,定量的リスク評価のためのシミュレ ーション手法の開発を目指す研究である.体系的 HAZID 手法では,船舶のような複雑システムのハザ ードを階層的かつ網羅的に取り扱うことが可能な手法 を開発した.定量的リスク評価のためのシミュレーシ

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ョン手法については,建築物を対象とした火災避難解 析シミュレーションプログラム(FDS-EVAC)に対し て,船舶が傾斜した場合の避難解析を可能とするルー チンを組み込み,船舶火災における火災避難解析に適 用可能なシミュレーションプログラム等を開発した. 本研究の成果をリスクベース設計ガイドラインとして まとめた. 3) 実海域再現水槽と操船リスクシミュレータを融合 した海難事故等再現・解析技術の高度化に関する研 究:実際のブローチング事故当時の多方向不規則波を 水槽内で再現し,実海域波浪場中でのブローチング現 象の発生に初めて成功した.より高度な海難事故解析 を行うため,波浪中における船体の過渡応答を評価す ることが可能なたたみ込み積分型船体運動計算プログ ラムを開発した. 4) 事故原因分析とヒューマンファクター分析に基づ く合理的な安全と運航規制体系の構築に関する研究: AIS 情報を元に船舶の通航密度及び遭遇頻度を解析す るAIS データ解析ツールを作成し,海洋構造物付近を 避航する場合の船舶の通航密度分布等を算出した.ま た,AIS 情報を元に航行時刻や船種・船型を考慮した OD(Origin and Destination)データ・航路帯データ・ 船舶属性データを作成し,AIS 搭載船の交通量や航行 環境の変化等の将来予測を見通した交通流の行動モデ ルを作成する船舶発生データ構築ツール(OD Editor) を開発した.さらに,AIS 情報を基にした AIS 搭載船 の行動モデルと,海上保安庁によるレーダー調査結果 及びアンケート結果等に基づいて作成した AIS 非搭 載船及び漁船の行動モデルを用いて交通流シミュレー ションを行い,AIS 仮想航路標識を用いた推薦航路を 定義する基線の導入による船舶交通流の安全性・経済 性への影響について検討・評価した. c) 海洋開発関連 1) 浮体式洋上風力発電システムの技術開発・安全性評 価に関する研究:風車の応答,浮体の応答及びブレー ドピッチ制御が連成する複雑な浮体式風力発電施設の 挙動を評価する連成挙動計算システムを完成させた. また,風洞・水槽実験による評価技術として,ブレー ドピッチ角を制御することが可能な風車模型を開発し, 浮体動揺を模擬した風洞実験技術を確立した.かねて より参画していた環境省実証事業については,実証機 (2MW 風車搭載)に設計・設置した浮体部計測シス テムを安定して運用させ,成功裏に終了した. 2) 複合再生可能エネルギー発電システムに係る技術 開発・安全性評価に関する研究:風・流れ・波等の再 生エネルギーについて,複合利用を含めた総合的な日 本近海ポテンシャルの評価を行い,発電事業や実海域 実証フール土の適地選定用データベースを完成させた. また,波力・潮流及び海流の発電施設の力学モデルに ついて,実験及びシミュレーション計算により検討し, 得られた知見を国土交通省のガイドラインに反映させ た. 3) 洋上天然ガス生産システム等の総合安全性評価技 術に関する研究:複合環境条件下における洋上での石 油・LNG 移送に対する安全性・稼働性評価ツールと して,2 船体-係留システム-ライザーシステム-係 船索,フェンダー-出荷装置等の一体解析に基づく洋 上出荷オペレーションシミュレータを開発した. Tandem 方式並びに Side-by-Side 方式の LNG 出荷に 対し,約4 日分の環境条件を用意して Availability 評 価を実施した.以上の成果により,Availability 解析 のための体系を構築した.円筒型浮体並びにセミサブ 浮体の係留システムについて,VIM を考慮した安全性 評価を可能とするとともに,ISO/TC67/SC7 に出席し、 当所の研究開発成果に基づいて規格の審議を行った. 4) 海底鉱物資源開発等に係る基盤技術の構築に関す る研究:経済産業省の委託を受けて独立行政法人石油 天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が実施し ている採鉱・揚鉱パイロット試験事業に参加し,2017 年度に実施が計画されているパイロット試験に向け, 採掘要素技術試験機の洋上試験方案の検討,揚鉱管の 評価,パイロット試験方案の検討を行った.また,揚 鉱システムの要素技術として,傾斜管内の圧力損失推 定手法を開発するとともに,小規模循環式摩擦試験を 通じて,管内摩耗量を評価するための摩耗モデル式を 構築し,実機スケールの揚鉱管の摩耗量を推定すると ともに,循環式摩耗試験による鉱石の摩耗度評価手法 を開発した.さらに,海底熱水鉱床等の広域探査を行 う た め の 小 型 で 安 価 な 航 行 型 AUV (Autonomous Underwater Vehicle)の初号機 1 機を 開発するとともに,洋上中継器,投入揚収装置を開発 した.AUV システムの要素技術開発として,AUV 形 状設計手法,スラスターモーター,及び油漬電池等の 開発を確実に進めた. d) 海上輸送高度化関連 1) 高速情報通信システムを利用した運航支援技術の 高度化に関する研究:大型船と小型船の衝突事故の要 因としてお互いの位置情報が共有できていない点に鑑 み,大型船については AIS 情報,小型船については RADAR ARPA 機能による TT 情報を収集・統合し, その船舶位置情報を構築する海域船舶単一位置情報シ ステムを開発した.同情報システムの画面配信システ ムとして,船陸間通信に携帯電話網の LTE(Long Term Evolution)通信を採用,データ収集及び配信に クラウドサーバを利用することで,海域を問わない位 置情報共有システムを確立させた.

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2) 内航船の競争力強化に資する運航支援・建造技術に 関する研究:内航海運の競争力を高めるため,ソフト・ ハードの両技術的側面からサポートする研究である. ソフト面の支援としては,高解像度パン・チルト・ズ ーム(PTZ)カメラを用いた広角画像及び操船者の要 求に応じたズーム画像をタッチパネル操作で提供する 見張り支援システムを試作し,同システムに差分画像 を用いた移動体検出アルゴリズムによる移動体抽出機 能を組み込むことで,ビデオ画像から移動する船舶の 検出を可能とした.また,機関の確実な点検作業の履 行の確認と点検記録の入出力の省力化を目的として, 携帯端末,RFID リーダ及び RFID から構成される機 関点検支援システムの実用化に向けた開発を行った. ハード面の支援としては,曲率線展開・プレス施工支 援統合システム,及び 3D CAD(3-Dimensional Computer Aided Design)ベースの新曲率線展開シス テムを開発し,中手の2 造船所へ試験導入することで 曲率線展開及び曲げ加工の普及を図った.また,曲げ 加工・配管現場合わせ作業・艤装品取り付け・生産管 理支援AR(Augmented Reality)アプリケーション を開発した.さらに,造船向け建造モニタリングシス テム等を大学等と共同開発し,造船所への試験的導入 を図った. 3) 人に優しい海上輸送システムの開発に関する研 究:2014 年度に開発したシームレス小型船システムの 実験船の社会実験等の成果を踏まえ,同システムの実 用化を図るため,離着岸支援システム,係船作業支援 システム,乗下船装置自動制御システム,エコ運航支 援システムを開発し,これらを同実験船に実装して岸 壁及び海上航行においてその機能を検証した.また, 電気自動車(EV,Electric Vehicle)と船舶間の充放 電技術,実運航時の負荷変動を伴う状況でEV 充電を 安定的に行うための充電制御技術を開発し,海上航行 等により機能を確認した. 海上技術安全研究所では,以上の研究のほか,科学 研究費,民間受託等により,流体・環境・海洋等の広 い分野で多くの研究が実施されている. 参考文献 1) 日本船舶技術研究協会ホームページ http://www.jstra.jp/ 2) 日本舶用工業会ホームページ http://www.jsmea.or.jp/ 3) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構ホームページ http://www.jrtt.go.jp/ 4) 同上,高度船舶技術実用化 http://www.jrtt.go.jp/02Business/Shipbuilding/s hip-index.html 5) 国土交通省,次世代海洋関連技術開発支援事業 http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk5_0 00002.html http://www.mlit.go.jp/common/001019527.pdf http://www.mlit.go.jp/common/001023212.pdf 6) 国土交通省,海洋資源開発関連技術研究開発支援 事業 http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk5_0 00021.html http://www.mlit.go.jp/common/001098659.pdf 7) 海上技術安全研究所ホームページ http://www.nmri.go.jp/ 8) 同上,研究所報告 http://www.nmri.go.jp/achievements/intellectua l_property/printed_material/research_article/in dex.html 9) 同上,業務実績 http://www.nmri.go.jp/disclosure/performance_r eports.html [城田 英之]

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2. ディーゼル機関及び主要部品 2.1 世界の動向 平成27 年 9 月の(社)日本舶用工業会「各国舶用 機関の生産動向 第40 号」によると,2014 年におけ る世界の船舶総竣工量(1000GT 以上)は,1,912 隻, 64,232,228GT で前年より隻数は 220 隻,トン数は 5,907,537GT 減少した. 国別にみると,中国の竣工量は,22,637,179GT で, 前年の25,830,126GT より 3,192,956GT 減少し,世界 の総竣工量の35.2%(前年 36.8%)を占めている. 韓国の竣工量は,22,588,2936GT で,前年の 24,500,576GT より 1,912,283GT 減少し,世界の総竣 工量の35.2%(前年 34.9%)であった.日本の竣工量 は,13,363,326GT で,前年の 14,524,871GT より 1,161,545GT 減少し,世界の総竣工量の 20.8%(前年 20.7%)であった.これに続いてフィリピンが 1,876,575GT,以下台湾,ドイツ,ベトナムの順とな っている.(表2.1-1) 船種別(1,000GT 以上)では,オイルタンカーが前年 に比べGT 比で 35.5%減の 120 隻,6,131,603GT,バ ルクキャリアーは,GT 比 21.4%減の 606 隻, 26,186,381GT,一般貨物船は 13.6%減の 237 隻, 4,058,840GT,コンテナ船は,11.3%増の 206 隻, 16,413,806GT,液化ガス及びケミカルタンカーは, 36.3%増の 232 隻,7,284,4469GT,漁船は,40.6%増 の65 隻 141,761GT となっている.(表 2.1-2) 2014 年に世界で竣工した 2,000DWT 以上の商船は, 1,634隻90,138,789DWTであった.前年より243隻, 16,449,503DWT 減少した.竣工実績を主機別にみる と,ディーゼル船は1,630 隻,89,801,368DWT であ り,前年より246 隻,16,700,412DWT 減少している. ディーゼル主機関を搭載した船舶の平均トン数は, 55,093DWT で,前年より 1,618DWT 減少した.1 隻 当りの主機関出力については17,553 馬力で,前年よ り1,166 馬力増加した. 2014 年に竣工した 2,000DWT 以上の商船に搭載さ れたディーゼル主機関は,2,413 台,28,611,177 馬力 である.これは前年に比べ,145 台,2,974,541 馬力 減少した.機関製造国別に見ると,韓国は586 台, 13,898,171 馬力で,前年より 65 台,1,859,868 馬力 減少(対前年比58.3%),シェアは馬力ベースで 48.6% となっており,世界一 である.次に,日本は 567 台, 5,855,564 馬力で,前年に比べると 12 台増加し, 256,007 馬力減少し(対前年比 95.8%),シェアは 20.5%である.続いて中国が 384 台,4,421,067 馬力 (対前年比84.8%)で 3 位となっており,上位 3 カ国 で全体の84.5%を占めている.以下第 4 位フィンラン ド,第5 位アメリカの順となっている.(表 2.1-3) 2014 年の 2 ストローク機関の生産実績は,1,118 台, 22,229,607 馬力(対前年比 84.7%),また 4 ストロー ク機関の生産実績は1,295 台,6,381,570 馬力(同 80.2%)であった. このうち2 ストローク機関については,MAN-B&W が934 台,19,073,888 馬力であり,前年より 151 台, 2,454,721 馬力(対前年比 88.6%)減少であった.シ ェアは85.8%であり,前年より 3.8 ポイントの増加で あった.SULZER は 119 台,2,663,622 馬力であり, 前年より33台,1,288,840馬力減少し,シェアは12.0%, 前年より3.1 ポイントの減少であった.三菱 UE は 65 台,492,097 馬力であり,前年より 17 台,283,911 馬 力減少し,シェアは2.2%,前年より 0.8 ポイントの減 少であった.(表2.1-4) また,4 ストローク機関に ついては,第1 位の WARTSILA が 271 台,2,482,074 馬力であり,前年より12 台減少,430,707 馬力増加し, シェアは38.9%であった.第 2 位の HYUNDAI HIMSEN は,88 台 892,172 馬力であり,前年より 57 台,666,663 馬力増加し,シェアは 14.0%であった. 第3 位は MAN で,110 台,814,269 馬力.以下 CATERPILLAR,MAK,の順となっている.(表2.1-5) 隻数 GT 隻数 GT 1 中国 756 22,637,170 905 25,830,126 -12.4 % 35.2 % 1 2 韓国 325 22,588,293 377 24,500,576 -7.8 % 35.2 % 2 3 日本 388 13,363,326 386 14,524,871 -8.0 % 20.8 % 3 4 フィリピン 42 1,876,575 23 1,329,857 41.1 % 2.9 % 4 5 台湾 20 586,023 13 479,976 22.1 % 0.9 % 7 6 ドイツ 13 517,713 8 347,291 49.1 % 0.8 % 8 7 ベトナム 30 355,411 41 528,986 -32.8 % 0.6 % 5 8 ルーマニア 21 317,925 35 501,697 -36.6 % 0.5 % 6 9 イタリア 8 311,382 8 170,810 82.3 % 0.5 % 13 10 アメリカ 45 275,580 30 173,485 58.8 % 0.4 % 12 その他 264 1,402,830 306 1,752,090 -19.9 % 2.2 % 世界合計 1,912 64,232,228 2,132 70,139,765 -8.4 % 100.0 % 表2.1-1 主要国の商船建造量(2014年) シェア 国 名 竣工量 前年竣工量 対前年増減率 (GT比) 前年順位

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対前年比 シェア 台数 出力(馬力) 台数 出力(馬力) (%) (%) 1 韓国 482 10,263,139 470 11,866,149 86.5 35.9 2 中国 885 9,889,013 930 10,617,701 93.1 34.6 3 日本 391 4,345,198 399 5,192,994 83.7 15.2 4 フィリピン 47 974,723 22 413,607 235.7 3.4 5 台湾 10 459,272 9 438,239 104.8 1.6 6 ドイツ 18 274,362 16 236,703 115.9 1.0 7 ルーマニア 43 274,313 67 452,532 60.6 1.0 8 アメリカ 89 236,164 61 205,449 115.0 0.8 9 イタリア 16 231,302 11 116,630 198.3 0.8 10 ベトナム 27 183,891 43 265,740 69.2 0.6 405 1,479,800 530 1,779,974 83.1 5.2 2,413 28,611,177 2,558 31,585,718 90.6 100.0 世界合計 表2.1-3 主要国のディーゼル機関建造量 (2014年船舶竣工ベース) 生産量 前年生産量 国名 その他 隻数 GT 隻数 GT 隻数 GT 隻数 GT 1 中国 44 2,631,444 303 13,144,492 70 637,106 97 5,085,394 2 韓国 27 2,282,029 23 1,550,303 25 1,213,497 76 9,517,329 3 日本 22 901,600 251 10,436,918 45 933,767 5 187,485 4 フィリピン 1 2,600 20 868,837 0 0 19 997,488 5 台湾 0 0 2 43,016 0 0 8 529,482 6 ドイツ 0 0 0 0 7 418,075 0 0 7 ベトナム 1 1,083 4 85,750 13 49,973 0 0 8 ルーマニア 0 0 0 0 2 117,062 1 96,628 25 312,847 3 57,065 75 689,360 0 0 120 6,131,603 606 26,186,381 237 4,058,840 206 16,413,806 隻数 GT 隻数 GT 隻数 GT 隻数 GT 1 中国 33 386,554 16 24,513 193 727,667 756 22,637,170 2 韓国 131 5,852,561 7 15,778 36 2,156,796 325 22,588,293 3 日本 50 843,236 1 1,598 14 58,722 388 13,363,326 4 フィリピン 0 0 0 0 2 7,650 42 1,876,575 5 台湾 0 0 10 13,525 0 0 20 586,023 6 ドイツ 0 0 0 0 6 99,638 13 517,713 7 ベトナム 5 148,414 3 8,670 4 61,521 30 355,411 8 ルーマニア 0 0 1 3,443 17 100,792 21 317,925 13 53,681 27 74,234 174 802,605 317 1,989,792 232 7,284,446 65 141,761 446 4,015,391 1,912 64,232,228 その他 世界合計 表2.1-2 主要造船国船種別竣工量 (2014年) 世界合計 全船種竣工量 コンテナ船竣工量 液化ガス、ケミカルタンカー竣工量 漁船竣工量 その他竣工量 国名 オイルタンカー竣工量 バルクキャリアー竣工量 一般貨物船竣工量 その他 国名

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2.2 国内各メーカーの開発と生産状況 2.2.1 (株)アイメックス (1)新機種・新技術 2015 年はHITACHI-MAN B&W 6S35MC-C9.2 機 関を国内初号機として製造した. S35MC-C9.2 は機械式機関であるが,電子制御式 ME-B 機関と主要部品を共通化し,信頼性の向上,部 品供給の安定化を図っている.また,シリンダ径が同 一であるS35MC 機関と比べて,ロングストローク化, 正味平均有効圧の上昇を行い,燃費を改善している. 表2.1-1 に主要目を示す. 表2.1-1 6S35MC-C9.2 機関主要目 項 目 単位 6S35MC-C9.2 ボア mm 350 ストローク mm 1550 機関出力 kW 5220 回転数 min-1 167 正味平均有効圧力 MPa-G 2.10 シリンダ最高圧力 MPa-G 18.5 図2.1-1 6S35MC-C9.2 機関外観 (2)年間製造実績 2015 年の 2 サイクル主機関の製造実績(陸上公試 日基準)は下表の通りである. 表2.1-2 2015 年の製造実績 台数 出力(kW) 26 119,830 前年生産量 対前年 シェア 台数 出力(PS) 出力(PS) 増減率(%) (%) MAN-B&W 934 19,073,888 21,528,609 99.2 85.8 SULZER 119 2,663,622 3,952,462 100.0 12.0 三菱UE 65 492,097 776,008 72.4 2.2 世界合計 1,118 22,229,607 26,257,079 98.7 100 表2.1-4 ディーゼル機関のブランド別生産状況 (2014年) 2ストローク機関 ブランド 生産量 前年生産量 対前年 シェア 台数 出力(PS) 出力(PS) 増減率(%) (%) WARTSILA 271 2,482,074 2,051,367 21.0 38.9 HYUNDAI HIMSEN 88 892,172 225,509 295.6 14.0 MAN 110 814,269 997,844 -18.4 12.8 CATERPILLAR 252 631,800 610,533 3.5 9.9 MAK 65 338,938 477,176 -29.0 5.3 BERGEN 78 320,215 163,750 95.6 5.0 CUMMINS 122 226,260 132,192 71.2 3.5 新潟 59 166,140 116,960 42.0 2.6 ヤンマー 63 102,846 140,498 -26.8 1.6 ダイハツ 34 91,780 46,321 98.1 1.4 その他 153 315,076 366,489 -14.0 4.9 世界合計 1,295 6,381,570 5,328,639 19.8 100.0 ブランド 生産量 表2.1-5 ディーゼル機関のブランド別生産状況 (2014年) 4ストローク機関

Table 1.2 Distribution of Engine Output of Ships Newly Registered with ClassNK in 2015  出力( kW ) Output (kW) タービン,推進用電動機Steam Turbines* or  Electric Motors 2 ストローク機関
図 2.3-2  川崎 -MAN B&W 機関「 8S50ME-C8.2-GI 」
図 2.11-1 8S70ME-C8.2-GI
表 3.1.3-1 2015 年の TCA 過給機製造実績 機種 TCA44 TCA55 TCA66 TCA77 TCA88 生産 台数 (4) 80 67 19  5  VTA 仕様 - 4 1 0 0  THS 仕様 - 8 0 0 0  *) TCA44(4 台 ) はライセンサ製造
+7

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