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A Study on the Travel Behavior of Tokyo Metropolitan Expressway Users for Travel Time Reliability Evaluation*

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Academic year: 2022

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(1)

所要時間信頼性評価のための首都高速道路利用者の行動実態について *

A Study on the Travel Behavior of Tokyo Metropolitan Expressway Users for Travel Time Reliability Evaluation*

梶原一夫**・菊地春海**・坂爪誠**・割田博***・山下浩行****・倉内文孝*****

By Harumi KIKUCHI**

Kazuo KAJIWARA**

Makoto SAKADUME**

Hiroshi WARITA***・Hiroyuki YAMASHITA****・Fumitaka KURAUCHI*****

1.はじめに

近年、ジャストインタイム生産方式の普及などとい った、経済活動の高度化や生活水準の向上にともなって 時間価値が増大しており、交通移動の安定性や利用目的 に対応した所要時間の信頼性(以降、時間信頼性)に対 する利用者ニーズが高まっている。また、需要の変動

(日変動・季節変動)や事故等を原因とする所要時間の 不確実性を分析・評価して、道路ネットワークのサービ スレベルを的確に把握するとともに利用者に分かりやす い情報提供することは、重要な課題である

1)

首都高速道路においては、2007年12月の山手トンネ ル(4号~5号間)の開通によって、渋滞が削減され走行 円滑性は改善されてきている。平均的な渋滞削減量や所 要時間削減量だけではなく、時間信頼性が大きく向上し ており、不確実性を加味した時間信頼性の評価指標や表 現方法が重要となってきている

2)3)

。時間信頼性の指 標や表現方法の検討においては利用者の行動実態や意向 を把握する必要があるが、それらに関する調査事例は少 なく、今後、様々な事例を積み上げ検証を重ねていく段 階にあると言える。

本稿では、首都高速道路において実施された、時間 信頼性に関するアンケート調査を整理するとともに、今 後の利用者への時間信頼性の表現方法や、信頼性の改善 を評価しうる指標などの提案を行うものである。

2.時間信頼性指標の必要性

(1)山手トンネル供用による時間信頼性の向上 山手トンネル(4号~5号間)の開通によって、図-1 より、首都高全線の渋滞長が減少しているとともに、高 井戸⇒三郷間の平均所要時間が短縮された。さらに、40 km/h以上で走行できる割合が大幅に向上し、時間信 頼性が高まっていることがわかる。

*キーワーズ:所要時間信頼性、アンケート、評価指標

**首都高速道路(株)(東京都千代田区霞が関1-4-1,TEL03-3539-9395, FAX03-3502-2412,E-mail:h.kikuchi116@shutoko.jp)

***正会員,博(工),首都高速道路(株)

****パシフィックコンサルタンツ(株)

*****正会員,博(工),岐阜大学工学部社会基盤工学科

東京線の平日渋滞ピーク時

(11時)の渋滞長の変化

高井戸⇒三郷間の 平均所要時間の変化(平日)

高井戸⇒三郷間のスイスイ走 行できる割合の変化(平日)

(2)平均所要時間と95%ile所要時間の特性の相違 高井戸⇒三郷間では、都心環状線経由と中央環状線 経由の2経路の選択が可能となった。2経路の所要時間の 相違について図-2において比較すると、平均所要時間 よりも95%ile所要時間の相違が大きくなっており、経 路によって時間信頼性が異なることを意味している。ネ ットワーク整備による効果を経路別に検証する場合にお いても平均所要時間のみでは全体像を把握できないため、

時間信頼性の観点が必要となることがわかる。

(3)時間信頼性の重要度

図-3より、2008年度の首都高速道路のお客様満足 度調査では、「走行中の定時性」は、調査対象とした10 施策中、渋滞対策、安全対策とほぼ同等の4番目に重要 度が高い施策とされているが、満足度は、10施策中、9 番目に低い施策となっている。よって「走行中の定時 性」は、利用者の重要度が高く、満足度が低い施策であ るため、今後、重点施策として、取り組んでいくことが 必要である。

0 10 20 30 40 50 60 70 80

開通前 開通後

所要時間[分]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

開通前 開通後

割合[%]

0 10 20 30 40 50 60

開通前 開通後

東京線11時総渋滞長(km) 平均22分短縮 71ポイント上昇

90 19 68分

46分

※2008年1~5月と前年同月比較 ※2008年4~5月と前年同月比較 ※スイスイ走行:40km/h以上での走行

図-1 山手トンネルによる改善効果

高井戸

三郷

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 時間帯

所要時間(分)

高井戸⇒三郷 (2008年6月平日)

都心環状線経由(38.0km)

95%ile

所要時間 平均所要時間

図-2 所要時間分布(高井戸⇒三郷間)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 時間帯

所要時間(分) 中央環状線経由(37.5km)

山手トンネル 5号線

4号線

95%ile 所要時間:

所要時間の累積95%値

(20 回に1 回の確率で生じる)

(2)

2.0 2.5 3.0 3.5

3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

重要度

4.0

3.アンケート調査概要

時間信頼性指標を実務で用いた事例は、日本でま だ少ないことから、利用者の所要時間に関する意識 や行動を把握するとともに、所要時間の情報提供に 関する基礎データを収集するため表-1に示すアン ケート調査を実施した。

表-1 アンケート調査概要

概要 2009年1月実施、

2010サンプル(往復4020トリップ)、WEB形式 対象 1都3県在住で首都高速を1ケ月に1回以上、往復利用す

るドライバー

割付 運転目的を首都高速道路のOD調査結果に合わせてサンプ ル数を割付(業務60%、通勤20%、私用20%)

4.アンケート調査結果

調査結果のうち、時間信頼性に関する利用者の認知、

行動実態、ニーズなどを抽出し、整理した。

(1)走行性改善に対する利用者の認知度と行動変容 図-4より、山手トンネル開通による走行性(所要時 間)の改善を、約5割の利用者が認知している。うち約

6割から「渋滞時のイライラが減った」、約 1~2割から

「出発時間を遅らせることができた」、「早く着くので 用事を早く済ますことができた、遅刻が減った」などの 行動変容に関する回答を得た。所要時間の短縮効果のほ かに、行動変容による効果も確認された。

(2)余裕時間について a)余裕時間の見込み割合

図-5より、利用者の6割は、首都高速道路上で余裕 時間を見込むという結果となった。余裕時間を見込む理 由として、「渋滞発生」、「事故発生」などが挙げられ る。

b)時間信頼性情報に対する利用者ニーズ

図-6より、平均的な所要時間と合わせて、渋滞に巻 き込まれた場合を想定した所要時間(状況に応じた安全 レベル別の所要時間)を利用者の約7割が、出発前に

「必要」、「やや必要」と回答しており、ニーズが高い ことがわかる。

c)出発前に見越す所要時間(運転目的別)

利用者が運転目的別に出発前に見越す所要時間を大 きく変えることが、図-7より明らかとなった。飛行機 利用、会議(打合せ)出席、荷物搬送、午前中の用事、

通勤通学では、「絶対に遅れない所要時間」をもとに出 発時間を決めている割合がもっとも大きい。一方、友人 待ち合わせ、レジャー、帰宅では、「平均的な所要時 間」をもとに出発時間を決めている割合がもっとも大き い。

今後は利用者へ、このような信頼度別所要時間の提 供についても検討していく必要がある。

よくわからない 31.9%

走行性(所要時間)がか なり悪くなったと感じてい

0.3%

走行性(所要時間)がや や改善したと感じている

29.3%

走行性(所要時間)がか なり改善したと感じている

20.6%

走行性(所要時間)がや や悪くなったと感じている

0.8%

走行性(所要時間)はあ まり変わらないと感じてい

17.1%

83.4

46.8

19.2

21.4

19.9

0.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

渋滞が発生するため 事故による突発的な渋滞が 発生する可能性があるから 工事による突発的な渋滞が 発生する可能性があるから 到着時刻が重要だから

所要時間がいつも異なるから

その他【突発的な通行止めなど】

Q: 首都高上での想定時間のうち、渋滞 どで遅れる場合を考え、出発地から目 的地までの余裕時間を何分ほど見てい

たか。(n=2,401)(往復平均)

まし

Q: 首都高上での余裕を見込む理 由 は 何 で す か ? (複 数 回 答 可 )

(n=1,475)

(往復平均)

59.6

14.7

14.4

7.7

16.7

19.5

3.6

6.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

渋滞に巻き込まれてイライラ して運転する時間が減った 到着時間に合わせて出発時間を遅らせることができ、

出発前に他の用事を済ませることができた 到着時間に合わせて出発時間を遅らせることができ、

早く着いて待機する時間が減った 到着時間に合わせて出発時間を遅らせることができ、

かつ、遅刻が減った 出発時間は同じだが到着時間が早まった分、

用事を早く済ませることができた 出発時間は同じだが到着時間が早くなった分、

余裕の時間が増えた(遅刻が減った)

出発時間は同じだが到着時間が早くなった分、

遅刻が減った

その他【変わらないなど】

Q:平成 19 年 12 月の中央環状新宿線山手トンネル(4 号新宿線~5 号池袋線間)の よって、目的地までの所要時間が短縮されて、あなたの運転行動はどう変わ ましたか。(複数回答可)(n=1,003)

開通に

Q:平成 19 年 12 月の中央環状新宿線山手トンネ ル(4 号新宿線~5 号池袋線間)の開通によっ て、事例のように首都高全体の走行性(所要時

)が大きく改善されたことを感じていますか?

=2,010) (n

図-3 首都高速道路の主要施策の重要度と満足度

4)

必要 26.7%

やや必要 44.5%

必要でない 1.7%

あまり必要でない 6.0%

どちらとも言えない 21.0%

Q:

平均の所要時間に関する情報の提供と合 て、表に示すような渋滞に巻き込まれた 場合を想定した所要時間(状況に応じた安全 ベル別の所要時間)に関する情報提供も必

すか。

(n=2,010)

わせ

要で

走行中の 安全性 走行中の 走行中の 快適性 情報提供

走行中の 定時性 ETC割引などの

料金サービス

渋滞緩和の ための対策 首都高道路網の

早期整備 料金所などの

お客様応対 ホームページで の情報提供

パーキングエリア

満足度平均: 2 . 9 5

( 4 . 5 , 2 . 5 )

重要度平均: 4 . 1 5

余裕時間をみなかった 38.6%

余裕時間をみた (平均25分)

61.4%

図-5 余裕時間見込み割合

所要時間

安全レベル 平均的な時間

安全レベル1 非常に安全側

大渋滞に遭遇しても間に合うかなりの余裕を持った時間 使用例:空港で飛行機に乗るので遅れたくない

安全レベル2 かなり安全側

週に1回くらいはこの程度かかるかもしれない時間 使用例:客先に約束している時間があるが、事故渋滞に遭遇すれ

ば仕方ない 安全レベル3

安全側

平均所要時間から少しの余裕を持った時間

使用例:ある程度到着時間に目安はあるが、やや安全めに出発し やや たい

図-6 時間信頼性情報に対する利用者ニーズ

図-4 走行性改善の認知度と行動変容

(3)

図-7 出発前に見越す所要時間

d)運転目的による違い

図-8より、全運転目的で加重平均をした時刻指定割 合(約束時間や指定時間があるトリップの割合)が52%、

遅刻した割合が6%であるのに対し、営業目的(商談、

貨物輸送)の時刻指定割合が69%、遅刻した割合が4%

であった。営業目的において、遅刻できない約束が多く なるために、図-7の会議出席時の結果に示される通り 余裕時間を大きく見越していると考えられる。このよう に運転目的による時間信頼性の重要性が異なってくるこ とがわかる。

平均の時刻指定割合 平均の遅刻割合

営業目的の時刻指定割合 営業目的の遅刻割合

図-8 目的別の時刻指定割合、遅刻割合

(3)時間信頼性の違いによる利用者の経路選択意識 図-9より、平均所要時間は短いが所要時間の変動 が大きい高速道路A(時間信頼性が低い)よりも、平均 所要時間が多少長いが変動が小さい高速道路B(時間信

頼性が高い)を選択する利用者が多い結果となった。今 後、路線毎の時間信頼性の違いを情報提供することも利 用者の経路選択判断基準における重要な要因であること がわかった。

Q:今までの首都高利用において、利用目的別で出発前に 見越した所要時間についてお伺いします。グラフは、平均 的な所要時間と遅れに備え余裕を見た場合(4パターン)

の所要時間を表しています。各利用目的別に、どの程度 の余裕時間を見積った所要時間をもとに出発時間を決め ますか?(n=2,010)

5時 7時 9時 11時 13時 15時 17時 19時 21時 時間帯

所要時間

絶対に遅れない時間

平均的な時間

20回に1回遅れる時間

10回に1回遅れる時間 5回に1回遅れる時間

Q:あなたは、通勤や商談などで、目的地へ到着すべき時 刻が決まっていると考えてください。また、高速道路を利 用した際、料金はあなた自身が負担します。その際、図に 示す 3 つのルート(高速道路 A、B、一般道)のうち、表に 示す所要時間と料金の場合、どの経路を選びますか?

(n=2,010)

図-9 経路選択意識

5.時間信頼性の指標

4.(1)で示したように、約5割の利用者が、走行 性改善を認知しており、この改善効果を客観的な指標で 表し、認知度を高めることは、さらに利用者の便益向上 に繋がるものと考えられる。その際、利用者や管理者に 分かりやすい指標で表現することが重要となる。

直感的にイメージのしやすい指標として平均遅れ時 間、安全余裕時間、最大遅れ時間(安全余裕時間と平均 遅れ時間の和)、定時性確保率といった指標案を、図-

10および表-2に整理した。定時性確保率として、40 km/hで走行できる割合(40km/h走行率:1日のうち40km/

h以上の速度で走行できる時間の割合である。その割合 が大きいほど、所要時間の信頼性も高くなる関係とな る)を示す。

図-10 所要時間分布イメージ

所要時間

発生

T規制 T95

最大遅れ時間

Tave

平均遅れ時間 安全余裕時間

T

規制:規制速度での所要時間、Tave:平均所要時間

T95:95%ile

所要時間

一般道を選択する 9.8%

分からない 8.6%

高速道路Aを選択する 30.5%

高速道路Bを選択する 51.1%

高速道路 B

・高速料金が必要

・遠回りなので平均所要時間は大

・ただし、渋滞が少ないため時間 のバラツキは小 出発地

目的地 高速道路 A

・高速料金が必要

・最短ルートで平均所要時間は小

・ただし、渋滞が多いため時間の バラツキは大

一般道

・料金は必要なし

・平均所要時間は最大

・渋滞が多いため、時間 のバラツキも大

5.8 11.4

9.4 15.9

15.8 21.2

21.2 11.9 6.4

11.1 11.9

15.3 12.7

17.7 15.1

6.6 4.2

12.0 12.7

13.8 12.5

10.9 6.8

4.2 14.0

13.1 17.4 19.9 24.5 32.1 45.4 69.8

69.6 52.4 48.6 35.2 34.5 18.1 11.4 7.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

飛行機に乗るために利用した時(送りも含む)

会議(打合せ)の出席のために利用した時 ジャストインタイムの荷物(書類)を運ぶために利用した時 午前中に用事を済まさなければならなかった時 通勤や通学に使った時 友人との待ち合わせに向かう時 行楽地やレジャーに遊びに行く時 用事を済ませ自宅に帰る時

5回に1回遅れる時間 10回に1回遅れる時間

20回に1回遅れる時間

平均的な時間

絶対に遅れない時間

絶対に遅れない時間 絶対に遅れない時間

絶対に遅れない時間

平均的な時間 平均的な時間 平均的な時間

絶対に遅れない時間

絶対に遅れない時間 平均的な時間

平均所要時間

95%タイル所要時間

(20 回に 1 回(月に 1 回程度)

遅れる場合の所要時間)

料金

高速道路A 20 分 45 分 700 円 高速道路B 30 分 35 分 700 円 一般道 50 分 65 分 0 円

指定なし, 48% 指定あり,

52%

遅刻あり 6%

遅刻なし 94%

遅刻なし 96%

遅刻あり 4%

指定なし 31%

指定あり 69%

(4)

表-2 時間信頼性指標

信頼性指標 定義

平均遅れ時間 Tave-T規制 安全余裕時間 T95-Tave 最大遅れ時間 T95-T規制

(平均遅れ時間+安全余裕時間)

定時性確保率 40km/h走行率など

以降、管理者用と利用者用の指標に分けて整理した。

(1)管理者用の指標について

図-11は、指標案の最大遅れ時間を活用して、首都 高速道路において路線別に最大遅れ時間を山手トンネル

(4~5号間)供用前後で比較したものである。3号渋谷 線、4号新宿線、5号池袋線の上りで、最大遅れ時間が大 きく改善しており、所要時間の全体的なばらつきが小さ くなっていることがわかる。

また、定時性確保率も、非混雑時の基準となっている 40km/h以上で走行できる割合であり、管理者にとってイ メージしやすい指標と考えられる。図-12に、首都高 速上の路線別40km/h走行率経年変化の例を示す。

(2)利用者用の表現方法について

安全余裕時間は、2.図-2で示したグラフのハッチ ング部分(95%ile所要時間と平均所要時間に挟まれた時 間)を示し、「平均から余裕を見た時間」と解釈できる ことからも利用者にとって分かりやすい指標と思われる。

また、4.図-7の設問で示した線グラフのように、時 間帯別、信頼度別所要時間グラフの提示も利用者の目的 に応じた選択が可能となる点で有効な方法と思われる。

6.おわりに

本稿では、時間信頼性に関する利用者アンケート調 査により、利用者の所要時間に関する意識や行動を把握 するとともに時間信頼性の表現方法、評価指標の検討を 行った。

特に首都高速道路では、山手トンネル(4 号~5 号 間)開通後、渋滞削減に加えて、時間信頼性が大きく向 上するとともに、「走行中の定時性」はお客様満足度調 査から重要度が高く、満足度が低い施策となっている。

よって、時間信頼性の向上を評価する指標や表現方法の 整理等は、今後早急に対応が必要な分野である。

アンケート結果から、①利用者は平均的な所要時間 に加えて、状況に応じた安全レベル別の所要時間に関す る情報提供のニーズが高く、運転目的別に所要時間の安 全レベルを大きく変化させること、②利用者が経路を選 択できるように、路線別の時間信頼性情報を提供するこ とも利用者の選択条件として重要であること、③利用者 の運転目的別により、到着時刻を指定している割合が変 化しており、時間信頼性の重要性が異なること、が明ら かとなった。このような到着時刻の指定割合の変化を反 映させ、時間信頼性を加味した時間便益の計算方法の検 討も必要となってくる。

0 10 20 30 40 50 60

11号台場線上り 6号向島線上り 6号三郷線上り 9号深川線上り 3号渋谷線上り 5号池袋線上り(熊野町J⇒竹橋J) 4号新宿線上り(西新宿J⇒三宅坂J) 中環内回り(葛西J⇒小菅J) 中環外回り(板橋J⇒江北J) 川口線上り 7号小松川線上り 6号向島線下り 湾岸線西行(高谷⇒有明J) 1号羽田線上り 中環外回り(江北J⇒堀切J) 2号目黒線上り 中環内回り(江北J⇒板橋J) 4号新宿線上り(高井戸⇒西新宿J) 湾岸線東行(川崎浮島J⇒有明J) 都心環状線内回り

アンケート結果等から時間信頼性の改善効果を示す 評価指標や利用者への提供方法について案を整理したが、

利用者に分かりやすく、また、改善効果を的確に表現で きる指標の検討が今後さらに重要となると考えられる。

謝辞 本研究を行うにあたり,首都高速道路株式会社・渋 滞ビジョン委員会において,東京大学:桑原教授をはじめ,

千葉工業大学:赤羽弘和教授,一橋大学:根本敏則教授,

東京大学:清水哲夫准教授,首都大学東京:小根山裕之准 教授,及びご参加の皆様より貴重なご意見を賜った.ここに 記し謝意を表する.

参考文献

1) 飯田恭敬:「交通計画のための新パラダイム-交通ネ ットワーク信頼性とOD交通量逆推定」,技術書院,2008.

2) 梶原一夫,中本浩志,石田貴志,野中康弘:所要時間 の信頼性に関する利用者意識分析,土木計画学研究・

講演集,Vol.38,2008.

3) 宗像恵子,割田博,岡田知朗:首都高速道路における信 頼性評価手法の適用性に関する研究,第7回ITSシンポ ジウム,2008.

4) 首都高速道路株式会社HP: 平成20年度お客様満足度調 査結果について, http://www.shutoko.jp/database/c ustomer/index.html ,2009年閲覧

大遅れ時間m ( T95  T / 10k 2007

2008

図-11 最大遅れ時間の経年比較(路線別)

改善の大きい路線

月~7月平日 時~18時の集計

1

7

40km/h以上走行率

36.7% 35.6%

52.0%

75.5%

61.6%

23.8%

27.9% 30.0%

21.2%

31.3% 31.9%

26.1%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

3号線 4号線 6号線

2005年 2006年 2007年 2008年

※1~7月平日昼間

(7~19時)集計結果

図-12 40km/h 走行率の例

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