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第一章 序論 1.1

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Academic year: 2022

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(1)第一章 1.1. 序論. 本研究の背景. 近年 の鉄 鋼 材 料 及び 製 造 技 術の 開 発は 目覚 し く 、それに 伴 って 鉄 鋼 材 料の 加工 ・利 用 技 術 も材 料 特 性 、品質 を最 大 限に 活か す 努力 がなされている 。 そ の際 に 、材料特性 やそのもととなる 金 属 組 織 ・構 造 の定 量 化が 必要 であり 、 近年 の解 析 機 器 及び 計算機 の進 歩 とともに 測定法 の高 精 度 、高 効 率 化 が は か ら れ て い る。この 中 で金属組織検査 は重 要 な試 験 項 目 で あ り、中で も 光 学 顕 微 鏡 を 用 いた 金 属 組 織 観 察 は マ ク ロ的 で 且 つ 簡 便 な た め 依 然と し て 古 く か ら重 用さ れ て い る。金 属 組 織 観 察の た め に は、試料表面 を 腐食 して 組 織を 現 出さ せ る の が普 通で あ り、材 料の 種類及 び観察目的 に応 じ て各 種の 腐食法 が 工夫されている 1 , 2 , 3 )。 鉄鋼材料 の 特性 は組 織 や、不 純 物 元 素を 含め た 組成 の不 均 一さ に影 響 され る と こ ろ が 大き い。組織 や組 成 の不均一 さ は、材 料 加 工 時 の変 形の 局所化 か ら製 品の 形 状 不 良や 割 れ発 生を 招 く こ と が あ り 、ま た熱 処 理に お い て も も と の材 料の 不均一 さが 新 しく 形成 される 組織 に 影響 を及 ぼ す 。前 者の 例 と し て は 低 炭 素 鋼 板の プ レ ス成 形 に お け る ス ト レ ッ チ ャ ・ス ト レ イ ン 4 ) の発 生 が ある。これは 局 所 降 伏による 不均一変形 が 原因 で あ り、降伏発生及 び 降 伏 域 伝播 にお け る塑性歪 み の分 布 状 態 が重 要な 影 響を 持つ 。ま た、後者 の 例と し ては、やはり プ レ ス 成 形 性を 向 上させるための 集 合 組 織 形 成において 、熱 処 理 に よ る 再結晶 の 進 行が も と の組 織 の 不 均 一 さ に 依存 す る 5 ) ところが 大 き い。こ れ ら の場 合 に、金 属 組 織 観 察 としては 、従 来の 金 相 学 的な 目的 の 他に 、 塑 性 歪み の 不 均 一さ や 、各 結 晶 粒 の結 晶 方 位 を測 定す る 手法 が必 要 に な る 。 腐食 に よ る 金属組織 の 現出 は 、通 常 の金 相 学 的 な目 的に は 鏡面研磨 された 試料表面 で 腐食試薬 、あ る い は表面電位 に対 す る異 相 境 界 の選択的 な 電 気 化 学的反応 を 利用 する 。ま た、マ ト リ ッ ク ス内 部 の欠 陥に 起 因す る組 織 不 均 一 性、あ る い は結晶面毎 の反 応 性の 違 い に よ っ て も試 料 表 面 の腐 食 状 態 が異 な る。こ れ は し ば し ば 孔食 と し て 表れ 、材 料の 局所的 な欠 陥 の分 布 状 態 や結 晶 方位 を観 察 す る こ と が 出来 る。し か し、微細 で 鮮明 な孔 食 像を 得ることは 技 術的 に困 難 な場 合が 多 く 、効 果 的な 腐 食 法 は必 ず し も 得られていない 。また 、. 1.

(2) ス テ ン レ ス 鋼や チ タ ン 合金 など 、試 料 表 面に 安 定な 保 護 皮 膜が 生成 し 易い 場 合に は試料表面 の反 応 が抑 制さ れ 、選 択 的な 腐 食が 進行 し 難く な る の で適 切 な腐 食を 行 な う こ と が 困難 に な る 。従ってこれらを 解釈 す る未開発 の 広範 な 組織現出法が必要であり望まれている。. 1.2. 従来の金属組織腐食法と本研究の目的. 金属腐食 の 従来 の研 究 は金 属 材 料 の腐食及 び 耐 食 性と も 大い に関 わ り 、古 く か ら腐食環境 と割 れ 形態 が、ま た腐 食の 定量的予測 の た め に電 位 -pH 図 や 腐 食 状 態 図 の作 成 、さらに 腐 食 生 成 物 皮 膜に 焦 点を 当て た 研究結果 が 数多 く 報告 されている 6 〜 1 0 ) 。中で も金属組織 は一 般 に酸化性水溶液 に鏡面研磨 さ れた 試料 を 浸漬 し湿 食 に よ り現 出 さ れ る 。そこでは 、孔食( ピ ッ ト )と反 応 生 成 物が 金 属 表 面に 形 成さ れ 、そ の 反 応 生 成 物 を洗 浄 除 去 した 金 属 表 面の 形 態や孔食分布等を金属組織として観察される。 鉄鋼材料 の 欠陥 、と く に局 部 的な 塑性歪 み分 布 を孔 食に よ り現 出さ せ る代 表的 な も の に転 位ピ ッ ト法 が あ る。転位 ピット とは 、転 位 線が 材 料 表 面に 顔 を出 した 部 分に 腐食 ピット が で き る 。材 料の 変 形 機 構を 明 ら か に す る 目的 で す べ り 帯 の微 細 構 造 を 観 察 す る た め に 転 位 ピ ッ ト 法 が 古 くから 研 究 さ れ て きた。塑 性 変 形における 転位 の 増殖 、運 動な ど の観 察のために 転位 ピット を 利用 す る の は有 効な 方 法の 一つであり 、多く の結 晶 、例 え ば、LiF 1 1 )、Si‑Fe 1 2)、 W 13 ) 、Si 1 4)、Cu 1 5) などについて多 数の 報 告があり 、その 腐 食 技 術は 確 立 さ れ て い る よ う で あ る 。純鉄 についてもFry 1 6 ) の報告以来 、多 くの 研究 、例 えば Boswell 1 7 )、Coleman 1 8 )、Stein. and. Gorsuch 1 9 )、Seemann. Hahn 2 1 )、Takeuchi 2 2 )、Sestak. and. Kadeckova 2 3 ) ら に よ り 結 晶 成 長 時 に 生. and. Benedict 2 0 ) 、. 成された 亜粒界 や粒 内 の転 位の 分 布 、すべり 線 にそった 転 位の 密度 などが 観 察されている。 し か し転 位 ピ ッ トの 現 わ れ る結 晶 面は 金属 の 種類 に よ り 一定 し 、例 えば 銅 の場 合{111} 面、鉄の 場 合{100} 面ま た は そ の近 傍に 限 ら れ て い る。武 内は 材 料の 表 面 が (100)結 晶 5 度以内 の 範 囲の 場 合に だ け転 位 ピット を 現出 で き たと 詳細 を 報告 し て い る. 22). 。 しかし 、金 属 の変形機構 を研 究 す る た め の す. べり 面上 に お け る転 位 の分 布 状 態 の観 察は 一 つの 結 晶 面 の み な ら ず 、任意 の. 2.

(3) 面で 観 察できることが 望 ま し い 。ま た 転位 ピット の 形態 、 例え ば凹 か 凸か 、 そ れ が 結晶面 に 依 存 す る の か 転 位 の特 性 に 依 存 す る の か な ど の 転 位 ピ ッ ト 生成 についての 重要 な 問題 に つ い て 、組織的 な 研究 はほとんど 見当 た ら な い。 一方 、 個 々の 結晶方位 を 明 ら か に す る た め のピ ッ ト (方 位 ピット といい 、 以後 こ れ を 使用)は、適切 な 金属腐食法 に よ り 低指数面 の フ ァ セ ッ ト を も っ たピット として 現出 さ れ、フ ァ セ ッ ト面 間の 測 角か ら微小領域 の結晶方位 の 測定 に活 用 で き る。フ ァ セ ッ ト の 小 結 晶 面 は同 じ 試 薬 を 使 っ て も 、体 心 立 方 金 属 で は {100}、{110}、 面 心 立 方 金 属 で は {100 }、{111}の 各 面 で 構 成 さ れ て い る が、条 件 に よ っ て は 一 つ の 結 晶 面、例 え ば 体 心 立 方 金 属 の{110}面 だ け で 構 成 さ れ る こ と も あ る 。 こ れ ら の 小 結 晶 面 は そ の 面 指 数に 対 応 し た 特 有 の 多 角 形 を し て い る の で 、その 結 晶 学 的 対 称 性 や そ の 形 か ら 直ち に 面 の 指 数 が 判 断 で き る 。 例 え ば 体 心 立 方 金 属 で は{100 }、{110}面の 小 結 晶 面( フ ァ セ ッ ト と い い 、以 後 こ れ を 使 用)は そ れ ぞ れ 正 方 形、長 六 角 形 で あ り、{111}面 は そ れ ぞ れ の 稜 線 が 交叉した3回対称性である。. 図1−1. 代 表 的 な bcc 及 び fcc 金 属 材 料 の 低 指 数 面 に 現 出 す る. 方 位 ピ ッ ト ( レ プ リ カ 電 子 顕 微 鏡 写 真 ) (早 川 ら. 3. 24). による).

(4) 図 1 − 1 は 代 表 的な bcc 及び fcc 金 属 材 料 の 代表的 な 面 に 現 出 す る 方 位 ピ ッ ト の レ プ リ カ 電 顕 写 真 で あ る 2 4 )。焼 鈍 材 で は 体 心 立 方 金 属 結 晶の 低 指 数 面{100} と{110}が フ ァ セ ッ ト の 構 成 面 で あ る が 、内 部 歪 み の残 留 し た 材 料 で は 低 指 数 面 {110}か ら 構成 さ れ る 面 に 変 わ る 。結 晶 粒 方 位 の 判 定で は こ れ ら の フ ァ セ ッ ト の 構成面を十分に確認して計測判定することが必要である。. 金属表面の構造と欠陥および腐食反応は密接に関連していると云われて いる. 25). 。金属表面構造は Terrace ‑Ledge‑Kink モ デ ル. 26). で表わされるが 、. キ ン クや ス テ ッ プは エネルギー の 高い 不 安 定 な状 態に あ り 、ア ノ ー ド 溶解 や カソード 析 出の 際、それらの 場 所が 活 性 点 になると 考 え ら れ て い る。実際 の 金属表面 は 吸着 した 酸 素 、水分子 、酸 化 皮 膜などで 覆 わ れ て 、不 純 物 、合 金 元素 の偏 析 した 粒界 や、炭 化 物 な ど の第 2 相が 存在 し て い る。こ れ ら の欠 陥 が金 属 表 面 に局 部 電 池 を形 成し 、孔 食 発 生 の起 点になると 思わ れ る。ミ ク ロ セル・モデル による 局 部 腐 食で は外部溶液組成 の Cl ‑ 濃 度と O 2 濃 度 が影 響し 、 ミ ク ロ セ ル へ Cl ‑ が 移 動し て進 展 する. 27). と い わ れ て い る 。腐食液 と 金 属 組. 織に つ い て 鉄鋼 の顕 微 鏡 写 真について 鉄 、ス テ ン レ ス鋼 や 高 張 力 鋼 板 な ど に 報告がある. 28~30). 。さらに珪素鉄単結晶の圧延組織 と再結晶形成について. (100)ま た は (110)面 の フ ァ セ ッ ト を も っ た ピ ッ ト を 生 成 さ せ て 再 結 晶 組 織 の詳細を解析した報告がある. 31). 。. 近 年 、 計 算 機 の 進 歩 と と も に 注 目 さ れ て い る EBSP(Electron Back‑ Scattering Pattern)法. 32). は従来法 よりも 小さ い 直径約 0.2μm の 微 小 再 結. 晶 核 形 成 段 階の 結 晶 方 位を 解析 で き 、比較的短時間 に高 精 度に 方位 の マ ッ ピ ン グ が で き る 装 置 を 開 発 さ れ 活 用 さ れ つ つ あ る 。 ま た 走 査 型 電 顕 SEM と ECP(Electron. Channelling. Patern) や. ECC(Electron. Cannelling. Contrast)を 使 った 結晶粒成長挙動 の 方 位 解 析 3 3 )は注目されている 。しかし 、 割 れ 破 面 など 複 雑 な 形 状 と 歪 みをもつ 観 察 面 の 結 晶 方 位 測 定に は 金 属 腐 食 に よ る微 細 な方 位ピ ッ ト現出法 が 簡便 で す ぐ れ て い る と 考え ら れ る 。この 際 に、 フ ァ セ ッ ト サ イ ズ が重 要 で あ り、 従 来は 5×5μ m 2 程度 の 大き さ で あ る が、これをさらに微細で鮮明にする必要がある。 腐食 に よ る 金属組織 の 現出 は 、試料表面 が難腐食性 の皮 膜 で保 護されてい る場 合に は 一 般 的に 困 難になる 。準安定 オーステナイトステンレス 鋼 では 加. 4.

(5) 工時 にマ ル テ ン サ イ ト 変態 が誘 起 され 、加 工 精 度 不 良や 割 れ発 生な ど の問 題 が生 じ 易 い。 そ こ で加工誘起 マ ル テ ン サ イ ト ( α ’)相 の 定 量 的 評 価が 必 要 になるが 、従 来は X 線 回 折 法. 3 4). や磁 気 的 評 価 法. 35). が用いられている 。し か. し、こ れ ら の方 法 は相 の形 態 や局所分布 を観 察 するには 巨視的組織 と 一 対 一 の対 応をつける 多く の 観察 が必 要 と な り不 都 合である 。ステンレス 鋼 の金 属 組織観察 の た め の腐 食 液と し て は 、従来 は Vilella 液(塩 酸 、硝 酸 、グ リ セ リ ンの 3 : 1: 2 容 の混 合 試 薬) 3 6 ) の よ う に 強塩酸 の 腐 食に よ っ て不 働 態 膜を 破壊 し て金 属 組 織 を現 出させることが 多 い。し か し、そ の た め に 腐食 ム ラが 生じ や すい 。加工精度 と の関 係 を調 べ る た め に は変 態 相の マ ク ロ な分 布 を現 出 させる 必 要 が あ る が、 α ’相分布 の マ ク ロ な 分 布 観 察 には オ ー ス テ ナ イト ( γ )相 母 地 とα ’相 共に 腐 食 さ れ る た め に 両 相の コ ン ト ラ ス トが 生 じ な い た め に、α ’相 分 布の 巨 視 的 な全体像 の 観察 に適 さ な い こ と が 分かった 。 と く に、数 cm サ イ ズの 試 料 全 体に わ た っ てα ’相 分 布を 観 察す る に は 、不 働 態膜破壊 に よ る と思 われる ゴ ー ス ト組 織 、あるいは 粒界選択的腐食 や 微細 な ピ ッ トや 方位性 を も つ フ ァ セ ッ ト ピ ッ トの 生 成. 37). などを 抑制 し、 腐 食ム ラ. の な いα ’相 分 布 の全体像 が 分か る腐 食 が望 まれ る 。そ こ で本 報で は 、α ’相 の み を選 択 的に 腐食 し 、成形性 と の関 係を 明 ら か に で き る方 法を 検 討し た 。 チタン 合 金もまた 耐食性 に優 れ る軽 量 材 料 であることから 、近年 そ の使 用 が増 加している 。この 際に 、溶 製 時の 成 分 偏 析が 問 題であり 、 鉄 鋼 の 凝 固 組 織の顕出法については報告もある 線組織の観察. 3 9). 3 8). が、 チ タ ン 合 金 の 凝 固 組 織 あ る い は 偏 析. も 必 要 で あ る 。 チ タ ン 合 金の 金属組織 を 観察 す る 腐 食 液 に. は硝弗酸 が 用いられており. 3 , 4 0). 。そこでは硝 酸を 主 体に 弗 化 水 素が 副 次 的 に. 配合 さ れ た 腐 食 液であるが 、凝 固 組 織や 凝 固 線 の特 徴を 観 察す る に は 不適 で あ っ た 。チタン 合 金 鋳 塊の 凝 固 組 織 は こ れ ま で 観 察 例が 少 ないのは 最 適な 腐 蝕法 が な か っ た こ と に よ る と考 え ら れ る 。特 に 実 験 室 小 重 量 鋳 塊で は 鋳 塊 溶 製時の凝固時に生成するミクロ偏析バンドさえ観察され難い。 変 態 相 及 び チ タ ン 合 金 の 凝 固 組 織 の 不 均 一 組 織 は こ れ ま で 狭 い 領 域 での 観察 がなされてきた 。特に 金属局部組織 を鮮 明 に現 出するには 腐 食 液 の組 成 の選択が重要であると考えられる。 本 研 究の 目 的は 新し い 腐 食 液と 腐 食 条 件を 開 発することによって 、第一 に. 5.

(6) 鉄鋼材料 の 欠陥分布 や 結晶方位 などの 局 部 組 織を 孔食 により 現出 さ せ 、第 二 に 難 腐 食 性で あ る ス テ ン レ ス 鋼 及 びチ タ ン 合 金 の 不 均 一 組 織を 広 い 領 域 で 観察 することである 。そ れ に よ り、鉄 鋼 材 料の 塑 性 変 形の 不 均 一 性、再 結 晶 における 方 位 形 成 、ス テ ン レ ス鋼 の 加 工 形 状 不 良と 塑 性 誘 起マ ル テ ン サ イ ト 変態との関係、及びチタン合金鋳塊の組成均一化指針を求める。 本論文は6章から構成される。 第1 章は 序 論であり 、従 来 用 い ら れ て き た鉄鋼組織観察 の た め の腐 食 法に ついて、特に孔食現出法に重点をおいてまとめた。 第 2 章 では 鉄 試 料 の 局 所 的な 塑 性 変 形 を 観 察す る 転 位 ピ ッ ト 法に つ い て 述べ る 。 試 料 面 が {100}面 に平 行 な場 合 に 観察 されるす べ り線 に 沿 った 微 細 なピット を 現出 する 従来法 に加 え 、任意 の結晶学的方位 までさらに 広 げて 観 察できる 腐食法 を述 べ る。新 規 に開 発し た 腐 食 法を 用 いて 、鉄多結晶試料 の 引張 り試 験 で表 れる Lüders 帯、 とくに フ ロ ン ト部 の微 細 す べ り帯 の 伝 播 状 態、ま た商用低炭素鋼 の調質圧延 に お け る残 留 歪み パ タ ー ンを 現出 し て変 形 帯の発達の変化や板表層と内部との残留歪みの違いなどの結果を述べる。 第 3 章で は 鉄の 方位 ピット の 生 成 法 に つ い て述 べ る。 対 象 材 料としては 、 純鉄 、3 %珪 素 鉄、低炭素鋼 、低 合 金 高 張 力 鋼 の他 にオ ー ス テ ナ イ ト 系及 び フ ェ ラ イ ト 系ス テ ン レ ス鋼 も用 い 、そ れ ぞ れ の 鋼に 応じ て 局所組織 を 観察 す る上 で 微細 な 方位 ピ ッ ト を細 か く現 出 するために 考 案し た 腐 食 法を 述 べる 。 この 方法 を 用い て、 低炭素 Al キ ル ド冷 延 鋼 板 の急速加熱焼鈍処理 に お け る 回復・再結晶粒 の 方位 ピ ッ ト を現 出 し集 合 組 織 の局所的 な 実体 を明 ら か に し た結果を述べる。 第 4章 で はオ ー ス テ ナ イ ト ス テ ン レ ス鋼 SUS304 の 加 工 誘 起マ ル テ ン サ イ ト( α ’相 ) のマ ク ロ 分 布を 観 察 した 結 果 を 述べ る 。 電 解 腐 食 と 化 学 腐 食 を 組み 合 わせた 腐 食 により 光 学 顕 微 鏡 観 察 でも 広 い 領 域で α ’相 を 鮮明 に 観 察できる 新 規な 腐 食 方 法を 考案 し た。これを 用い 、多 段 加 工の 180° 押し 曲 げで 製造 し た小円管 の 裏 面 層と 表面層 との α ’相 比 率、ま たα ’相の 成 長 形 態 の違いについて述べる。 第5 章で は 、やはり 難 腐 食 性で あ るチタン 合 金 鋳 塊の 凝 固 組 織 現 出 法に つ いて 述べ る。フツ 酸 を主 体と し 硝酸 を副 次 的に 配合 し た腐食液 を 考案 し、偏. 6.

(7) 析部 に微細孔食 が生 成 され、凝 固 線 等の 組 織を 鮮明 に 観察 した 。実 生 産 規 模 で 消 耗 電 極 式 真 空 ア ー ク 溶 解 し た α + β 型 チ タ ン 合 金 、 Ti‑6Al‑4V 、 Ti‑6Al‑6V‑2Sn 合 金 円 柱 鋳 塊 に つ い て 断 面 の 凝 固 組 織 観 察 を 行 っ た 結 果 を 述べる。 第6章は総括であり、以上の結果を要約した。. 参考文献 1) 金属便覧,日本金属学会編,丸善,東京,(1961),36. 2) ステンレス鋼便覧,日刊工業新聞、東京,(1973),80. 3)ギュンター・ペツオー:金属エッチング技術(1977)アグネ. 4)周藤悦郎:ストレッチャ・ストレイン,日本金属学会,仙台,(1970),1 5)古林英一:再結晶と材料組織,内田老鶴圃,東京,(2000),106. 6)R.l.Cowan and C.S.Tedmon:Advance in Corrosion Science, [Plenum Press], 3(1973), 293 7)佐藤栄次、村田朋美:日本金属学会,第 79 回講演大会要旨集(1976),289 8)遅沢浩一郎、藤原最仁:鉄鋼の応力腐食割れ,日本鉄鋼協会,(1980),208. 9)辻川茂男、久松敬弘:日本金属学会誌,41(1977),829. 10) 村田雅人、向井喜彦:日本金属学会誌,44(1980),713. 11) W.G. Johnston and J.J. Gilman: J. Appl. Phys., 30(1959), 129. 12) D.F. Stein and J.R. Low Jr.: J.Appl. Phys., 31(1960), 362. 13) H.W. Schadler: Acta Met.,12(1964),861. 14) A.R. Chandhuri, J.R. Patel and L.G .Rubin: J. Appl. Phys., 33 (1962), 2736. 15) F.W. Young Jr : J.Appl. Phys., 32(1961), 1815. 16) A. Fry: Stahl und Eisen : 41(1921), 1093. 17) F.W.C. Boswell: Metal Progress, 72(1957), 92. 18) R.V. Coleman: J.Appl. Phys., 30(1959), 129. 19) D.F. Stein and P.D. Gorsuch: Acta Met., 9(1961), 904. 20) H.J. Seemann und U. Benedict: Archi. Eisenhutt., 33(1962), 177. 21) G.T.Hahn: Trans. Met. Soc. AIME., 224(1962), 395.. 7.

(8) 22) T. Takeuchi: Jour. Phys. Soc., 20(1965), 942. 23) B.Sest ák and S. Kadecková: Phys. Stat. Sol. Czechoslovak, 1 6(1966), 89. 24)早川. 浩、今村. 淳:日本金属学会会報、18(1979),282.. 25)大谷南海男:金属の塑性と腐食反応(1972)産業図書㈱ 26) W.Kossel:Nach.Ges.Wiss.,Gottingen,(1957), 135. 27)日本機械学会. 腐食と破壊,日本工業出版,東京,(1985),246.. 28)佐藤知雄:鉄鋼の顕微鏡写真と解説,丸善,東京,(1963) 29)牧. 正志、田村今男:熱処理. 30)藤井哲雄:鉄と鋼. 62(1976),1398.. 31)田岡忠美、古林英一、竹内 32) 日 本 鉄 鋼 協 会. 17(1977),316.. 伸:鉄と鋼. 材 料の 組織 と特 性 部 会. 54(1968),169. 再 結 晶 ・集 合 組 織 研 究 会 編,再 結. 晶・集合組織とその組織制御への応用,日本鉄鋼協会,東京,(1999),273.. 33)原勢二郎、清水. 亮:日本金属学会会報,25(1986),1009.. 34) R.L.Miller: Trans. ASM, 57(1964), 892. 35)A.Tanaka and K.Hoshino:Nisshin Steel Tech. Rep. 52(1985), 36. 36) R.Langneborg: Acta.Metall, 12(1964), 823. 37)久松敬弘:日本金属学会会報. 20(1981),3.. 38)郡司好喜、岡本. 61(1975),110.. 39) 日 本 鉄 鋼 協 会. 平:鉄と鋼. チ タ ン 材 料 研 究 会 編, 日 本 で チ タ ン 材 料 に つ い て 何 を 研 究 し. ているか,日本鉄鋼協会,東京,(1989),3.. 40)西村 孝、谷口三男、津森芳勝:神戸製鋼R&D 21(1971),71. 8.

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