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博 士 ( 理 学 ) 淺 井 恒 信 学 位 論 文 題 名

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 淺 井 恒 信

学 位 論 文 題 名

  A dimension formula for the cohomology rings of  finite groups with dihedral Sylow 2 ‑ subgroups

( 二 面 体 群 を シ 口 ー 2 群 と す る 有 限 群 の コホ モロ ジ一 環の次 元公 式)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  有 限 群 の モ ジ ュ ラ 一 表 現 酋 で は , 群 覊 上 の 加 群 が 相 対 的 射 影被 覆(relatively projective cover)を もつ こ と RKnorrに よ り 知 ら れ て い る , し か し こ の 事 実 が 興 味 深 い も の で あ る に も か か わ ら ず , 実 際 に モジ ュ ラ 一 表 現 鎗 に お い て 有 効 に 用 い ら れ た 例 は ほ と ん ど な か っ た , こ の 酋文 で は , コ ホ モ ロ ジ 一 群 の次 元 を 考 え る こ と に 相 対 的 射 影 被 覆 の 双 対 的 な 概 念 で ある 相 対 的 入 射 包 絡(relatively inectivehull) を 効 果 的 に 用い て , 以 下 に 示すよ うな 結果 を得た .

    以 下 , こ こ で はGを 位 致2 n3) の 二 面 体 群Dを シ ロ 一2部 分 群 と す る 有 限 群 , 七 を 標 数2の 体 と し,コ ホモ ロジー環H.(G,七);E冫0B.(G,七)=E≧0ExtヱG(七,七)を考える.この酋文では,モジュラ一表現釜 や コ ホ モ ロ ジ ー の 理 笛 で よ く 知 ら れ て い る 基 本 的 な 方 法 だ け を 使 い 代 数 的 な 手 法 で 次 元 公 式 を 得 て い る . つ ま り , 群 の 構 造 や 七 く 斗 加 群 の 構 造 など に 関 す る 詳 し い 債 報 は 必 要な く , ま た ス ベ ク ト ル 系 列の 方 法 も 使 っ て い ない,

    二 面 体 群 を シ ロ ー2部 分 群 と す る 有 限 群 の 構 造 は 以 前 か らRBrauer等 に より 詳 し く 調 ぺ ら れ て い る ,し かしこ こで はそ のよう な詳 細な 結果 は必要 がな く, っぎ の簡単 な事 実を 出発点 とす る.

出発点となる事 実:Gを位教2 (n冫3)の二面体群Dをシロー2部分群とする有限群とし

D:=(ギ y,zlz〓2リ,劣2:ヂ= 22n‑|〓1

と 表 し て お く . こ の 時Gは っ ぎ の 三 っ の 場 合 の い ず れ か に あ て は ま る

Case(l) Case(2) Case(3)

TEG <z>, yEG <z>,

TEG <z>, yG <Z)   or   tG <z>, yEG <z) ZG <z), yG cz>.

例 え ぱ , こ の よ う な群 の コ ホ モ ロ ジ 一 環 は 個 々 にい く っ か 弼 ぺ ら れ て い る .

Case(l)の 例 :GSL(32) ( 〜 −PSL(27))ま た は7次 の 交 代 群Arと す る . こ の 時H゛ (G, 七 )

〜 ― k[e,n02/oloj),但しdeg52degロ1ーdeg 02=3,と なり, その 次元 公式 はっぎ のよ うに なる     dinlkHi3 (G, り =dim,H. (GI七 ) 十1

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(2)

Case(2)の 例=Gを4次 の対称 群S4と する .この 時H (G,七 )竺轟k,e,o/(Xロ ), 但しde9X 1,degピ=2 degp〓3, とな り , そ の 次 元 公式 は っ ぎ の よ う に なる .

    dinU Hi+3(G,k)=dimhH (G,七 ) 十2.

Case(3)の 例 :Gを 位 数2nの 二面体 群D2ハ とす る.こ の時H.(G, り竺H.(D,k)竺h[Xi, め,el/(X1X2) , 但 し deg X 1 ̄ deg X2 1, degE=2, と な り , そ の 次 元 公 式 は っ ぎ の よ う に な る ,     dimh Hl+3(G, k)=dinlkH. (GI七 ) 十3.

    こ の請文 では,群を個別に扱うのではなく各々の場合の群を一括して扱い,各々の場合の全ての群で先の例 の 結 果 が成 立 す る こ と を 示す の が 目 的 で あ る ,コ ホ モ ロ ジ 一 環 の次元 公式 はっぎ のよ うに与 えら れる,

主 定 理 :Gを 位 数2 (n≧3) の 二 面 体群Dをシ ロ ー2部 分 群 と す る 有 限群 ,kを標 数2の体 と す る . こ の 時 コホ モロジ ―環H゛(G,k)の次 元公式 はっ ぎのよ うに 与えら れる ,

    dim轟Ho(G,k)=1,

    dinll H'(G,り=jー1  ケ ース(j)の場合 ,     dimh II2(G,り〓 ゴ  ケ ース(j)の巻 台,

    dimhH.+3(G,七 )=dinyH.(G, 七) 十J  ケ ース( ゴ) の場合 , 但 し,1は任 意の0以 上の 整数,Jは1,2,3と する .

  以下I主 定理 の証明 を簡 単に示 す, その証 明で はI相 対的入 射包 絡と 加群のvariety の理論が重要となる の で , ま ず そ れ ら に つ い て 説 明 す る . 相 対 的 入 射 包 絡 と は っ ぎ の 様 に 定 義 さ れ る ,

定 轟 = ここ で 笂 をGの 部 分 群 の ある 集合,Mを七G‑加群 としよ う, この時 っぎ の条件 をみ たす七 く斗 加群の 単完全列(*)0→M→レ→び→0が同型を除いて一意的に存在する,

    (i)レは笂−射影的,

    (u)(*)の笂の各元への制限は分裂する,

    (iii)びは竹射影的な直和因子をもたな`、.

このような単完全列をMの笂‐入射包絡と呼ぷ,

    っぎに 加群のvariety の理讐をこの場合にどのようにして使うのかを示す.先ず, 加群のvarie ty の理 讐 を 使 って , 周 期 的 なhG加 群Xに 対 し て ,XO工1が 射影 的 と な る よ う な ある7EH′(G, 七) が存在 する こ と が 示 され て いる .但しIここ でエ1はフに 対応 するコ サイ クルぅ :Q′ (り→ 七の 核を表 す. 故に, 完全 列 O→X Lr→XOげ ( り 三 §X→0は 分 裂 す る . す な わ ち , げ (X)2Xと な り , こ の こ と を フ はXの 周 期性を生成するという.この時っぎの定理が成り立っ,

定 理1: hG‑加 群 の 短 完 全 列O→MニX→ 〃 →Oを 考 え る . こ こ で ,M, 〃 は 射 影的 な 因 子 を も た な ぃと し ,xは 周 期 加 群と し そ の 周 期 性 は'‑EB′(G,めで 生 成 さ れ て い る とす る .いま ,Sを 任意 の既約hG‑加群 と し よ う, も しァ から自 然に 誘導さ れる ァ゛: Ext;G(X,S)→Ext;G(:MIs) がO<i<r−1に対 して零 写像

(3)

    擬 ね 、 こ の 簪 文 で は っ ぎ の よ う な 方 法 で コ ホ モ ロ ジ 一 環 の 次 元 公 式 を 求 め て い る .     (1)自明な加群の相対的入射包絡でいい性質を持っものを見っける,

    (2)(1) の 相 対 的 入射 包 絡 を 用 い | いく っ か の に 対 してdinU. H (G, 七)の 値を 直接決 める ,     (3)(1) の 相 対 的 入 射 包 絡 に 定 理1 を 応 用 し て , 全 て のdimkH.(G,k)を 決 め る ,   以降,主定理の証明の手順を述ぺる.

Step1( ニ 面 体 群 の 鳩 台 ) = 二 面 体 群 の コ ホ モ ロ ジ 一 環H (D,り に 関 し て はI自 明 なkD― 加 群kDの t(2),<y),(ご))‐入射包絡jO→kD→k<z)TD Okcy)TD Ok<z>TD→fl2(kD)→01に定理1を応用し,任意のi冫0 に対し

    dinu, Hi+3 (D,k)〓dinVH.(D,七)十3

と なる こ と が わ か る .こ こ で の 叢笛 は.後 にGの 揚台とDの場 合と を制限 や缶 導など をっ かい比 較し ながら すすめるので必要となる.

Step 2(Case(3)の 鳩合) :こ の場合 ((ゴ)ト入射包絡を考える.自明なk D‑加群kDのt(ご))一入射包絡が 0→b→ 轟 ( ; )TD̲+ kD→0と な る こ と か ら , 自 明 なkG‑加 群 七 の { ( ご ) ト 入 射 包 絡 が

O→ 七 →Sc( ( ヱ )) → 七 →0

となることがわかる.但し,ここでSc((ヱ))はk(|)TGの直既約因子でそのsocleに自明な加群七を含む加群で あ る. このよ うな 加群は 一意 的に決 りScott加群と 呼ば れてい る, 自明なhG‑加群七のt(ご)ト入射包絡の形 か らGが 正 規 な2楢 部 分 群 を持つ こと がわか り,Gのコホ モロ ジー環H.(G, 七) はその シロ 一部分 群で ある 二 面体 群のコ ホモ ロジ一 瑕H゛(D,モ)と同型になることがわかり,二面体群の場合と同じ次元公式を持つこと が わ か る . ま た ,ケ ー ス(3)の 場 合 群Gは 正 規な2補部 分群を 持つ ことが 群の 元に関 する 融合の 理酋 を用い て既に知られているが、ここでの証明はこの事実に関する別証明となっている.

Step 3(Case(l),Case(2) の鳩 台 ) :Case(l)とCase(2)は 平 行 し て 議 論を すすめ る. ここで は自 明なkG 加群のt(ヱ),<y),(ご))―相対的入射包絡が大切な役割を果たしている.この相対的入射包絡はStep1で用いた 自 明なkD加群 の{<z>, (め,(ご)}I相対的入射包絡からGreen対応などモジュラー表現蟄でよく知られている 結果を用いて

    O→七→S→ fl2(k)→0

と な る こ と が 導 か れる . 但 し , こ こ でSは い くっ か のScott加 群の 直 和 で っ ぎ の よう に あ た え ら れ る .     S::Sc((よ))  Case(1)の場合

    sc((夢))Osc((;))。rsc((£))osc((;))Case(2)の謁台.

ど ちら の場合 にお いてもSは周 期加群 で, その周 期性 を生成 する 元をH (G, 七)の中で貝体的に見っけてく る.そして,自明なkG加群のt(名),(め,(名)ト相対的入射包絡の射影被覆を考えることでi=0,1,2に対して dimh Hi(G,めの値を直接決め,その後定理1を用いて次元公式を得ている.

‑ 80‑

(4)

学位 論文審査の要旨 主査    教授   都筑俊郎 副査    教授   諏訪立雄

副査    教授   吉田知行(熊本大・理)

副査    助教授    日比孝之

学 位 論 文 題 名

    A dimension formula for the cohomology rings     of finite groups with dihedral Sylow 2‑subgroups

     ( 二 面 体 群 を シ ロ ー 2 群 と す る 有 限 群 の コ ホ モ ロ ジ 一 環 の 次 元 公 式 )    浅井恒 信氏提出の学位論文は、その シロ‑2  ̄部分群が二面体群 であるような有限群G のコ ホモロジ一環ロ゛(G ,七)に関するものである。特に七が標数2 の体の場合に、すぺての次数の コホモロ ジ―群の次元を純代数的な方法で決定したことは、大巻な成果である。これらの結果 とその証 明は、有限群の表現諭、群作用を伴う位相幾何学など、いろいろな方面に応用される であろう。

   群のコ ホモロジー諭は、1950 年代に発展した割と若い分野で、今では有限群とその表現はも ちろん、位相幾何学・代数的整数諭・代数幾何学等の分野においても基本的な道具となっている。

特に浅井氏が専門とする有限群のモジュラ−.表現論では、ここ数年位相幾何学やホモロジ一代 数、組み 合わせ諭の方法ガ導入され、内容か一新されつっある。当然、群のコホモロジ一環の 構造に強 い関心が向けられ、その構造にっいて活発な研究かなされている。しかしながら、群 のコホモ ロジ―環の構造を決めるのは、極めて難しい。標準的な方法では、単なる二面体群の 場 合 で さ え 、 人 手 で は ほ と ん ど 不 可 能 な ほ ど 膨 大 な 計 算 を 必 要 と す る 。    この困 難を回避するために、位相幾何学的方法ガ良く使われる.実際そのような方法で、二 面体群をシロー2 −部分群として持っ有限群のコホモロジー環の構造を決定することも可能であ ろう。し かしこの方法では、代数的に定義される量を計算するのに、代数以外の分野の助けを 借りることになり、大きな不満が残っていた。

   これに 対して、浅井氏の方法は純粋に代数的なものである。有限群のモジュラ一表現諭とコ

ホモロジ 一論で開発された最新の道具をフルに使っている.これによって、有限群のコホモ口

ジ一環を 計算する問題の見通しが良くなった。浅井氏が行ったのは、2 面体群(それにー般 4 元

(5)

数群) をシロ ー群に 持つ場 合だ けだが 、他の 場合に っい ても、 浅井氏 の取っ た方法 は十 分に通用 すると 思われ る。

  浅 井 氏 の得 た 成 果 を 述 ぺる た め に 、 以下 で は 七 は 標数2の 体 、Gは 有限群 で、そ の2−シロ 一 群Dは2面 体 群 と す る 。 こ のGの 構 造 に っ い て 、(G:G′ )2 ̄2j−1に 応 じ て 三 通り の 可 能 性

(ゴ‑1,2,3) がある 。この ような 群( 特に単 純群)は分類されているのだが、このことを使った として も、当 面の問 題の役 には 立たな い。

H'(D,k)〜= k[X1,X2,E]/(XIX2),degX=degX2 = l,dege = 2 と いう亭 は、例 えぱ群 拡大 に関す るスベ ク卜ル 系列の 計算 から得 られる 。特に、

dimk//i+3(D,あ)‑ dimkH.(D,七)十3.

であ る。また、ロ゛(G,た)は、制限写像によって、ロ゛(D,七)の部分環に同型である。したがっ て、 ロ゛(D,りの 部分環 として ロ (G,七) を記述する事を期待できる。実際浅井氏は、学位論文 で次 を証明 した 。

主定 理:   di: =dimH (D,k)と 置く。IDI≧8ナ ょら、

di+3ーdi十ゴ ( ≧0) ,d0 =1,diーゴ―1,d2〓ゴ

( こ こ で 場 合 (1) ,(2),(3)に 応 じ て 、 ゴ=1,2,3) 。 特 に ボ ア ン カ レ 級 数に っ い て 、     。o  f−2)t十t2、

     か〓 dit'讐     i=o  t)(l ‑ t3).

  こ の 定理 の 証 明 に おぃ て使わ れたも のとし て、 特に注 目する ぺきも のは、Scott加群、 相対入 射 加 群 、Heller作 用 素 と い った モ ジ ュ ラ ー 表現諭 で標準 的とな りつっ ある 概念で ある。 証明の 詳 細 に こ れ以 上 立 ち 入 る 事は で き な い が、 極 めて洗 練され た方法 が用 いられ ており 、今後 のこ の方面の研究に標準的な技法となるであろう。

  な お、浅 井氏 は、山 口大学 の佐々 木洋 城氏と の共同 研究で 、学位 論文 と同じ 方法に よって 、コ ホ モ ロ ジ 一環 の 次 元 の み なら ず 、 完 全 な環 構 造を決 定して いる。 次の 重要な 定理は 、学位 論文 の補足にある。

定理:IDI〉−8なら、

    ロ゛(G,七)竺え[c,X,8l/(XO).

ここで、dege=2であり、場合(1),(2),(3)に応じて、(de9X,deg6)=(3,3),(1っ3),(1,1)で ある。

以 上 見 たよ うに、 本論文 は学位 論文 として 十分な 内容を 備え ている と判断 される 。

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参照

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