博士(情報科学) 高林正典 学位論文題名
位相変調技術によるホログラフイックメモりの高性能化に 関する研究
学位論文内容の要旨
ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク メ モ り は , ホ ロ グ ラ ム を 同 一 箇 所 に 多 重 記 録す るこ と によ る高 い 記録 密度 と ,二 次 元に 配 列さ れた 数I′f万ビ ット のデータからをる べージデータを一括 にf記録 |lf生することによ るIt 5 い 転 送 速 度 を 併 せ 持 つ 次 世 代 光 ス ト レ ー ジ 技 術 で あ る . ホ ロ グ ラフ ィッ ク メモ りに 関 する 研究 は .初 め て 提 案 さ れ て か ら の 約50年 の 間 に 人 出 カ デ バ イ ス の 技 術 の 発 展 や 記 録 媒 質 の 進 歩 等 に よ っ て 製 品 化を 視 野に 入れ る 段階 まで 着 実に 進ん で きて いる , .
ホ ロ グ ラ フ イ ッ ク メ モ り は , 理 論 上 , 数 十TB/discの 高 記 録 密 度 と 数 十Gbpsの 高 転 送 速 度 を 同 時 に 達 成 で き る と い う 魅 力 的 な 特 長 を 有 し て い る が , 現 状 で は 数 百GB/discの 記 録 密 度 とIGbps程 度 の 転 送 速 度 を 達 成 す る に 留 ま っ て い る . ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク メ モ り の 記 録 密 度 を 向 上 さ せ る 技 術 は 幾 つ か 考 案 さ れ て い る が , 現 在 ま で の と こ ろ 多 重 記 録 方 式 に 関 す る検 討が ほ とん どを 占 めて おり , 信号 の 変 調 技 術 に 関 す る 検 討 は 十 分 で あ る と は 言 い 難 い . 特 に 位 相 変調 型ホ ロ グラ フィ ッ クメ モり は 、従 来 広 く 研 究 さ れ て き た 強 度 変 弸 ′ 叫 ホ口 グラ フ イッ クメ モ りに 対し て ,1記 録媒 質の ダ イナ ミッ ク レン ジ を 有 効 利 用 で き る 点 や ェ ネ ル ギ ー 利 用 効 率 が 高 い 点 で 優 位 性 が あ る か , 詳 細 な 記 録 特 性 に 関 す る 検 討 や 位 相 変 調 信 号 を 強 度 検 出 器 で 撮 像 す る た め の 位 相 検 出 手 法 に 関 す る 検 討 が 十 分 で は な ぃ , こ れ に 加 え て , ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク メ モ り の 記 録 再 生 に お い て は , 従来 の光 ス トレ ージ 技 術と は異 な り、
信 号 光 と は 別 の 参 照 光 と よ ぱ れ る 光 波 が 必 要 で あ る た め , 光 学 系 が 複 雑 化 し て し ま う と い う 問 題 が あ る . そ の 対 策 と し て , 一 光 束 記 録 方 式 で あ る コ リ ニ ア ホ ロ グ ラ フ ア と い う 技 術 が 開 発 さ れ て い る が , 同 方 式 で は 光 学 系 の 開 口 領 域 を 信 号 光 と 参 照 光 の た め に 窄 間的 に分 害IJし て用 い る必 要が あ るた め ,記 録 密度 や転 送 速度 が低 下 して しま う とい う問 題 があ った .
本 論 文 で は , ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク メ モ り の 高 性 能 化 を 目 的 と し て, ベー ジ デー タの 高 符号 化率 を 達成 す る た め の 変 調 方 式 で あ る ハ イ ブ リ ッ ド 変 調 方 式 , 位 相 変 調 信 号 を 強 度 変 調 信 号 へ と 変 換 す る た め の フ オ ト リ フ ラ ク テ ィ ブ 時 間 差 分 位 相 検 出 法 , 参 照 光 が 不 要 を ホ ロ グ ラ ム 記 録 光 学 系 で あ る 自 己 参 照,rホ ロ グ ラ フ ィ に つ い て 研 究 し た .ま ず, 新 たなfliり 変溯 方 式と して ハ イブ リッ ド 変淵 方式 を 椪案 し た . 同 方 式 に お け る 変 調 符 号 の 構 成 法 を 示 す と 共 に , 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 特 性 評 価 を 行 い , 最 適 な 位 相 変 調 信 号 の 多 値 数 と 強 度 変 調 符 号 の 組 み 合 わ せ を明 らか に した ,次 に .フ ォト リ フラ ク テ ィ ブ 光 波 混 合 を 基 礎 と し た 位 相 変 調 信 号 検 出 法 と し て フ オ ト リ フ ラ ク テ ィ ブ 時 間 差 分 位 相 検 出 法 を 提 案 し , 解 析 お よ び 実 験 か ら , 本 手 法 を 用 い た 位 柑 検 出 に おけ る時 間 的お よび 空 間的 な動 作 性能 を 明 ら か に し た . さ ら に , 参 照 光 を 不 要 と す る ホ ロ グ ラ ム 記 録 光学 系と し て自 己参 照 型ホ 口グ ラ フイ を 提 案 し , そ の 動 作 原 理 を 示 し た . 本 方 式 に お い て , 記 録 し た 位相 変調 信 号が ,特 別 を位 相検 出 法を 用 い る こ と を く , 強 度 変 調 信 号 と し て 読 み 出 さ れ る こ と を 明 ら かに した . 本手 法の 原 理を 用い る こと で , 光 位 相 強 度 変 換 器 や 新 た な 情 報 セ キ ュ リ テ ィ シ ス テ ム と し ての 応用 が 可能 であ る こと を示 し た,
以下 に 各章 の要 旨 を示 す,
第2章 で は , ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク メ モ り に つ い て , 光 ス ト レ ー ジ 技 術 に お け る 位 置 づ けや ,記 録 密度
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お よ び 転 送 速 度 に 関 す る 理 論 式 , 各 要 素 デ バ イ ス 等 に つ い て の 概 要 を 述 べ た , 第3章 で は 、 後 述 す る 第5章 で 重 要 と な る フ ォ ト リ フ ラ ク テ ィ ブ 効 果 に つ い て, 同 効 果 の 発現 過 程 と光波 間のエ ネルギ ー移 動につ いて概 説した .
第4章 で は 、 ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク メ モ り の 高 記 録 密 度 化 お よ び 高 転 送速 度 化 を 達 成 する こ と を 目 的 と し た 新 たを 変 調 符 号 方式 と し て ハ イブ リ ッ ド 変 調 方式 を 提 案 し た. ま ず , ホ ログ ラ フィ ックメ モり の 記 録 密 度 を 考 察 し , 記 録 密 度 が2次 元 ベ ー ジ デ ー タ の 符 号化 率 に 大 き く関 係 し て い るこ と を 示 し た .次に っハイ ブリッ ド変 調方式 のJ,e礎 とな る多們 位料I変淵flfIjと 憧度変 調符1,のそれぞれの籵止を 述 ベ . ハ イブ リ ッ ド 変 調方 式 に よ っ て, 記 録 面 で の ホロ グ ラ ム の サイ ズ の 拡 人 を抑 制 しを がらも 高い 符1亅化 率を 維持で きるこ とを彫Jら かにし た. 最後に 数偵シ ミュレ ーショ ンを 行い, その糸 宀栄, ハイブ リ ッ ド 変 調 方 式 を 適 用 す る こ と で 多 値 位 相 変調 信 号 と 強 度 変調 符 号 を そ れぞ れ 独 立 に 用い る 場 合 よ り も約2倍の 記録密 度を達 成でき るこ とを示 した.
第5章 で は ,位 相 変 調 信 号 を光 強 度 検 出 器で 読 み 取 る ため の 手 法 と して , フ ォ ト リ フラ ク テ ィ ブ 時 間 差 分 位 相 検 出 法 を 提 案 し た . 本 方 式 で は , フ ォ ト リ フ ラ クテ ィ ブ2光 波混 合 の 出 力 光強 度 の 時 間 変 化 を 観 測 す る こ と で , そ の 前 後 に 入 射 し た位 相 変 調 信 号 の互 い の 位 相 差を 空 間 並 列 的に 測 定 す る こ と が で きる . ま ず . 本手 法 の 原 理 につ い て 説 明 し ,数 値 解 析 と 実験 に よ っ て 動作 確 認を 行った .そ の 結 果 , 本手 法 を 用 い るこ と に よ っ て, ホ ロ グ ラ フ イッ ク メ モ りにお ける 高速か つ空間 並列的 を位f日 検 出が可 能とな ること を明 らかに した,
m6や で は ,参 照 光 が 不 愛な ホ ロ グ ラ ム 記録 光 学 系 と して ,I'I己 参 照ifホロ グ ラ フ ア を提 案 し た , 自 己 参 照 型 ホ ロ グ ラ フ ィ は , 記 録 す る 光 波 と読 み 出 し に 用 いる 光 波 の 間 の位 相 斧 に よ って 生 じ る 読 み 出 し 光 のピ ク セ ル 間 のエ ネ ル ギ ー 移動 に よ っ て , 記録 し た デ ー タの 読 み 山 し を行 う こと ができ る,
自 己 参 照 型 ホ ロ グ ラ フ ア の 基 本 と 教 る ピ ク セル 内 の エ ネ ル ギー 移 動 に つ いて 理 論 式 を 導出 し た 後 , 解 析 と 実 験 の 両 面 か ら , 本 手 法 に よ っ て 参 照光 を 全 く 用 い ない ホ ロ グ ラ フイ ッ ク メ モ りの 実 現 が 可 能 に な る こと を 馴 ら か にし た , さ ら に, 本 手 法 を 用 いる こ と で , 超高 速 を 位 相 検出 技 術や 情報セ キュ リ ティ技 術への 応用も 可能 である ことを 示した .
第7章 では. 本研究 で得ら れた 成果の 総括を 行った .
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学位論文審査の要旨 主査 准教授 岡本 浮 副 査 教 授 富 田章 久 副 査 教 授 本 久順 一
学 位 論 文 題 名
位相変調技術によるホログラフイックメモりの高性能化に 関する研究
ホ ロ グラ フイ ッ クメ モり は ,ホ ログ ラ ムを 旧一 簡 所に 多束 記 録す るこ と によ る高 い記録密度 と,二 次 元 に 配 列 さ れ た 数 百 万 ピ ッ トの デー タ から をる ぺ ージ デー タ を一 括に 記 録再 生す る こと によ る 高 い転 送 速度 を併 せ 持つ 次世 代 光ス トレ ー ジ技 術で あ る. ホロ グ ラフ ィッ ク メモ りに 関する研究 は、近 年の 光 入出 カデ ′ ヾイ スの 発 展や 記録 媒 質の 進歩 等 によ って 製 品化 を視 野 に入 れる 段階まで着 実に進 んで き てい る,
ホ ロ グ ラ フ イ ッ ク メ モ り は , 理 論 上 , 数 十TB/discの 高記 録 密度 と数 十Gbpsの高 転 送速 度を 同 時 に 達 成 で き る と い う 魅 力 的 を 特 長 を 有 し て い る が , 現 状 で は 数 百GB/discの 記 録密 度とlGbps程 度 の 転 送 速 度 を 達 成 す る に 留 ま って いる . ホロ グラ フ ィッ クメ モ りの 記録 密 度を 向上 さ せる 技術 は 幾 っか 考 案さ れて い るが ,現 在 まで のと こ ろ多 重記 録 方式 に関 す る検 討が ほ とん どを 占めており ,信号 の変 調 技術 に関 す る検 討は 十 分で ある と は言 い難 い .特 に位 相 変調 型ホ ロ グラ フィ ックメモり は,従 来 広 く 研 究 さ れ て き た 強 度 変 調型 ホ口 グ ラフ イッ ク メモ りに 対 して ,記 録 媒質 のダ イ ナミ ック レ ン ジ を 有 効利 用 でき る点 や エネ ルギ ー 利用 効率 が 高い 点で 優 位性 カsあ るが , 記録 特性 に 関す る検 討 や 位 相 変 調 信 号 を 強 度 検 出 器 で 撮 像 す る た め の 位 相 検 出 手 法 に 関 す る 考 察 が 十 分 で は 歡 い . 一 方 ,ホ ログ ラ フィ ック メ モり の記 録 再生 にお い ては ,従 来 の光 スト レ ージ 技術 とは異をり ,信号 光と は 別の 参照 光 とよ ばれ る 光波 が必 要 であ るた め .光 学系 が 複雑 化し て しま うと いう問題も ある,
その 対 策と して , 一光 束記 録 方式 であ る コリ ニア ホ ログ ラフ ア とい う技 術 が開 発さ れているが ,同方 式 で は 光 学 系 の 開 口 領 域 を 信 号光 と参 照 光の ため に 空間 的に 分 割し て用 い るた め, 記 録密 度や 転 送 速度 が 低下 して し まう .
こ の よう な状 況 に際 し, 本 論文 では , ホロ グラ フ イッ クメ モ りの 高性 能 化を 目的 として,記 録密度 の 向 上 を 可 能 と す る 変 調 方 式 ,多 値信 号 の検 出が 可 能で 位置 ず れに 対す る 高い 耐性 を 持つ 位相 変 調 信 号 検 出 法 , お よ び , 参 照 光 の 不 要 を ホ ロ グ ラ ム 記 録 光 学 系 を そ れ ぞ れ 新 規 に 提 案 し て い る . 第1章で は .当 該研 究 の背 景に つ いて 述べ て いる ,
第2章 では ,ホ ロ グラ フイ ッ クメ モり に つい て, 光 スト レー ジ 技術 にお け る位 置づ け や, 記録 密 度 およ び 転送 速度 に 関す る理 論 式, なら び に,メモりを構成す る要素デ′くイス 等についての概要 を説明 して い る.
第3章 では ,第5章で 述 べる 位柑 検 出手 法の 去g雛 技 術で ある フ ォト リフ ラ クテ ィブ 効 果に つい て , 同効 果 の発 現過 程 と光 波間 の ェネ ルギ ー 移動 につ い て概 説し て いる .
第4章 で は , ホ ロ グ ラ フ イ ッ ク メ モ り の 記 録 密 度 を向 上さ せ る目 的で , 多値 位相 変 調信 号を 信 号
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光 と し て 適 用 する こと を検討 してい る, 著者は ,多値 位相変 調信 号を単 独で使 用する ことは ,ホ ログ ラ フ イ ッ ク メ モり の 再 生 過 程に お い て 深 刻を エ ラ ー の 増大 を 引 き起こ すこと を示し ,この 問題 の解 決 策 と し て , 多値 位 相 変 調 信号 を 強 度 変 調符 号 と 組 み 合わ せ る ことで エラー の低減 を実現 する ため の 新 た を 信 号 変調 方 式 を 提 案し て い る . ハイ ブ リ ッ ド 変調 方 式 と名付 けられ た本手 法を用 いる こと に よ っ て . ホ ログ ラ フ ィ ッ クメ モ り の 再 生時 に 生 じ る エラ ー を 大幅に 低減す ること が可能 であ るこ と が 示 さ れ て いる .具 体的に は,多 値位 相変調 信号を 単独で 用い るより もハイ ブリッ ド変調 方式 を用 い た 方 が2倍以 上 の 記 録 密 度の 増 大 が 可 能で あ り , 本 手法 が ホ ロ グ ラフ イ ッ ク メ モ りの記 録密 度の 向 上 に 有 用 で ある こ と が 分 かる .
第5章 では , 位 キFl変 調 信 号 を 光強 度 検出 器で 読み取 るため の手法 として ,フ ォトリ フラク ティブ 時 間 差 分 位 相 検出 法を 提案し ている .結 合波動 理論に 基づく 数値 解析と 実験に よる動 作確認 を行 い,
ホ ロ グ ラ フ イ ック メ モ り へ の応 用 に 向 け たパ ラ メ ー タ の最 適 化 等につ いて論 じてい る.本 手法 を用 い る こ と で 位 相変 調 信 号 を 用い た ホ ロ グ ラフ ィ ッ ク メ モり の 位 相検出 が従来 手法に 比べて 簡易 かつ 高 性 能 に 実 現 でき る と 期 待 でき る .
第6章 では , 参 照 光 が不 盤 を ホ ロ グラ ム 記 録 光 学 系と し て , 自 己参 照 型 ホ ロ グラ フ アを 提案し て い る , 自 己 参 照型 ホ 口 グ ラ フイ の 基 本 と をる ピ ク セ ル 内の ェ ネ ルギー 移動に ついて 理論式 を導 出し た 後 , 解 析 と 実験 の両 面から ,本手 法に よって 参照光 を全く 用い ないホ ログラ フイッ クメモ りの 実現 が 可 能 に を る こと を明 らかに してい る, さらに 最後に は,本 手法 のホロ グラフ イック メモリ 以外 の応 用 例 も 示 さ れ てお り , 超 高 速な 位 相 検 出 技術 や 情 報 セ キュ リ テ ィ技術 への応 用も可 能であ ると して い る , こ れ ら の成 果は ホログ ラフイ ック メモり の容暈 や速度 の向 上だけ でなく ,ホロ グラフ ィを 用い た 光 技 術 の 発 展に 大 き く 寄 与す る も の で ある と 考 え ら れる .
第7章 では 、 本 研 究 で得 ら れ た 成 果の 総 括 を 行 っ てい る .
こ れ を 要す る に ,著者 は, ホログ ラフイ ックメ モりの 高性 能化を 可能に する信 号変 調方式 ,位相 検 出 方 式 , お よ び, 参照 光の不 要なホ ログ ラム記 録光学 系を提 案し ,光記 録の発 展に向 けた多 くの 有益 な 知 見 を 得 て おり ,光 エレク トロニ クス の分野 にぬ献 すると ころ 大をる ものが ある. よって 著者 は,
北 海 道 大 学 博 士 ( 情 報 科 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る ,
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