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中国の大学におけるサービス・ラーニング ―「服務学習」導入と展開の可能性―

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(1)160 特集 大学のサービス・ラーニング. 特 集. 比較教育学研究第59号〔2019年〕. 大学のサービス・ラーニング. 中国の大学におけるサービス・ラーニング ―「服務学習」導入と展開の可能性―. 日暮 トモ子 (目白大学). はじめに―問題の所在 中国では毛沢東による「為人民服務」 (人民のために奉仕する)といった政治 的スローガンが掲げられていた歴史もあり、一般に人々のボランティアに対す る意識や関心は高い。これには、1978 年の改革開放政策以後、国営企業が事 業単位として提供してきた社会保障や医療などの各方面のサービスを、党組織、 非営利組織の社会団体、NPO団体等が代わりに担うかたちで様々なボランティ ア活動を各地で展開してきた状況も背景にある(1)。 学校教育においてもボランティア活動は活発に展開されている。小学校から 高等学校段階のカリキュラムでもプロジェクト学習や体験型の学習を行う「総 合実践活動」は必修であり、学校単位や少年先鋒隊といった学校内の党組織単 位で地域での奉仕活動やボランティア活動に参加している。高等教育段階でも 1980 年代頃から「社会実践活動」と称されるボランティア活動が課外活動で 実施されてきた。実践活動を伴う大学生による社会実践活動は、1990 年代後 半からの創造力や実践力を重視する「資質教育」推進の流れの中で、学生の資 質向上にメリットがあるとして、また、従来の専門ごとに細分化した大学のカ リキュラムや専門教育重視の教学方式を改めるものとして評価されており、近 年政府はその更なる推進を推奨している。 こうした実践活動を伴う学習の一形態として 2007 年頃より一部大学で取り 入れられているのが中国語で「服務学習」と呼ばれている「サービス・ラーニ ング」 (Service-Learning)である。これは、学生が任意に活動に参加する「ボラ.

(2) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 161. ンティアサービス」 (原文・志願服務)や「コミュニティサービス」 (原文・社区 服務)と重なる部分はあるものの、異なる概念として解釈されている。実践や 体験を伴う活動である社会実践活動とも類似しているが、その多くが正課に位 置づけられていない点や専門の学びとの結びつきが弱い点で異なる(2)。 以下本稿では、中国の一部の大学で実施されている「服務学習」と呼ばれる サービス・ラーニングの現状を、類似の概念を整理しつつ、導入に至った経緯、 実施状況、課題といった側面から概観する。そのさい、早期にサービス・ラー ニングを正規のカリキュラムに組み込んだ大学を事例に、中国の大学における サービス・ラーニング実施にみられる特徴や課題、展開の可能性を検討する。. 1.中国における「サービス・ラーニング」の定義及びその目的 (1)定義―用語と概念の整理 中国語で英語の「サービス・ラーニング」に該当する訳語は一般に「服務学 習」である。 「服務(性・型)学習」とも称される。中国語で「奉仕」や「サー ビス」を意味する「服務」の語は1910年代に日本から移入された概念である(3)。 本稿では「服務学習」を「サービス・ラーニング」と同義のものとして論じる。 中国で「服務学習」に類する概念に、上述のとおり「志願服務」や「社区服 務」がある。このほか、高等教育機関での課外のボランティア活動を意味する 「社会実践(活動) 」という用語もある。先行研究を踏まえ、これら類似の概念 を整理したものが表1、表2である。 「志願服務」は、物質的な報酬を目的とせず、自己の時間や技能等の資源を 用いて国のため、社会のため、他人のためにサービスを提供する行為とされて いる(4)。志願服務には一般に特別な計画や具体的な目標は求められず、事前に 技能訓練等も必要とされない。対して、 「服務学習」は系統的な計画、指導、 振り返り、評価といったプロセスを通じて、設定された目標に到達させること 「社区服務や志願服務に比べ、 にねらいがあるところに両者の違いがある(5)。 服務学習は地域貢献など社会サービスと学校のカリキュラムが密接に関係して いる」とその特徴が説明されている(6)。海外でもボランティア活動を正課の授 業に取り入れた取り組みのことを一般に「サービス・ラーニング」と呼んでい.

(3) 162 特集 大学のサービス・ラーニング. 表1 社区服務、志願服務、服務学習の比較 社区服務 志願服務 服務学習 (コミュニティサービス) (ボランティアサービス) (サービス・ラーニング) 動 機. 自助と互助を基礎とした住 個人の自由意識による参加 サービスの提供者と利用者 民の参加。 に基づく。 がともに参加。 地域の発展促進。. 個 人 が 地 域 の 活 動 に 参 加 学生の成長のほか、学校及 し、地域の経済、社会、文 び地域の発展の双方にメリ 化の改善を期待。 ット。. 地域の中での活動。. 地域に限定せず、幅広い社 学校と地域の結合。 会的サービス、公共サービ スにまで拡大。. 目 的. 領 域. 学習との 関係. サービスと学習における目 サービスの成果が目標であ サービスと学習の双方を重 標に関連性はなく、学習は り、学習上の目標に重きを 視。学習が最大の特徴。 必ずしも含まれない。 置いておらず、学習は必ず しも含まれない。. 出所)孫2006、p.11。. 表2 「服務学習」における「服務」と「学習」の関係 服務と学習の関係. 重点・特徴. 名 称. 服務と学習の双方に重点。支援者と被 サービス・ラーニング(原文・服務学習) 服務―学習 支援者の双方の目標を達成することが (Service - Learning) ねらい。 服務の成果が主、学習の目標達成は副 ボランティアサービス(原文・志願服務) 服務-学習 次的。サービス重視。ボランティアの (Service learning) 成長に力点。 服務―学習 学習目標達成が主、服務の成果は副次 専門実習 (service - Learning) 的。専門技能訓練に力点。 服務、学習 服務と学習にそれぞれ目標があり、両 労働、作業を通じたサービス(原文・ (service - learning) 者に関連はない。学生の主体性は弱い。 労作服務、労働課) 注)二重線は、服務(サービス)と学習の重点を示す。 出所)向・董2011、p.7、張ほか2017、p.110、陳2016、p.61に基づき、筆者作成。. ることから(7)、学生自身による任意のボランティア活動はサービス・ラーニン グに含まれない。大学のカリキュラムの中に位置づけ、その教育的機能に着目 し、計画立案し、理論を学び、実践し、振り返り、評価するといった一連の過 程の中で行われる活動が、中国においても「服務学習」の意味するところであ る。.

(4) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 163. (2)目的及び意義 「服務学習」については統一的な定義がなく、その目的についても同様に統 一的なものはない。先行研究を踏まえ整理すれば、服務学習の主要な目的は、 学生の学習方式の改善と人格の発達や成長にあり、①明確な学習目標、②地域 のニーズに応じた内容、③学生自身による計画と実践、④経験の反省、といっ た学びのプロセスの中で、学生の成長や発達を促すことにある(8)。こうした服 務学習は、学生のボランティア精神の育成、創造力や実践力を重視する資質教 育、公民意識の育成及び専門教育と密接に結合したものとして捉えられている (9). 。また、 「服務学習とは一種の教学の方法あるいは手段であり、一種の教学. 改革であり、社会を刷新する人材の育成や公民的資質の向上」を原則としてお り、 「それは社会の調和を促進するものであり、社会変革に対する作用も少な (10) とその意義を述べる研究もある。 「サービス・ラーニング課程に学 くない」. んだ学生は学んでいない学生よりも学習スキル、生活スキル及び公民としての 意識は明らかに高い」、 「仲間や教師との関係も深まり、その後の学習に大きな 影響を与える」 、 「他人に奉仕したり、サービスを提供するという体験は個々人 の人格の成長にとっても財産となり得る体験である」などの指摘もあり(11)、 中国で服務学習は、ボランティア精神や公民意識の育成の面から積極的に評価 されている。. 2.中国の大学におけるサービス・ラーニング導入の背景・経緯 「服務学習」という概念は中国の大学にとっては新しい概念であり、欧米、 香港、台湾から借用された「舶来品」とも言われている(12)。香港ではすでに 2000 年より教育課程における 5 つの学習体験の一つとしてサービス・ラーニン グが組み込まれ、小学校段階から高等教育段階に至るまで活発に展開されてい る。香港教育局のウェブサイトにはサービス・ラーニングの実施状況が紹介さ れている(13)。台湾でも早期からサービス・ラーニングの効果を評価し、その 成果を大学の評価指標に入れ、予算配分決定のさいの一つの参考としている。 2007 年に台湾教育部によって 3 年間の「高等教育機関におけるサービス・ラ- (14) が発表されたことを受け、各大学ではサービス・ラーニングが ニング計画」.

(5) 164 特集 大学のサービス・ラーニング. 盛んに展開されている。2009 年の調査では、台湾では 163 の高等教育機関のう ち 125 校でサービス・ラーニングセンターや事務室が設けられ、120 校で正課 の授業として取り入れ、単位を付与している状況がある。 中国で「服務学習」と称するサービス・ラーニングが大学の正課に取り入れ られたのは 2007 年頃からだが、現在に至っても導入している大学は一部にす ぎない。しかし上述のとおり、服務学習とは称さないが、1980 年代より各大 学で多様な形式や内容で大学生の体験的・実践的活動である「社会実践活動」 が実施されてきた(15)。こうした大学生の社会実践活動は大学が党の教育方針 を実施する上で不可欠な重要なものとして認識されている(16)。社会、政治、 経済、文化などに関わる活動に、目的を持って、計画的に、組織的に、大学生 を参加させる大学での社会実践活動は、教室での授業の不足を補うだけでなく、 「大学生の思想政治教育の重要な要素」として捉えられている(17)。近年その機 能を重視する論調の高まりから、これまで課外活動の中で実施されてきた社会 実践活動を大学の正規のカリキュラムに位置づけ、必修化しようとする動きが ある(18)。 以下、中国の大学において服務学習導入以前に実施されてきた大学生に対す る社会実践活動の動きを中心に確認する。 (1)大学生に対するボランティア活動の推進 1994 年、ボランティア活動を通して青年の全体的な資質を向上させ、社会 経済の調和の取れた発展に貢献することを目的に、中国共産主義青年団の指導 の下、非営利の全国的な組織である「中国青年ボランティア協会」 (原文・中国 青年志願者協会)が設立された(19)。同協会成立後、青年のボランティア活動 に関する関心が高まり、以後地域レベルでボランティアサービス組織が設立さ れた(20)。同協会には団体や個人で登録することになるが、1994 年から 2007 年 までの間で約 2 憶 6,800 万人の青年ボランティアが延べ 61 億時間のボランティ アに参加したと言われている(21)。 こうしたボランティア活動の中でも大学生を主たる対象として行われている のが 1996 年から実施されている「三下郷」活動である(22)。中国共産党中央宣 伝部、農業部、文化部などが共同で実施を通知したことに始まる同活動は、現.

(6) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 165. 在大学で実施されている社会実践活動の一つとなっている。 「文化、科学技術、 衛生の 3 分野で農村に下る」ことを意味する「三下郷」活動は、大学生や中等 学校(初級・高級中学、中等専門学校等)の生徒が参加し、識字教育への支援 や農業技術の普及、企業支援、法律相談、健康調査、衛生知識の普及、医療 サービス、環境保護など多彩な活動を展開するというものである。2019年には、 2020 年までに延べ 1,000 万人の大学生を三下郷活動の下で農村に派遣するとす る通知が中国共産党青年団中央から発表されている(23)。 (2)社会実践活動の必修化・単位化に向けた動き 先に述べたとおり、課外でのボランティア活動に代表される社会実践活動は、 大学生に対する思想政治教育の有効な手段の一つと捉えられている。2012 年 の中国共産党第 18 回全国代表大会においても「教育の質を高め、学生に社会 的責任感、イノベーション精神、実践能力を育成する」ことが方針として示さ れており、そのための手段として「実践を通じて人を育てる」 (原文・実践育 人)社会実践活動に対する関心と期待は高い。 この大学生の社会実践活動ついては、大学のカリキュラムに組み込むことを 奨励する動きがある。2004 年に中国共産党中央・国務院が発表した大学生の 思想政治教育強化に関する通知では、大学生の政治リテラシーや社会的責任感 を養うために、積極的に社会実践活動と専門的な学習、地域のニーズとを結び つけた人材育成メカニズムを構築することが各大学に求められた(24)。これを 受け、2005 年には、教育部や中国共産党青年団中央などが共同で大学生の社 会実践活動の更なる推進をねらいとする意見(25)を発表した。同意見では、社 会実践活動が大学生の思想政治教育にとって有効な手段となっているにもかか わらず、社会実践の方法や形式は十分に整っていないこと、さらに、一部の大 学では社会実践活動を軽視しており、社会全体で大学生の社会実践活動をサ ポートするまでには至っていないことを問題として指摘し、大学生が社会実践 活動に参加できるような体制を整備することを各高等教育機関や地域に指導し ている。同意見で示されている社会実践活動の主な内容には、▽専門実習(卒 論作成における実地調査等)、▽軍事訓練(2001年より高等教育機関で必修化) 、 ▽社会調査、▽生産労働と社会サービス(勤労体験、貧困地域でのボランティ.

(7) 166 特集 大学のサービス・ラーニング. ア等) 、▽科学技術発明(農村での技術伝達等の活動) 、▽勤工助学(貧困家庭 の学生が働きながら学ぶ活動) 、▽三下郷・四進社区(農村や貧しい地域で医 療、教育、衛生面などの知識の普及や支援をする活動)などがみられる。 こうした社会実践活動推進の動きは、2012 年に発表された「実践を通して 人を育てる活動をさらに強化することに関する意見」の中でより具体的に示さ れることになる(26)。同意見では、実践的な授業、軍事訓練、社会実践活動な どの実践を通して人を育てることを大学の人材育成において重視し、カリキュ ラムに組み込んで系統的に実施することを求めている。実践活動の学習成果を 単位として認め、実践的な活動に充てる時間を増やすこと等も示されている。 各高等教育機関に対しては、▽実践活動と教室での講義を同等に重要な位置に 据えること、▽学生が参加する社会実践活動を年度計画として制定すること、 ▽学部学生は在学中に 4 週間以上の、大学院生や短期高等教育機関の学生は 2 週間以上の社会実践活動に参加すること、▽在学中に少なくとも一回は社会調 査に参加し、報告書を作成すること、▽生産活動、ボランティアサービス、公 益活動に学生が参加することを奨励すること等を要請している(27)。同意見に 前後して社会実践活動を正規のカリキュラムに取り入れた大学には、例えば、 北京科学技術大学と上海交通大学がある。北京科学技術大学は 2005 年と国内 でも早期に全学生の必修科目として「大学生社会実践」を開設している。夏休 みに 2 週間以上のボランティアに参加した大学 1 年生と 2 年生に対し、4 単位を 認定するとしている。上海交通大学は 2017 年に「新時代社会認知実践」を教 養科目の一つとして開設し、必修化している。学生は夏休み等にボランティア 活動に参加することで 2 単位修得することになっている。両大学の社会実践活 動に係る科目の位置づけは、いずれも教養科目の一部として、さらに言えば、 中国の多くの大学で必修となっている思想政治教育関連科目の一つとして開設 されている。 以上のことから、大学生のボランティア活動など体験的で実践的な活動を行 う社会実践活動については、大学生の思想政治教育に対する意義が認められる ようになるにつれ、大学のカリキュラム内で思想政治教育の一つの手段として 位置づけられ、さらに一部大学では必修化されるに至ったといえる。.

(8) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 167. (「サービス・ラーニング」)として導入した大学の事例 4. 「服務学習」. 中国では、上述の社会実践活動推進の動きの一方、一部大学では「服務学 習」と称される科目が 2007 年頃より開設されるようになった。こうした傾向 について陳 2016 は、中国の大学におけるボランティア活動は、単純なボラン ティアからサービス・ラーニングへと次第に移行し、サービス・ラーニングの 内容を備えたボランティア活動へと発展してきていると指摘している(28)。ま た、藍・許 2011 は、大学におけるサービス・ラーニング実施については次の 二つのパターンがあるという。正規のカリキュラムとの結合パターンと、課外 活動との結合パターンである(29)。前者は中国の一般的な大学のカリキュラム 分類のうち、必修科目である「公共課程」や教養科目としての「通識課程」 、 専門科目としての「専門課程」のいずれかにサービス・ラーニングを取り入れ ることを指す(30)。後者は学生のサークル活動や海外ボランティアなどイン フォーマルな活動の中で行われるものを指すと両者を区別している。 中国の大学で開設されている「服務学習」の例を見てみると、大学ごとに、 地域の特色に応じて、医療、児童福祉、高齢者支援等に係る活動を展開してい ることがわかる(31)。省立の地方公立大学を中心として実施されている傾向が あるが、これは地方大学の方が地域との結びつきが強く、地域の特色が打ち出 しやすいことが理由にあると考えられる。しかし、これら大学の多くが一部の 学部専攻のために開設されたものや選択科目の一つとして服務学習を位置づけ ているにすぎず、全学的に実施している大学はまだ極めて少数である。本稿で はその中でも早くから全学的に必修科目としてサービス・ラーニングを「公益 課程」と称して取り入れている広東省立の汕頭大学を先駆的な事例とみなし、 以下にその内容を検討する。 (1)サービス・ラーニング導入の目的と実施状況 汕頭大学は1981年に設立された広東省立の総合大学である。教育部、広東省、 李嘉誠基金会(広東省潮洲出身の香港の実業家である李嘉誠が創設した基金) の資金で設立、運営されている。2017 年時点で学部学生約 7,400 人が在籍して いる。同大学の建物、図書、設備等は李嘉誠基金会の財政援助による部分が大.

(9) 168 特集 大学のサービス・ラーニング. きく、大学改革も基金会の意向を踏まえながら進められている。サービス・ ラーニングの導入も李嘉誠基金会からの提案による(32)。正課の授業に導入以 前の 2008 年、汕頭大学は香港大学と共同で、李嘉誠基金会の資金援助を得て 広東省の貧困地域に対する医療救済ボランティア活動を実施していた。両大学 の学生を 5 つのグループに分け、学生自身でボランティア計画を立案し、実践 するプログラムであった。同プログラム実施の結果、学生の資質面の向上に一 定の成果がみられたことから、2010年に「公益課程」という名称でサービス・ ラーニング課程を開設するに至った。 この公益課程は後に教養教育を意味する通識教育課程の改革を中心とした同 大学の人材育成モデル改革の一環で実施され、2012 年以降全学生を対象に必 修化されることになった。公益課程の事務担当者によれば、それまでの通識教 育(外国語、コンピュータ、体育、思想政治教育)は講義中心で、科目も体系 的ではなかった。この点を改めるべく、導入したという(33)。同大学では、公 益課程でのサービス・ラーニングを通して学生の成長だけでなく、学校と地域 を結びつけ、双方が発展することを目指している。 (34) を見ると、1 年 3 学期 2016 年度入学者用の「汕頭大学本科学生学業指南」. 制(春、夏、秋学期。春、秋学期は 16 週、試験 2 週。夏学期は 4 週)であり、 夏学期は主として、軍事訓練、実践プログラム、選択必修プログラム、その他、 春・秋学期に開設しにくい科目を開設するとある。教育課程は学科専攻ごとに 大きく二つから構成されている。通識課程(教養課程)の「大学公共必修課 程」及び「大学共同コア課程」と、専門ごとの専門課程及び選択必修課程であ る。通識課程の大学公共必修課程には思想政治教育、体育、英語、コンピュー タ、軍事訓練が含まれる。大学共同コア課程は27単位の履修が卒業要件となっ ている。表3は、法学部のカリキュラムである(35)。 大学共同コア課程の目的は「現代社会に相応しい公民の育成にあり、自己の 社会的責任を正しく認識し、知識と正しい価値観を用いて遭遇した問題を認識 し、解決をできるようにする」ことである(36)。この大学共通コア課程の一部 として公益課程が位置づけられている。公益課程の目的については、学生の社 会的責任感を向上させ、社会を深く理解し、社会に関心を持って、社会に奉仕 する力を備えた学生を育てることにある(37)。公益課程事務担当者は公益課程.

(10) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 169 表3 汕頭大学法学部のカリキュラム(2015 年度入学者) 課程名 大学公共必修課程. 単位数 割合% 27. 備 考. 19. 思想政治教育、体育、英語、コンピュータ、軍事訓練。. 大学共同コア課程 (選択). 25. 18. 大学共同コア課程は 2013 年より実施。 公民、文化、科学の領域に分けて科目を配置。公益課程は大 学共同コア課程の一部(1 単位。上限 2 単位で、必修) 。 ※法学部は一部科目免除があり 25 単位。他の学部専攻の規定 上は 27 単位。. 専門必修. 51. 36. 法理学、刑法学、国際法学等. 専門選択. 27. 19. 法律論理、法律哲学基礎、民事司法等. 実践教学. 12. 8. 総単位数. 142. 100. 専門実習、卒業論文. 出所)汕頭大学法学院2015「法学専業2015課程計画」。一部変更。. の目的をより具体的に「情報リテラシー、批判的思考、創造性と問題解決、生 涯にわたる学び、自己認識、自己コントロール、公民としての責任と社会参加 といった能力の育成」にあると説明している(38)。公益課程には学内で学生が サークル活動等で自主的に参加するボランティア活動は含まれない。事務担当 者によれば、公益課程が正課に位置づいているということは学習上の目標があ り、プロセス、目標に到達したかどうかを評価することを意味し、そこに学生 が自主的に参加するボランティア活動との違いがあるという(39)。 公益課程はそのプログラム内容に基づき、夏休み、各学期、或は毎週実施さ れ、それを全学生が自由に選択する。学部、学生処、党委員会、書院等がプロ グラム内容を考え、組織し、実施している(40)。2010 年から 2017 年までの間に 240 の公益課程プログラムが開設され、926 人の教師が科目を担当し、1 万 130 人の学生が同課程で学んでいる(41)。表4は 2017 年に開設された公益課程のプ ログラムの一例である。2017 年に限れば、延べ 47 の公益課程が設けられ、 (42). 1,805人の学生が参加し、163人の教師が関わっている. 。. 表4のプログラムからうかがえるように、その内容は教育支援、医療支援、 農村支援、老人・障害者支援、環境保護活動、地域貢献など多方面にわたる。 実施に当たっては一般的なサービス・ラーニングの形態と同様で、準備(実施 計画の立案等) 、実施(ボランティア活動に参加)、振り返り(小グループによ る討論、報告書の作成など)、総括(経験の共有)といったプロセスで行われ.

(11) 170 特集 大学のサービス・ラーニング. 表4 公益課程のプログラム(2017 年)の一例 開設学期. 名称(主な内容). 春学期. ①公益撮影(農村の様子を写真等で撮影 し、伝統建築や生活文化に対する保護意 識を学ぶ). 受講人数 開設学科・組織. 協力機関・地域. 39 人. 長江新聞メデイ 潮州市潮安洲東 ア学部 村. 春学期. ②海洋へ:海洋国土意識及び海洋生物保 護宣伝活動(子どもたちへの海洋生物の 生態の説明や、海洋保護活動を行う). 41 人. 理学部. 東山二中. 夏学期. ③ 汕 頭 大 学 生 に よ る「三 下 郷」サ ー ビ ス・ラーニング(夏休みに一週間の農村 での教育、文化、医療面でのボランティ アを行う). 35 人. 校内党委員会. 汕頭市濠江区磊 口社区磊口小学. 夏学期. ④「大学での過ごし方」高校生サマーキ ャンプ(大学入学を希望する高校生のサ マーキャンプでのサポートを行う). 29 人. 至誠書院. 金平区教育局. 夏学期. ⑤知的障害児への関心(障害児に対する 支援を行う). 16 人. 書院総部. 揚陽市榕城区知 的障害児リハビ リ訓練部. 秋学期. ⑥助蕾行動-農村女性の成長(経済的に 恵まれない家庭の子どもたちの支援を行 う). 35 人. 文学部. 汕頭広幡大学実 験学校. 出所)汕頭大学公益課程工作小組2018、pp.9~12を基に筆者作成。. る。1プログラムは48単位時間(1単位時間40~50分)で構成され、その内訳は、 一般に、大学での講義3割程度(約16単位時間。理論学習と準備に12単位時間、 振りかえりに 2 単位時間、総括 2 単位時間で構成) 、学外での実践活動(約 32 単位時間。約 4 日間)となっている。1つのプログラムに 30 人前後の学生が参 加し、平均 3~4 名の学部教員が共同で担当している。公益課程の履修はプロ グラム数の制限と費用確保の面から最大 2 単位までとなっている(43)。運営資金 は一人当たり 300~400 元が大学から割り当てられている(1 人当たり上限 500 元)。同大学では公益課程を担当する専任教員はいない。毎年 1~2 回、公益課 程教師育成研修クラスを開設し、各学部学科の教員が研修プログラムに参加し ている。研修を通じて教員にサービス・ラーニングの目的や意義、授業運営方 法、評価方法等を学んでもらい、参加後に公益課程プログラムを担当させる体 制を整えている。 公益課程参加学生に対する評価方法は、講義での学び(理論) 、実習(実践) 、 総括の 3 つの点について 9 つの指標から授業担当教員が評価している。学生も、.

(12) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 171. 公益課程参加後、知識、能力、資質などについて自己評価を行う。自ら定めた 目標(地域社会を理解し、関心を持ち、地域貢献の能力を高め、正しい人生観 を養い、多種多様な思考方式で問題を分析、解決する能力を備えることができ たか等)を達成できたかを評価している(44)。 (2)サービス・ラーニング課程に対する評価 ①公共課程に対する評価. 公益課程自体の評価は、①担当教員による学生に対する評価(理論 20%、 実践 50%、総括 30%で評価)、②学生による担当教員に対する評価(理論 30%、 実践 40%、総括 30%で評価)、③学生の自己評価(課程に対する知識、良好な 思想や意識、協調性、コミュニケーション能力、問題解決能力、環境適応能力 などの側面から評価) 、④サービス活動協力組織の満足度(教員の態度、学生 の態度、協力単位のメリット、今回の活動の必要性等を 4 段階で評価)から行 われている(45)。表5は 5 年間の公益課程に対する各評価項目の平均点を示した ものである。教員、学生、地域におけるサービス活動協力組織のいずれにおい ても、公益課程に対する評価は高い。 公益課程事務担当者によれば、公益課程を実施した結果、学生の知識量、良 好な思想や意識、マネジメント力、コミュニケーション能力、問題解決能力、 研究能力、環境適応能力の面で効果があり、公益課程に参加した学生のほうが 参加していない学生よりもコミュニケーション能力が高い。また、社会主義の 中核となる価値体系(愛国、勤労観、誠実、友愛など)の育成においても効果 表5 5 年間の公益課程に対する各種評価の平均点(2013~2017) 評価指標. 平均点. 担当教員による学生に対する評価. 89.10. 学生による担当教員に対する評価. 92.28. 学生の自己評価. 91.66 教員に対する満足度. 96.80. サービス活動協力 学生に対する満足度 組織の満足度 協力組織のメリット. 95.04. 今回の活動の必要性. 93.66. 出所)汕頭大学公益課程工作小組2018、p.5。. 91.27.

(13) 172 特集 大学のサービス・ラーニング. がみられたとのことであった(46)。 ②参加した学生や教員による評価. 実際に公益課程に参加した学生と教員はどのような感想を持っているのだろ うか。表6は学生(2 名)に実施した聞き取りの結果である。両名の感想をみ ると、大学での講義では学ぶことができなかった実践的な内容を学ぶことがで きたことに満足している様子がわかる。また、その後の進路決定や専門教育の 学びに対するモチベーションの変化もうかがえる。 対して、公益課程に関わった教員はどうだろうか。表4②の海洋プログラム に長年携わっているC教員は、サービス・ラーニングの意義を認めながらも公 益課程は週末や夏休みに活動があるため、同課程に関わる教員が十分に確保で きない点を課題と捉えていた(47)。学生への指導も授業時間だけでは十分でな く、放課後等を用いて行うこともあり、業務負担が増えると考える教員がいる とのことであった。また、学外での活動を伴うため学生の安全も確保する必要 表6 公益課程に参加した学生の感想 学 生. 感 想. ・準備がたいへんだった。これまで講義の授業が中心で、公益課程では準 備するものが違う。海洋に関しても、小学生に対するものと、成人に対 するもので準備が異なる。具体的な内容が求められ、考慮すべき事柄が 多かった。 ・しかし、活動を終え、現在振り返ってみると得たものが多い。思考力や Aさん(大学 2 年) : 責任感が向上したと自分でも感じている。1 年次に公益課程に参加後、自 表4②の海洋保護プ 分でもボランティアに参加するようになった。自身の専攻は海洋化学で ログラムに参加 あり、海洋プログラムに参加したのは自分の専門にも少なからず関係が あると思ったためである。プログラムに参加したことで、海洋汚染の現 状を学んだ。学んだ内容を、海洋自然保護にどのように生かせるかを考 えるようになった。 ・専門教育の学びについてモチベーションが高まった。 ・実践的な内容を学ぶことができたと考えている。1対1で援助したこと で、障害児の様子をより深く理解し、学ぶことができた。数字も読めな い子どもへのサポートの方法を実践的に学んだ。講義ではサポートに対 して理論的な内容を学べるが、子どもの状況は一人一人異なる。プログ Bさん(大学4年) : ラムに参加したことで、対象の子どもの様子をより具体的に理解するこ 表4⑤の知的障害児 とができた。これまでこうした子どもに接する機会は無く、接したこと 支援プログラムに参 で認識が変化した。 加 ・専門教育の学びについてモチベーションが高まった。 ・今後は大学院に進学し、ソーシャルワークの専門分野で学ぶ予定である。 今回のプログラムの選択も進路選択を考えて決定した。.

(14) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 173. があり、配慮しなければならない事柄が多いことも負担であるという。表4⑤ の知的障害児支援に関わっているD教員も公益課程に対する教員の理解の低さ を指摘していた(48)。また、地域でボランティア協力組織を探すことにも困難 を感じていた。C教員、D教員ともに、大学全体として公益課程を開設するこ とに協力が得られても、それを担当する各学部・学科の所属長や教員の理解が 十分ではない場合、実際公益課程を運営するのは難しいと考えていた。学生に とって有益な活動であっても、正規のカリキュラムの中で実施する場合、それ に携わる教員の確保や意識が課題になっていると言える。. 5.中国の大学におけるサービス・ラーニング実施にみられる課題 以上、中国の大学におけるサービス・ラーニング実施状況について、汕頭大 学の公益課程を中心に確認した。実践的な学びと理論的な学びを結びつけて実 践されるサービス・ラーニングは、中国では「服務学習」や「公益課程」、さ らにはそれに類する「社会実践活動」などその名称は様々だが、学生の社会的 責任感を養い、正しい価値観を身につけさせ、今後の社会を担う公民として求 められる資質向上を目指しているところは共通している。しかし、海外から移 入された「服務学習」としてのサービス・ラーニング概念は定着するまでには 至っていないのが現状である。全国的なレベルで制度化されておらず、現在一 部大学で実施されているにすぎないことが、それを例証している。 その一番の理由として挙げられるのが、汕頭大学の教員も指摘しているとお り、サービス・ラーニング概念に対する大学教員の理解の不十分さである。依 然専門教育重視の傾向がある中国の多くの大学では、専門教育を行う時間を十 分に確保できなくなるとして、サービス・ラーニング科目を担当することに教 員が消極的な場合がある(49)。サービス・ラーニング科目を実施するにあたっ ては、学生だけでなく、教員も相応の準備が求められるが、サービス・ラーニ ングに対する教員側の認識が十分でない場合、準備、実践、振り返り、評価と いったプロセスを有する計画的で系統的なサービス・ラーニングを実施できず、 それによって参加学生が負担を感じているとの批判もある(50)。汕頭大学の学 生は公益課程プログラムに参加したことで大学での授業に対するモチベーショ.

(15) 174 特集 大学のサービス・ラーニング. ンが高まったと述べていたが、先行研究では、参加学生の半数弱が大学での授 業に対するモチベーションにあまり結びついていないとの結果も示されてい る(51)。このほか、サービス・ラーニング実施に当たって、資金面、時間の調 整、場所の確保等の問題も指摘されている(52)。さらには、現在実施されてい るサービス・ラーニング関連の活動内容は単一的・一次的で、学生は教員が用 意したプログラムに参加しているにすぎないと学生の自主性を疑問視する研究 もある(53)。担当教員のサービス・ラーニングに対する意識が十分でないまま実 施されると、活動を通じて知識や理解を深める機会が失われるだけでなく、社 会的責任感や公民としての意識を育てるといったサービス・ラーニングの目的 や意義自体も失われてしまう結果が生じかねないとの批判もみられる(54)。 しかしながらこうした批判は中国に限ったことではないだろう。むしろ中国 の大学におけるサービス・ラーニングの特徴として言えることは、大学におけ る人材育成や教学改革の手法として、海外から移入された概念であるサービ ス・ラーニングの訳語としての「服務学習」と、以前から大学生を対象に実践 されていたボランティア活動である「社会実践活動」が平行して展開している ところにある。両者はともに、理論的な学習と実践的な学習を結びつけ、ボラ ンティア活動を通じて学生の社会的責任感や公民としての意識を育てる点は共 通していた。また、大学の正規のカリキュラムの中の一科目として必修化・単 位化の傾向がみられる動きも同様である。しかし、社会実践活動は大学生の思 想政治教育の重要かつ有効な手段として明確に位置づけられているのに対し、 訳語としての「服務学習」にはこうした意識はほとんど認められない。異なる 意味合いがあるにもかかわらず併存して用いられるために、中国の大学で語ら れるサービス・ラーニングは、変化の激しい社会に対応できる能力やスキル、 社会的責任感の育成等、今後の社会において求められる汎用的スキルの育成と いった点にとどまらず、中国共産党の指導理念や社会主義の思想や価値観を学 ぶ思想政治教育と結びつけられながら語られている。そこではあくまでも、現 状の社会体制の枠組み内で、それを維持する手段としてサービス・ラーニング が捉えられているといえる。.

(16) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 175. おわりに―サービス・ラーニング展開の可能性 以上本稿では、中国の大学におけるサービス・ラーニングの現状を確認して きた。専門ごとに細分化した教育を行ってきた中国の大学のカリキュラムや人 材育成モデルを再考する方法の一つとして、理論面の学習と実践活動の結びつ きを重視するサービス・ラーニングが中国でも注目され、一部の大学で正規の カリキュラムの中に取り入れられていた。その効果についても、学生の社会的 責任感や公民としての意識の育成、コミュニケーション能力の向上にメリット があるといった評価的な意見が複数聞かれた。しかしその実施においては、担 当教員の認識不足やボランティア先からの協力が十分に得られないなどの課題 もあった。 中国の大学におけるサービス・ラーニングの導入は始まったばかりで、国と しての制度化にまでは至っていない。しかしながら上述のとおり、中国の大学 におけるサービス・ラーニングは、欧米など海外で語られるところの意味と異 なり、大学生に対する思想政治教育の手段として実施されてきた社会実践活動 の意味を含んだものとして語られていた。ここに、中国の大学におけるサービ ス・ラーニングの展開にみられる特徴の一つを指摘することができる。欧米か ら移入されたサービス・ラーニング概念である「服務学習」が、大学生の思想 政治教育の手段として用いられている概念である「社会実践活動」へと吸収さ れながら定着していくのか、それとも独自の発展を遂げていくのか。中国的な 特徴を伴って展開され始めた中国の大学におけるサービス・ラーニングに今後 どのような展開がみられるのか、継続して注目したい。 【注】 (1) 2001 年の北京オリンピック開催決定以後、中国ではボランティア活動が活発に展開され ることになったと言われている。四川大地震(2008 年)や上海万博(2010 年)にも、大学生を 含む数多くの人々がボランティアに参加した。 (2) 藍・許 2011、pp.220~221。 (3) 胡 2013 の研究によると、日本語で「服務」は「服役する、仕事に従事する」といった意 味で用いられるが、中国語の場合、奉仕やサービスの意味で多用されている。中国に「服 務」の語が導入された当初は「奉仕」や「サービス」といった意味は無かった。1920 年代.

(17) 176 特集 大学のサービス・ラーニング. に孫文が用いたことによってその語が普及し始め、戦後になって毛沢東などが多用したこ とで広く浸透した。その過程で、 「社会や他人のために働く、奉仕する」といった意味だけ でなく、 「サービス」が付加されるようになった。 (4) 陳 2016、p.61。 (5) 同上。 (6) 姚・郭 2015、p.51。 (7) 桜井・津止 2009、p.9。 (8) 顧 2016、p.2~3。 (9) 張ほか 2017、p.108。 (10) 姚・郭 2015、p.51。 (11) 顧 2016、p.6。 (12) 張ほか 2017、pp.108~109。 (13) 香港教育局ウェブサイト「服務學習」 (https://www.edb.gov.hk/sc/curriculum-development/ 4 key tasks/moral civic/Newwebsite/flash/servicelearning/service.html) 2019 年 5 月 10 日閲覧。 (14) 台湾教育部 2010「大専院校服務学習方案」。 (15) 藍・許 2011、pp.220~221。 (16) 朱・薛 2013、pp.222~223。 (17) 中国共産党中央・国務院 2004「関於進一歩加強和改進大学生社会実践的意見」。 (18) 朱・薛 2013、報 2006 などの研究を参照。 (19) 中国の NGO を含む非営利団体、民間団体・組織によるボランティア活動の現状につい ては、李 2008、pp.10~12、諸外国におけるボランティア活動に関する調査研究実行委員会 編 2007、pp.283~305 を参照。 (20) 1989 年には中国で初めてのボランティア組織である「コミュニティボランティア協 会」 (原文・社区志願者協会)が設立されている。 (21) 藍・許 2011、p.220。 (22) 中国青年網「三下郷」 (http://sxx.youth.cn/) 2019 年 5 月 10 日閲覧。 (23) 中国共産党青年団中央 2019「関於深入開展郷村振興青春建功行動的意見」。なお中国に は、在学生だけでなく、就職の機会として提供されているボランティア活動もある。2003 年に開始された「大学生西部ボランティア計画」 (原文・大学生志願服務西部計画)がそれで ある。 「西部へ、貧困地域へ、祖国の最も必要とされる地方へ行こう」を標語に掲げて展開 した活動で、経済発展が遅れている西部内陸部の貧困地域で大学卒業生に1~3年間、ボラ ンティアとして教育、衛生、農業技術普及などの業務に従事させ、その後の進学や就職を 優遇する政策である。参加者には、生活費や交通費の補助金が支給されるほか、公務員採 用試験や大学院の入学試験で優先的に選抜されるなどの優遇措置が与えられる。類似のプ ログラムに、農村の末端組織に幹部として大卒者を派遣する「大学生村官計画」 (2005 年)、 教育、農業、医療の3つの分野の支援と貧民への扶助を行うことを目的に大卒者を農村に派 遣する「三支一扶計画」 (2006年)、大卒者を農村の学校に教員として派遣する「農村教員ポ スト特設計画」 (2006年)などがある。これら計画は1990年代からの高等教育の急激な拡大に よる卒業生の就職難が深刻化していた状況を背景に、大卒者を対象に打ち出されたもので.

(18) 中国の大学におけるサービス・ラーニング 177 ある。 (24) 中国共産党中央・国務院 2004「関於進一歩加強和改進大学生思想政治教育的意見」。 (25) 中国共産党中央宣伝部、教育部、共産党青年団中央ほか 2005「関於進一歩加強和改進 大学生社会実践的意見」。 (26) 教育部 2012「関於進一歩加強高校実践育人工作的若干意見」。 (27) 2017 年 1 月に国務院が発表した「国家教育事業発展第 13 次 5 か年計画」でも、大学生の ボランティア活動に対する言及がみられる。同計画でも高等教育機関に対して、大学生の 実践活動を広範囲に展開することを支持し、大学生が校舎を出て、農村など地方の末端組 織に入り込み、党の方針・政策及び中国的特色のある社会主義理論を広く宣伝させること で、社会を理解し、国情を認識し、実力をつけるよう促すことを求めている。 (28) 陳 2016、pp.61~62。 (29) 藍・許 2011、p.152。 (30) 中国の大学の教育課程は、国が定める修学年限や人材育成の要求水準に基づき、各大 学が独自に編成できるようになっている。大学の教育課程には一般に必修科目と選択科目 とがある。必修科目は共通科目と専攻関連科目からなり、専門科目は専門性の度合いに応 じて基礎科目、専攻基礎科目及び専攻科目とに分類されている。 (31) 藍・許 2011 では、南開大学、雲南大学、浙江大学の導入事例が紹介されている。天津 市にある南開大学では、ユニセフの指導の下、全学生を対象とした「公共選修課」内の一 科目として「服務学習」を 2007 年に開設している。公立大学の雲南大学では「老人支援活 動」をサービス・ラーニングプロジェクトとして 2007 年より実施している。浙江大学寧波 理工学院でも、2007 年より「行走的新聞」プロジェクトとしてサービス・ラーニングを実 施している。藍・許 2011、pp.155~158 参照。 (32) 2019 年 3 月 19 日の汕頭大学公益課程事務担当者からの聞き取りによる。 (33) 同上。 (34) 「汕頭大学本科学生学業指南(2016 年入学)」 (https://jwc.stu.edu.cn/Detail.aspx?Content_ ID=321)2019 年 5 月 10 日閲覧。 (35) 汕 頭 大 学 2016「法 学 専 業 2015 課 程 計 画」 (https://law.stu.edu.cn/main.aspx?type=content& Content_ID=2944)2019 年 5 月 5 日閲覧。 (36) 汕頭大学共同核心課程ウェブサイト 2013「関於公布汕頭大学共同核心課程的通知」 (http://comcor.stu.edu.cn/cor5/2016-03-23/170.html) 2019 年 5 月 5 日閲覧。 (37) 汕頭大学公益課程ウェブサイト 2010「関於公布汕頭大学公益課程実施計画的通知」 (http://gykc.stu.edu.cn/gykc7/2015-06-03/121.html) 2019 年 5 月 5 日閲覧。 (38) 2019 年 3 月 19 日の汕頭大学公益課程事務担当者からの聞き取りによる。 (39) 同上。 (40) 学生宿舎に教育機能を付して再編された「書院」で提供されているプログラムは同書 院で生活指導に当たっている補導員が担当している。 (41) 汕頭大学公益課程工作小組 2018『2017 公益課程年度報告』、p.3。 (42) 同上。 (43) 2019 年 3 月 19 日の汕頭大学公益課程事務担当者からの聞き取りによる。.

(19) 178 特集 大学のサービス・ラーニング. (44) 宋・蔡 2013、p.81。 (45) 汕頭大学公益課程ウェブサイト「課程評估」 (http://gykc.stu.edu.cn/gykc3/)2019 年 5 月 10 日閲覧。同サイトには評価領域ごとに評価シートが示され、評価項目が掲載されている。 (46) 2019 年 3 月 19 日の汕頭大学公益課程事務担当者からの聞き取りによる。 (47) 2019 年 3 月 19 日の汕頭大学公益課程での C 教員からの聞き取りによる。 (48) 2019 年 3 月 19 日の汕頭大学公益課程での D 教員からの聞き取りによる。 (49) 2019 年 3 月 19 日の汕頭大学公益課程でのC教員からの聞き取りによる。 (50) 姚・郭 2015、p.52、顧 2016、p.7 参照。 (51) 姚・郭 2015、p.52 (52) 顧 2016、p.7。 (53) 姚・郭 2015、p.52。 (54) 同上。. 【引用文献】 胡琪 2013「日本における日本語借用語の流入と受容 :「服務」という言葉を中心に」 『北海道大 学大学院文学研究科研究論集』第 13 号、pp.241~250。 顧林生 2016『社会服務学習概論』四川大学出版社。 向荣・董欣梅 2011『服務―学習手冊』中国社会出版社。 桜井正成・津止正敏編 2009『ボランティア教育の新地平―サービスラーニングの原理と実践 ―』ミネルヴァ書房。 朱建征・薛雲雲 2013「大学生社会実践課程建設再試行」 『教育理論研究』、pp.222~223。 諸外国におけるボランティア活動に関する調査研究実行委員会編 2007『諸外国におけるボ ランティア活動に関する調査研究報告書』 (文部科学省委託研究) (http://www.mext.go.jp/ component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/04/05/1222463_010.pdf)2019 年 5 月 10 日閲覧。 汕頭大学公益課程工作小組 2018『2017 公益課程年度報告』。 宋垚臻・蔡映輝 2013「公益課程:高校通識教育課程改革新探索―以汕頭大学公益課程為例」 『汕頭大学学報(人文社会科学版)』vol.29 no.2、pp.79~82。 孫莹 2006「服務学習―発展自我、回饋社区的青年志願服務策略」 『社会工作』2006 年第 11 期下 半月、pp.5~9。 張江龍ほか 2017「基於服務学習本質回帰的高校公民教育対策研究」 『理論導刊』pp.108~112。 陳健 2016「志願服務学習―志願服務学習課程化的路径探索」『党史博采』2016 年第 2 期、pp.61 ~62。 報時代 2006「地方院校大学生社会実践課程化建設研究与実践」『雲夢季刊』第 27 巻第 3 期、 pp.115~118。 姚梅林・郭芳芳 2015「服務学習在中国:現実需要与推進策略」 『北京師範大学学報(社会科学 版)』2015 年第 3 期(第 249 期)、pp.51~57。 藍采鳳・許為民 2011『服務―学習:在高等教育中的理論与実践』浙江大学出版社。 李妍焱 2008『台頭する中国の草の根 NGO―市民社会への道を探る―』恒星社厚生閣。.

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参照

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