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(1)

2011/02/17 2011/02/17 第5回不確かさクラブ総会第5回不確かさクラブ総会

標準不確かさと拡張不確かさ

標準不確かさと拡張不確かさ

ー 信頼の水準約

信頼の水準約

95%

95%について

について ー

産業技術総合研究所 産業技術総合研究所 計測標準研究部門計測標準研究部門 産業技術総合研究所 産業技術総合研究所 計測標準研究部門計測標準研究部門 榎原研正 榎原研正

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 1

概要

概要

1) 最近の議論の背景

2) 95%問題において考慮すべきポイント

2) 95%問題において考慮すべきポイント

3) 考え方の整理

3) 考え方の整理

補足資料 (1) 統計学における自由度 (2) 不確かさ評価における自由度 (3) 海外の関連規定について

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 2

議論

1) 最近の議論の背景

2) 95%問題において考慮すべきポイント

2) 95%問題において考慮すべきポイント

3) 考え方の整理

) 考 方 整

記号 記号 u (y): 合成標準不確かさ uc(y ): 合成標準不確かさ U : 拡張不確かさ k 包含係数 k : 包含係数

GUM

GUMにおける不確かさの表現方法

における不確かさの表現方法

  合成標準不確かさ、もしくは拡張不確かさ合成標準不確かさ、もしくは拡張不確かさ のどちらかを使うのどちらかを使う  GUMGUMでは元来、合成標準不確かさでの表現が基本的とさでは元来、合成標準不確かさでの表現が基本的とさ れている れている れている れている 使用例: 使用例:CODATA(CODATA(基礎物理定数のデータベース基礎物理定数のデータベース)) (www codata org/resources/databases) (www codata org/resources/databases) (www.codata.org/resources/databases) (www.codata.org/resources/databases)   現実には多くの場合、現実には多くの場合、 拡張不確かさが用いられている拡張不確かさが用いられている

(2)

不確かさ表現の実際

不確かさ表現の実際

合成標準不確かさ

合成標準不確かさ

cc

((y

y )) を用いる場合

を用いる場合

[[例例] ] mmss==100.02147 g100.02147 g、、 ここで合成標準不確かさはここで合成標準不確かさは uucc((mmss) ) ==0.35 mg0.35 mg [[例例]] mm ==100 021 47 (0 000 35) g100 021 47 (0 000 35) g、、 ここで括弧内のここで括弧内の [[例例] ] mmss 100.021 47 (0.000 35) g100.021 47 (0.000 35) g、、 ここで括弧内のここで括弧内の 数は表示された結果の単位で表した合成標準不確か 数は表示された結果の単位で表した合成標準不確か さ さ uu ((mm )) の数値であるの数値である さ さ uucc((mmss) ) の数値であるの数値である

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 5   いずれも曖昧さのある要素は少ないいずれも曖昧さのある要素は少ない

不確かさ表現の実際

不確かさ表現の実際

拡張不確かさ

拡張不確かさ

U

U を用いる場合

を用いる場合

““測定結果測定結果 100 021 47100 021 47 拡張不確かさ拡張不確かさ UU 0 000 79 ”0 000 79 ” ““測定結果測定結果: : mmss=100.021 47 g, =100.021 47 g, 拡張不確かさ拡張不確かさ: : UU=0.000 79 g”=0.000 79 g” と報告するときの と報告するときのUU の説明としての説明として [[例例a] a] 「「U U は包含係数をは包含係数をkk=2=2として求めた拡張不確かさ」として求めた拡張不確かさ」 付加情報1つ 広く使われている 付加情報1つ 広く使われている ・・・ ・・・ 付加情報1つ、広く使われている付加情報1つ、広く使われている [[例例b] b] 「「U U はは包含係数を包含係数をkk=2=2として求めた拡張不確かさで、として求めた拡張不確かさで、約約95%95%の信頼の水準の信頼の水準 [[ ]] を持つと推定される区間を定める」 を持つと推定される区間を定める」 ・・・ ・・・ 付加情報2つ、しばしば使われている付加情報2つ、しばしば使われている ((包含確率ともいう包含確率ともいう)) [[例例c]c] 「「U U は、自由度は、自由度ν= 9ν= 9ののtt分布にもとづく包含係数分布にもとづく包含係数kk= 2.26= 2.26 から求めた拡張から求めた拡張 不確かさで 不確かさで 約約95%95%の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 6

不確かさで、 不確かさで、約約95%95%の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」 ・・・ ・・・ 付加情報3つ、使用例は多くない付加情報3つ、使用例は多くない

不確かさの表現に関する最近の動向

不確かさの表現に関する最近の動向

ILAC Policy for Uncertainty in Calibration ILAC Policy for Uncertainty in Calibration

行 行 (ILAC (ILAC--P14, 2010/11P14, 2010/11月発行月発行)) –– 認定機関、校正機関、及び標準物質生産者が対象認定機関、校正機関、及び標準物質生産者が対象認定機関、校正機関、及び標準物質生産者が対象認定機関、校正機関、及び標準物質生産者が対象 –– CMC (CMC (校正及び測定能力校正及び測定能力))で表される不確かさは、で表される不確かさは、   およそおよそ95%95%の包含確率を有する拡張不確かさで表現しなければならなの包含確率を有する拡張不確かさで表現しなければならな   およそおよそ95%95%の包含確率を有する拡張不確かさで表現しなければならなの包含確率を有する拡張不確かさで表現しなければならな い い(5.3(5.3節節))   校正証明書には 包含係数及び包含確率を記載しなければならない校正証明書には 包含係数及び包含確率を記載しなければならない   校正証明書には、包含係数及び包含確率を記載しなければならない校正証明書には、包含係数及び包含確率を記載しなければならない (6.2 (6.2節節)) 注 注1) ILAC = 1) ILAC = 国際試験所認定協力機構国際試験所認定協力機構 注 注2) ILAC2) ILAC文書は、混乱を避ける目的で、本来複数のオプションがあり得るものを一本文書は、混乱を避ける目的で、本来複数のオプションがあり得るものを一本 す 立場 作成され 注意 技術的 妥 なオプ をす 提 す 立場 作成され 注意 技術的 妥 なオプ をす 提 化する立場で作成されていることに注意。技術的に妥当なオプションをすべて提示 化する立場で作成されていることに注意。技術的に妥当なオプションをすべて提示 する するGUMGUMとは立場が異なる。とは立場が異なる。

不確かさの表現に関する最近の動向

不確かさの表現に関する最近の動向

ILAC Policy ILAC Policy ILAC Policy ILAC Policy 

 認定・認証制度(認定・認証制度(ISO/IEC 17025, ISO Guide 34, ISO ISO/IEC 17025, ISO Guide 34, ISO

15195) 15195)の枠組みの中での校正証明書の発行には 約の枠組みの中での校正証明書の発行には 約95%95% 15195) 15195)の枠組みの中での校正証明書の発行には、約の枠組みの中での校正証明書の発行には、約95%95% の包含確率(信頼の水準)であることを明記した拡張不確か の包含確率(信頼の水準)であることを明記した拡張不確か さの報告が要求される。 さの報告が要求される。 さの報告が要求される。 さの報告が要求される。 ⇒ ⇒ [[例例a] a] は不可は不可

(3)

ILAC

ILAC--P14

P14に関わる最近の国内動向

に関わる最近の国内動向

  国内認定機関において、国内認定機関において、 「「k k の値と包含確率を対応づける根拠としの値と包含確率を対応づける根拠とし て、 て、有効自由度の算定を必須とすべき有効自由度の算定を必須とすべきではないか?」との検討が行ではないか?」との検討が行 て、 て、有効自由度の算定を必須とすべき有効自由度の算定を必須とすべきではないか?」との検討が行ではないか?」との検討が行 われている。 われている。 ⇒ ⇒ [[例例b] b] とと[[例例c] c] の折衷案:の折衷案:   有効自由度を必ず算定したうえで有効自由度を必ず算定したうえで   有効自由度を必ず算定したうえで、有効自由度を必ず算定したうえで、   有効自由度がある一定値有効自由度がある一定値((例えば例えば9)9)以上の場合に以上の場合に[[例例b]b] 方式 そうでない場合に 方式 そうでない場合に[[例例 ]]方式方式 方式、そうでない場合に 方式、そうでない場合に[[例例c]c]方式方式 が検討されている。 が検討されている。

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 9

問題のありか

問題のありか

 

包含確率を表記することに対する異論は少ない

包含確率を表記することに対する異論は少ない

–– kk=2 =2 は、正規分布における約は、正規分布における約95%95%の包含確率に対応の包含確率に対応 している、との暗黙の前提があった している、との暗黙の前提があった している、との暗黙の前提があった している、との暗黙の前提があった

包含確率として

包含確率として

95%

95%以外の値(

以外の値(

99% 90%

99% 90%など)を

など)を

 

包含確率として、

包含確率として、

95%

95%以外の値(

以外の値(

99%, 90%

99%, 90%など)を

など)を

使うべきとの異論も少ない

使うべきとの異論も少ない

–– 拡張不確かさでは、包含確率拡張不確かさでは、包含確率95%(95%(及び及びkk = 2) = 2) がデがデ フォルトのように広く用いられてきた フォルトのように広く用いられてきたう 広 用う 広 用

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 10

問題のありか

問題のありか

 

95%

95%表記の根拠として

表記の根拠として有効自由度の算定を義務

有効自由度の算定を義務

づけるかどうか

づけるかどうかの部分に いて 賛否がある

の部分に いて 賛否がある

づけるかどうか

づけるかどうかの部分について、賛否がある

の部分について、賛否がある

  有効自由度を用いない有効自由度を用いない →→ [[例例b]b]   有効自由度を用いる有効自由度を用いる →→ [[例例c]c]   有効自由度を用いる有効自由度を用いる →→ [[例例c]c] [[例例b] b] 「「U U は包含係数をは包含係数をkk=2 =2 として求めた拡張不確かさで、約として求めた拡張不確かさで、約95%95%の信頼の水準を持の信頼の水準を持 [[例例 ]] は包含係数をは包含係数を として求めた拡張不確かさで、約として求めた拡張不確かさで、約 信頼 水準を持信頼 水準を持 つと推定される区間を定める」 つと推定される区間を定める」 [[例例c]c] 「「U U は 自由度は 自由度ν= 9 ν= 9 ののtt分布にもとづく包含係数分布にもとづく包含係数kk= 2 26 = 2 26 から求めた拡張不確から求めた拡張不確 [[例例c]c] 「「U U は、自由度は、自由度ν= 9 ν= 9 ののtt分布にもとづく包含係数分布にもとづく包含係数kk= 2.26 = 2.26 から求めた拡張不確から求めた拡張不確 かさで、約 かさで、約95%95%の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」

不確かさクラブとして取り組みたいこと

不確かさクラブとして取り組みたいこと

  様々な技術分野や立場(不確かさの利用やトレーサビリ様々な技術分野や立場(不確かさの利用やトレーサビリ ティ階層の点で)のメンバーが集結していることを活用し、 ティ階層の点で)のメンバーが集結していることを活用し、 1) 1) どのような考え方や方針があり得るかについて、広く情どのような考え方や方針があり得るかについて、広く情 報を交換し 共有する 報を交換し 共有する 報を交換し、共有する 報を交換し、共有する 2) 2) 共通の認識を持ち得る部分は何かを検討する共通の認識を持ち得る部分は何かを検討する 2) 2) 共通の認識を持ち得る部分は何かを検討する共通の認識を持ち得る部分は何かを検討する

(4)

1) 最近の議論の背景

2) 95%問題において考慮すべきポイント

3) 考え方の整理

3) 考え方の整理

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 13

有効自由度の利用の意義

有効自由度の利用の意義

1. 1. ((t t 分布の適用が妥当な場合)分布の適用が妥当な場合) y y ±±UU の中に、測定量の中に、測定量 の値 の値 が含まれるが含まれる長期的成功率長期的成功率((独立な測定及び不確独立な測定及び不確 の値 の値  が含まれるが含まれる長期的成功率長期的成功率((独立な測定及び不確独立な測定及び不確 かさ評価を多数回繰り返したときの成功の割合 かさ評価を多数回繰り返したときの成功の割合))が、指定が、指定 値 値 なな の値 の値(95%)(95%)に近くなるに近くなる tt分布に基づく包含係数分布に基づく包含係数kk 自由度() 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 t0.95() 12.71 4.30 3.18 2.78 2.57 2.45 2.36 2.31 2.26 2.23 自由度() 12 14 16 18 20 30 40 50 100 1000 自由度() t0.95() 2.18 2.14 2.12 2.10 2.09 2.04 2.02 2.01 1.98 1.96

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 14   自由度が低い場合自由度が低い場合((例えば例えば11桁桁))、、kk = 2 = 2 からのはずれは小さくないからのはずれは小さくない

有効自由度の利用の意義

有効自由度の利用の意義

2. 2. 有効自由度が小さいことは、不確かさ評価の再現性が低有効自由度が小さいことは、不確かさ評価の再現性が低 い い((不確かさが不確かさが “暴れる”“暴れる”))ことに対する警告となることに対する警告となる い い((不確かさが不確かさが 暴れる暴れる ))ことに対する警告となることに対する警告となる

統計学における自由度と、不確かさ評価における有効

統計学における自由度と、不確かさ評価における有効

自由度の違い

自由度の違い

  統計学統計学 ⇒⇒ 自由度は明確自由度は明確   自由度自由度(() = ) = 繰り返し数繰り返し数((nn))--11   自由度自由度(() ) 繰り返し数繰り返し数((nn)) 11 ((一般に、「データ数一般に、「データ数 -- あてはめパラメータの数」あてはめパラメータの数」))   不確かさ評価不確かさ評価 ⇒⇒ 有効自由度を決めがたい有効自由度を決めがたい   BBタイプ評価の自由度の算定が難しいことが多いタイプ評価の自由度の算定が難しいことが多い   BBタイプ評価の自由度の算定が難しいことが多いタイプ評価の自由度の算定が難しいことが多い 

 正規分布(正規分布(WelchWelch--SatterthwaiteSatterthwaiteの式の前提)に従わない変の式の前提)に従わない変 数の存在

数の存在 数の存在 数の存在

(5)

BBタイプ不確かさの自由度をタイプ不確かさの自由度を ∞ ∞ とする根拠は一般に無いとする根拠は一般に無い   BBタイプ不確かさの自由度の「定義」タイプ不確かさの自由度の「定義」 2 ) ( ) ( 1       i i x u

不確かさの不確かさ 不確かさの不確かさ ) ( 2 i i x u   自由度自由度∞∞は、不確かさの大きさがは、不確かさの大きさが100%100%信用できることを意信用できることを意 味する 味する   通常、通常、BBタイプ不確かさタイプ不確かさ((元来、主観確率に基づく元来、主観確率に基づく))の大きさの大きさ を を100%100%信用はしていない信用はしていない を を100%100%信用はしていない信用はしていない

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 17

統計学における区間推定と、不確かさ評価の違い

統計学における区間推定と、不確かさ評価の違い

  区間推定では 推定対象区間推定では 推定対象(())が(平均して)が(平均して)100100回に回に9595回回   区間推定では、推定対象区間推定では、推定対象(())が(平均して)が(平均して)100100回に回に9595回回 信頼区間の中に入ることを要請 信頼区間の中に入ることを要請 ⇒ ⇒ を正確に求めたいを正確に求めたい ⇒ ⇒ を正確に求めたいを正確に求めたい ((区間幅が評価の都度変化するのは差し支えない区間幅が評価の都度変化するのは差し支えない)) 確 確 「校「校 指指   不確かさ評価では、不確かさ評価では、UU を「校正測定能力」の指標のようにを「校正測定能力」の指標のように 用いることが多い 用いることが多い ⇒ ⇒ UU 自体も正確に求めたい自体も正確に求めたい ((UU が評価の都度変化するのは避けたい;が評価の都度変化するのは避けたい; UUの再現性が重要の再現性が重要))

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 18

(( ))

tt 分布を使っても、「正確」な

分布を使っても、「正確」な

U

U は求まらない

は求まらない

拡張不確かさ

U

=

k

u

c

(

y

)

tt 分布で正確に決め分布で正確に決め られるのはこの部分 られるのはこの部分 自由度が小さいときには、合 自由度が小さいときには、合 成標準不確かさの再現性が 成標準不確かさの再現性が られるのはこの部分 られるのはこの部分 成標準不確かさの再現性が成標準不確かさの再現性が 低い 低い  再現性の高いU を求めるには、自由度を大きくすることが必要

U の再現性の例 (有効自由度

自由度



= 9 の場合)

次回の不確かさ評価で同様の値が得られるかどうか 次回の不確かさ評価で同様の値が得られるかどうか 2.5 DF = 9 k=2 UU= = kkuucc((y y ) ) に対するに対する100100回のシミュレーション計算回のシミュレーション計算 1 5 2.0 DF = 9 k=2 k= t0.05(9) = 2.26 U∞ 1.0 1.5 U/ U 0 20 40 60 80 100 0.0 0.5 ““正確な”(自由度正確な”(自由度∞∞の)拡張不確かさの)拡張不確かさ ・・・ ・・・ 不確かさの大きさが、評価のたびごとに安定しない不確かさの大きさが、評価のたびごとに安定しない

(6)

U

U 自体の大きさが重要となる局面

自体の大きさが重要となる局面

トレ サビリティの経路の途中では

トレ サビリティの経路の途中では

U

U と

kk から

から

(( )

)

 

トレーサビリティの経路の途中では、

トレーサビリティの経路の途中では、

U

U と

kk から

から

uu

cc

((yy)

)

に戻して使うのが普通

に戻して使うのが普通 (むしろ

(むしろ

uu

cc

((yy)

) が大切)

が大切)

 

適合性評価の局面で初めて

適合性評価の局面で初めて

U

U の大きさが重要とな

の大きさが重要とな

る (リスク評価に必要)

(リスク評価に必要)

る (リスク評価に必要)

(リスク評価に必要)

(ただし、適合性関連文書

(ただし、適合性関連文書草案草案(ISO/IEC Draft Guide 98(ISO/IEC Draft Guide 98--4 “Role 4 “Role

でも でも

of measurement uncertainty in conformity assessment”, 2009/10) of measurement uncertainty in conformity assessment”, 2009/10)でもでも kk = 2= 2がデフォルト(がデフォルト(4.24.2節))節))

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 21

産業界へのメリット・デメリット

産業界へのメリット・デメリット

  有効自由度の計算の義務づけが、産業界等にもたらすメ有効自由度の計算の義務づけが、産業界等にもたらすメ リ トは何か? リ トは何か? リットは何か? リットは何か? 理解や計算 複雑さと れ 得られ 理解や計算 複雑さと れ 得られ 妥当性が釣り妥当性が釣り   理解や計算の複雑さと、それで得られる理解や計算の複雑さと、それで得られるUU の妥当性が釣りの妥当性が釣り 合わない 合わない(?)(?)  kk の計算根拠の曖昧さ、の計算根拠の曖昧さ、UU の再現性は上がらないの再現性は上がらない   「「kk = 2= 2、包含確率、包含確率95%95%」でよいとする簡明さが持つメリットも」でよいとする簡明さが持つメリットも 重要 重要 重要 重要

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 22

海外動向への配慮

海外動向への配慮

  日本でだけ有効自由度の計算を義務づけるのは 国内産日本でだけ有効自由度の計算を義務づけるのは 国内産   日本でだけ有効自由度の計算を義務づけるのは、国内産日本でだけ有効自由度の計算を義務づけるのは、国内産 業界の負担を増やす 業界の負担を増やす 

 ILACILACによるILACILACによるによるによる95%95%表記の義務づけの真意は、有効自由度計95%95%表記の義務 けの真意は、有効自由度計表記の義務づけの真意は、有効自由度計表記の義務 けの真意は、有効自由度計

算の義務づけではない 算の義務づけではない   ILACILAC P14P14には 有効自由度への言及はないには 有効自由度への言及はない   ILACILAC--P14P14には、有効自由度への言及はないには、有効自由度への言及はない

1) 最近の議論の背景

2) 95%問題において考慮すべきポイント

3) 考え方の整理

3) 考え方の整理

(7)

有効自由度の計算の考え方

有効自由度の計算の考え方

((案

)

)

1) 1) ・・ 有効自由度の計算の根拠に曖昧さがある場合は多い有効自由度の計算の根拠に曖昧さがある場合は多い ・ ・ 有効自由度の意味の理解や計算は必ずしも簡単でない有効自由度の意味の理解や計算は必ずしも簡単でない ・ ・tt 分布で分布で kk を決めても、を決めても、UU の再現性は改善されないの再現性は改善されない ・ ・ 海外で有効自由度の計算を義務化する動きはない海外で有効自由度の計算を義務化する動きはない などを考慮すると 現段階でこの計算の義務化は適当でない などを考慮すると 現段階でこの計算の義務化は適当でない などを考慮すると、現段階でこの計算の義務化は適当でない などを考慮すると、現段階でこの計算の義務化は適当でない 2) 2) 有効自由度が小さいと、不確かさの再現性が悪くなることか有効自由度が小さいと、不確かさの再現性が悪くなることか ら、 ら、支配的な不確かさ成分の自由度支配的な不確かさ成分の自由度が小さいときには、注意が小さいときには、注意 を喚起し、可能な範囲で自由度を増やす努力を促すことは を喚起し、可能な範囲で自由度を増やす努力を促すことは 有用 有用

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 25

支配的成分に着目した自由度大小の判定指針

支配的成分に着目した自由度大小の判定指針

((案

))

 出発点出発点 自由度 自由度 == 99 に対するに対する9595%%包含係数包含係数(k(k == 22 2626))をを kk ==22 で置き換で置き換 自由度 自由度 == 99 に対するに対する9595%%包含係数包含係数(k(k == 22..2626))をを kk ==22 で置き換で置き換 える近似を許容範囲と考える える近似を許容範囲と考える  支配的成分支配的成分  支配的成分支配的成分 最大の不確かさ成分、もしくは大きい順に複数成分を合 最大の不確かさ成分、もしくは大きい順に複数成分を合 成したものを

成したものをuu 22(d: dominant)(d: dominant)としとし uu22が合成標準不確かが合成標準不確か

成したものを

成したものをuudd (d: dominant)(d: dominant)とし、とし、uuddが合成標準不確かが合成標準不確か さの全体 さの全体uucc22のおよそのおよそ0.80.8倍以上になるようにする。倍以上になるようにする。uu dd22に含に含 まれる成分を「支配的」とみなす。 まれる成分を「支配的」とみなす。  自由度の大小の判定自由度の大小の判定 支配的成分の内の最小の自由度が 支配的成分の内の最小の自由度が= = 99以上ならば以上ならば 妥当妥当 支配的成分の内の最小の自由度が 支配的成分の内の最小の自由度が 99以上ならば、妥当以上ならば、妥当 な不確かさ評価とする。 な不確かさ評価とする。= = 99未満ならば未満ならばuucc22の再現性が低の再現性が低 い可能性があることに注意喚起する い可能性があることに注意喚起する

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 26

支配的成分の自由度

支配的成分の自由度

ー 説明

説明

uucc22 = u= u dd22 + u+ utt22 支配的成分 支配的成分 合成標準不確かさ 合成標準不確かさ 支配的成分支配的成分 微小な成分微小な成分 合成標準不確かさ 合成標準不確かさ 微小な成分微小な成分   出発点:出発点:出発点:出発点: ((=9=9に対するに対する) ) kk =2.26 =2.26 をを kk = 2 = 2 と近似することを許容と近似することを許容 ⇒ ⇒ uudd//uucc≥ 2/2.26 ≥ 2/2.26 ならば、ならば、 uuccをを uudd で近似することを許容で近似することを許容 ⇒ ⇒ uudd22≥ 0.78 ≥ 0.78 uucc22 ((≒≒0.8 0.8 uucc22) ) ならばならば uuttを無視することを許容を無視することを許容 ⇒ ⇒ この条件を満たすとき、この条件を満たすとき、uud d の自由度に(のみ)着目すればよいの自由度に(のみ)着目すればよい 2 2 中に複数成分がある場合中に複数成分がある場合   uudd2 2 の中に複数成分がある場合の中に複数成分がある場合 uudddd の有効自由度の有効自由度は、成分中の最小の自由度より小さくなることはないは、成分中の最小の自由度より小さくなることはない ⇒ ⇒ 最小自由度が最小自由度が 9 9 より大きければ、より大きければ、はは9 9 より大より大

支配的成分の判定例

支配的成分の判定例

100 nm 100 nm単分散粒子の個数平均径単分散粒子の個数平均径 ((DDpapa))測定における不確かさバジェット測定における不確かさバジェット 入力量 標準不確かさ 相対標準不確かさへの寄与 u (D )/D 相対分散 [u (D )/D ]2 寄与率 [u (D )/u (D )]2 (( papa))測定測定 不確不確 ui (Dpa)/Dpa [ui (Dpa)/Dpa] [ui (Dpa)/uc(Dpa)] p u(p) = 3 4g/cm 10 4 . 6   4 10 0 . 2 3 ) (   p p u     ) (V u V0 u(V0)3.6104V 4 0 0 3.5 10 3 ) ( V V u   H u(H)2.9 m 9.7 10 5 3 ) ( H H u   g u(g) =4.4105 m/s2 1.5 10 6 3 ) ( g g u 2.25  Si 4 3 2 ) (     m S u   支配的 (i = 1, 2, ..., 11) u(Si) = 5.1104 a 3 a 10 2 . 3 3 ) (             j j i S m m S u 1.02  相対合成標準不確かさ uc(Dpa)3.3103 1 08 1 相対合成標準不確 pa D 1.08 1

(8)

不確かさ表記の考え方

不確かさ表記の考え方

((案

)

)

[1] [1] 許容され、かつ混乱を生じない場合には許容され、かつ混乱を生じない場合には uucc((yy) ) を用いるを用いる [2] [2] UU で表記する場合、通常で表記する場合、通常 kk = 2 = 2 を採用し、次の表現を採用し、次の表現 ((例例b)b)を用いる:を用いる: (( )) 「 「UU は包含係数をは包含係数を kk == 22 として求めた拡張不確かさで、約として求めた拡張不確かさで、約95%95% の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」 の信頼の水準を持つと推定される区間を定める」 [3] [3] ただし、ただし、 •• 支配的な不確かさ成分の自由度が小さいときには 不確かさ支配的な不確かさ成分の自由度が小さいときには 不確かさ •• 支配的な不確かさ成分の自由度が小さいときには、不確かさ支配的な不確かさ成分の自由度が小さいときには、不確かさ 自体のばらつきが大きいことに注意する。必要に応じて対策を 自体のばらつきが大きいことに注意する。必要に応じて対策を とる とるるる •• kk =2 =2 以外の包含係数の利用以外の包含係数の利用( ( tt分布の利用、あるいは一様分布の利用、あるいは一様 分布の想定等 分布の想定等[B[Bタイプ不確かさが支配的の場合などタイプ不確かさが支配的の場合など] )] )は妨は妨

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 29

[[ ] )] ) げない げない

補足資料

(1) 統計学における自由度

(1) 統計学における自由度

(2) 不確かさ評価における自由度

(2) 不確かさ評価における自由度

(3) 海外の関連規定について

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 30

母平均

母平均



の区間推定

の区間推定

- どんな問題か?

どんな問題か?

ランダムサンプリング ランダムサンプリング 標本 標本{ { xx11, , xx22, ..., , ..., xxn n }} を手掛かりに、を手掛かりに、 がこれこれの区間の中にあると推定がこれこれの区間の中にあると推定 母集団 母集団 母平均 母平均: : 母標準偏差母標準偏差: :  測定 測定 あるいは測定の問題としては・・・ あるいは測定の問題としては・・・ 測定量の 測定量の((真真))値:値: (不可知) (不可知) 測定データ 測定データ{ { xx11, , xx22, ..., , ..., xxn n }} を手掛かりに、を手掛かりに、 がこれこれの区間の中にあると推定がこれこれの区間の中にあると推定 (不可知) (不可知) がこれこれの区間の中にあると推定がこれこれの区間の中にあると推定 (ただし、測定にはかたよりはなく、ばらつきだけがあるとして) (ただし、測定にはかたよりはなく、ばらつきだけがあるとして) ((例えば例えば))被校正ブロックゲージ被校正ブロックゲージ

母平均

母平均



の区間推定の手順

の区間推定の手順

p(u) 標準正規分布N(0, 12) ((母標準偏差母標準偏差  がが既知既知のときのとき)) 95% xi

(1) (1) 標本平均標本平均 を計算を計算 n m

i (1) (1) 標本平均標本平均 を計算を計算 -4 -2 0 2 4 1.96 -1.96 n m    (2) (2) uu は標準正規分布は標準正規分布 N(0, 1N(0, 122) ) に従うに従う m m の母標準偏差の母標準偏差 ((←← 正規母集団、も正規母集団、も しくは中心極限定理 しくは中心極限定理 の成立を仮定 の成立を仮定)) (3) 95% (3) 95% のの u u ががの区間に含まれるの区間に含まれる m m の母標準偏差の母標準偏差 の成立を仮定の成立を仮定))   961 ( ) ( ) はは 間にあ間にあ (信頼水準(信頼水準 )) 約 約 ±±22 n m 961.  (4) (4) はは の区間にあるの区間にある (信頼水準(信頼水準95%)95%)

(9)

区間推定と拡張不確かさの対応

区間推定と拡張不確かさの対応

((母標準偏差母標準偏差  がが既知既知のときのとき)) 包含係数 包含係数 k = k = 2 2 がしばしば使われる理由はこれがしばしば使われる理由はこれ m m の標準不確かさの標準不確かさ uu((mm) ) に対応に対応 n    961. n 拡張不確かさ 拡張不確かさ UU に対応に対応

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 33

母平均

母平均



の区間推定の手順

の区間推定の手順

((母標準偏差母標準偏差  がが未知未知のときのとき))

( )2 n x m

i (1) (1) 標本平均標本平均 と実験標準偏差と実験標準偏差 を計算を計算 1 ) ( 2   

n x x s i m ( ( の代わりにの代わりに s s を使う)を使う) n s m (2) (2) t t == ははt t 分布分布((自由度自由度 nn--11) ) に従うに従う (3) 95% (3) 95% のの t t が| | tt | |  tt0.050.05((nn--11) ) の区間に含まれる(次ページ)の区間に含まれる(次ページ) s (両側 (両側5%5%点)点)

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 34 n s n t m0.05( 1) (4) (4) はは の区間にあるの区間にある (信頼水準(信頼水準 95%)95%)

t

t 分布

分布

標準正規分布 0. 4 t分布(自由度5) 標準正規分布 = t分布(自由度) 0. 3 は は95%95%信頼区間信頼区間 ± ±tt0 050 05((nn --1)1) を示を示 .10 .2 p( x ) t分布(自由度2) ± ±tt0.050.05((nn 1) 1) を示を示 す す 0. 0 0 . -6 -4 -2 0 2 4 6 x   自由度が小さくなるほど分布の幅が拡がる自由度が小さくなるほど分布の幅が拡がる   従って、従って、95%95%信頼区間も広くなる信頼区間も広くなる

区間推定と拡張不確かさの対応

区間推定と拡張不確かさの対応

((母標準偏差

母標準偏差



が未知

未知のとき

のとき

))

m m の標準不確かさの標準不確かさ uu((mm))に対応に対応 包含係数 包含係数 kk n s n t    0.05( 1) n 拡張不確かさ 拡張不確かさ UU に対応に対応 信頼の水準信頼の水準 拡張不確かさ 拡張不確かさ U U に対応に対応 自由度 自由度

(10)

t

t 分布の両側

分布の両側

5%

5%点

tt

0.050.05

((





) ( =

) ( = 包含係数

包含係数

kk ))

( ( = = n n --1 )1 ) 自由度 t( ) 1 12.71 2 4 30 自由度 t( ) 11 2.20 12 2 18 自由度 t( ) 25 2.06 30 2 04 (( )) 2 4.30 3 3.18 4 2.78 5 2.57 12 2.18 13 2.16 14 2.14 15 2.13 30 2.04 35 2.03 40 2.02 45 2.01 6 2.45 7 2.36 8 2.31 9 2 26 16 2.12 17 2.11 18 2.10 19 2 09 50 2.01 100 1.98 ∞ 1.96 9 2.26 10 2.23 19 2.09 20 2.09 正規分布の包含係数 正規分布の包含係数 正規分布の包含係数 正規分布の包含係数

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 37

統計学における自由度

統計学における自由度

 

n

n 個の繰り返しデータの実験標準偏差

個の繰り返しデータの実験標準偏差 ss の自由度

の自由度

は nn--1

1

 

自由度は実験標準偏差

自由度は実験標準偏差 ss の“暴れ具合”の目安

の“暴れ具合”の目安

–– 自由度が小さいと自由度が小さいと ss が“暴れる”が“暴れる” –– 正規母集団の場合正規母集団の場合 自由度 2 の標準偏差   1  s  

自由度

自由度 →

∞ で、

で、ss →



自由度 2 

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 38

母標準偏差 母標準偏差((暴れはゼロ暴れはゼロ))

実験標準偏差

実験標準偏差 s

s の「暴れ」具合

の「暴れ」具合

5  ) 1000 0 1 数 , p (s/  50 1 0 pdf 度関 数 5 20 50 100 5 確 率密 自由度2 5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 0 確 s/sigma

s/

実験標準偏差

実験標準偏差 s

s の「暴れ」具合

の「暴れ」具合

[[ss の標準偏差

の標準偏差

] /

] /



自由度 (s の標準偏差)/ 自由度 (s の標準偏差)/ 自由度 (s の標準偏差)/

[[s

s の標準偏差

の標準偏差

] /

] / 

自由度 (s の標準偏差)/ 自由度 (s の標準偏差)/ 自由度 (s の標準偏差)/ 1 0.603 11 0.211 21 0.153 2 0.463 12 0.202 22 0.150 3 0 389 13 0 194 23 0 147 3 0.389 13 0.194 23 0.147 4 0.341 14 0.187 24 0.144 5 0.308 15 0.181 25 0.141 6 0.282 16 0.175 30 0.129 7 0.262 17 0.170 35 0.119 8 0.246 18 0.165 40 0.111 9 0.232 19 0.161 45 0.105 10 0 221 20 0 157 50 0 100 10 0.221 20 0.157 50 0.100 *) *) s s の標準偏差の厳密式に基づく(近似式の標準偏差の厳密式に基づく(近似式(1/2(1/2))1/2 1/2 でなく)でなく) ss の期待値の期待値ゆえ、ゆえ、[s[sの標準偏差の標準偏差]/[s]/[sの期待値の期待値]] と異なると異なる s s の期待値の期待値ゆえ、ゆえ、[s[sの標準偏差の標準偏差]/[s]/[sの期待値の期待値] ] と異なると異なる

(11)

補足資料

(1) 統計学における自由度

(1) 統計学における自由度

(2) 不確かさ評価における自由度

(2) 不確かさ評価における自由度

(3) 海外の関連規定について

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 41

不確かさ評価における自由度の計算手順

不確かさ評価における自由度の計算手順

-全体の流れ

-全体の流れ

不確かさの伝播則 不確かさの伝播則

 

2

2 2 2 2 1 1 2 ) ( ) ( ) ( ) ( N N c y cu x c u x c u x u    不確かさの伝播則 不確かさの伝播則 1. 1. 各入力量の不確かさ各入力量の不確かさ uu((xxii) ) の自由度の自由度 ii を決めるを決める 2.

2. WelchWelch--SatterthwaiteSatterthwaiteの式を用いて合成標準不確かさの式を用いて合成標準不確かさ u

ucc((yy) ) のの有効自由度有効自由度 effeff を求めるを求める

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 42

A

Aタイプ不確かさ

タイプ不確かさ uu((xx

ii

)

) の自由度

の自由度



ii   統計学における自由度に他ならない統計学における自由度に他ならない   統計学における自由度に他ならない統計学における自由度に他ならない   uu((xxii) ) の”暴れ具合”と次の関係があるの”暴れ具合”と次の関係がある i x u x u  2 1 ) ( ) (  の標準偏差 i i x u( ) 2 の標準偏差 1 s もともとは もともとは であるが、であるが、 は通常不明なは通常不明な ので ので をを ss で置き換え、さらにで置き換え、さらに ss をを uu((xxii)) でおきかえたものでおきかえたもの 自由度 2 の標準偏差   1  s ので ので をを s s で置き換え、さらにで置き換え、さらに s s をを uu((xxii) ) でおきかえたものでおきかえたもの

BBタイプ不確かさ

タイプ不確かさ uu((xx

ii

)

) の自由度

の自由度



ii   従来の統計学には無い概念従来の統計学には無い概念 (GUM(GUMで導入されたで導入された))  AAタイプ不確かさを参考に、自由度を次で「定義」するタイプ不確かさを参考に、自由度を次で「定義」する i i i x u x u  2 1 ) ( ) (   2 ) ( ) ( 2 1         i i i x u x u  もしくは逆に解いて もしくは逆に解いて i i) ( ( i) ただし ただしuu((xxii) ) ははuu((xxii) ) の“怪しさ”(見積もりについての確信度の“怪しさ”(見積もりについての確信度 の低さ)を標準偏差相当の大きさとして表したもの の低さ)を標準偏差相当の大きさとして表したもの

(12)

BBタイプ不確かさの自由度の求め方の例

タイプ不確かさの自由度の求め方の例

例1)

例1) 不確かさ不確かさ uu((xx(( iiii) ) は約))は約25%25%程度、信頼できると判断できる場合程度、信頼できると判断できる場合場場 ⇒

⇒ uu((xxii) / ) / uu((xxii) = 0.25 ) = 0.25 ⇒⇒ ii 8 8 (GUM(GUMに記載の例に記載の例))

例2) 例2) デジタル計器の表示分解能に伴う不確かさデジタル計器の表示分解能に伴う不確かさ 例2) 例2) デジタル計器の表示分解能に伴う不確かさデジタル計器の表示分解能に伴う不確かさ 例:表示値 例:表示値 xx= 5.7 = 5.7 ⇒ [ 5.65, 5.75 ] [ 5.65, 5.75 ] の範囲の一様分布の範囲の一様分布 5 7 5 7 5 6 5 6 5.75.7 5 85 8 5.6 5.6 5.85.8 3 05 . 0 ) (xu には“怪しさ”がない(いつ誰が評価しても同じ)には“怪しさ”がない(いつ誰が評価しても同じ)

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 45 ⇒ ⇒ uu((xxii) / ) / uu((xxii) = 0) = 0 ⇒⇒ ii= ∞ (= ∞ (無限大無限大))

BBタイプ不確かさの自由度の求め方の例

タイプ不確かさの自由度の求め方の例

例3) 例3) 校正証明書に 拡張不確かさの包含係数が校正証明書に 拡張不確かさの包含係数が kk 22 (でこれが(でこれが 例3) 例3) 校正証明書に、拡張不確かさの包含係数が校正証明書に、拡張不確かさの包含係数が kk = 2 = 2 (でこれが(でこれが 95% 95%区間に対応)との記載がある場合区間に対応)との記載がある場合 ⇒ ⇒ kk = 2 = 2 は正規分布(は正規分布(==自由度自由度∞∞のの tt 分布)の分布)の95%95%区間に対応と区間に対応と 想定 想定 想定 想定 ⇒ ⇒  = ∞= ∞ 100 %100 %信用することになる)信用することになる) ⇒ ⇒ ii= ∞= ∞ 100 %100 %信用することになる)信用することになる)

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 46

BBタイプ不確かさの自由度の見積もりの実際

タイプ不確かさの自由度の見積もりの実際

  例2や例3のように例2や例3のように BBタイプ不確かさの自由度を一定の根タイプ不確かさの自由度を一定の根   例2や例3のように、例2や例3のように、BBタイプ不確かさの自由度を 定の根タイプ不確かさの自由度を 定の根 拠を持って決められるケースはむしろ稀 拠を持って決められるケースはむしろ稀   不確かさの不確かさ不確かさの不確かさ uu((xx )) を定量的に見積もる根拠がを定量的に見積もる根拠が   不確かさの不確かさ不確かさの不確かさ uu((xxii) ) を定量的に見積もる根拠がを定量的に見積もる根拠が 見つからないことが多い 見つからないことが多い   例1は、むしろこのケースと考えられる例1は、むしろこのケースと考えられる

BBタイプ不確かさの自由度の見積もりの実際

タイプ不確かさの自由度の見積もりの実際

  やむを得ず、不確かさやむを得ず、不確かさ uu((xxii) ) を大きめ(安全側)に見積もったうえで、を大きめ(安全側)に見積もったうえで、 自由度を 自由度を∞∞ と仮定と仮定((kk は小さめになる)することが少なくないは小さめになる)することが少なくない 自由度を 自由度を∞ ∞ と仮定と仮定((k k は小さめになる)することが少なくないは小さめになる)することが少なくない   ただし、これが妥当であるとの科学的根拠は無いただし、これが妥当であるとの科学的根拠は無い   妥当な値より大きめに見積もっているならば、妥当な値より大きめに見積もっているならば、uu((xxii) ) の信頼度はの信頼度は 低いのだから 低いのだからuu((xxii) ) は大きくすべき(自由度は小さくすべき)とのは大きくすべき(自由度は小さくすべき)との 考え方もあり得る 考え方もあり得る   不確かさは過大評価すべきでないとの不確かさは過大評価すべきでないとのGUMGUMの考え方にも反するの考え方にも反する   不確かさは過大評価すべきでないとの不確かさは過大評価すべきでないとのGUMGUMの考え方にも反するの考え方にも反する   BBタイプ不確かさの自由度を曖昧さ無く決定する方法は未確立タイプ不確かさの自由度を曖昧さ無く決定する方法は未確立   これはこれは tt分布に基づく包含係数の決定の最大の問題点の一つ分布に基づく包含係数の決定の最大の問題点の一つ   これは、これは、tt分布に基づく包含係数の決定の最大の問題点の一つ分布に基づく包含係数の決定の最大の問題点の一つ

(13)

合成標準不確かさ

合成標準不確かさの有効自由度

の有効自由度

 

2

2 2 2 2 1 1 2( ) ( ) ( ) ( ) N N c y cu x c u x c u x u    伝播則 伝播則 11 22 NN 自由度 自由度 合成標準不確かさ 合成標準不確かさ (( )) の自由度の自由度 を次で求めるを次で求める 合成標準不確かさ

合成標準不確かさ uucc((yy) ) の自由度の自由度 effeffを次で求めるを次で求める

c u x y

u 4( ) 4 4( )

・・・

・・・ WelchWelch--SatterthwaiteSatterthwaiteの式の式

i i i i c y c u x u   ) ( ) ( eff

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 49

(参考)

(参考)

Welch

Welch--Satterthwaite

Satterthwaiteの式の導出

の式の導出

自由度 自由度 のカイ二乗分布のカイ二乗分布は、期待値がは、期待値がE[E[] = ] =  , , 分散が分散がV[V[] = 2 ] = 2 であることを利用する。であることを利用する。 ssii22((ii = 1 ~ = 1 ~ nn))が正規母集団(母分散が正規母集団(母分散ii22)からの標本にもとづく、互いに独立な実験分散(自由度)からの標本にもとづく、互いに独立な実験分散(自由度 ii))ならばならば 2 ii))ならばならば (1) ~ 2 2 i i i i s  (ただし(ただしii2 2 は自由度は自由度iiのカイ二乗分布)のカイ二乗分布) いま いま 2 2 2 2 ( は定数) (2) と定義されると定義される 22についてについて 仮定 仮定 いま、 いま、 と定義されると定義される ss22について、について、 その期待値 その期待値E[E[ss22] ] と分散と分散V[V[ss22] ] はそれぞれはそれぞれ (3) ] [ 2  2 i i a s E[ ] 2 (4) 4 2 2 ai i s V  (2) ) ( 2 2 1 1 2 は定数 i n ns a a s a s a s    (3) ] [  i i i a s E  もし もし ss22自体も正規母集団からの標本の実験分散(自由度自体も正規母集団からの標本の実験分散(自由度 ))のようにふるまうのようにふるまうものと(むりやり)ものと(むりやり) 仮定すると 仮定すると (1)(1)と同様にと同様に (4) 2 ] [   i i i i s V  仮定すると、 仮定すると、(1)(1)と同様にと同様に (5) ] [ ~ 2 2 2    s E s V[ V[] = 2] = 2を使ってを使ってこの分散を求めるとこの分散を求めると 2(E[s2])2 近似 近似 V[ V[] = 2] = 2を使ってを使ってこの分散を求めるとこの分散を求めると (6) ]) [ ( 2 ] [ 2  s E s V  (6),(4),(3) (6),(4),(3)からから が次のように求まる。が次のように求まる。

近似 近似

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 50

2

2 2 4 (7)   i i i i i a a     で、で、 ii2 2 をを ssii2 2 でで おきかえておきかえてを推定を推定→ → WW--SS式式

Welch

Welch--Satterthwaite

Satterthwaiteの式の妥当性について

の式の妥当性について

 近似式である(妥当でない値を与える場合もある)近似式である(妥当でない値を与える場合もある) 各項の自由度の不均 性が高いときは近似が悪い 各項の自由度の不均 性が高いときは近似が悪い ––各項の自由度の不均一性が高いときは近似が悪い各項の自由度の不均一性が高いときは近似が悪い 成立のための必要条件 成立のための必要条件  成立のための必要条件成立のための必要条件 ––uu((xxii)) が互いに独立が互いに独立 ––uu22((xx ii)) が、正規分布からの標本の実験分散と見なせるが、正規分布からの標本の実験分散と見なせる  妥当な近似であるための必要条件妥当な近似であるための必要条件 合成された分散 合成された分散 22(( )) が 正規分布からの標本の実験分散と同様が 正規分布からの標本の実験分散と同様 ––合成された分散合成された分散 uucc22((yy)) が、正規分布からの標本の実験分散と同様が、正規分布からの標本の実験分散と同様 の確率分布に従う の確率分布に従う 22 22で おきかえるのが妥当な近似になっているおきかえるのが妥当な近似になっている ––ii2 2 を ss ii2 2 でで おきかえるのが妥当な近似になっているおきかえるのが妥当な近似になっている

有効自由度の利用と前提条件

有効自由度の利用と前提条件

  BBタイプ不確かさの自由度の評価が技術的に妥当タイプ不確かさの自由度の評価が技術的に妥当   WW SSの近似が妥当の近似が妥当 「 「 分布分布 件件  WW--SSの近似が妥当の近似が妥当   測定結果測定結果 yy が近似的に正規分布からの標本とみが近似的に正規分布からの標本とみ なせる なせる 「 「tt 分布要件」分布要件」 が成立するならば・・・ が成立するならば・・・ なせるなせる が成立するならば が成立するならば

tt = (= (yy--))//uucc((yy) ) が近似的にが近似的に tt 分布に従うと考えて良い。分布に従うと考えて良い。 このとき・・・ このとき・・・ 「 「UU は包含係数は包含係数 k = k = 2.31 2.31 から求めた拡張不確かさで、から求めた拡張不確かさで、 U U はは信頼の信頼の 水準 水準95%95%に対応する区間を表す」に対応する区間を表す」 ((有効自由度有効自由度= 8= 8の場合の例の場合の例) )

(14)

有効自由度の折衷的利用

有効自由度の折衷的利用

  有効自由度の値が一定有効自由度の値が一定有効自由度の値が有効自由度の値が 定定((例えば((例えば例えば例えば9 )9 )以上であれば、9 )9 )以上であれば、以上であれば、以上であれば、 「 「kk = 2= 2、信頼の水準、信頼の水準95%95%」の表現を用いることとし、」の表現を用いることとし、 

 有効自由度有効自由度 eff eff の値が小さいときにのみ、の値が小さいときにのみ、kk = = tt0.050.05effeff) ) を用いるを用いる

とする考え方( とする考え方([[例例b]b]とと[[例例c]c]の折衷案)もある。の折衷案)もある。 ただし、 ただし、   有効自由度が妥当に評価されているならば、常に有効自由度が妥当に評価されているならば、常に kk = = tt0.050.05effeff) ) を用いるのが自然を用いるのが自然   有効自由度がそもそも妥当な計算かどうか、実証可能でない有効自由度がそもそも妥当な計算かどうか、実証可能でない   有効自由度の値のしきい値(例えば有効自由度の値のしきい値(例えば99)の根拠が曖昧)の根拠が曖昧 などの反論もある などの反論もある

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 53

などの反論もある などの反論もある

補足資料

(1) 統計学における自由度

(1) 統計学における自由度

(2) 不確かさ評価における自由度

(2) 不確かさ評価における自由度

(3) 海外の関連規定について

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) 54

各国の考え方

各国の考え方 ー

ー 米国

米国

NIST Technical Note 1297

”Guidelines for Evaluating and Expressing the Uncertainty of NIST Measurement Results ” B N Taylor & C E Kuyatt (1994)

[6.5] To be consistent with current international practice, the value of k to

Measurement Results, B. N. Taylor & C. E. Kuyatt (1994)

be used at NIST for calculating U is, by convention, k = 2. Values of k other than 2 are only to be used for specific applications dictated by established and documented requirements.

[6.5] [6.5] 現在の国際的慣行に合わせ、現在の国際的慣行に合わせ、NISTNISTで用いるで用いるkk の値としては、の値としては、慣習により慣習によりk k = 2 = 2 を用を用 いる。 いる。22以外の以外のkk の値は、確立され文書化された要請にもとづく特別な利用でのみ用いるべきの値は、確立され文書化された要請にもとづく特別な利用でのみ用いるべき である である ⇒ 慣習により k = 2 通常は有効自由度は用いない である。 である。 通常は有効自由度は用いない (tt分布の利用については分布の利用についてはAppendix BAppendix Bに記載に記載))

各国の考え方

各国の考え方 ー

ー 欧州

欧州

EA-4/02

”Expression of the Uncertainty of Measurement in Calibration,” EA (European co operation for Accreditation) 1999

(European co-operation for Accreditation), 1999

6.1 In calibration certificates the complete result of the measurement ... shall be 6.1 In calibration certificates the complete result of the measurement ... shall be given in the form (

given in the form (yy±±UU) To this an explanatory note must be added which in the) To this an explanatory note must be added which in the given in the form (

given in the form (yy±±UU). To this an explanatory note must be added which in the ). To this an explanatory note must be added which in the general case should have the following content:

general case should have the following content:

The reported expanded uncertainty of measurement is stated as the standard The reported expanded uncertainty of measurement is stated as the standard uncertainty of measurement multiplied by the coverage factor k = 2, which for uncertainty of measurement multiplied by the coverage factor k = 2, which for

l di ib i d b bili f i l

l di ib i d b bili f i l

6.1

6.1 校正証明書では、(校正証明書では、(......中略)測定の完全な結果は中略)測定の完全な結果は((yy±±UU))の形で記載する。一般的場合にはこの形で記載する。一般的場合にはこ

a normal distribution corresponds to a coverage probability of approximately a normal distribution corresponds to a coverage probability of approximately 95%. 95%. 校 証明書 、( 校 証明書 、( 中略)測定 完中略)測定 完 結果結果 ((yy )) 記載す 。 般記載す 。 般 場合場合 れに次の内容の説明書きを付記しなければならない: れに次の内容の説明書きを付記しなければならない: 拡張不確かさの報告値は、測定の標準不確かさに包含係数 拡張不確かさの報告値は、測定の標準不確かさに包含係数k k =2=2を乗じたものとして表わされてを乗じたものとして表わされて おり、この包含係数は正規分布については近似的に おり、この包含係数は正規分布については近似的に95%95%の包含確率に対応する。の包含確率に対応する。 ⇒ 一般にはk= 2 を用いる。 「正規分布ならば95%の包含確率に相当 との言い方で95%に言及 おり、この包含係数は正規分布については近似的に おり、この包含係数は正規分布については近似的に95%95%の包含確率に対応する。の包含確率に対応する。 「正規分布ならば95%の包含確率に相当」との言い方で95%に言及 (t分布の利用についてはAppendix Eに記載)

参照

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