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ウォッシュロードによる貯水池堆砂の1次元および2次元数値計算法

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(1)

道上

正規

*1・

藤田

正治

*1。

三木

敦史

*2

*1土

木工 学科・*2神戸 市役所

(1992年8月28日受理)

One and Two Dimensional Numerical Sirnulations of Reservoir Sedilnentation

due to Wash Load

by

A/1asanori MIcHIuE*1,Masaharu Fu」 ITA*l and Atsushi MIKI*2

41Departinent of Civil Engineering *2Kobe City Office

(Received August 28,1992)

A 2‐dilnensional numerical method for the silnulation of reservoir sedilnentation

due to wash ioad is presented as weH as a l‐ dimensional numerical method 「Γhe 2‐dilnensional rnethod is based on 3‐ dilnensional rnodels for the flow and the sedilnent concentration`On the condition that waSh ioad mainly comes into the reservoir,the

distribution of the deposition depth is calculated in one or two dimensions using the

presented methods Of parameters in these methods, the entrainment rate of bed

material is one of the most ettential parameters in the calculation of the bed prof■ e

So,firstly the validity of the equation of the entrainment rate was discussed M′ ith a

l‐dimenslonal simulation of reservoir sedimentation Secondly the 2‐ dimensional

model M/as apphed to a sinaulation of reservoir sedimentation in a field.The rnain and secondary flows in a non‐ uniform channel with bends were calculated precisely and the distribution of the simulated deposition depth was in good agreement with the observed data

Key wOrds : Reservoir sedimentation, Numerical siln■lation,3‐D turbulence model,2‐ D bed variation model,

(2)

110

道上正規・藤田正治・三木敦史:ウォッシュロー ドによる貯水池堆砂の 1次 元および 2次 元数値 計算法

l

は じめに 貯水池堆砂 は、わが国を は じめ として世 界の多 くの国 々で重要な問題 にな ってお り、 それに対 して掘削、排砂 門やバ イパ ス トンネルによ る土砂 の排 出 システムの開発 など、い くっかの対応策 が考 え られて いる。 このような 堆砂 の防止軽減策 を策定す るにあた って、堆砂形状や堆 積物 の粒度分布 の予測 が基本 となることは言 うまで もな く、 これまで多 くの堆砂 の予測計算法 が、主 として1次 元河床変動計算 に基 づ き提案 されて きた。・)`2)しか し、 効率的 な堆砂対策 を実行す るにあた って、 よ り詳細 な堆 砂形状 を知 りたいよ うな場合 には、2次元 の河床変動計 算が不可欠 とな るので、2次元堆砂計算法 を確立す る必 要があ る。 本研究で1事、1次元 および2次元河床変動計算 に基づ くウォ ッシュロー ドの流入 による貯水池堆砂 の計算法 を 提示す る。一般 に、堆砂 は掃流砂、浮遊砂 および ウォッ シュロー ドの非平衡性 に起因 して生 じるので、 これ らす べての土砂輸送 モー ドを考慮す る必要がある。 しか し、 わが国の中部山岳地帯 のよ うに、生産土砂 のほとん どが 100μ

m程

度 の粒径の微細砂成分であ るよ うな場合、 ウ ォッシュロー ドのみを考慮 すれば十分 であ る。 また、 ウ ォッシュロー ドのみを考慮 した計算 の フレー ムヮー クは、 他の土砂輸送 モー ドを考慮 す る場合 に容易 に応用で きる ので、計算法 の一般性 をな くす ことはない。第2章では、 定常流 の1次元解析 と定常 および非定常1次元浮遊砂輸 送方程式 による1次元堆砂計算法 について述べ る。第3 章では、非定常3次元流れ の解析 と非定常3次元拡散方 程式 による2次元堆砂計算 法 について示す。第4章で は、 本手法 を現地 の堆砂再現計算 に適用 し、それ らの精度 を 検証す る。

2 1次

元堆砂計算法

2-1

l次元定常流 の解 析 Dam Datum

Fig。l Coordinate system of l―D model

Fig.1に示す よ うな座標系 を使 って、定常流 の水面形 はつ ぎの連続式 およびエネルギー方程式を用 いて差分計 算 され る。

Q=unA=const,

(1)

+引

―嗅

また、 抵 抗 則 と して次 の マ ■ ングの式 を用 い る。

um=_生

h2/S191/2 n ここに、

Q:流

量、

um:断

面平均流速、

A:通

水断面 積、

x:河

床 に沿 う流下方向の座標、 α:エネルギー補 正係数、

gi重

力加速度 、

h:水

深 、

zB:基

準面か ら 河床 までの高 さ、

It:ェ

ネルギー勾配、、 ■:マエ ン グの粗度 係数 である。

2-2 1次

元河床変動 の解析 ウォッシュロー ドによ る河床変動 は次式で計算 され る。

号争

+下

≒に

=O

ω

ここに、

t:時

間、

E:単

位面積単位時間当た り河床 か ら浮上す る砂粒子 の体積、

D:単

位面積単位時間当た り 河床 に沈降す る砂粒子の体積、 λ:河床 の空隙率である。 浮上率Eは用 いる式 によって着干異 な るが、摩擦速度 u事と砂粒子 の沈降速度w。の関数 と して、

E=fn(ut,w。

) のよ うに書 ける。摩擦速度 は、例えば抵抗則 に式(3)を 用 いてエネルギー勾配 を求 め

u4=v ghIEで

計算 され る。式(5)の関数型 は次節 で述 べ る。 沈降率Dはウォッシュ ロー ドの底面付近 の濃度C。 と 沈降速度 の積 と して、

D=Cow。 (6)

と表 され るが 、 ウォ ッシュ ロー ドの粒 径 は小 さいの で濃 h + α um2 一 2g

(3)

度が水深方 向に一定 とす る と、

D=CmW。

と書 け る。 ここに、

Cm:

ウ ォ ッシュ ロー ドの断 面平 均 濃度 で あ る。 平均 濃度 は定 常 状 態 お よ び非定 常状 態 を対 象 と して次 の よ うな式 か ら計 算 され る。 定 常 の場 合 :

(QCm)=E―

D

2-3

河床砂 の浮上率

浮上率Eの理論式 は、芦 田・ 道上3)、 hakura・ Kishi

4)らが提案 して いるが、微細粒子 に対 して浮遊 限界付近 で適 合性 の良い次 のよ うな声 田・ 藤 田の式5)を用 い る。

1 一 B 以上 よ り河床変動 は、式(1)、 (2)、 (3)、 (4)、 (7)お よび(8)また は(9)を連立 して差分法 によ って解 くことが で きる。式(4)、 (8)、 (9)の差分式 は次 のよ うである。

+告

ω

rttD=O

ω

=叩

rCttW♪

位め

告士

(QC紛

=E―

D

QjCmij―

Q'Cmi_lj △

x

―Cmi_lj帝。

)(12)

E=争

Kpfィ

1場

│(S+1)

匠浩

V中

暗♂

XA/2z ex+孝

η

) ここに、

K=0035、

ηO=(π/8)C DOξ 02/(ck2)、 C De =2+24ν /(vod)、 ξ。=w。/uキ 、

s=σ

/ρ -1、 p〔 :粒 径dの粒子 の河床表面 にお ける混合割合、 ν :水 の 動粘性係数、 σ :砂 の密度、 ρ :水 の密度、

c:揚

圧力 係数、

k:遮

蔽係数 であ る。 この式 は、揚圧力 によ って 河床砂礫 が直接、浮遊砂 にな る場合 を対象 と し、礫 の遮 蔽効果の影響を考慮 して求 めた ものであ る。cおよびk は、 それぞれ砂粒 レイノルズ数u tt d/ν および砂 の存 在高 さの関数 と して求め られ るが、

u=d/ν

>5に対す る

c=25と

遮蔽 のない状態 に対す る

k=10を

用 いる。 なお、式(14)においてE=01こな る条 件、す なわ ち、 浮遊 限界 に対す る摩擦速度 は次式で表 され る。

桜与 (15)

ここに、u*s。は浮遊限界摩擦速度 であ る。

3 2次

元堆砂計算法 3下

1

非定常3次元流 れの解析

(1)

基礎方程式 基礎方程式 は連続式 と運動方程式 で、運動方程式 は、

(1)圧

力が静水圧分布す る、

(ii)

分子粘性応力 は Reynolds応 力に比べて小 さい、(

i)

渦動粘性係数 の 概念 を取 り入れ る、 とい う仮定 によ り簡略化す る。 連続式 と運動方程式 は、Fig 2の座標 系、す なわ ちx 軸 を流下方向、y軸を横断方向 およびz軸を鉛 直上方向 非定常 の場合:

告持

(B Cnh)+

Δ Z B ︲

一飢

+

=Bi_1(Ei_1'

ここに、添字

i:河

道上流端か ら数えた メ ッシュ番号、

j:時

間軸 に切 った メ ッシュ番号、 △

x:x方

向 の差分 間隔、△

ti時

間間隔、 △

2Bti△

t時間 におけ る河床 高の変化量 、

B':=(Bl+Bt l)/2、

h lJ'=

(h`J+h:_!り

//2で

あ る。 式(8)、 (9)の貯水池入 り回における境界条件 は、

cmQ=α

Q2 で あ る。 こ こに、 α:土砂 生 産特 性 に関 す る係数 で あ る。

(4)

道上正規・ 藤田正治・三木敦史:ウォ 計算法 ッシユロー ドによる貯水池堆砂 の1次元お よび2次元数値 ここに、 κ:カルマ ン定数、

z' :は

河床 か らの鉛直 軸方向の高 さ、u牟o:貯水池上流 の等流領域 におけ る摩 擦速度である。 また水平渦動粘性 係数Ahは、鉛 直渦動粘性係数 の平均 値 と して次式で与 え る。

Fig 2 Coordinate system of 2-D model

とす る座 標 系 を用 い る と次 の よ うにな る。

+寄 +鶏

=0

+u各

V科

w鶏

注等

v科

)―

h碧

)一

今卜科

)=0

Ah〓

κ uloh。

/6

ここに、h。 :貯 水池上流 の等流水深 であ る。

(2)

境界条 件 水面での境界条件 は以下 のよ うで あ る。

Av勢

=0,Av寄

=0

+ulξ

+Vlξ

=Wlξ

河床 で はNon―Slipと し、

u=v=w=0

(22)

+u寄

+V科 +W科

v号

)―

)一

今卜舟

)=0(18)

(16) (17) (20) (23) (24) ξ る   で             の ヽ あ ま             但 速 で さ 流 数 高 の 係 の           0 獅 蠅 鵜       ︲ 〓 i D び 渦 か       w よ 平 床           一 お 水 河             ξ y び と       引 判 ︰x、 鰈 疎 。     い ヽ V、 W A五︰鉛 櫛 攀     + 寄,

韓 水位 、 輌 癖   R J zB 、 ・ ・   積 以上 の式 (17)∼ (20)の4つの式 よ り3次元流 れ が数 値 とす る。 上 流 端 において は所定 の流 量 に対 す る等 流 を与 え、 下 流端 で は初 期 の貯 水 池水 位 と放 流 量 を与 え る。

(3)

計算領 域 の変化 水 位変動 が大 きい と き、流水 部 の領 域 す なわ ち計 算 領 域 が変化 す る。 そ こで河岸 の メ ッシュの標 高 が 隣接 す る 河川 内 の メ ッシュの水位 よ り30c m以上 低 くな った場 合 には流水 部 とみ な し、逆 に河川 内 の メ ッシュの水深 が30

cm以

下 にな った場 合 に は陸地 で あ る とす る。

(4)

基礎方 程式 の数 値 解法 基 礎方 程 式 を時間 的 に解 く方 法 と して、 時 間 微分 項 を 差 分 す る際 に2段階 に分 割 す るFractional Step Finite

Difference Methodを用 い る。 また 、空 間 的 に は、 鉛 直 方 向 に有 限要素 法 、水 平 方 向 に差 分 法 を用 い る。 た だ し、 移 流 項 に は風土 差分 法 を使用 す る。

3-2

ウ ォ ッシュ ロー ドの3次元 拡 散 過 程 の解析

(1)

基 礎方 程式 ウ ォ ッシュ ロー ドの3次元拡 散 方 程 式 は次 の よ うで あ る。 Wlz=WI盈 ― 伽 一 ∂ y + ∂ u 一伽 r l ジ 計算 され る。 鉛直方向の渦動粘性係数Avは次式で与 える。

Av=κ

u*。z'(1-雫 ) (21)

(5)

濃度分布 が計算 され ると、式(4)、 (6)、 (14)よ り、2 次元の河床変動が計算 され る。

(2)境

界条件 境界条件 は次式 のよ うで ある。 貯水池入 り回:

cmQ=α

Q2 水面 および底面: (28) (29) (30) 水文資料 によるとこの流域 の3年確率、5年確率、1 5年確率 および

100年

確率 の流量 は、 それぞれ約

300m

3/s、 500m3/s、

1000m3/sぉ

ょび

1300m3/sで

ぁ る。 1983年の最大洪水流量 は

658.8m3/sで

ぁ り、 ウォッシ ュW― ドが流入す る

100m3/s以

上 の洪水流量 の平均 は 約200m a/sであ る。水位 は、洪水期の6月 1日か ら9月 30 日まで は、 ほぼ洪水期制 限水位 の標高806m、 それ以外 の期 間で は標高813m程度 に操作 されて いる。

(2)

堆砂形状 と堆積土砂 の粒度分布 Fig.3は1982年12月か ら1983年生2月までの堆砂形状 の 変化 を示 した もので、 この1年間で1,679,000m3の土砂 が貯水池 内に堆積 してい る。Pig.4は1989年に調べ られ た堆積物 の材料組成 を示 した もので、上流部 に粗砂、中 流域 に細砂 および ンル ト、堤体付近 に粘土が主 に分布 し てお り、堆積物 のほ とん どが粒 径100μ

m以

下 の微細砂 で占め られてい る。Fig.3には、1982年か ら1983年に堆 積 した上砂 に占める5μ m、 12 6μ m、 45μ

mを

代表粒 1000 Fig. 3 DIstance(m) Bed proflle Distancc(騒)

Soil layer com,ositiOn

+u群

+V書

+W鶏

=

tex妾

)+壽

tey寄

)+洗

(e2轟

)tWO鶏

(26) ここに、

C:濃

度 、

t:時

間 、 εx、 ε7ヽ ε=:X、 y およびz軸方 向 の拡散 係数 、w。 :沈降 速 度 で あ る。 拡散 係 数 は流 れ の平 均 渦 動 粘 性係 数 と等 しい もの と し、 以下 に示 す とお りとす る。 ε芸=ε 7=ε 2=κ u■。h。

/6

(27) ∂C eZ三 万 ∂C a2¬

+lTOC〓 0 =―

E

︵ 〓 ︶ ど o ︼ コ 側 > o 中 い Z=ξ Z==ZB 河床砂 の浮上率 は、式(14)よ り算定 され る。 なお、数 値計算法 は流れ と同様 に、 時間に関 して Fractional Step 法、鉛直方 向に関 して有 限要素法、水平方 向に関 して差分法 を用 い る。

4

堆砂再現計算への適用

4-1

現地 の概要 以上 のよ うな計算法 を長野県の美和貯 水池 の1982年12 月か ら1983年12月までの堆砂 の再現計算 に適用 し、その 妥当性 を検証す る。 ここで は現地 の概要 について述べ る。

(1)水

理水文特性 ︵ ︶ E O ︻ 一 > o ﹁ い Fig.4

(6)

道上正規・ 藤田正治 。三木敦史:ウォッシュロー ドによる貯水池堆砂の 1次 元および 2次元数値 計算法 径 とす る3つのグルー プの割合 を示 してい る。 これ らの 図より、 この貯水池 の堆砂 のほ とん どは、 ウォッシュ ロ ー ドの堆積 で進行 しているもの と推察 され る。なお、堆 積土砂 の空 隙率 は現地 の結果 よ りλ=0,7で ある。

(3)

ウォッシュロー ドの粒度分布 と流入量 Fig.5は流入土砂 の粒度組成 を示 した もので、平均粒 径は17μ mである。後述 の堆砂計算 において、 ウォッシ ュロー ドの粒度分布 を5μ m、 12.5μ m、 45μ

mを

代表 粒径 とす る3つの段階 に分割す るが、 この図よ りそれぞ 100 (%) 1 10 grain size(μ ln)

Fig,5 Grain size distribution of

100 wash ioad 一 れの割 合 は25%、 45%、 30%とす る。 ウォッシュロー ドの流送量 は、式(13)に示す よ うに流 量 の2乗に比例す ることが知 られて いる。 αは観測 によ るとこの流域で ,=2× 10 5(m Sec単位

)で

あ る。 この 関係 を用 いて、1983年の流 入土砂量 を推定す る と約2.24 5,000mBの ウォ ッシュロー ドが流入 した ことにな り、 こ の年1.679,000maが貯水池内 に堆積 した ことを考慮す る と、 ダムの捕捉率 は約69%であ る。

(4)

堆砂形状 の2次元的特性 美和貯水池 の1982年12月 の河床位等高線および1982年 12月 か ら1983年12月 までの堆積高分布 をFig,6および Fig,7に示す。Fig.6か ら1982年の段階で は、ダ ム上流20

00m付

近 の狭 さ く部 の下流 にデルタの先端があ ることが わか る。 ついで、Fig 7から次 のよ うな ことが考察 され る。 デル タ上 ではせいぜい

lm程

度 の堆砂が部分的 に見 られ るだ けで、土砂 はあま り堆積 していない。 デルタの 下流 の堤体付近 には横断方向 に均― に

lm程

度 の堆積が 見 られ る。 デルタの直下流、す なわ ち狭 さく部下流 の急 激 に川幅 が拡大す る部分 では、左岸側 よ り右岸 側 に多 く の堆積が み られ る。 これ は、狭 さ く部を通過 した流速 の 速 い主流が左岸側 に片寄 るために左岸側 では堆積が起 こ りに くいが、右岸側 は流速 の遅 い滞留域 となるため土砂 が堆積 しやす いため と思 われ る。 このよ うに河道 の平面 的な幾何形状 によって、堆砂形状が顕著 に2次元的 にな る部分が生 じる。 Blevation (m)

Pig.6 Bed e

1 1 500m levation in Dec , 1982 Fiow ― H 削 , 0 ヽ′

ヽ 2 ヽ 1 1 500m DepositiOn depth (m)

(7)

4-2 1次

元堆砂再現計算

(1)計

算条件 計算 は一定 の流量 および水位 の条件で濃度 を定常 とし て行 う。流 量 は1983年の洪水 の平均流量

200m3/sと

し、 下流端水位 は洪水期 の制限水位 の

806mを

用 い る。決水 時間は、 ウォッシュロー ドの流入量 が1983年の流入量 に 2,245,000m aに 等 しくなるように逆算 して 250時間 と決 定 された。底面条件 には、浮上率 の式 に芦 田・ 藤 田の式 を用い る。 ただ し、元河床 が洗掘 され るときは

E=C。

w。 と し、河床 が元河床以下 にな らないよ うに した。粒 度分布 は5″ m、 12.5μ mおよび45μ

mの

3つの階級 に 分割 し、それぞれの割合を25%、 45%、 30%と す る。 マ エングの粗度係数nは o o4、 河床 の空隙率 えは0,7と す る。初期河床 は、1982年に観測 された平均河床 を与 え る。差分 の メ ッシュ間隔 △Xは100m、 時間間隔△ tは 、 1時間 と した

6河

幅 はFi8 6から読 み とった。 ついで、 ウォ ッシュロー ドを一様粒径で近似 した とき、 底面条件を次の

(b)の

よ うに簡略化 した とき、および 浮遊砂 の非定常性 を考慮 した ときの計算精度 について検 討す るために次 のような3つの場合 の計算 も行 った。

(a)平

均粒径

d=17μ

mを用 い る。

(b)

浮遊 限界摩擦速度 を式(15)よ り求 めて、

u準<u中●。

: E=0 (浮

上 な し)

u奉>u■ =。

l E=Cow。

(堆積 な し) とす る。

(c)

実績 の水位 および流量 の時系列 の もとに流れを 疑似定常計算 、濃度 を非定常計算 す る。 なお、

(c)で

は、 △tと△xが △

t<△ x//um漱

と言 う関係 を満 たす必要が あ り、 ここでは この条 件を考 慮 して△tは5秒とした。 ここに、

um.x:

流速 の最大 値である。

(2)計

算結 果 Fig,8は 、前述 の計算条件を用いて計算 した結果 と観 測値を示 した ものであ る。計算値 は観測値 を良 く再現 し ている。以上 の ことよ り、本手法 の妥 当性 や、流量、水 位、河床条件の与 え方 の妥当性 が示 された。 また、同図 には堆積物 に含 まれ る5μ m、 12.5μ mおよび45μ

mの

粒径の含 まれ る割合 の計算値 と観測値 も示 してい る。計 算値 は観測値 と少 し異 な るが、粒度 の分級過程 がおおよ そ再現 で きてい る。 ついで、計算結果に及 ぼす粒度分布 の影響、河床条件 の影響 について検討す る。Fig 9は、河床材料を平均粒 径17μ mの一様粒径 と した場合 について計算 した結果で ある。一様粒径 の場 合は底部堆積層 に過 剰な堆積が見 ら れ、良好 な再現性 が得 られなか った。 これは、微細 な粒 子で は粒径のわずかな違 いによ って浮遊 限界の条件 が大 きく異な るためであ る。 Fig.10は、摩擦速度が浮遊限界摩擦速度 よ り大 きいと き堆積 な し、小 さい とき全部堆積 と して計算 した結果を 示 した ものであ る。 堆積形状 は浮上率 を考慮 した結 果 と ほぼ同様 である。 これは、微細 な砂粒子 の浮上率が、浮 遊限界付近で急激 に変わ るために、浮上率 を計算 して も わずかな utの差で浮上 な しまたは堆積 な しの条件 にな るためである。 以上 の ことを総括す ると、底面条件 には芦 田・ 藤 田の 浮上率 の式 の適 合性 が良 い ことが確認 され、 さ らに、微 細な砂粒子 を対象 とす る場 合は、浮 上率 を計算 しな くて も浮遊限界を使 って

(b)の

よ うな底面条件を用い るこ 700   780   770 ︵ ︶ g 〇 一 コ N > o ︻ 口 0 Fig.8 1000 2000 3000 4000 5000 01stanc。 (H)

Comparison between the calculated and observed bed profiles

10 00 90 80 Ю 60 ︵ ゛ g ︼ 3 冨 Q=200m]/s

unifOrH sediコ ent

E‐ri(ut,w。〉

750.マ‐

0 1000 2000 3000 1000

Distance(n)

Fig 9 Comparison between the calculated and observed bed profiles

Calculated

Q-200mウ/s

Nonu:liforn sedittent

(8)

116

道上正規・藤田正治・三木敦史:ウォッシュロー ドによる貯水池堆砂の 1次元および 2次 元数値 計算法 0 Fig 10 0 Fig 12 ︵ ︶ E O ︼ コ > ω 一 園 ω oo m 0 ︵ ∽ \ ” ︶ o 山 “ ﹃υ ∽ 一 金 1000 2000 3000 1ooo Distancc(鯛)

Comparison between the calculated and observed bed profiles

looo 2000 3000

Distancc (M)

Concentration of wash ioad in the reservoir

Fig ll lydrograph of Sep 27, 1983

とがで きることがわか った。 ついで、 濃度 を非定常計算 した場 合の結果を示す。 Fig 12は、1983年9月28日 か ら30日にかけての洪水時 の 貯水池内におけ る濃度 の変化過程を粒径別 に示 した もの で、図中の時間 はFig llに 示す同ハ イ ドログラフの28日

3時

か らの経過時間で ある。流量の増加 とともに流入濁 度が増加 し濁水 が貯水池 に進入 し、流量 の減衰 とともに 濁度が減少 してい く過程が詳細 に計算 されている。45μ mの粒子 は堤体 に到達 しない内 に全 て沈降 してい るのに 対 し、5μ

mの

粒子 は ピー ク流量時 の21時間後 には堤体 に達 し下流 に流 出 して いる。Fig 13は 、堆積形状 を示 し た もので、濃度 を定常 とした場 合 と違 って、上流域 に も 堆積が見 られ、 その分下流域 の堆積高 は小 さい。 これ は、 流入 した土砂 が流量減衰時 に沈澱 しやす くなるため、定 常計算 の場 合 よ り比較 的上流 に貯 まった もの と考 え られ るが、水位変動 の影響 もあ るので もう少 し検討 を要す。

Δ

´

'Pltれ

'I

Calculated Observed 4S″賣 810 800 790 780 770 760 750 o 1000 2000 3000 4000 5000 Distance (m)

Fig 13 Comparison between the calCulated and observed bed proflles

4-3 2次

元河床 変動 計 算

(1)

計算条 件 前 節 と同様 の地砂 再現 計算 を2次元堆 砂 計算 法 を用 い て行 った。 計算 領域 は、 ダムか ら5000m上流 の地点 まで と して、 この領域 を流 下 方 向 に100m、 横 断方 向 に50mの 長方 形 メ ッシュを用 いてFig 14に 示 す よ うな要 素 に分 割 す る。 河床 高 は メ ッシュ中央 に お け る値 で代表 した。 計 算 に用 いた諸定 数 、流 量 、水 位 は1次元 計算 と同様 に し たが 、決 水 時 間 が 250時 間必 要 とな り、 計算 時 間上 それ が不 可能 で あ るた め、次 の よ うに簡 略 化 した。 す な わ ち、 ぎ 一 q 一 里 皇 含 ︶ ︵富 ︶ g 〇 一 や > o ﹁ ω 30 00 ツ ー ν “ Q=200ギ/s Wonuniforn sedinent E=十

Lと

11■ Q‐ 200 Ha/s Honunifortt sedinellt B=f.(ut,w。) C:Unsteady

(9)

Fig 14 Meshes of

︿ ∽ \ “ ︶ o ﹄ に 〓ω ∽ 一 凸

Fig 15 Conditions for calculation

洪水時間をlo時間に し、 その間 に全流入土砂量の生/25に あたる96.000m3を与 え る。計算 は、Pig 15に 示す よ うに 10時間後 までは流れを定常、濃度計算 を非定常で計算す る。その後清水 をloom3/sで12時間通水す るが、最初の4 時間で流れ はほ七 ん ど定常 にな るので、通水14時間後 は 流れを定常 、濃度 を非定常計算 した。1年後の堆積高 は、 この洪水が25回発生す ると して1洪水 の堆積量を25倍す ることによ って近似 した。 ただ し、 ダムの放流量 は流入 量 に等 しい もの と した。

(2)

再現計算 の結果

(a)流

況 まず、流量200m3/sに対す る定常流 の水面での流速 べ ク トルをFig.16に 示す。 これ よ り、 ダム上流2000m地点 の狭 さ く部 よ り上流 で は、湾曲部 に沿 った右岸よ りの流 れと、直進す る左岸 よ りの流れの発生 が見 られる。 これ は、 ダムよ り3000m付近 に標高 の高 い河床 が存在す るた めであ る。 この領域 の水深 は、

lm以

下で あ り、流れは ほぼ等流状態であ る。狭 さ く部 の下流 の断面が拡幅す る 個所で は、主流 が左岸側 に偏 り、右岸 側に大 きな逆流領 域が生 じて いる。 これ は、水位が低 く設定 されて いるた

calculated area

め、狭 さ く部下流 のデルタの先端で流速 が速 く、噴流の よ うに直進 した もの と考 え られ る。 図示 していないが、 水位 を

7m上

げた とき、主流 は もう少 し右岸側 に偏 り、 逆流領域 も小 さ くな った。

(b)濃

度拡散過程 Fig■7(a)、 (b)、 (c)は濁水流入後 2、 6、 18時間 にお ける底面付近 の濃度分布 の コンター図で ある。流入濃度 4000ppmの ウォッシュロー ドは、狭 さく部 まで は等流 区 間であ るため計算開始2時間以 内で流送 され る。 その後 ウォ ッシュロー ドを含んだ濁水 は10時間流入 し、

6時

間 後 には貯水池全体 に拡が った。 この移流拡散過程 は、狭 さ く部下流右岸の逆流 による下流か ら上流 へ と流送 され る過程 と、左岸 の主流域 に沿 ってダムの方向に流送 され る過程 に分 け られ る。 つ ぎに、決水終了後 (10時間後

)上

流 よ り清水 が流入 す ると、濁水塊 は下流へ移動 し、狭 さ く部 よ り上流 で は 急激 に濃度が減少す る。 しか し、狭 さ く部下流 の右岸 で は、濃度 は18時間後 で も少 し希釈 されて いる程度 であ ま り変化 していない。 これ は、 この領域 の流れが循環 して お り、 この流域 か らウォ ッシュ ロー ドが流出 しに くいこ とと、5μ mおよび12.5μ

mの

沈降速度 が小 さ く沈 澱 し に くい ことに起因 してい る。 これ らの浮遊 している細粒 成分 は、時間をかけて現在 の位置に沈降地積す るもの と 思 われ るが、 これに要す る時間 は、 この領域 の平均水深 16mと沈降速度 を用 いて算定す ると12.5μ mの土粒子 の 場合317時間、5″

mの

場 合 2021時間 とな る。

(c)堆

砂高 さ分布 Fig.13 に1年後 の堆積高 さ分布 を示す。 この図 と Fig,7を比較す ると2次元堆砂形状 はほぼ再現 で きてい ることがわか る。 と くに堤体付近 の均― に堆積 している 領域 や狭 さく部下流 の滞流域 に多 くの上砂が堆積 してい る点 はよ く再現 で きてい る。 しか し、狭 きく部下流で堆 積場所が下流へ流 されて いる点 が大 きく異 な って い る。 計算 で は、狭 さく部下流 で、Fig.16に示 すよ うに主 流が て 呻 ,o ヽ 一 o く o 一 ︵ ヨ ¢ 卜 ● o営 ど 協 ● 一g ≡ B ∽ FloH ConcentratiOn 500 m Tine(hr)

(10)

罫善霊規 ■藤田正治・ 三本敦史 :ウォッシュロー ドは る貯水池堆砂の 1次元および 2次元無 1(n/6) 500“ StFu,│■re ―500m

Concentration near bed(ppmJ Q=200m3/s

Fit.16 FloW i

(a) 2ir. ,low 一 Dam

乳甚翌型

=_

25'qぅ

∞ncelltFれ約i near bed lpp市)

l I

300m

: l Conco■tratioれ ieaF bed(ppm) 500m

(11)

ロ 4 Deposition depth(け

Fig.18

1 1 500m De,OSition de,th d=5μn 500m (b)

d=12.5,m

一500■ d=45μ m 一5010m

PeFCe―

ntage of oach fractio■ of depositel sedi■

9■t

Flow 一 ひan

与…… 習・

=

Fig.19(a)∼

(■)

(12)

120

道上正規・ 藤田正治・ 三木敦史:ウォッシュロー ドによる貯水池堆砂の 1次元および 2次元数値 計算法 左岸側 に偏 ってお り、 この箇所 の堆積量 が少 ない。 これ は、前述 したよ うに、本計算で は、水位を806mに設定 し てい るため、狭 きく部下流 の流 れが噴流状で直進 し、主 流速が大 き く評価 され たためであろ う。実際 には、水位 が806mより大 き くな るときがあ り、そのよ うな場合、デ ルタ先端 におけ る水深が大 きくな り、狭 さ く部下流の主 流速 も減少 す るので、 この ことを考慮 す るともう少 し計 算値が観測値 に近づ くもの と思 われる。 つ ぎに、粒径別 の堆砂特性 について考察す るために、 Fig。 19(a)、 (b)、 (c)に22時間後 の粒 径別 の堆積割合 に ついてのコ ンター図を示す。 これより、粒径5μ mの上粒 子は岸近 くのわずかな部所 で堆積す るのみで、大部分 は 流出 され る。12.5μ mについて は、狭 さく部直下流右岸 域 とダム堤 体付近での割合が高 い。最 も粗 い粒径45μ m の上粒子 については、全域でその割合が70%以上 であ り、 貯水池内に全て堆積 してい る。 以上 のよ うに、 ここで行 った計算で は、計算条件の設 定の仕方 に多少 の問題 もあ り、局所的な地砂形状 が必ず しも良 い精度で計算 された とは言 い難 いが、全体的な2 次元堆砂形状 の計算 には、本2次元堆砂計算法 は有効 で あると言 え る。 ここで仮定 した よ うな計算条件の設定 は、 計算時間を少 な くす るたあの ものであ り、計算精度向上 のためには、計算時間の短縮化 も今後 の課題 となるであ ろ う。

5

おわ りに 本研究 は、1次元 および2次元の堆砂計算法 を ウォッ シュロー ドを対象 として提案 し、その精度 を実貯水池の 地砂再現計算 によ り検証 した ものであ る。以下 に、得 ら れた主要 な成果 を列挙す る。

(1)

堆砂計算で、対象期間 の平均流量 および洪水期 制限水位を用 いれば、ハ イ ドログラフや水位 の時系列 を 与 えな くて も、十分 な堆砂 の再現精度 か得 られた。

(2)

ウォッシュロー ドのよ うな微細 な土砂 は、粒径 のわずかな差 で浮遊条件が大 きく異なるため、粒度分布 をい くつか の粒径階 に分 けて計算す る方が計算精度がか な り向上す る。

(3)

計算精度 の向上あ ためには、河床砂 の浮上率 や 浮遊限界を正確 に予測す ることが肝要であ る。 また、微 細 な粒径の場合、浮上率 を計算 しな くて も、浮遊限界の 条件式 を使 って、浮遊す る条件 の時 は堆積 な し、浮遊 し ない条件 の時 は浮上 な し、 と して計算を簡略化で きる。

(4)非

一様 な河道で は、湾曲部 や狭 き く部等 におい て2次元的な堆砂形状がみ られ る。 この よ うな形状 は、 本研究で提案 したよ うな2次元堆砂計算 によ ってあ る程 度再現 し得 る。 参 考 文 献

1)芦

田和男・ 岡部 健 士 :貯水 池 堆 砂 の数値 計 算 法 に関 す る研究 、京都大 学 防災 研究 所 年 報 、第 25号B-2、 PP,38 9-400、 1982,

2)芦

田和男 。藤 田正 治:貯水 池堆 砂 の数 値 シ ミュ レー シ ョン、 京都大 学 防災研 究 所年 報 、 第 30号B-2、 pp.457 -474、 1987.

3)芦

田和男・ 道上正規;浮遊砂 に関す る研究 (1)、 京都大学 防災研 究 所年 報 、 第 13号B、 pp.233∼242、 1970.

4) Itakura, T and T, Kishi : Open Channel Plow with suspended sediments, Proc.ASCE, Journal of the hyoraulics divisiOn. lY8, pp 1325-1342. 1980

5)芦

田和男 。藤 田正 治 ;平衡 お よ び非 平 衡 浮 遊 砂 量 算 定 の確率 モデル、土 木 学 会 論文 集 、 第 375号I-6、 PP 10

Fig。 l  Coordinate system of l― D model

参照

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