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MicroRNA-33は脂質ラフトの維持を介して代償性の心臓線維化を促進する

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Academic year: 2021

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Title MicroRNA-33 Controls Adaptive Fibrotic Response in theRemodeling Heart by Preserving Lipid Raft Cholesterol( Abstract_要旨 )

Author(s) Nishiga, Masataka

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2017-03-23

URL https://doi.org/10.14989/doctor.k20276

Right 許諾条件により本文は2017-09-03に公開

Type Thesis or Dissertation

Textversion ETD

(2)

京都大学 博士(医学) 氏 名 西 賀 雅 隆

論文題目

MicroRNA-33 Controls Adaptive Fibrotic Response in the Remodeling Heart by Preserving Lipid Raft Cholesterol

(MicroRNA-33 は脂質ラフトの維持を介して代償性の心臓線維化を促進す る) (論文内容の要旨) 心不全の進行には、動脈硬化等の他の疾患と同様に、慢性炎症および線維化が 重要な機序と考えられている。 一方で、microRNA(miR)は 20 塩基程度のタンパク質をコードしない短い RNA であり、標的遺伝子の mRNA を分解あるいは翻訳を抑制する。コレステロ ール代謝の主要制御因子である SREBF2(Sterol regulatory element-binding factor 2)のイントロンから転写される miR-33 は HDL コレステロール値を低下 させ、慢性炎症を進行させることが近年報告されている。心不全では動脈硬化と 同様に慢性炎症が病態形成に重要であるため、心不全における miR-33 の役割に ついて検討した。 拡張型心筋症患者からの心筋生検サンプルを用いて、心室での miR-33a 発現 量を測定した。心係数や左室駆出率といった心機能を示すパラメータとの相関が 認められ、肺動脈楔入圧とは逆相関を認めた。また、心不全が重度な患者群のほ うがmiR-33a 発現量が低かった。 次に、生体内での miR-33 の役割を調べるため、野生型(WT)および miR-33 欠損(KO)マウスを用いて検討を行った。通常飼育下の KO マウスの心臓に明 らかな異常は認めなかった。大動脈縮窄(TAC)による圧負荷モデルを用い、心 肥大および心臓線維化を誘導したところ、WT の左心室で miR-33 の発現量は上 昇した。WT と KO の両群で同程度の心肥大(心重量増加、心筋細胞サイズ増大) を認めたが、KO では心臓線維化(病理組織像、線維化関連遺伝子の発現)が抑 制されていた。 小動物用超音波装置を用いて、心機能を計測したところ、KO マウスでは心臓 線維化が軽減されているにも関わらず、慢性期に WT よりも心機能が低下した。 また、心肥大時に保護的に働くとされる Akt のリン酸化も抑制されていた。 これらの機序を細胞レベルで調べるため、in vitro の実験を行った。ラット新生仔心 臓から分離した心臓線維芽細胞ではmiR-33 の発現量が心筋細胞の 3 倍以上高かった。 そこで、線維芽細胞に注目して実験を行った。KO マウスから線維芽細胞を単離して培 養したところ、WT よりも増殖速度の低下を認めた。また、過酸化水素によるアポトー シスもKO 線維芽細胞で多く、in vivo の TAC 後心臓でも KO マウス左心室において、 BrdU の取り込み低下が見られた。また、ウシ胎児血清による刺激を行うと、KO 線維 芽細胞でAkt のリン酸化が抑えられていた。

miR-33 はコレステロールを細胞内から外へ輸送するトランスポーターである ABCA1(ATP-binding cassette transporter A1)を直接的に抑制することを線維芽細胞 でも確認した。miR-33 はコレステロール代謝に関与し増殖能に変化を来すことから、 脂質ラフトの変化を調べた。脂質ラフトの染色を行ない、フローサイトメトリーで定量 化したところ、KO 線維芽細胞では、WT よりもシグナルが低かった。

さらに、Periostin-Cre マウスと miR-33 flox マウスを交配させることで、心臓線維芽

細胞特異的なmiR-33 欠損(FBKO)マウスを作成した。FBKO マウスにおいても TAC での心臓 線維化がコントロールよりも軽減されることを示した。 以上より、miR-33 は心不全における心臓リモデリングに関わっており、miR-33 欠損は心臓線 維化を軽減させる一方で心機能は低下することを示した。機序として、線維芽細胞における脂質 ラフトの変化が細胞増殖能低下を引き起こすことが考えられた。 (論文審査の結果の要旨) 脂質代謝および動脈硬化の進展に重要なmicroRNA であるmiR-33 の心不全の進行における役割を 検討した。まず病態への関与を調べる目的で、拡張型心筋症患者の心室での miR-33a 発現量を測定 したところ、心不全の重症な患者ほど低かった。次に、miR-33 の役割を調べるために、miR-33 欠損 (KO)マウスを用いて検討したところ、圧負荷による心肥大は野生型と同程度であったが、心室の 線維化が軽減されていた。一方、線維化の軽減にも関わらず、KO マウスの左室収縮能は慢性期にお いてむしろ低下した。これらの原因を探る目的で細胞実験を行ったところ、miR-33KO 線維芽細胞 は増殖能が低下しており、脂質ラフトの減少を認めた。また、心臓線維芽細胞での特異的な miR-33 欠損マウスでも線維化の軽減を認めた。これらの結果より、miR-33 が心臓の線維化、線維芽細胞に おける脂質ラフト維持、細胞増殖能維持に関わっていることを示した。 以上の研究は、心臓の線維化における miR-33 の役割の解明に貢献し、心不全の病態解明に寄与す るところが多い。 したがって、本論文は博士(医学)の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成 29 年 2 月 21 日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、 合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日以降

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