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指導に当たっては, 作品に対する解釈は開かれていることから, 子供たちがそこから何を感じどのように考えたか, 子供の思いを大切にしたい そのために, 子供が自分の感じたことを進んで話したり, 友達の思いに興味を持って聞いたりできるような雰囲気づくりに努めることが大切である 自分と異なった捉え方や感じ

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Academic year: 2021

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事例2 親しみのある作品の鑑賞活動を通して,〔共通事項〕の視点から,見方・考え方を深め る実践事例

題材名「見て 感じて 伝え合おう」

第5学年 B鑑賞(1) 1 題材の目標 じっくり作品を見て,感じたことを自分のイメージと関連付けて話した り,友達の考えを聞いたりしながら,自分なりに作品のよさや美しさを感 じ取ることができる。 2 題材の評価規準(学習活動に即した題材の評価規準) 造形への関心・意欲・態度 鑑賞の能力 関① じっくり作品を見て,作品のよさ や美しさを自分の思いで楽しもうと している。 鑑① 作品から感じたことなどについて,自分のイメー ジと関連付けて友達と話したり,話し合ったりしなが ら,表現の意図や特徴などを捉えている。 鑑② 友達との交流を通し,親しみのある美術作品のよさ や美しさを感じ取っている。 3 題材について 高学年の子供は,一人一人の感じ方や見方などが育ってくると同時に,物事を他者や社会的な視 点から捉えるようになる。このため自分の体験したことを伝えることで他者と体験を共有したり, 自分の認識を広げたりすることができるようになる。鑑賞活動では,形や色などから分析的に見た り,意図や気持ちなどを読み取ったりするなど,作品などを深く捉えることができるようになる。 また,社会的な視野の広がりから我が国及び諸外国の美術作品などに対しても親しみを持って捉え ることができるようになる。 題材の設定に当たっては,鑑賞作品に対し,子供一人一人が自分なりによさや美しさを見付ける ことができるようにすることや,感じたことについて自分のイメージと関連付けて整理したことを 書いたり,感じたことを伝え合ったりして,自分だけでは気付くことのできなかった新たな意味を 作品に見い出すことができるようにすることなどを重視した。 具体的には「見て,感じて,伝え合おう」という題材を設定し,その中で,今後も継続して取り 組めるような枠組みを設けることとする。まず,授業でのルールを確認する。このルールは,今後 も続く一連の鑑賞授業に通ずる共通のもので,「対話的な学び」の実現のために重要である。その 際,造形的な見方・考え方を働かせて,一人一人の見方や感じ方を広げ深めるため,形や色,イメ ージなど〔共通事項〕の視点で考える言語活動を一層充実することが重要である。 次に子供たちは対象となる作品と出会い,自分なりによさや面白さを感じとる。そのことを自分 で振り返りワークシートに一度まとめてみる。なんとなく感じたことやニュアンスを,形や色を根 拠に,言葉で表すことを行う。また,この出会いの際も,高精細の画像のある部分をアップにした ものを提示し,作品にせまる思いを高める工夫を行う。そして,それを発表し感じたことを伝え合 う。その中で,自分や集団の考えを発展させていく。 また,交流をした後,さらに自分で作品を見直してみる。ここで作品に対して自分だけでは気付 かなかった新たな意味を見い出すことにつながるものと考える。 最後に,新たに見い出したことを発表した後,教師や美術館の方から作品についての補足説明を 聞き,さらに作品にせまったり,まとめたりする。 これらの活動を継続して行うことにより,身の回りの世界に向ける意識が深まり,さらには,想 像力や観察力が高まり,心の中にある言葉を表現する能力,自分の考えを組み立てる能力が育つと 考える。自分の考えを語る自分の声に耳を傾け,他の友達の考えに心から興味を抱く貴重な機会と もなる。このような鑑賞活動を通じ,培った形や色,イメージに対する視点や,友達と交流をする ことにより得られる新たな価値のよさを自覚することは,表現活動にも生きるものと考える。

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指導に当たっては,作品に対する解釈は開かれていることから,子供たちがそこから何を感じど のように考えたか,子供の思いを大切にしたい。そのために,子供が自分の感じたことを進んで話 したり,友達の思いに興味を持って聞いたりできるような雰囲気づくりに努めることが大切である。 自分と異なった捉え方や感じ方を大切にすることも留意しなければならない。作品に関する知識に おいては,子供が必要とするときに与えるなど,子供の鑑賞活動を活性化する材料の一つとして扱 うことを心掛ける。教師の問いかけも「はい」「いいえ」で答えられる質問ではなく,「どこから そう感じたの?」「どんなふうに見えたの?」「それはどういう意味?」など〔共通事項〕にある 形や色の視点を大切にする。 本時では「畳の記憶(B)」(石井精一)を鑑賞する対象作品とした。この作品は,山梨県立美 術館に所蔵され,同美術館の特別展「県美30年の歴史 わたしが選ぶこの一点」(平成20年) のために行われた投票においても多数の票を得た人気作品である。シュルレアリスムの手法をとり ながらも,「畳」「原稿用紙」「浴衣」など日本的なモチーフによって描かれており,親しみやす い作品である。また,描写も非常に繊細で,子供たちの興味を引くものと考える。美術館で直に鑑 賞することも可能であり,地域の美術館へ関心を持つことにもつながる。このような意図でこの作 品を鑑賞教材とした。 4 指導と評価の計画 (1時間) 主な学習活動 題材の評価規準・評価方法 ○主体的・対話的な学習活動 ◆見通し・振り返り ◇言語活動に関すること ・指導上の留意点 造 形 へ の 関心・意欲 ・態度 発 想 や 構 想 の 能力 創 造 的 な技能 鑑 賞 の 能力 つ か む 追 求 す る ●本時のめあてとなる発揮す る,「4つの力」を確認する。 ●本時の活動内容とルールを 確認する。 ・活動中のルール ●作品と出会う ≪畳の記憶 B≫(石井精一) ・静かにじっくりと作品を見る ・作品から感じたことをシート に記入する。 関① ◆4つのカードを使い,どの 力 を 主 に 発 揮 す る か を 共 有する。 ・教室の机を全て後ろにし, ス ク リ ー ン に 向 か っ て 座 り,対話が促進されやすい 隊形にする。 ・高精細の畳のアップの画像 から提示して,子供の興味 を引き付ける。 ◇発表の際の拠り所となり, さ ら に 自 分 の 変 化 も 自 覚 で き る よ う シ ー ト の 工 夫 をする。 ・静かにじっくり作品を見よう ・言いたいことがあるときは, 手 を あ 挙 げ て 自 分 の 順 番 を まとう ・大きな声でみんなに聞こえる ように話そう ・分かりやすい話し方を心掛け よう ・友達の発言に耳をかたむけよ う 「見て,感じて,伝え合おう」 「心にうかんだことについて じっくり考えましょう どんなことでもいいですよ」 関① じっくり作品を見て,作 品のよさや面白さを自分の 思 い で 楽 し も う と し て い る。【行動観察】

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5 「見通し」(振り返り)の学習活動について (主体的・対話的で深い学びについて) 子供たちが,「見通し」を持って学習が進められるよう,授業の導入段階において,「見て,感 じて,伝え合おう」という学習内容を伝え,学習の展開におけるルールを確認した。このことによ り,子供たちはじっくりと作品に向き合い,作品を通じ,友達と語り合うという学習の「見通し」 を持つことができた。また,作品と出会う場面では,まず作品のアップを提示することで,どのよ うな作品なのか想像を掻き立て,作品に対する子供たちの興味を高めることにつながった。 ワークシートの工夫により,作品から感じることを,根拠を明らかにして伝えることができ,作 品について語り合う際の視点の広がりをもたらすことができた。また対象とした作品も解釈の多様 性に富むもので,子供たちは,作品から多くの発見をし,それを伝え合うことにより,さらに作品 の読み取りを深めることができた。 授業の終末において,美術館の方の話を聞くことで,作品についての新たな知識を得て,そのこ とも作品に対する新たな発見をもたらし,これからの生活において,身近な美術作品に親しみたい という心情にまでつながった。 考 え る 振 り 返 る ●作品から感じたよさや面白 さを発表する。 ●さらに作品を見る。 ・友達の感じ方を聞いて,さら に作品を見て新たに感じた ことをシートに記入する。 ●友達との交流の後,新たに作 品から感じたことを発表す る。 ●県立美術館の教育主事の話 を聞く。 ・高精度の画像を見たり,製作 中のエピソードを聞いたり, 畳の記憶の他のシリーズを 見たりする。 ●授業を通し自分の感じたこ とをまとめる。 鑑① 鑑② ・子供が発表した内容につい て,形や色(知識・理解) を 中 心 に そ の 根 拠 を 聞 く ような問いかけを行う。 ・自分の考えと比較しやすい よ う に 出 さ れ た 意 見 を 教 師が整理する。 ◆ 1 つ の 作 品 か ら 様 々 な こ とを感じ取り,それを語り 合 う こ と で 得 ら れ る 考 え の広がりを実感させたい。 ・写真みたい ・かげがリアル ・原稿用紙から女の子がでて きている ・女の子の足が原稿用紙にな っている ・どこかなつかしい感じがす る 「友達の話を聞いてさらにどう感じた?」 鑑② 友達との交流を通し,作 品に新たな意味を発見して いる。 【行動観察,ワークシート】 ・県立美術館でとても人気のあ る作品であり,作者の石井さ んは山梨県の出身なんだよ。 ・この女の子のモデルは石井さ んの娘さんなんだよ。 ・よく見ると原稿用紙のところ に署名があるよ,見てみよう。 ・女の子の頬や指をよく見てご らん,肌の質感の表し方がと てもすごいよ,本物はもっと 感じることができるよ。 ・不思議なことをたくさん見付 けたけど,畳と原稿用紙と女 の子の大きさにも注目してご らん。 鑑① じっくり作品を見て,作 品のよさや面白さを自分の イメージと関連付けてまと めている。【発表,ワーク シート,行動観察】

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6 学習の様子 初めて作品を見て,主に作品の繊細な描画に関心を寄せている。友達と作品について語り合うことで 作品の中に物語を見出し,多様な迫り方をしている。また,当初は気付くことのなかった,作品に描 かれている「かげ」の描写にも目を向け,形や色など造形的な特徴(知識)にも迫っている。 シート① 初めて作品を見て感じたこと。理由を明らかにしている。 A児 B児 C児 シート② 友達との交流を経て,改めて作品に迫る。新たな気付きがある。 A児 B児 C児 シート③ 美術館の方の話により,作品に新たな視点を得たり,これからの生活のことに考え が広がったりしている。 A児 B児

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【本時のワークシート】

参照

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