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EDI-Master ホワイトペーパー 流通BMS特集

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Academic year: 2021

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流通 BMS 特集 ┃ 流通 BMS とは?

EDI の中でも最も新しい規格である流通 BMS。 イオングループやイトーヨーカドーが導⼊を進めるなど、活発化しています。 流通 BMS とはそもそも何か、対応するにはどうすれば良いかなど、わかりやすくまとめました。 キヤノン IT ソリューションズ株式会社 パッケージソリューション事業部 2016 年 10 ⽉ EDI-Master ホワイトペーパー

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流通 BMS 特集|流通 BMS とは(概要)

1-1. 流通 BMS とは

流通 BMS とは流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)の略称で、流通業に携わる企業が統⼀的に 利⽤できる、EDI の新たな取り決めです。経済産業省が中⼼となり、業界団体や⼤⼿ GMS と協調して仕様を検討し、2007 年にはスーパー業界で初めて流通 BMS を導⼊しました。 流通 BMS の⼤きな特徴は、次の 2 点です。 <インターネットの利⽤> 流通 BMS は通信⼿段としてインターネットを採⽤しています。電話回線を⽤いる従来の JCA ⼿順に⽐べてインターネ ット回線は圧倒的に⾼速なため、通信にかかる時間が⼤幅に短縮します。低額で⽉額固定料⾦のサービスも多く、通信 コストの削減につながります。 <メッセージの標準化(統⼀)> 流通 BMS では、どのような取引にも汎⽤的に使⽤できるよう、メッセージを標準化しています。流通業全体で取り扱う メッセージを統⼀することで、取引先別に⾏なっていたシステム開発を削減できます。データ形式(フォーマット)に は XML を採⽤し、将来⽤途が拡⼤した場合でも容易に項⽬を追加できるなど、柔軟性の⾼さもメリットです。

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1-2.従来型 EDI の課題

現在主流の JCA ⼿順は今から 30 年以上前の 1980 年に制定されました。⾼性能パソコンやインターネットのような⾼速 通信網がない時代であり、今⽇の流通サプライチェーンを担うには技術的にも古く、課題も少なくありません。 <⽼朽化した通信基盤> JCA ⼿順の通信速度は 2400bps または 9600bps で、インターネットの通信速度に⽐べると理論上数百分の⼀と⾮常に 低速な仕様です。企業によっては発注データの送受信に 1 時間以上かかることもままあります。また専⽤の通信機器(モ デム)が必要であり、故障の際の修理や買い替えがしにくい状況です。 <データの制限> JCA ⼿順では 1 件のデータは 256byte(256 ⽂字)と規定され、漢字が扱えないため、受発注データには最⼩限の情報 しか盛り込めません。加えて、データ形式や項⽬は⼩売店が各々⾃由に定めており、卸・メーカー側では⾃社システム への連携を個別に開発しなければならず、開発費⽤の負担も問題です。またデータが構造化していないため項⽬の追加 や変更を容易に⾏えず、受発注業務に制約がありました。

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1-3.流通 BMS の特徴

前述の課題を解決するために⽣まれた流通 BMS。その特徴である「インターネットの利⽤」と「メッセージの標準化(統 ⼀)」について、掘り下げてご説明します。

<インターネットの利⽤>

流通 BMS では、ADSL や光ファイバーといったインターネット回線を利⽤します。従来型 EDI の場合には、JCA・全銀・ 全銀 TCP/IP といった通信プロトコル、さらには公衆回線・ISDN 回線と多様な通信回線があり、すべての通信⼿段に対 応し、なおかつ複数同時接続のために電話回線を何本も敷設しなければなりませんでしたが、流通 BMS の場合はインタ ーネット回線に集約できます。 <メッセージの標準化(統⼀)> メッセージの標準化は、業務の標準化ともいえます。EDI 導⼊の際は、どの業務を対象とするか、やり取りするデータ の仕様をどうするかといった取り決めを⼩売店と卸・メーカーの双⽅で⾏う必要がありますが、こうした取り決めを複 数の⼩売店と複数の卸・メーカー間で個々に⾏うことは極めて⾮効率です。 同⼀業界であれば⽇々⾏う取引もほぼ同様であるため、メッセージの標準化は業界全体の業務効率改善につながり、後述 の通り、EDI 開始までの期間短縮や、システム開発費⽤削減などの効果ももたらしています。

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1-4.流通 BMS の普及状況

財団法⼈流通システム開発センターと流通システム標準普及推進協議会(流通 BMS 協議会)の調査によると、2016 年 6 ⽉時点で、卸・メーカーでは 9,000 社以上、⼩売店では 300 社以上で流通 BMS が導⼊済みであると推計されています。 毎年約 10%前後の伸び率で導⼊数が増えており、⼩売店・卸・メーカーの双⽅で、今後より⼀層流通 BMS の導⼊が進む でしょう。 <⼩売店における流通 BMS 導⼊状況> 業態 導⼊済み 導⼊予定 合計 企業数 主な企業 企業数 主な企業 スーパー 127 イオンリテール、イオン北海道、イオン九州、イオン 琉球、マックスバリュ各社、ベイシア、マルエツ、ハ ローズ、丸久、近商ストア、平和堂、シジシージャパ ン、成城⽯井、サンライフ、ダイエー、泉⾕、オーク ワ、イトーヨーカ堂、⻄友、イズミヤ、バロー、いな げや、サミット、タイヨー、ユニー、ヤオコー、ヤオ ハン、東急ストア、サンプラザ、フジ、ライフコーポ レーション、サンエー、⻄鉄ストア、A コープ九州、 エフコ、みしまや 12 アークス、主婦の店⾚穂店、 カスミ、マルエー、ヒバリヤ、 フレスタ 139 百貨店 9 ⼩⽥急百貨店、丸井、⾼島屋、そごう・⻄武 2 井筒屋、コレット井筒屋 11 ドラッグストア 24 ユタカファーマシー、タキヤ、岩崎宏健堂、薬王堂、 マツモトキヨシ、中部薬品 0 24 ホームセンター 4 サンデー、LIXIL ビバ、コメリ、 カインズ 0 4 ⽣協事業連合 4 東海コープ事業連合、コープきんき事業連合、コープ 中国四国事業連合、コープ九州事業連合 0 4 倉庫型会員ストア 1 コストコホールセールジャパン 0 1 ボランタリーチェーン本部 1 全⽇本⾷品 0 1 ディスカウントストア 3 マキヤ、ヒラキ、ミスターマックス 0 3 合計 173 14 187 ※流通 BMS 協議会の公開情報(2016 年 9 ⽉ 2 ⽇現在)を元に作成

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1-5. 流通 BMS の導⼊メリット

流通 BMS を導⼊してどんなメリットがあるのかは、導⼊を検討する際に最も気になる点でしょう。先⾏して流通 BMS を 導⼊した卸・メーカーでは、実際に次のような導⼊効果が得られています。今後、流通 BMS 対応企業が増えるほど、⼩売 店、卸・メーカー双⽅で導⼊効果が⼀層⾼まるでしょう。 <通信時間の短縮とコスト削減効果> 流通 BMS の共同実証では、流通 BMS は JCA ⼿順と⽐較して通信時間を 90%以上削減できることが確認されました。 通信時間の短縮は単に通信費⽤の削減につながるばかりではなく、出荷・検品業務の開始が早められることを意味しま す。 ・ 発注データの受信に⽇々40 分程度要していたが、1〜2 分程度に短縮できた ・ 従来に⽐べ、1 時間半早く出荷業務に⼊れるようになった ・ JCA ⼿順⽤の固定電話回線を縮⼩できた ・ 出荷までのリードタイムが伸びて余剰時間が確保できることで、ピッキングにかかる作業を平準化できた <取引先別対応負荷の軽減> メッセージの標準化(統⼀)により⼩売店ごとの個別仕様は少なくなるため、卸・メーカーにおけるシステム改修コス トは削減できます。また流通 BMS という共通仕様に基づくため、新規⼩売店の追加の際も最⼩限の仕様確認を⾏うだけ で済み、対応期間が早まる効果も現れています。⼩売店は、導⼊にあたっての前提事項をまとめた「流通 BMS 協定シー ト」や、現⾏ EDI で使⽤しているメッセージとの⽐較をまとめた「マッピングシート」などの資料も提供しており、打 合せ作業を軽減する取り組みも⾏われています。 ・ ⼩売店との間で初めて流通 BMS 対応した際には 4 ヶ⽉の準備期間が必要だったが、以降は 1 ヶ⽉程度で開始 できている ・ 従来型 EDI では、⾃社システムの改修に 1 ヶ⽉ほどかかっていたが、流通 BMS の場合は半⽉程度で対応して いる <取引データ精度の向上による業務改善> 流通 BMS では発注から請求⽀払までの各取引段階で都度データ交換を⾏うことで、双⽅で取引情報の精度が上がります。 伝票運⽤が前提であった従来型 EDI に⽐べて、計上⽇や相殺内容の認識違いによる違算の発⽣も減少し、業務改善につ ながったという声も聞かれます。

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流通 BMS 特集|流通 BMS 対応時のポイント

さて、流通 BMS の概要が理解できたとしても、実際に導⼊には何から⼿をつけたら良いのか?という声をよく聞きます。 ここでは流通 BMS への対応に必要な作業やシステムなどについてまとめました。

2-1. インターネット接続環境の⽤意

従来の JCA ⼿順で必要であったような専⽤モデムは使⽤せず、インターネット回線を⽤意します。通信プロトコル(通信 ⽅式)として卸・メーカーで最も多く利⽤されている JX ⼿順(後述)を採⽤する場合には、家庭で利⽤するのと同等のイ ンターネット接続環境が必要と考えてよいでしょう。 ⼀⽅で家庭や業務でパソコンを利⽤する際と同様に、セキュリティ対策にも気を配る必要があります。使⽤するパソコン にはウイルス対策ソフトを導⼊したり、ファイアウォールを導⼊して不正アクセスに対処できるよう準備しましょう。 ※キヤノンITソリューションズでは、セキュリティ・ウイルス対策ソフト「ESET SMART SECURITY」、「NOD32 ANTIVIRUS」もご提供しています。

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2-2.通信プロトコル(通信⽅式)の選択

流通 BMS では 3 種類の通信プロトコル(通信⽅式)が規定されています。それぞれに特徴があり、⼀般的に卸・メーカ ーでは JX ⼿順を、⼩売店では取引先の規模や取引形態に応じて ebXML MS と JX ⼿順を併⽤することが多いようです。 取引先と同⼀の通信プロトコルを選択しなければならないため、卸・メーカーは相⼿の⼩売店がどの通信プロトコルに対 応しているのかを確認して準備します。 通信プロトコル 特⻑ 推奨する 取引データ量 主な対象 JX ⼿順 ⽇本独⾃の通信プロトコルで、必要の都度、クライアント側からサー バー側に接続してデータを送受信するプル型の仕様。JCA ⼿順の代替 として位置づけられる。⼀般的に卸・メーカーではクライアント側、 ⼩売店ではサーバー側を導⼊する。 クライアント側のシステムはパソコンで運⽤できることから、データ 量が少なく、情報システム部⾨などのシステム専任者を持たない中⼩ 企業での利⽤に適している。また他 2 つのプロトコルより安価に導 ⼊・運⽤できる。 10MB(約 1 万明細) 未満 中⼩企業 ebXML MS (通称 ebXML) 国際標準の通信プロトコルで、サーバー同⼠がデータの発⽣都度互い にメッセージを送るプッシュ型の仕様。リアルタイムでのデータ送受 信が⾏える反⾯、サーバー運⽤が必要となるほか、常時インターネッ トに接続するため相応のセキュリティ対策が必要となる。近年アジア 圏での利⽤が広まっている。 10MB(約 1 万明細) 以上 ⼤企業 EDIINT AS2 (通称 AS2) ebXML と同じく、国際標準の通信プロトコルでプッシュ型の仕様。欧 ⽶を中⼼に普及し、ウォルマートや Amazon.com で採⽤されている ほか、国内では⽇⽤雑貨分野での利⽤も多い。 10MB(約 1 万明細) 以上 ⼤企業

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2-3.⾃社システムへのデータ連携

流通 BMS と既存の JCA との最⼤の違いは、やり取りするメッセージがテキスト形式ではなく XML 形式であることです。 受注データを社内システム(販売管理システムや在庫管理システム、会計システムなど)にスムーズに連携できてこそ、 流通 BMS の導⼊効果が得られますが、通常こうしたシステムは XML データを直接取り込むことができないため、受信し たデータは⼀旦システム連携しやすいテキストデータ(固定⻑形式や CSV 形式)に変換しなければなりません。 流通 BMS 対応の際は、使⽤するパッケージや利⽤するサービスがこうしたフォーマット変換機能を有しているのか、ある いは別途⾃社で⽤意しなければならないのかも注意して検討しましょう。 また、流通 BMS のメッセージには、スーパーと⽇⽤品卸・メーカー間でやり取りされる「基本形」のほか、⽣鮮品に特化 した「⽣鮮版」、百貨店とアパレル卸・メーカー間でやり取りされる「百貨店版」と3種類あり、それぞれにおいて複数の バージョンが存在するため、フォーマット変換機能を有していたとしても、⾃社が利⽤するメッセージ種類・バージョン に対応しているかどうかも確認します。

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2-4.業務処理の実施

流通 BMS に運⽤においても、従来と同様に「注⽂データを確認する」「伝票や帳票を印刷する」「出荷データを作成する」 といった業務がついて回ります。こうした業務を流通 BMS パッケージ上で⾏うのか、あるいはデータ連携したあとに⾃社 システム上で⾏うのかによって、システムの構成や費⽤が変わってきます。 それぞれに⼀⻑⼀短あるため、⾃社システムの修正しやすさを確認して判断すると良いでしょう。

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メッセージの種類と実施する業務例 メッセージ種 提供⽅向 メッセージ内容 実施する業務例 発注 ⼩売店 →卸・メーカー ⼩売店からの注⽂データ ・伝票発⾏ ・ピッキングリスト発⾏ 出荷 卸・メーカー →⼩売店 注⽂に対して、実際の出荷数量を報告するため のデータ ・発注データの数量訂正 ・出荷データの作成 受領 ⼩売店 →卸・メーカー ⼩売店が商品の納品を受けた受領確認結果デ ータ ・受領確認データリスト発⾏ ・受領違算データリスト発⾏ 返品 ⼩売店 →卸・メーカー ⼩売店が返品処理を実施した場合に提供され るデータ ・返品データリスト発⾏ 請求 卸・メーカー →⼩売店 ⼩売店に対する 1 ヶ⽉分の請求情報をまとめ たデータ ・請求データ作成 ⽀払い ⼩売店 →卸・メーカー ⼩売店からの 1 ヶ⽉分の⽀払情報をまとめた データ ・⽀払リスト発⾏ 「EDI-Master」シリーズ

専⽤機、VAN 型 EDI からインターネット EDI まで、様々な企業間電⼦商取引(EC/EDI) 実現に向け最適な製品&ソリューションをご提供します。 ■EDI-Master について https://www.canon-its.co.jp/solution/edi/ ■EDI-Master 導⼊事例 https://www.canon-its.co.jp/solution/edi/case/ ■お問い合わせ https://reg.canon-its.co.jp/public/application/add/73 パッケージソリューション事業部 <東京> 〒140-8526 東京都品川区東品川 2-4-11 野村不動産天王洲ビル TEL:03-6701-3579 <⼤阪> 〒550-0001 ⼤阪市⻄区⼟佐堀 2-2-4 ⼟佐堀ダイビル TEL:06-7635-3121

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