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κオピオイド受容体はマウスにおける亜酸化窒素の抗侵害作用に関与する

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Academic year: 2021

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Title κ-Opioid receptor mediates the antinociceptive effect ofnitrous oxide in mice( Abstract_要旨 )

Author(s) Fukagawa, Hiroshi

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2015-03-23

URL http://dx.doi.org/10.14989/doctor.k18859

Right 学位規則第9条第2項により要約公開; 許諾条件により要約は2015/08/02に公開

Type Thesis or Dissertation

Textversion none

(2)

京都大学 博士(医学) 氏 名 深 川 博 志

論文題目 κ-Opioid receptor mediates the antinociceptive effect of nitrous oxide in mice (κオピオイド受容体はマウスにおける亜酸化窒素の抗侵害作用に関与する) (論文内容の要旨) ガス麻酔薬の一つである亜酸化窒素の鎮痛作用は、オピオイド受容体拮抗薬で あるナロキソンによって阻害されることから、亜酸化窒素はナロキソン感受性オ ピオイド受容体を活性化することにより鎮痛作用を示すと推測されてきた。しか し、μ、δ、κオピオイド受容体(それぞれMOP、DOP、KOP と略する)のい ずれが主に亜酸化窒素の鎮痛作用に関与しているのか、一定の見解が得られてい なかった。また、亜酸化窒素の鎮静作用が鎮痛作用と共通の機序を介するか否か は不明である。これまでに、MOP 欠損マウスでは野生型マウスと比較して亜酸化 窒素の鎮痛作用が有意に変化していないこと、亜酸化窒素の鎮痛作用は選択的 KOP 拮抗薬により抑制されるのに対して選択的 DOP 拮抗薬には影響されないこ とが明らかにされてきた。そこで本研究では、マウスにおけるKOP 欠損が亜酸化 窒素の鎮痛作用と鎮静作用に与える影響について検討した。 KOP 欠損マウス群と野生型マウス群を比較検討した。まず、亜酸化窒素の抗侵 害作用について、揮発性麻酔薬セボフルランの侵害刺激に対する逃避反応抑制に 関する力価すなわち最小肺胞濃度(minimum alveolar concentration、MAC)に 及ぼす亜酸化窒素の影響および亜酸化窒素の鎮痛作用と脊髄下行性抑制系活性化 の有無を検討した。次に、亜酸化窒素の鎮静作用について、セボフルランの立ち 直り反射消失作用に関する力価(EC50-LORR)に与える亜酸化窒素の影響を評価 した。 揮発性麻酔薬の MAC は両群間に有意差を認めず、亜酸化窒素は野生型マウス ではセボフルランMAC を有意に低下させたが、KOP 欠損マウスでは有意な変化 を生じなかった。酢酸ライジング試験とホットプレート試験において、野生型マ ウスでは亜酸化窒素の鎮痛効果が認められたが KOP 欠損マウスでは認められな かった。また、野生型マウスでは亜酸化窒素投与により腰部脊髄後角第 3-4 層に おける c-Fos 陽性細胞数の有意な増加を認め、脊髄下行性抑制系が活性化してい ると考えられるたが、KOP 欠損マウスではこのような変化は認められなかった。 セボフルランEC50-LORR は、亜酸化窒素投与により両群で同程度に低下した。 以上の結果は、マウスにおいて亜酸化窒素はKOP 活性化とそれに続く脊髄下行 性抑制系活性化を通じて鎮痛作用を示すが、亜酸化窒素の鎮静作用はKOP 以外の 機序を介することを示唆している。これは選択的KOP 拮抗薬が亜酸化窒素の鎮痛 作用を抑制するという過去の報告に矛盾しない。今後は、亜酸化窒素が選択的に KOP を活性化する機序を解明し、内因性 KOP アゴニストの産生あるいは放出の 増加の有無を検討する必要がある。 (論文審査の結果の要旨) 亜酸化窒素(N2O)の鎮痛作用へのオピオイド受容体の関与が示唆されて いるが、μ、δ、κオピオイド受容体(MOP、DOP、KOP と略する)のいず れが主にN2O の鎮痛作用に関与しているのか、一定の見解が得られていない。 これまでの検討により KOP が主に N2O の鎮痛作用に関与している可能性が高 いと考えられたため、本研究では、マウスにおける KOP 欠損が N2O の鎮痛作 用と鎮静作用に与える影響について検討した。 KOP 欠損マウス群と野生型マウス群を比較検討した。まず、揮発性麻酔薬 セボフルランの最小肺胞濃度(minimum alveolar concentration、MAC)に及 ぼす N2O の影響および N2O の鎮痛作用と脊髄下行性抑制系活性化の有無を検 討 し た 。 次 に 、 セ ボ フ ル ラ ン の 立 ち 直 り 反 射 消 失 作 用 に 関 す る 力 価 (EC50-LORR)に与える N2O の影響を評価した。 N2O は野生型マウスではセボフルラン MAC を有意に低下させ、酢酸ライ ジング試験とホットプレート試験において鎮痛作用を示し、腰部脊髄第 3-4 層 における c-Fos 陽性細胞数を増加させたが、KOP 欠損マウスではこうした変化 が生じなかった。また、セボフルラン EC50-LORR は、N2O 投与により両群で 同程度に低下した。以上の結果は N2O は KOP 活性化と脊髄下行性抑制系活性 化を通じて鎮痛作用を示すが、鎮静作用は KOP 以外の機序を介することを示唆 する。 以上の研究は亜酸化窒素の作用機序解明に貢献し、麻酔科学の発展に寄与 するところが多い。したがって、本論文は博士(医学)の学位論文として価値 あるものと認める。なお、本学位授与申請者は、平成26年12月9日実施の 論文内容とそれに関連した試問を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日 以降

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