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地域資源活用に基づく地域づくり(第1章オーガナイズドセッション 地域資源を活用した地域振興デザインを考える-長野県版,<特集>地域デザインを考える)

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(1)

地 域 資 源 活

用 に

域 づ く り

TRegional

 

Development

 

Based

 

on

 

Regional

 

Resources

宮 崎

 

      MIYAZAKI

 

Kiyoshi

放送 大 学特 任教

              The

 

Open

 

University

 of 

Japan

1 .

域 振 興へ の 新 た な ま な ざ し  

1970

年 代 半 ば か ら

地 域 主 義 」 が 唱 えられるよう になっ た

そ して

地 域 主 義とは

定 地 域

そ の地 域

土 的 個 性

を 背 景 に

その地 域の共 同 体 に 対 して

体 感

を も ち

地 域の行 政 的

経 済 的 自立 と文 化 的

とを

追 求

する こ と をいう」

玉 野 #

1977

) と 定 義づ け ら れ た

「地 方 主

」 か ら識 別 する た め

地 域 主 義 」 は

内発 的

」 と も呼

れた

ま た

この 「地 域 主 義 」 におい て は

地 域 」が次の よ う な 姿で描 か れ た

地 域 と

略)

間等

視 座

に 立つ と

その世 界の中 に 生 活 者 という地 域の担い手 が 現わ れ ま す

や 国 民 とい う概 念 だ けでは な しに

活者

とい う

略)

地 域の担い手の姿 を 見つ め ま す と

日常 的 貰 任 をもっ て生

し て いる 人 た ちの顔 や か た ち や ふ る まいが 浮 か び 上 がっ てき ます

そ の生 活 者たち は

地 域 に お ける土 と

からなる日

常性

の生

態的 生

活 環 境の中で

生 命 を 生み出し

生 命を育て

生命 を 守っ て い る」

玉野 井

1985

 

な ぜ

上 述のよう な 「

地域 主義

」 が 唱 え ら れるよう になっ た の であろ う。 それを

くには

戦 後の日 本 に お ける地 域 開 発の 歴史を 顧 み る必 要が あ る

それは

およ そ

次の

3

期 に 分 けら れる

 

1

期は

戦 争 直 後の 「応 急 期

焦 土と化 し た 国 土 復 興のた め に

は 「

興 国 土

画 要 綱」

1946

年 ) を 設 け

食 糧 生 産 と地 方 都 市の復興 に 基づいて経 済力 を充 実さ せる こと に 力 を 注いだ

 

2

期 は

回 復 期 」 とも呼べ る も の で

「国土総 合 開 発 法」 (

1950

年 ) が 設 け ら れて以 降の ことである

こ の

期の地 域 振 興は

都 府 県 総 合 開 発 コ 「地 方

総 合 開

発」 「

特 定

地 域 開 発」 の

3

つを

野に入 れ た もの であっ た が

と り わ け国

の後進 地 域開 発 に主 力が注が れ

電 力 開 発 が 最 重 要 視 し て

展 開

さ れた。 「

離 島振

」 「

雪 地 振 興 法」 な ど に よる開 発 が 進め ら れ た の も

こ の

期であ る

や がて

1950

年の

朝 鮮戦 争

による

特 需

と連 合 軍に よ る重工 業 再 建 許 可 を 契 機 とし て

日本の地 域 開発 は

3

入 す る

 

3

期 は

都 市 化

工業 化 が 急 速 に 進 展した 厂 」 で あ る。 「

首 都 建

1950

や 「首 都 圏 整 備 法」

1956

年 〉

象 徴

さ れ る よ う に

3

期には

既 成 市 街 地の

再 開 発

新 市

街 地

の 工

開 発

近 郊 地 帯の緑 地 保 全 を 柱とする整

に力が 注がれた

し か し

人口 と工 場の

極 集 中

高 騰

の悪 化

過 密

過 疎 な ど

都 市 化 と工業 化の進展 の な か で

日 本 列 島に さ まざ ま な 歪 み が 生 起 してき た

国 総 合 開

発」

1960

年 )

その よ う な 歪みを 調 整 するため に

全 国を 過

地 域

整 備 地 域

開 発 地 域の

3

つ に 区 分 して全

均衡

を 図っ て い こ うとす る もの であった

だ が

総じ て経 済 開発 に力 点 が 置 か れ

公 害 問 題 や 過 疎

過 密 地 域の拡 大 な ど

依 然

と し て歪 みの是 正には ほ ど 遠い状 態 を 呈 していた

 

こ のよ う な 戦 後 か ら 高 度 経 済 成 長 期 に 至る日

に お ける

土 開 発 計 画の 経 緯のなかで

広 く

民の

」 の

に 立つ地 域 開 発へ の志 向 が 高 まっ てき た

そ れ ま で の 「上 か ら の開 発」 「外 発 的 (exogenous

発 展」に

わっ て 「もう ひ とつ の発 展」 「

発 的 (endogenous ) 発 展」が 求め ら れ る よ う に なっ たの であ る

そ れ は

次の

5

つを 主 たる

内 容

とする も の で あ る (鶴 見

川 田

1989

  単に物 財の増 大の み を志 向 する の で はな く

人 びとの精 神 的

物 質 的 な 基 本 的 必 要 を 充 足 す る開 発

 

そ れ ぞれの地 域の歴 史 性

風 土 性

社 会 性に根 ざ した

発。

 

それぞれの地 域 に

在 す る 資 源

知 恵の利 活 用 に 準 拠し て

地 域

経済

立性を めざ す 開 発

  そ れ ぞ れの地 域 のエ コロジ カルな

環 境保 全

証 す る 開 発

 

それぞれの地 域 の歩 むべき 方 向に関し て地 域 住 民 自ら が意 思 決 定

政 策 決 定 に 参 加できる開 発

2 .

尽 く

」か

転 換

 

上 記の

5

つを

内容

と する

地 域開

発へ の

希求

れ も

経 済 成 長 優 先 型の発展へ の内

ほ ん も の の

か さへ の内 省

エ コ ロジ カ ル な 生 活 環 境 形 成へ の志 向

ア イ デ ンティティの 確立

自 立

自存の地 域 社 会 形 成の必要性

選択に関す る

己 決 定の徹 底 化 な ど

と り わ け

1960

年代 半

ばか ら

1970

代 半ば に かけて の地 域 開 発 とそれ が も たらす歪 み に対す る批 判 のなかか ら 生 起 し た もの であっ た

 

こ の時 期 を 境として

人 び との地

める 眼 は 大 き く 転 換 し た。

市 に あっ て

人 ぴ とは

緑 地の

希 少

空気の汚 染

汚 濁 度を増 す 河 川 が 都 市の象

にな りつ つ ある こ と に疑 問 を 投

かけ

め た

ま た

地 方にあっ て

人び と は

過疎の進 行

都市

生 活 者と の経 済 的 格 差の拡 大

工場

廃棄 物

投 棄場

し て い く 自 己の環 境 に 対 し

疑いの眼 を 向け る よ う に なっ た

14

デ サ イ ン 学 研 究 特 集 号

Special lss

eo 「Japanese  Society torthe Sclence of DesLgn

(2)

NII-Electronic Library Service

じて

都 市

におい ても

地 方においても

人 びとは

そ れ まで の経 済 最

先 型の地 域 開発 に対 する危 機 感 を 増 大 さ せていっ た の であ る。

 

そ して

例えば 地 方に お い て

人 びと は

自己 の環 境 を 次の よ う な 眼で

評価

するよ うになっ た

「森 林 はいず れ ゴ ルフ場 化さ れ る も の と こ れ ま で観 念し ていた が

森 林 は森 林と して次

世 代

していく必

が ある の では ないか」 「こ こ に は工場 も 百

貨 店

は な い け

自然

豊 か な 山 や 川 や 田 畑 が あ り

新 鮮な 空

に恵ま れ た か けがえ のない地では ない のか」 「

に は

山菜

に は

提 供

し てく れる山 に 抱 か れて の生 活 は

都 市で は

わ う こ と の でき ない貴 重 な 自 然 との共 生の姿 そ のものなの で は な いか」。

び との眼 は

それ まで の 「 い尽く し」 か ら

々 に転 換したの である

そ の転 換 は

「そ れ ぞ れの

地域

に歴

を通 じ て

承 さ れてぎ た さ ま ざ ま な 資 源 を 大 切に し

ら の手で そ の資 源 を 守 り発 展 さ せてい くことこ そ

等 身 大

の地

域 開

発 なの では ないか」 という 方 向へ の転 換で あっ た

逆 転

の発

」 「

過 疎

を 逆 手 に」 な どの

語 が 生 ま れ た の も

この よ う な 人 び と に よ る価 値 観の転 換の産 物であっ た (宮 崎

1993

 

そして

いま

お よ そ地 域

地 域 振 興 といえ ば

それ ぞ れの地 域 に

内在

す るさ まぎまな

資源

準 拠

して

そ れ を 維 持

発 展し

そ れ ぞ れ の地 域の ア イ デ ン ティティを よ り

層 明 確 に して い く

実 践

る と の了

広 く共 有 さ れるよ う に なっ て い る

ま た

地域

会に お け る経 済 的 自立 も

そ のよ う な 視 点 を 堅

す ること によっての み可

であるとの認 識 が 築 か れつ つ ある。

3

さ ま ざ まな 地 域 資 源

 

地 域 (region) と は

空 間 的 に

定の領

を も ち

同の ル

ル に基 づい て

人 び と が 日 常 的

非 日常 的 な 生 活 を 展 開し て い る場である (木 内

1968

およそ

地 域は

、一

夜に し て 成 立 し ない

人 び とが 生 活 を 展 開 してき た

跡 が

表 出

され

に人 び と が 生 活 して い る 場こそ

地域だ か ら で あ る

そ れ ゆ え

地 域 に は

歴 史 (過 去

未来 )

る。 そ の歴

と は

人 びと が周 囲に存 在す る さ まざま な資源 を活用

産 出し て き た もの の総 体

現 に

産 出

して いる も の の

総 体

さ ら に

将 来 に 産 出 して い こうと して いる も の の

総体

に ほ かならない

 

とこ ろ で

そ れ ぞ れの

地 域

内 在

するさ ま ざ ま な 資 源 に 準 拠 して地 域 振 興 を 図っ ていく に あたり

どのような

源に

目す る必 要 が あ るの だ ろ う か

い っ た い

地 域 資源 と は何 なのだろ うか

 

資 源 (resources

と は

単に八

ドな 物 質の みを

味しな い

人 間

風 土

1

生そ して生 活 文 化 な ど

お よ そ 全て のソフ トを含め

資 源と い う

念 が用 いられる

それ ゆ え 資 源 と は

地 域に

内 在

す る

物 質

的な らびに非 物 質 的 な もの の総 体と いえる

 

例 え ば

地 理

にお い て は

地 域 資 源

とし て

事 項

げる (木 内

1968

  位 置

環 境に関す る資 源 :自然 的 位置

人 文 的 位 置

土 地

気侯

  社 会

生 活 に 関 す る 資 源 :生 活 様 式

生活

内 容

行 政

都 市

 

経 済 活 動 に 関 す る

源 ;

農 牧 業

林業

水 産業

鉱業

流 通

ビス業

通信

 

人口

社 会 集団 に関 す る 資 源 ;人 口

変 化

社 会集

団。

 

する資 源 :言

方 言

宗 教

伝 承

物 質

教 育

学 術 な ど

 

ま た

地域

活 性化

与 する可

能性

を 内 包 し た 資 源つ ま り 「地 域 活 性 化 資 源 」 と いう

観 点

から は

げ ら れる

農 業 協 同 組 合 中 央 会

1991

類 型

1

自 然 資源 :[非 生 物 資 源 ] (鉱 物

地 質

地 形

気 象

河 川

湖 沼

溜 池

地 熱

水 づ

毎洋

エ ネ ルギ

ー、

土 地

土 壌

等 )

植 物 資

] (

山菜

山葡 萄

野 菜

果 物 等 の農 産 物

そ の

植 物

森 林

動 物 資 源 ] (プラ ンク ト ン類

虫 魚介類

そ の他の陸

空の動 物 )

[排 泄 物

落ち

葉等

類 型

II

生 産 資 源 :[農 産 物 加工 食 品

] (

山 菜

漬 物

缶 詰

味 噌

醤 油

蕎 麦 等 〉

物 加

工品

] (

牛 乳

バタ

の乳 加工品

ハム等の肉加 工品 等

農 林

生 産 物 加工品 ] (藁

竹 細工等

箪笥

動物

剥製

そ の

の工 芸 品

民 芸 品 等 )

[水産

加 工品

] (

缶 詰 等の魚 介 類 加 工品

介 類の 工

美 術 品等 )

生 産 加工

の残 滓 や 生 産 資 源の有

利用

リ サ イ リ ル品 な ど ]

類 型

III

景 観 資 源 :匚自

然 的

観 ] (

森 林

海 岸

山 河

湖 沼

溜 池

ク リ

田 畑 等

会 (人工) 景 観 ] (石垣

建 物

家 並 み

公 園

庭 園

財 等

[生 活 景 観 ] (炭 焼 き

干 し 柿

干 し 大

根 等

の干

稲 架

や 煙

臭い

手 入の行 き届いた生垣

花 壇 等の生 活 感

潤いのある風 景 等 )

[総 合 景 観

コ (

自然

社 会景 観

生 活 景 観のバラン ス と して の快さ を

っ た景

観 等)

類 型

IV

人 文 資 源 :[文 化 資 源

種 種の

文 化

保養

施 設 (美 術 館

博 物 館

工芸 館

アス レチック

ク ア八ウ ス等 )

種 種の制 度 や 組 織 (研 究

生 涯学 習

住民

動シ ス テ ム を 含 む )

伝 統 的 社 会 風

土 (

放性

民の主

体 性

学 習

力 等 )

種 種の技 術 (生 活 技 術

有 機

そ の

の生 産 技 術 等 )

無 形 文 化 財 (芸 能

行 事

話 等)

各 種

イベン ト

情 報 ネッ トワ

農 林

商 (

産 出

加工

流 通 )の連 携

交 通システム

人 的 資

歴 史 的

名 人

種 種の高 度 技 能 保 有 者

家族

男女

世 代間関 係の特 色

種 種の地 域 住 民 活 動

生 活環 境

境 保 護 活 動 等 を 含 む )

種 種の交 流 活 動

都 市

農村 交

流 や

国 際

交 流 等の活 動 等 )

1

∵ ∵

(3)

4 .

地 域

源 の 再 認 識 に 基 づ く 地

域 振 興

 

さ ま

ま な 地 域 資 源の再 発 見

認 は

内発 的地 域 振

興の

出 発 点であ る

その再 発 見

再確 認

行 為

実 地

調

態 調

野 外 調 査 (

field

 survey> な どと呼 ばれ る 地域に出 向い

て の調 査によっ て行 わ れ る

ま た

地 域

調

査におい て は

観 察

observation

測 定 (measurement )

面接

interview

ンケ

ト (enquete ) な どの手 法 が

複 合 的

に用い られ る

も ち ろ ん

地 域 調 査 に よっ て採 集 さ れた さ まざま な

料 を

文 字

写 真

ビ デ オ な どの映 像

な ど として

に と ど め ること が必 要である

 

域 資

源の再 発 見

再 確 認のた めの地 域 調 査 は

当該

の地

住 民に 加 え

行 政 担 当 者 や 外 部の専 門 家 が 混じっ たチ

ム で

すること が望 ま れる

これ は

当 該の地 域 住民 に とっ て は 「

た り

」 と して見 落と されがち な 資 源 まで

め て

すべ て の

地域 資

源の発

を 可

にするた めである

外 部 専 門 家 が 地 域 調

のグ ル

プ に 入 るこ と に よっ て

地 域

民が と も する と見 落と し が ちな 資 源の 存 在 が 確 認 さ れる こ と も少な く な い

例え

1

本の木 も

地 域 住 民 に とっ ては

以 前 から

存在

して いた も の

日ごろ か ら接 してきた ものだ けに

そ の資 源と し て の

定で き ない場 合 も あ る

しか し

で それ を

め る と

木の肌の美し さ

力 強 さ

秋の色 変 わ りや

落葉

し さ な ど が

源の

値と して発 見 さ れるか もしれない

ま た

山 菜 を 採取 す る地 域の 人 び と の暮ら し は

地 域 住 民 に とっ てはご く

 

た り

」 であっ ても

外部

にとっ ては 「自 然と の 生」 が 生 きて い る

ら し として認 識 さ れ る か も しれ ない

さ ら に は

裏 山か ら

取し た自然 素 材を用い て の 山 籠づく り は

地 域 住 民にとっ て は

から

っ てき たこ と で特 段の目 新 し さ は な く と も

外 部の 眼 か ら し て み る と

それは

今 日に生 きる自 立

自 存の生

の表

であ り

自然素 材

のや さ し さ と 美 し さ と が 凝 縮 さ れ た 生 活用 具 であり

し か も

裏 山か ら自 然 素 材 を 適 度 に 採 取 して く ること が 裏 山の成 長 を 手

けする ことにつな がっ て いる な ど

さ ま ざ ま な 価 値の凝 縮 体と し て と ら え られる かも し れ ない

こう して

地 域 資 源の

発 掘

内 外

の混 成 チ

ムで実 施 すること は

地元

民 の

源を眺める 眼の転 換 に つながる

か りか

外 部の者に とっ て も

地 元 住 民か ら さ まざ ま に教 授されることの喜 び を 得る機 会でも ある。

 

地 域

源の発 掘と再 評 価 は

決し て

単眼的に な しては な ら ない

1

方 向

視点

か らでは

対 象の有 する

1

しか 浮 上し ない

複眼的

面的 な視 点を堅 持して

資 源 発 掘 とそ の 再 評 価 が な さ れ なけれ ばな ら な い

木 を み る 視 点 」 「林 をみ る視 点」 「森 をみ る視 点」 を複 合して

地 域 資 源の発 掘

再 評 価に あ たる必

が ある。

当然

「木 を み る 視 点」 に おい ても

に 現 れ て い る

分 だ け を眺め るの でな く

木の根元や 地

な どに思いを

ら して

全 体 的 に 観 察 する こと が肝 要 で あ

16

デザイ ン学研 究特集冒

Spec「al IssueefJapanese  SocietソfortheSclenceo「Desjgn

Vol

19

1 Ne

73 2011 る

ときには

根 元の

枯 葉

を 手にとっ て どの よ うな

生 物

が棲

してい る か を 調べた り

枯 葉 を 踏み し め る と き の や わ ら か な足 の感 覚 を確 か め ること も 欠 か せ ない。

微視 的

視 的 観 察

を 行 うと とも に

見る

聞 く

触 れる

嗅ぐ

わ う の 五感を総 動 員 して

対 象の価 値 を 確 認 する ことが

肝 要

である。   地 域 資 源の発 掘

再 評 価に従 事した 者は

次の ス テ ップ と し て

発 見 さ れ た さ ま ざ ま な 資 源の リス トアップ

ぞれの

源の関 係 性

そ して

なぜ貴 重 な

源 なのかを

理し

広 く 地 域 住 民 に そ れ ら を 提示する

同時に

個々 の

源を ど の よ う に してより豊かな 資 源として磨 き 上 げ

利活

用し て いくか の具

的 方

性 を

多 面 的に思 考

展 開 する

さ ら に

源と資 源と の結 びつけ 方 を 思 考 し

提 示 する

こ のと き

地 域

民か ら

個々の資 源の利 活 用 に 関 する提 案

資 源 相互 の関

づけ に閧す る 提 案 な ど を

積 極 的 に聴 取 する こと が 必

である。

 

な お

地 域 資 源の利 活 用 に 基づく 地 域 振 興 計

定に

最 初 か ら 大 境 模 な 展 開 を 志 向 する こと は

めて

危 険

とも す ると

金 が な ら でき な 」 「

をどこ からか もっ て こな け れ ば ならない」 と の考え に

って し ま う か らであ る

まずは

小 さ な 」 「やろう と 思えばできる こ と」 「金 はな くともできること」 から着 手 すべきで あ る

そ の よ う な実 践の積 み 重 ねのな かで

すべて の地 域 住民 の

域 資

源 活 用 に 基 づ く 地域 振 興の重 要 性の認 識

ひ とりひ と り の 地域住 民 がそ の

い手 に な れ る可 能 性の確 認 な ど が 広 ま り

さ れて い く

こ こ か ら

等 身 大の地 域 振 興

自 立

自存の地 域 振興が

まる。

5 .

故 郷

く り

」 の

た め

地 域 資 源 発 掘

 

興 業 意 』 を ま と め た の は

今 日の通 商 産 業 省の 前 身であ る農 商 務

田正

名 (

ま えだ

ま さ な )で ある (宮 崎

1990

。 明

治 時 代

業 興 国 を キ

ド に 国づ く り が 進め られ た 時 代 だ が

そ れ は

福 沢 諭 吉が主 導 し た 大工 業 優 先 政 策 に 支 え ら れてい た。

欧米

んだ

諸技

術 をいわ ば 鋳 型 に とっ て 日本に移 植 し て く る こ と に よっ て

それはな さ れ た

国 金 体 がそ のような 流 れのなか に あった とき

前 田 は 次の よ う に 考 え た

本 各 地に は

そ れ ぞ れ の 地 域の風土 と対 応 し

長い歴 史のな かで刻 ま れてき た 地

場産 業

が あ る。 国づく り は

その よ う な 地 場 産 業の育 成 を図 る こ と な く してな し え な い」 と。

田の主 張 は

当 時の省 庁のな かで必 ずしも

支 持

され な かっ た

前 田は高 級 官 僚の座 を他 に

野に下っ た。 そし て

いわ ゆ る 「

田 行 脚」 を 展 開 した

草 鞋

履き

脚 絆 姿で

田 は 全国

地を まわ り

辻 説 法 を

った。 町

民た ちを

に して

田 は 説いた

皆 さ んに は

さ まま な 資 源があ る で し ょう

そ れ らは

先 祖 た ち か ら

て き たものに

違 あ り ま せ ん

そ れ は

か け が えのない地 域の 財産です

(4)

NII-Electronic Library Service

そ れら の

源を再 評

し て

そ の

源 が さら に

伸展

し てい く よう な町づ く り

村 づく り を展 開し て くださ い」 と

こ の前 田の訴 えのなか か ら

いわ ゆる 「 町 是」 「

村是

」 づ く りが 生 ま れた

それは

今 日の 「地域

画」 の走り である

 

もち ろ ん

田の

き た

時代

日 とでは

時代

そ のものが 大 き く異 なる が

国づ く り の

本質 論

と い う

点か ら み る と変 わ りは ない

れの国にあっ て も

づ く り と は

そ の国 が 歩 んで き た 歴

のうえ に

たな 歴

ねて

んで い く もの で あ る

木に竹を接ぐ方式だけ が

国 づく り で は な い

歴 史に は

民 族の 血 が

地 域住

民の心 が 反

し ている

地 域 資 源 と は

そ の よ う な民

の血

地 域 住民 の心の表 象に ほか ならな い

 

こ のよ う な意 味に お いて

地域 資源 の 再 発 見

再 評価に基づ く地 域 振 興

画の

策 定

実践

それぞれの

それぞれの 地 域の ア イ デンテ ィ ティを よ り 明

確 化

し て い く た め に 不 可欠で あ る

田の

きた

時代

と は比べ も の にならない速

と 規

で 国 際 化 が 進 行 して いく

日である か ら こ そ

域 資 源

再 発

再 評 価に基づ くデ ザ イン活 動が欠か せ な い の で あ る

そ の よ う な デ ザ イン活 動が

欠 落

する と

国の ア イ デ ン ティテ ィ

地 域のアイデンテ ィ テ ィ は

失 し て し ま う

 

故 郷 とは

であろ う。 ひ とりひ とりが 生 ま れ 成 長 してき た空 間

時 間と し て の 「

に は そ れ ぞ れ に大 切に し て輝 か せてき た 資 源 が あ り

ひ と り ひ と りがそ れ にか か わる実 践 を もっ て い て こそ

は じ め て

か け が え の な い 「故 郷 」 にな りえ る

その

意 味

に おい て

地 域資

源の

発掘

再 評価

に基 づ く地 域 づ く りは

故 郷

づく り」 で もある

6 .

マ テ

に お

ける 資 源循 環

シ ス テ ム

 

20

分子化 学の成 果 とし て

石 油 化 学 製 品 を

に入

た。 そ し て

それ は 人 類の伝 統 的 な 生 産 と消 費の ス タ イ ル を激 変さ せた

人 類 史のな かでも 未 曾 有の大 量 生 産

量 消 費

出 現

である

プラ スチック が 生 み 出 し た 新 た な 生 産

消 費の スタイ ルは

利 便 な 生 活 を もた ら し た だけでな く

お よ そすべ て の国 々の社 会

経 済

文 化 に

大 な 影 響 を 及

し た。 しかしな が ら

利 便

な 生 活の構 築に寄 与してき た石 油 化 学 製 品 は

ひ とつ の大 き な 欠 点 を 有 して い る

ら な 」 こ と である

廃 棄 さ れた石 油 化 学 製 品は

半水 久 的 に

土に 還 っ て は くれ ない

焼 却 す ると

イ オ キシンや

環境

ホル モン な どの 有 害 物 質 を 発 生 さ せ る

残っ た 灰 も

全に土に戻る こ と はな い

た と え 土 に還っ て くれ るプ ラスチッ ク が開 発さ れ た と し て も

その土 か ら再 び プ ラスチックが

ま れて く る こ と はない。 つ ま り

近 代 化 学の成 果 と しての プ ラ ス チッ ク は

い まだ

資 源 循 環 シ 」 を

構 築

し え て いない。

 

八 イテ ク (高 度 技 術 )の

徴と し て の入工素 材

プラ ス チック に 対 し

樹 皮 などの ロ

マテ リ ア ル (

Low

MateriaD

と 呼 ば れる自 然 素 材 は

お よ そ すべ て 「

源 循 環シ ス テム」 を も ち あ わ せて いる

自 然のな か か ら 必 要 量 を 採 取 し

それ を 素 材 と してさ ま ざ ま な 道 具 を 製 作

使 用し

道 具に 寿 命 が 到 来 す る と焼 却 し た り腐 熟 さ せ た り して

土 に 還 す

そ し て

そ の土 か ら

再 び

新 た な 自然 素 材が成 長して い く

  自 然 素 材の 「資 源 循 環 シテ ム 」 に は

不 要 な ものを 捨て去 るとい う 意 味で の廃 棄という概 念はない

寿 命の到 来し た 道具 類 を 焼 却 ない し腐 熟 させ るこ とが

す な わち

土を肥 やし

た な 生 命 体 を 育 む糧になっ て い た か らで あ る

こう して

マ テ リアル

自然 素 材の 「資 源 循 環シス テム 1 は

自然

界 と 人 間の生 活 と を 不 断 に 結 びつ けてき た

また

焼 却

腐熟

さ せても 環 境 汚 染 を も た ら すこ とも なかっ た

マテ リ ア ル と 呼 ば れ る 自然 素 材 は

現 代 社 会 が 抱 え る環

問 題に しっ か りと 対 応 し えるもの づく りを 展 開 す る に あたっ て

いま再び

認 識 を 新 た に し

評 価 され るべきであ ろ う

6 .

1.

マテ リ ア ル と しての 藁

 

今日 の 工業 社 会 が 到 来 する直 前 まで

さ ま

ま なロ

マテ リ ア ルが 生 活の全 面に おい て活 用されて き た

特に

山 岳が国土 面 積のお よそ

70

% を 占 め る 日本 におい ては

木 材

がそ の

代 表

格であっ た

こ の木 と並 んで

藁 (わ ら

も 有

に 活 用されて き た

しか し

今 日の 工 業 社 会の急 速 な進 展の な かで

藁は ほ と ん ど活 用 さ れ な くなっ てい る

  かつ ては

この国 に おい て は

稲 を 育てること が

米を得る と と も に

藁 を 得 るこ と を 意 味 していた

米 を

土 肥 やせ」 「土 を肥 やさ ば藁つく れ」 と言い

え ら れ て き た ほどに

藁 は

終 的

に は 「

養 (

やしない

」 「肥

こ え

」 とし て

田 畑を肥 沃にする素であっ た。 同 時に

米 を 収 穫した 後の藁は

人の衣

食住

な どの生

のほ ぼ 全 般 に わ たっ て

活 用されて き た。 そ の

用の

さ と豊 か な 知 恵 が 凝 縮された活 用 技 術は

こ の 地球に お け る広 範な稲 作 文 化 圏の なかで も

凌 駕

し て い る

宮 崎

1995

  し か し な が ら

い ま や

日本に お い て は

藁 が 生 活 素 材 とし て の

使 命

収 穫

時 に 小 さ く切 り刻 ま れ

野 焼 き さ れ て し まっ ている

しか も

そ の野 焼 き は

大 地 を肥 や すの ではな く

大 地のな か に 棲 息 し大 地 を 肥 や しつづけて き た 微

小 動 物の命 を 絶っ て し まっ て い るの で あ る

 

藁 は

今 日

生 活 素 材 と して の

使

命 を

え て し まっ て い い の だろう か

日 本 全 国で

1

年 間に収 穫される藁を 用 い て太さ

1

cm ほどの藁 縄 を 綯っ た と する と

なん と

地 球

と月と の間 を

40

往 復 以 上でき る 長 さに達 する

ま さ に 天文 学的 な 量 の

この 日本で

毎 年 生 産されて い るの であ る

宮崎

1985

 

土 中の微 生 物

小 動 物 を 殺 戮 す るの で な く

これ から の日

が 向 か うべ き 方 向は

藁を 生活 素

と し て活用 し

藁 製 道具 に

∵∴

(5)

寿 命 が 到 来したと き に は

かつ て の よ う に大 地に戻し

微 生 物

小 動 物の

活 性化

を 手 助 け する肥え とすることなの では ない か

いま

と と もに日

代 表

す るロ

マテ リア ル の 藁 の 活 用 と

そ れ による本

的な 「

源 循 環シ ス テ ム」 の再 構 築が求 め られている。

 

こ のような 視 点に基 づく実 践

例を

介し よ う

6.

2.

ワラ ボ

 

収 穫 後

1

ケ月間天 日乾 操さ せ た

ねて

円 柱 伏の棒を つ く る

全 長

50cm 、

直 径

6cm

である。

か ら }

Ocm

間 隔で

藁 束 を しっ か り結 わえ る

そ の よ う に し て

制作

し た藁 棒 「ワ ラ

」 に 上 か ら 力 を 加 えて

縮 強度

測 定

してみ る

1

の 「ワ ラ

」 が

なん と

120kg

荷 重

に 耐 え られ ること が 判明 した

 

この 「ワ ラ

3

と し た

子 をつ く る

理 論 的 に は

360kg

の荷 重 がか か っ て も

分に耐え られる椅 子であ る

ま た

ワ ラ

」 をユ ニ ット とし て

構 造体

てる

そ して

幼 稚 園 児 た ちに 自 由に

使

っ て も らっ た

園 児た ち は

内 に 入 」 「座る」「ぶ ら下 がる」 「

る」 「飛 び

り る」 「家 に 見 立て る」 な ど

実に さ まざま な遊び をつ く り だす

「ワラ ボ

」 を並べ たマ ット

思い思いに

み 立てる ユ ニ ッ ト遊

な ど も

使

っ て も ら う。 園 児 た ち か ら は

「安 心 (ぶつ けても 痛くない

けがを し な い な ど

」 「心 地 よい (柔ら か くて温 かい

香 りが するな ど

」「手

軽 (

い の で運べ る

頃 な

寸 法

な ど

そ して

楽 し (さ ま ざな 遊 び がで き る

共 同で遊べる な ど)」 の感 想 が 聞 か れ た

 

ラ ボ

」 の活 用 は

さ ま ざ まに展 開可能である

モ ニ トに も な る

巨 大 な ジグ ル ジ ム も くれ

住宅

の構 造 体と して 活 用 すること も不可 能で はない

 

もちろ ん

ワ ラ

寿 命 は

木 材 や 金 属

ラ ス チ ク な ど に比べ

相 対 的に短い

自 然の う ち に風 化 してい く

し かし

」 は

寿命

が 長 け れ

よいの では ない

いま や

寿 命 が 訪れ た と き に ど の よ う に環 境を傷めずに処 理 す ることが できるか を

デザインのコ ンセプト と してしっ か りと据 えるこ と が 肝

である。 そ のよう な

視 点

か ら 「ワラ

」 の活 用 を 眺 める と

マ テ リ ア ル の

が実に今 日 的かつ未 来 的 な 価 値 を 内包 している こと は 明らかで

る。 し かも

こ の日本 に おいて は

毎 年

天文 学 的 な量 の

が 生 産さ れて い る

6.

3 .

籾 殻 燻 炭 に よ る 水

質浄 化

 

かつては 調 理 用

風 呂用

洗 濯用 などさ まざま に活 用 するこ とができ た 水 路の多 く が

今 日では

さ れて し ま っ て い る

家の前 に 水 路 が あっ ても

生 活 とは無 縁になっ て し まっ て いる 場 合 が 少 な くない

稲 作

地 域の

くの

水路

その

例 外

で は ない

の元 凶 は

家庭

から

雑 排

水であ る

米 を 育て る農 村 地 域にあっ て は

そ の 汚

さ れ た水が田に流 れ 込

18

デ ザ イン学研 究 特集 号 Speclal I$sueofJapaneseSocietyfortheScienceofDesign Vol

19

1  No

732011 み

作 物 に 影

を 及 ぼ しか ね ない

 

汚 染 され た 水 路の水 質 を 改 善 するため に

稲作

毎年

大 量 に 産 出 さ れ る 籾 殻 を 活 用 する手 立てを

試行

した。 ロ

マ テ リ アルの 籾 殻 も かつ て は さ ま ざ まに活用 さ れて い たが

今日 で は

活 用 さ れ ない ま ま に ほ と ん ど が 焼

さ れて 灰 と

し て し まっ て い る

 

脱 穀 後 に玄 米 を 採 取 す る 際 に入 手できる

殻に

をつけ

適 度に炭 化 する

籾 殻 燻 炭 」 づく りである。

自然 素材

は お よ そ

孔 質 樽 造 を な して いるが

炭 化によっ て

よ り

化が進 展 す る

籾 殻 も 同

である

青木

宮 崎

1998

。 この 「籾 殻 燻 炭 」 を 袋 詰 めし

に浮 かべ て お く。

定 期

間 後 に 汚 濁 し た 水 質の透 視 度 が

さ れ

のような

変化

が 生 じる

上 流 地 点で は魚 類 が 棲 息で き な い ほどに 汚

さ れ た 水 質 が

袋 詰 め した 「

殻 燻

」を 通 過した 下

流地 点

では

素 イ オン指 数の上 昇 がみ られ

魚 類の繁 殖 が可

な ほどに な る

ま た

上 流 地 点では 水 生

植 物

根腐

れ が 生 じるほ どに

汚染

さ れ た 水 質 が

殻 燻

」の下 流で は

溶 存 酵素

増加

し て 根 腐 れ を 生 じ ないほどに浄 化さ れ る

かべた

殻 燻 炭 に は 多 数の微 生 物 が

付 着

質 浄 化

相乗 作

用 を 果た し て い る

水に浮 かべ た 「籾 殻 燻 炭 」 の袋に

蒲などの 水生

物の根 を植 えつける こと に よっ て

かせ る こ と も可

で ある

菖 蒲 や 水 草 が

ま た

水 質 浄 化の役 割を担う (近藤

宮 崎

1997

  こ の 「籾 殻 燻 炭 」 は

特 に

家 庭 か らの雑 排 水のな かに含 ま れ る

油成

分の浄 化 に 有 効であ る

倍 率 を

500

倍 ぐ らいに して電 子 顕 微 鏡で覗 くと

籾 殻 燻 炭 」 の小 さ な 孔のな かに

泥の元 凶であ る

無数

の微 粒 子 が 閉 じ込 め られている こと が わ かる

  秋の収 穫 時に は

新しい 「籾 殻 燻 炭 」 と交 替 する

そ して

微 粒

子 を

無数

に閉じ込めた 「

殻 燻 炭 」 は 堆 肥 と して 田畑に戻 す。

水 路

かべ た 「

殻 燻 炭」 は

水 質 浄 化 機 能 だ けでな く

有機 質 堆

肥と して大 地に戻され る

こ の 試 行 も

資 源 循

シ ス テ ム」 の再

構 築

を目

と し た

マテ リ ア ルの活 用 法 である (近 藤

宮 崎

1998

7 、ID

Design

 

in

 

lndustrial

 

Age

 

上 記の 「ワ ラ

」 の

具 ならびに 「

籾 殻燻

炭」 に よ る水 質 浄 化 は

地 域 社 会に お い て

毎 年

大 量 に産 出されな が らも 今 日では ほ とん ど活 か さ れて いない ロ

マテ リアルの有

活 用 を め ざ した もの である。

 

環 境 問 題の解 決に は

そ れ ぞ れ の地 域に

存在

す るロ

マテ リ ア ル と して の 自 然 素

用 可

源と し て活 用 す る視 点 を 堅 持 しつ つ

思索と実 践を重ね る こ と が必 要で あ る

然 との共 生」 という人

的 課題

え る た めに も

原 材 料の 大 半 を 海 外 から輸入 し

かつ て は さ まざま に活 用さ れて い

(6)

NII-Electronic Library Service

た ロ

マ テ リ ア ルを

廃 棄

し て し まってい る我 が 国 におい て

マ テ リ ア ル の有す る効 能 を 再 発 見

再 評 価 して生 活 素

と し て

か し て い くため の デザ インが

不 断 に展 開 さ れてい

く 必要が あ ろ う

 ID

industrial

 

design

我 が 国 に おいては

業 デ ザ イ

ン」 と呼 ばれ て きたこ と に象 徴 さ れるよ う に

工 業 的 手 段 を

前提

と して

立 するものと 考 え ら れて き た

この よ う な 認 識 に 対し て

今 後

業化 時 代

に お ける デザ イン (

design

 

in

industrial

 age

」 の あ り方の 思考と そ の実 践そ のものが

iD

であ ると の認

要であろ う。 デザ インは

自 然の収 奪 な くして は成り 立 た な い 工

に の み奉 仕 する実 践では ないか らであ る

 

業 化 時代

にお ける デザ イン」 と して の

ID

に あっ ては

お のずと

ID

におい て見 過E

さ れてぎ た 「自 然共 生 」 の 理

そ の基 底 に 据 え ら れ る

自 然 を 守 り育て る デ ザ イ ン

然の産 物 を 最 大 限に活 用 する デザ イン

自 然との不 断の

循環

保 障

する デザ インが め ざ さ れ る

ま た

新 しい

ID

に あっ て は

ぞれの地 域に

在 する自 然 資 源の有 効 活 用に関 する 探 究が な さ れ る

そ のような

ID

の世 界のな かで

マテ リ ア ル は

しっ か り と

位 置

づけ ら れるに 椙 違 ない

8

内 発 的 地 域 振 興

座   地 域 振興計 画の策 定 と 実 践へ の デザ イン の 参 画は

単に

ドとし て の 「 」 の計 画

設 計 に と ど ま らない

地 域の 歴史

社 会

産 業 な ど を 総 合 的 にと ら え たうえで

人ぴ と のあるべ き 生

を 具 体 的 に 提 起 す る 社 会 的 実 践 も

ま た

デザイ ン であるか らであ る

私た ち は

デ ザ インと い う行 為が

広い裾野 の うえに成 立 し

的 諸

秩 序

あ る

み立てに 寄 与 す る 実 践であること を

め て認

す る必要 が ある

 

近 年の国 際 化

情 報 化 など の進 展は

私たちの生

を 大 き く 変 容 さ せつ つあ る

地 域のあ り方も

そ の

例 外

で はない

国際 化

情 報 化の進 行のな かで

いま

そ れぞれの

地域

には

当該

地 域 固 有の特 質を発 揮し な が ら

自 立

自 存し て い く こ とが 求 め ら れている

ま た

その た め に は

これ まで しば し ば

わ れ てき た工 場 誘 致 や 大型観 光施設

致などの外 部 依 存 型

重 厚 長 大 型の地 域 振 興 策では な く

地 域のさ ま ざ ま な 資 源 を 最 大 限 に 利 活 用 する

発 的な地 域 開発 の必 要 性 が 高 まっ ている

個々 の地 域が

する

多様

潜在

源の発 掘 と その多 面 的 活 用 に 依 拠 す る 内 発 的 地

域振

興は

高 齢化

疎 化

な どの地 域が抱え る 諸 問 題へ の対

策と し て の みならず

自 立

自存の観 点 から し ても

ま すます

要 な

概 念

となってい る

そ れ ぞ れの地 域に最 も適 合し た振 興 計 画の策 定と遂 行は

お よそ

すべて の地 域 住 民 が

らの

意 志

を明

に し

地 域

会の自 覚 的

主 体 的 な 担い 手になるこ と に よっ て は じ め てなし え る の である

 

この よ う な

発 的 地 域 振興 を 志 向 する に際し

地 域 産 業 ク ラスタ

」 の

概 念

は不 可 避である。

9 .

産 業

ク ラス

地 域 開 発

  内

的地 域 振

計 画

策 定

実践

にとっ て

地 場の産 業 を 活 性 化 すること は

め て重 要である

それは

地 域の経 済 的 基 盤 を

立 する た め の みならず

地 域 に 生

する人 び との生 き 生 き と し た活動 を

証し

地 域にお ける生 活 文 化 を 健 全 な か た ちで 確 立 す る ため に も

有 意 義

なことである。

 

産業 展 開の 形態に は

地 場 産 業転 換 」 と 「新 規の

地 場 産 業

創 出

」 の

2

つ が ある

清 成

1987

そのいず れ に おい ても

品 開発と い う

視 点

からだ けでな く

地 域 固 有のさ まざま な資 源を

効に活用 しつつ

地 域にお ける諸 産 業 が 相 互 に

びつ き を 形 成できるよ う に計 画 す ること が求め ら れる

 

れの地

の産

業 構

造 も クラ スタ

(cluster)

房 (ふ さ ) と し て と ら え る こ とができる

クラ スタ

と は

互いに 密 接 に 関

づ けら

造の

単位

である

葡 萄の

1

1

粒 が 互いに 結 びつい て か た ま り と し て の房 を 形 成し ているよ う に

多 くの場

々の産

の産

と 互いに 結 びつ き な が ら は じ めて存 立し え て い る。

 

地域に お け る産

の展 開に際し ては

個々 の産 業が有 機 的に

密接

関係

を なし

それ が 基 礎となっ て地 域の産 業 全 体が ひ と つの

秩 序

あ る ま と まり とし て構 造 化 さ れるよ う に

計 画

さ れ ね ば

らない。 しか し な が ら

これ まで の地 域 振 興 に おい て は

こ のような 概 念 が 有 効に活 用 さ れてきた と は必

し もい えない

これ か らの地 域 振 興 計 画の策 定

実 践 に は

当 該 地

域に暮らす 人 び との生 活

労 働 を 全 体 的かつ総 合 的に見 渡し

個 々の生 活

労 働 が 直 接 的 あ るい は間

接 的

に関

づけ られて地 域 全 体の生 産 活 動が活 性 化さ れ る よ う な

ク ラ スタ

と し て の 産 業 構 造の構

が め

され な け れ ば ならない。

9.

1,

歴 史 的 生 産 活 動にみられる

産 業

クラ スタ

 

伝 統 的 産 業の

く は

た と え そ の ひ とつひとつが 小 規 模 と は いえ

数 多 くの

多様

業 種

め て

密接

びつくこと に よっ て全 体 的 な クラスタ

を な し

そ の 歴史 的展 開が 遂 げられてき た

 

漆 製 品 産 業を

例に

え て みよう

さ ま ざ ま な 漆 製 品の生

栽培

と して の漆の採 取

漆 製 品の木 地 を な す木

の栽 培

伐 採

製 材

乾 燥

木 地の加工

漆の下

塗 り

上 塗 り

加 飾

そ して

完 成 品の流 通 な ど

に わ た る多く の業 種 が 互いに 連 関して存 在 するこ と に よ り

は じ めて可

で ある

ま た

そこに は

山 師

漆 掻

塗師

飾 師

いな ど

そ れ ぞ れに専 門 的な技 能

技 術 を保 持し た 人 び とが互 い に結 びつ き な が ら存 在 して い る。 これ

蘓 鱗

1

二∴:

(7)

らの 業 種と それ を 支 える技 能

技 術のどれ か ひ とつ で も欠け た ら

漆 製 品 産 業 は 存 立 する こと ができ ない

こ のよう な

業種

間 およ び 技 能

技 術 間の全

びつ きの う え に

伝統

的 な 漆 製 品 産 業 は 成 立 していた

分 業基 づ

業」 と い う形 態のク ラス タ

伝 統 的 な 漆

製 品

はなし て い た の であ る

ま た

このよ う な 個 々の業 種と技 能

技 術が 全体 的な ク ラスタ

と して構 造 化 さ れて い ては じ めて

当 該

びと の

労 働 が 生 き 生 き と していたの である

伝 産

協 会

1980

 

漆 製 品 産 業 ば か りでは ない

それぞれの地

まれてきた 地 場 産 業は

およ そ

人 び との生 活

労 働 を 通じ て の

会的共

そのもので あ り

個 々の生 産 活 動 が 相 互 に

連し て全

体 的

な ク ラスタ

を形 成 して い る

地 場 産

が 地

ざし た

産 業

と いわ れ る ゆえ んは

そ れ を 支 える幅 広い裾野が互 い に連 関しつ つ

全 体と して ひ とつ の クラス タ

を なし て い るから に ほ かな らない

原 材 料の生 産

数 々の製 造工程と そ れ こ と に 必要と さ れ る 道 具

用 具の供 給

そ して

流 通 な ど

に お い て は

多くの人 びとの業 が 相 互 に支 援しあっ て い る

そ れ は

ま た

の風 土 に 適 合 し

地 域 に お ける雇 用の

維持

創 出

与す る と と も に

広 く社 会 的 需 要 に 応 えつつ

当 該 地 域の特 色 づく りや

地域 経済

の活 性 化

発 展 に 貢 献 してき た

1960

 

し か し な が ら

近 年の 生 活 文 化の変

に と も ない

伝 統 的

な 地 場 産

のな か に も その 存 続が危ぶ ま れる も のが現 わ れつ つあ る

地 場 産

該地域の風土

歴 史

社 会

生 活 文

く 切 り

ん だ 人 びと の

営為

であることを 考 え れ ば

、一

端 滅 びて し まうとそ の

興 が 困

な ゆえ に

な ん と しても その健 全 な 維 持

発展 の た め の

設 計が な され ねばならない (通 商 産 業 省

2000

そ の よ う な と き

地 場 産 業

を ク ラスタ

構 造 と し て把 握 し

そ のクラ スタ

内の 弱

化し た部 分 や 欠 損 部 分 を保 全

修 復 し

全 体 と して のクラ スタ

活性 化

して い く た めの 手 立てが 講 じられる必要が ある

9

2

ク ラスタ

の把 握

分 析 に基 づ く地

の創 出

 

地 域

業 を ク ラス タ

と して把 握

する こ と は

の よ う な新た な産 業 創 出 に もつな がる

 

えば

葡 萄産

地が ワイン生 産 をめざ すこ と を想 定して考え て み よ う

こ の場 合

ワイン生 産 を 志 向 するため に は

主 原

葡萄

の生

を活

化 しな け れ ば ならない

ワ イ ン生 産 を 目

げる こ と が

派 生 して

葡 萄 生 産の活

性 化

とい う

た な 需 要を生 起さ せ る

そ れ ば か りでは ない

ワ イ ン産

自存

する た めに 必 要 な

釀 造 工 場の設 立

やラベ ル の意 匠 決定

ラ ベ ル

包 装 な どの製 造

そ し て

製 品 流 通

機 関

創 設

な ど

さま

ま な 領 域 に お ける業 が 派 生 する

さ ら に は

ワ イ ン と 地域 農 産 物とを 結 びつけ た

開 発

販 売

レ ス トランな どの

ビス業の展 開 な ど

の関

20

デ ザ イ ン学 研 究 特 集 号

Special lssueofJapaneseSocietytorthe  Science of Deslgn

Vol

19

1 No

ア3 2011 係 性に意 を 注 ぎ な が ら

計 画

な 産

がさ まざま に

え られ る

 

このよ う に

産 業 クラ スタ

造 を

頭に置 く と

ひ とつ に は 「特 定産 業 活 動必 要 な 財 を 地 域 内 生 産に よ っ て供 給し よ う とす る 努 力の誘 発」

例 え ば

ワ イン生

をめ

して の

萄 栽 培の活 性 化 な ど)

ま た

ひ とつ に は 「

定産 業の 生産 財 を別 の 新 た な 活 動 に 結 びつ け よ う と する努 力の

誘 発

えば

ワインと地 域 農 産 物 を

合 して の

新 食 品 開

発 な ど

これら

2

つが 複 合 的 に 展 開 さ れ

1

次 産

か ら

3

次産 業に 至 る幅 広 い領 域に おい て

相 互 に 支 え あいな がら全

と し て

地 域 産業

が 発 展 して い く可 能 性 を 切

D

拓いて いくこ とがで き る。 す な わ ち

産 業 ク ラスタ

の概 念 に 準 拠 する ことによっ て

々 の

業を基 軸と した 多 様 な 産 業の総 合 的 展 開 が可能と な る

9.

3.

異 業 種 交 流

関 係 性 の デ ザ インという

視 点

 

そ れ ぞ れの地 域の産 業 を クラ スタ

とし て把 握

す る こ とは

地 域 の さ ま ざ ま な 産 業 交 流 を 促 すことにつ な がる

本 来

の異 業 種 交 流は

そ も そ も

地 域の産

を クラ スタ

と し て

す る

点 を 基 底 に 据 える ことによ り

は じ め て成立 す る

 

業種 交流

これ まで

異 なる複 数の素 材の組み合わ せ に よっ て新 製 品 開 発 を 行 うこと に 代 表 さ れるか た ちで

実施

て き た もの の

第1次 産 業 から第

3

次 産 業に 至 る ま で の 地 域 産業 の

横 断的 交流

と いう 視 点 か ら は

効 果 的 な か た ちでな さ れてき た と は い い が たい

その点

産 業 クラスタ

の概 念に基づけ ば

えば

ワ イ ン

生産

と いう 目標 実 現 に 向 けて栽 培 さ れ た 葡 萄の色 彩と香り を活か して葡 萄 染めの和 紙 や 繊 維 を 開 発 するな ど

葡 萄 栽 培 とい う

1

次産 業

と和

維 製 品 製 造 とい う 第

2

次 産 業 と を 結 合し

そ れ ぞ れ を よ り

層 効 果 的 に 進 展 させて い く志 向 も 探 求できる

葡萄 栽培

という

1

次 産 業 お よ び 葡 萄 を 活 用 して の

新 食品製 造

と い う

2

次産

業と の結 合

ま た

そ れらと 開 発 さ れた

新食

品を 人 び と に提 供 す る 第

3

次 産 業 との結 合 など

互い に

なる産

間の

横 断

的 関 係づけ も 志 向で き よ う

 

異 業 種 交 流 は

次元

なる

業種

協 力

す るとい う域 に止 まらず

異 なる次元 の産 業 が 有

的な関 係 性を構 築し

互 いに

果 を 及 ぼ しあ う た めの連 携 づ く りに発 展して いかな け れ ば な らない

こ のよ う な 意 味におけ る 関係

の デ ザ インは

そ れ ぞ れの地 域 が 自 立

自 存 的 な 地 域

振 興

展 開

して い く う え で

今 後 ま す ま す 重 要になっ て い く であろ う。 地 域 振 興 行 政の

観 点

から も

今 後 は

さ ま ざま に異な る業 種

産 業 間の有 機 的 な関 係 性

連 携 体 制の

構 築

が 地 域 産

業 施 策

心 的 課 題 に なっ て い く

Mason

 

1958

 

ま た

現 代では

情 報 技 術の飛

的 な 進

に よっ て

地 域と いう物 理 的 な 枠 組みを 越 え た 地 域 相互 の連

易となっ て き

参照

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