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特別支援教育において求められる教員像の調査研究―教員と保護者の関係構築の視点から―

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Academic year: 2021

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特別支援教育において求められる教員像の調査研究 ―教員と保緒の関係構築の視点から― 特別支援教育専攻 中山 裕介 1 問題と目的 子どもの身近な支援者である教員と保護者が 良好な関係を築くことは,教育への好影響があ ると多く言及されている。とりわけ子どもによ り多様なニーズがある特別支援教育においては, 特に教員と保護者の関係は重要である。しかし, 学校現場では,教員と保護者との関係づくりが 課題のーつになっている。 そこで本研究では,4甥リ支援学級に在深曾する 児童・生徒の保護者と学級担任の,1割]り支援教 育に対する考えを明らかにすることを目的とす る。保護者と教員の関係構築の視点から,特別 支援教育において求められる教員像について提 言を行う。 2 アンケート調査 (1)アンケート調査の方法 1 )対象 ・A市及びB村の小・中学校特別支援学級 に在籍する児童・生徒の保護者(,J、学校 500 名/中学校152 名) 'A市及びB村の小・中学校特別支援学級 の担任例、学校106名/中学校39名) 2)期間 201X 年2月にアンケートを配布し,同 年3月に回収する。 3)アンケートの作成と内容 教育職員養成審議会「新たな時代に向け た教員養成の改善方策について(第一次答 指導教員 井上 とも子 申)」,中央教育麟会「教職生活の全体を 通じた教員の資質能力の総合的な向上方策 について(答申)」等の資半Rっ文献を参考に, 特別支援学級担任に求める資質能力,子ど もの捉え方,保護者と教員の関係づくりに 関する質問項目を作成する。 (2)分析のか去 ・質間項目の集計結果は度数分布をグラフで 示し,保護者・教員のプロフィールごとに 傾向を分析する。 ・自由記述の分析には,KM Coder.ver3.17 を使用する。Jaccard 係数の測定,対応分 析により,回答の全体像を才曜する。 (3)結果と考察 アンケートの回収率は,小学生保護者 32.4%,中学生保護者21.1%,小学校担任 79.2%,中識担任71.8%であった。 「使命感や責任感,教育的愛間に関する 質問では,「子どもの特性を理解し,一人一人 を大切にすること」,「子どもの様子に目を向 け,日々の変化に気付くこと」が, イ馬隻者と 教員の両者から多く選ばれており,子ども一 人一人と向き合うことが重視されていた。 「専門的な知識や技能」に関する質問では, 保護者からも担任からも「桝交や社会のきま りを,子どもに分かりやすく伝え,理解させ ること」,「子どもの実態に合わせて,教材や 教え方を工夫すること」,「子どもが基礎的な 一149

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-知識や技能を身に付けることができるように, 工夫して指導すること」が多く選ばれた。子ど もに何を教えられるか,何を身に付けさせられ るかという,実践的な指導力も重視されていた。 各質問を通して,中学生の保護者では特別支 援学級に在籍する生徒に年上のきょうだいがい るかいないかにより,重視する内容の違いが見 られた。保護者同士のつながりや子育ての経験 に違いがあること,我が子の自立に関して求め る中身の違いがあることが背景にあるのではな いかと考えられる。さまざまな状況にある保護 者をアセスメントし,ニーズがどこにあるのか を考える力も,教員には必要であると言える。 「子どもの成長を感じるとき」の質問では, 保護者からは,子どもが以前と比べて何かでき るようになったという,子どもの個人内での成 長を捉えたり,保護者と子どもの一対一の関係 の中で子どもを捉えたりしている傾向が見られ た。担任からは,集団や社会の一員として子ど もを捉えている様子がうかがえた。保護者と教 員という立場と役割が異なる両者には,子ども の捉え方への違いがあることが分かった。教員 は,保護者との視点の違いを理解することで, 保護者が気付いていないところにあるニーズを 見付け,それを保護者に示唆していく役割も求 められるのではないであろうカ、「教員/保護者 とのかかわりで大切にしていること」では,保 護者・教員共に,子どもの様子を伝えるという 回答が中心であった。担任からは,子どもの良 い面を伝えるなど,子どもの様子を伝える際に 工夫しているという回答が多くあった。保護者 との情報共有において,信頼関係に繋がるよう な工夫を意識している実態がうかがえた。この ように,情報共有の良好な様子が見られたが, この情報共有を基に,いかに実践的な指導,保 護者のアセスメント等に繋げられるかが,特別 支援教育に携わる教員に求められる力と言える であろう。 3 総合考察 得られた回答には,子どもへのより良い指導 や支援のために,保護者と教員が情報共有を図 っていこうとする思いが多く詰まっていた。そ の一方,特別支援学級を担任する教員の教1麟呈 験年数が二極化している等の実態も見受けられ た。これは,全国的な現状でもある。 今回,特別支援教育において,教員には実践 的な指導力,保護者をアセスメントする力,新 しいニーズを保護者に示唆すること,保護者と の情報共有を基に,それを指導に繋げていくこ とが求められると考察した。これらを通して, 教員と保護者の良好な関係構築が生まれ,さら に子どもへの指導や支援という形で子どもに還 元されていくのであろう。特別支援教育におい て,教員は保護者との関係構築のみに焦点を当 てた対応をしていくのではなく,教員としてや るべき役割を着実にこなしていくことが根本に なくてはならな1, 今,特別支援教育において 求められるのは,一定の専門性を有した上で, 子どもや保護者とかかわりながら理解を深め, それを新たなニーズや支援に繋げていくことが できるような教員ではないであろうカ~ 4 今後の課題 限定された地域でのアンケートであること, 保護者アンケートの回収率が約三書濯度である ことで,今回の調査ではすくい上げることがで きなかった保護者の声が,まだ多く残されてい る。また,教員像という観点で提言を行ったが, そのような教員像を実現するための具体的な教 員養成や可刊彦のあり方までは考察に至っておら ず 今後の課題とした1, - 150 -

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