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地域におけるがん経験者のアピアランス支援体制の構築に関する研究:理美容家を対象とした教育プログラムの開発

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Academic year: 2021

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(1)公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2018 年度(後期) 一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告書. 地域におけるがん経験者の アピアランス支援体制の構築に関する研究: 理美容家を対象とした教育プログラムの開発. 申請者:. 久村和穂. 所属機関:. 金沢医科大学医学部腫瘍内科学. 提出年月日:. 2020 年 3 月 31 日. 1.

(2) 共同研究者(敬称略) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 木村 美代(きむら みよ). 職種. 看護師. 石川県がん安心生活サポートハウス. 役職. 相談員. 龍澤 泰彦(たつざわ やすひこ). 職種. 医師. 石川県がん安心生活サポートハウス. 役職. 所長. 松井 優子(まつい ゆうこ). 職種. 看護師. 公立小松大学保健医療学部. 役職. 教授. 久野 真知子(ひさの まちこ). 職種. 看護師. 金沢医科大学病院看護部. 役職. ―. 矢崎 未来(やざき みく). 職種. 看護師. 金沢医科大学病院看護部. 役職. ―. 元雄 良治(もとお よしはる). 職種. 医師. 金沢医科大学医学部腫瘍内科学. 役職. 教授. 2.

(3) 目. 次. 研究の概要 Ⅰ 背景 Ⅱ 目的 Ⅲ 方法 Ⅳ 結果 結果1:がん経験者対象調査 結果2:美容業従事者対象調査 結果3:研修プログラムの開発 Ⅴ 総括・今後の展開 <参考文献> Ⅵ 感想 Ⅶ 参考資料 1. がん経験者対象調査の結果(自由記述) 2. 美容業従事者対象調査の結果(自由記述) 3. 外見サポート研修会関連資料 4. マスコミによる取材内容. 3.

(4) 地域におけるがん経験者のアピアランス支援体制の構築に関する研究: 理美容家を対象とした教育プログラムの開発. 研究の概要 【目的】 (1) がん経験者の外見変化に関する悩みに対応できる地域の理美容家*を育成・支援するた めの教育プログラムを開発する。 *美容師、理容師、メイク、ネイリストを含む。以下、美容業従事者と記載する。. (2) 教育プログラムの開発にあたり、以下の 2 点を調査して地域のニーズを明らかにする。 ① がん経験者(=がん治療終了者、長期サバイバーを含む)はがん治療による外見の変 化について、どのような問題を経験し、どのような支援を必要としているか。 ② 地域の美容業従事者が、がん経験者にサービスを提供するにあたり、どのような問題 を経験しているか。がん経験者の外見支援について、どのような学習ニーズがあるか。. 【方法】 1. がん経験者対象調査 (1) 主な調査内容 ①がん経験者が体験した外見変化とその対応の実際、②がん治療による外見変化に関す る情報ニーズ、⓷外見変化による社会生活への影響 (2) 調査対象者 金沢医科大学病院に通院中のがん患者、または、石川県がん安心生活サポートハウスの利 用者で過去 5 年以内にがん治療によって脱毛を経験し、ウィッグ・かつらを使用した女性 (3) 調査方法 上記 2 ヶ所で調査対象者を連続的にサプリングして自記式質問紙を配布し、21 名にプレ テストを行った。プレテストの結果に基づき質問紙を改訂した後、本調査を実施した。 2. 美容業従事者対象調査 (1) 主な調査内容 ①がん経験者への外見支援の実態と課題(頭髪ケア、メイク、ネイルについて) 、②がん 経験者への外見支援に関する意識・考え方、⓷がん経験者への外見支援に関する学習ニーズ (2) 調査対象者 石川県金沢・能登地域で勤務する美容業従事者で調査協力への同意が得られた者 (3) 調査方法 自記式質問紙を作成し、WEB 上でプレテスト(インタビュー調査)の協力者を公募した。 19 名へのプレテストの結果に基づき質問紙を改訂した後、石川県美容業生活衛生同業組合 員と機縁法により調査協力を依頼した組合員以外の美容業従事者に郵送調査を行った。 4.

(5) 3.解析方法 量的データの解析については、IBM SPSS Statistics version 23.0 を使用した。自由記 述欄に記載された質的データについては質的内容分析を行った。 4. 倫理審査委員会の承認 金沢医科大学医学倫理審査委員会(No. I401)と調査実施施設より承認を得た。 5. 研修プログラムの開発 1 と 2 の調査結果および有識者からの助言を参考に、研究メンバーで協議して研修プロ グラムを作成した。. 【結果】 1.がん経験者対象調査 全回答者 58 名(有効回答率:95.1%)の 8 割が眉毛・睫毛の脱毛、5 割以上が爪の変 形・変色、体重増加等の頭髪脱毛以外の外見変化を経験していた。脱毛していた当時、7 割 が外見変化に対して強い心理的苦痛を経験し、5 割以上が外出を控え、復職時期を延期する 等の社会的苦痛を抱えていた。ウィッグの平均使用期間は 17.2 カ月だった。外見変化とそ の対処に関する様々な情報を必要としていても、多くの者は入手困難な状況にあり、約 8 割 は「外見の変化について、医療者以外で身近な相談相手がいたら良い」と考えていた。 2.美容業従事者対象調査 全回答者 262 名(有効回答率:30.8%)の 9 割が「美容業従事者はがん経験者の外見の 変化に対して支援できることがある」 「がん経験者に対する適切な美容サービスの提供方法 が分かれば、是非提供したい」と考えていた。2 割が外見変化を経験したがん患者への支援 に関する研修会への参加について非常に高い関心を示した。 3.研修プログラムの開発 本研修プログラムは、美容業従事者の学習ニーズに応える内容を提供すると同時に、がん 経験者の外見サポートを医療機関から地域へとつなげていけるような仕組み作り(例:外見 サポーターMAP、外見支援リソース・バインダー、修了証書の発行)を含めて設計された。 参加者が学習内容を実務に応用できるようワークショップ形式を採用し、美容業従事者と 医療従事者間の情報交換や患者支援のための支援ネットワーク作りを促すためのグループ ワークを含む研修プログラムを開発した。. 【今後の展開】 今後の課題は「がん経験者の外見サポート研修会」の実施とその効果の検証であり、来年 度内の開催に向けて活動を再開する予定である。本研修会の実施前後に自記式アンケート を実施し、外見サポートへの意欲・自信、支援に関する知識の習得、困難感の低減等の変化 について解析する。6ヵ月後と 1 年後に追跡調査を実施し、がん経験者への外見サポート の実施率を測定し、研修会の効果を検証する。本研修会の継続的な実施を検討していく。 5.

(6) Ⅰ 研究の背景 1. 医学的・社会的背景 がん医療の進歩は生命予後の改善をもたらした反面、脱毛や皮膚障害等によるアピアラ ンス(=外見)の変化を伴うことが少なくない。近年、外見変化は多くのがん患者に身体面 および心理社会面の苦痛をもたらし、生活の質に悪影響を及ぼすこと、その影響は長期に及 ぶ場合があることも指摘されている(Nozawa K, et al. 2013; Carelle N, et al. 2002. 他)。また、仕事をしながらがん治療を受けているがん患者は約 32.5 万人と推計されてお り、第三期がん対策推進基本計画では「外見の変化」に関するがん対策の重要性が新たに盛 り込まれた。 現在 9 割以上のがん診療連携拠点病院において治療開始前や治療中にアピアランス支援 が行われている一方で(清水他、2012) 、外見に関する関心事は医療者-患者間で相違があ り、患者は脱毛等に関する一般的な情報よりも、社会生活を円滑に営むための具体的な情報 (例:再発毛後の毛染め・パーマ、眉毛・睫毛脱毛への対処法、かつらの入手方法、価格) を必要としていることや(森田他、2012) 、治療終了後も継続的に外見の問題を抱えている 患者は少なくないとの報告もある(矢形他、2014;渡辺他、2015)。実際にがん経験者の 中には、 「美容院でがん治療のことをどう説明し、どう相談したらいいのか」 「病気について 色々と質問されるのではないか」 「がん患者についてどの程度の経験・知識があるのか」 「行 き着けのヘアサロンでウィッグのカットを頼んだら断られた」といった悩みや懸念から、外 見変化に関する身近な相談相手を見つけるのに苦慮している者も少なくない。. 2. 本研究の意義 本研究における「アピアランス支援」は、単にがん経験者への整容・美容サービスの提供 を意味するものではなく、外見を整えることを通して人と人との関係を広げていくという 機能に注目している。人が外出すること、大切な人や地域の人々と会うこと、共に働くこと は社会生活そのものであり、社会生活を営む多くのがん経験者にとって、自身の外見が周囲 に与える印象は重要な関心事である。がん経験者が地域社会の中で最期までその人らしく 主体的に生活できるよう、医療関係者と理美容家が協働してアピアランス支援に取り組む ことは、その人のありたい姿=尊厳を守ること、ひいては、がんになっても安心して暮らせ る地域社会の構築に貢献する。 本研究の独自性は、がん医療関係者がこれまで殆ど接点がなかった地域の美容業従事者 と協働してがん経験者の支援体制の構築を目指すことにある。研究の特色としては、①が ん治療終了後にも継続する様々な外見の変化(再発毛、眉毛・睫毛脱毛、爪障害、皮膚障 害を含む)に関わる身体面・心理面・社会面の苦痛緩和に着目していること、②その地域 のがん経験者・美容業従事者双方のニーズに基づいた美容業従事者対象の教育プログラム を開発することにある。. 6.

(7) Ⅱ 目的 本研究の目的は以下の 2 点にある。 (1) がん経験者のアピアランスに関する悩みに対応できる地域の美容業従事者を育成・ 支援するための教育プログラムを開発する。 (2) 教育プログラムの開発にあたり、以下の 2 点について地域のニーズを明らかにする ための調査研究を行う。 ① がん経験者(=がん治療終了者、長期サバイバーを含む)はがん治療による外見の 変化について、どのような問題を経験し、どのような支援を必要としているか。 ② 地域の美容業従事者が、がん経験者に美容サービスを提供するにあたり、どのよう な問題を経験しているか。がん経験者のアピアランス支援について、どのような学 習ニーズがあるか。. Ⅲ 方法 1.がん経験者対象調査 (1) 主な調査内容 ① がん経験者が体験した外見変化とその対応の実際 ② がん治療による外見変化に関する情報ニーズ ③ 外見変化による社会生活への影響 (2) 調査対象者 ① 金沢医科大学病院集学的がん治療センターおよび乳腺センターに通院中のがん患 者、または、石川県がん安心生活サポートハウスの利用者 ② 過去 5 年以内にがん治療による脱毛を経験し、ウィッグを使用した女性 ③ 調査協力への同意が得られた者 (3) 調査方法 ① プレテスト 自記式アンケート案を作成し、上記 2 ヶ所の担当者が調査対象者 21 名を連続的にサ プリングして、プレテストへの協力を依頼した。協力者がアンケートに記入した後、 担当者がアンケート案についての疑問や意見等について個別に 10-20 分程度のイン タビューを行った。プレテスト協力者には謝礼として QUO カード 2,000 円分を提 供し、アンケート案は無記名で提出された(連結不可能匿名化)。インタビューでい ただいた意見に基づき、アンケートの文面を修正した。 ② 本調査 上記2ヶ所の担当者が調査対象者を連続的にサプリングして自記式アンケートを配 7.

(8) 布し、回答を依頼した。調査協力者は、記入済アンケート(無記名)と「謝礼送付 先ラベル作成用紙」を上記2か所に設置した「アンケート回収BOX」に提出した。 アンケートと「謝礼送付先ラベル」は研究事務局で分けて別々に回収・保管された (連結不可能匿名化)「謝礼送付先ラベル」を利用して回答者にQUOカード1,000 円分を郵送した。. 2.美容業従事者対象調査 (1) 主な調査内容 ①. がん経験者への外見支援の実態と課題(頭髪ケア、メイク、ネイルについて). ②. がん経験者への外見支援に関する意識・考え方. ⓷. がん経験者への外見支援に関する学習ニーズ. (2) 調査対象者 ① 金沢市および能登地域の美容院に従事する美容業従事者 ② 調査協力への同意が得られた者 (3) 調査方法 ① プレテスト 自記式アンケート案を作成し、石川県がん安心生活サポートハウスのホームページ でグループ・インタビュー調査へのプレテスト協力者を公募した。調査協力者19名 (美容師11名、理容師2名、ネイリスト4名、メイク1名、その他1名)に本研究の趣 旨・方法等について口頭および文書にて説明し、研究協力の同意を得た。アンケート 案に回答してもらった後、調査内容等に関する意見や感想をうかがった。謝礼として QUOカード2,000円分を提供し、アンケート案は無記名で提出された(連結不可能匿 名化)。インタビュー調査の結果について研究メンバー間で共有・議論し、アンケー トの調査項目を改訂し確定した。 ②. 本調査 石川県美容業生活衛生同業組合ホームページで公開されている金沢市および能登地. 域の美容院574店、および、機縁法により調査協力を依頼した組合員以外の美容院お よびネイリスト286名を対象に郵送調査を行った。無記名のアンケートと「謝礼送付 先ラベル」を研究事務局に返送してもらった。研究事務局はアンケートと「謝礼送付 先ラベル」を分けて別々に回収・保管した(連結不可能匿名化)。「謝礼送付先ラベ ル」を利用して回答者にQUOカード1,000円分を謝礼として贈呈した。. 3. 調査期間 2019年10月7日~2020年1月31日 8.

(9) 4. 解析方法 量的データについては、IBM SPSS Statistics version 23.0を使用して統計解析を行っ た。自由記述欄に記載された質的データについては、質的内容分析を行った。. 5. 倫理審査委員会の承認 本調査の実施にあたり、金沢医科大学医学倫理審査委員会(No. I401) 、および、調査実 施施設である石川県がん安心生活サポートハウスを運営する済生会金沢病院の倫理審査委 員会(令和元年度申請第 5 号)より承認を得た。. 6. 研修プログラムの開発と実施 1 と 2 の調査結果を分析し、有識者からの助言を得て、研究メンバーで協議して研修プロ グラムを作成した。研修会の参加者募集については、①アンケート回答者に案内を郵送、② 金沢医科大学医学部腫瘍内科学講座、および、石川県がん安心生活サポートハウスのホーム ページにて公募した。. 【本研究のスキーマ】. 《がん経験者対象調査》. 《美容業従事者対象調査》. プレテスト. プレテスト. (個別インタビュー調査). (集団インタビュー調査). 本調査. 本調査. (自記式アンケート調査). (自記式アンケート調査). 調査データの分析 研修プログラムの開発. 研修会の実施と評価. 9.

(10) Ⅳ 結果 結果 1 : がん経験者対象調査 1.基本属性 58 名から回答を得た(有効回答率:95.1%) 。回答者の基本属性を【表 1】に示した。回 答者が罹患したがん種は乳がんが 72%、婦人科がん(子宮がん・卵巣がん)が 26%占めた。 診断からの経過期間(中央値)は約 2 年だった。診断確定時のがん進行度はⅢ期・Ⅳ期を合 わせて 40%であり、再発経験者が約 3 割だった。また、全員が抗がん剤治療を受けており、 調査時における抗がん剤治療期間の平均は 14.2 ヶ月だった。. 【回答者の年代】(n=58). 【現在の就労状況】(n=58). 欠損 3%. 70代 以上 7%. 30代. 欠損. 7%. 2%. 40代 60代. 22%. 就労していない 就労している. 26%. 48%. 50%. 50代 35%. 【再発の有無】(n=58). 【診断時の病期】(n=58) 不明. 欠損. 欠損…. 4% Ⅳ期 19%. Ⅲ期 21%. Ⅰ期. 3%. あり. 24%. 28%. Ⅱ期. なし. 29%. 69%. 10.

(11) 【表 1: 回答者の基本属性】(n=58) 基本属性. %. 度数. %. 度数. 0期. 0.0. 0. (30-76). Ⅰ期. 24.1. 30-76. Ⅱ期. 29.3. 17. 中央値. 54.0. Ⅲ期. 20.7. 12. 平均値. 55.4. Ⅳ期. 19.0. 11. 30 代. 6.9. 4. 不明. 3.4. 2. 40 代. 22.4. 13. 欠損. 3.4. 2. 50 代. 34.5. 20. 治療内容:. 60 代. 25.9. 15. 化学療法. 100.0. 58. 70 代以上. 6.9. 4. ホルモン療法. 39.7. 23. 欠損. 3.4. 2. 手術. 75.9. 44. 8.6. 5. 性別:. 確定診断時の病期:. 女性 年齢(範囲): 範囲. 基本属性. 100. 58. 診断からの経過期間(月):. 放射線治療. 中央値. 22.5. その他. 平均値. 46.5±58.4. 治療期間(月) :. 現在の就労状況:. 化学療法(範囲). 1-84. 就労している. 50.0. 29. 中央値. 6.0. 就労していない. 48.3. 28. 平均値. 14.2. 1.7. 1. 欠損. ホルモン療法(範囲). 就労者の雇用状況 (n=29). 中央値. 23.5. 平均値. 34.8. 正規雇用の職員. 58.6. 17. 非正規雇用・パート等. 31.0. 9. 再発:. 自営業. 10.3. 3. あり. 27.6. 16. なし. 69.0. 40. 欠損. 3.4. 2. がん種: 肺がん. 1.7. 1. 大腸がん. 5.2. 3. 肝臓がん. 1.7. 1. 胆のうがん. 1.7. 1. 膵臓がん. 3.4. 2. 72.4. 42. 子宮がん. 8.6. 5. 卵巣がん. 17.2. 10. 悪性リンパ腫. 5.2. 3. 原発不明がん. 1.7. 1. 乳がん. 11.

(12) 2.がん経験者が体験した外見変化とその対応の実際 80%以上の頭髪の脱毛を経験した者が回答者の 97%を占め、調査時に脱毛の状態から 80%以上回復していたのは 4 割だった。頭髪脱毛以外にも、78%が眉毛・睫毛の脱毛、5559%が爪の変化、43-53%が体重増減、27-43%が肌の変化による外見変化を経験してい た。. 【外見変化の経験】(n=58) 100.0. 頭髪の脱毛. 77.6. 眉毛・まつ毛の脱毛. 58.6. 爪の色の変化. 55.2. 爪の変形. 53.4. 体重増加・浮腫(むくみ) 肌の乾燥. 43.1. 体重減少. 43.1 39.7. 肌色の変化・肌のくすみ. 34.5. 肌の発疹. 27.6. 肌のシミ その他. 6.9. 【脱毛の程度】(n=58). 3%. 100%脱毛した 80-90%脱毛した. 54%. 43%. 60-70%脱毛した. 【調査時の脱毛の回復程度】(n=58) 2%. 100%回復. 19%. 80-90%回復 60-70%回復. 33%. 40-50%回復. 20%. 20-30%回復 回復は20%以下. 5%. 14%. 12. 欠損. 7%.

(13) 外見変化を経験していた当時、66%がそれに対して強い苦痛を感じていたが、調査時に 強い苦痛を感じていたのは 33%だった。調査時の脱毛の回復程度と外見変化に対する苦痛 の程度の間には有意な関連が認められた(p<.006, Z=2.773, Wilcoxon signed-rank test) 。. 【外見変化に対する苦痛】(n=58) 《当時》. 《現在(調査時)》. あまり苦. 全く苦痛ではなかった. 痛ではな. 3%. 全く苦痛ではない 7%. 非常に苦痛. かった. 14%. 5% やや苦痛. 非常に苦痛. だった. だった. 26%. 38%. あまり苦痛. かなり苦痛. ではない. 19%. 34%. かなり苦. やや苦痛. 痛だった. 26%. 28%. 【表2:ウィッグの使用状況】(n=58) %. n. 医療用. 65.5. 38. おしゃれ用. 48.3. 28. 使用したウィッグの種類*:. 使用期間:範囲(月). 1-108. 中央値(月). 11.0. 平均値±SD(月). 17.2±21.5. 入手方法*: 購入. 100.0. 58. 贈与. 13.5. 5. 0.0. 0. レンタル 入手したウィッグの数:範囲. 1-8. 平均値±SD. 2.4±1.7. ウィッグの購入費用総額:範囲. ¥3,000-¥1,200,000. 平均値±SD. ¥147,631. 中央値. ±199,537. ¥80,000. *複数回答. 13.

(14) ウィッグの使用期間(中央値)は約 2 年であったが、9 年近く使用している人もいた。 多くの人は 2 つ以上のウィッグを入手していた。全員が 1 つ以上を購入し、半数はウィッ グ・かつらの販売店、約 4 割はインターネットで購入していたが、美容院で購入していた のは全体の 12%だった。購入費用総額(中央値)は 8 万円であり、最高額は 120 万円だ った。 使用したウィッグについて、66%が「非常に」 「まあまあ」満足していたが、34%はあ まり満足していなかった。満足しなかった主な理由は、蒸れ、見た目の違和感、つけ心 地、価格、着用後の手入れであった。また、ウィッグの購入費用総額と満足度との間に有 意な相関は見られなかった(p=.978, r=-.004, Spearman rank correlation) 。. 【ウィッグの購入方法】(n=58) 48.3. ウィッグ・かつらの販売店で購入. 37.9. インターネットによる通信販売 雑誌・パンフレットによる通信販売. 15.5. 自宅・医療機関等への訪問販売. 15.5 12.1. 美容院で購入. 5.2. その他. 【ウィッグに関する満足度】(n=58) 非常に満足 あまり満足していない 14%. 少し満足 18%. まあまあ満足 55%. 14. 13%.

(15) 【満足しなかった理由:複数回答】(n=21) *上記の設問について「少し満足」~「全く満足していない」と答えた 21 名が回答. 57.1. 蒸れた、暑かった. 47.6. 見た目に違和感があった つけ心地が悪かった. 38.1. 高価だった. 38.1. 着用後の手入れが面倒だった. 38.1 28.6. 好みのヘアスタイルにならなかった. 23.8. 頭のサイズや形に合わなかった. 14.3. その他. 9.5. 劣化が早かった. 【外見ケアに関する情報源】(n=58). *複数回答 62.1. 医療従事者. 55.2. 病院で配布された小冊子・案内文書. 46.6. インターネット. 32.8. 商品のパンフレット. 31.0. 同病の友人・知人 患者会・患者サロン. 22.4. 商品の販売会社・店員. 22.4. 家族・親戚. 13.8. 友人・知人. 13.8 10.3. 新聞・雑誌・図書. 8.6. 理美容師、ネイリスト、メイク等の美容専門家. 15.

(16) 3 がん治療による外見変化に関する情報ニーズ (1) 情報の充足度 外見の変化を経験していた当時、外見ケアについて「十分に情報が得られた」者は 1.7~ 27.6%であり、16 項目中 10 項目の情報については 10%以下だった。回答者の約 8 割が 「ある程度の情報が得られた」内容は、 「脱毛に関する医学的情報」 「脱毛前にできる準備」 「頭髪脱毛への対処法」 「ウィッグ・かつらの種類・価格」等の頭髪脱毛および脱毛開始時 の対処に関する情報だった。主な情報源は、医療従事者、病院での配布物、インターネット であり、美容業従事者は最も少なかった。 一方、回答者の 5-6 割は「再発毛後の毛染め・パーマ」 「まつ毛・眉毛脱毛への対処法」 「爪の変化に関する対処法」 「肌の変化への対処法」 「同病者による外見ケアの実際や工夫」、 9 割は「がん患者の外見の悩みに対応できる地域の理美容院」について、ほとんど情報が得 られていなかった。 (2) 満たされない情報ニーズ(情報の重要度と充足度の比較) 各項目の情報の重要度について、半数以上が「とても重要」と認識していた項目は、「脱 毛に関する医学的情報」 「脱毛前にできる準備」「頭髪脱毛への対処法」 「ウィッグ・かつら の種類・価格」 「ウィッグ・かつらの入手方法、販売店」 「同病者による外見ケアの実際や工 夫」 「がん患者の外見の悩みに対応できる地域の理美容院」の 7 項目だった。 また、外見変化を経験していた当時、がん経験者が「とても重要」と認識していた情報に ついて、多くの場合「ある程度~十分」得られていたことが示唆された。一方、 「がん患者 の外見の悩みに対応できる地域の理美容院」 「復職時(復学時)の外見変化への対処法」 「周 囲の人への外見の変化に関する説明方法」 「同病者による外見ケアの実際や工夫」について は、とても重要な情報にも関わらず、ほとんど情報が得られなかった患者が比較的多く、満 たされない情報ニーズの存在が示唆された。. 16.

(17) 【外見変化を経験していた当時に得られていた情報(充足度)】(n=58) 十分に情報が得られた. ある程度の情報が得られた. 1. 脱毛に関する医学的情報(例:時期、症状、機序、. 25.9. 出現頻度). 4. ウィッグ・かつらの種類・価格. 6. ウィッグ・かつらをカットしてもらえる理美容院等 の情報 7. 再発毛に関する医学的情報(例:時期、髪質の変 化) 8. 再発毛後の毛染め・パーマに関する情報. 9. ウィッグ・かつら以外の外見ケア用品に関する情報. 11. 爪の変化に関する対処法. 5.2. 12. 肌の変化への対処法. 3.4. 13. がん患者の外見の悩みに対応できる地域の理美容 院・美容サロン等の情報 14. 復職時(復学時)の外見変化への対処法. 24.1. 63.8. 60.3. 32.8. 56.9. 32.8. 60.3. 39.7. 51.7. 31.0. 62.1. 6.9 3.4. 86.2. 3.4 22.4. 5.2. 32.8. *No.14:就労・就学していなかった場合、回答は不要とした。. 17. 1.7. 29.3. 29.3. 15. 周囲の人への外見の変化に関する説明方法 1.7 24.1. 16. 同病者による外見ケアの実際や工夫. 13.8 3.4. 62.1. 8.6 3.4. 19.0 3.4. 60.3. 5.2. 10. まつ毛・眉毛脱毛への対処法. 15.5 5.2. 58.6. 22.4. 5.2. 13.81.7. 67.2. 19.0. 10.3. 5.2 1.7. 56.9. 12.1. 5. ウィッグ・かつらの入手方法、販売店. 欠損値. 67.2. 27.6. 2. 脱毛前にできる準備(例:散髪、情報収集). 3. 頭髪脱毛への対処法. ほとんど情報が得られなかった. 3.4. 5.2. 1.7. 3.4. 3.4. 3.4. 3.4. 22.4. 51.7. 67.2. 55.2. 6.9. 6.9.

(18) 【情報の重要度】(n=58) 3. とても重要. 2. まあまあ重要. 1. あまり重要ではない. 1. 脱毛に関する医学的情報(例:時期、症状、機序、. 欠損値. 84.5. 出現頻度). 1.7 12.11.7. 2. 脱毛前にできる準備(例:散髪、情報収集). 79.3. 17.2 1.7. 3. 頭髪脱毛への対処法. 81.0. 15.5 3.4. 1.7. 4. ウィッグ・かつらの種類・価格. 60.3. 36.2. 3.4. 5. ウィッグ・かつらの入手方法、販売店. 58.6. 39.7. 1.7 0. 6. ウィッグ・かつらをカットしてもらえる理美容院等. 39.7. の情報 7. 再発毛に関する医学的情報(例:時期、髪質の変. 41.4. 43.1. 化). 32.8. 8. 再発毛後の毛染め・パーマに関する情報. 43.1. 9. ウィッグ・かつら以外の外見ケア用品に関する情報. 39.7. 10. まつ毛・眉毛脱毛への対処法. 11. 爪の変化に関する対処法. 46.6. 12. 肌の変化への対処法. 44.8. 13. がん患者の外見の悩みに対応できる地域の理美容. 50.0. 院・美容サロン等の情報. 43.1. 14. 復職時(復学時)の外見変化への対処法. 39.7. 15. 周囲の人への外見の変化に関する説明方法. 55.2. 16. 同病者による外見ケアの実際や工夫. 18. 13.8 5.2. 51.7. 44.8. 1.7 3.4. 15.5 6.9. 48.3. 5.2 3.4. 46.6. 43.1. 8.6 5.2. 6.9. 3.4. 43.1. 8.6. 32.8. 13.8. 37.9. 48.3. 31.0. 3.4. 3.4. 5.2 13.8. 5.2. 6.9. 8.6 5.2.

(19) 【情報の重要度と充足度の比較: 「とても重要」な情報は得られたか?】(n=58) とても重要. 十分~ある程度、情報が得られた. 1. 脱毛に関する医学的情報(例:時期、症状、機序、. 89.2 93.1. 出現頻度). 81.1 84.5. 2. 脱毛前にできる準備(例:散髪、情報収集). 86.5 79.3. 3. 頭髪脱毛への対処法. 67.6. 4. ウィッグ・かつらの種類・価格. 77.6 59.5. 5 ウィッグ・かつらの入手方法、販売店. 82.8. 6. ウィッグ・かつらをカットしてもらえる理美容院等. 40.5 34.5. の情報 7. 再発毛に関する医学的情報(例:時期、髪質の変. 40.5 67.2. 化). 37.8 34.5. 8. 再発毛後の毛染め・パーマに関する情報. 45.9 41.4. 9. ウィッグ・かつら以外の外見ケア用品に関する情報. 40.5 36.2. 10. まつ毛・眉毛脱毛への対処法. 40.5 44.8. 11. 爪の変化に関する対処法. 43.2 34.5. 12. 肌の変化への対処法 13. がん患者の外見の悩みに対応できる地域の理美容. 56.8 10.3. 院・美容サロン等の情報 14. 復職時(復学時)の外見変化への対処法*. 15. 周囲の人への外見の変化に関する説明方法. 16. 同病者による外見ケアの実際や工夫. *No.14:就労・就学していなかった場合、回答は不要とした。. 19. 37.8 25.9 35.1 25.9 59.5 37.9.

(20) 4 外見変化による社会生活への影響 6 割が「がんであることを周囲に気づかれるのが嫌だった」、4-5 割が「外出を控えた」 「仕事や家事をする上で支障が生じた」 「周囲の人々との人間関係に影響するのではないか と心配」と回答した。特に有職者の 56%は「仕事を再開する時期を延期」しており、がん 治療による外見変化は、がん経験者が社会生活を送る上で様々な影響を経験していた。さら に、外見変化によって 6 割が気分の落ち込みを経験し、4 割が孤独を感じており、心理面に も影響を及ぼしていた。2 割は外見変化のために治療内容を変更したいと考えていたが、実 際に変更、拒否・中止した経験があった者は、それぞれ 5.2%、3.4%だった。 また、回答者の 6 割以上が「外見を整えたり、メイクをするのに苦労」しており、75.9% が「医療者以外で身近な相談相手がいたら良い」と考えていた。一方で、6 割弱が「理美容 院・美容サロンでは、病気のことを打ち明けにくい」「担当の理美容師に、がん治療による 外見変化に対応できる知識・技術があるのか分からず不安」であることが明らかになった。 がん治療による外見変化を経験した後、46%は治療開始前から利用していた理美容院を 利用していたが、33%は行きつけの理美容院を変更していた。その主な理由は、がんであ ることを顧客やスタッフに気づかれたくない、がん治療による外見の悩みに対応できる美 容サロン等に変更したこと等であった。 がん治療による外見の悩みに対応できる理美容院等の情報については、全員ががんサロ ンや同病者、または、家族・友人等の人的ネットワークから情報を入手しており、インター ネットや雑誌等によって情報を得た者はいなかった。. 5.地域における外見支援に関する意見(自由記述、参考資料Ⅶ-1) 地域の美容サービスを利用した際に困ったこととして、地域の美容サロンに関する「情報 不足」 、がん経験者を対象とした「サービス量の不足」、 「プライバシー保護に対する懸念」 、 「美容業従事者とのコミュニケーションに関する不安」、 「美容業従事者の知識・技術への不 安」といった内容が含まれた。 地域の美容サービスを利用して良かったこととしては、 「ウィッグをはずす時の助言やケ ア」 「がん経験者の外見変化に関する知識・経験」 「真摯な態度」「他のがん経験者の情報が 得られる」 「温かい対応・気遣い」 「特別扱いしない」 「プライバシーへの配慮」 「長年のつき あい」 「利用のし易さ」が挙げられた。 また、がん経験者の外見支援に関する意見としては、 「外見支援の普及への期待」 「外見変 化に関する情報ニーズ」 「外見支援を得るための負担」 「外見変化に対するコーピングの工夫」 「がんサロンの役割」 「公的助成金の要望」が含まれた。. 20.

(21) 【外見変化によって経験した社会生活上の問題】(n=58) 4 非常によくあてはまる. 3 だいたいあてはまる. 1 全くあてはまらない. 欠損値. 1. できるだけ外出を控えた。. 10.3. 2. 外見を整えたり、メイクをするのに苦労した。. 37.9. 15.5. 6.外見の変化について、主治医以外の医療者には相談 しづらかった。. 8.外見の変化について、医療者以外で身近な相談相手. 44.8. 36.2. 9.理美容院・美容サロンでは、病気のことを打ち明け. 39.7. 25.9. 32.8. 10.担当の理美容師に、がん治療による外見変化に対応. 34.5. 6.9 17.2. 32.8. 12.1. 13.がんであることを周囲に気づかれるのが嫌だった。. 22.4. 15.外見の変化によって、気分が落ち込んだ。. 24.1 20.7. 34.5 10.3 12.1. 18.外見の変化のために、がん治療を拒否または中止した ことがある。. 32.8 24.1. 25.9. 51.7 いいえ. 94.8. 3.4. 96.6. 0 0. 17.2 0 24.1. 29.3. 5.2. 21. 15.5 3.4. 27.6 25.9. はい る。. 17.2 0. 43.1 36.2. 32.8. 14.外見の変化によって、孤独を感じた。. 24.1 24.1. 24.1. 0. 12.1 12.10. 27.6. 22.4. できる知識・技術があるのか分からず不安だった。. 0 0. 27.6. 43.1. 31.0. にくいと思った。. 31.0. 37.9. 32.8. がいたら良いと思った。. 17.外見の変化のために、治療内容を変更したことがあ. 20.7 0. 19.0. 17.2. 13.8. いのか分からなかった。. た。. 12.1. 5.2 17.2. 7.外見の変化について、誰に(どこに)相談したらい. 16.外見の変化のために、治療内容を変更したいと思っ. 34.5. 3.4 1.7. *有職者のみ回答。. た。. 人間関係に影響するのではないかと心配だった。. 15.5 0 32.8. 34.5. 6.9 17.2. 5.外見の変化について、主治医には相談しづらかっ. 12.周囲の人々(友人・知人、同僚、近所の人等)との. 41.4. 10.3. 4. 仕事を再開(復帰・再就職)する時期を延期した。. いかと心配だった。. 36.2. 20.7. 3. 仕事や家事をする上で支障が生じた。. 11.家族やパートナーとの人間関係に影響するのではな. 2 あまりはまならい. 0. 12.10 0.

(22) 【行きつけ美容院の変更】(n=58) 欠損値. 特に行きつけの理美容院は. 12%. 変えた. なかった. 33%. 9%. 変えなかった 46%. 【行きつけ理美容院の変更理由】(n=19)*複数回答 がんであることを、理美容院の顧客やスタッフに気. 64.7. づかれるのが嫌だった。 がんであることを、担当の理美容師に気づかれるの. 58.8. が嫌だった。 がん治療による外見の悩みに対応できる理美容院に. 47.1. 変更した。 担当の理美容師にがん治療による外見変化に対応で. 41.2. きる知識・技術があるのか分からず不安だった。 個室の利用等でプライバシーを十分に保護してもら. 23.5. える理美容院に変更した。. 23.5. 病院内にある理美容院を利用した。 かつら・ウィッグ販売店に併設された美容院を利用. 17.6. した。 かつら・ウィッグのカットや調整に対応してもらえ なかった。. 0.0. 【がん治療による外見の悩みに対応できる理美容院の情報の入手方法】(n=9) 同病者からの情報 22%. がんサロン 56%. 家族・友人・知人等 からの情報 22%. 22.

(23) 結果2.美容業従事者対象調査 (1)基本属性 262 名から有効回答を得た(回答率:30.8%) 。回答者の基本属性を【表 3】に示した。 回答者の 8 割は女性であり、平均年齢は 57.2 歳、60 代以上が 44.3%だった。95.4%の回 答者が頭髪の美容に従事しており、メイクは 32.1%、ネイルは 9.2 %だった。 64%の回答者は 30 年以上の美容業従事者としての経験があり、88%は経営者だった。 88%は単独の美容室に所属し、スタッフの人数は自分を含め 1-2 名と回答した者が 72% だった。 顧客サービスとして、7 割が「おしゃれ用かつら・ウィッグの販売」 、6 割が「顧客が持 参したかつら・ウィッグのカット」を行っていた。一方、「個室での美容サービスの提供」 「室内の分煙化」を行っていたのは、それぞれ 15.3%、5.7%だった。. 【回答者の年代】(n=262) 欠損データ. 20代. 2%. 2%. 80代以上 3%. 30代. 70代. 【経験年数】 0% 2%. 1%. 3% 2年未満. 10%. 9%. 2年以上~5年未満. 40代. 22%. 5年以上~10年未満. 19%. 64% 60代 20%. 10年以上~15年未満. 20%. 15年以上~20年未満 20年以上~30年未満. 50代. 30年以上. 23%. 【職場の種類】. 【所属店舗のスタッフの人数】. 単独の美容室 2以上10未満の系列の店舗を有する美容室 10以上の系列の店舗を有する美容室 病院・福祉施設に併設されている美容室. 8-9名 10名 20名以 上 2% 以上 2%. 6-7名. 0% 2%. 欠損 4%. 1%. 2% 10% 0%. 4-5名 9%. 1名. 3名 8%. 2名. 88%. 30%. 23. 42%.

(24) 【表 3:回答者の基本属性:美容業従事者】(n=262) 基本属性. %. 度数. 基本属性. 性別:. 度数. 2 年未満. 0.0. 0. 2 年以上~5 年未満. 1.9. 5. 5 年以上~10 年未満. 1.1. 3. 10 年以上~15 年未満. 2.7. 7. 15 年以上~20 年未満. 9.9. 26. 20 年以上~30 年未満. 19.8. 52. 63.7. 167. 0.8. 2. 経験年数:. 男性. 17.3. 44. 女性. 82.7. 210. 年齢(範囲):. (25-91). 中央値 平均値. %. 57.5 57.2(±13.5). 20代. 1.9. 5. 30 代. 9.2. 24. 30 年以上. 40 代. 19.1. 50. 欠損値. 50 代. 23.3. 61. スタッフ人数(範囲). 60 代. 19.5. 51. 1名. 40.1. 105. 70 代. 22.1. 58. 2名. 29.0. 76. 80 代以上. 2.7. 7. 3名. 7.3. 19. 欠損. 2.3. 6. 4-5 名. 8.4. 22. 6-7 名. 2.3. 6. 8-9 名. 1.5. 4. 美容サービス:. 1-40. 頭髪の美容. 95.4. 250. メイク. 32.1. 84. 10 名以上. 2.3. 6. ネイル. 9.2. 24. 20 名以上. 0.8. 2. その他. 27.1. 71. 欠損. 3.8. 10. 美容所賠償責任保険加入状況:. (着付40、婚礼支度・ブライダル6、 エステ6、まつ毛エクステ等5、. 加入している. 72.1. 189. 訪問美容2等を含む). 加入していない. 20.6. 64. 分からない. 5.0. 13. 欠損. 2.3. 6. 資格: 美容師 ネイル関連資格 その他. 94.7. 248. 6.9. 18. 15.3. 40. (着付15、管理美容師9、訪問美容・ 出張美容6、理容師4、ハートフル 美容師4、メイク関連3、カラーコー ディネーター3等を含む). 24.

(25) 【実施している顧客サービス】(n=262) *複数回答 67.6. おしゃれ用かつら・ウィッグの販売. 61.8. 顧客が持参したかつら・ウィッグのカット. 43.5. 店内の全面禁煙. 40.1. 外出困難な方の自宅への訪問美容サービス. 34.7. 医療用かつら・ウィッグの販売. 26.7. 老人ホーム等の施設への訪問美容サービス 高齢者や身体が不自由な顧客に対する介助等の支援. 25.2. 店内のバリアフリー化. 24.4 22.1. ヘアドネーション(髪の寄付)への協力. 15.3. 個室での美容サービスの提供 店内の分煙化(喫煙席と禁煙席を設置、または、店…. 5.7. 【家族内のがん罹患者の有無】(n=262) 欠損 1% いなかった 31%. いた 68%. 【友人・同僚のがん罹患者の有無】(n=262) 欠損 1%. いなかった 22%. いた 77%. 25.

(26) 2 がん経験者への外見支援の実態と課題 (1) 頭髪ケアについて 過去 5 年以内にがん治療による脱毛を経験した顧客 1 名以上に頭髪ヘアを提供した美容 業従事者は 7 割であり、過去 1 年間では 46%であった。過去 1 年間で 1-2 名のがん治療 による脱毛経験者に頭髪ケアを提供した者は 40%、3 名以上に提供した者は6%であり、 多くの美容業従事者にとって、がん治療による脱毛を経験した顧客に美容サービスを提供 する機会は極めて少なかった。一方、過去 1 年間で 20-60 名のがん経験者に美容サービス を提供している者が少数おり、がん経験者による美容サービスの利用が特定の店舗に集中 していることが示唆された。 頭髪脱毛に関連して提供したサービスの主な内容としては、約 6 割が「がん治療前の散 髪」 「ウィッグ・かつらに関する情報提供」「ウィッグ・かつらの販売」 、4 割以上が「ウィ ッグ・かつらの試着」 「ウィッグ・かつらのカット」 「再発毛後のカラーリング」を実施して いた。一方、眉毛・睫毛の脱毛については 56%が何もしておらず、3 割が眉毛の描き方に ついて助言していた。 *頭髪の理美容サービスを提供している 248 名(全体の 94.7%)が回答. 【がん治療による脱毛を経験した顧客(過去 5 年間)】(n=248) 10人 6-7人 4%. 30人. 100人以上. 0%. 0%. 3% 0人 3-5人. 31%. 28% 2人. 1人. 20%. 14%. 【がん治療による脱毛を経験した顧客(過去 1 年間)】(n=248) 5-7人 1%. 3人. 20-30人. 3%. 1%. 60人 1% 2人 14% 0人 54%. 1人 26%. 26.

(27) 【頭髪脱毛に関連して提供した美容サービスの内容*】(n=171) *過去 5 年以内に 1 名以上のがん治療による外見変化を経験した顧客がいた 171 名が回答 ウィッグ・かつらに関する情報提供. 60.2. がん治療前の散髪. 59.6. ウィッグ・かつらの販売. 59.1 49.1. ウィッグ・かつらのカット. 46.2. 再発毛後のカラーリング. 45.0. ウィッグ・かつらの試着. 25.7. 育毛ケア. 19.9. 再発毛後のパーマ. 6.4. 縮毛矯正. 5.3. その他. 2.3. 脱毛をカバーする帽子の販売. 【眉毛・睫毛の脱毛に関連して提供したサービスの内容*】(n=171) 特に何もしなかった. 30.4. 眉毛の描き方についての助言 アイライン・アイシャドーの使い方につい… 眼鏡使用等によるカモフラージュに関する…. 56.1. 5.3 4.1. つけ睫毛についての助言. 2.9. つけ眉毛についての助言. 2.3. メイク道具の販売. 1.8. メイクの専門家を紹介. 1.2. その他. 1.2 *複数回答. 27.

(28) (2) メイクについて 過去 5 年以内にがん治療による肌変化を経験した顧客 1 名以上にメイクをした美容業従 事者は3割だった。過去 1 年間では 18%であり、1-5 名のがん経験者にメイクのサービス を提供していた。多くの美容業従事者にとって、がん治療による肌変化を経験した顧客にメ イクをする機会は極めて少なかった。. 【肌変化を経験した顧客の人数(過去 5 年間)】 *メイクのサービスを提供している 133 名(全体の 50.8%)が回答 10名 1%. 欠損 4-5名. 1%. 4% 2-3名. 1名. 10%. 13%. 0名 71%. 【肌変化を経験した顧客の人数(過去 1 年間)】 1名 8%. 2-3名. 4-5名. 9%. 1%. 0名 82%. 28.

(29) (3) ネイルケアについて 過去 5 年以内にがん治療による爪変化を経験した顧客 1 名以上にネイルケアをした美容 業従事者は 2 割だった。過去 1 年間では 13%であり、1-4 名のがん経験者にネイル・サー ビスを提供していた。多くの美容業従事者にとって、がん治療による爪変化を経験した顧客 にネイルケアをする機会は極めて少なかった。 *ネイルのサービスを提供している 63 名(全体の 24.0%)が回答. 【爪変化を経験した顧客の人数(過去 5 年間)】. 1名 6%. 5名. 欠損. 2%. 3% 2名 8%. 0名 81%. 【爪変化を経験した顧客の人数(過去 5 年間)】 欠損. 4名 1%. 2%. 2名 5%. 1名 5%. 0名 87%. 29.

(30) (2) がん経験者への外見支援に関する意識・考え方 回答者の 9 割が「4. 美容業従事者はがん経験者の外見の変化に対して支援できること がある」 、8 割以上が「2. 適切な美容サービスの知識や技術をもっと学びたい」「3. 適切 な美容サービスの抵抗方法が分かれば、是非提供したい」と考えており、多くの美容業従 事者はがん経験者の外見支援に関心を寄せていた。一方で、7 割は「9. がん経験者の身体 に悪影響が出ないか心配」 、6割は「8. 対応が難しい」と考えており、 「1. 適切な美容サ ービスを提供できている」と思う者は 5 割以下だった。. 【がん経験者への外見支援に関する意識・考え方】(n=262) 非常にそう思う. そう思う. ややそう思う. そう思わない. 全くそう思わない. システム欠損値. 1. 自分はがん経験者に適切な美容サービスを提供できて いると思う。 2. がん経験者に対する適切な美容サービスの知識や技術 をもっと学びたいと思う。. 1.112.6. 4. 美容業従事者はがん経験者の外見の変化に対して支援. 6. 自分の周囲の美容業従事者にとって、がん経験者の外 見支援は優先度が低いと思う。 7. がん経験者の外見支援は、主として医療従事者が行う べきだと思う。 8. がん治療による外見変化への対処法について、お客か ら質問されると対応が難しい。. 1.1 8.8. 10. ウィッグのカットを依頼されると困る(断ってい る)。 11. がん経験者は、行きつけの美容院にこの病気のこと を打ち明けにくいと思う。. .8 2.78.0 16.8. 3.4 19.8. 30. 10.72.3 .4 5.7. 25.6. 23.7. 26.3. 29.8. 37.0. 24.4. 20.6. に悪影響が出ないか不安である。. 35.5. 26.3. 25.6. 2.38.8 11.5. 9. パーマ液やカラー剤を使用する際、がん経験者の身体. 10.33.46.9. 44.3. 22.1. 1.113.4. 6.9. 32.8. 42.4. 21.8. できることがあると思う。. い。. 35.1. 17.6. ば、是非提供したいと思う。. 5. 自分にとって、がん経験者の外見支援は優先度が低. 32.8. 10.3. 3. がん経験者に適切な美容サービスの提供方法が分かれ. あまりそう思わない. 30.2. 24.4. 26.7. 29.8. 21.0. 4.2 1.5 0 4.6. 8.8 6.5. 17.2 2.310.7. 27.9. 5.76.9. 22.5. 8.03.4 4.6. 14.9 6.1 2.7 4.6. 30.5. 23.7. 5.0 3.8 05.7. 21.0. 11.5. 7.63.4.

(31) (3) がん経験者の外見支援に関する学習ニーズ 回答者の 7 割以上は、これまでにがん治療による外見変化を経験した人への美容サービ スについて学ぶ機会がなかった。学習機会があったと回答した 19%(49 名)の学習方法と しては、6 割以上が美容品等のメーカーによる情報、3 割が図書やインターネットの情報に よるものであり、研修会に参加した者は 6.1%(3 名)だった。 「美容業従事者等を対象とした「がん経験者のための外見ケアに関する研修会(仮)」の 実施を計画しています。そのような研修会にあなたは参加したいと思いますか」という設問 について、81%(211 名)が「そう思う」と回答し、 「非常にそう思う」者は 20%だった。 また、 「そう思う」と回答した者に対し、学習内容に関する 18 項目の中で、特に関心の高 い内容に関する 5 項目を選んで回答させたところ、特に関心の高い学習内容は「がん経験 者の髪や皮膚に負担の少ない美容製品」 「がん治療の副作用とその対処法」 「がんという病気 の特徴」 「がん治療を行う医療機関で実施されている外見ケアの方法」であった。. (4)外見支援に関する意見(自由記述、参考資料Ⅶ-2) がん経験者の外見支援に関する意見として、 「接客・支援の難しさ」 「自分の実践経験」 「が んサバイバーとしての経験」 「外見支援に関する提案」「美容と医療の連携の必要性」「外見 支援への協力の意向」 「学習ニーズ」 「研修への疑問」等の内容が含まれた。. 【外見変化に関する学習機会の有無】 (n=262) 欠損 7%. あった 19%. なかった 74%. 31.

(32) 【学習機会】. *複数回答. (*これまでに外見変化に関する学習機会があったと回答した 49 名の回答) ウィッグ・美容品等のメーカーによる情報. 63.3. 本やインターネットの情報. 34.7. 研修会への参加. 6.1. その他. 20.4. 【研修会参加への関心】 (n=262) 欠損データ 8%. 非常にそう思う. 全くそう思わない 0%. 20%. あまりそう思わない 11%. 少しそう思う. まあまあそう思う. 34%. 27%. 32.

(33) 【特に関心のある学習内容】 *研修参加に関心のある 211 名が回答。下記から特に関心の高い 5 項目以内を選択。 がん経験者の髪や皮膚に負担の少ない美容製品(例:. 49.8. パーマ液、カラー剤) がん治療の副作用とその対処法. 48.3. がんという病気の特徴. 46.4. (例:種類、罹患率、治癒率、5年生存率、原因、… がん治療を行う医療機関で実施されている外見ケアの. 41.2. 方法 がんによる身体症状. 38.9. がん治療による外見変化に関する医学的情報. 36.5. (例:出現時期・頻度、症状、発生のメカニズム) がん経験者の心理. 28.0. がん経験者とのコミュニケーションに関する留意点. 27.0. 外見ケアための美容製品. 24.6. (例:ウィッグ、帽子、カバーメイク用ファンデー… 美容師によるがん患者の外見支援の実際. 23.7. (例:経験談、先進的な活動の紹介) 外見変化を経験したがん患者の体験談. 22.3. 標準的ながんの治療法. 20.9. ウィッグ・かつらをカットするための知識・技術. 20.4. がん経験者が経験する生活上のストレス. 15.2. (例:お金、仕事、人間関係、子育て) 施設・自宅への訪問美容サービス. 14.7. がん治療による外見変化に対応するメイクやネイルの. 11.8. 知識・技術 がん経験者の様々な困りごとに対応する地域の医療機. 6.6. 関や相談窓口 がん患者支援のための美容師等のネットワークづくり. 6.6. 33.

(34) 結果 3. 研修プログラムの開発 1. プログラムの設計 がん経験者および美容業従事者対象調査の結果や有識者からの助言を踏まえて、以下の 要点を反映した研修プログラムを考案した。 (1) 目的 がん経験者が身近な場所で外見支援を受けられるようになるため、がん経験者の外見に 関する悩みに対応できる地域の美容業従事者を育成・支援する。 《主要エンドポイント》 ① がん経験者への外見支援の実施率の増加(*研修会実施 6 か月後、1 年後に評価) ② 参加者ががん経験者への外見支援に取り組む意欲と自信を高める。 《副次的エンドポイント》 ① 参加者ががん治療に伴う外見変化とその支援方法に関する知識を習得する。 ② 参加者ががん経験者の日常生活を支える地域の社会資源に関する知識を習得する。 ③ 参加者のがん経験者の外見支援に対する困難感を低減する。 (2) 対象者 県内の美容業従事者と医療従事者の両者を研修対象者に含める。今回のがん経験者対象 調査の結果、患者の外見ケアに関する最大の情報源は医療従事者であり、医療従事者が地域 の美容サービスに関する情報を把握しておくことの重要性が示唆された。また、美容業従事 者対象調査によれば、これまで地域のがん医療に携わる者と美容業従事者が交流する機会 はほとんどなかった。よって、本研修会では、美容業従事者と医療従事者ががん経験者の外 見支援に関する互いの役割や知識・経験について情報交換する場を提供し、地域におけるが ん経験者支援のための協力関係作りに寄与する。 (3) 研修内容 ⚫. 美容業従事者対象調査の結果から、特に美容業従事者に関心の高いテーマである「が ん治療の副作用とその対処法」 「がんという病気の特徴」 「がん治療を行う医療機関で 実施されている外見ケアの方法」を含める。. ⚫. 「がん治療を行う医療機関で実施されている外見ケアの方法」に関するセッション では、事例を紹介して参加者に自分ならどう対応するかを考えさせ、当院で実施して いる外見ケアに関する患者教育のデモンストレーションの後、参加者間で意見交換 を行う。. ⚫. 美容業従事者に関心の高いテーマである「がん経験者の髪や皮膚に負担の少ない美 容製品」については、 『がん患者に対するアピアランスケアの手引き(2016 年版) 』 を紹介し、現時点では特定の美容製品の有効性を示す高度なエビデンスがないこと を含めて解説する。 34.

(35) 多くの美容業従事者は、がん経験者に美容サービスを提供する機会が少ないことか. ⚫. ら、がん経験者への理解が深められるような機会を提供する。 がん経験者の外見変化とその支援に関する実態やニーズに関する調査結果を報. ➢. 告し、この地域の現状と課題について理解を深める。がん経験者が自由記述欄 (Ⅶ 参考資料-1)に記述した美容サービスに関する具体的な意見・感想等を紹 介する。 がん経験者の外見変化や地域の美容サービスの利用に関する体験談を聴く機会. ➢. を設ける。 (4) 実施方法 ⚫. 多くの美容業従事者が参加できるよう、開催日は週末・祝日ではなく月曜日とする。. ⚫. がん経験者の理解を深めるためのセッションを本研修会の最初に行う。講師とな るがん経験者と研修会参加者の緊張感を和らげるため、研修スタッフとがん経験 者との座談会の形式を採用する。. ⚫. 医学的な情報は講義形式のセミナーで提供する。. ⚫. 講師・ファシリテータや他の参加者とのディスカッションを通して、学習内容を実 務に応用できるようワークショップ形式のセッションを実施する。. ⚫. 美容業従事者と医療従事者間の情報交換や患者支援のためのネットワーク作りを 促すため、小グループによるグループワークを採り入れたセッションを提供する。 小グループ(5-6 名)は地域別に形成し、メンバーは職種混合で構成する。. ⚫. グループワーク形式の研修会に慣れていない美容業従事者は少なくないため、各 グループにはファシリテータを配置する。. (5) がん経験者が地域の美容サービスを利用しやすい仕組みづくり ⚫. がん経験者対象調査の結果によれば、多くの者が地域の美容サービスに関する情 報提供を必要としていても入手困難な状況にある。よって、本研修会では、地域の 美容サービスに関する情報を集約し、医療機関で情報提供できるような仕組みを 作る必要がある。 ➢. 美容業従事者の参加者が勤務する店舗の場所を示す「外見サポーターMAP」を 作成する(協力は任意とする。参考資料 Ⅶ-3 参照) 。. ➢. 美容業従事者の参加者には自施設の紹介パンフレットを持参してもらい、 「外 見支援リソース・バインダー」にまとめる。がん経験者・家族や、医療・福祉 関係者が自由に閲覧できるよう、 「外見サポーターMAP」と一緒にがんサロン に設置する(協力は任意とする。参考資料 Ⅶ-3 参照) 。. ⚫. 参加者には修了証書(研修会への参加を証明するもの)を発行し、がん経験者やそ の家族等が外見の悩みを美容サロン等で相談するきっかけ作りに役立ててもらう。. 35.

(36) 2.研修プログラムの内容 時間. 分. 10:00-. 5. 内容. 担当者. 開会のご挨拶. 備考. 元雄教授. 10:05 10:05-. 30. 10:35 10:35-. 45. 11:20. 【オリエンテーション】. アンケート調査結. 本プロジェクトの趣旨説明. 研究代表者. 果報告、グループ. アイスブレイク. 久村. 内で自己紹介. がん経験者に対する理解を深める. 木村看護師. がん治療による外. ・外見ケアの意義. がん経験者. 見変化に関する患. 【ワークショップ 1】. ・がん経験者の体験 11:20-. 40. 12:00 12:00-. 者との座談会. 【セミナー1】 がんの基礎知識と治療の現況. 60. 13:00. 腫瘍内科学. 10 分間の Q&A を. 元雄教授. 含む. 昼食 ・石川県内のがん経験者のための外見サポーター・マップの作成* ・外見サポート・リソース・バインダーの作成*. 13:00-. 55. 13:55. (*参加は任意). 【セミナー2】 がん薬物療法による外見変化とそ. 皮膚科学. 10 分間の Q&A を. の対処法:脱毛・皮膚障害を中心. 西部准教授. 含む. 金沢医科大学病院におけるがん患. 久野看護師. 10 分間の Q&A を. 者の外見支援の実際. 矢崎看護師. 含む. に 13:55-. 55. 14:50. 14:50-. 10. 15:00-. 45. 【ワークショップ 2】. 休憩 【グループワーク】学習の振り返. 松井教授. り(継続すべきこと、新たに分か. G ファシリテ. グループ 20 分、. ったこと、今後の挑戦). ータ―. 全体共有 25 分. 閉会のご挨拶・修了証書授与. 元雄教授. 16:00. 事後アンケートの記入・提出. 久村. 16:00-. (*以下は自由参加). 15:45 15:45-. 15. 集学的がん治療センター看護相談. G ファシリテ. 室・待合室・がん患者サロンの見. ータ―. 学後、随時解散. 36.

(37) 3.研修会の実施 2019 年 12 月中旬に研修会参加者の募集(定員 50 名、2020 年 1 月 31 日締切)を開始 し、52 名(美容業従事者 38 名、医療従事者 14 名)の申し込みがあった。参加申込者に は、2 月初旬に参加決定通知、および、研修会参加前のベースライン測定のためのプレテス ト用調査票一式を送付しており、回答済み調査票の回収を終了していた。また、研修会開催 に向けた準備については、参加者募集、講師・ファシリテータの依頼、講義スライドの作成、 教材準備等を含め、順調に進んでいた。 しかし、研修会予定日は新型コロナウィルス感染拡大防止に極めて重要な時期であり、そ の後県内で初めて感染患者が確認されたことから、共同研究者および院内感染症専門スタ ッフと協議の上、2 月 25 日に参加予定者および関係者全員に開催中止を通知した。 今後、新型コロナウィルス感染症の終息を待ち、研修会開催に向けて再始動していく予定 である。今回の研修会の参加申込者には、新たな開催日時等が決定次第、全員に通知する旨 を伝えている。. 37.

(38) Ⅴ 総括と今後の展開 1.総括 本研究プロジェクトはがん経験者と美容業従事者を対象としたアンケート調査、および、 そのデータに基づいた研修プログラムの設計までを完遂した。研修会の実施は叶わなかっ たが、当初の研究目的である①地域の美容業従事者を育成・支援するための教育プログラム の開発、②地域のニーズを明らかにするための調査研究の実施という点において、概ね目標 を達成できたと考える。 がん経験者対象調査では、回答者の約 8 割が眉毛・睫毛の脱毛、5 割以上が爪の変形・変 色、体重増加、むくみといった頭髪脱毛以外の外見変化を経験していた。また、脱毛を経験 していた当時、7 割が外見変化に対して強い心理的苦痛を経験し、5 割以上が外出を控え、 復職時期を延期する等の社会的苦痛を抱えていた。 ウィッグの平均使用期間は 17.2 カ月で、 数年間に渡ってウィッグを使用している者もおり、外見変化はがん経験者に様々な心理社 会的苦痛を与えるだけではなく、その影響は長期に及んでいる可能性が示唆された。 また、多くのがん経験者が治療による外見変化とその対処に関する情報を必要としてい ても、入手困難な状況にあることも明らかになった。特に「がん患者の悩みに対応できる地 域の理美容院・美容サロン等の情報」については、約半数が「とても重要」と認識していた 一方、9 割は「ほとんど得られなかった」と回答し、満たされていない情報ニーズが浮き彫 りになった。そして、約 8 割は「外見の変化について、医療者以外で身近な相談相手がいた ら良い」と考えていた。地域の美容業従事者は、治療による外見変化について医療者以外で 最も身近な相談相手になり得ると考える。 美容業従事者対象調査の結果から、回答者の 9 割が「美容業従事者はがん経験者の外見 の変化に対して支援できることがある」 「がん経験者に対する適切な美容サービスの提供方 法が分かれば、是非提供したい」と考えていることが明らかになった。一方、6 割が「がん 治療による外見変化への対処法について、お客から質問されると対応が難しい」 、半数以上 が「がん経験者に適切な美容サービスを提供できているか」という問いに「できていない」 と認識していた。回答者の 2 割が外見変化を経験したがん患者への支援に関する研修会に ついて非常に高い関心を示した。 以上の調査結果は、本プロジェクトがねらいとする地域におけるがん経験者の外見支援 の普及と、それを担う美容業従事者に対する教育支援の必要性を裏付けるものであった。が ん経験者のニーズに応えるためには、治療による外見変化に適切に対応できる地域の美容 業従事者を育成・支援し、情報を集約し、医療機関等でタイムリーに提供できるような仕組 みを作る必要がある。. 38.

(39) 研修プログラムは、美容業従事者の学習ニーズに応える内容を提供すると同時に、がん経 験者の外見サポートを医療機関から地域へとつなげていけるような仕組み作り(例:外見サ ポーターMAP、外見支援リソース・バインダー、修了証書の発行)を含めて設計された。本 研修会はセミナー形式だけではなく、講師・ファシリテータや他の参加者とのディスカッシ ョンを通して学習内容を実務に応用できるようワークショップ形式を採り入れた。また、本 研修会を通して、美容業従事者と医療従事者間の情報交換や患者支援のための近隣地域の ネットワーク作りを促すため、グループワークを中心とするセッションを含めた研修プロ グラムを開発した。 2.今後の展開 新型コロナウィルス感染症の終息を待ち、来年度内の「がん経験者の外見サポート研修会」 開催に向けて再始動していく予定である。今後の課題は研修会の実施とその効果の検証で ある。研修会の実施については、開催に関わる経費について新たな助成金の申請や実施方法 の変更(例:有料化)等を含めて検討が必要である。 研修会の評価については、研修会の実施前後に自記式アンケートを実施し、主要エンドポ イント(がん経験者の外見サポートへの意欲・自信)、および、副次的エンドポイント(支 援に関する知識の習得、困難感の低減等)の変化について統計的手法を用いて解析する予定 である。アンケートには自由記述欄を設け、質的データ分析も併せて行う予定である。研修 会参加6ヵ月後、1 年後に自記式アンケートを用いた追跡調査を実施し、参加者によるがん 経験者への外見サポートの実施率の変化を測定することを計画している。 また、本研修会を 3 年程度継続して実施し、参加者からの評価に基づき研修プログラム の改訂を重ねていくことも検討中である。また、将来的には、参加した美容業従事者による 外見サポートを県内のがん経験者に活用してもらうための情報提供ツール(「いしかわのが ん経験者の外見サポーターMAP(仮) 」 )の作成も必要になる。ツール開発にあたっては、情 報コンテンツ(例:サービス内容・料金、店内の設備、アクセス、個室対応や訪問サービス の可否) 、適切な情報提供媒体(例:小冊子、WEB 版)等について、がん経験者と地域の美 容業従事者の双方のニーズに基づいて作成していくのが理想的である。 外見支援はがん経験者に限定されるものではなく、将来的には他疾病や加齢等で身体・認 知機能が低下した人々等への支援にも応用可能と考える。地域における外見サポート体制 構築の取り組みは、地域住民の誰もが最期まで尊厳を保ち、社会とのつながりを失わないた めの社会支援ネットワークの一部として発展していくことが期待される。. 39.

(40) <参考文献> 1.. Nozawa K, et al. Quantitative assessment of appearance changes and related distress in cancer patients. Psychooncology 2013;22:2140-2147.. 2.. Carelle N, et al. Changing patients perceptions of the side effects of cancer chemotherapy. Cancer 2002;95(1):155-163.. 3.. 森田純子他、抗がん剤治療に伴う「脱毛」と頭皮脱毛対策である「カツラ」に関する 問題点、癌と化学療法 2012;39(13):2537-2540.. 4.. 矢形寛他、乳癌化学療法に伴う脱毛患者へのサポートに関するアンケート調査、乳癌 の臨床 2013;29(1):203-209.. 5.. 渡辺隆紀(CHP=HOR化学療法に伴う脱毛患者サポートに関するワーキンググルー プ)、乳癌補助化学療法における脱毛の実態に関する多施設アンケート調査、2015、 第23回日本乳癌学会学術総会.. 6.. 藤間勝子、理美容師を対象としたがん患者の外見ケアに関する教育研修プログラムの 開発、2016、平成27年度がんサバイバーシップ研究助成金報告書、1-17.. 40.

(41) Ⅵ 感想 この度の在宅医療助成につきまして、あらためて深謝いたします。 本研究プロジェクトのテーマである「がん医療と美容の地域連携」は私共にとって未知の 研究分野でしたので、研究活動を通して学んだことは多く、新たな経験や知見を得ることが できました。 がん経験者を対象としたアンケートの自由記述欄には予想以上に沢山のコメントが寄せ られました(参考資料Ⅶ-1) 。多くの女性にとって外見変化への対応は日常的かつ切実な問 題であり、医療者以外の身近な相談相手を求めていることを痛感しました。また、インタビ ュー調査においても、美容院でのさりげない配慮や美容スタッフとの心温まるエピソード を教えてくださった方も少なくありませんでした。 グループ・インタビュー調査にご協力をいただいた美容業従事者の方々は、がん経験者へ の美容サービスの提供は採算がとれないことを承知の上で、自らの美容の知識・技術を適切 に役立てたいと考えていました。彼らとのディスカッションを通して、がん経験者にとって 地域の美容業従事者は外見変化に関する最も身近な相談相手になり得ることを改めて認識 できました。そして、この地域にそのような役割を果たしている方々が既にいたことを、こ の研究を通して知ることができました。外見支援に誠実に取り組もうとしている地域の美 容業従事者とがん経験者を適切にマッチングすることができれば、様々な心理社会的苦痛 を緩和できるのではないか、という思いを強くしました。 本プロジェクトについては、美容・医療関係者以外にも関心を寄せる方も多く、行政関係 者やマスコミ関係者からの問い合わせや取材を受ける機会もありました(Ⅶ 参考資料-4) 。 研修会開催中止を通知した後、参加を予定していた方々から次期開催を願う旨のコメント が多く事務局に寄せられたことからも、この活動に取り組んでいくことの重要性を再認識 させていただきました。 「がん経験者の外見サポート研修会」は開催直前まで順調に準備を進めてきただけに、実 施が叶わず大変残念でしたが、このような貴重な経験をさせていただけましたことに、心よ り感謝申し上げます。. 41.

(42) Ⅶ 参考資料 1. がん経験者対象調査の結果(自由記述) 【美容サービスを利用した際、困ったこと】 カテゴリー. 主な記述例. 情報不足. 「どこの美容院へいったらよいのか教えて欲しいです。」. (地域の美容サロン. 「外見の悩みに対応している理美容院をもっと知りたい。どこにあるか、分か. の情報). らない。」 「発毛後のケアをいたしますと、表示とかあると、たのみやすい。」「近くに かつらのカットや頭皮や爪のケアなど相談できるサービスの店があるかがわか らない。」 「がん治療による脱毛に対応している県内の美容院をネット検索してもわから ず、H(がんサロン)のネイル、メイクイベントで知ることができました。女 性にとって脱毛によるボディイメージの変化は、重要な問題です。がん告知、 手術、抗がん剤と治療はどんどん進みますが心が追いついていきません。ウィ ッグは K サロンへ行き試着して購入しました。そういう情報をまとめたパン フレットやサイトがあればいいなと思いました。」. (個室対応). 「個室が有るお店を教えてほしい。」 「生え始めは、個室で対応してもらわないとウィッグを外すのも抵抗があると 思うので、対応してもらえる美容院の情報があれば助かると思います。」. (ウィッグのカッ. 「ウィッグのカットは無理と言われた為、カットしてくれるところをさがすの. ト). がめんどう。そのままになっている。」 「ウィッグのカットがおしゃれに上手にできる美容師さんの情報が少ないこと が心配である。」. サービス量が不足. 「あまりがんでのサービスの利用(提供)していない店・人がほとんど。店側 が慣れていない、普及していない。」. プライバシー保護. 「自分の病気のことを、他の人に言われてしまうのではないかと心配だっ. に対する懸念. た。」 「カットやシャンプーなど、何人もの人が、入れかわるため、そのたびに、病 気のことを話さなければならなかったり…聞かれたり…少し苦痛に思った。1 人の方がずっと最後まで、対応していただければと、思ったこともあった。」 「病気のことを説明するのが心理的にも辛かったが、これまで一番ヘアケアを してもらっていた所だったため、話さざるをえなかった。又、その際、他のお 客さんもいる中で話す場面は辛かった。また、今度、発毛が進む中でたびたび 相談を続けていかなくてはならないが、迷惑がられているのではないかと気に してしまう。(「そうではない」とはいってくれてはいますが…)」 「脱毛してから美容院に行ってない。よくしゃべる人なのでうわさになるのが いやなので。」 「田舎の美容室は情報交換の場で、ある意味おしゃべりサロン的な場所です。 ですから、人のうわさ話が大好きな人達がいる所には、行けなかったというの が正直な思いです。」. 42.

参照

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