管理栄養士による居宅療養管理指導に関する運用書類の作成
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(2) 2017年度(前期)一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告 テーマ 氏 名 所属機関. 管理栄養士による居宅療養管理指導に関する運用書類の作成 花本美奈子 栄養ケアサポートLINKのぼりと. ----------------------------------------------------------------------------------【背景】 管理栄養士の居宅療養管理指導に際し、医師の指示、指示医を含む多職種共同で作成した栄養 ケア計画、及び主治医、ケアマネージャーへの指導報告が必要な帳票として定義されている。 従来より自事業所以外の医師からの指示のための書類のやり取りや、訪問後の書類作成等事務 作業に時間を要していた。そこで昨年度、帳票について見直しを行い、訪問の報告書作成を訪 問後にエクセル等に入力する文書作成するやり方から、訪問時に複写用紙を使っての記録報告 作成へ変更したところ、訪問時に記録と報告書類の作成業務が終了するため、事務作業の軽減 が図れたことを実感している。 そこでこの複写用紙を他事業所の管理栄養士にも使用していただき、ニーズの確認とさらに 使いやすい帳票にすることを目的に複写用紙の作成と、使用に当たっての調査を行った。 【目的】 居宅療養管理指導に必要とされる医師の指示、栄養ケア計画書、報告書の運用について調査、 自事業所で使用している複写用紙の有用性について検討する 【方法】 1. 複写用紙を作成 ① 指示依頼書 他職種からの栄養介入の依頼に対し、介入 理由を主治医に明確に伝えるための手段と して作成。同行訪問時やミールラウンド時、 訪看やケアマネージャーからの相談時に 即座に記入し、主治医につなげるために使用 〈様式の特徴〉 ・MNA-SF ・低栄養につながる既往 ・主観的な栄養評価 ・主たる栄養介入の目的 ・介入の起点となる記入者名 ・4枚複写.
(3) ②栄養ケア計画書 標準様式 〈様式の特徴〉 ・家族、本人と意見を合わせながら作成 ・他職種による課題の解決は最優先のもの のみを書き込む ・4枚複写 従来ケア計画書は初回訪問後に作成して 次の訪問時にお渡ししていたが病状の変化 などでキャンセルがあると作成困難なことが 続くため、この用紙を使い、訪問日に患者様 や他職種と相談しながら書き込み、当日にお 渡しする方法に変更した。. ③訪問報告書 ケア計画書の様式に準拠して作成 報告書を対象者に渡す義務はないが、 栄養士の訪問の記録として活用。 〈記入事項〉 ・聞き取り事項 ・摂取量評価 ・留意事項 ・栄養剤や特殊食品の利用状況 主治医、ケアマネージャー用の複写用紙 には追加の報告を書き込み送付又はFAX。 写真を撮ってメール添付することもあり。. 2.医師の指示運用、栄養ケア計画書・報告書について、関連研修会でアンケート調査実施( 2018年2月~4月)・山梨県栄養士会訪問栄養食事指導研修会研修会・石川県栄養士会研 修会・日本在宅栄養管理学会東北・関東・甲信越ブロック研修会、九州ブロック研修会、その 他協力者を募り個人的に配布。.
(4) 3.調査結果から現状把握と自事業所で使用している複写用紙について有用性を検討した 【結果】. 1.アンケート回答者166人のうち、居宅療養管理指導(以下居宅)経験者は40%。 居宅経験あり回答者の所属は下記に示す通り。. 2.医師の指示について 医師の指示に際して専用指示書発行が60%、専用指示書と情報提供書の併用は25.7 %であった. 。 指示書発行を断られたことがあるのは24%、その理由として主治医が栄養士介入の必要 がないと考えているとの回答が最も多くあげられた。. 居宅経験者の76%は医師以外にも居宅導入のきっかけとなる多職種がいると回答 したが、該当する職種としてケアマネージャーと看護師が半数を占め、管理栄養士と の回答は10%未満であった。.
(5) 2.計 画 書 や 報 告 書 を 電 子 カ ル テ 直 接 入 力 し て い る の は 2 1 % で あ っ た 。. 3. 他事業所への報告にはファックス使用が最も多かった。. 4. ケア計画書を作成し、渡している時期については、初回訪問後持ち帰り作成の上後日. お渡しが半数以上であった。. 5. 計画書や報告書の複写用紙使用について即時性があるため使いたいとの回答は68.6 %であった。.
(6) 【考 察】 在宅訪問栄養管理を目的とした研修会であっても実際に訪問しているのは半数以下にとどま り、今後このサービスを広げていくに当たり、どのような工夫が必要か考えさせられた。 居宅療養管理指導の指示依頼に際しては看護師やケアマネージャーなど他職種が主だって居 宅介入の起点となっていることが明らかであった。療養者が在宅復帰するに当たり食事の支援 に関する管理栄養士の関りは欠かせないものであると推察するが、現状では管理栄養士が居宅 サービスの起点になっているとは言い難い。在宅訪問を行う管理栄養士はその情報を積極的に 地域に公開し、地域の医療機関の管理栄養士と同職種連携に努める必要があると考えられた。 今回作成した指示依頼書については他職種連携のツールとして医師が管理栄養士の介入は必 要とないと考える事例について介入の必要性を明確に提示する工夫として積極的に使ってい きたいと考える。 また、電子カルテの使用者は当初の予想より少なく、即時性があり、事務作業の軽減につなが る複写用紙の使用は一定の需要があると考えられた。医師やケアマネに出す報告書はエクセル などのフォームに入力することが多い結果であり、これは訪問後に行う作業として件数が増え てくると負担になることが予想される。実際に複写用紙を使いたい理由には即時性がある、の 他に短時間で終わる、という点も半数の人に評価されていることから、記録、報告書の作成に 時間をとっていることがわかる(事前調査では一回の訪問につき報告書作成は10~20分、 20分~40分が同数程度であった)。複写用紙の即時性を生かして、その場で作成し、写真 を撮って、電子カルテに情報を載せていく、あるいは、地域の医療情報交換ツール等に提示し ていくやり方なども報告されたことからICTが全盛となるこれからの時代にも使いやすい記録 用紙として汎用性があると考えられた。 今回、実際に複写用紙を使用した数名からは以後も利用したいという申し出があり、何名かは 自社で複写用紙を作成するに至っている。 管理栄養士の居宅療養管理指導の件数は増えつつあるもののそのほかの職種の件数に比して 少ない。制度上の問題からなかなか取り組めないという声もあるが、複写用紙を使用しての事 務作業の軽減が在宅訪問に取り組むための一助になればと考える。 また、栄養指導の場においては患者、利用者の理解を促すことは重要であり、訪問後に事業所 のシステムで作成した書類をただ渡すだけでは即時性がなく、過去の情報の記録を手渡すに過 ぎない。その場で手書きでもよいので報告書を作成し、栄養ケア計画書を医師を含む多職種や.
(7) 利用者とともに協議しながら作成することは患者、利用者の理解を促すとともに、多職種との 共同作成、という点で真に意義があると考えられる。 今後も決められた制度の中で工夫しながら業務改善に努めていきたい。. 複写用紙の印刷、アンケート実施は公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成による.
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