(東女医大誌 第45巻 第2号頁 104∼114 昭和50年2月)
〔シンポジウム〕
抗生物質使用法の進歩
各種感染症の起炎菌とその薬剤
感受性度について
東京女子医科大学臨床中央検査科 助教授 長 田 富 香 オサ ダ フ カ (受付 昭和49年12月3口)Pathogenic Micmorganisms of Various Infections and止eir Sensitivity to Antimicrobial Agents
Fuka OSADA, M.D.
Department of Microbiology, Central Clinical Laboratories, Tokyo Women’s Medical College Hospital
During thrce months f}om April to Junc in I 972,1973 and l 974, the sensitivity of貸eshly isolatcd bacilli regardcd as pathogcnic貸om clinical mater量als to various alltimicrobial agents were examined. According to the individual bacterial species and clinical materials, the most sensitive丘rst choice chemothcrapeutic agents were sclected.
The scnsitivity of仕eshly isolated pathogenic bacilli to 15 dif【セrent chemotherapeutic agents wh五ch became commcrcially available in recent ycars were cxamined,
The appearance of rcsistant strains to gentamyclne was cxamined R)r the past 5 years.
The repeatcd urinary culturcs were done in sevcral patients with persistent cystitis and the. successive change of pathogenet圭。 microorganism was observed.
From above described data, the view on the treatment with chcmotherapy was stated.
はじめに 中検細菌部においては,臨床各科より依頼され る細菌感染が疑われた患者の各種検体より分離培 養を行なって起炎菌を推定し,その菌に対する各 種抗生剤の感受性度を測定することを主な業務と している. 1929年,A・FlemingのPenicillin発見に端を 発した抗生物質療法はその後めざましい進歩発展 をとげ,年々新たに開発される抗生剤は枚挙に逞 ない状態である.しかるに,1954年東京女子医大 に中高が開設されて以来20年間の細菌培養件数 を見るに,当初1ヵ月約50件から始まって逐年増 加の一途をたどり,その1ヵ月平均件数は1968年 906件,1970年1206件,1972年1327件,1974年 1451件といまだに止まるところを知らない増加を つづけ,感染症が抗生剤の進歩により制圧に近付 きつつあるという印象はいっこうにうかがえない 状況である.そこで最近の各科の感染症から起炎
菌として分離された新鮮分離菌の各種抗生剤に対 する抗菌スペクトラムを各種の観点からまとめ, 「抗生物質使用法の進歩」の参考に供したいと思 う. 1・調査対象および検査法 昭和47年,48年,49年の各4∼6月目3ヵ月間 に細菌培養を行なった各種検体の学年度ごとに約 4000件ずつについて検討を行なった. 日常検査においては,各種の被検材料に応じて 分離用平板培地あるいは増菌培地を用いて培養 し,発育した集落について感染の主役を演じてい ると思われる菌種の同定および一濃度ディスク法 による薬剤感受性検査を施行した.薬剤感受性検 査を行なった抗菌剤の種類および略号()内は 下記の通りである.ペニシリンG(Pc),エリスロマ イシン(EM),ロイコマイシン(LM),クロラム フェニコール(CM),テトラサイクリン (Tc), スルフイソキサゾール(i),ストレプトマイシン (SM),カナマイシン(Ka),コリスチン(K),ナ リジキシックアシド(Nd),セファPリジン(Cr), メタサイタリン(Tm),フラジオマイシン(F), ニトロフラントイン (ft),フラゾリドソ (プラ ジン,f),ジハイドロオキシメチルフラトリジソ (バンブランS,f∫), アンピシリン(Pb),ミノ サイタリン(Mno),カルベニシリン(Pcb),ゲ ンタマイシン(Gm),アミノデオキシカナマイシ ン,(カネンドマイシン,Kn),クリンダマイシン (Cli),ポリミキシンB(PLB),オキシテトラサ イクリン(テラマイシン,O). 且 成 績 1.材料別培養件数の分布(図1) 細菌培養を依頼された各種検体の種類別百分率 は3年間を通じ同一傾向を示した.すなわち尿が 最も高率で37.3∼41.5%,次いで化膿巣よりの 膿が15.8∼17.3%,咽頭粘液12.3∼16.9%,早早 14.2∼11.1%,胆汁,便,腔分泌物,血液,髄 液,その他は0,4∼8.1%である. 2.材料別起炎菌検出率(図2) 各種の材料ごとの起炎菌検出率は化膿巣よりの 膿が最も高く38.9∼50.7%を占めた.次いで咽頭 ioo 90 80 70 60 50 喬G 30 20 10 %0 3572イ牛 4089件 4076イ牛 その他 噂胆汁 ・←便 咽頭 ・←膿 尿 47年 48年 49年 4−6月分 4∼6月 4−6譜 図1材料別件数の分布 6 5 4 : 卿 30 畳 : . , . . o ・ ・ ● 9 2 ○ ・ : 二 o . , 9 o 二 ・ . , o 9 ● 亀 ・ ・ 9 陰 1 ● . ・ . : 二 : %0 : 二 : : 膿 咽頭 展 尿 その他 図2 材料別起炎菌の検出率 粘液,疾,尿がいずれも24.7∼34.6%の間に分布 した, 3.材料別起炎菌の分布(図3) 3図により47年度(内心)と49年度(外円)の 各種材料における起炎菌の分離頻度を百分率で比 較した. 尿培養においては47年,49年間もに大腸菌が起 炎菌として検出されることが最も多く,それぞれ 49.2%と45.8%で大半を占めた.次いでクレブシ ェラ,プロテウス,緑膿菌がいずれも6.6∼10.3 %を占めた.グラム陽性球菌は47年度17.1%,49 年度20.7%である. 膿培養は黄色ブドウ球菌が47年度26.4%,49年 度30.9%で最も多く,これに表皮ブドウ球菌を加 えると40.5%および38.8%を占めた.次いで緑膿
,・・’:ブドウ監 俘レン渉軒
.鑓蕪
て碗でのイ廿1’”・ 緑 Proteu5 緑山山 Proteus Kleb. κ「ebsleHq 尿\
大腸菌 外寸薩 ブドウ1・、’ ・球菌:・,, 大腸菌 騰 1・b・…1・ @函 Kleb. (内円47年度外円49年度) 侶第会内) 糠フLドウf言1離1 操膿菌隷饗
咽頭 大腸菌慧難
語プ・演劇働側て馳
噸獣
肺球菌;’ ぞレヴ他二 弓農 =ブドウ球菌1: 華甲齢\
’夫腸菌 鯉オ鮮 ブドウ球菌 {肺炎球菌∴ その他’ 卿,そ馳 緑膿菌 ンフルDザ菌 47茸度こ49年度の比較 図3 材料別起炎菌の分布 KI巳bsiellq Kleb− siellq 緑膿菌 蓬・ \ 菌が47年度13.2%,49年度15.1%である. 咽頭培養もブドウ球菌が最も多く,47年度45.2 %,49年度40.7%で,このうち表皮:ブドウ球菌は 4∼7%であった. 疾培養においては大腸菌,クレブシェラ,緑膿 菌などのグラム陰性桿菌が47年度に55%であった が,49年度は75%に増加を示した. 4.薬剤感受性(図4一(1)(2)(3)(4)) われわれが実施している一濃度ディスク法にお いては,各薬剤含有ディスクの示す阻止円直径を 測定して,表によりその菌の最少発育阻止濃度 (MIC)を求め,その薬剤の普通の投・与量で得ら れる血中濃度又は体液中濃度がそのMICを一L廻 る場合を感性度帯(高度感受性)とし,大量投与す ればこのMICを上廻る血中濃度あるいは体液中 濃度が得られる場合を感性度卦(中等度感受性)と 判定する.したがってここでは冊と升の感性度を 示したものを感受性と考えてその割合を求めた, 図中各薬剤の上段1/3は47年度,下段2/3は49年度の 感受性菌の割合を示した.大腸菌,クレブシェラ においてはいずれの材料から分離されたものも Gm, K, fsはほとんど100%感受性を示し, f, Nd, Kn, Ka, Crも80%以上のものが感受性を示 した.Pb, CM, Tc, SMは感受性菌の割合が70∼ 50%に低下した.47年度と49年度の感性度を比較 すると,Pb, CM, SMにおいて49年度に尿およ び咽頭,疾から分離された大腸菌の感性度に低下 を認めた.クレブシェラにおいては,尿から分離 されたものは特にCr, Nd, Tc, SM, CM, Pbに 対する感性菌の割合が減少していることを認め た.緑膿菌においてはK,PLB, Gmにはほとん ど100%感受性を示し,0,Mno, F, Doxに80 ∼90%感受性を示した,黄色ブドウ球菌はGm, Mno, Crに100%感受性を示し,咽頭,疾から 分離されたものは図4一(4)図にみるごとくPcを のぞく12種薬剤にも90%が感受性を示し,膿からの菌は上記12種のうちTcとTmには90%が感
受性を示すが,その他の10種薬剤には60∼70%に 感受性菌の割合が低下し,Pcにおいては感受性 を示すものは32.7%に低下した.ゴ膿諺勲
粥iぢfs
ウイントマイロンNd カネンドマイジノKn カナマイシンKα セポランCr アン巳シリンPb クロマイCM アクロマイシンTc ストマイSM f2 潔 酔 農協 翫 % (D大腸菌 10D ‡雛雪資享魏・ 需フ諺fs カネンドマイシンKn課劣醇
ウイントマイロンNd アクロマイシンTc ストマイSM ク日マイCM アンピシリンPb % 50 1 膿 % 50 100 尿 Gm Pb Gm K fs f Kn Kq Cr Nd Tc SM CM Pb (2)Klebsiellα % 50 100 膿 噸一上 .÷下 噸一上段47年 ÷下段49年 GmK fs f Nd Kn Kq Cr Pb CM lrC SM(D大腸菌
% 50 1 咽頭 (D大腸菌 Gm K fs f. K[ Kq Cr Nd Tc SM CM Pb (2)K}ebsie川α % 50 100 咽頭ス
(2)Klebsiel「α % 50 1 膿《瀦錫鵬
Z諺ン霞1カナマイシンKαクロマイ CMアクロマイシンTc w郷イ鏡rロイコマイシンLMエリスロマイシンEMペニシリンPcスルフア剤 L (4)黄色ブドウ球菌 % 50 100 ←← 咽頭k
Gm lno br jn jα b麟 Ac sm bll kM dM oc (4)黄色プド:ウ球菌 ←上段47年 ←下段49年 (3)緑膿菌 ←上段47年 モーコ段49年 % 50 1 PレB KOFTcKn 膿 Gm lnO rM jM ocb cox (3)緑膿菌% 50 100 PしB KoFTcKn 咽頭_
Gm lnO rM jM ocb cOX (3)緑膿菌 図4 薬剤感受性度(47年および49年)5.菌種別薬剤感受性度(図5一(1)(2)) 49年4月∼6月の問に臨床材料から起炎菌とし て検出された新鮮分離菌の薬剤感受性分布をしら べた.惜(高度感受性)と升(中等度感受性)を 示したものを感受性として,感受性菌の割合が90 %以上を占めるもの,70∼80%のもの,50∼60% のもの,50%以下の4段階に分類した.グラム陰 性菌においては,プロテウス以外の菌はGm, K に90%以上感受性を示した,プロテウスはGm, Nd, Tc, Pcbに90%以上が感受性を示した.緑膿 菌はGm, Kのほかに0, PLBに90%以上が感 抗生斉 沁 方タ Vン fm ]リスカァ `ンマイ j Km 日ネ’ hマイ jn γント VイD’ md プフ Vン @f めフ 唐r ? セホ 宴唐 br クロ }d bM 隠[i又トマイTc マイ rM ンに Vリン ob 棚1帥調一躍圏 大腸菌 :::. 噸 , , 璽 P.㌦ クレブシェラ 9 ・ o プロテウ又 ・ レ 噛 . 易 の也の @’ ::≒:: 緑膿菌 曜 「 〃ス の也の日 唖謄・E凸 D■ D ■ ■ , , ・ ■ . ● , イン刀ヒ[ンサ (Dグラム陰注菌 抗圭剤 ロ種 ペニ Vリン oc りx Cシン dM 目イ Cシ’ kM ク[] }イ bM 井一 CクI sc グダ 痰sm カナ }イ jm 餅イシンKn ンシンGmプラ Wン ンε Vリン ob 黄色プ菌 表皮ブ菌 . . o . :=、’}}:{}:÷: ./ ∴∵. 肺炎球菌 A群溶連菌 B群黒球 , , ,
膨
腸球菌 縦 也の k→う :::::∫(2評論㌦1・畔・・1嵩二1嘱
60∼50%團 50%肝□ 図5 菌別薬剤感受性度 受性を示した.f, fsはプロテウスおよび緑膿菌を 含むブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌以外のグラ ム陰性桿菌の90%以上に感受性を示した.インフ ルエンザ菌はCrに72%, Pbに85%, Pcbに89 %が感受性を示し,その他10種抗生剤に92∼100 %が感受性を示した.CMに対してはインフルエ ンザ菌が100%,プロテウスが83%,肺炎球菌が 87%,B群レンサ球菌が82%,黄色ブドウ球菌が 78%感受性を示したがその他の菌種のCMに対す る感受性度は60∼16%に低一ドした.腸球菌を除く グラム陽性球菌においては,Cr, Tc, Tm,Km,Gm などに90%以上が感受性を示した.A群溶レン菌 はEM, LM, CMに約50%が耐性を示した.腸 球菌は各種の抗生剤に感受性が低いが,fs, Pbに 96%,Pc, Tc, Tm, fに70∼80%が感受性を示し た. 6.材料学薬剤感受性度(6一(1)(2)) 起炎菌が分離された臨床材料別に薬剤感受性分 布をしらべた.グラム陰性桿菌感染症の場合は, 尿,膿,咽頭・疾,その他の材料においてGm, K が90%以上感受性を示し,Kn, f, fsが75∼89% 抗生剤㌧タ シソ材料 Grn カナ }イ jm 蒲噺ン hマイィD jn Nd プラ Wン 骸フFンSfs セポク日一フンマイbrCM
クロスト }イマイ sb SM ンピ Vリ’ ob 脈’ Vリン ocb 尿 ::::::: 羅 1::::1 膿 羅 :ll:1:: 1:ll: :::1:: ::::1: 咽頭・寝 ll:1 ’。’ D∵’∴∵●∴’.’∵.●. 冨 その他 ll::: (Dグラム陰性菌 畢生剤゙料
万ぺニ 潟W’シリン br Pc リE斎ロイコ ーLM クロ }イ bM 升ラサ Tc タサ N少 sm り’ 烽bLi 窯 ンタ Vン fm 尿 :1::::: 膿 こ:1三:二1:: ∵∴”.∵.。 f。’B∵∵.’.。 :1:1:: 咽頭・疲 1:罫 :∫ll: その他 :薫二 羅∵∴。∵’3●.’.∵∵.∵(2伽陽
潤煤p。分謂二1嘱
60∼50%團 50%以下□ 図6 材料別薬剤感受性度 感受性を示した.膿においてはKa, Nd, Cr, CM, SM, Pb, Pcbは60%以下の感受性分布を示した. グラム陽性菌感染症では,尿においてはGm,膿 においてはCr, Tc, Gm,咽頭・疾においてはCr, Tc, Tm, Kn, GmにgO%以上が感受性を示した.膿においてPc, EM,正M, CM, i, Cliの感
受性分布は65%以下に低下した.
7.新抗生剤の薬剤感受性度(図7)
年々新抗生剤が開発され登場するが,最近3年 ぐらいの問に発売された新薬から,近々発売予定
園生剤 ロ種 鵬リンジョ Cシン タこ 潟 隣シ N黄 ’ノサイ ワン 児物 り匁リ功 ツン ,’ C勇 誘酸 由ミ
_
ジペカリノ“ Vン物 ルノ Vリン 大腸菌 ::::1: :::1:: ;三:: クレブシェラ 嵩1 緑脹菌 篠 の の 一 羅 鞘: ::::苓 プトウ球菌 :1:ll :::ll 霧 ㌃ヒ1: 三:1∫ 腸球菌 ≒:::1 (十)瞬}の・布糊甥
60∼5Q%圃 50%肝□ 図7 新抗生剤の薬剤感受性度 のものも含めて,その都度中豊における臨床材料 よりの新鮮分離株100株以上につき薬剤感受性検 査を行ない,一濃度ディスク調製のための資料と して提供してきたので,その結果についてまとめ た。15種類の新抗生剤のうちジョサマイシン,フ ルクロキサシリン,リファンピシン,クリンダマ ィシン,フシジン酸は,グラム陽性菌のみに感受 性を示した.ジベカシンは特に緑膿菌と黄色ブド ウ球菌,表皮ブドウ球菌に100%感受性を示し, その他のグラム陰性桿菌には90%以上の感受性分 布を示したが,腸球菌,レンサ球菌,肺炎球菌は 耐性を示した.セファレキシソ,セファゾリン, ミノサイタリンは大腸菌,クレブシェラ,ブドウ 球菌に90%以上の感受性分布を示し,緑膿菌,腸 球菌には耐性を示した.腸球菌に対する新抗生剤 としては,フシジン酸は100%,リファンピシン は89%,フルクロキサシリンは78%感受性を示し た. 8.広域合成ペニシリン感性度の比較(表1) アンピシリン,カルベニシリン,スルペニシリ ンはいずれも6一アミノペニシラン酸(6APA) の誘導体であるので,これら三者の抗菌スペクト ラムについて検討した.各種臨床材料より分離さ れた起炎菌233株について一濃度ディスク法で薬 剤感受性検査を行なった結果について,帯と朴の 感受性度を示すものを感受性として表中升で表 し,十と一を示すものを耐性として一で表した. 3者の成績が一致したものは182/233(78.1%)で, 51/233(21.9%)の3者の成績の不一致を認めた. これら51株の不一致の中で16株(6.9%)を占め るものは,アンピシリンとカルベニシリンに耐性 で,スルベニシリンのみに感受性を示すもので, これは緑膿菌27下中の15株(56%)とブドウ球菌 の1株であった.また不一致の中の13株(5.6 %)は逆にアンピシリンとカルベニシリンに感受 性で,スルベニシリンに耐性のものでこれは,腸 球菌16承引の12株(75%)であった. 9.ゲンタマイシン感性度の推移(図8) アミノグリコシッド系抗生剤の中で,極めて耐 性菌ができにくいと言われているゲンタマィシン が使用されてから5年間の耐性菌の出現状況を, 三年4月∼6月目3ヵ月間の新鮮分離菌に対する 表1 広域合成ペニシリン感性度の比較 1 1 1 @ 旨カルベアンピ iニシリシリン 1ン スルベ jシリ 大腸菌ζニテi鍵ζ緯菌1
@ 1II
齧吹E・ウー納
四脚菌映編菌 l l 1菌 合計 % 露悪 1 升 29 12 1 1 113 50 1 2 8
115 一221 1 26
1 107 1 1 [ 1
67 78.1 一 升 什 3 i l l I 23 1 2
1 11 4.7 一 一 ・H・ 15 i 1 16 6.9 什 一 一 1 4 1 8 3.4 一 升 什 一 121
13 5.6 一 什 一 1121
1 0.4 朴 一 ・H・ _!_團■■■1■一■■團轟! 1 2 2 0.9 合 計 55 一 13 一 32 一 27 1 Q6 i 54116 110
233 100.0 表中感性度 帯と什を卦,十と一を一で表す,数字は菌株数45 4ア 49 45 47 40 45 4ア 4つ 45 47 43 45 47P 49 45 47 49穿 図8 ゲソタマイシン感性度の推移
『
皿・・ 國・ 感性検査について調べた,大腸菌においては, 47年度に5株/293株1.7%,48年度に1株/309株 の耐性菌を認め49年度は0/275株であるが, 45年掛はGmの感性野冊を示すものが95%,升を 示すものが5%であったが,次第に什を示すもの の割合が増加し,49年度は帯を示すものが81%に 減少し,什を示すものが19%に増加を示してい る.クレブシェラは5年間に計400株中耐性を示 すものは1株も認めなかった.プロテウスは49年 度に始めて3株/60株の耐性菌を認めた.緑膿菌 は46年度から耐性菌の出現を認め,49年度は4株/ 122株の耐性菌を認めた.その他のグラム陰性桿 菌においては48年度5%,49年度6%の耐性菌を 認めた.ブドウ球菌は48年度と49年度にそれぞれ 240野中1株ずつの耐性菌を認めた. 10.膀胱炎起炎菌の変遷(表2) 数ヵ月にわたり繰返し尿培養を行なった数例に ついて起炎菌の交代現象を展望した.第1例は始 め』4種薬剤耐性のク.レプシェラが尿1ml当り10 万以上の凹凹検出されたが,5種薬剤耐性の緑膿 菌に交代し,次で6種薬剤耐性の大腸菌,7種薬 剤耐性のエロゲネス,6種薬剤耐性のクレブシェ ラに交代し,始めから2ヵ月後に3種薬剤耐性の 大腸菌に交代したのち治癒におもむいた.第皿例 は5月から8月の経過中に定量培養で時々菌は陰 性化するが,再発のたびに前回と異なる菌が105 以上に検出された.調製例は7月から9月の問に 緑膿菌,カンジダ,腸球菌,プロテウスと抗生剤 の影響で2次的に増殖したものと考えられる弱毒 菌が105以上に増殖しつづけ,治癒することなく 膀胱炎が慢性に経過した.第IV例は大腸菌が抗生 剤治療の影響でシトロパク聾心に交代し,ずっと 同一抗生剤を使用しているが,次第にカンジダが 増殖して細菌の発育はおさえられ,そのうち自然 治癒力によりカンジダの増殖が抑えられて治癒に 向つたものと思われる.第V例は血小板減少性紫 斑病という原病があり,死亡の約1ヵ月前からカ ンジダと緑膿菌の膀胱炎を繰返し,死亡前10日頃 より血中にlml当り50以上のカンジダ集落の増 殖を認めた. 考 察 各科の感染症を,中農に提出される検体の種類 から見ると,尿培養が最も多く約40%を占めた. 尿培養により膀胱炎の起炎菌と推定された菌は大 腸菌が最も多く約45%,次いでクレブシェラ,プ ロテウス,緑膿菌がそれぞれ8∼9%を占めた. グラム陰性桿菌感染症研究会の調査結果1)におい ても,1967年に分離されたグラム陰性桿菌879株 のうち,大腸菌が43.2%,緑膿菌28.4%,プロテ ウス14.9%,クレブシェラ9.4%を示し,この比 率は数年間ほぼ同一で,いわゆる低病原性細菌に よる感染が,病院内での感染症の大きい地位を占 めていることを示している.化膿巣よりの膿およ び咽頭粘液培養は,黄色ブドウ球菌が起炎菌とし て検出されることが最も多く約30%を占めた.疾 培養は47年度にはグラム陰性桿菌が55%を占めた が,49年度にはグラム陰性桿菌の割合が75%に増 加した.膿培養においても47年度に36%を占めて いたグラム陰性桿菌の割合が,49年度には43%に 増加し,これらはグラム陰性桿菌感染症増加の一 般的傾向を示すものと思われる. 一濃度ディスク法で,10数種薬剤について感性 検査を行なった結果,47年度と49年度の比較で は,個々の薬剤の感受性度にとくに著しい変化は 認められないが,49年度にはCM, Kn, Ka, SM でやや耐性菌の割合が増加し,Tcでは感性菌が やや増加していることを認めた.尿,膿,咽頭粘 液から分離された菌り感性分布の比較では,尿か ら分離されたクレブシェラは,膿,咽頭粘液,疾Q
N
爲 ○H
δN
卜K 妹ム 雪 お お 。刈.. セ)㌧ 鳳る ヤ 心セ 粛 一 卜K .嵐 、払 尽ム ヒ 爲・ ん〉㌧ Nロ ヤや 心セ 〉 ミ Q羅 些矧 鰹煽 口 国 間 分. ミミ蔭 8・ ご騨 わ楓)㍗霞
養(・ 敏ミミ潤 ムiこ㊤ )) 馨幸謹冬二
等じ
ミミ遣 8・o劇
の樋) ‡ 訳隆 iミ・ )鯉 魍ゆ 墾)1卜幸坦
H直
痕§蕪 き9揮 、)・守)
1 )8
R
陣y
9
y
9
y. 9;8
R
8
y
9
5=, 石 蕪 樋 日與 お ○ 閏 1遜 芭 黙Q l卜〉、 トホ おN
おH
守 笥 る 、 お 一 ヤ セ. ヒ 雪 〉 論 二七封
墨渥判
鎚1
§譲鰐
y
9
n雌
寛
弘i
1 )卑1
ミミ蔭 8・ )騨 掴卜 理§) >1剴
λμ
¥ 閤 論 三& キ暉報
躍艦 幸 日差 8・ o劇 り魍) ‡ ミミ薩 8・ o暉 超e 十 〃卜・1卜 榔樋H ・墾加 姻4ぐト 鮫・ム 墾魍へ 樋 図 医 i )y
9
y
gi
8
『 一 頑 蕪1 函: N年 らK 気笥 N口 舅 、お1一
〉、 i>叶
い
曇 § λ K 二 芦 鼻 曹 N 溶 密 撃 重 8. ○ 国 N 瓜 目 掌 δ 活 K 口 口 望1 誉 幸 (8
)y
ヨ 幸 心( .!ト畿 ロ8 、o (8
) 一‘P >1 ゆ ヨ1y
gI
l 幸 (8
) ÷置 1> 色.+1
鍵
R墾。 ‡ (8
0
臥 へ N 十 (8
)8
R
日8
R
猶劃
8
R
胃 Q凝ll重圏・
二目曄
! 層 黙 留 寅緊
i誌
㌧
陰
卜K へ もム タ おN
卜K へ 塾 もム 山 守N
卜K 尽ム タ 〉 釦隊
r雰窯重
濫 魯 菌 ○ ≧ タ ヨ e証 赴矧藤
1一
N
1 ) 縷口 i窒ぼ 嵐お へ一隠
二士
窒。 十覧 §霞e竺
禁↓ ミ。 十砥樋
へ騨
ヒ ノ ワ \肱( ロ瓢十 ム)㌧) 心タo 1 然幸 へ( 笑ミミ ロ840
る 幸 (8
) 幸 ( £ ) 樋 ト 密 瞳 1 )8
R
8
8
R
一y
9
y
9
y
9
石 姦 ÷颪. N 二 目 至 る 月8
○ る 〉 !L刈
Σる 瞥や 駁セ 誉 一 お て ¥ 肴 込 おN
N 筒 る お 一 Σ 瓜 る 勾 § ゐ)\ Σu ヤや 心卜 ヒ 鎚 て ¥ 〉 鳶 Q蕪 唾洲i醐
嵐…o
1§1
1圭 こ§ 細‡醸
囎室 ) 気十 二§唱
温幸 窒iミ履
) 幸 (9
) ・旨 瓜 口 (8
) 魍y
ヨy
9
↑8
R
ゆy
9
8
q
鍛』y
2
8
R
8
y
9
ヨ 蕪 樋振 Q 製 図 溢 出 。り ロ匿 慧( ・に 遜1置巨
蝉)
駆 護 1i榔卦(
.蛍…ヨ (蝉ヨ懸 嘩)畑1) 唾K) )へ〉㌔写N ミ寡躯\1ム音ト
隈卜瓜 ギ娼!トギ 1 瓜翠卦』
瓜。} 圃誉ヨ 釆δ抽8
9
÷図 渥 ・瞳 生・ ・丸 田島 ○ ( ) \λ て笥 わ> 1紙 《ト「 ロ旨 灘’ 髄 お9
恵営 翌埠 ・…怒 瞳畑 1・ = K ト ト ギ N > レ[ト
11卜
iギ
1
○ N 笥 瓜 ギ λ 瓜 ら訴 ト ミ ム K 笥 「卜 圃湊 米獣 お2
○ ○ N 笥 > ll て 笥 ζ ↑ 事 こミ遙
こ ↑ ;: こ寝摂
) 1 争う ヤ ト $2
・・a
屋…怒 ・回 鯉口 。ロユ 虚日 ○ 1 笥 輩出 お2
濫$ 樋梱 趣騨 患 監蜜 ○ 蕪 賢 ヘ ヤ 1ト ム 1ト パ 笥 ヘ ヤ 夢 る 拓 撮 瓜 や 争 1ト み 1ト 捧 ヤ \ ’” 曾 ミ進
気 弘 ゐ 劃 一 ヒ妾 場1卜野
塩ヤ ○ 難 くロ ヤ セ 抵 笥 へ ( 談( 1田 総蔵 )) N>、 ㌧N砥 トへ トセ 甑コ麹
ll
三18
2
翼貯 ・紳 渥郭 ○ くロ N る Σ 卜 瓜 ( (屡 膨盤 懸) ))\ 〉、る てる 受ミ へト く 1 勾 玉 自9
魍 渥幾 ・目 塗・ ・老 生i塁 ○ N 笥 旺心 樋rl うトて 坦日 蔭く巳 N 笥 る 夢 ロ ヘ ミ ( 111 ) N 容 へ ヘ 1 卜 、 冤ト逼 ●8
2
耀
轟
藁
○ ( Q ) 尿 則 る (N
遣
マ へ 制駅 蝕忘 嵐山 選麟 応N 題ヨ お2
迦 ○ 」 ヤ 1卜 卜 る ヤ 二 日 容 田 ) 汎 笥 > 1卜 筒 ロ匿 田 沼2
豊 魍 繭 瞠匠 ・尋 旗螂 ○ ○ 笥 ll て くロ 瓜 る il て ミ ( 田 ) 孟 .( 瓜 自2
○ くロ ’ニム ’” 口 UJ ( ) る ヤ セ K2
2
車瞳 醤麗 ・誕 睡座 ○ 冤 口 中 鳳 \ ”’ 卜 λ ヤ ト 笥 ( ) Σ 〉 ヤ セ 込 富 あ8
一 ● 鳩瞳 ○L
凱 } 紙 \ 「” ヤ 膨 山 「」 笥 ( ) 心 ヤ セ Ll 。( 霞: 吊目 顧一 襲蕊1 三二i ・1 苺9
.1纒1
崖瞳 ○ 概 缶 も n… 笥. へ \ 「〃 卜 る て「
か月分離されたクレブシェラに比し多くの薬剤に 耐性を示す率が多いことを知った. 薬剤感性分布の結果から菌種別に第一選択剤を 想定するならば,一般にグラム陰性桿菌は,Gm, Kには殆ど90%以上が感受性を示すが,例外と してプロテウスはKに感受性を示さず,Gm, Nd, Tc, Pcbに90%以上が感受性1を示す.緑膿菌は Gm, Kの他とくに0, PLBに90%以上が感受 性を示す.またプロテウス以外の腸内細菌はGm, K,f, fsに90%以上が感受性を示す.インフルエ ンザ菌はグラム陰性菌に感受性を示す各種の抗生 剤に高度の感受性を示すが,特にCM, fsに100 %感受性を示す.腸球菌をのぞくグラム陽性球菌 はCr, Tm, Gmなどに90%以上が感受性を示す. 腸球菌はfs, Pbに90%以上が感受性を示した.
A群溶連菌は,EM,工M, CMに約50%が耐
性を示した.生方ら2)によるとA群溶連菌のTc, CM, Macrolide系薬剤に対する感受性分布は2 峰性を示し,耐性側の菌の耐性率はTcでは41.7 %,CMでは3L7%, Macrolideは23.3%に達 し,いずれも交叉耐性を示した.材料別に薬剤感 性度を一見ると,尿ではGm,膿ではGm, K, Cr, Tc,咽頭,疾では, Gm, K, Cr, Tc, Tm, Knな どが90%以上感受性を示した. 新抗生剤15種類(表3)の感性度については, グラム陽性菌のみに感受性を示したものはジョ サマイシソ,フルクロキサシリン,リファンピシ ン,クリンダマイシン,フシジン酸の5種類であ った.ジベカシンは各種のグラム陰性菌およびブ ドウ球菌にほとんど100%感受性を示す特にすぐ れた抗生剤と思われる.セファレキシソ,セファ ゾリソ,ミノサイタリンは,大腸菌,クレブシェ ラ,ブドウ球菌に90∼100%感受性を示す. 広域合成ペニシリンとして,広く使用されてい るアンピシリンとカルベニシリンとスルベニシリ ンの3者の感性分布を比較した結果,特に緑膿菌 は27株中15株(56%)がスルベニシリンのみに感 受性を示し,10株は3者に耐性を示した.腸球菌 は16忙中12株(75%)がアンピシリンとカルベニ シリンに感受性で,スルベニシリンに耐性を示し た.1971年小酒井ら3)はこの3者について日本化 学療法学会標準法により希釈法で最小発育阻止濃度(MIC)を測定した結果,緑膿菌ではMIC
が12.5mcg/m1以下の感受性のものが,スルベニ シリンは16.8%に対し,カルベニシリン2.1%, アンピシリン0を示し,腸球菌はMIC12,5mcg/ ml以下の感受性のものが,アンピシリン100%, カルベニシリン2。9%,スルベニシリン1.0%で あった.したがって今回のわれわれの新鮮分離菌 によるディスク法の成績もこれと同様の傾向を示 していることを知った. アミノ配糖体系抗生剤の中で,耐性菌ができに くいとされているGmについて,45年から各国3 ヵ月間の耐性菌を5年間について調べた結果は, クレブレェラについては耐性菌は認められず,大 腸菌は47年以降各年度約1%耐性菌の出現を認 め,プロテウスは49年度に始めて5.2%出現,緑 膿菌は46年以降1∼5%,その他のグラム陰性桿 菌は48年以降5∼6%,ブドウ球菌は48年,49年 に0.4%の耐性菌の出現を認め,僅かずつではあ るが耐性菌増加の傾向を認めた. 難治性膀胱炎について起炎菌の交代現象を観察 した.例1と例IVでは数ヵ月続いた膀胱炎が,経 過中各種の多剤耐性菌に次々と交代したが,例1 は薬剤感性大腸菌に交代し,例IVはカンジダに交 代したのち治癒におもむいた.例皿はカンジダ, 緑膿菌,腸球菌,プロテウスといわゆる弱毒性2 次感染菌に次々と交代し,数ヵ月に及んでいる. 例Vは予後不良の基礎疾患の末期にカンジダによ る膀胱炎に引き続き,血中にカンジダの増殖を認 め,10日後に死亡した.個々の症例について適正 な抗生剤療法のみで解決のつかない多くの要因が 複雑にからみあっていることを考えさせられる. むすび 抗生剤による感染症の治療もすでに20数年の歴 史を重ね,Pc, EM, LM, CM, SMなどの旧型抗 生剤の感受性度は著しい低下を示した.また年々 新しく開発され登場する抗生剤の中には,刮目に 価するものも見られる.われわれは日常各科の臨 床材料から分離した新鮮分離菌について薬剤感受性検査を施行しているため数次にわたり4)5)6)7)8) 起炎菌の薬剤感性度の集計結果を報告してきた が,感染菌の種類により,各種薬剤に対する感受 性度には,それぞれ特有な変遷を示し,また宿主 側においても病巣内細菌叢の変化,その他各種の 複雑な要因が関与するため,感染症の的確な状況 を把握し,適切な化学療法を行なうためには,臨 床側と検査室側が密接な連携を保って細菌検査が 行なわれなけれぽ感染症治療の進歩ははかれない ものと思われる. 稿を終るにあたり,感性度の集計は中検細菌部井上美 恵子,大橋節子,小林伸太郎,佐次田恵美子諸氏の協力 によるものであることを付記して謝意を表す. (本論文の要旨は昭和49年9月2日,第40回東京女子 医科大学学会総会席上シンポジウム「抗生物質使用法の 進歩」において発表した. 文 献 1)石山俊次:Chemotherapy 17(8)1533(1969) 2)生方公子・紺野昌俊・藤井良知:Chemotherapy 21 (9) 1860 (1973) 3)小酒井望・小栗豊子:新薬と臨床22(7)149 ∼157 (1973) 4)長田富香・木村権蔵・小野田縁・小山元子:臨 床病理7(2)182∼188(1959) 5)長田富香:東京女子医科大学雑誌31(6)267 ∼275 (1961) 6)長田富香=東京女子医科大学雑誌34(12)733 ∼741 (1964) 7)長田富香・渡辺好子・鈴木ミサ子:臨床検査9 (2) 154∼158 (1965) 8)長田富香・池田洋子・渡辺節子・大橋節子・小林 伸太郎:臨床病理 20(9)667∼672(1972)