• 検索結果がありません。

少子高齢社会における主権者としての「子ども」の社会参加促進の取り組み-〈自治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査〉を通して見えること- 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "少子高齢社会における主権者としての「子ども」の社会参加促進の取り組み-〈自治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査〉を通して見えること- 利用統計を見る"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

社会参加促進の取り組み−〈自治体における「子ど

もの参加」に関する実態・意識調査〉を通して見え

ること−

著者

林 大介

著者別名

Daisuke HAYASHI

雑誌名

東洋大学社会学部紀要

52

2

ページ

1-13

発行年

2015-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00008337/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

(2)

The child participation practice in local government in Japan

林 大介

 DaisukeHAYASHI

1 はじめに

⑴ 日本政府批准20年、国連採択25年を迎えた子どもの権利条約  2014年は、子どもの権利条約が日本で批准されて20年、国際連合が採択して25年という節目で あった。権利条約批准後の20年間、国内においては、「児童虐待の防止等に関する法律(通称児童 虐待防止法)」(平成12年11月施行、平成16年10月改正、平成20年4月改正)、「児童福祉法」(平成16 年10月改正、平成20年4月改正、平成21年4月改正)、「子ども・若者育成支援推進法」(平成22年4 月施行)、「いじめ防止対策推進法」(平成25年6月施行)の制定・改正といった、子どもを取り巻く 環境への様々な施策がすすめられてきた。地方レベルにおいても、「子ども条例/子どもの権利条 例」といった子どもに関する条例が33自治体(2014年11月16日現在)1で制定されるなど、福祉・教 育等にかかわる施策が執り行われている。  しかしこの20年間で少子高齢化は進展し、人口に占める65歳以上の割合は〈7人に1人〉から〈4 人に1人〉と増えている。平成5年10月1日時点の総人口と平成25年10月1日時点の総人口とを 比較すると、1億2476万4000人→1億2729万8000人と253万人増えているが、年少人口(0~14歳) は2084万人(16.7%)→1639万人(12.9%)、生産年齢人口(15~64歳)は8702万人(69.7%)→7901 万人(62.1%)、65歳以上人口は1690万人(13.6%)→3189万8千人(25.1%)、である2 さらに、不登校やいじめ、子どもへの虐待・体罰、子どもの自殺、そして近年は“子どもの貧困” がクローズアップされる等、子どもを取り巻く社会環境は相変わらず芳しくない。「子どもの自己 肯定感」の低下も常に指摘されており、今を生き、これからの時代を生きていく子どもたちにとっ ては、非常に生きにくい状況とも言える。 ⑵ 社会に対する子どもや若者の意識 平成26年6月に内閣府が公表した「平成25年度我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」3

(3)

よると、日本の若者の政治に対する関心度は、『関心がある』が50.1%(「非常に関心がある」9.5% +「どちらかといえば関心がある」40.6%)であり、『関心がない』(「どちらかといえば関心がない」 25.6%+「関心がない」16.9%)は42.6%であった。調査に参加している7か国を比較すると、最も 関心が高いのはドイツ(69.0%)で、以下、韓国(61.5%)、アメリカ(59.4%)、英国(55.8%)、フ ランス(51.8%)、スウェーデン(46.4%)となり、日本は6番目となっている。  また、同調査での「私の参加により、変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれない」と いう問においては、51.1%が『そう思わない』(「どちらかといえばそう思わない」29.9%+「そう思 わない」21.2%)となっており、7か国中唯一、半数を超えており、『そう思う』(「そう思う」6.1% +「どちらかといえばそう思う」24.1%)と『そう思わない』の差が20ポイント以上も離れている4  しかし一方で、「子どもや若者が対象の政策や制度は対象者に聞くべき」について67.7%が『そ う思う』(「そう思う」25.0%+「どちらかといえばそう思う」42.7%)と答えている。政策決定過 程への関与について当事者としての声を聞くべきだとの声は7割を下回っているものの、他国と 比べるもそれほど低くは無い(韓国77.1%、アメリカ72.7%、英国73.3%、ドイツ79.2%、フランス 70.9%、スウェーデン77.0%)。  日本の子ども・若者の半数は「政治への関心」があり、「自分の参加によって社会現象が変えら れる」とは思わないものの、「自分たちが対象となる政策や制度については自分たちに聞くべき」 であるというこの結果からは、当事者である子ども・若者にとって、ひとまず「自分たちの思いを 聴いて欲しい」と考えているのである。  世界の中で、図抜けて少子高齢化が進んでいる日本において、ますますその割合が減っていく子 ども・若者であるが、子ども・若者の声を聴き、政策や制度に反映させていったら良いのか。そも そも、選挙結果の影響をより長く受けるのは、今、投票できる有権者ではなく、投票はできないが、 今を生き、次代を生きていく世代なのは言うまでもない。

2 『自治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査』から見えること

⑴ 『自治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査』の実施背景  これからの社会を担っていく子どもが主権者としての意識を育み、地域社会の担い手として成長 や活躍していくためには、子ども時代の経験・体験が何よりも大きな影響を与えることは言うまで もない。そこで、科学研究費助成事業「研究活動スタート支援」〈「少子高齢社会における主権者と しての「子ども」の社会参加推進のための総合的研究」〉の一環として、各都道府県及び市区町村 (約1800自治体)の子ども施策担当者を対象に、【自治体における「子どもの参加」に関する実態・ 意識調査】(2014自治体調査)を行った。 この調査では、子どもが育ち学ぶ、学校・施設・議会・各行政機関の職員を対象に、子どもが日

(4)

常生活を過ごしている各自治体における「子どもの参加」に関する考えや、実際の取り組み内容に ついて聞くことを通して、「自治体における子どもの参加」施策の現状や課題を把握し、地域社会 において、どのようにして子どもが主権者として成長を育むことができるのか、これからのあり方 を深めていくことを目的とした。 なお、同様の調査は、子どもの権利条約総合研究所が、2004年1月~3月にかけて実施した『「地 方自治と子ども施策」全国自治体調査』(以下、2004自治体調査)5がある。この調査は、権利条約批 准から10年を経過した自治体における子ども施策の進展状況を把握することを目的としており、子 ども計画の総合化と関連部課の連携、子どもの権利に関する条例制定と条例に立脚した施策推進、 子どもの意見を反映させる取り組み、子どもの救済制度、といった特色がまとめられている。必要 に応じて、「2014自治体調査」と「2004自治体調査」について比較検討を行いたい。 ⑵ 『自治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査』の概括 今回の自治体意識調査を概括すると、子どもの権利保障を基盤とした子ども施策が地方自治体に おいて普及してきていることが挙げられる。自治体における子ども施策の推進においては、「子ど もの参加」に取り組んでいる自治体は53.3%と過半数を超え、県(78.9%)や区(87.5%)における 子どもの参加率は極めて高くなっている。子ども参加の内容としては、「子ども会議・子ども議会」 33.4%、「審議会への参加」22.4%、「子ども施設の設計・運営等」10.5%となっている。 子どもの参加による「子どもの変化や成長があった」かにおいては、「子ども議会・子ども会議」 や「審議会への子ども参加」では7割を超え、「子ども施設の設計・運営」では47.9%にとどまった。 子ども自身が自ら意見を出し、議論に参加する機会があるほうが、子ども自身の変化や成長につな がっていると言えよう。 また、自治体における子ども参加の課題(自由記述)としては、「組織、体制の確立」や「おと なの意識」を挙げる自治体が多く、特に、村や町などの自治体基盤が小さいところほどそれが顕著 であった。 一方で子ども参加を促進するために必要なこととしては「学校教育以外でも子どもに関する施策 はあるため、必要に応じて子どもの意見を聴く」が59.4%と6割近く、次いで、「学校教育などの 場面で、子どもの意見を尊重する」が54.2%であり、学校教育および学校教育以外のあらゆる場面 において、子どもの意見を尊重することの必要性を感じている自治体が過半数を超えている。 このように、子ども参加に取り組む自治体が過半数を超えるなど、行政施策の推進において、当 事者である子ども参加を意識した取り組みが増えてきていると言える。 【調査の概要】 ○目的 子どもが日常生活を過ごしている各自治体における「子どもの参加」に関する考えや、実際の取 り組み内容について質問することで、「自治体における子どもの参加」施策の現状や課題を把握

(5)

し、地域社会において、どのようにして子どもが主権者として成長を育むことができるのか、こ れからのあり方を深める ○対象 部署名を記さずに「各都道府県及び市区町村の子ども施策担当者」(子どもが育ち学ぶ、学校・施 設・議会・各行政機関の職員)宛てに送付。①複数部署にまたがる場合は代表する(とりまとめ を担当する)部署が、②他部署に関する施策(他部署が担当している施策)の場合は当該部署に それぞれ回答を依頼する旨を記した ○実施期間 2014年2月15日~2014年3月31日 ○実施方法 アンケート票を送付し、担当者に記入してもらった回答票を回収 ○送付先および回答状況 ・送付先:1789自治体 都道府県=47、政令市=20、市=770、区(東京23区)=23、町=746、村=183 ・回答:458自治体/回答率25.60% 都道府県=19/40.43%、政令市=8/40.00%、市=236/30.65%、 町=157/21.05%、村=28/15.30%、不明=2 なお本稿では、紙幅の関係もあり、【自治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査】 における各設問の特筆すべき点を取り上げる。全体の報告については、2015年3月発行予定の【自 治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査 報告書】をご覧いただきたい。

3 『自治体における「子どもの参加」に関する実態・意識調査』調査結果の分析概要

Ⅰ 自治体における「子ども施策」の担当部課について ⑴ 子ども施策の担当部課について  「子ども施策」の担当部課(複数回答)は、「児童福祉関係」(388自治体/84.7%)、「教育委員会  学校教育」(318自治体/69.4%)、「教育委員会 社会教育/生涯学習」(314自治体/68.6%)の3つが ほとんどで、「母子保健関係」(213自治体/46.5%)、「青少年健全育成関連部課」(162自治体/35.4%) と続く。  自治体種別ごとに見た場合、区では「教育委員会 学校教育」の割合が37.5%と低く、「青少年 健全育成関連部課」が62.5%と高くなっている。 2004自治体調査6においては、児童福祉関連(91.6%)、母子保健関連(86.0%)、教育委員会学校 教育課(72.4%)、教育委員会社会教育・生涯学習(80.3%)、青少年健全育成関連(47.0%)、と多

(6)

岐に渡っており、今回のほうが、担当部課が集約されてきていることが伺える。 ⑵ 子ども施策の推進方法  子ども施策の推進方法は、「各部課で独自に施策を計画・推進」(280自治体/61.1%)、「各部課が 施策を所管しているが、各部課から担当者が集まる企画会議や推進会議などを設置」(106自治体/ 23.1%)、「施策の企画等を複数の部課が横断的に所管」(51自治体/11.1%)、「その他」(17自治体/ 3.71%)となっている。  自治体種別ごとに見た場合、県は「各部課が施策を所管しているが、各部課から担当者が集まる 企画会議や推進会議などを設置」が63.2%と高く、「各部課で独自に施策を計画・推進」は15.8%で ある。区も「各部課が施策を所管しているが、各部課から担当者が集まる企画会議や推進会議など を設置」が62.5%で、「各部課で独自に施策を計画・推進」は37.5%であった。  また、子ども施策の推進にあたり「施策の企画等を複数の部課が横断的に所管」している自治体 のうち、連絡調整を目的として新たに部課を設置した自治体が11あった。新たに部課を設置した自 治体としては、千葉県船橋市(子ども政策課)、岩手県釜石市(子ども課)、秋田県秋田市(子ども 未来部)、長崎県長崎市(子ども部)などがある。  2004自治体調査7では、「各部課で独自に施策を計画・推進」が72.1%、「各部課が施策を所管して いるが、各部課から担当者が集まる企画会議や推進会議などを設置」が17.8%であり、10年を経て、 子ども施策の推進においては、各部課から担当者が集まる企画会議や推進会議などを設置する自治 体が増えている。 図1 「子ども施策の担当部課」(MA)と 自治体種別 のクロス表 N=458  自治体種別 問1「子ども施策の担当部課」 計 1.教育委 員会 学校 教育 2.教育委 員会 社会 教育/生涯 学習 3. 教 育 委員会 総 務・人権担 当 4.教育委 員会 その 他 5.児童福 祉関係 健関連6.母子保健全育成関7.青少年 連 8.企画関 連部 9.その他 県 度数% 63.2%12 57.9%11 42.1%21.1%78.9%15 42.1%52.6%10 26.3%31.6%6 19 市 度数% 68.4%167 64.3%157 13.9%34 12.7%31 87.7%214 46.7%114 41.4%101 10.2%25 6.1%15 244 区 度数% 37.5%50.0%25.0%62.5%75.0%25.0%62.5%25.0%25.0%2 8 町 度数% 72.6%114 77.1%121 7.6%12 8.3%13 82.2%129 46.5%73 24.8%39 12.1%19 1.9%3 157 村 度数% 75.0%21 71.4%20 7.1%0.0% 82.1%23 53.6%15 17.9%7.1%  28 未回答 度数% 50.0%50.0%50.0%0.0% 50.0%50.0%100.0%0.0% 100.0%2 2 合計 度数% 69.4%318 68.6%314 12.9%59 11.6%53 84.7%388 46.5%213 35.4%162 11.6%53 6.1%28 458

(7)

Ⅱ 自治体における「子ども参加」全般について

⑴ 自治体における施策推進における「子どもの参加」  子ども施策の推進において、「子どもの参加」に「取り組んでいる」自治体は244自治体(53.3%) で、過半数を超えた。一方で、「取り組んでいない」自治体も166自治体(36.2%)あり、4割弱の 自治体が子ども参加に取り組んでいない。  自治体種別に見ると、県(78.9%)や区(87.5%)は子ども参加に取り組んでいるが、町は 42.7%、村は35.7%でしか取り組んでおらず、村の50.0%は取り組んでいない。  また、実際に取り組んだ「子ども参加」の具体例としては、「学校建設に伴う基本設計への意見 の反映~小・中学生」(北海道滝川市)、「中学校生徒会サミット」(岐阜県中津川市)、「高校生代表者 会議」(沖縄県)、「子ども議会」(北海道壮瞥町、青森県むつ市、秋田県仙北市、神奈川県鎌倉市、神 奈川県葉山町、群馬県藤岡市、石川県野々市、愛知県知立市、佐賀県江北町、鹿児島県屋久島町な ど多数)、などが挙げられる。 ⑵ 「子どもの参加」に対する考え 自治体の担当部課における子ども参加に対する考えは、「子どもも一人の市民(主権者)として、 その意見を把握することは必要なことである」(107自治体/23.4%)、「施策の対象が子どもの場合 は、その意見を把握することは必要なことである」(91自治体/19.9%)、「子どもは成長途中にある が、年齢に応じて意見を把握する必要がある」(61自治体/13.3%)、「教育の一環として、子どもか ら意見を聞くことで子どもの成長に活かすべきである」(9自治体/2.0%)であった。  政令市や区は「施策の対象が子どもの場合は、その意見を把握することは必要なことである」が 5割を超えた(政令市62.5%、区50.0%)。

Ⅲ 自治体における「子ども参加」の個別施策

⑴ 「子ども議会」「子ども会議」に取り組んでいるか(○は1つ)  「子ども議会」「子ども会議」については、「取り組んでいない」(195自治体/42.6%)、「取り組んで いる」(153自治体/33.4%)、「以前は取り組んでいたが今は取り組んでいない」(76自治体/16.6%)、 「現在は取り組んでいないが今後取り組む予定(計画中)」(16自治体/13.3%)、「検討したが取り組 んでいない」(13自治体/2.8%)であった。  「子ども議会」「子ども会議」に「取り組んでいる」自治体の内訳としては、県47.4%、政令市 37.5%、市37.7%、区37.5%、町28.0%、村14.3%で、「取り組んでいない」自治体の内訳は、県 36.8%、政令市37.5%、市36.0%、区37.5%、町48.4%、村67.9%と、町や村での実施が少ない。

(8)

 また、「子ども議会」「子ども会議」で対象とする年齢・学年は、中学生世代が38.4%(176自治体)、 小学生世代が34.9%(157自治体)であった。37.5%の政令市が高校生世代を対象にしている。  2004自治体調査8では、「「子ども議会・子ども会議を現在行っている」自治体は17.8%であり、比 較すると2倍に増えている。  「子ども議会」「子ども会議」に取り組んだ自治体において、「子ども議会」「子ども会議」での子 どもの意見については、「反映された」が148自治体/64.6%で、「反映されなかった」が16自治体/ 26.6%であった。  実際に反映された子どもの意見としては、「大型児童センターの愛称等」(北海道石狩市)、「防犯 灯の増設についての意見が出ていることを受け防犯灯設置の定期的な現地調査の際に、通学路につ いてこれまで以上に注意を払う」(埼玉県吉川市)、「街灯の増、子どもバス料金の軽減、学校設備の 改修」(北海道士別市)、「子どもの権利条例の制定」(北海道北広島市)、「子どもの目線による公園づ くり、遊び場の確保」(滋賀県近江八幡市)などがある。  子どもが参加することによる子どもの変化や成長が「あった」が75.7%、「なかった」が2.0%、「そ の他」20.4%であった。 ⑵ 審議会への子ども参加に取り組んでいるか(○は1つ)  審議会への子ども参加については、「取り組んでいない」が92.6%(424自治体)と9割を超え、「取 り組んでいる」が22.4%(11自治体)、「検討したが取り組んでいない」が2.0%(9自治体)、「以前 は取り組んでいたが今は取り組んでいない」が1.1%(5自治体)となっている。 2004自治体調査9では、「審議会への子ども参加に取り組んでいる」自治体は0.9%で、取り組む自 治体が増えている。 図2 『子どもの参加』に取り組んでいるかと自治体種別のクロス表 N=458  自治体種別 取り組んでいる 今は取り組んで問3『子どもの参加』に取り組んでいるか 合計 いない 今後取り組む予定 検討したが取り組んでいない 取り組んでいない 未回答 県 度数% 78.9%15 0.0%0.0%0.0%21.1%0.0%100.0%19 市 度数% 55.3%135 6.1%15 3.3%1.6%32.8%80 0.8%100.0%244 区 度数% 87.5%0.0%0.0%0.0%12.5%0.0%100.0%8 町 度数% 42.7%67 4.5%3.8%3.8%38.9%61 6.4%10 100.0%157 村 度数% 35.7%10 0.0%3.6%7.1%50.0%14 3.6%100.0%28 未回答 度数% 0.0%0.0%0.0%0.0%100.0%0.0%100.0%2 合計 度数% 51.1%234 4.8%22 3.3%15 2.6%12 35.4%162 2.8%13 100.0%458

(9)

 取り組んでいる自治体は、北海道札幌市、北海道鹿部町、北海道札幌市、青森県青森市、東京都 世田谷区、東京都立川市、岐阜県多治見市、愛知県豊田市、三重県桑名市、愛媛県大洲市、高知県 である。 審議会で対象とする年齢・学年は、高校生世代が62.5%、中学生世代が50.0%であった。 審議会に取り組んだ自治体において、審議会での子どもの意見については、「反映された」が 93.8%(15自治体)で、「反映されなかった」が6.3%(1自治体)であった。審議会が行政機関の中 できちんと位置づけられているからか、「子ども議会」「子ども会議」よりも、審議会における子ど もの意見のほうが反映されている。 審議会に子どもが参加することによる子どもの変化や成長が「あった」が72.7%、「なかった」が 0%、「その他」が18.2%であった。 ⑶ 子ども施設の設計・運営等において、子ども参加に取り組んでいるか(○は1つ)  子ども施設の設計・運営等における子ども参加については、「取り組んでいない」が83.8%(384 自治体)と8割を超え、「取り組んでいる」が10.5%(48自治体)、「現在は取り組んでいないが今 後取り組む予定(計画中)」と「検討したが取り組んでいない」がともに1.5%(7自治体)、「以前 は取り組んでいたが今は取り組んでいない」が1.3%(6自治体)となっている。  2004自治体調査10では、「子ども施設の設計・運営等における子ども参加に取り組んでいる」自治 体は1.7%であり、2014においては増えていることがわかる。  自治体種別に見ると、「取り組んでいない」村が96.4%(27自治体)、町が86.0%(135自治体)、市 84.8%(200自治体)、県79.0%(15自治体)と高く、政令市と区は37.5%(それぞれ3自治体)と低い。 実際に取り組んだ内容としては、「山形県こども館の運営」(山形県)、「児童センターの設計段階 で子どもの意見を聴いた」(長野県松本市)、「学校のトイレ改修ワークショップ」(宮崎県宮崎市)、 「東日本大震災津波を被災したことによる新校舎設計」(岩手県岩泉町)などがある。また、その際 の子どもの参加形態は、「アンケートなどで子どもの意見を施策に反映」68.5%(37自治体)、「参 加者として」が42.6%(23自治体)、「おとなが企画した内容に子どもも参加」が38.1%(21自治体)、 「企画そのものを子どもが運営」27.8%(15自治体)、「設計・運営等における委員の一員として」 14.8%(8自治体)となっている。 また、子どもの意見については、「反映された」が94.4%(51自治体)で、「反映されなかった」が1.9% (1自治体)であった。反映された意見としては、「事業内容に反映(山形県こども館の運営)」(山 形県)、「設備の一部が導入(児童センターの設計段階で子どもの意見を聴いた)」(長野県松本市)、 「トイレブースの形状を変更・男女兼用のトイレを男子と女子別々に分けた(学校のトイレ改修ワー クショップ)」(宮崎県宮崎市)、「設備教室配置等(東日本大震災津波を被災したことによる新校舎 設計)」(岩手県岩泉町)である。 なお、子ども参加に取り組まなかった理由としては、「検討したことがない」(県)、「子どもと身

(10)

近に接している有識者や保護者の意見を聞けば目的は達成されるため」(市)、「施設の建設計画な し。」(町)、「子ども参加に取組む意識が低い。」(町)、「意見集約が困難な為」(町)、「設計・運営等に ついて、直接的な意見を子どもから取ることは、むずかしいため、保護者からの意見に子どもの意 見が包括されていると考えている。」(村)などである。 子ども施設の設計・運営等に子どもが参加することによる子どもの変化や成長が「あった」が 47.9%、「なかった」が4.2%、「その他」43.8%であった。 ⑷ その他、子どもに関する施策において子どもの意見を聴いたり、子ども自身が自治体施策に参 加できる機会について その他の子ども参加の機会については、「ある」が19.4%(89自治体)、「ない」が67.7%(310自治 体)である。 「その他の子ども参加の機会がある」自治体においては、「パブリックコメント」(新潟県新潟市、 千葉県流山市、神奈川県茅ヶ崎市、長野県野沢温泉村、大阪府門真市、広島県江田島市、愛媛県新 居浜市等)、「総合計画を策定する時」(滋賀県多治見市)、「子どもの権利に関する推進計画策定のた めの子ども対象アンケート」(長野県松本市)、「子ども条例の中で、「子どもの意見を聴く機会」を 設けることとしている。」(岡山県笠岡市)、「子どもの権利推進委員会」(岩手県奥州市)、「中学生ま ちづくりフォーラム(子ども議会)」(新潟県上越市)、「子ども議会、ゆめトーク、エコプロジェクト、 中学生地域交流推進事業」(熊本県熊本市)などに取り組んでいる。

Ⅳ 「子ども参加」のこれからのあり方について

⑴ 自治体において、「子どもの参加」を促進するための方法にはどのようなことが考えられるか (○はいくつでも)  子ども参加を促進するための方法としては、「アンケートなどで子どもの意見を施策に反映する」 が81.2%(372自治体)、「自治体が企画する事業に子どもが参加できる方法を取り入れる(委員にな るなど)」が69.4%(318自治体)、「イベントの参加者として」が67.7%(310自治体)、「企画そのも のを子どもに任せて、子どもが運営する(予算などのサポートを自治体が担う)」が38.7%(177自 治体)、「子どもの参加促進のための委員会や審議会を設ける」が13.5%(62自治体)、「子どもの参 加を促進する必要はない」が7自治体(1.5%)、であった。 ⑵ 自治体で「子どもの参加」を促進するために必要なことは何ですか。(○はいくつでも)  自治体で「子どもの参加」を促進するために必要なこととしては、「学校教育以外でも子どもに 関する施策はあるため、必要に応じて子どもの意見を聴く」が59.4%(272自治体)、「学校教育など

(11)

の場面で、子どもの意見を尊重する」が54.2%(248自治体)、「子どもが自己表現能力を身につける ことができる機会を設ける」が45.4%(208自治体)、「子どもとおとなが、世代を超えて互いに尊重 しあい、意見を言い合える場を作る」が37.3%(171自治体)、「子どもに関する施策においては、当 時者である子どもの参加に取り組む」が36.2%(166自治体)、「子ども参加に関する施策を増やす」 が27.1%(124自治体)、「町内会・自治会において、子どもの意見を尊重する」が22.5%(103自治体)、 「子ども参加に取り組むNPOなどの育成や支援を行う」が20.5%(94自治体)、「子どもの声を聴く ファシリテーターや職員を養成したり研修を行う」が18.3%(84自治体)「子ども参加に関する施策 に予算をつける」が13.3%(61自治体)、であった。 ⑶ 自治体における子ども参加の課題と可能性  自治体における子ども参加の課題としては、「組織、体制が確立されていない」(北海道陸別町)、 「参加を促進するための体制の整備」(広島県竹原市)、「教師を含む大人の意識」(茨城県筑西市)、「子 どもの声を正しく把握するには、時間を要する。」(宮崎県えびね市)、「「人」育成は長いスパンでじっ くりと取り組む必要があり、たとえすぐに結果が出ずとも長期的継続的な視点にたつことが必要で ある。」(滋賀県高島市)などであった。  また、自治体における子ども参加の可能性としては、「子どもは地域の中では活動のキーである、 子どもが参加する事業には大人や地域の人が参加し人と人のながりができている。」(岐阜県郡上 市)、「大人だけでは考えつかない自由な感想が得られる可能性がある。かまくら子ども議会につい ては、子どもたちにとっては、本物の議場で発言し、市長や教育長が答弁するという貴重な体験は 大きい、市の施策に関心を持つことで社会参画への意識が深まるのではないかと考える。」(神奈川 県鎌倉市)、「自治体の施策として行えば、子どもたちによる地域の活性化は可能」(鳥取県八須町)、 「子どもたちの柔軟で、率直な意見が、補充・深化されれば斬新な有効施策を生みだす可能性があ る。」(島根県雲南市)、「将来の社会の担い手としての意識の高まり。」(千葉県佐倉市)、「児童生徒 の段階から町の施策や将来像策定などに関わることで、町に対する愛着心の芽生えなどが期待でき る。」(岩手県一戸町)などであった。

4 少子高齢社会における主権者としての「子ども」の社会参加促進に向けて

~結びにかえて~

 権利条約批准から20年を経た今、前述したように少子化は加速しているが、例えば、都市部では 待機児童問題が生じ、地方部では学校の統廃合が進み市町村に小学校や中学校が1つしかない自 治体が存在するなど、子どもを取り巻く環境は自治体によって異なる。そのため「子ども施策」と いっても、同一の取り組みによって効果があがるわけでもなく、それぞれの自治体が独自の施策を

(12)

進展する必要性がある。  だからこそ、子ども施策を取り組むにあたっては、自治体ごとに当事者の声を反映させることが 大事となってくる。確かに、子ども自身は成長途中であり、経験も豊富ではなく、自己の意見を明 確に伝えることに長けているわけではないのは言うまでもなく、子どもの周辺にいる保護者や教師 などが子どもの声を代弁していく意義もある。しかし、経験が豊富ではないからといって意見が言 えないかというとそうではなく、子ども自身も、その地域で生活している一人の住民であり、主権 者である。子ども時代から、地域の一員として大事にされ、その意見が尊重されることがあれば、 地域を愛する気持ちも高まり、その町に対する期待も高まるであろう。しかし、「女子どもは半人 前」という言葉に代表されるように、子どもの声が無視され、聴いてもらう機会が保障されないと、 子ども自身は社会に対して期待が持てなくなり、社会に対する責任感が育たなくなっていくのも事 実である。  地球上の人口は72億人を超え、1年で7000万人が増えている中、人口そのものが減少し始めてい る日本においては、これからの社会の担い手を早期から育てていく必要性がある。ましてや、選挙 権年齢の引き下げが現実味を帯びている現在において、子どもたちが社会に対して主権者として向 き合い、社会に参画していく機会を設けることは、これからの日本社会にとって不可欠である。  まずは、子どもが生活している身近な自治体において、住民としての子どもの参加の取り組みが 拡がっていくことが、自治体の存続にかかっているといっても言い過ぎではないであろう。 注 1:子どもの権利条約総合研究所「子どもの権利条例等を制定する自治体一覧」  http://homepage2.nifty.com/npo_crc/siryou/siryou_jyorei.htm  件数については、「子どもの権利条約フォーラム2014」(2014年11月17日 於早稲田大学)で開催された「おとなシン ポジウム」配布資料より 2:「総務省統計局 人口推計の結果の概要 長期時系列データ」より   http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2.htm#series 3:内閣府「平成25年度我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」。  http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html  日本と諸外国の若者の意識を把握し、日本の若者の意識の特徴などの分析を通して、子ども・若者育成支援推進 法第8条に基づく大綱の推進やその見直しの際の参考資料とすることを目的とした調査。日本、韓国、アメリカ、 英国、ドイツ、フランス、スウェーデン(計7か国)の満13歳から満29歳までの男女を対象に、平成25年11月から 12月までの間に実施。 4:若者の政治に対する関心度は、韓国「そう思う」39.2%、「そう思わない」49.1%、フランス「そう思う」44.4%、 「そう思わない」41.2%、英国「そう思う」45.0%、「そう思わない」37.4%、ドイツ「そう思う」52.6%、「そう思わ ない」37.4%、スウェーデン「そう思う」43.4%、「そう思わない」32.5%、アメリカ「そう思う」52.9%、「そう思わ ない」32.2%、となっている。 5:2004自治体調査については、喜多明人・荒牧重人・森田明美・内田塔子編『子どもにやさしいまちづくり―自治 体子ども施策の現在とこれから』(日本評論社、2004年)にまとめられている。 6:『子どもにやさしいまちづくり―自治体子ども施策の現在とこれから』p.193 7:同書p.194 8:同書p.236 9:同書pp.235-236

(13)
(14)

【Abstract】

The child participation practice in local government in Japan

Daisuke HAYASHI

2014isamilestoneyear.BecauseTheConventionontheRightsoftheChild,‘20ratifiedby theJapanesegovernment,‘25firstUnitedNationsisadopted. However,socialsituationisnotgoodsurroundingthechildrenofJapan,Abuse,childpoverty, bullying,truancy,suchasadecreaseofself-affirmationview. Tolistentothevoicesofchildrenandyoungpeople,tobereflectedinthepolicy,itisvery important.ChildhoodexperienceisasignificantimpactonthegrowthofchildrenInorderto growasleadersofthecommunity. Therefore,theSurveyon“Childrenparticipation”,wascarriedoutbylocalgovernments. Tosummarizethecurrentmunicipalawarenesssurvey,childmeasureswerebasedchildren's rightsguaranteed,andthathasbeenprevalentinlocalgovernment.Ithasbeenfoundfromthe survey,majorityoflocalgovernmentsinthepromotionofadministrativemeasureshavebeen workinginchildparticipation. Infamiliarmunicipalitieschildrenareliving,thatwillspreadthechild'sparticipationinefforts asresidents,restsonthefutureoflocalgovernment.

参照

関連したドキュメント

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

と言っても、事例ごとに意味がかなり異なるのは、子どもの性格が異なることと同じである。その

1  ミャンマー(ビルマ)  570  2  スリランカ  233  3  トルコ(クルド)  94  4  パキスタン  91 . 5 

 親権者等の同意に関して COPPA 及び COPPA 規 則が定めるこうした仕組みに対しては、現実的に機

[r]

□一時保護の利用が年間延べ 50 日以上の施設 (53.6%). □一時保護の利用が年間延べ 400 日以上の施設

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき