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宮崎県におけるネオニコチノイド抵抗性ワタアブラムシの発生

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は じ め に

多くの野菜,花き,果樹の重要害虫であるワタアブラ ムシ(Aphis gossypii Glover)は,吸汁加害による生育障

害やすす病を起こすとともに,多くの植物ウイルスを媒 介することが知られている。本種は1980 年ころから, 有機リン剤やカーバメート剤に対する抵抗性が(浜, 1987),また,1980 年代の終わりころには,合成ピレス ロイド剤にまで高度の抵抗性が確認され(西東,1990), 生産現場では防除に苦慮していた。しかし,1990 年代 以降は,高い基礎活性と浸透移行性に優れた各種ネオニ コチノイド剤の登場により,生産現場の防除は比較的容 易となっていた。 ところが,2012 年に宮崎県,大分県の両県で栽培さ れているピーマンおよびキュウリにおいて,ネオニコチ ノイド剤に対する感受性が低下したワタアブラムシが確 認された(岡崎,2013;MATSUURA and NAKAMURA, 2014)。

2014 年 10 月現在では,和歌山県,高知県にまで感受性 低下が確認された地域が広がっており,今後も各地で問 題となると思われる。 本稿では,ネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシ の発生経緯や各種殺虫剤に対する感受性の情報ととも に,寄生性や抵抗性関連遺伝子に関する調査結果につい て紹介する。 I 発 生 経 緯 2012 年 4 月に宮崎県内の沿岸部で栽培されていた複 数の冬春ピーマン,キュウリ圃場において,ワタアブラ ムシが多発している状況が確認された。本県の施設ピー マンやキュウリ栽培において,問題となる微小害虫(ア ブラムシ類,アザミウマ類,コナジラミ類)に高い効果 を持つ各種ネオニコチノイド剤は,広く使用されてお り,栽培中の散布剤に加えて,特に育苗期や定植時の粒 剤処理は,必須の処理方法となっている。そのため,生 産現場では,ワタアブラムシの発生に対し,各種ネオニ コチノイド剤による防除を行ったが,これまでと異なり 防除効果が十分に得られず,多発したとのことであっ た。前年作では同様の発生が確認されていないため,こ の作での発生が宮崎県での初発生と考えられる。 II ワタアブラムシの採集と薬剤感受性検定の方法 供試虫は2012 年 4 ∼ 5 月に,県内 5 箇所で栽培され ていたキュウリ,ピーマンから採集した個体群を用いた (表―1)。採集圃場はいずれもネオニコチノイド剤散布後 にワタアブラムシが多発した圃場であった。各個体群は 採集後,22℃ 16L8D の飼育室内において,採集植物と 同じ植物を用い累代飼育を行った。 感受性個体群として,2008 年に宮崎市のキュウリか ら採集後,各殺虫剤委託試験の接種用として使用してき た個体群(キュウリにより累代飼育)を用いた。 供試薬剤は市販のネオニコチノイド剤7 剤を用い,5 個体群の常用濃度における補正死虫率を,また,串間市 および日南市A 個体群の半数致死濃度(LC50値)を調 査し,感受性個体群のデータとの比較を行った。 アブラムシの薬剤感受性検定手法は幼苗処理法(熊本 県農研セ,2000)に基づく薬液浸漬法を用いた。検定植 物には,各個体群の累代飼育植物と同じものを供試し た。検定植物は28℃の定温器内で発芽・生育させた播 種6 ∼ 7日目のキュウリ(品種  エクセレント節成2号 ) または播種12 ∼ 13 日目のピーマン(品種  京鈴 )の 幼苗を用い,トリトンX―100Ⓡ(0.1 ∼ 0.2%濃度)を加 用した水道水で希釈した各薬剤に10 秒間浸漬した。風 乾後,無翅雌成虫を1処理につき10頭(3反復)接種し, 25℃ 16L8D の恒温器内に静置し,72 時間後の補正死虫

宮崎県におけるネオニコチノイド剤抵抗性

ワタアブラムシの発生

松  浦     明 

宮崎県総合農業試験場 生物環境部

Development of Neonicotinoid Resistance in the Cotton Aphid

Aphis gossypii(Hemiptera : Aphididae)in Japan.  By Akira

MATSUURA (キーワード:Aphis gossypii,感受性低下,ネオニコチノイド, ワタアブラムシ,薬剤抵抗性,幼苗処理法) 表−1 薬剤感受性検定に供試したワタアブラムシ個体群 番号 採集地 作型 採集作物 採集年月 ① ② ③ ④ ⑤ 宮崎市 串間市 日南市A 日南市B 都城市 冬春 冬春 冬春 冬春 夏秋 キュウリ キュウリ ピーマン ピーマン ピーマン 2012 年 5 月 2012 年 4 月 2012 年 4 月 2012 年 4 月 2012 年 5 月 感受性 宮崎市 ― キュウリ 2008 年 12 月

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率を求めた。 検定植物への接種は,実体顕微鏡下で尾片の形状を参 考に成虫であることを確認しながら,細筆を用い行っ た。また,その際,特にワタアブラムシが口針を自発的 に抜くのを待たずに,細筆をあごの下付近に差し込むよ うにすくい取り移動させた。 III ワタアブラムシの薬剤感受性検定結果 2008 年に宮崎市のキュウリから採集した感受性個体 群のネオニコチノイド剤に対する補正死虫率は96.4 ∼ 100%と高かったが,新たに 2012 年に現地から採集した 5 個体群は,イミダクロプリドが 26.7 ∼ 65.5%,ジノテ フラン0 ∼ 27.3%,クロチアニジン 20.0 ∼ 35.7%,チ アメトキサム7.1 ∼ 42.3%,ニテンピラム 6.7 ∼ 32.1% の低い補正死虫率となり,5 剤に対する感受性低下が確 認された。また,アセタミプリドは86.2 ∼ 100.0%,チ アクロプリドは90.2 ∼ 100.0%となり,この 2 剤の常用 濃度における感受性低下は確認されなかった(表―2)。 宮崎と同じく2012 年に感受性低下が確認された大分県 (岡崎,2013)と2013年に確認された和歌山県(岡本ら, 2014)も,今回の結果と同様に同じネオニコチノイド剤 の中でも,アセタミプリドとチアクロプリドの効果が, 他のネオニコチノイド剤に比べ高い結果となっており, 国内で現在発生しているネオニコチノイド剤抵抗性ワタ アブラムシは,同一の個体群が各地に拡大したのではな いかと推察される。 次に,常用濃度において感受性低下が確認された串間 市と日南市A の 2 個体群の LC50値と抵抗性比を調査し たところ,常用濃度で感受性低下が確認されたイミダク ロプリド,ジノテフラン,クロチアニジン,チアメトキ サム,ニテンピラムのLC50値は,いずれも常用濃度よ り高い値を示し,また,抵抗性比も43 ∼ 687 倍と高か ったことから,この5 剤については,実用上問題になる レベルにまで抵抗性が発達しているものと考えられた (表―3)。 一方,常用濃度において感受性低下が確認されなかっ たアセタミプリドとチアクロプリドのLC50値は,それ ぞれ19.21 ∼ 26.93 ppm,11.08 ∼ 18.48 ppm と常用濃度 よりも低いLC50値であったが,抵抗性比は74 ∼ 104 倍, 17 ∼ 28 倍と高かったことから,今後,実用上問題にな るレベルにまで,抵抗性発達が懸念される結果であった (表―3)。 ワタアブラムシのネオニコチノイド剤抵抗性個体群の 確認は,国内では今回が初めての事例である。海外では 中国のワタ産地から採集されたワタアブラムシのイミダ クロプリドの抵抗性比が40 ∼ 97 倍,アセタミプリドが 17 ∼ 76 倍であったことが報告され(WANG et al., 2007), オーストラリアの同じくワタ産地で,クロチアニジン, チアメトキサム,アセタミプリド(HERRON and WILSON,

2011)に対する感受性低下が確認されている。また,韓 国では,ウリ科とナス科から採集されたワタアブラムシ に対して,ニテンピラム以外のネオニコチノイド6 剤の 感受性を調査しており,いずれの剤も抵抗性比の上昇が 認められている。しかし,今回,宮崎県で採集された個 体群と異なり,クロチアニジンとアセタミプリドの抵抗 性比が特に高く,ジノテフランとチアメトキサムが低い ことが確認されている(KOO et al., 2014)。 宮崎県で発生したネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブ ラムシが海外から侵入した可能性を否定はできないが, 国外で類似した感受性を持つ個体群は見つかっておら ず,国内の生産現場における長年の利用が,抵抗性発達 を進行させたのではないかと考える。 表−2 宮崎県で採集したワタアブラムシ無翅成虫の各種ネオニコチノイド剤に対する補正死虫率

(MATSUURA and NAKAMURA(2014)を改変)

薬剤名 希釈倍数 (倍) 検定濃度 (ppm) 補正死虫率a)(%) 宮崎市 串間市 日南市A 日南市 B 都城市 感受性 個体群 イミダクロプリド水和剤 ジノテフラン顆粒水溶剤 クロチアニジン水溶剤 チアメトキサム顆粒水溶剤 ニテンピラム水溶剤 アセタミプリド水溶剤 チアクロプリド顆粒水和剤 (参考)無処理(水道水) 2,000 2,000 2,000 3,000 2,000 2,000 2,000 ― 50 100 80 33 50 100 150 ― 45.5 27.3 27.3 27.3 13.6 100 100 26.7 26.7 6.7 23.3 26.2 22.4 96.7 90.2 0.0 43.3 0 20.0 42.3 6.7 100 92.3 6.7 57.1 0 35.7 7.1 32.1 100 100 6.7 65.5 3.4 34.5 13.8 20.7 86.2 100 3.3 100 96.4 100 96.4 100 100 100 6.7 a)各処理10 頭× 3 反復の 30 頭供試 .

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IV ネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシに    対する他系統殺虫剤の殺虫効果 これまでワタアブラムシに対する切り札として使用さ れてきたネオニコチノイド剤に対する抵抗性の発達によ り,生産現場において深刻な被害が生じる可能性が想定 されたため,ネオニコチノイド剤の検定と併せて他系統 殺虫剤の感受性についても調査を実施した。調査は 2012 年に前述と同様の手法で行い,遅効性殺虫剤であ るピメトロジン,ピリフルキナゾン,フロニカミドの検 定期間は96 時間とした。 ワタアブラムシは,1980 年代に合成ピレスロイドや 有機リン剤に対する抵抗性発達が問題となったため,県 内で採集されたワタアブラムシの感受性も低いのではな いかと考えていたが,予想に反し,ネオニコチノイド剤 抵抗性ワタアブラムシは,合成ピレスロイド,有機リン, カーバメート系に対して総じて感受性が高かった。ただ し,合成ピレスロイド剤の中では,エトフェンプロック ス,ペルメトリン,シペルメトリンの3 剤の補正死虫率 が感受性個体群より低い傾向が認められた。また,殺ダ ニ剤であるテブフェンピラドの補正死虫率が低く,2008 年に採集したネオニコチノイド剤感受性個体群との比較 において,本剤が唯一大きく異なっていた。 その他系統のトルフェンピラド,ピメトロジン,ピリ フルキナゾン,フロニカミドの感受性も極めて高かった (表―4)。以上の結果から,ネオニコチノイド剤抵抗性ワ タアブラムシの薬剤感受性は,現段階ではネオニコチノ イド剤のみの感受性低下と判断している。実際に現地で の防除においても,ネオニコチノイド剤以外の農薬登録 があるメジャー作物ではとりあえず代替薬剤に困る状況 にはなっていないが,今後,他系統剤での抵抗性発達を 懸念するところである。 一方,農薬登録数が少ないマイナー作物では,ネオニ コチノイド剤が主要なアブラムシ剤となっている作物も あり,抵抗性ワタアブラムシが寄生する作物によっては 問題となる可能性がある。 V ネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシの    寄主植物 ワタアブラムシには寄生性の異なるバイオタイプの存 在が報告されており(西東,1991),ネオニコチノイド 剤抵抗性個体群がどのような寄生性を示すかは防除対策 上重要な情報となる。 ネオニコチノイド剤抵抗性個体群の発生は,現在,宮 崎県ではピーマン,キュウリ,ズッキーニ,大分県では ピーマン,和歌山県ではシシトウ,高知県ではピーマン で確認されているが,宮崎県のキュウリとピーマンから 採集した個体群を6 種類の作物に接種した結果,両作物 の個体群とも,ピーマン,キュウリ,メロン上での増殖 率は20.0 ∼ 48.4 倍と高く,ナス,キク上の増殖率は 1.84.8 倍と低かった。イチゴは 0.1 倍と非常に低く,ほ とんど増殖しないことが明らかとなった(表―5)。また, 2008 年にキュウリより採集した感受性個体群の寄生性 も,抵抗性個体群と同様であったが,キュウリ,メロン, ピーマン上の増殖率が,抵抗性個体群より高い結果とな った。この結果が抵抗性個体群と感受性個体群間の環境 適応度の違いを示すものかどうかは,今後詳細な検討が 必要であると考えている。 VI 遺伝的特性および抵抗性機構 宮崎県内で採集された抵抗性個体群7 系統と 2008 年 に採集された感受性個体群1 系統のミトコンドリア COI 表−3 ネオニコチノイド剤抵抗性個体群の LC50値および抵抗性比

(MATSUURA and NAKAMURA(2014)を改変)

薬剤名 LC50値a)(ppm) 抵抗性比b) 抵抗性個体群 感受性 個体群 串間市 日南市A 串間市 日南市A イミダクロプリド水和剤 ジノテフラン顆粒水溶剤 クロチアニジン水溶剤 チアメトキサム顆粒水溶剤 ニテンピラム水溶剤 アセタミプリド水溶剤 チアクロプリド顆粒水和剤 78.35 393.78 233.69 91.00 79.09 26.93 11.08 53.78 654.00 167.66 89.32 109.51 19.21 18.48 0.31 1.98 0.34 0.37 1.84 0.26 0.66 253 199 687 246 43 104 17 173 330 493 241 60 74 28 a)LC50値はプロビット法により算出した. b)抵抗性比=抵抗性個体群のLC50値/感受性個体群の LC50値.

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遺伝子塩基配列を決定し,DNA データーベースに登録 された種内系統データ(駒崎,2012)と照合した。その 結果,8 個体群はすべて既知の同一のハプロタイプであ り,少なくともCOI 遺伝子塩基配列からは,抵抗性系 統が特異な系統であるとは言えなかった(松浦・ 田, 2013)。 一方,宮崎県内で採集した抵抗性ワタアブラムシ個体 群では,ニコチン性アセチルコリン受容体のアミノ酸の 一部が変異していることがシーケンス解析で確認された (平田ら,2013)。この作用点でのアミノ酸変異は,既に ヨーロッパで発生しているネオニコチノイド剤抵抗性モ モアカアブラムシでも同様に確認されている(BASS et al, 2011)。また,ワタアブラムシでは,中国(SHI et al, 2012)と韓国(KOO et al, 2014)で同様の作用点変異が 既に確認されている。今後は,抵抗性の分子機構の知見 を利用して,正確なモニタリング法である抵抗性遺伝子 診断技術の開発に期待したい。 お わ り に ワタアブラムシのネオニコチノイド剤に対する抵抗性 表−4  宮崎県で採集したネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシのその他系統殺虫剤に 対する補正死虫率 薬剤名 系統名 希釈倍数 (倍)b) 補正死虫率a)(%) 抵抗性個体群 (串間市) 感受性 個体群 エトフェンプロックス乳剤 ペルメトリン乳剤 シペルメトリン乳剤 フェンプロパトリン乳剤 ビフェントリン水和剤 アクリナトリン水和剤 トラロメトリン水和剤 シハロトリン乳剤 MEP 乳剤 ピリミホスメチル乳剤 アセフェート水和剤 ダイアジノン乳剤 メソミル水和剤 アラニカルブ水和剤 ベンフラカルブマイクロカプセル剤 トルフェンピラド乳剤 テブフェンピラド乳剤 ピメトロジン水和剤 ピリフルキナゾン水和剤 フロニカミド水和剤 合成ピレスロイド 合成ピレスロイド 合成ピレスロイド 合成ピレスロイド 合成ピレスロイド 合成ピレスロイド 合成ピレスロイド 合成ピレスロイド 有機リン 有機リン 有機リン 有機リン カーバメート カーバメート カーバメート METI METI その他 その他 その他 1,000 2,000 2,000 1,000 4,000 1,000 2,000 2,000 1,000 500 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 2,000 5,000 4,000 2,000 69.8 77.4 66.0 100 100 100 88.7 89.3 88.7 100 100 100 100 100 100 100 35.8 100 100 100 89.7 100.0 96.6 79.3 100 100 100 100 100 100 96.4 100 100 100 100 100 89.3 96.6 100 89.7 a)各処理10 頭× 3 反復の 30 頭供試 . ピメトロジン,ピリフルキナゾン,フロニカミドの 死虫率の判定は96 時間後,その他薬剤は 72 時間後に判定. b)希釈倍数は常用濃度,常用濃度に幅がある場合は,濃い濃度で検定を実施. 表−5  ネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシの接種 13 日後 の各種作物における増殖率(倍) 供試作物 (品種) 抵抗性個体群/採集作物 感受性個体群 串間市 /キュウリ 日南市 /ピーマン 宮崎市 /キュウリ キュウリ (エクセレント節成2 号) 43.1 a 20.0 a 109.0 a メロン(夏Ⅱ) 44.5 a 21.0 a 150.6 b ピーマン(京鈴) 48.4 a 27.5 b 114.6 a ナス 3.7 b 1.8 c 2.7 c イチゴ(さがほのか) 0.1 b 0.1 c 0.3 c キク(神馬) 4.8 b 4.3 c 2.9 c 数値は3 反復の平均値.試験は 2013 年 2 月に人工気象室内(管 理温度15 ∼ 30℃,平均 20℃)で実施.各作物 3 株の葉上に,各 個体群の無翅成虫10 頭を接種,13 日後に全葉に寄生する成幼虫 数を計測し,増殖率(13 日後の成幼虫数/接種頭数)を算出. 接種時の各作物のステージは,キュウリ,メロン,ピーマン, ナスは播種30 日前後,イチゴは新展開葉 2 枚に調整,キクは定37 日後であった. 異なる英文字間は5% 水準で有意差あり(Tukey 法).

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発達は大きな問題ではあるが,宮崎県では有効な代替剤 が明らかとなったため,現時点では生産現場において大 きな被害にはつながっていない。しかし,宮崎県の施設 ピーマン,キュウリでのアブラムシ防除では,ネオニコ チノイド剤に代わり,ピメトロジンなどの他の系統剤の 使用頻度が増加していることから,今後,これらの剤に 対する感受性低下が進む可能性も否定できず,将来を楽 観視できる状況にはないと考えられる。 このため,今後も継続したモニタリングによる抵抗性 発達の徴候を早期に把握するとともに,気門封鎖剤や生 物農薬等抵抗性発達リスクの低い資材による防除を積極 的に進めていく必要がある。なお,現在,国内ではネオ ニコチノイド剤抵抗性が確認されていないモモアカアブ ラムシについても,既に海外では高い抵抗性が確認され ていることから,今後はモモアカアブラムシの感受性に ついても注意する必要があると考えている。 ネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシの研究は, 2014 年度から始まった農林水産省委託プロジェクト研 究「ゲノム情報を活用した農産物の次世代生産基盤技術 の開発プロジェクト」の中でも進められており,宮崎県 はネオニコチノイド剤抵抗性ワタアブラムシの薬剤抵抗 性管理技術の策定を目的に,参画している。そこで得ら れた研究成果を,今後,生産現場におけるワタアブラム シの薬剤抵抗性を遅延させるための手法構築につなげた いと考えている。 引 用 文 献

1) BASS, C. et al. (2011): BMC Neuroscience 12 : 51.

2) 浜 弘司(1987): 植物防疫 41 : 159 ∼ 164.

3) HER RON, G. A. and L. J. WILSON(2011): Australian Journal of

Entomology 50 : 93 ∼ 98.

4) 平田晃一ら(2013): 第 57 回応動昆大会:50(講要). 5) 熊本県農業研究センター(2000): 九州農業研究成果情報 15 :

455 ∼ 456.

6) KOO, H. N. et al.(2014): Crop Protection 55 : 91 ∼ 97.

7) 駒崎進吉(2012): 植物防疫 66 : 18 ∼ 23.

8) MATSUURA, A. and M. NAKAMURA(2014): Jpn. J. Appl. Entomol.

Zool. 49 : 535 ∼ 540. 9) 松浦 明・ 田 聡(2013): 第 57 回応動昆大会:49(講要). 10) 岡崎真一郎(2013): 九病虫研会報 59 : 108(講要). 11) 岡本 崇ら(2014): 関西病虫研報 56 : 135 ∼ 137. 12) 西東 力(1990): 応動昆 34 : 174 ∼ 176. 13) (1991): 同上 35 : 145 ∼ 152.

14) SH I, X. G. et al.(2012): Jour nal of Food, Agricultur e &

Environment 10 : 1227 ∼ 1230.

参照

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