自転車の安全走行に関する研究
― 平成 23 年度(中間報告) タカタ財団助成研究論文 ―
研究代表者
沼田 仲穂
研究実施メンバー
研究代表者
芝浦工業大学
工学部 機械機能工学科 教授 沼田 仲穂
研究協力者
労働科学研究所
副所長
北島
洋樹
芝浦工業大学
大学院理工学研究科 修士課程 紫藤 聖也
芝浦工業大学
工学部 機械機能工学科 4年 木村 彰宏
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報告書概要
自転車は手軽で便利な乗り物として長年愛用されている.特に,近年,渋滞緩和や温室効 果ガスの削減などにもつながることから見直されつつある.しかし,自転車関連の交通事故 は多く,今後も増加する可能性があり,事故低減に向けた努力が必要である. 自動車と二輪車および歩行者に関しては通行方法が明確であり,事故低減に向けた対策が 多くなされている.特に自動車は道路インフラや法規ばかりでなく,自動車側にも事故低減 策が多くなされている.従って,今後,大幅な事故低減は難しいと考えられる.しかし,自 転車交通においては通行方法が確立されていない部分が多く,道路インフラの整備も遅れて いる.また,軽車両でありながら歩行者に近い乗り物であるとの意識があり,免許制度のあ る自動車に比べて運転者の意識が低く,意識の向上も必要である.このような実態から,自 転車の通行方法を明確にし,道路インフラを整備し,さらに意識を改革することにより,事 故の低減が期待される.しかし,自転車の危険性は指摘されても問題解決の基盤となる自転 車運転者の行動をデータで明確に示した例や人間工学的分析はほとんど見られない.本研究 は,改善の基本となる自転車運転者の行動と意識を実験により明確にする.本年度は,車道 走行が基本とされる自転車がどのように自動車と共存するかを調査した「自転車と自動車の 並進時における通行区分の考察」および自転車と自動車の衝突事故のほとんどが出会い頭の 事故であることから,自転車の接近が自動車運転者に分かれば事故を低減できることを示す 「自転車が近くにいることを示す警報の効果」の2テーマについての研究結果を報告する.目 次
第 1 部 自転車と自動車の並進時における通行区分の考察 第 1 章 はじめに 1.1 研究背景 1.2 研究目的 第 2 章 ドライビングシミュレータ実験 2.1 実験方法 2.2 シミュレータの設定 2.3 実験手順 2.4 回避行動の解析 第 3 章 実車実験 3.1 実験の目的 3.2 実験方法 3.3 実験手順 第 4 章 実際の道路での調査3 / 47 4.1 調査の目的 4.2 実際の道路での接近距離調査方法 4.3 実際の道路の使用状況調査 第 5 章 シミュレータ実験の結果 5.1 心理負担 5.2 回避判定と回避距離 5.3 運転者個々の偏差 第 6 章 実車実験の結果 6.1 実験結果 6.2 シミュレータ実験の妥当性検証 第 7 章 実際の道路での調査結果 7.1 実際の道路での接近距離 7.3 実際の道路の使用状況 第 8 章 考察 8.1 自動車側から見た車道共有 8.2 自転車側から見た車道共有 8.3 自転車と自動車の並進時における通行区分の提案 第 9 章 結論 9.1 自動車側から見た車道共有 9.2 自転車側から見た車道共有 9.3 まとめ 第2部 自転車が近くにいることを示す警報の効果 第 1 章 はじめに 1.1 研究背景 1.2 研究目的 1.3 情報伝達の可能性 第 2 章 ドライビングシミュレータ実験 2.1 実験方法 2.2 警報と自転車出現タイミングの設定 2.3 実験条件 第 3 章 シミュレータ実験の結果 3.1 警報の回避率への効果 3.2 誤報の回避率への影響 第 4 章 結論 謝辞 参考文献
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第 1 部 自転車と自動車の並進時における通行区分の考察
第 1 章 はじめに
1.1 研究背景 自転車は人間の開発した最もエコな乗り物として注目されている.東日本大震災による帰 宅難民問題や震災復興の観点からも,自転車の機動力が見直され,需要が高まっている.自 転車の保有率を見ても,自転車先進国と言われる北欧諸国と肩を並べる位である.しかし, 道路等のハード面のインフラ整備や法律は,他の OECD 諸国と比較しても非常に遅れている. 例えば,自転車専用道・駐輪場の整備の遅れや,自転車の最高速度の規制が事実上存在しな いことなどが挙げられる. 渋滞緩和や温室効果ガスの削減などにもつながるメリットの大きい自転車ではあるが,その 一方で,自転車事故,違法駐輪,放置自転車などさまざまな問題を引き起こしている.近年, 自動車の交通事故が目覚ましく減少しているのに対し,図 1 に示す様に,自転車による交通 事故はますます顕在化する傾向にある 1) 2).交通事故全体に占める自転車関連事故(自転車 が加害者・被害者になった交通事故)の構成率も約 2 割に達し,10 年前のそれに比べて増加 している2). 図 1:交通手段別の死傷者指数推移(平成 10 年との比較)1) こうした事故には,前述したインフラ整備の遅れも原因になっていると考えられることか ら,自転車交通のあり方,現状のインフラをどのように修正していくかが大きな問題である.5 / 47 自転車は日本の法律では,車道左側走行が原則3)であると定められている.しかし,自転 車側から見て,あまりにも速度の違う自動車と並走するのに恐怖を感じている人は少なくな い.一方で自動車側から見ると「狭い道をノロノロ,ウロウロされると衝突する危険性があ る」という感覚は誰もが感じるはずである.しかし,自転車を歩道に追いやると,今度は自 転車と歩行者の問題も出て来る.一方,国土が狭く交通の混雑する場面の多い日本では欧米 諸国の様に幅員を拡張して新規にレーンを設けるのは困難である場合が多く,車道左端にペ イントを施したものが少なくない.また,こうした自転車道は未だ社会実験段階であり,ま だ普及には程遠く,自転車と車の車道共有は今後も暫く続くことが予想される. 1.2 研究目的 本研究では,現状の車道共有に対し,ドライビングシミュレータと実車による実験で, 自動車側から見た,1 車線共有の危険性を実証し,安全な方向に向けた自転車と自動車の間 隔についての考察を行った.具体的手法としては,人間の危険を察知する能力を使用して, 並走する自転車を追い越す際の心理負担から危険性を調べた.更に,自転車と自動車の走行 位置の実測も併せて行い,車道の利用実態を明らかにした.最後に,多岐に渡る実験・調査 を通じて,現状の車道共有の問題(危険性)に対する改善点を見出し,自転車レーンの在り 方に関して,道路左端に自転車道を併設する際の幅員ガイドラインについての提案を行った.
第2章 ドライビングシミュレータ実験
2.1 実験方法 実車で実験することが好ましいが,危険を伴うことが危惧されるため,今回タカタ財団様 の助成金によりシミュレータを購入し,シミュレータ実験を主として実施することとした. シミュレータ実験により種々のファクターの実験を行うことが可能となった.ただし,シミ ュレータ実験と実車実験の違いも考えられるため,後述する実車実験を行い,シミュレータ 実験の妥当性の検討も行った. 実験に使用したシミュレータ画面の例を図1に示す.実験における自転車と自動車の位置 関係を図 2 に示す.自転車と自動車の間隔は,自動車の左ドアミラーから自転車の右ハンド ルまでと定義した(以下,「接近距離」と呼称).図 2 に表した位置関係にて,自動車の速度 を 40・50・60km/h,自転車と自動車の間隔を 50・100・150・200・250cm でそれぞれランダ ムに組み合わせて実施した.すなわち,実施した実験ファクターは,速度 3 種類×距離 5 種 類の合計 15 種類であった.自転車の速度は一般的に車道を走行する速度と考えられる 20km/h とした.被験者は,21~23 歳の男女学生 19 名であった.また,運転スキルについては,運 転免許取得年数が 1~5 年,運転頻度は年 1 回~毎日とさまざまであった. 実験の手順は次の通りとした.被験者には最初に出現物の無い直線コースを走行させる. 次に大通りで左車線を走行し,その際に,道路の左端を走行する 3 台の自転車を追い抜いて6 / 47 もらう.自転車 3 台を追い抜いた後に停止し,ギアを「N」に入れて実験終了となる.被験者 は各実験終了後に,「安全に感じられたか/危険に感じられたか」を主観評価する.主観評価 は図 3 の評価表および数直線を用いてヒアリングし,等間隔になるように評価させた.各尺 度の意味は,1:安全,2:やや安全,3:どちらでもない,4:やや危険,5:危険とし た.走行速度の誤差は±5km/h 以内とすること,車線中央を走行するが,車線内の左右変動 はある程度許可し,車線変更はしないことを教示した. 図 1:実験イメージ 図 2:実験イメージ
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図 3:主観評価の評価表および数直線 2.2 シミュレータの設定 シナリオエディターのイメージ画像を図 4 に示す.今回使用したシミュレータは,マップ 全体が巨大な座標平面となっており,自車が特定の区域(トリガーと呼称,図 4 の黄色・赤 枠内)に入ると,雨が降ったり,車が現れたりする等の「イベント」を組み込んで状況を再 現できる.この状況をシナリオエディターにて表示すると共にインプットできる.
8 / 47 図 4:シナリオエディタ画像 表 1:プログラムの流れ * プログラムの終了はマニュアル操作 今回のプログラムは表 1 に示す 3 つのトリガーで構成されている.また,図 2 に示した 50cm から 250cm の自転車の位置は,それぞれ個々のコースとして登録し,実験者が任意に選ぶこ とが出来るようにした.表 2 にコースと接近距離の対応表を示す.なお,3 コースは練習用 コースが組まれており,約 5 分間の練習走行後に測定エリアに入るよう構成されている.ま た,コースは図 5 のようなインターフェースで選択できる. トリガー番号 内容 0 出発アナウンス 1 自転車表示,信号変更 2 自転車走行開始 表 2:コースと接近距離の対応 1 コース 2 コース 3 コース 4 コース 5 コース 250cm 200cm 150cm 100cm 50cm
9 / 47 図 5:コース選択画面 最後に,図 6 から図 10 に各コースの画面を示す.自転車の並走するコース 5 コースおよ び,前述の出現物の無い直線コースの 6 コースあるが,出現物の無いコースは 3 コースの最 初の自転車無しの場合である.なお,車道の車線幅員は 380cm であった . 図 6:1 コース(接近距離 250cm)
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図 7:2 コース(接近距離 200cm)
11 / 47 図 9:4 コース(接近距離 100cm) 図 10:5 コース(接近距離 50cm) 2.3 実験手順 (1)図 11 に示す,何も出現物のない直線コースを走行し,ログを記録する.ログを記 録することで,直線走行時のハンドルのブレを測定する.ログの解析方法は後述する.この 際の教示事項は以下の通りである.
12 / 47 『このコースは 30km/h かつ,キープレフトで,「停まって下さい」と私が言うまで直進 して下さい.』 図 11:直線コース (2)実験コースや車両特性に慣らすため,練習用コースを走る.なお,練習用コース の末端は測定エリア(図 6~10)になっている.この際の教示事項は以下の通りである. 『これから,路上で 3 台の自転車を追い抜いてもらいます.その際,どの位危険と思った か 5 段階で回答してもらいます.1 が安全,5 が危険,3 がどちらでもない,2・4 はそれぞれ の中間となるように回答して下さい.なお,走行速度は口頭で指示します.3 台自転車を追 い抜いたら,停車し,その後ギアを N に入れて下さい.計測の都合上,必ず,停車→ギアチ ェンジの順で行って下さい. まず,シミュレータに慣れてもらうため,練習コースを走ります.練習コースのラストか ら測定に入ります.測定の前に,口頭で速度の指示を出します.なお,自転車を追い抜く際 は,車線移動をしないようにして下さい.』 (3)測定エリアに入り,1 台目の自転車の後輪が左画面端に達した際にストップウォッ チをスタートさせる.前述の図 1 は,その瞬間である.なお,速度の誤差は±5km/h まで許 容し,超えた場合(60km/h で走行する所を 54km/h で走ってしまった等)はやり直しとした. (4)自転車を 3 台追い抜いた後,停止し,ギアを N に入れ,その瞬間にストップウォッ チを止める(図 12).
13 / 47 図 12:実験終了 (5)自転車との並走時に,危険か安全か,どの様に感じたかを図 3 の数直線を用いて主 観評価してもらい,結果をヒアリングする. (6)5 と同時に,自動車の動きを記録したファイル(今回の機材では CarOperation.csv に保存される)と,自動車の移動軌跡を記録したファイル(CarMoving.csv)を保存する. 以下,これを 14 回繰り返す.なお,速度の指定は実験開始前に口頭で行った. 2.4 回避行動の解析 ドライバは,自転車を抜く前に無意識に回避行動をとる可能性がある.回避行動を取った とすればどの程度移動しているのかを判定するためにログを調べた. 3.4 項の手順の最初において直線コースを走らせたのは,直線走行時に於けるハンドルの ブレ範囲を調べるためである.自転車の回避に相当する横変異があり,かつ,自転車を追い 抜く前にブレ範囲を超えたハンドル入力があった場合に「回避動作あり」と判定する.回避 量は,自転車を追い抜く前~実験終了までの自動車の座標変位で判定した. 次にそれぞれの解析方法の一例を示す. (1)回避動作(ハンドル入力)の有無の判定 まず,直線コースのハンドル入力ログから左右の入力値の範囲を求める(図 13 の不透明 部分). この範囲内の入力は自然な「ふらつき」とし,回避行動解析の際は無視する.
14 / 47 (縦軸がハンドル入力(deg),横軸はコマ数(1 コマ=0.01 秒)である) 図 13:直線コースのログ例 (2)測定範囲 次に,それぞれの実験の自動車座標のログを見る. 上記の直線コースと測定コースのログ から,回避行動を抽出する.道路上の走行方向(x方向)と横方向(y方向)を図 14 のよう に定義する.車道中心の白線左端が y 方向の0点,横断歩道の先端が x 方向の0点となる. 回避行動がある場合に自動車は,自転車を通過する前に右に寄り(y 座標が減る),直進して 自転車を通過後,左に戻る(y 座標が増える)という一連の回避行動が示されるはずである. 図 14:同路面上の座標 自動車の座標変異をグラフ化して,このような「回避行動」があるかどうかを判定する. 判定区間は,「x=-50~実験終了」である.x=-50 とは自動車が直線路に入る座標の事である. まず,図 15 に例を示す,ログの数値データである CarMoving.csv で x=-50~実験終了まで の自動車の x, y 座標変位を抽出し,これをグラフ化する.この例では,1574~2983 コマの範 囲である.これをグラフ化したものが,図 16 である
15 / 47 図 15:測定エリアの自動車座標変位の数値データ 図 16:図 15 のグラフ (3)自動車の座標変異による「回避行動」の判定 図 16 のグラフを見ると,かなりはっきりとした窪みが見られる.しかし,これでは窪んで いる部分がどのタイミングか(自転車を通過している間かどうか)分からないことから,こ のグラフに自転車を通過している間を表示させる. 実験では,自動車が最初の自転車を追い越す際,自転車の後輪が画面左端に来た時に,ス トップウォッチにて時間の計測を開始している.計測は実験終了と同時に終了している.従 って,実験終了のログを抽出し,これから,ストップウォッチの時間を差し引けば,1 代目 の自転車を追い抜くタイミングが分かる. まず,ログの数値データである CarOperation.csv から実験後にギアチェンジした(これが 正確な実験終了であり,以下,「実験終了」と呼称する)コマを探す(図 17).以下に自動車 60km/h,接近距離 50cm を例に挙げる.左から 9 列目がギアのログを示しており,4 は「D」, 5 は「N」を意味する.この例では 2982 コマ目でギアチェンジしており,ここで実験が終了 していることが分かる.1 台目の自転車を追い抜くタイミングを求めるため,先に求めた実 験終了のコマからストップウォッチの秒数を 100 倍して引く(今回のシミュレータ上では,1 コマ 0.01 秒なので 100 倍している).この例では,ストップウォッチの計測時間は 8.11 秒だ ったので,2982 コマ目から 811 コマ前である,2171 コマ目が 1 台目の自転車を追い抜く瞬間 である事が分かった.
16 / 47 図 17:ギアチェンジのログ 次に,自転車の通過を完了した(3 台目が画面から見えなくなる瞬間)コマ数を求める. 今回の実験で追い抜く自転車は,図 18 のような配置になっている.自転車は厳密には 1.9 m と規定されるが4),計算の簡略化のため,2m と仮定して考える.また,自動車の全長も無視 して考える. 図 18:自転車の配置 従って,20km/h で走行する 16m のユニットを自動車が 40・50・60km/h で追い抜くのにかかる 時間を求めることになるので,計算式は, 16÷{(40・50・60-20(相対速度計算))×(103÷602(時速→秒速))} =2.88・1.92・1.44 (sec)となる. これを 100 倍して(シミュレータは 0.01 秒/コマのため),1 台目を追い抜く瞬間のコマ数に 足せば,自転車の通過を完了したコマ数が分かる.今回の場合では,60km/h のファクターな ので,2171 コマに 144 コマを加えた 2315 コマ目が通過完了の瞬間であることが分かる.図 19 に,この範囲を明示したものを示す. 自転車を追い抜いている間,自動車が最も右側にあ る.また,自転車を追い抜く前に右に寄り,追い抜き後左に戻っている.このことより「回 避動作を行った」可能性が高いと推測できる.
17 / 47 図 19:図 16 の追い抜き区間明示(赤線部分) (4)ハンドル入力による「回避行動」の判定 次に,ハンドルの入力から回避行動の裏付けを行う.CarOperation.csv を開き,数値から 左右の最大ぶれ量を求める.今回のシミュレータではハンドル入力がラジアンで出力される ことから,これをエクセルの DEGREES 関数で度数に直す.そして,図 19 で描画した範囲(1574 ~2982 コマ)のハンドル入力と,左右の最大ぶれ量をグラフ化する.図 20 にハンドル入力 のグラフを示す. 図 20:測定エリア内のハンドル入力(太線部分が追抜区間)
18 / 47 最後に,図 19 の横軸を x 座標からコマ数に直し,図 20 との比較を行う.比較を行ったも のを図 21 に示す.1900 コマ目周辺から,自動車が右に寄り始めている.ハンドル入力でも, 2000~2100 コマの間に大きく右と左に入力されている形跡がある.一方,2200 コマ目以降, 自動車が左に戻り始めている.ハンドル入力の方でも,2100~2500 コマの間,左に大きく入 力が見られている.最後に,2500 コマ目以降は軽く右に入力されており,自動車が直進する ように戻っている.以上より,明確に回避動作があったことが示された. 図 21:自車挙動とハンドル入力の照合 (5)回避量の測定 上記において,「回避行動」が判定されたことから,次に,本来の軌道から何 cm ずれて回 避しているのか,「回避量」を調べる.図 19 あるいは図 21 の横変異において,自転車通過前 に安定して直進していた区間に於ける y 座標から,自転車を通過している間に最も右に寄っ た時の y 座標の差を求める.具体的には,図 22 のようになる.
19 / 47 図 22:回避量の取り方 エクセルでは,マウスポインタをグラフ上に置けば座標を表示してくれるので,この区間 の y 座標の差を取る.この例であれば,図 22 の上の黒線が 291.08,下が 289.76 となってい るので,132cm 右に移動して自転車を追い抜いたことになる.
第3章 実車実験
3.1 実験の目的 前述のように,全ての実験を実車にて行うのが理想であるが,危険を伴うことが予想され る.これを解消する有効な手段が,ドライビングシミュレータの利用である.しかし,ドラ イビングシミュレータと実際とでは周辺環境に対する感覚や距離感などが,微妙に異なるこ とも予想される.そこで,シミュレータ実験の結果が妥当か調べるべく,ファクターを限定 して実車で同様の実験を行った.実験はシミュレータ実験にも参加した被験者とし,同じ被 験者のシミュレータおよび実車の結果を比較することを目的とした. 3.2 実験方法 使用した場所の速度制限,幅員構成および安全性の観点から,実施したファクターは「自 動車:40km/h,接近距離:100,150cm の 2 ケースのみとした.なお,接近距離 150cm は,は み出し走行によって再現した(図 24 にて後述する). 実験に利用した場所は,図 23 に示す,埼玉県さいたま市見沼区春岡 3-21~22(幅員(路 肩含む):345cm, 速度制限:40km/h)である.測定日時は 2011 年 8 月 29 日 12:00~12: 30 であった.被験者はシミュレータ実験にも参加した,22~23 歳の男子学生 4 名であった. 使用した自動車は「スズキ スイフト」(ドアミラーを含む車幅は 190 cm),自転車は「ホダ カ フロートミックス」(幅 60 cm)であった.また,自転車には速度計として「キャットア イ エンデューロ 8」を使用した.20 / 47
図 23:実車実験場所の写真および地図 (Google Maps より引用,黒い矢印が写真の場所)
3.3 実験手順
最初に,テープを路面に貼り,自転車の走行位置を明示した(図 24).
21 / 47 走行手順は,次のとおりである. 1:交差点を右折し,コースに入る. 2:40km/h まで加速し,自転車を追い抜く. 3:自転車を追い抜いたら,心理負担の値を同乗者に伝え,記録する. 4:大通りを周回し,1~3 をもう 1 度行う. また,以下に教示事項を示す.同日行った別の実験で同じコースを走っていることから,コ ースにつての詳細説明は省いた. 『実際に公道上で,40km/h で自転車を 2 回追い抜いてもらいます.その際,どの位危険と思 ったか 5 段階で回答してもらいます.1 が安全,5 が危険,3 がどちらでもない,2・4 はそれ ぞれの中間となるように回答して下さい. 1 周目は,車線右ギリギリを走行して下さい.自転車を追い抜いたら,右折し,大通りを周回 して下さい.2 周目は,車線からはみ出し.センターラインが自車の中間に来るように走行し て下さい.なお,対向車両が来た場合は即時中止とします.』
第4章 実際の道路での調査
4.1 調査の目的 安全な自転車と自動車の間隔を求めるには前々項と前項に示す実験が有効と考えるが,実 際の道路における状況も重要である.そこで,実際の道路において自転車と自動車はどのよ うな間隔,すなわち接近距離で走行しているかを調査した. また,道路の幅はさまざまであり,この状況により自転車の運転者は車道を走行するか, あきらめて歩道を通行するかなどを決めているものと思われる.このような状況を調査する ことも大切である. 4.2 実際の道路での接近距離調査方法 日本の横断歩道のゼブラ幅は,45~50cm と法定化されている5).そこで,実際に車道左端 を自転車で走行し,横断歩道通過時に車に追い抜かれる際車の左タイヤがゼブラの何本目を 通ったか目測した.図 25 に実験のイメージを示す.22 / 47 図 25:実験イメージ 測定は,幅員 5m 程度の広い 1 車線直線路で行った.また,自動車が被験者の自転車を避け ることだけに集中してほしいことから,自動車から見える範囲内に他の自転車及び駐車車両 が居ないことを前提とした.また,自転車の速度は 20±2.5km/h で走行した.なお,実験に 用いた自転車は,ブリヂストンサイクル アルベルト(2007 年式)である. 測定は,2011 年 7 月~11 月の 4 ヶ月間,10:00~23:30 の時間帯で,全 112 台(車種問 わず,重機・二輪車は除外)に測定を行った.天候は晴天時のみで実測した.測定に使用した 場所の写真および住所を図 26~29 に示す. 東京都江東区 越中島 3 丁目―5~牡丹 3 丁目―20(片道幅員 5m ゼブラ幅が 45cm) 図 26:測定場所 1
23 / 47 東京都江東区 塩浜 1 丁目―3・4(片道幅員 5m ゼブラ幅 45cm) *駐車車両が多いが,測定はこうした車両が無い時に行っている. 図 26:測定場所 2 Google ストリートビューより引用 東京都江東区 牡丹 3 丁目―20~牡丹 2 丁目―1 (片道幅員 5m ゼブラ幅 45cm) 図 27:測定場所 3 4:東京都中央区 湊 1 丁目―6~新富 1 丁目―8 (片道幅員 4m ゼブラ幅 45cm) 図 29:測定場所 4 Google ストリートビューより引用
24 / 47 以下に測定方法と計算方法を示す. 図 30:目測の基準 「白線かアスファルト」のどちらを通ったかを判定し,更に「左端か真ん中か」を判定す ることで接近距離を記録していく.目測の基準を図 30 に示す.ただし,目測では「自転車の タイヤから自動車の左タイヤ」までを測定しているが,実際の接近距離は「自転車の右ハン ドルから自動車の左ドアミラー」までなので,補正する必要がある.今回使用した自転車の ハンドルバーの幅は 50cm であり,自動車のドアミラーは法令 6)を参考にどの車種でも一律 20cm と仮定した.従って,目測結果から自転車のハンドル幅の半分である 25cm,ドアミラー の幅 20cm,合計 45cm を引くことで,実際の接近距離を概算した. 4.3 実際の道路の使用状況調査 自転車が車道走行した際に,車道の幅が異なると,自動車と自転車との間隔が変わってく る.それにより,自転車が車道を走り続けるか歩道に移るといった選択行動が予想される. そこで,歩道幅員・歩行者・車の交通量が同等で,道路幅員だけが異なる車道を選択し,自 転車が車道・歩道のどちらを通行しているか数える事で,自転車から見て走行し易い車道幅 員はどの位であるかを調べた(図 31). 自転車の走行経路選択にはさまざまな要素が影響する.条件を揃えるため,台数を数える 際の定義を以下の様に設定した. ・歩道走行 車道を走行中,自動車に追い抜かれる前後で歩道に戻った自転車,車道・歩道双方を走れ る状態でも歩道を走行する自転車を数える.ただし,路上駐車や逆走違反自転車がいるため に歩道に戻った場合,後方から複数台の車に追い抜かれて歩道に戻った場合と交差点の直前 直後はカウントしない.
25 / 47 図 31:カウント概要 ・車道走行 車に追い抜かれても車道走行を継続する自転車を数える.ガードレールや歩道交通量など で歩道退避が 50m 以上制限される場所ではカウントしない. 測定場所は,片側 1 車線か一方通行で,車道幅員が 3,4,5,6m の都内の道路を選んだ. 次に測定場所の住所を示す.図 32 および図 33 に 3m および 6m の道路の写真を示す.これら の道路は,歩道幅員が何れも 1.5m であった.各幅員の道路に於いて 100 台ずつカウントした. (1) 3m 道路:江東区富岡 1-20~森下 3-8 図32:3m 道路
26 / 47 (2) 4m 道路:江東区牡丹 3 丁目-20~牡丹 2 丁目-1(図 27) (3) 4m 道路:中央区湊 1 丁目-6~新富 1 丁目-8(図 28) (4) 5m 道路:江東区越中島 3 丁目-5~牡丹 3 丁目-20 (図 25) (5) 5m 道路:江東区塩浜 1 丁目-3・4(図 26) (6) 6m 道路:江東区東陽 5-10~5 図33:6m 道路
第5章 シミュレータ実験の結果
5.1 心理負担 シミュレータ実験を行った心理負担の被験者平均値を表 3 に示す.これをグラフ化したも のを図 34 に示す. 表 3:心理負担の平均値 心理負担 平均 自車速度(km/h) 接近距離 (cm) 40 50 60 250 1.286 1.571 1.810 200 1.667 1.952 2.429 150 2.190 2.476 2.810 100 3.286 3.714 4.000 50 4.429 4.524 4.85727 / 47 図 34:表 3 のグラフ化 接近距離が近いほど心理負担が増加していることが分かる.また,同ファクターでも,自 動車の速度が上がる程心理負担が増大していることが分かる.最も近い 0.5m では,ほぼ全員 が 4 か 5 を付けた.これにより,自動車のドライバは,自車へ他の移動体が近づく事に対して 強い心理負担を感じる事が分かった.一方,接近距離が大きくなると心理負担は減少し,1.5m を超えると全ての自動車速度で心理負担値が 3 を下回り,2.5m でほぼ 1.5 に下がった. この傾向は,接近距離 3m でほぼ収束するとみられることから,実車実験を行った 4 名の被験 者に対して接近距離 0.5m~3m の実験を行った.結果を表 4 に示す.これをグラフ化したもの を図 35 に示す.図から閾値を示すような傾向は見られないが,3m で心理負担の平均値はほ ぼ 1 に収束しており,心理負担が安全側に収束していると考えられる.つまり,「ドライバが 完全に心理負担なく自転車と並走するためには,3m 以上空ける必要がある」と考えられる. 表 4:心理負担の平均値 (300cm 追加) 接近距離 (cm) 車速(km/h) 40 50 60 300 1.250 1.250 1.500 250 1.417 1.583 1.833 200 1.917 2.167 2.583 150 2.417 2.833 2.833 100 3.417 3.750 4.250 50 4.333 4.417 4.917
28 / 47 図35:3m を追加した実験結果 5.2 回避判定と回避距離 それぞれのファクターで回避判定された人数および,回避判定があった場合の移動量 の平均値を表 5,表 6 に示す.なお,回避判定は実験の途中から取り始めているため,17 名に対してのみ行った.表 6 をグラフ化したものを図 36 に示す. 表 5:回避判定の有無 (判定された人数) 車速(km/h) 接近距離 (cm) 40 50 60 250 6 4 3 200 5 7 5 150 8 8 9 100 9 11 12 50 12 13 13 表 6:回避量平均(m) 車速(km/h) 接近距離 (cm) 40 50 60 250 0.370 0.538 0.353 200 0.290 0.424 0.308 150 0.468 0.454 0.490 100 0.530 0.565 0.585 50 0.628 0.629 0.681
29 / 47 図 36:表 5 のグラフ化 接近距離が近くなるほど回避動作を行った被験者が多くなっている傾向が見られた.特に, 接近距離が 1.5m を下回ると,半数以上の被験者が回避動作を行っていた. 回避量についても,接近距離が近い程回避量が増えていた.2.5m と 2m については結果が 安定していないが,これは接近距離が十分に確保できていたため,回避行動に余裕があった ためと考えられる.同じファクターで速度による差や傾向性はあまり見られなかった.この ことから,自動車運転者は自転車に近づかれる事が不快であり,速度に関係なく一定以上の 接近距離を確保しておきたいと考えていることが分かる. 5.3 運転者個々の偏差 図 37・38 に心理負担・回避量の標準偏差を示す. 図 37:心理負担の標準偏差
30 / 47 図 38:回避量の標準偏差 今回の被験者はペーパードライバから毎日運転するドライバまでおり,各々の運転スキル はバラバラであるにもかかわらず,あまりばらつきが見られなかった.心理負担は殆どのフ ァクターで 0.6~0.8,回避量は全て 0.4 以内であった.今回の実験は非常に単純な作業であ るため,ドライバの運転スキルが直接関わってこないと考えられる. 回避量の標準偏差には傾向が見られなかったが,心理負担のそれは接近距離が 1.5m に近 づくにつれて増大する傾向が見られた.接近距離 1.5m のばらつきが最大であるということは, そこが危険か安全かの分かれ目になっている可能性が高いとも言えよう.
第 6 章 実車実験の結果
6.1 実験結果 実車実験は 4 名の被験者に対して行った.表 7 に全員分の結果を示す. 表 7:実車実験結果(車は 40km/h) 接近距離 心理負担 被験者 A 100cm 4 150cm 4 被験者 B 100cm 5 150cm 4 被験者 C 100cm 5 150cm 3 被験者 D 100cm 3 150cm 231 / 47 距離が近いファクターの方が高い値を付けており,この点については,シミュレータと同 じ傾向を示したことが分かる. 6.2 シミュレータ実験の妥当性検証 シミュレータ実験は,室内で安全に実施でき,計測装置も完備した状態でできることか ら非常にメリットが大きいと言えるが,一番の問題点は実際の状況を再現しているか否かで ある.実車実験の被験者は全員シミュレータ実験にも参加しているので,全員の結果を比較 してみたものが表 8 である.いずれの被験者も,シミュレータの結果とほぼ同じ値を付けて おり,シミュレータ実験の妥当性が証明されたといえよう. 有意差検定を行ったところ,実 車実験の 4 人分の平均値と,シミュレータでの 4 人分の平均値には有意差は見られなかった. ただし,実車の方がシミュレータで再現しきれない部分(自転車のふらつき)などの影響があ るためか,若干,心理負担が増大する傾向がみられた. 表 8:実車実験とシミュレータ実験の結果比較 (車は 40km/h) 接近距離 実車 シミュレー タ 被験者 A 100cm 4 4 150cm 4 3 被験者 B 100cm 5 5 150cm 4 3 被験者 C 100cm 5 4 150cm 3 3 被験者 D 100cm 3 3 150cm 2 1
第 7 章 実際の道路での調査結果
7.1 実際の道路での接近距離 前々章,前章にて並走する自転車を追い抜く場合の,自動車運転者の心理負担を調べた. その結果,自転車と自動車の間隔である接近距離が,1.5m 付近においては、危険とも安全と も言えない状況であり,これより小さい場合,自動車運転者の心理負担が多く,1.5m から遠 ざかるにつれて心理負担は減少した.そこで,実施の道路における使用状況を調べ,関連を 見出すこととした.測定は,幅員 5m 程度の広い 1 車線直線路で行った.また,自動車が被験 者の自転車を避けることだけに集中してほしいことから,自動車から見える範囲内に他の自 転車及び駐車車両が居ないことを前提とした.また,自転車の速度は 20±2.5km/h で走行し た.調査した台数を表 9 に示す.32 / 47 これらの車種および台数の自動車が自転車を追い越した場合の接近距離の平均値をを表 10 に示す.路上のゼブラ位置から算定したことから,車の通ったゼブラ位置,自動車と自転 車のタイヤの距離,自転車のハンドルと自動車のミラーを補正した数値(接近距離)を記載 している.表 11 にそれぞれの車種ごとの接近距離の平均値を示す.全体として,約 1.6m の 接近距離で自転車を追い抜いていることが分かる.また,小さな軽自動車では接近距離が 1.86m と大きく,大きな大型車では接近距離が 1.35m と小さくなっていることが分かるが, それらを除いては概ね 1.5m となっている.従って,1.5m 前後が妥協点のようにも見える. 表 9:車種別カウント数 乗用車 45 トラック 12 大型車 4 軽自動車 7 タクシー 32 ワゴン車 12 合計 112 表 10:100 台分の平均値 通ったゼブラの 位置 距離概算 (cm) 補正値(接近距離) (cm) 3.237 201.295 156.295 表 11:車種別平均値(cm) 乗用車 151.141 トラック 153.409 軽自動車 186.429 タクシー 156.774 ワゴン車 153.750 大型車 135.000
33 / 47 7.2 実際の道路の使用状況 前項で,幅員が 5m 程度の道路では,接近距離が 1.5m 程度であった.車道の幅が異なると, 自動車と自転車との間隔が変わってくる.そこで,自転車が車道を走り続けるか歩道に移る といった選択行動が予想される.歩道幅員・歩行者・車の交通量が同等で,道路幅員だけが 異なる車道を選択し,自転車が車道・歩道どちらを通行しているか数える事で,自転車から 見て走行し易い車道幅員はどの位であるかを調査した.図 39 に結果を示す.道路の幅員が 3m および 4m では,半数以上の自転車が歩道を走行しており,道路の幅員が狭いと危険を考 えて歩道を選択する傾向があることが分かる.一方,5m の車道では 3 分の 2 が車道を選択し ており.さらに,6m の車道では 9 割近くが車道を走行していることから,幅員が広くなると 車に抜かされても車道を走り続ける自転車が増えていることが分かる. 図39:車道幅による自転車通行位置の割合
第 8 章 考察
8.1 自動車側から見た車道共有 シミュレータ実験の結果で,心理負担平均が 3 を下回ったのは接近距離 1.5m であった.こ の値は「(危険,安全)どちらとも言えない」という定義である.実際の道路での自動車の接 近距離も 1.5m 程度であった.これらを勘案すると,この「1.5m の接近距離」というのは,34 / 47 自動車運転者にとって「安全とは言い切れないが危険でもない」という「妥協点」であると 考えられる.従って,閾値と解釈することもできる. 一方,接近距離 2.5m 以上で主観評価の値が安全側に収束することが分かった.主観評価の 1 および 2 は安全と感じる領域であり,「接近距離 2.5m の確保」は安全な車道共有への一つ の目安になると考えられる. 8.2 自転車側から見た車道共有 道路の幅員が 3m および 4m では,半数以上の自転車が歩道を走行しており,道路の幅員が 狭いと危険を考えて歩道を選択する傾向があることが前章の結果で示された.一方,5m の車 道では 3 分の 2 が車道を選択しており.さらに,6m の車道では 9 割近くが車道を走行してい ることから,車道走行に感じる危険意識が薄れているように考えられる. そこで,自転車と自動車が車道を共有できる範囲について考察すると図 40 のようなレイア ウトが考えられる.まず,自転車が路肩に寄って走れる限界を 0.2m と仮定する.自転車の幅 は道路構造令 4) から 0.6m とされる.前述のシミュレータおよび実車の試験結果から,自転 車と自動車の接近距離を「妥協点」とされる 1.5m とする.一方,自動車は,通常の乗用車を 考え,車幅 1.8m とし7),左右のドアミラーの幅 0.2m を加えた幅を 2.2.m と考える.これら をを合計すると 4.5m となる.この数値は,前章の結果である,道路の幅が 4m 以下では歩道 を選択する自転車が多く,5m 以上では車道を走行する自転車が多い結果と整合する.従って, 自転車にとっても,1.5m が一つの判断基準になると考えられる. 図 40:車道共有の模式図
35 / 47 8.3 自転車と自動車の並進時における通行区分の提案 これまでの結果から,完全に安全とは言い切れないが,自動車側と自転車側の双方から最 低 1.5m 以上の接近距離が必要であることを述べた.また,シミュレータ実験の結果から,自 動車運転者が安心して自転車を追い抜ける接近距離は,2.5m 以上であることも分かった.こ れらおよび,前節の道路上での自転車と自動車の範囲を踏まえて車道を自転車と自動車で共 有した場合の通行区分を提案する. 道路は広ければ広い方が良いが,実情ではそのように行かない.そこで,まず,5m 道路に ついて区分を考察したものを図 41 に示す.5m の車道において,自転車と車道を 2:3 にする と,前述の車道共有の模式図のような配分になる.接近距離については,1.5m 以上の 1.6m を確保したことなる. 自転車の走行においては自動車の追い越し車線と同様な追い越し車線が必要な場合も生じる. そこで次に,道路の幅が 6m の場合を考えてみる.この場合は道路幅に余裕があるため,自転 車の追い越しレーンも作成できることになる.この場合の例を図 42 に示す.車道共有の模式 図と同様の考えで,また,自動車運転者が安心して自転車を追い抜ける接近距離が 2.5m 以上 であることも勘案して,接近距離については,2.5m 以上の 2.6m を確保した. 図 41:5m 道路における通行区分の提案
36 / 47 図 42:6m 道路における通行区分の提案1 また,6m 道路の場合,追い越しレーンを広く取らず,図 43 に示すように自転車走行レー ンに余裕を持たせることも考えられる.このように,道路幅が広くなると自由度も増加する. ただし,いずれにしても自動車と自転車の接近距離は 1.5m 以上に取ることが望まれる. 図 43:6m 道路における通行区分の提案2
37 / 47
第 9 章 結論
9.1 自動車側から見た自転車の車道走行 (1) 車と自転車の接近距離が近い程,ドライバの心理負担は増大することが示された. (2) 同じ接近距離でも,自動車の速度が速いと自動車運転者の心理負担は微増する結果 が得られた. (3) ドライバが危険だと感じなくなるのは,接近距離 1.5m 以上からである.一方,接 近距離 2.5m 以上でドライバの心理負担は安全側に収束した. (4) 回避量については,接近距離が近い程,回避する距離が増える傾向が見られた.各々 の接近距離に対して,自動車の速度による差はほとんど見られなかった. (5) 実車実験とシミュレータ実験の結果はほぼ同じであった.一部の被験者について, 実車実験の方が心理負担を若干強く感じる傾向が見られた. (6) 自動車は実際に自転車を追い抜く際,1.5m 程度の接近距離を空けており,車種毎 の違いは 20~30cm 程度と,あまり差が見られなかった. 9.1 自転車側から見た自転車の車道走行 (1) 車道幅員が広い程,車に追い抜かれても車道走行を継続する自転車が増えた.幅 4 m以下の車道では,車に追い抜かれる前に歩道に移るか,常に歩道を走行する自転車 の割合が増えた. 9.3 まとめ 自動車と自転車の双方が安全に車道を共有するには最低 1.5m 以上の接近距離が必要で ある.ドライバの心理負担は,接近距離 2.5m 以上で安全側に収束する.従って,自動車と 自転車は 2.5m 以上の間隔を空けることが理想的である.接近距離が確保できない場合,ガ ードレール等による物理的隔離が望ましい. このような実験結果から得られた事項により,幅 5m および 6m の道路について,自動車 と自転車が安心して通行できると考えられる,通行区分の提案を行った.38 / 47
第2部 自転車が近くにいることを示す警報の効果
第 1 章 はじめに
1.1 研究背景 国土交通省の調べによると自転車は,都市内交通 5km 程度の短距離の移動において所要時 間が短く,最も効率のよい移動手段ということが示されている11).しかし,利用者の多い自 転車の関係する交通事故は依然として多く,今後も増加することが懸念される.この理由と して,自転車に関する法律への使用者の意識,自転車側の安全と自動車側の安全の意識の相 違など,明らかでない部分が多く存在することがあげられる.これらについては自転車側の 対策が必要であるが,難問であると同時に,解決に時間がかかることが明白である.そこで, 自動車側の対策も考える必要がある. 1.2 研究目的 自転車事故を分析した研究によると 2),自転車関連事故の発生場所について,交差点での事故 が 67%と非常に高い割合を占めており,交差点付近も含めると実に 72%にも上ることが示されて いる.交差点での自動車と自転車の事故について,予期せぬ出会い頭の事故を右左折や正面衝突, 追突などと分離し,自動車が当事者(1当)となった事故の内容を見ると,その 63%が出合い頭の 事故となっている.自転車が1当の場合は実に 90%が出会い頭の事故に分類される.出会い頭の 事故は,何らかの原因で次に起こる状況が把握しづらい場合や相手が来ないとの見込みにより予 期せずに出会い,とっさの回避行動が難しい交差点での事故の特徴であり,この状況を分析して 対策を講じることが,事故の減少に直接つながると考えられる. 本研究では,交差点での出会い頭の事故が多いことを勘案し,信号のない交差点で,自転 車が急に交差道路から飛び出した場面を想定した.このような場面では,事故の起こる可能 性が高いと考えられるが,何らかの手法により,自転車が近くにいることを自動車運転者に 警報で知らせることができれば事故が低減できると考えられる.ここでは,このような警報 が急に出現する自転車の回避に効果があるか否かを人間工学的に検証する.もちろん,どの ように自転車が近くにいることを物理的に察知するかも重要な問題であるが,今回の研究で は,警報の効果に焦点を絞って調査を行う. 1.3 情報伝達の可能性 本研究の目的ではないが,自動車に自転車が近づいたとの情報をどのように伝えるかという疑 問も生じる.これについては,今後,種々の技術が開発されていくものと推測されるが,現時点 で可能性の考えられる事項もある. 現在一般道を管理する警視庁が中心となって進めている安全運転支援システム(DSSS: Driving Safety Support Systems)は,事故多発交差点に自転車感知用センサを配置し,そ の存在を自動車側に各所設置された光ビーコンを通じて情報を送信し,カーナビゲーション システムを介して運転者に伝えるシステムである12).これは,交通量の多い交差点・事故が39 / 47 多発している場所などの交差点に有効である.しかし,交通量の少ない小さな交差点や,本 研究におけるシミュレータ実験コースのように小さな交差点が連続してある場所では,感知 用センサ・光ビーコンなどの設備は設置費用などの面から見ても現実的ではない.そのよう な交差点における対策として IC タグを使用したシステムが有効と考えられる.IC タグをあ らかじめ自転車のライト部分や自動車に組み込むことによって,その状況に応じたときだけ 警報が鳴ることも可能と考えられることから,その効果は高いと思われる.
第2章 ドライビングシミュレータ実験
2.1 実験方法 実車で実験することが好ましいが,実車実験が適切でないことは自明である.従って,今 回タカタ財団様の助成金により購入したシミュレータを使用して実験を行った. 実験に使用したシミュレータ画面の例を図1に示す.自動車で走行中に交差点に差し掛か ると,ランダム選んだ交差点において自転車が横断して来る.自動車が自転車に接触した場 合は図 2 に示すように「衝突」,接触しなかった場合は図 3 に示すように「回避」とする.横 断の状況を変化させることで警報の効果を追求する. 図1:シミュレータ画面40 / 47 図 2:「衝突」の判定 図 3:「回避」の判定 被験者に,図1に示す見通しの悪い直線道路を 30km/h で走行するよう教示する.通過する 交差点の数は合計で 18 個あり,その中でランダムに選定した 6 ヵ所の交差点において,自転 車の飛び出しが発生する.自転車の飛び出しが発生する交差点において,警報が鳴らない場 合と,事前に警報が鳴る場合を設定して,警報の効果を調べる.被験者は 21~25 才の男性 15 名であった. 2.2 警報と自転車出現タイミングの設定 警報が鳴るタイミングは,走行する自車両の位置から衝突予想地点までの距離を自車両の 速度で除した TTC(Time-to-Collision:衝突余裕時間)で規定する.
自車両の速度
衝突までの距離
TTC
図 4 に示すように,自転車と自動車の衝突が予想される地点を基点に,その手前で警報が 鳴り始める TTC を TTCsig,自転車が出現して動き始める TTC を TTCmov とする.今回の実験 では,警報の無い場合においては非常に回避が難しい設定とした.具体的には予備実験にて, 6 回中 1 回程度回避できる TTC の設定とした.この結果,TTCmov は 1.1 および 1.2[s]で実験 を行った(以降,TTCsig を sig,TTCmov を mov と表記する).41 / 47
TTCmov1.2[s]
警報あり
sig1.3[s]
sig1.5[s]
sig1.8[s]
sig2.0[s]
誤報あり
sig1.5[s]
Sig1.8[s]
・
x
・
・・ ネ
・
オ
TTCmov1.1[s]
警報あり
sig1.3[s]
sig1.5[s]
sig1.8[s]
・
x
・
・・ ネ
・
オ
図 4.警報と自転車出現のタイミング設定模式図 2.3 実験条件 (1)18 の交差点のうち,6 の交差点で自転車が飛び出してくるコースを合計 11 回走行 する.1 回の走行は 5 分であり,従って,合計所要時間は約 60 分である. (2)11 回の内容としては,次の①~③までの 3 種類のイベントがある. ①自転車出現時に警報なし ②自転車出現時に警報あり ③自転車出現時に警報あり+誤報ありこれらのイベントに,図 5 に示すように,mov1.2[s], mov1.1[s] および sig1.3[s], sig1.5[s],sig1.8[s] sig2.0[s]を組み合わせて行う. (3)誤報については、交差点では自転車が必ず出てくるとは限らないことから,「警報が 発せられても自転車が来ない状況」を「誤報」と定義し,誤報の有無による回避行動の違い を調べた.誤報の回数は 6 回中 2 回とし,ランダム順とした. 図 5:実験ファクター模式図
警報
なし
警報
なし
42 / 47
17.8
37.8
80.0
83.3 83.3
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
警報なし
1.3
1.5
1.8
2
・
・
・
・
・
ヲ
[%
]
TTCsig[s]
第3章 シミュレータ実験の結果
3.1 警報の回避率への効果 図 6 に mov1.2[s]の場合における,各 sig の回避率を示す.回避率を比較すると,警報が ない状態では回避率が 17.8%となった,これは自転車の飛び出し 6 回に対して 1 回しか衝突 を回避できない割合である.実際の道路における走行条件と同じ警報のない状況では,気付 いた時には手遅れで事故が起きてしまう状況が生じる可能性が多いということが考えられる. Sig1.3[s]では回避率は 37.8%となり,警報がない場合と比較すると回避率は向上している. しかしながら他の sig と比較すると回避率は低い.これは mov と sig が近い値となっている ことから,警報のタイミングが遅すぎることが原因であると考えられる.そこで,sig1.5[s] ~sig2.0[s]を見ると,回避率は 80%を超えており,警報が効果的に機能していることが分 かる.sig1.5 以上では回避率の向上が見られないことから,mov1.2[s]においては sig1.5~ 2.0[s]のタイミングで警報を発するのが良いタイミングであると考えられる.図 6.TTCmov1.2[s]の際の回避率
43 / 47
12.2
43.3
64.4
74.4
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
警報なし
1.3
1.5
1.8
・
・
・
・
・
ヲ
[%
]
TTCsig[s]
次に,図 7 に mov1.1[s]の各 sig の回避率を示す.警報がない場合における回避率は 12.2% になった.これは自転車の飛び出しに対してほとんど回避ができない状態である.sig1.3[s] では回避率は 43.3%となり,警報がない場合と比較すると回避率は向上している.Sig1.5[s] では 64.4%,sig1.8[s]では回避率は 74.4%となっており,mov1.1 でも sig のタイミングに 余裕ができることによって回避率が向上することが分かる.ただし,mov1.2[s]の場合と比較 すると概して回避率は低く,0.1[s]の自転車出現のタイミングの差が回避率に大きく影響し ていることが分かる. 以上からいずれの sig の場合においても,警報なしと比べ回避率が高いことがわかる.事 前に自転車の存在をわかっているだけで,回避行動に差が出ることがわかった.回避行動開 始の時間差は 10 分の何秒の差であるが,それが大きく影響した結果となった. 図 7.TTCmov1.1[s]の際の回避率 図 6 に示すように, mov1.2[s]の場合には,sig1.5[s]~sig2.0[s]で回避率が 80%を超え る効果を得ているが, sig1.8 以上では回避率の向上が見られなかった.そこで,個人差へ の影響を考えて,標準偏差を取ってみた.図 6 では sig1.8,2.0[s]の間では回避率に変化が ほとんどなかったが,図 8 に示すように,回避率の標準偏差を比較すると sig1.8[s]よりも sig2.0[s]が低くなっていることが分かる.標準偏差が低いという意味は,被験者ごとの結果 の差が小さいことを示しており,sig1.8~2.0[s]に適切な警報タイミングがあることを示し ている.TTCmov1.1[s]でも標準偏差を取ったが,sig2.0[s]のデータがないため,効果は確認 できなった.回避率 [%]
44 / 47
32.5
26.0
28.5
19.2
15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 1.3 1.5 1.8 2・
W
・
・
ホ
・
キ
TTCsig[s]
29.7
29.1
31.0
15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 1.3 1.5 1.8・
W
・
・
ホ
・
キ
TTCsig[s]
図 8.TTCmov1.2[s]における標準偏差 図 9.TTCmov1.1[s]における標準偏差 3.2 誤報の回避率への影響 自転車は自動車のように直線的に走るとは限らない.歩行者のようにどこでも向きを変え られる,従って,交差点では自転車が必ず出てくるとは限らないことから,警報が発せられ ても自転車が来ない状況を「誤報」と定義して,6 回中 2 回ランダム順に組み合わせた.図 10 は mov1.2[s]で,sig1.5 および 1.8[s]において,誤報の有無による回避率の比較を行った ものである.sig1.5[s]では誤報により回避率が 80%k から 35.1%に,sig1.8[s]でも 83.3%か ら 63.3%に低下している.誤報が 2 回追加されただけでも回避率が低下してしまうことが分 かる.誤報があった場合,被験者に「次もまた誤報かもしれない」と言う油断が発生し,ま標準偏差
標準偏差
45 / 47
80.0
35.1
83.3
63.3
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
1.5
1.5
誤報あり
1.8
1.8
誤報あり
・
・
・
・
・
ヲ
[%
]
TTCsig[s]
26.0
35.1
28.5
31.4
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
誤報なし
sig1.5[s]
誤報あり
sig1.5[s]
誤報なし
sig1.8[s]
誤報あり
sig1.8[s]
・
W
・
・
ホ
・
キ
た,警報の信頼性も薄らいでしまうために回避行動に差が出たと考えられる.しかし,図 6 における警報なしの場合と比較すると,誤報があっても回避率は向上している.従って,た とえ警報が鳴っても自転車が出現しないことが生じても,警報が無い場合より回避できる可 能性が大きいと言える. 図 10:mov1.2[s] における誤報の有無と回避率 図 11:mov1.2[s]における誤報の有無と標準偏差回避率 [%]
標準偏差
46 / 47 警報ありの場合,誤報があると回避率はかなり低下することが示されたが,個人差への影 響を調べてみた.誤報がある場合には,sig1.5[s] と sig1.8[s]で標準偏差は 35.1 と 31.4 になっており,誤報がない場合の標準偏差 26.0 と 28.5 に比較して若干高い数値(被験者ご とのばらつきが大きい状態)になっている.誤報がある場合は,個人差が若干大きいことを 示している.
第4章 結論
自転車の関連する事故については,交差点での出会い頭の事故が多くみられる.特に,信 号のない交差点において,急に横断する自転車を避けることは難しい場合が少なくないと推 測される.自動車が細い道を 30km/h で走行する場合に,信号のない交差点で、急に自転車が 横断するシミュレータ実験を行い,次の知見を得た. (1) 自転車が横断する前に警報を発することにより,回避率が大幅に向上することが示され た.今回の実験では 4 倍以上の向上が見られた. (2) 警報タイミングが遅いと効果が薄いことが示された.今回の実験で,警報が自転車出現 の 0.1 秒前の回避率は,0.3 秒前の回避率の半分以下となっていた. (3) 自転車の出現が 0.1 秒早いだけで,回避率は,警報の無い場合で 3 割程度,警報のある 場合でも 1 割以上低下することが示された (4) 警報タイミングを変化させると,回避率が変わらない場合でも標準偏差に違いが出る場 合がある.従って,個人差を減少させる適正な警報タイミングがあることが示された. (5) 誤報があると,回避率が低下することが示された.しかし,誤報があっても,警報がな い場合と比較すると,高い回避率を得られることが示された.また,誤報があると,若干, 標準偏差が高くなることが示された. 以上であるが,総じて,警報の効果があることが示された.また,今回の実験では,警報 の鳴るタイミングが sig1.8[s]~sig2.0[s]で良い結果が出たが,非常に短い時間であると共 に,その範囲で微妙な調整も必要なことが示された.47 / 47 謝辞 本研究につきましては,タカタ財団様の研究助成を使用して行いました.ここに,深く謝 意を表します. 参考文献 1) 財団法人 交通事故総合分析センター, イタルダインフォメーション 2011 年特別号 春(2011) 2) 沼田仲穂,中村忠勝,五耒大輔,北村寛明,武田依人,澤田東一,春日伸予:自動車運 転者の行動と安全意識の人間工学的分析,自動車技術会論文集,No.42-5,p1205-1210 (2011) 3) 道路交通法 第 17 条-4(自転車は車道左側走行) 4) 道路交通法 施行規則第 9 条の 2(自転車の全長 190cm,幅 60cm) 5) 道路標識,区画線および道路標示に関する命令 第 3 章 第 10 条(横断歩道のゼブラ幅) 6) 道路運送車両の保安基準 第 2 条―2(自動車のドアミラー幅 20cm) 7) 道路構造令 第 4 条―2(自動車の幅 1.8m) 8) 紫藤聖也, 武田依人, 松井雄馬, 沼田仲穂, 澤田東一, 「歩道における自転車と歩行者 の安全についての研究」, 公益社団法人 自動車技術会 学術講演会前刷集 No.79-10 2010 年度春季大会 二輪車の運動・制御・安全, pp.16-17(2010) 9) 社団法人 日本道路協会, 道路構造令の解説と運用, p.169, 丸善(2008) 10) 警察庁平成 22 年度事故統計(2011) 11) 国土交通省 国土交通政策研究所:都市交通における自転車利用のあり方に関する研究 (2005)