2.1 実験方法
実車で実験することが好ましいが,実車実験が適切でないことは自明である.従って,今 回タカタ財団様の助成金により購入したシミュレータを使用して実験を行った.
実験に使用したシミュレータ画面の例を図1に示す.自動車で走行中に交差点に差し掛か ると,ランダム選んだ交差点において自転車が横断して来る.自動車が自転車に接触した場 合は図 2 に示すように「衝突」,接触しなかった場合は図 3 に示すように「回避」とする.横 断の状況を変化させることで警報の効果を追求する.
図1:シミュレータ画面
40 / 47 図 2:「衝突」の判定 図 3:「回避」の判定
被験者に,図1に示す見通しの悪い直線道路を 30km/h で走行するよう教示する.通過する 交差点の数は合計で 18 個あり,その中でランダムに選定した 6 ヵ所の交差点において,自転 車の飛び出しが発生する.自転車の飛び出しが発生する交差点において,警報が鳴らない場 合と,事前に警報が鳴る場合を設定して,警報の効果を調べる.被験者は 21~25 才の男性 15 名であった.
2.2 警報と自転車出現タイミングの設定
警報が鳴るタイミングは,走行する自車両の位置から衝突予想地点までの距離を自車両の 速度で除した TTC(Time-to-Collision:衝突余裕時間)で規定する.
自車両の速度 衝突までの距離
TTC
図 4 に示すように,自転車と自動車の衝突が予想される地点を基点に,その手前で警報が 鳴り始める TTC を TTCsig,自転車が出現して動き始める TTC を TTCmov とする.今回の実験 では,警報の無い場合においては非常に回避が難しい設定とした.具体的には予備実験にて,
6 回中 1 回程度回避できる TTC の設定とした.この結果,TTCmov は 1.1 および 1.2[s]で実験 を行った(以降,TTCsig を sig,TTCmov を mov と表記する).
-(1)式
41 / 47
TTCmov1.2[s]
警報あり
sig1.3[s]
sig1.5[s]
sig1.8[s]
sig2.0[s]
誤報あり
sig1.5[s]
Sig1.8[s]
・ x
・
・・ ネ ・ オ
TTCmov1.1[s]
警報あり
sig1.3[s]
sig1.5[s]
sig1.8[s]
・ x
・ ・・ ネ
・ オ
図 4.警報と自転車出現のタイミング設定模式図
2.3 実験条件
(1)18 の交差点のうち,6 の交差点で自転車が飛び出してくるコースを合計 11 回走行 する.1 回の走行は 5 分であり,従って,合計所要時間は約 60 分である.
(2)11 回の内容としては,次の①~③までの 3 種類のイベントがある.
①自転車出現時に警報なし
②自転車出現時に警報あり
③自転車出現時に警報あり+誤報あり
これらのイベントに,図 5 に示すように,mov1.2[s], mov1.1[s] および sig1.3[s],
sig1.5[s],sig1.8[s] sig2.0[s]を組み合わせて行う.
(3)誤報については、交差点では自転車が必ず出てくるとは限らないことから,「警報が 発せられても自転車が来ない状況」を「誤報」と定義し,誤報の有無による回避行動の違い を調べた.誤報の回数は 6 回中 2 回とし,ランダム順とした.
図 5:実験ファクター模式図
警報 なし 警報 なし
42 / 47
17.8
37.8
80.0 83.3 83.3
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0
警報なし 1.3 1.5 1.8 2
・
・
・
・
・ ヲ