小豆の加熱に関する研究(第3報) : 小豆熱水抽出液の高速クロマトグラフィー
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部A) 第31巻 第1号 l lo fHokka idoUn i i fEduca i Se i t t t J IA)Vo r s on( c onl ou r na ve yo .1 .31 ,No. Sept 98 0 embe r ,1 昭和5 5年9月. 小豆の加熱に関する研究 (第3報) -- 小豆熱水抽出液の高速液体クロマト グラフィ ー --. * * * * * * 村 上知子* , 武井美智子 , 中村一十三 , 伊藤格三 ヰ北海道教育大学釧路分校家庭科教室 * *北海道教育大学釧路分校化学教室. A St t3 thod of Az”厩 Beans(Par ) udy on a Cooking Me. ion ofthe Hot VVater Extract of Az綿々 Z Beans--一-- ----SeParat * Mi Tomoko M iko TAKEI**, Hitomi NAKAMURA**, YasuzoITO** [ URAKAMI , ch * Home Economi ive ion, i l l ido Un i fEducat to tyo r csLabo ra ry r o Co ege s ,Kush ,Hokka 率 率Chemi l ido Un ive i fEduca i ILaho i l t tyo t r ca r a o ry r oCo ege s on? ,Kush ,Hokka Kush i r o085. Abstrac t ied out by h ion o SeParat ighl iqu id Chroma‐ fthe hot waterextractof Az z z励 beans Was Carr tography. IComponents o fthe hot Water 、~hen we used・ 0% aCetonitri.e Wi th aCetiC aCid aseluent,al lavanoltannin. i f i l lresolved and acomponentofthem wasident extract Were we ed as f. 緒. 言. )で ′ 前報1 ・豆 の加 熱 過 程 に お い て 渋切 り 時 に 捨 て る, 熱 水抽 出 液中 に フ ラ バ ノ ー ル 型 タ ン ニ ン が .j. 存在することを報告した. この報告では小豆熱水抽出液を二次元ペーパークロマトグラフィ ー で展 開し, 赤血塩-塩化第二鉄試薬, およびバニリン-塩酸試薬を発色剤として用いると数個のスポッ. トが検出され, そのうち1個は標準 D-カテキンの位置とほぼ一致 し, その他については未検討 で あ っ た.. )のペーパークロマト グ 今回,ノ i ・豆熱水抽出液を高速液体クロマトグラフィ ー で分離を試み,前報1. ラフ ィ ー の 結 果 と 比 較 した. 即 ち, 高速 液 体 クロ マ ト グラフ ィ ー では 移動 相 と してメ タノ ー ル一 酢. 酸を用いると, この抽出液は全く 分離しなかっ たが, 移動 相として酢酸酸性アセトニトリルを用い ると3成分に分離した, これらの成分を高速液体クロマトグラフィ ー で分取し, 再び高速液体クロ マ ト グラフ ィ ー, お よ び ペ ー パー ク ロ マ ト グラ フ ィ ー を 行 な っ た. こ れ らの 結 果 に つ い て 報 告 す る. (55 ).
(3) . 村上知子・武井美智子・中村一十三・伊藤格三. 実. 験. }に従っ た 試料;小豆は 「アカネ大納言」(昭和5 4年北海道産) を用いた. 小豆の選別は前報1 . 1 ) 小豆熱水抽出液の調製;小豆の熱水抽出は前報 に従っ て行なっ た.即ち,1 5g の小豆に10倍量の oC に達するま で加 熱 した その後直ちに熱水抽出液 (ゆ で汁) を分離した 蒸留水を加 え9 2 . . この操 作を50回行ない熱水抽出液7.5 8 を得た. その後抽出液は3ぴC 以下 で減圧濃縮し30ml以下と し た. 生成した沈殿 をろ別 し, ろ液を試料として用いた. またろ液に倍量のアルコールを加 え一夜放 置後, 生成した沈殿 をろ別し, 沈殿区分とろ液区分 (アルコール抽出液) とに分けた ろ液区分は . デシケータ中 で減圧濃縮し, 一方沈殿 区分は再び蒸留水 で溶かしデシケータ中 で減圧濃縮し それ , ぞれ試料として用いた. 装置;装置は 635 日立高速液体クロマト グラフィ ー を使用した カラムには長さ 50cm, 内 径 2.6 . mm を使用 した. 充填剤の日立ゲル #3010は市販品をそのまま使用 し, 移動相と してはメタノー ル一酢酸およ び酢酸酸性1 0%アセトニトリ ルの2種類を使用 した.. ) に 従 っ て 行 なっ た た だ し ペ ー パ ー ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー ;ペ ー パ ー ク ロ マ ト グラフ ィ ー は 前 報1 , .. 二次 元ペーパーク ロマ ト グラフィ ー では 展開溶 媒の組合わせ を酢 酸酸性10%アセ トニ トリ ルー 2 % 酢 酸 お よ び60% 酢 酸-n-ブ タ ノ ー ルー水 (4 : 1 :2 2v/v) -i so-プ ロ パ ノ ー ルー水 (22:78v/ .. v)に変更した.発色は1 0%バニリ ン・エタノール‐濃塩酸試薬およ び赤血塩-塩化第二鉄試薬を使用 した. 試 薬 ;D-カ テ キ ン はメ ル ク 製 特 級, ア セ ト ニ トリ ル, 酢 酸, 塩 酸, メ タ ノ ー ル i , so-プロ パ ノ ー. ル, n-ブタノール, 赤血塩, 塩化第二鉄およ びバニリンはすべて和光純薬製特級を使用した .. 実験結果およ び考 察 標準 D-カテキンの高速液体クロ マト グラフィ ーの結果は第1図a ,およ びb に示した. 移動相とし. て は メ タノ ー ル-酢 酸 (80:20v/v) , お よ び酢 酸 酸 性 10% ア セ トニ トリ ル を 使 用 した. 流速 は 1.o /min 検 出 ml 2 は 8 0nm な で行 た っ . 第1 図 a, お よ び b に 示 した よ う に, 標 準 D-カ テ キ ン は い ず ,. れの移動相 でも単 一のピークを示した. また, 前述の溶媒の組合わせを用 いて行なっ た二次元ペー パー クロ マ ト グラ フ ィ ー でも 単 一 の ス ポ ッ ト を 示 した .. 小豆熱水抽出液の高速液体クロマト グラフィ ーの結果は第2図, および第3図に示した 第2図は移 . 動相としてメタノール-酢酸(80:20v/ v)を用 い, その他の条件は標準 D-カテキンの場合と全く同 じである.第2図に示したように小豆熱水抽出液は単一の ピークを示し,その位置は標準 D-カテキン. の ピークに近接していた. 第3図は移動相 を酢酸酸性1 0%アセトニトリルにした場合であっ て, 図 に示したように3成分に分離した. 3成分のうち第2 の成分は最大 であっ て, 標準D-カテキンの ピー ク に 類 似 した. 第3 の 成 分 は 最 小 で あ っ た .. 小豆熱水抽出液の二次元ペー パー クロマト グラフィ ー では バニリン-塩酸試薬 で発色すると3つ. のスポッ トが検出され, 赤血塩-塩化第二鉄試薬 で発色すると2つのス ポッ トが検出された. そのう ち1つ の ス ポ ッ ト は 互 いに 同 じ位 置 であ っ た.. これらのことから, 試料を繰り返し高速液体クロマト グラフィ ーに供し, それぞれの区分を分取 した.分取した各区分をデシケー タ中 で減圧濃縮した後,各区分を再び高速液体クロマト グラフィ ー (5 ) 6.
(4) . 小豆の加熱に関する研究 (第3報). 0 1 2 3 4 5 6 7 i m n. 0 1 2 3 4 5 6 7 i t n n. 第1図a 標準 D-カテキ ン の 高速 液 体クロマ ト グラフィ ー 条件;充填剤日立ゲル #3010 , 移動 相メ タノー /mi ル-酢酸 (80:20v/v) n , 圧力 50 , 流速lml o 検出 UV280nm 0 32 kg/ cm2 , . , , 温度 20~25C AUFS愈. 0. 1. 2. 3. 第1図b. 標準 D-カテ キン の 高速 液体クロ マ ト. グラ フ ィ ー. 条件;移動相酢酸酸性10%アセ トニトリ ル, そ の他はaと同じ.. *Absorbance Un i l ISca l tFu eの略. 0 1 2. 4 r 5 min. 第2図 小豆熱水抽出液 の高速液体クロマ ト グラ フイ ー 条件;第1図aに 同 じ,. 3 4. 5. 6. 7. n mi. 第3図 小豆熱水抽出液の 高速 液体クロマト グラ フイ ー 条件;第1図b に同じ. (57 ).
(5) . 村上知子・武井美智子・中村一十三・伊藤格三. 0. 1. 2. 0. 1. 2 0. 1. 2. 0. 1. 2. 0. 1. 2 mi n. ・. 第4図a 沈殿区分の 高速液体クロマ ト グラフィ ー 条件;第3図に同 じ, 但 し検出は250nm, 260nm, 270nm, 280 nm, 290nm で行なっ た.. 2 8 0n m l. 総 . 2 0n 7 m. l. 2 6 0n m 1. 帥. 2 9 0n m l. 2 5 0n m. l. 0 1 2. 0 ・ 2. 0 1 2. 01 2. 0 ェ 2 i m n. 第4図b ろ液区分の高速 液体クロ マト グラフィ ー 条件;第4図aに同 じ.. (5 8 ).
(6) . 小豆の加熱に関する研究 (第3報). に供した. その結果, 第1 , 第2の区分はそれぞれ単一のピークとして現われたが, 第3の区分は検出 さ れ な か っ た. 一 回 の 高 速 液 体 ク ロ マ ト グラ フ ィ ー に 供 しう る 試料 は 最 大 で30”1な の で, 30mlの. -プロ パノールを加 濃縮液を全部分離, 分取する為には長時間を要する. そこで濃縮液に倍量のi s o i え, 一夜放置後, ろ過を行ない沈殿区分とろ液区分とに 分けた. ろ液区分( s o-プロ パノール抽出区 分) をデシケータ中で減圧濃縮した. 沈殿区分は再び蒸留水で溶かし, 不溶性の部分を除いた後デ. シケータ中 で減圧濃縮した.. それぞれの濃縮液を試料として高速液体クロマト グラフィ ーを行なっ た, その結果は第4図a, およびbに 示した。 第4図aに示した沈殿区分は第3図の第1の成分にほぼ一致した, また, 第4 図bに示したろ液区分は第3図の第2の成分にほぼ一致した. さらにまた, それぞれの試料の二次. 元ペー パークロマト グラフィ ーは前述の二種類の溶媒の組合わせ で行なっ た, 展開後, バニリン- 塩酸試薬, および赤血塩-塩化第二鉄 試薬 で発色した. その結果, ろ液区分は共に同じ位置 で呈色 oC~9o oC で した. 特に バニリン-塩酸試薬を噴霧後直ちに淡い桃色のスポッ トが現われ, これを 80 短時間加熱すると, より鮮明になっ た. また赤血塩-塩化第二鉄試薬 では青緑色を呈した. 沈殿区 分はいずれの発色剤を噴霧しても全く呈色しなかっ た.また沈殿区分は2 50nm から 320nm の 間 に 全く ピークを示さなかっ た. 一方ろ液区分は280nm 付近に ピークを示した (第4図aおよ びb 参. 照) .. )で報告したように小豆熱水抽出液にはフラ バノール型タンニンを含ん で 以上のことから, 前報1. い る こ と が高 速 液 体 ク ロ マ ト グラフ ィ ー に よ っ て も 確 か める こ と が できた,. 小豆熱水抽出液を高速液体クロマト グラフィ ー で分離した報告はまだない。 しかしフラ バノール. 3 ) 中 山4 〉等 の 報 告 が あ る i と類 似の 構 造 をも つフ ラ ボン 類 の 液 体 クロ マ ト グラ フ ィ ー に つ い て Hor , .. この報告によると水酸 基の置換位置, その数, またメトキシ基の位置と数の相違による保持時間の 差は殆ん どないとされている.D-カテキンには6つの異性体が存在するが, 今回標準として使用した l D-カ テ キ ン は 3,3′,4′,5,7-Penta hydroxy f avan で あ る. ま た 類 似 の 構 造 を も つ ガロ カ テ キ ) に よ れ ば ガロ i -ガロ カ テ キ ン に つ い て は 標 準 品 を 入 手 す る こ と が でき な か っ た. しか し文 献5 ン,ep. カテキンは, 赤血塩-塩化第二鉄試薬によっ て青色, バニリン-塩酸試薬 では加 熱によっ て深紅色 と さ れて い る.. ろ液区分(第2の成分) は高速液体クロマト グラフィ ー上 では D-カテキンの結果と一致した. ま たペー パークロマ トグラフィ ー上 での呈色はガロカテキンに類似した. 即ち, 赤血塩-塩化第二鉄 試薬 で青緑色, バニリン-塩酸試薬 で淡い桃色, そして加熱すると濃い鮮かな桃色となっ た。. 高速 液 体 ク ロ マ ト グラ フ ィ ー, お よ び ペ ー パー ク ロ マ ト グラ フ ィ ー に よ っ て, 小豆 熱 水 抽 出 液 に. フ ラ バ ノ ー ル型 タ ン ニ ン の 存 在 を 確 認 でき た が, そ の 種 類 を 同 定 す る こ とは でき な か っ た。 ま た 含. ま れ るフ ラ バ ノ ー ル 型 タ ン ニ ン を D-カ テ キ ン と 仮 定 す る と 小 豆 熱 水 抽 出 液 に は 0 3%含ま れる 00 .. ことになる. 今後, 大量の小豆熱水抽出液を調製し, 抽出液中に含まれるフラ バノール型タンニン を結晶化し, その構造を機器分析によっ て明らかにし報告する.. 要. 約. 0%アセ 高速液体クロ マトグラフィ ー で小豆熱水抽出液の分離を試みた。 移動相として酢酸酸性 1 2 トニトリルを用いると, 抽出液は3成分に分離した.3成分のうち一番大きな成分は第 の成分であっ. た. この成分は小豆熱水抽出液にi s o-プロ パノールを加 えて得られたろ液の成分と高速液体クロマ (5 9 ).
(7) . 村上知子・武井美智子・中村一十三・伊藤格三. トグラフィ ー, および二次元ペーパークロマトグラフィ ー上 で一致した 第1の成分は沈殿の成分 . と高速液体クロマトグラフィ ー では一 致したが, 二次元ペーパークロ マト グラフィ ー では確認でき. なかっ た. 第3の成分は高速液体クロマト グラフィ ー で分取濃縮した後 再び高速液体クロマトグ , ラ フ ィ ー を 行 な っ た が確 認 でき な か っ た . 第 2 の 成 分 は フ ラ バ ノ ー ル 型 タ ン ニ ン であ る こ と が確 か め ら れ た が そ の 種 類 を 同定 す る こ と が , でき な か っ た.. ・豆をご恵与下さっ た, 十勝農業協 同組合連合会種 子センターに深謝する .. 献. 文. 1) 村上知子. 北教大紀要1 IC, 2 8( 2 (1 ) ) 97 8 , 31 . 2) 中林敏郎, 木村 進, 加藤博通.“食品の変色とその化学”光琳書院・東京・ (1 97 2)p 6一77 .7 . i 3) M.Ho r 1969 c ) .C庇 伽,So .超卿〃, 42 ,β”” . ,2333(. 4) 中山 充, 平岡三津子, 松尾昭彦, 林 修一 鷹野重成 “日立ゲル応用例 (学会 学会誌発表論文集) ”日製産 , . , 業株式会社・日立・ (19 75 )p 一 5 9 6 2 . . t { ionar o ”VOI 1 E r 5) A.H.Cook icCompounds i y forgan t t .BunburyandD.H.Hey, Dict ,H,M swoode ye & Spo . Pub l i 1964 I sher sLTD,London( )p 1964 )p .2 .572 .1495 . ,VO ,(. (6 ) 0. ,.
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