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認知の誤りと学校ストレッサーが抑うつに及ぼす影響

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(1)平成22年度 修士論文. 認知の誤りと学校ストレッサーが抑うつに及ぼす影響. 兵庫教育大学大学院  学校教育研究科  学校教育専攻  臨床心理学コース.    学i籍番号  MO90811. 佐藤. 文彦.

(2)                  目次 第1章 問題と目的。.__........._..........._...._.........._.............._..._._........._._._.....1.  不登校について.._..........9._..._..._............。...........一。_。_._.._.............._........._..._._...1.  抑うつについて__.____.__.____.______.______.___.___.___4.  抑うつと認知の誤りについて_.___._.___.__.______.______.__._7  学校ストレッサーについて______.____.__。______.___.___._____9  本研究の目的...._........._..._._....._._._.._._........._......._.......__._............_.........12. 第2章方法_.___._.______.______._____._..___._.__..____14  wa”..”H.”””“..”“”.””“””””””””.”””.””””..”..””””””””””””””””.””””””.”““.”““...14.  ;照日寺;期..........._.............._..。_......_..._.._._._._..............................................._._..14.  用いた尺度。......._....._..._._._._.__......_........._................._.............__........._._.14.  分析方法....._...._....一....__._.._.._........_......._._..._..._...._.__..._..一..._......._._.16. 第3章 結果........._..._._............._........................_.........._............__.............._...17.  中学生用学校ストレッサー尺度の信頼性の確認_...._............._..........._.........._...。......17.  各尺度の正規性の確認_._............._....._._......._.................._............._.........。._.......19.  各質問紙データの先行研究との比較.._._...._._.._._._._.__._......_....._._..._...27. 学年差と性差による検討(DSRS−C得点について)...._......_.._._.........._...._._......29. 学年差と性差による検討(CCES−R得点について)_一一._。_。_......__...._......_._._.30.  学年差と性差による検討(友人関係得点について)....._._........_._._......_.._.._._.32.  学年差と性差による検討(部活動得点について)_.._._._.._._._.._...._.........__...33.  学年差と性差による検討(学業得点について)._._._._._._._........_....._....._........34. 学年差と性差による検討(ストレッサー総得点について)..._._..._._.._......._..__35  各尺度の因子間相関_.._....___。.._....._......_...._._.............._____......._...._._.36.  共分散構造分析(全体)._.._._._._....._._.__._..._._._..._..._.._..._._....._._.37.  共分散構造分析(男子)........._..._..._。_._。_...___._。_。_.......................................39.

(3)  共分散構造分析(女子)..................._.._.__..._._......_.............__._._...._........_41. 第4章 考察........_.._の_......................._.........................__..___...__.___..42.  中学生用学校ストレッサー尺度についての考察。_......_.........._._...........__......_....43.  DSRS−Cの分散分析による考察_....。_._...t一..___,._._..._.__..,.._._.______...45.  CCES−Rの分散分析による考察.._.._...................._._....._......。...._......._.__.___.48.  学校ストレッサーの分散分析による考察......._.__....._................_..._._。.....__.._49.  共分散構造分析の結果についての考察.........._..._.._。...._.........__.....__.__..___51.  本研究の反省と今後の課題......_......._......................._......._........._.........___.___53. 第5章 総合考察........_........_......_........_..........._...._.__._..___.._._.___..56. 引用文献. 欝 騰.

(4) 第1章 問題と目的 不登校について (キーワード:中学生,予防).  近年,学校現場では,不登校,いじめ,非行,校内暴力といった学校不適応 の問題が増加しており、社会問題として大きく取り上げられている(吉原ら, 2005)。特に不登校の問題については深刻化している。文部科学省(2010)は, 不登校を「何らかの心理的,情緒的,身体的あるいは社会的要因・背景により,. 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席し た者のうち,病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義し,様々な調 査を行っている。.  Fig.1に平成3年度から20年度の不登校児童生徒数の推移を表した。学校 基本調査速報において平成20年度間の長期欠席者(30日以上の欠席者)のう ち「不登校」を理由とする児童生徒の数は12万7千人に上ることを発表して. いる。この数字は前年に比べて2千人程減少している。さらに,平成13年度 をピークに不登校の児童生徒数は年々減少傾向に転じていることが分かってい る。.  1995年度に長;期欠席の理由が「病欠」から「学校嫌い」のほうが多くなったと. いう状況が改善されず,その差が増え続けているという点でも,深刻な事態を. 示唆しているものと思われる。また,不登校の児童生徒数は平成7年度には,. 8万1千人であり,それが今や12万人を超えていることなどを考えると,いま だに不登校となっている児童生徒の数が少なくなっているとは言いがたいのが 現状である。.  さらに,平成20年度の小学校と中学校の不登校者数を比べてみると,小学. 校では2万3千人であるということに対して中学校では,10万4千人とおよそ 4倍以上の差がある。小学校の児童数は約706万人で中学生の生徒数はおよそ                  一1一.

(5) 360万人である。このことは児:童と生徒間とで不登校者の割合について比較し. てみても,圧倒的に中学生の方がその割合が高く,約35人に1人の割合で不 登校に陥っている生徒がいることを表している。中学校においてはこのような. 生徒が年度内に学校へ再登校できるようになる割合は24.3%,約4人に1人の 割合であり,不登校という事態を引き起こしてからでは,その復帰までに時間 を要すること,生徒の心の負担が大きいことが明らかにされている。つまり, 不登校になってから何かしらの対策や治療を始めるということよりもむしろ,. 不登校に陥らないための予防への取り組みが重要になってくるのではないだろ うか。.  不登校の直接のきっかけについては,「学校生活に起因すうもの」が36.2%, 「家庭生活に関係するもの」が19.1%,「本人の問題に起因するものが」35.0%. となっている。これを小・中学校別にみると,小学校においては「本人の問題 に起因するもの」の他,「家庭生活に起因するもの」の割合が高い。中学校にお いては「学校生活に起因するもの」の割合が最も高く,「本人の問題に起因する. もの」が続く。また,個別の事項では,小学校と比して中学校では「学校生活 に起因するもの」のうち「学業の不振」や「友人関係をめぐる問題」の割合が 高くなっている。.  このような現状を受け,岸田(2002,2008)は学校の内部から教師が主体的 に不登校問題に取り組み,学校環境の改善によって不登校児童生徒を減少させ た事例を報告している。しかし,こういつた教師による不登校児童生徒に対す る支援の全てが有効に働いているというわけではなく,時にはそれが逆効果な 揚合もあることも,岸田(2010)は指摘している。.  さらに,文部科学省においても不登校の予防やその支援に対して様々な対策 を講じている。学校行事や学校活動を充実させて学校への魅力の向上に努めた り,教員の質的な向上を目指し,カウンセリング能力の向上のための研修の実 施や教育職員免許法を改定して,教育養成過程における生徒指導,教育相談等 に関する内容を充実させている。さらに,スクールカウンセラーの配置の拡充 や心の教室相談員の配置等により,教育相談体制を充実させている。これらは                 一2一.

(6) そういった対策の一例であり,年々不登校者数が減少傾向にあることを考える とそういった対策の効果が出ているのではないかと考えられるが,依然不登校. 者数が12万人以上いることを見れば,根本的な対策にはなっていないように も思う。そこで,こういつた対策とは別の視点から不登校などの学校現場の問 題について考察することが必要なのではないかと考える。. 140000 畑’. 120000 100000. 80000 60000. 40000 20000. 懸/博・. 繍   ゴ』議/縁. @  \  ∼  ゴゴ          罵ミゴ                          ’   \\N. →一小学生. Vグ  へ. +中学生. %七      ■醐.    ノ〃完% G謡鍵騨勢、・一6、噛,,dl:’壽 /  ノY  〃導                    ▼. 20年度 19年度 18年度 17年度 16年度 15年度 14年度 13年度 12年度 11年度 10年度. @     〃∴∵冠1償’. 9年度 8年度 7年度 6年度 5年度 4年度 3年度.   0. q驚. Fig.1平成3年度から20年度の不登校児童生徒数の推移. 一3一.

(7) 抑うつについて (キーワード:うっ病,児童期,青年期,不登校).  抑うっとは,英語における“depression”の訳語である。“depression”とい. う用語は,心理学的,精神医学的にはおおむね3っの意味で使われる。1つは 気分(mood)としての「抑うっ気分(depressive mood)」,2っ目は抑うつ症 状(depressive symptoms)のまとまりとしての「抑うつ症候群(depressive syndrome)」,そして3つ目は疾病単位としての「うっ病(depressive disorder)」. である(坂本,1997;坂本・大野,2005)。.  抑うつ気分とは滅入った(悲しくなった・憂うつになった・ふさぎ込んだ・ 落ち込んだ)気分のことである。抑うつ気分には一時的な気分の変化から,大 うつ病の診断基準にあたる2週間以上持続するものまである。抑うつ気分は日 常誰もが経験するものであり,これだけでは特に治療や介入の対象とはならな い(坂本,1997;坂本・大野,2005)。.  抑うつ症状は,抑うつ気分とともに生じやすい心身の状態で,抑うつ気分の 他にも,興味や喜びの喪失(anhedonia),易疲労性,自信喪失,自責感,自殺 企図あるいは自殺念慮,集中困難,精神運動性制止(動き方や話し方がゆっく りになる状態)または焦燥感(イライラしてひとところに座っていられなかっ たり,動き回っていたりする状態),食欲・体重の変化(食欲不振や過剰な食欲,. 体重の著しい増減),性欲の減退,睡眠の変化(不眠や過眠),絶望感,心気的. 憂慮(身体の症状のことがひどく気になること)などがある。これらの抑うっ 症状がまとまって出現すると,抑うつ症候群となる(坂本,1997)。.  うっ病の診断基準を満たしていない準臨床的な抑うつ症状でも,日常生活上 の機能低下を引き起こし,学業不振,社会的不適応,薬物使用,自殺のリスク が高く,後に診断に至るまでの症状の悪化につながる可能性がある(National Health and Medical Research Council[NHMRC],1997)。このことから,う. っ病という診断基準に至るような重い抑うつとなる前に,軽い抑うつ気分,抑 うつ症状の内にイ可らかの支援をすることが重要であると考えられる。.                 一4一.

(8)  青年期における抑うつについて言及している研究は多々見られる。うつ病性 障害は若い年代においての有病率が上昇している(Lewinsohn, Rohde, Seeley,. &Fischer al,1993)。例えば,オーストラリアにおいては,18歳までに24%. 以上の若者が臨床的な大うっ病エピソードを経験することが示されている (National Health and Medical Research Council[NHMRC],1997)。日本に. おいてはどうだろうか。日本においても,小学生の7.8%,中学生の22.8%が. 高い抑うつ傾向を示すことが分かっており,欧米の報告と同じ程度に大うつ病 性障害の児童青年がいる可能性がある(傳田ら,2004)。また,青年期の抑うつ. 症状は,学業パフォーマンス,社会的不適応,薬物使用,自殺企図,自殺など. と関連がみられる(NHMRC,1997)。このように,上に挙げた学校現場の問題 の一部や児童生徒の不適応状態には,抑うっが関わっているということがここ からも分かる。さらに,子どもとうつ病の関係においては様々なことが指摘さ れている。子どものうつ病は,成人のうつ病よりも有害であり,長期にわたる ことや,後のうつ病のリスク要因となるだけでなく,他の心理的な問題のリス ク要因にもなりうる(Kovacs et al.,1984)。子どものうつ病は従来考えられて. きたほど楽観はできず,適切な治療が行われなければ,大人になって再発した り,他の様々な障害を合併したり,対人関係や社会生活における障害が持ち越 されてしまう場合も少なくないと考えられるようになった。今や子どものうつ 病をきちんと診断し,適切な治療が行うことが急務となっているのである(傳 田,2002)。しかしながら,一般的に言って子どもの場合,①身体症状や行動面. の問題(不登校など)が前景に出る,②抑うつ気分をうまく言語化できない一 子どもはうつ病を「悲しい」というよりも「いらいら」と感じていることが少 なくないし,「すぐ怒ってしまう」「ものごとがすごく神経にさわる」とのべた りする(猪子,2006),③ごく普通の表情で時には笑顔を交えながらきちんと話. をすることができる(軽症うつ病の場合)といった特徴があり,うつ病の存在 が見逃されやすい。うつ病は,不登校や学校でのいじめ問題とも関連し,今の 学校生活のなかで消極的になったり,不適応反応をおこし落ち込んでしまった 子どもたちを抑うつという視点から検討することが必要だとする指摘も少なく                 一5一.

(9) ない(村田ら,1989)。.  こういつた指摘を参考にすると,今の学校生活のなかで消極的になったり,. 不適応反応をおこし落ち込んでしまったり,そういった不適応状態が持続して いるという原因について,抑うっという視点から検討することも必要なのでは ないか,と考えることができる。.  近年,児童・思春期初発のうっ病と不登校との関連が注目されつつある。猪 子(2006)は不登校児とうつ病の子どもには共通点が多いことを指摘している。. 例えば,憂うつな気分というものがその代表ではなかろうか。また,不登校の 子どもの中には,うっ病の子どももおり,うつ病で登校ができないのに,学校 を欠席すると,周りから単なる不登校と見られたことが多く,うつ病が見逃さ れることもあるという。不登校の子どもに,うっ病が一緒に起こっているケー スというものも珍しくはない。このことから,不登校と抑うつとの間には,何 らかの関係性があるのではないかというということが考えられる。. 一6一.

(10) 抑うつと認知の誤りについて (キーワード:不安,スキーマ,認知操作,認知結果).  不安やうつに関連した情報処理の中に,Beck et al.(1979)が提唱した誤っ. た情報処理,認知の誤りがある。認知の誤りとは,成人のうつ患者に特徴的な 認知の一つであり,症状の形成と維持に関連しているとされている(Beck et aL, 1979)o.  抑うつを発生させる要因の一つとして,スキーマや推論の誤りなどの認知に 注目したものがある。Spence(1994)は,児童の不安やうつに関連する認知を,. スキーマ,認知操作,認知結果の3つのレベルに分けて考えることの重要性を 指摘している。スキーマとは,個人の中で一貫して観察される考えや行動,感 情の基となっている態度や信念体系を指す。また,認知操作とは,外部からの 情報を変換する認知的な過程のことであり,注意,記憶,解釈などのプロセス を指している。最後に,認知結果とは,認知操作やスキーマによって生成され る自動思考やイメージ,言語表象などである。この中で,不安障害やうつ病性 障害の症状と関連している認知操作について検討した研究は少ないが,石川ら (2003)は児童用認知の誤り尺度(Children’s Cognitive Error Scale;以下. CCES)を用いた調査によって,児童の不安症状と推論の誤りの関連について 検討している。その結果,児童の不安症状は推論の誤りと強く関連しているこ とが示された。.  一方,Cole et al(1998)は,児童の不安症状とうつ症状の間には強い関連. があることを指摘している。また,佐藤ら(2003)は,児童の不安とうっに関 する認知を検討するには,不安とうつを別々に分析するのではなく,これらの 症状同士の関連を考慮に入れる必要があることを示唆している。このことから,. 不安症状とうっ症状の間の関連を考慮に入れた上で,推論の誤りの与える影響 について検討する必要性が指摘できる(佐藤ら,2004)。このような指摘を受 け,佐藤ら(2004)は,児童の不安とうつを喚起しやすい場面で見られる推論. の誤りを測定できる,CCESの改訂版である,児童用認知の誤り尺度改訂版                 一7一.

(11) (Children’s Cognitive Error Scale;以下CCES−R)を用いて,推論の誤りが,. 不安障害とうつ病性障害の症状に及ぼす影響ついての調査を行い,推論の誤り が両方に正の影響を与えるということを明らかにしている。  また,Leitenberg et al(1986)は,児童にみられる特徴的な推論の誤りと して,「破滅的な思考」,「過度の一般化」,「個人化」,「選択的な抽出」の4つ. を取り上げ,これらの推論の誤りがうっ症状を強く示している児童に顕著にみ られることを報告している。.  これらのことから,認知的な内容である推論の誤りが抑うっ生成に非常に大 きな役割を果たしているのではないかと考えることができる。.  このように抑うつの発生における認知的な内容の重要性を指摘する研究は数 多くある。実際に,佐藤ら(2010)は,中学生を対象とし,ソーシャルスキル と認知的内容である自動思考,さらに学校不適応感が抑うつに対してどのよう な影響を与えているのかを調査している。その中で,ソーシャルスキルにおい て,特に「温かい断り方」のスキルは抑うつと負の相関関係にあること,学校 不適応感においては,特に,「友人関係」に関することが抑うつに対して正の影 響を与えているということ,自動思考においては,「自己の否定」といったネガ ティブな自動思考は抑うつと強い正の相関関係にあること,「将来への期待」と. いったポジティブな自動思考は抑うつと強い負の相関関係にあることを明らか にしている。また,抑うつ得点を目的変数とした重回帰分析において,抑うつ へ正の影響を与えていたものの中には,自動思考の「自己の否定」,「絶望的思. 考」があり,負の影響を与えていたものの中にも自動思考の「サポートへの期 待」が含まれていた。. 一8一.

(12) 学校ストレッサーについて (キV・一一一ワード:ストレス,素因ストレスモデル,ストレス生成モデル,認知の 媒介). ストレスという言葉はもともと機械工学の領域で用いられてきたものであり,. バネにカを加えて曲げようとすると,内部にこれと釣り合うように同じカが生 じる。このときに外からの力を「ストレス因(ストレッサー)」と呼び,内から. の応力を「ストレス」と呼ぶのである(和田,2003)。これを生活面にあてはめ. てみると,日常生活でおこる様々な環境の変化や出来事,例えば騒音や気温の 変化という物理的なものから,引っ越し,あるいは人間関係といった心理的な 事柄もストレッサーであり,それによって心や体に起きる歪みがストレスであ るということができる。セリエにおいても,「ストレスとは,あらゆる要求に対 し,生物体が起こす非常特異的反応である」と『Stress in且ealth Disease』 (1976)の中で定義している(菅沼,2003)。ここで言う要求は,心理社会的. 出来事である刺激としてのストレッサーを意味している。本研究では,日常生 活において誰もが体験するであろうストレッサーを扱うのではなく,学校とい う場面で主に経験するであろうストレッサーを学校ストレッサーとして扱うこ ととする。.  学校ストレッサーは,その注目度が年々高まり,数多くの研究がなされてい る。その一例として,中学生を対象にとした心理的ストレスに関する測定尺度 がいくつか開発され,信頼性や妥当性の確認が行われている(三浦,2002;岡 安ら,1992;佐々木,2001など)。また,中学生の心理学的ストレスについて調 べた研究も数多く見受けられる(三浦・上里,2002;岡田,2002;岡安ら,1993 など)。その結果,学校ストレッサーはストレス反応を高めたり学習意欲を低下. させること,ソーシャルサポートやストレッサーに対するコントロール感はス トレス反応を軽減すること等が報告されていること,ストレス反応の表出が高 い生徒は,“学校に行きたくない”ど感じる傾向があることが明らかにされてい る(三浦,2006)。.                 一9一.

(13)  中学生に入ると,部活動や学習内容の向上など真新しいものに触れる時期に あり,それらに関連したものから抑うっへとつながっていく,ということが考. えられる。文部科学省が2002年に発表した調査によると,不登校の原因とし て,「友人関係をめぐる問題」(45%),「学業の不振」(28%),「教師との関係を. めぐる問題」(21%)など学校生活に関わるものが多く挙げられている。不登校 継続の理由についても,「学校生活の問題」が最も多く挙げられている。これら. のことは学校内で生徒が経験するストレッサーとなり得るだろう。このように 学校生活に関する問題,即ちストレッサーから不登校へつながっていることは 明らかになっている。しかしながら,ストレッサーの存在があるからといって,. それが不登校に直接的につながるとは思えない。もしそうであるならば,学校 には現在の数よりももっと大きな不登校児童生徒が存在しているはずである。 この学校ストレッサーと不登校の間には,他の要因も介在しているのだろう。. 例えば,抑うつ症状はそのうちの一つであると考えられる。前述した通り,不 登校と抑うっとの関連が指摘されているからだ。  ストレスに関して言えば,抑うつの発生・悪化のプロセスとして,「素因スト. レスモデル」と「ストレス生成モデル」の2つが主に検討されている。これら 2つのモデルは,「外的なストレッサーの発生」を重視している。つまり,素因. ストレスモデルでは,素因を持つ者が,ストレスフルな出来事を経験すると抑 うつに陥ると仮定している。ストレス生成モデルでは,抑うつになる者は,対 人関係において不適切なやり方で振舞ってしまうことによって,他者からのネ ガティブなストレスを引き起こし,自滅的に抑うっを発症させたり悪化させる と仮定している。外的なストレッサーは確かに抑うつの発生・悪化に重要な役 割を果たすかもしれない。しかし,外的ストレッサーだけではなく,「内的で主. 観的なストレッサー(客観的にはストレッサーが必ずしも存在しないのにも関 わらず,ストレッサーを知覚・予期すること)」も精神的不健康の発生や悪化に 重要な役割を果たすだろう。.  加えて,佐藤ら(2004)は,「友達とケンカをした」などの場面のネガティ ブな解釈が,抑うつ症状の強さに対して影響を及ぼしているという報告をして                 一10一.

(14) いる。つまり,ストレッサーが直接抑うっに影響を与えるのではなく,スキー マや自動思考などの認知を媒介にして抑うっに影響を与えているのではないか ということが考えられる。.  このことからも学校生活の中で抱えているストレッサーのみを変数とするの ではなく認知的内容を変数に加えることの重要性が示唆されたのである。. 一11一.

(15) 本研究の目的.  さて,以上のことをまとめると,抑うっの発生には,学校ストレッサーの存 在だけではなく,その学校ストレッサーを解釈する機能としての認知の重要性 が示唆されたわけである。そして抑うっが発生すれば,不登校に代表される学 校不適応状態に陥ることとなる(Fig.2)。これまでの研究では,抑うつに対し. て,認知的内容からの直接的な影響を研究しているものが多く,認知的内容の 間接的な効果や媒介効果について検討したものは少ない。佐藤ら(2010)にお いても,認知的な内容である自動思考が抑うつに対する影響について明らかに しているが,自動思考とは,前述した認知結果にあたり,ストレッサーのネガ ティブな解釈の結果発生するものである。しかしながら,本研究は学校ストレ ッサーを経験したときに,それをどのように解釈し,それが抑うつにどのよう に影響を与えているのかということに焦点を当てるため,用いる認知的変数と しては,ストレッサーの解釈という認知操作の過程にあたる認知の誤りを変数 とすることが妥当であると考えられる。.  以上のことから,本研究は,抑うっに対しての研究数が少ない中学生を対象 とし,認知の誤りと学校ストレッサーが抑うっに対して与える直接的な影響と 学校ストレッサ・一一一一が認知の誤りを介して抑うつに対して与える間接的な影響や. 認知の誤りの媒介効果について調査していきたい。こういつた内容が明らかに されることで,抑うっを抱える生徒を減らすことや,不登校に代表される学校 現場の問題の減少に寄与できる可能性が期待できる。. 一12一.

(16) 学校スト レッサー.  不登校. .. 認知の誤り. .. 抑うつ. ・ストレッサーを解釈する機能。媒介的役割。. ・ストレッサーを経験し,かっこの度合が高い と抑うっ生成へとつながる,という可能性。. Fig.2抑うっ発生の仮説モデル. 一13一. .. (学校不適応).

(17) 第2章 方法 対象.  都市部の公立のA中学校105名(男子55名,女子50名)を対象とした。. 実施時期.  2010年11,月∼12,月にかけて,質問紙による調査をA中学校に依頼,実施 した。.  また,学校側の要望で1から3学年の各1クラスずつにホームルーム等の時 間を使って質問紙を配布してもらうという形をとった。.  回収した質問紙のうち,記入漏れや記入ミスのあるものを除き,有効回答者. 91名(男子47名,女子44名;有効回答率86.67%)を分析の対象とした。. 用いた尺度  ・児童用抑うつ自己評価尺度(Depression Self−Rating Scale for Children;. 以下DSRS−C).  DSRS−Cは子どもの抑うつ症状に関する18項目から成り,最近1週間の状 態について子ども自身が0∼2の3段階評価を行うものであり,full scoreは 36点である。我が国では村田ら(1996)が日本語版を作成し,信頼性と妥当 性が検討され確認されている。なお,本研究では学校現場での調査を念頭にお. いていたため,「自殺」と「いじめ」に関する2項目を削除し,計16項目での. 実施とした。またこれら2項目を削除してもDSRS−Cの信頼性は十分保たれる ことが明らかになっている(佐藤ら,2002)。評定は,各項目にどのくらい当て. はまるかについて,3件法で回答を求めた。高得点であればあるほど抑うつ性 が強いことを示す。. 一14一.

(18)  ・中学生用学校ストレッサー尺度  岡安ら(1992)によって作成され,生徒が日頃の学校生活で経験するであろ うストレッサーを調べようとするものである。「友人関係」,「学業」,「教師との. 関係」,「部活動」,「規則」,「委員会活動」の6因子,37項目から成っており,. その出来事を経験した頻度と嫌悪性の2っを測定するようになっている。「経 験頻度」においては「全然なかった」,「たまにあった」,「ときどきあった」,「よ くあつた」,「嫌悪性」においては,「全然いやでなかった」,「少しいやであった」,. 「かなりいやであった」,「非常にいやであった」のそれぞれ4件法で回答を求. めた。また,この尺度は「経験頻度」×「嫌悪性」を算出して,ストレッサー の指標(得点)としている。.  学校側の事情で「教師との関係」の因子は削除するよう求められたので削除 した。そのため,中学生用学校ストレッサー尺度については予備研究において その信頼性を確認した。.  ・児童用認知の誤り尺度改訂版(Children’s Cognitive Error Scale−Revised;. 以下CCES−R).  石川ら(2003)によりCCESが作成され,その改訂版を佐藤ら(2004)が 作成した。9つの場面を提示し,推論の誤りを表す項目を提示して回答を求め るという構造になっている。ある程度の信頼性,妥当性が示されている。評定 は,「ぜんぜんそう思わない」,「あまりそう思わない」,「少しそう思う」,「とても. そう思う」の4件法で,各項目にどのくらい当てはまるかについて回答を求め た。得点が大きいほど認知の誤りが大きいことを示す。. 一15一.

(19) 分析方法. 1.各変数の学年差や性差を検討す・るために,各変数をそれぞれ従属変数,学 年と性別を独立変数として二要因分散分析を行った。. 2.各変数同士の相関関係を検討するために,相関分析を行った。. 3.学校ストレッサーと認知の誤りが抑うつに対して与える影響について検討 するために,共分散構造分析を行った。ストレッサー→認知の誤り→抑うつと いうモデルについて検討していきたい。. 一16一.

(20) 第3章 結果 予備的分析. 中学生用学校ストレッサー尺度の信頼性の確認.  本研究に入る前に,中学生用学校ストレッサー尺度において,「教師との関係」. を削除するように求められたため,この尺度の信頼性を検討する必要があった。 なお,従来のこの尺度はある程度の信頼性を有している(岡安ら,1992)。  実際に用いた項目と各因子ごとのα係数をTable 1に示す。  「友人関係」,「部活動」,「学業」の3因子においては良好な信頼性(α=.74. ∼.77)を有していることが認められたが,「規則」,「委員会活動」の2因子に おいては十分な信頼性を有していなかった(or・=.18,.14)。そのため本研究に おいては,既存の中学生用学校ストレッサー尺度のうち,「友人関係」,「部活動」,. 「学業」の3因子22項目を用いて学校ストレッサーを測定することとした。 なお,これより以下の分析には統計ソフトSPSS 19.0およびAmos 19.0を用 いた。. 一17一.

(21) 因子名. 項目. (α係数). 自分の性格のことや自分のしたことについて、友だちから悪ロを言われた。 顔やスタイルのことで、友だちにからかわれたり、ばかにされたりした。 友達とけんかをした。. 友人関係 ( a =.73). 勉強のことで、友だちにからかわれたり、ばかにされたりした。 友だちから暴力をふるわれた。 誰かにいじめられた。. クラスの異性からきらわれた クラスの友だちから仲間はずれにされた。. 勉強と部活動の両立がむずかしかった 部活動で帰りがおそくなった。. 部活動 ( a =.74). 部活動の練習がきびしかった。 部活動の上下関係がきびしすぎると思った。 部活動で、先生や先輩からしごかれた。 部活動の先生がきびしすぎると思った。. 試験や成績のことが気になった。. 試験や通知表の成績が悪かった。 先生や両親から期待されるような成績がとれなかった。. 学業 ( a =.77). 一生けんめい勉強しているのに、成績がのびなかった。 じゅぎょうの内容や先生のせつめいがよくわからなかった。 試験をたくさんやらされて、勉強がたいへんだった。. 人がかんたんにできる問題でも、自分にはできなかった。 じゅぎょう中、指名されても答えることができなかった。. 規則 (a=.18). 時間をきちんと守るように注意された。. 校則をやぶってしかられた。 服そうやかみがたについて注意された。. いやな仕事や苦手な仕事をやらされた。. 委員会活動 (a=.14). 委員の仕事をやらなければならなかった。 委員の仕事をしているのに、人からもんくを言われた。. 学校やクラスの重要な仕事をまかされた。. Table 1中学生用学校ストレッサー尺度の因子と信頼性と各項目. 一18一.

(22) 各尺度の正規性の確認.  正規性を確認するため,各尺度の得点をもとに,コルモゴロフースミルノブの 検定を行った(Table 2)。検定の結果とヒストグラムを以下に示す(Fig.3∼8)。. ヒストグラム. }. 度数. 脚   ’. …. 騨. 榊 一. o. 一占. 酬 ㎜﹁  ㌔. か    ㌍    か    を    蝕. 1. 一. 1            奪           電            1           璽. g s !e tg 20        DSRS :Fig.3DSRS・c得点のヒストグラム. 一19一. や ぬはゆみコ. 灘蟷鳳㈱.

(23) ヒストグうム  3. で. 冨鞭鱗. 醸煽購. 均盤瓢 事搬僕. 購. 燦数.         21) oo 4e         CCESR. :Fig.4 CCES・R得点のヒストグラム.  鐙.  9. 顯藻例. 引⑤. a鳳. 鎖鋸零. 鞘線醗. 婆. ヒストグラム. 度数 “o. o. 鐙     30    30. ca. sa.   友人鶴係. Fig.5友人関係得点(学校ストレッサー)のヒストグラム. 一20一.

(24) ヒストグラム なな ほぎほ. 猛騒暗輔.  触▲. 度数. 1. “. 4窃. sa. 憩. 掲     2◎    3◎.   翻灘勤. Fig.6部活動得点(学校ストレッサー)のヒストグラム. ヒストグラム 闘         ⋮年﹁ ﹁      ∴㌧  ・. 榊. 購﹁‘計、、⋮     ㌔﹁膨一          懲.           轡 毛雪           ^. 度敏 5. 欄、、         ’. 鱒.. か   趣   か   か   を. t2.5. や むむマなアで 鑛91g ve a 5・235. 幣. 臼﹁. 鯛. 灘蚕. 。. ・2舞. 妻1. ◎. O. 騨. va. 黛o. 薦. 鐙. 學纂. Fig.7学業得点(学校ストレッサー)のヒストグラム. 一21一.

(25) ヒストグラム 藩. ががむそかアき. 懇鷺露峨. 度数. 将. ‘. $ 蒋 ua     40     鱒     30    雫登韓    竃ユ。.     総得滋. Fig.8ストレッサー総得点のヒストグラム. 標準偏差. DSRS−C. 1α02. 生95. .20. CCES−R. 19.66. 6.84. 」5. 友人関係. 3.91. 6.97. .00. 部活動. 5.10. 学業. 18.71. 15.24. .00. ストレッサー総得点. 29.44. 25.37. ・00,.    9.451. 平均値. .00. Tabte 2コルモゴロフースミルノブの検定の結果. 一22一. 有意確率.

(26)  コルモゴロフースミルノブの検定の結果から,正規分布しているのはDSRS−C とCCES−Rの2つであった。そのため,「友人関係」,「部活動」,「学業」,「ス. トレッサー総得点」の4つについて,正規分布するような数値に調節するため 開平変換を行った。開平変換後の各ヒストグラム(Fig.9∼12)とコルモゴロ フースミルノブの検定の結果(Table 3)を以下に示す。. ヒストグラム 葡. やカむぐヨゐ. 澱黛奪欝.   内油. 痩数. 辱.     .oo 2ma 4.oo 6.co            笈人翻平. Fig.9友人関係得点(学校ストレッサー)の開平変換後のヒスト. 一23一.

(27) tストグラム ヰあなバが. 謬欝騙り細. 度鼓 6加. 翻濃勧跡畢. Fig.10部活動得点(学校ストレッサー)の開平変換後のヒストグラム. ヒストグラム  ぬにロ ア. 離黍零㈱. IS. 度数 5.      加     2.ve    400    6』if)    81)o    紛組唱.             学業開寧. Fig.11学業得点(学校ストレッサー)の開平変換後のヒストグラム. 一24一.

(28) ヒストグうム  めゼほるロお. 凝騒筥㈱. 度数.              e.co 10.ee 12,ee.           総繕点腿寧. Fig.12ストレッサー総得点の開平変換後のヒストグラム. 平均値. 標準偏差. 有意確率. 友人関係. 1.70. 1.25. .00. 部活動. 1.86. 1.47. .00. 学業. 3.97. 1.87. .20. ストレッサー総得点. 4.80. 2.29. ・20. Table 3開平変換後のコルモゴロフースミルノフの検定の結果. 一25一.

(29)  開平変換後の各ヒストグラムとコルモゴロフースミルノブの検定の結果か ら「学業」と「ストレッサー総得点」については正規分布に値するようになっ たものの,「友人関係」と「部活動」については正規分布しないことが明らかに. なった。しかしながら,抑うつに与える各変数の影響を明らかにするという本 研究の目’的から,「友人関係」と「部活動」の開平変換後の得点も含めて分析を. 進めていくこととした。ただし,以降の分析においては,各ストレッサー得点 の開平変換後の得点を用いることとした。. 一26一.

(30) 各質問紙データの先行研究との比較.  DSRS−C,中学生用学校ストレッサー尺度について先行研究のデータと比較 した(Table 4,5,6,7)。なお, CCES−Rにおいては先行研究に平均値,標. 準偏差のデータが示されていなかったため,データの比較ができなかった。.  DSRS−C得点のt検定の結果,佐藤・市井(2010)と本研究において有意な 差はみられなかった。. Table 4 DSRS−C得点の平均値と標準偏差の結果(佐藤・市井,2010). N == 332. 3年生. 総計. 1年生. 2年生. 男子  女子. 男子  女子  男子  女子  男子  女子. N=67 N=61. N=51 N=63 N=62 N=73 N=155 N=177.      7.96 8.74. 9”67 “.02. 9.62 15.38. 8.92 11.54.      (5.51) (5.62). (5.68) (5.90). (5.41) (7.45). (5.48) (6.83). 平均点. 0内は標準偏差.. Table 5 DSRS−C得点の平均値と標準偏差の結果(本研究). 1年生. 2年生. 3年生. 総計. N=91 男子  女子. 男子. 女子. 男子  女子. 男子  女子.     N=18 N=14. N=18. N=14. N=11 N=16. N=47 N=44. 9.06 9.07. 9.28 13.14. 9.09 10.69. 9.15 10.95. (4.89) (5.46). (5.33) (4.28). (4.28) (4.56). (4.83) (4.95). 平均点. O内は標準偏差.. 一27一.

(31)   中学生用学校ストレッサー尺度の得点のt検定の結果,佐藤・市井(2010) と本研究において有意な差はみられなかった。      Table 6ストレッサーの平均値と標準偏差(岡安ら,1992). 3年生. 2年生. 1年生 男子. 女子. 男子. 女子. 男子. 女子. N=91. N=98. N=101. N=95. N=101. N=116. ストレッサー. 教師との関係 6.6(1・1.3) 8.7(12.9) 12.7(17.7)10.5(13・5). 8.1(14.1) 16.1(18.4). 友人関係. 7.3 (1 1.7).  8.1 (9.4). 6.9(11.9) 8.1(“.3). 7.0(12.6).  5.3(7.2). 部活動. 8.5(10.9). 9.0(“.6). 10.2(12.8) 10.9(12.8). 9.2(12.0). 7.1 (10.6). 学業. 10.7(12.4). 17.2(16.8). 16.1(15.7) 22.8(16.7). 18.3(17.1). 23,5(15.7). 規則.  O.6(1.9).  O.8(2.2).  2.4(5.3) 2.6(4.8).  2.5(5.6).  2.6(5.2). 委員会活動.  4.0(7.0).  3.5(6.3).  4.3(7.6) 3.5(6.8).  4.1 (5.7).  3,0(4.7). O内は標準偏差.. Table 7ストレッサーの平均値と標準偏差(本研究). 3年生. 子11 男臨. 2年生. 1年生. 女子. 男子. 女子. 男子. 女子. N=18. N=14. N=18. N=14. 5.3(“.O).  3.6(4.9).  3.7(6.6) 5.6(7.8).  2.6(3.7).  2.2(3.8). 部活動.  2.8(3.7).  3.9(7.7).  4.6(7.1) 13.6(16.7).  1.2(2.9).  4.6(8.9). 学業. 15.5(12.4). 15.0(12.5). 19.7(16.0) 20.9(19.6). 14.5(14.1). 25.4(15.4). 規則. 1.39(2.59).  .93(.92).  .94(1.39) 1.79(2.29).  .09(.30). 1.38(1.93). 委員会活動.  .56(.92).  .29(.61).  .61(1.15) 1.00(1.62).  .oo(.oo).  .88(1.31). ストレッサー. N=16. 教師との関係. 友人関係. O内は標準偏差.. 一28一.

(32) 分析結果. 学年差と性差による検討. DSRS−C得点について  DSRS−Cの得点について学年差,性差を検討するために,対象者全員のデー タを用いて,学年と性別を要因とする二要因の分散分析を行った(Table 8)。 分析の結果,性別において有意な差のある傾向がみられた(F(1,85)=3.16, p<.10)。女子は男子よりも有意に得点が高い傾向にあった。. Table 8 DSRS−C得点の平均値と分散分析の結果. 1年生. 2年生. 3年生. 緯計.     学年.    交互作 性差.     差.    用. 男子 女子  男子  女子  男子 女子  男子. 女子  F. F    F. N=18 N=14 N=18 N=14 N=11 N=16 N=47. N=44. N=91. 9.06 9.07. 9.28 13.14. 9.09 10.69. 9.15 10.95. 1.56 3.12t. 1.26. 均. 平. 点(4.89)(5.46)(5.33)(4.28)(4.28)(4.56)(4.83)(4.95). O内は標準偏差.†ρ〈.10. 一29一.

(33) CCES−R得点について  CCES・・R得点について学年差,性差を検討するために,対象者全員のデータ を用いて,学年と性別を要因とする二要因の分散分析を行った(Table 9)。そ の結果,学年において有意な差のある傾向がみられた(.F(2,85)=2.85,p<.10)。. Turkey法を用いて多重比較を行った結果,2年生は3年生より有意に得点が高 い傾向にあった(p<.05)。.  また,交互作用に有意な差のある傾向がみられた(F(2,85)=3.08,p<.10)。. そこで,単純主効果の検定を行い,その結果をFig.13に示した。男子におい て,2年生の得点が1年生の得点より有意に高く (p<.05),3年生の得点より. 有意に高い傾向にあった(p<.10)。また,1年生において,女子の得点が男子 の得点よりも有意に高い傾向にあった(p<.05)。. Table g CCES−Rの平均値と分散分析の結果. 2年生. 3年生. 総計. N=91. 男子 女子  男子  女子  男子 女子  男子 女子  F. 学年差. 性差F. 1年生. 交互作用. F. N=18 N=14 N=18 N=14 N=11 N=16 N=47 N=44 16.72 21A3 23.50 20.07 17.00 18.56 19.38 19.95. 2.85t .46. 3.Os t. 平均点 (4.86) (7.48) (7.04) (7.81) (5.78) (6.07) (6.71) (7.05). ()内は標準偏差.†ρ<.10. 一30一.

(34) 屡. 1⋮ . †. 士. 25・. *. 1. !⋮ ⋮. 1. 20一. 15一. ⋮ . 5. ●. 10一. 1. 曽P<.05 t p〈.10. o. 18名   i 14名 男子   i 女子.    1年生 Fig.13 CCES−Rの単純主効果の検定. 一31一.

(35) 友人関係(学校ストレッサー)について  友人関係について学年差,性差を検討するために,対象者全員のデータを用 いて,学年と性別を要因とする二要因の分散分析を行った(Table 10)。分析の. 結果,学年,性別ともに有意な差はみられなかった。. Table 10友人関係の平均値と分散分析の結果 2年生. 3年生.     学年 総計.     差. 男子 女子  男子  女子  男子 女子  男子. 女子  F. N=18 N=14 N=18 N=14 N=“ N=16 N=47. N=44. 1.87 1.74. 1,61 2.02 1.51 2.19. 性.   交互作用 差. N=911年生. 1.69 1.70. F  F. .75 .04. .47. 平均点 (1.55) (1.09) (1.32) (1.48) (.96) (.90) (1.32) (1.18). O内は標準偏差.. 一32一.

(36) 部活動(学校ストレッサー)について  部活動について学年差,性差を検討するために,対象者全員のデータを用い て,学年と性別を要因とする二要因の分散分析を行った(Table 11)。分析の結 果,学年において有意な差がみられた(F(2,85)=5.70,p<.01)。 Turkey法を用. いて多重比較を行った結果,2年生は1年生よりも有意に得点が高く(p<.05), 3年生よりも有意に得点が高かった(p<.01)。  性別において有意な差がみられた(F(1,85)=5.27,p<.05)。女子は男子より 有意に得点が高かった(p<.05)。. Table“部活動の平均値と分散分析の結果. 2生. 年.     差.    交互作 性差    用. 男子 女子  男子 女子  男子 女子  男子. 女子   F. F   F. N=18 N=14 N=18 N=14 N=11 N=16 N=47. N=44. 1年生.     学年. 3年生. 総計. N=91. 1.60 4.75.   鋤   ω. 平均点. 1.89 3.16 1.05 1.65. 1.58 2.16 5.70“’ 5.27’. 1.30. (1.21) (1.28) (2.11) (.79) (1,58) (1.06) (1.76). ()内は標準偏差.*ρ〈.05,**ρ〈.01. 一33一.

(37) 学業(学校ストレッサー)について  学業について学年差,性差を検討するために,対象者全員のデータを用いて, 学年と性別を要因とする二要因の分散分析を行った(Table 12)。分析の結果, 学年,性別ともに有意な差はみられなかった。. Table 12学業の平均値と分散分析の結果. 1年生. 2年生 男子.    N=18 N=14. N=18. 3.64 3.62. 子14 女昨. N=91 男子  女子. 4.08 4.19. 3年生. 学年差  性差 交互作用. 男子  女子. F F   F. N=11 N=16 3.30 4.78. .64 1.74. 1.38. 平均点 (1.70) (1.60>. (2.04) (1.94) (2.“) (1.81). 0内は標準偏差.. 一34一.

(38) 学校ストレッサー総得点について.  学校ストレッサー総得点について学年差,性差を検討するために,対象者全 員のデータを用いて,学年と性別を要因とする二要因の分散分析を行った (Table 13)。分析の結果,性別において,有意な差のある傾向がみられた (p<.10)。女子は男子よりも得点が高い傾向にあった。. Table 13ストレッサー総得点の平均値と分散分析の結果. 2生. 年. 交互作. N=91男子 女子  男子 女子  男子 女子  男子. 女子   F   F. F.    N=18 N=14 N=18 N=14 N=11 N=16 N=47. N=44. 4.48 4.49. 4.84 5.73. 3年生. 総計. 3.69 5.33. 4.43 5.19. 1.23 3.03t. 用.     学年         性差     差. 1年生. .93. 平均点 (2.05) (1.78) (2.33) (2.90) (2.38) (2.15) (2.23) (2.32). O内は標準偏差.†ρ<.10. 一35一.

(39) 各尺度の因子間相関.  各変数同士の相関関係を検討するために,相関分析を行った(Table 14)。 DSRS−Cと学校ストレッサーの「友人関係」,「部活動」,「学業」,「ストレッサ. ー総得点」との間,CCES−Rと学校ストレッサーの「友人関係」,「部活動」,「学 業」,「ストレッサS一一一・as.得点」との間,学校ストレッサーの「友人関係」と学校. ストレッサーの「部活動」,「学業」との間に弱い正の相関(r=.23∼.39)がみ. られた。学校ストレッサーの「友人関係」と学校ストレッサーの「ストレッサ. ー総得点」との間,学校ストレッサーの「部活動」と学校ストレッサーの「学 業」,「ストレッサー総得点」との間に中程度の正の相関(r=.44∼.67)がみら. れた。学校ストレッサーの「学業」と学校ストレッサーの「ストレッサー総得 点」との間に強い正の相関(r=.92)がみられた。. Table 14各尺度の因子間相関 学校ストレッサー.        ストレッサー総得. DSRS−C CCES−R 友人関係 DSRS−C. A7. CCES−R 友人関係 部活動 学業. 部活動 学業        点. .27”. .37”* .26’. .36”’. .38”’. .23“ .35”. .39”’. .30*’ .37’*. .57”’.    .44”’. .67”’ .92’“’. ストレッサー総得 点 “p〈.05, ”p〈.Ol, ”’p〈OOI. 一36一.

(40) 共分散構造分析.  学校ストレッサーと認知の誤りが抑うつに対して与える影響について検討す るために,共分散構造分析を行った。学校ストレッサーと認知の誤りを用いて 抑うつを予測するモデルの作成を試みた。本研究では抑うつの指標をDSRS−C,. 認知の誤りの指標をCCES−Rの得点とみなしている。モデルの作成は相関係数 を用いた検討の結果に基づいて行った。採用されたモデルとその結果を以下に 示す。なお,母数の推定には最尤推定法を用いた。. 全体における分析(Table 15, Fig.14)  適合度指数はz 2=.596,p=.742, RMSEA=.000, GFI=.997,AGFI=.980,. AIC=26.60で良好な数値となった。認知の誤りに対して有意なパスを与えてい たのは,学校ストレッサーの「友人関係」(ff =.29, p<.01),「学業」(β=.24,. p<.05)であった。抑うつに対して有意なパスを与えていたのは,学校ストレ ッサーの「部活動」(β =.31,p<.01)であった。各ストレッサーが認知の誤り. を媒介にして抑うつに与える影響については検出されなかった。. Table t5全体の共分散構造分析の結果 N=91. 認知の誤り. 友人関係. 部活動. 学業. 認知の誤 .24“. .29**.  り. 抑うつ. .04. .16. .31”. 数値は標準偏回帰係数.*p<.05,**p<.Ol. 一37一.

(41) 友人関係 聾6. 29. 04. .30. 携】う. 認知の誤り 3霊. 部活動 35 .24. 弱. RMSEA=.OOO. GFI=.997. AGFI=.980. Fig.14全体の共分=散構造分析によるモデル. 魅. 一38一. AIC=26.60.

(42) 性別ごとの共分散構造分析(男子).  DSRS−Cの得点の分散分析の結果から,性別において有意に差のある傾向が みられたため(table 8),性別ごとに共分散構造分析を行い,学校ストレッサ ーと認知の誤りが抑うつに与える影響について検討した。.  男子において分析を行った(Table 16, Fig.15)。  適合度指数はκ2=.379,p=.827, RMSEA=。000, GFI=.997,AGFI=.975,. AIC=26.38で良好な数値となった。認知の誤りに対して有意なパスを与えてい たのは,学校ストレッサーの「部活動」(ff =.53,p<.001)であった。また,認. 知の誤りに対して有意な傾向のあるパスを与えていたのは,学校ストレッサー の「友人関係」(A=.21,p<.10)であった。抑うつに有意なパスを与えていた のは,学校ストレッサーの「部活動」のみであった(β=.37,p<.05)。認知の. 誤りが抑うつに与える影響については検出されなかった。. TabJe 16男子の共分散構造分析の結果 N=91. 認知の誤り. 友人関係. 部活動. 学業. .21t. .38*’. .21. 認知の誤.  り. 抑うつ. AO. .37’. 数値は標準偏回帰係数.†ρ<.10,*p〈.05,*’p〈.Ol. 一39一.

(43) 友人関鎌 、2馨. .21. 認鮪の誤り. .le. 揮う. .37. .38. 部晒勅 .21.    RMSEA=.OOO GFI=.997 AGFI=.975 AIC=26.38. Fig.15 男子の共分散拷造分析の結果. 一40一.

(44) 性別ごとの共分散構造分析(女子)  女子において分析を行った(Table 17, Fig.16)。  適合度指数はx 2=2.23,p=.526, RMSEA=.000, GFI=.980, AGFI=.901,. AIC=26.23で良好な数値となった。認知の誤りに対して有意なパスを与えてい たのは,学校ストレッサーの「友人関係」(β=.37,p<.01)であった。抑うつ. に有意なパスを与えていたのは,学校ストレッサーの「友人関係」(β=.34,. p<.05)であった。認知の誤りが抑うっに与える影響については検出されなか った。. Table 17女子の共分散構造分析の結果 N=91. 認知の誤り. 認知の誤り. 抑うつ. 友人関係. 部活動. 学業. .37**. 一.1 O. .34*. .18. 数値は標準偏回帰係数.*pぐ05,**p〈.Ol. 一41一.

(45) 友.人関係 .M. .3?. 一一. .40. D10. 認簿の誤り. 撫う. .嚢s. 部活動 .2g. .41. RMSEA=.OOO GFI=.980 AGFI=.901 AIC=26.23. Fig.16女子の共分散構造分析の結果. 一42一.

(46) 第4章 考察 中学生用学校ストレッサー尺度についての考察.  予備的調査において,中学生用学校ストレッサー尺度の信頼性及び正規性に ついて検討した。.  まず,中学生用学校ストレッサー尺度の信頼性について述べる。この尺度は 従来,「教師との関係」,「友人関係」,「部活動」,「学業」,「規則」,「委員会活動」. の6因子から構成されている。しかしながら,学校側の要望で「教師との関係」 の因子は用いず,「規則」と「委員会活動」の因子も信頼性の観点から分析に用 いなかった。「教師との関係」はさておき,「規則」,「委員会活動」の2つの因. 子について信頼性が検出されなかったのはなぜだろう。データを処理する際,. この2つの因子についてはほとんどの生徒が0と回答していた。「規則」につ いては「校則をやぶってしかられた」や「服装や髪型について注意された」な どの3つの質問から構成されており,学校が風紀に力を入れているのであれば,. 先生から注意されなくても生徒は理解しているであろうし,風紀を守ってもい くだろう。「委員会活動」については「嫌な仕事や苦手な仕事をやらされた」や. 「委員の仕事をやらなければならなかった」などの4つの質問から構成されて いる。「規則」,「委員会活動」は他の因子に比べ質問数が比較的に少ない。この. ことも得点が算出されなかった要因と考えられる。.  次に,正規性の問題について述べる。DSRS−C得点, CCES−R得点について は正規分布していたものの,学校ストレッサー全般については,その正規性が 否定された。そのため,学校ストレッサー得点については,その全てを開平変 換し数値を調整した後,ヒストグラムやコルモゴロフースミルノブの検定を用 い正規性の確認をした。結果として,「友人関係」と「部活動」についてはその. 正規性が否定された。このような結果となった原因としてこの尺度への回答の. 方法の要因が考えられる。中学生用学校ストレッサー尺度はDSRS−Cや                 一43d.

(47) CCES−Rのようにリッカー一一一Lト方式の質問紙とは異なっている。まず,ストレッ. サーをどの程度経験したかという頻度の得点(全然なかった=0,たまにあった =1,時々あった=2,よくあつた=3)とそのストレッサーを経験した時の嫌悪度 の得点(全然いやでなかった=0,少しいやであった=1,かなりいやであった=2,. とてもいやであった=3)をかけあわせたものを1っの質問の得点としている。 例えば,あるストレッサーがよくあつても(=3),その嫌悪度が全然いやでな. かった(=0)であったならば得点は0なのである。この方式で回答するのであ. れば0と得点化される確率の方が多いはずである。そのため,正規分布するこ となく,oの方へ人数が偏ったのだと考えることができる(Fig.6, Fig.7)。.  この尺度を作成した岡安ら(1992)のデータと本研究の学校ストレッサーの データを比較してみた(Table 6, Table 7)。やはり,「規則」と「委員会活動」. についてはサンプル数の問題もあるが,t検定の分析の結果では,2つに有意 な差は見られなかったことから先行研究と似通ったデータであったと言える。. この尺度の正規性については0が最頻値となることが予想されるため,0を基 準に分布は下降をたどるのではないだろうか。この見解については,今後のさ らなる研究が望まれるところである。.  分散分析,相関分析,共分散構造分析によって示された知見を以下に記述す る。. 一44一.

(48) DSRS−Cの分散:分析による考察.  現在まで,DSRS−Cを用いた抑うっに対する研究は数多く行われている。佐. 藤ら(2010)におけるDSRS−Cのデータを本研究のものとt検定を用いて比較 してみると(Table 4, Table 5),有意な差はみられなかったことからDSRS−C. においても先行研究と本研究のデータは似通ったものと言えることができる。.  また,DSRS−Cの分散分析の結果から,女子は男子よりも抑うつが有意に高 い傾向にあることが示唆された。これは,これまで行われてきた研究と一致す. る。例えば,Nolen−Hoeksema&Girgus(1994)は,思春期の抑うつは児童期 までとは異なり,女子の方が男子よりも抑うつの出現が多くなり,成人と同様 の傾向を示すようになる。と述べている。さらに,田中(2006)は,女子では 身体発達が進んでいるほど,抑うっを高めてしまうという傾向を明らかにして いる。これに関連して,Ge,Kim,Brody, Conger, Simons, Gibbons,&Cutorona. (2003)では,早熟の女子は抑うつ傾向の高いこということを明らかにしてい. る。このように,発育タイミングが抑うつに直接関連する可能性が示されてい る(上長,2007)。加えて,晩熟の男子は抑うつが高いことも示されている (Kaltiala−Heino et al,2003)。また, Mccabe et al(2001)も,女子は思春. 期の身体発育の後に,身体満足度が低下(体重など)することで抑うつが高ま り,男子は身体発育の後に身体的満足度が高まり抑うつが低下するということ. を示している。これらの見解を総合すると,1年生よりも2年生,2年生より も3年生の方が抑うつが高いという結果が得られるはずである。佐藤ら(2010). は中学生を対象に抑うっに関する調査を行っており,その中で学年が上がれば 上がるほど抑うつ得点は上昇するという結果を示している。さらに,最も抑う. つ得点が高かったのは,3年生女子であり,これは上述したことと一致してい る。上述したこと以外にも,学年が上がるにつれて,高校受験という大きなイ ベントを意識し始めることや,部活動における自分の責任や重要性といったも のも増えていくだろう。また,自分自身のアイデンティティ・の確立,それに伴. う周囲の友達,教師との考え方の不一致ということも多くなっていくだろうと                 一45一.

(49) 考えることができる。辻井ら(1990)は小学生,中学生,高校生を対象に子ど も用抑うつ尺度(Children’s Depression lnventory;以下CDI)を用いた抑う. つの調査を行っており,そこでも,年齢があがるにつれて,抑うつ得点が高く なるという傾向が示されている。.  しかしながら,本研究においては認められたのは性別においてDSRS−C得点 に有意な差のある傾向がみられたに留まった。この原因としては,先行研究と の分析の対象者数の差が挙げられる。本研究では,91名を対象に分析を行った。. 佐藤ら(2010)の行った研究においては,332名を対象として分析を行ってい る。辻井ら(1990)においても,小学生,中学生,高校生合わせて551名を対 象に研究を行っている。対象者が多ければ多いほど,統計的にも信頼性の高い 結果にもなるだろう。加えて,性別はもちろんのこと,学年においても有意な 差がみられたり,交互作用にも有意な結果が出たのかもしれない。. 一46一.

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