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わが国裁判所判例にみる子どもの人権状況と子どもの権利条約の影響

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(1)

わ.が.国

裁判所判例.にみる子 どもの人権状況と

子 どもの権利条約め影響

.

斉...藤

功 』

Circumstances

of

Children's

Rights

in Precedents

of Domestic

Courts

and

Influence

of the

Convention

of

the

Rights

of

the

Child

Yoshitaka

SAITO

Abstract

Convention of the Rights of the Child came into force in Japan on May 22 in 1994. The purpose of this paper is to examine how much influence it has had on the circumstances of, children's rights before and after May 22 in 1994.

First, it will examine precedents before ratification of the Convention of the Rights of the Child and circumstances of the children's rights. Though the Convention wasn't in force at that 'time, we can find some suits which plaintiffs submitted in accordance with the Constitution of Japan as tests for protecting their human rights. But, courts didn't adopt it because Convention wasn't ratified yet.

Second, it will discuss precedents after its ratification and how the Convention of the Rights of the Child has had an influence on them. We cannot find the dierct influence of the Convention in precedents after its ratification. But, if it is possible to apply some clauses of the Convention to suits for children's rights directly, its importance will increase more and more. Even if it is impossible to apply it directly to a given situation, it is possible to apply it as a test of human rights in the Constitution.

は じめ に

子 ど もの権 利 を包 括 的 に 規 定 した 条 約 と して 子 ど も の権 利 条 約 が国 連 で採 択 され た の は1989年 11月20日 で あ り、 わ が.国が 批 准 した め は 、1994年4月22日 、 国 内 的 に効 力 が発 生 し.たの は そ の年

(2)

そ こで 、 子 ど もの 権 利 条 約 が 国 内 的効 力 を持 つ に至 っ た1994年5月22日 を便 宜 的 に 境 と して 、 そ れ 以 前 とそ れ 以 後 で 子 ど もの 人 権 状 況 に判 例 は ど う関 わ って き た か を検 証 して い く。 も ち ろ ん 、 子 ど もの 権 利 条 約 は、 国 際 人 権 規 約 の子 ど も版 とい われ る よ うに 、 内 容 的 に 自由 権 規 約25条 の選 挙 権 に関 す る規 定 を除 け ば 、 国際 人 権 規 約 に規 定 され て い る47か 条 の 実 体 規 定 を ほ と ん ど 採 り入 れ て い る と言 わ れ て い る の で(1)、 国 際 人 権 規 約 が 国 内 的 効 力 を 持 つ に 至 った1979 年9月21日 以 降 も同 規 約 が子 ど もの人 権 に関 す る判 例 に影 響 を 及 ぼ して い る と推 察 で き る が 、 こ こで は 、包 括 的 な 子 ど も の権 利 を直 接 規 定 した子 ど もの 権 利 条 約 を基 に 国 内 に お け る子 ど もの 人 権 裁 判 状 況 を 見 て い く。 裁 判 に お け る憲 法 と子 ど もの 人 権 に つ い て の関 わ りは 、 家 永 教 科 書 第2次 訴 訟 の 高 裁 判 決(昭 和50年12月19日)、 い わ ゆ る畔 上 判 決 に お い て 、 憲 法 判 断 を 回 避 して 行 政 法 レベ ル で 処 分 違 法 を 判 示 した よ うに 、子 ど もの 人 権 裁 判 に お い て も憲 法 判 断 を 回避 して 下 位 規 範 に よ る事 案 の処 理 の 傾 向 が あ る よ うに 思 わ れ る。 しか し、 畔 上 判 決 が説 示 して い る よ うに 、「具 体 的 な争 訟 に つ い て 裁 判 す る場 合 に 、法 律 、 命 令 、 規 則 等 に 則 った 判 断 と 憲 法 の解 釈 い か ん に よ る判 断 とが と もに 前 提 とな る時 に は 、 まず 前 者 の判 断 を な し、 そ の 判 断 を経 た うえ で 、 な お も具 体 的 な争 訟 解 決 の た め に 憲 法 の 解 釈 が前 提 と な る場 合 に の み 憲 法 解 釈 に つ い て 判 断 す るの が裁 判 所 に お け る憲 法 審 査 の あ り方 」(2)で あ るの で 、 真 正 面 か ら憲 法 解 釈 を した判 決 は 全 体 か らみ れ ば 数 は少 な い が 、 憲 法 解 釈 が な され た場 合 に つ い て は 適 宜 示 して い く。 ま た 、 子 ど もの 権 利 条 約 を援 用 して い る判 例 内容 に つ い て は よ り詳 細 に 見 て い くこ と とす る。

1.子

どもの権利条約批准以前の判例 と子 どもの人権状況

1980年 代 以 降 、 子 ど もの 人 権 裁 判 が 続 発 して くる。 この 背 景 と して 、 従 来 は 「子 ど もの 人 権 」 の 問 題 と して は 理 解 され て こ な か った 問 題 が 、子 ど も や親 の 人 権 意識 の 高 ま りに よ っ て 「子 ど も の 人 権 」 と して 理 解 さ れ る よ うに な った こ と、 国 際 人 権 規 約 の 批 准(1979年)に よ っ て 、 そ う し た子 ど もや 親 の 人 権 意 識 の 高 ま りが促 進 され た こ と、 教 育 現 場 に お け る子 ど もの 要 求 が 学 校 管 理 体 制 の 中 で 実 現 で き な くな り、 そ の結 果 、 子 ど もや 親 は 、 子 ど もの人 権 侵 害 の 救 済 を裁 判 所 に求 め ざ る を え な くな った こ と、 な ど が 挙 げ られ よ う。(3) 子 ど もの 人権 状 況 で 、1980年 代 が1970年 代 と大 き く異 な って い る理 由 と して 、 子 ど もの 人 権 が 問 題 と な る場 面 が 拡 大 した こ と、 問 題 と な る人 権 の範 囲 も子 ど もの学 習権(教 育 を受 け る権 利) か ら子 ど も の人 権 一 般 に拡 大 して い る こ と が指 摘 され る。(4) 前 者 にお い て は 、1970年 代 まで は主 と して 子 ど も と国 家 及 び 地 方 公 共 団体 の 関 係 で 裁 判 と な っ て い た が 、1980年 代 以 降 は子 ど も と学 校 教 育 と の関 係 、 子 ど も と親 と の 関係 に まで 人 権 が 問 題 と な る場 面 が 拡 大 して い る。 後 者 に お いて は 、 人 身 の 自由 、 自 己 決 定 権 、 表 現 の 自 由 や 学 習 権 、 思 想 ・良心 ・信 教 の 自由 、 障 害 者 の学 習 権 、民 法 上 の 子 ど もの 地 位 、 少 年 司 法 な ど多 岐 に わ た っ て い る。(5) (1)ま ず 、 最 初 に 、 学 校 に お け る生 徒 の 思 想 ・良 心 ・信 教 の 自 由 が問 題 とな った 事 例 を挙 げ る。 ① 高 校 生 の 政 治 活 動 の 自 由 が 問題 に な った 事 例 と して 、1972年 の 学 生 の 地 位 を定 め る仮 処 分

(3)

申請 事件(6)と1977年 の 退 学 処 分 取 消 請 求 控 訴 事 件(7)を 挙 げ る。 前 者 の事 件 で 、 東 京 地 裁 は 、 「未 成 年 者 と くに 高 校 程 度 の 教 育 過 程 に あ た る もの に つ い て そ の 教 育 目的 を達 す るの に必 要 な範 囲 で 表 現 の 自 由 が制 限 され る こ とが あ っ て もか な らず し も違 法 で は な い 」 と し、 厂心 身 と も未 成 熟 で 十 分 な 思 考 の で き な い高 校 生 が特 定 の 政 治 的 思 想 にの み 深 入 りす る こ と の弊 害 を 防 止 」 し、 生 徒 の 安 全 を守 るた め に、 政 治 的 な集 会 や デ モ に 参 加 す る こ とを 禁 止 して も、表 現 の 自 由 を 保 障 した憲 法 の規 定 や 公 の 秩 序 に違 反 しな い と 判 示 して い る。 この 裁 判 で 原 告 は 、 憲 法14条(法 の 下 の 平 等)、19条(思 想 お よ び 良心 の 自 由)、21条(集 会 ・結 社 ・表 現 の 自 由)、31条(法 定 手 続 の保 障)に 言 及 した が 、裁 判 所 は 憲法 の 諸 規 定 に 違 反 す る もの で は な い と判 示 した。 つ い で 、 後 者 事 件 の 控 訴 審 で は、 厂高 等 学 校 の 生 徒 は そ の 大 部 分 が 未 成 年 者 で あ り、 国 政 上 にお いて も選 挙 権 な ど の参 政 権 が 与 え られ て い な い が 、 そ の年 齢 な ど か らみ て 、 独 立 の 社 会 構 成 員 と して遇 す る こ とが で き る一 面 が あ り、 そ の市 民 的 自由 を 全 く否 定 す る こ とは で き ず 、 政 治 活 動 の 自由 も基 本 的 に は これ を承 認 す べ き もの で あ る」 が、 「生 徒 の政 治 活 動 を学 校 の 内外 を 問 わ ず 、 全 く 自由 な もの と して 是 認 す る と きは 、 生徒 が 学 習 に専 念 す る こ と を妨 げ 、 ま た 、学 校 内 の 教 育 環 境 を 乱 し、 他 の 生 徒 に対 す る教 育 の 実 施 を損 な うな ど高 等 学 校 存 立 の基 盤 を侵 害 す る結 果 を招 来 す る お そ れ が あ る か ら、学 校 側 が 生 徒 に対 し、 そ の政 治 活 動 を望 ま し くな い もの と して規 制 す る こと は 十 分 に合 理 性 を有 す る」 と判 示 した。 高 校 生 の 政 治 活 動 の 自 由 に 関 し、 文 部 省 の 見 解(8)は 、 基 本 的 人 権 を公 共 の 福 祉 に よ って 制 約 す る と い う観 点 か ら、(イ)教 育 基 本 法8条2項 の趣 旨 に基 づ く学 校 の政 治 的 中立 性 の 要 請 、(ロ)他 の生 徒 に与 え る影 響 と教 育 へ の支 障 、(ハ)生 徒 が 心 身 の発 達 過 程 に あ る こと な ど を理 由 に 、 政 治 活 動 の 自 由の 規 制 を 肯 定 して い る。 これ に対 して 、 学 説 か らは 、 生 徒 の思 想 は 政 治 活 動 を行 な うこ と を通 じて形 成 され て い く 側 面 を有 して い るの で 、生 徒 に も政 治 活 動 の 自 由 の保 障 が 及 ぶ との 前 提 か ら出 発 す る必 要 が あ る な ど の 批 判 が 加 え られ て い る。(9) ② 信 教 の 自 由 と 日曜 参 観 授 業 が問 題 と な っ た 事 例 と して 、 キ リス ト教 徒 日曜 日訴 訟(10)を 挙 げ る こと が で き る。 日曜 日の 参 観 授 業 は原 告 らキ リス ト教 徒 の 宗 教 教 育 の 自 由 を侵 害 す る もの だ とい う原 告 の 主 張 に対 し、 東 京 地 裁 判 決 で は、 日曜 参 観 は 、学 校 教 育 法 施 行 規 則47条1項 に お け る 「特 別 の必 要 が あ る場 合 」 に該 当 し、 これ に 出 席 しな か った児 童 を欠 席 扱 い に す る こ とは 手 続 上 違 法 は な い と し、 学 校 長 が 日曜 参 観 授 業 を 実 施 す るか 否 か は学 校 管 理 運 営 上 の裁 量 権 の 範 囲 内 で あ る か ら、 これ に不 法 行 為 を構 成 す る実 体 的違 法 性 が あ る の は、 学 校 長 が 右 裁 量 権 の 範 囲 を逸 脱 し、 濫 用 した場 合 に 限 られ る 、 と して い る。 この裁 判 で は 、原 告 は 立 論 に憲 法20条1項(信 教 の 自 由)を 出 して い るが 、 裁 判 所 は 、憲 法14条1項 、20条1項 、26条(教 育 を 受 け る権利 、 教 育 を受 け させ る義 務)に 言 及 して 判 決 を下 して い る。 (2)表 現 の 自由 な い し学 習 権 の侵 害 が 争 わ れ た事 例 に麹 町 中学 内 申書 事 件 を挙 げ る こ とが で き る。 東 京 地 裁(11)は 、 高校 不 合 格 と行 動 及 び 性 格 の記 録 欄 の 「基 本 的 な生 活 習 慣 」 そ の 他3項 目

(4)

に つ いて な され たC評 定 と の間 に は 社 会 通 念 上 相 当 因 果 関 係 が あ り、 か つ 、 公 立 中 学 校 に お い て も生 徒 の思 想 信 条 の 自 由 は最 大 限 に保 障 され るべ きで あ るか ら、 生 徒 の 思 想信 条 の 自由 に か か わ る行 為 を 、 そ れ に よ り学 校 の正 常 な運 営 も し くは教 育 環 境 が 破 壊 され るな ど教 育 の場 と し て の 使 命 を保 持 す るた め の 利 益 が侵 害 され る おそ れ が な い の に 、 評 定 上 、 マ イ ナ ス の 理 由 も し くは 要 因 とす る こ とは許 され ず 、 これ に反 した 評 定 又 は具 体 的 な事 実 に基 づ か な いC評 定 は 不 公 正 又 は 不 平 等 で あ り、 教 師 の 教 育 評 定 権 の 裁量 の範 囲逸 脱 した違 法 な もの で あ る と判 示 した。 原 告 は 、 憲 法19条 、26条 を 出 して 立 論 して い るの に対 し、裁 判 所 は26条1項 に 言及 して い る。 この 判 決 は 、調 査 書 の 「行 動 及 び 性 格 の記 録 」 欄 の評 価 の あ り方 に つ い て 、 そ の 一 般 的 基 準 と生 徒 の 政 治 的活 動 を理 由 にC評 定 を す る場 合 にお け る教 師 の 教 育 評 価 権 の 限 界 を 、 生 徒 の 思 想 信 条 の 自由及 び子 ど もの 学 習 権 と の 関 連 で 明 らか に した 、 また 、 生 徒 、子 ど もの 学 習 権 侵 害 を理 由 に国 家 賠 償 請 求 を認 め た は じめ て の 判 決 で あ る。 これ に対 し、 控 訴 審 判 決(12)で は 、 生 徒 会 規 則 に反 し、校 内 秩 序 に 害 の あ る行 動 が あ っ た場 合 、 これ を 内 申書 に記 載 し高 校 に知 らせ る こと は、 思 想 信 条 の 自 由 の侵 害 で は な く、 教 育 上 の 差 別 で も な い 、学 習 権 あ るい は 進 学 権 が 万 人 に保 障 され た もの で あ る に して も、 各 人 の能 力 に 応 じた 分 量 的 制 約 を伴 う、 内 申書 は そ の 性 質 上 本 人 に有 利 に又 は 不 利 に働 くこ と も あ り、 本 人 に有 利 に しか働 か な い とい う内 申書 制 度 は不 可 能 で あ る と し、 教 育 評 価 権 を 広 く認 め た うえ 、 内 申 書 作 成 提 出行 為 に つ い て は 違 法 性 が な く、 調 査 書 中 に記 載 され たC評 定 と高校 入 試 不 合格 と の 問 に は 相 当因 果 関 係 が認 め られ な い と した 。 第 一 審 判 決 が、 生 徒 の学 習権 保 障 を 大 幅 に認 め 、 教 師 の 教 育 評 価 権 に限 界 が あ る と した の に 対 し、 逆 に、 控 訴 審 判 決 は学 習 権 保 障 を 後 退 させ 教 育 評 価 権 を 幅広 く認 め た。(13) 控 訴 審 判 決 は 、 生 徒 の 学 校 内 の 表 現 の 自由 の 限 界 に つ い て 、 ア メ リカ の テ ィ ソカ ー 判 決 が 、 「学 校 の 教 育 活 動 ま た は規 律 に 対 す る実 質 的 か つ実 体 的 な妨 害 」 を 基 準 に して厳 し く捉 え て い る(14)の とは 対 照 的 な 内容 に な って い る。 こ の 裁 判 で は 、 控 訴 人(東 京 都)、 被 控 訴 人 と も、 憲 法26条 に言 及 して お り、 裁 判 所 も、 憲 法19条 、26条 の 内 容 に踏 み込 ん で い る。 (3)公 立 小 学 校 に お け る進 級 処 分 事 件 と して 、神 戸 市 立 菅 の 台 小 学 校 進 級 処 分 事 件(15>を 挙 げ る。 こ の事 件 は 原 級 留 置 や 進 級 に 関 す る従 来 の判 例 が 高 校 以 上 の学 校 段 階 で あ った の に 対 して 、 公 立 小 学 校 に お け る進 級 の適 否 を 問 う初 め て の ケ ー スで あ る。 判 決 は 小 学 校 に お け る進 級 認 定 の 判 断 に つ い て 、 「そ の 判 断 は 高 度 に 技 術 的 な 教 育 的 判 断 で あ る か ら、学 校 長 の 裁 量 に委 ね られ て い る と解 せ られ る。 そ して 、 そ の認 定 は 、義 務 教 育 で あ り、 か つ心 身 の 発 達 に応 じた初 等 普 通 教 育 を施 す小 学校 に あ っ て は 、 単 純 な学 業 成 績 の 評 価 や 出 席 日数 の 多 少 だ け で な く、 児 童 本 人 の 性格 ・資 質 ・能 力 ・健 康 状 態 ・生 活 態 度 ・今 後 の 発 展 性 を 考 慮 した教 育 的 配 慮 の 下 で総 合 的 判 断 に よ り決 せ られ な け らば な らな い。」 と して い る。 本 件 は修 学 、子 ど もの 発 達 と学 力 保 障 に つ い て1つ の 検 討 素 材 と な る も の で あ る。(16) (4)私 立 学 校 の一 貫 教 育 に お け る在 学 契 約 に つ い て は 、 入 学 時 に結 ば れ た在 学 契 約 が そ の 学 校 限 りの もの か 、継 続 す るす べ て の 学 校 に つ い て の もの か が 主 た る争 点 と な って い る。 これ に つ い て は 、一 貫 教 育 体 制 を と る と い う こと か ら直 ち に在 学 契 約締 結 に際 し、一 貫 教 育

(5)

期 間 全 体 に つ い て の在 学契 約 が締 結 され た と見 る こ と はで き な い とす る判 断 が ほぼ 定 着 して い るσ た と え ば 、 明 星 学 園 中 学 校 進 学 拒 否 事 件(17)で は、 「一 貫 教 育 体 制 を と る と い う こ とか ら直 ち に在 学 契 約 締 結 に 際 し一 貫 教 育;期間 全 体 に つ い て の 在 学 契 約 が締 結 され た と見 る こ と が で き な い の は 明 らか で あ る。 … 中学 校 及 び 高 等 学 校 に つ い て の在 学 契 約 を併 せ て 締 結 す る との 明示 の 合 意 が あ る等 特 段 の 事 情 の な い か ぎ り、 入学 を 希 望 した小 学 校 に つ い て の 在 学 契 約 が 締 結 され た もの と い うべ き」 だ と して い る。 (5)障 害 を 有 す る生 徒 の 入 学 ・特 殊 学 級 へ の 入級 処 分 に つ い て は 、 以 下 の2判 決 を挙 げ る。 ① 神 戸 市 立 尼 崎 高 校 入 学 不 許 可 事 件 は 、(18)学 力 検 査 等 で は 合 格 点 に 達 して い な が ら、 障 害 を 有 して い る為 、 高校 の 全 課 程 を無 事 に 終 了 す る見 込 み が な い との 理 由 に よ り高 校 へ の 入 学 が拒 否 され た 事 件 で 、 障 害 を有 す る 子 ど もの教 育 を 受 け る権 利 に つ い て きわ め て 重 要 な判 断 が示 され た ケ ー ス で あ る。 本 件 の主 要 な争 点 は 、 本 件処 分 が 被 告 校 長 の裁 量 権 の範 囲 内 の もの と い え る か否 か で あ る。 裁 判 所 は 、 入 学 の 許 否 処 分 、 入 学 選 抜 方 法 の選 択 に つ い て は学 校 長 の裁 量 的 判 断 に任 され て い る もの と認 め るが 、 そ の前 提 と して 、 原 告 の 身体 的 状 況 が 高等 学 校 の 全課 程 を無 事 に 履修 す る こ と がで き るか 否 か を検 討 す る こ と が必 要 で あ る と して そ れ を詳 細 に検 討 し、 原 告 が 本 件 高校 の 全 課 程 を 履 修 す る こと は十 分 可 能 で あ る と認 め て 、 これ と反 対 の判 断 に基 づ く本 件 処 分 は 、 被 告 校 長 の 重 大 な事 実 の誤 認 に基 づ く処 分 で あ るか ら、 被 告 校 長 が 本 件 高 校 へ の 入 学 許 否 の 処 分 を す る権 限 の行 使 に つ き、 裁 量 権 の 逸 脱 又 は濫 用 が あ っ た 、 と判 示 した。 ・ 本判 決 は 、入 学 の判 断 基 準 を 「評 価 過 程 の 合 理 性 」 に置 い て お り、 この 方 法 は有 効 な もの と言 え る。(19) 本判 決 で 、原 告 は憲 法14条 、26条1項 に 言 及 して い る が 、裁 判 所 は 言 及 して い な い。 ② 留 萌 市 立 留 萌 中 学 校 入 級 処 分 事 件(20)は 、 障 害 を有 す る生 徒 の 中 学 校 特 殊 学 級 へ の 入 級 処 分 の 取 消 を求 め た 事 例 で あ る。 裁 判 所 は 、 厂市 町 村 の 教 育 委 員 会 の就 学 校 指 定 に よ り当 該 学 校 に入 学 す る こ とが 決 定 した 生 徒 を、 どの 学 級 に入 級 させ るか の 決 定 は 、 学 教 法28条3項 を根 拠 と して 、 校 長 の権 限 に属 す る」 もの で 、 「心 身 障 害 を 有 す る子 ど もに どの よ うな 教 育 を施 す か は 、 … 学 校 教 育 と い う実 践 の場 に お い て 、 個 々 の 子 ど もの 心 身 の発 達 段 階 に 応 じて 最 も適 切 と解 され る と こ ろ に した が って 決 定 され るべ き と こ ろ、 右 決 定 に 当 た って は 、 科 学 的 、 教 育 的 、 心 理 学 的 、 医 学 的 見 地 等種 々 の観 点 か ら諸 般 の 事 情 を 考 慮 して 総 合 的 に判 断 され るべ きで あ り、 教 育 の 専 門 家 た る校 長 が 、教 育 的 観 点 か ら、 科 学 的 、 医 学 的 等 の 見 地 か らの判 断 を も斟 酌 の 上 で 決 定 す る限 り、 制 度 と して 合 理 性 が あ る とい うべ き」 で あ る と判 示 した 。 先 の神 戸 地 判 で 示 され た 「評 価 過 程 の 合理 性 」 基 準 は この 判 決 で は受 け継 が れ な か っ た。(21) この裁 判 で は 、原 告 は 、 憲 法13条(個 人 の 尊重 、 生命 ・自 由 ・幸 福 追 求 の 権 利 の 尊 重)、 26条 、 国 際 的 見 地 か らの 子 ど もと親 に対 す る選 択 権 の 保 障 と憲 法14条 違 反 が主 張 され た 。 国 際 的 見 地 か らの選 択 権 の 保 障 に つ い て は 、 わ が 国未 批 准 の 子 ど もの権 利 条 約 が 述 べ られ 、子 ど もの選 択 権 の保 障 と して 、12条1項(意 見 表 明権)、23条1項(障 害 児 の 権 利)、3条1項 (子 ど も の最 善 の 利 益)、29条1項(a)(教 育 の 目的)を 挙 げ 、親 の選 択 権 の 保 障 に関 して は 、5条(父 母 の 権 利 ・義 務 の尊 重)、18条1項(父 母 の養 育 責 任 と国 の 援 助)、23条2項 ・

(6)

3項(障 害 児 の権 利)を 挙 げ て い る。 判 決 で は 、 子 ど も の権 利 条 約 に つ い て は 、 本 条 約 が 「い ま だ 国 に よ って 批 准 手 続 が完 了 して い な い か ら、 これ を 権 利 根 拠 とす る主 張 は 、裁 判 規 範 と して の 前 提 を 欠 き、 失 当 」 と述 べ て い る。 (6)校 則 の 問 題 と して 、 バ イ ク禁 止 校 則 、髪 型 違 反 校 則 、 制 服 校 則 を 挙 げ る。 ま ず 、校 則 が 生 徒 の 基 本 的 人 権 を制 約 す る こ とに つ い て は 、1974年7月19日 の 昭 和 女 子 事 件 最 高 裁 判 決 以 降 、 教 育 目的 達 成 の た め 教 育 目的 に関 連 し教 育 上 必 要 と認 め られ る と き社 会 通 念 上 合 理 的 な範 囲 にあ る か ぎ り これ を 容 認 す るの が 大 勢 で あ る。 ① バ イ ク禁 止校 則 に つ い て は 、 主 な 判 例 と して 東 京 学 館 高 校 バ イ ク禁 止 校 則 事 件(22)、 高 知 県 立 大 方 商 業 高 校 バ イ ク禁 止 校 則 事 件(23)、 東 京 学 館 高 校 バ イ ク禁 止 校 則 事 件(24)を 挙 げ る こ とが で き るが 、 そ れ らの判 決 で は 、学 校 の 生 徒 に 対 す る包 括 的 権 能 は無 制 限 な もの で は な い が 、 そ の 内 容 が社 会 通 念 に照 ら して 著 し く不 合理 で な い 限 り生 徒 の権 利 自 由 を 害 す る も の と して 無 効 とは な らな い の で 、校 長 の した 措 置(自 主 退 学 勧 告 、 自宅 謹 慎)は 裁 量 を 逸 脱 した違 法 な もの で は な い、 とい う趣 旨 の 判 決 が一 般 で あ る。 ち な み に 、 東 京 学 館 高 校 バ イ ク禁 止 校 則 事 件 判 決 で は 、 原 告 は 、 憲 法13条 、26条 、29条 (財産 権)、31条(法 定 手 続 の保 障)、89条(公 の 財産 の 支 出利 用 の 制 限)に 言 及 した が 、裁 判 所 は 憲 法26条1項 に言 及 した だ け で あ った 。 一 方、 修 徳 学 園 バ イ ク退 学 処 分 事 件 第 一 審 判 決(25)で は 、運 転 免 許 取 得 ・バ イ ク乗 車 の 禁 止 を定 め た 私 立 高 校 校 則 は社 会 通 念 上 十 分 合 理 性 を 有 す る と した が、 校 則 に違 反 して 運 転 免 許 を取 得 し、 バ イ クに乗 車 した こ と を理 由 とす る退 学 処 分 に つ い て は 、行 為 の軽 重 ・原 告 の 性 格及 び 平 素 の行 状 ・訓 戒 的 効 果 等 諸 般 の 事 情 を総 合 す る と 、 原 告 に対 して は 、他 の 懲 戒 処 分 に よ って も教 育 の 目的 を十 分達 しえ た とい うべ きで 、 原 告 に は もは や 改 善 の余 地 は な く、 学 外 に 排 除 す る こ と も教 育 上 や む を え な か っ た と は い え な い か ら、 本 件 退 学 処 分 は 、 社 会 通 念 上 著 し く妥 当 を欠 き、懲 戒 権 者 で あ る校 長 の裁 量 権 の 範 囲 を 逸 脱 した違 法 な処 分 で あ る と した 。 この 裁 判 で は 、原 告 、被 告 、 裁 判 所 と も憲 法13条 に言 及 して い る。 そ の 控訴 審(26)も本 件 退 学処 分 を違 法 と し、 第 一 審 の 判 断 を 支 持 した 。 ② 髪 型 校 則 違 反 事 件 と して 、 最:初に 、:丸刈 り校 則 事 件 に つ い て 取 り上 げ る。 1985年 の 熊 本 男 子 中 学 生 丸 刈 り校 則 事 件(27)で 、裁 判 所 は 、 「髪 型 が 思 想 等 の表 現 で あ る とは 特 殊 な 場 合 を除 き、 み る こ と は で きず 、 特 に 中 学 生 に お い て 髪 型 が 思 想 等 の表 現 で あ る と見 られ る場 合 は極 め て希 有 で あ る か ら、 本 件 校 則 は憲 法21条 に違 反 しな い」 と述 べ 、 さ ら に 、校 長 の 裁 量 権 の範 囲 に つ い て 、 中 学 校 長 は 、 教 科 の学 習 に 関 す る事 項 だ け で な く、 生 徒 の 服 装 等 い わ ば しつ け に 関 す る事 項 に つ い て も、 教 育 の実 現 の た め 、 生 徒 を規 律 す る校 則 を 定 め る包 括 的 な権 能 を有 す るが 、 右 権 能 は 無 制 限 な も の で は あ り得 ず 、 中学 校 に お け る教 育 に 関連 し、 か つ、 そ の 内 容 が社 会 通 念 に照 ら して 合 理 的 と認 め られ る範 囲 に お い て の み 是 認 され る と判 示 し、 丸 刈 りの社 会 的 許 容 性 や 本 件 校 則 の 運 用 に 照 らす と、 教 育 上 の効 果 に つ い て は 多 分 に 疑 問 の 余 地 が あ るが 、 丸 刈 りを定 め た 本 件 校 則 の 内 容 が 著 し く不 合理 で あ る とは い えな い と結 論 した。 パ ー マ 禁 止 校 則 事 件 と して は 、 修 徳 高 校 パ ー マ退 学 訴 訟(28)を 挙 げ る。 この 事 件 は、 原 告 が 、学 校 に無 断 で 普 通 自動 車 の 運 転 免 許 を 取 得 し、 そ の罰 と して の早 朝 登 校 期 間 中 に 同校 の校 則 に違 反 して パ ー マ を か け た こ と な どを 理 由 と して 、 同校 か ら 自主 退

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学 をす る よ う勧 告 され 、 原 告 は これ に従 い 退 学 願 い を提 出 した も の で あ る。 第 一 審 で あ る東 京 地 裁 は 、 「個 人 の髪 型 は 、 個 人 の 自尊 心 あ るい は 美 的 意 識 と 分 か ち が た く結 び つ き、 特 定 の 髪 型 を強 制 す る こ とは 、 身 体 の一 部 に対 す る直 接 的 な 干 渉 と な り、 強 制 され る者 の 自尊 心 を傷 つ け る恐 れ が あ るか ら、 髪 型 決 定 の 自 由 が個 人 の 人格 価 値 に直 結 す る こ と は 明 らか で あ り、 個 人 が頭 髪 に つ い て 髪 型 を 自由 に 決定 し うる権 利 は 、 個 人 が 一 定 の 重 要 な私 的 事 柄 に つ い て 、 公 権 力 か ら干 渉 され る こ と な く自 ら決 定 す る こ とが で き る権 利 の 一 内 容 と して 憲 法13条 に よ り保 障 され て い る」 と述 べ た が 、 パ ー マ禁 止 校 則 に つ い て は 、 「右 校 則 は 特定 の 髪 型 を強 制 す る もの で は な い 点 で 制約 の 度 合 い は 低 い とい え るの で あ り、 ま た 、 原 告 が修 徳 高校 に 入 学 す る際 、 パ ー マ が禁 止 され て い る こ と を知 っ て い た こ とを 併 せ 考 え る な らば 、右 髪 型 決 定 の 自 由 の重 要 性 を考 慮 して も、 右 校 則 は 、 髪 型 決 定 の 自由 を 不 当 に 制 限 す る もの とは い え ない 」 と して 、 パ ー マ 禁 止 校 則 は有 効 で あ り、 右 校 則 に違 反 した こ と等 を 理 由 と して な され た 自主 退 学 勧 告 は 、 実 体 的 に も手 続 的 に も学 校 の裁 量 権 の 範 囲 内 に あ って 違 反 は な い 、 と判 示 した 。 この判 決 で 裁 判 所 は憲 法13条 に 言 及 して い る。 続 い て そ の 控 訴 審 で も、第 一 審判 決 が 支 持 され 、 自主 退 学 勧 告 は 、退 学 処 分 とは 本 質 的 に 異 な る が 、 これ に 従 うか否 か の 意 思 決 定 の 自 由 が事 実 上 制 約 され る面 は 否定 され な い の で 、 懲 戒 同様 の重 要 な 措 置 だ か ら慎 重 に 判 断 され るべ きで あ り、 そ の 判 断 は学 校 当 局 に委 ね られ て い る が 、 本 件 勧 告 は社 会 通 念 上違 法 で は な い、 と判 示 され た 。 こ こで も憲 法13条 に言 及 し て い る。 ③ 制 服 校 則 事 件 と して 、 大 原 町 立 大 原 中学 校 制 服 校 則 事 件(29)を 挙 げ る。 そ の控 訴 審 で は 、 「大 原 中 の生 徒 心 得 に お け る制 服 に つ い て の 定 め の 内容 は、 中学 校 に 在 学 す べ き生 徒 に対 す る教 育 上 の配 慮 に沿 う もの と して 、社 会 通 念 に照 ら し合理 的 で あ る とい う べ く、教 育 的 見 地 か らす る学 校長 の裁 量 を超 え る もの で は な い し、 あ るい は また そ の 裁量 の 範 囲 を逸 脱 す る類 の もの で も ない こ とが 明 らかで あ る。 更 に右 定 め に 関 す る運 用 の実 態 を み て も規 制 的 、 強 制 的 、 拘 束 的 色 彩 の薄 い もので あ る」 と して 、 公 立 中学 校 の 校 長 が生 徒 心 得 に制 服 着 用 につ い て 定 め 、在 学 生 徒 に これ を遵 守 す る よ う に指 導 して も、 そ れ が 強 制 にわ た らな い 限 り違 法 と は言 え な い と判 示 した 。 第 一 審 で 、 原 告 は、 憲 法13条 、19条 、21条 、26 条 、31条 を 引 い て 論 じて い るが 、 裁 判 所 は そ れ らに は 言 及 して い な い。 (7)情 報 公 開 と個 人 情 報 の 保 護 に つ い て は 、 コソ ピュー タゲー ム ソフ ト有 害 図 書 指 定 事 件(30) と、指 導 要 録 公 開 拒 否 処 分 取 消 訴 訟(31)を 挙 げ る。 ① 前 者 の 判 決 で は 、「一 般 に 、 国 民 の 有 す る表 現 の 自 由 が民 主 主 義 の 根 幹 を 支 え る重 要 な 人 権 で あ る こ と は多 言 を要 しな い と こ ろ で あ る が 、青 少 年 は 、 一 般 に精 神 的 に 未 熟 で あ って 、 提 供 さ れ る知 識 や 情 報 を選 別 して 自 らの 人 格 形 成 に資 す る も の を吸 収 して い く能 力 に 乏 しい か ら、偏 った あ る い は正 確 性 を欠 く興 味 本 位 の情 報 に さ ら され た場 合 に は 、 そ の 被 る悪 影 響 は 成 人 の 場 合 に比 して著 しい も の が あ る。 した が って 、 青 少 年 を対 象 とす る表 現 行 為 を 、 そ の 他 の場 合 と 同様 に認 め る こ と は、 表 現 の 自由 の重 要 性 を考 慮 に入 れ て も、 相 当で な い 。 右 の 見 地 か らす れ ば 、表 現 の 自 由 が一 般 に 優 越 的 地 位 を有 す る人 権 で あ る とは い え 、 そ れ が青 少 年 に 向 け られ て い る限 り に置 いて は 、 そ の表 現 の 自 由 の制 約 に 関 す る合 憲 性 判 断 の 審 査 基 準 は 、 通 常 の場 合 ほ ど厳 格 性 を 要 求 され な い もの と い うべ きで あ る。」 と して 、 コ ソ ピ ュ ー タ ゲ ー ム ソ フ トを収 録 した フ ロ ッ ピー デ ィス クが 「著 し く青 少 年 の 性 的 感 情 を刺 激 し、 そ の

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健 全 な成 長 を阻 害 す る おそ れ の あ る もの」 に 当 た る と した。 この 判 示 は 、有 害 図 書 の 自動 販 売 機 へ の収 納 を禁 止 、処 罰 す る岐 阜 県 青 少 年 保 護 育 成 条 例 の 規 定 は憲 法21条1項 に違 反 し ない と した最 三 判(32)に お いて 、伊 藤 正 己裁 判 官 の補 足 意 見 が 、 表 現 行 為 の受 け 手 で あ る青 少 年 の 知 る 自 由 と い う観 点 か ら、 青 少 年 は成 人 と 同等 の知 る 自 由 を保 障 され る前 提 を欠 く もの で あ り、成 人 に対 す る表 現 の 規 制 の 場 合 とは 異 な っ て 、 そ 'の 制 約 の憲 法 適 合 性 に つ い て は厳 格 な規 準 は 適 用 され な い 、 との 意 見 に範 を と っ た もの と言 え る。(33) な お 、原 告 ・裁 判 所 と も憲 法21条1・2項 と有 害 な 図 書 指 定 ・検 閲 との 関係 に言 及 した 。 ② 後 者 の判 決 は 、 指 導 要 録 の 本 件 非 公 開 該 当 部 分 に は 、 単 な る計 数 的 な成 績 評 価 に と ど ま ら な い 全体 的評 価 あ るい は 児 童 の 人物 評 価 と もい い 得 る評 価 等 が 、 公 開 され る こ と を予 定 せ ず 、 本 人 又 は保 護 者 に 伝 え る場 合 の 配 慮 もな され ず に 、 マ イ ナ ス面 に つ い て もあ りの ま ま に記 載 され て い る の で あ る か ら、 これ を 公 開 す る と 、場 合 に よ って は 、 自尊 心 を傷 つ け 、 意欲 や 向 上 心 を失 わ せ 、教 師 や 学 校 に 対 す る不 信 感 を抱 くな ど して 、 そ の後 の指 導 に支 障 を来 す な ど の 弊 害 が生 ず る こ と が あ り、 教 師 が右 弊 害 を慮 っ て 指 導 要 録 の 内容 が形 骸 化 す る な ど して 指 導 教 育 の信 頼 で き る資 料 とな らな くな るお そ れ が あ る と し、 こ う した弊 害 に よ り現 在 又 は 将 来 の指 導 要 録 に 関 す る事 務 自体 に影 響 を 及 ぼ し、 ひ い て は 、 これ を資 料 と した適 切 な指 導 教 育 等 の 公 正 円滑 な 執 行 に支 障 が 生 ず るお そ れ が あ る と して 、 指 導 要 録 を 非 公 開 と した。 この 判 決 は 、指 導 要 録 を公 開 す る教 育上 、 制 度 上 の 是 非 を論Uた も ので は な いの で 、 な お教 育 論 、 制 度 論 か らは議 論 の あ る と こ ろで あ る。 (8)非 嫡 出 子 の差 別 に つ い て は 、非 嫡 出 子 の 住 民 票 続 柄 記 載 取 消 請 求 事 件 第 一 審 判 決(34)と 民 法900条4号 但 書 前 段 の 規 定 の 合 憲 性(憲 法14条1項 の規 定 に違 反 す る)の 決 定(35)を 挙 げ る。 ① 前 者 の判 決 は 、 氏 の 変 更 を 望 ま な い こ と か ら婚 姻 届 を提 出 しな い で 婚 姻 生 活 を営 ん で い る 夫 婦 の子 の住 民 票 の 世 帯 主 との 続 柄 欄 に、 嫡 出子 の 場 合 と は異 な り、 単 に 「子 」 とす る記 載 が な さ れ て い る こ と に つ い て 、 本 件 住 民 票 の記 載 は 、 国 が定 め た統 一 的 な事 務 処 理 要 領 の 定 め に従 っ て な され た もの で あ り、 戸 籍 の 記 載 と住 民 票 の 記 載 との 間 に一 定 の照 応 関係 が 保 た れ る こ と が望 ま しい と考 え られ る こ と、 現 行 法 上 嫡 出 の子 と嫡 出 で ない 子 の権 利 義 務 に一 定 の 差 異 が設 け られ て い る こ と等 か らす れ ば 、右 要 領 の定 め る記 載 方 法 に は そ れ な りの 合 理 的 な 根 拠 が あ る もの と考 え られ 、 そ うす る と 、 住 民 票 の記 載 方 法 と して は 、子 の 嫡 出 と非 嫡 出 の 別 が 明 らか に な らな い方 法 が望 ま しい と考 え られ る面 が あ る場 合 で あ っ て も、 国 の 定 め る と こ ろ に よ って 全 国 で 統 一 的 に採 用 され て い る方 法 に従 って被 告 の した右 住 民 票 の 記 載 に、 職 務 上 の義 務 違 背 や 過 失 が あ っ た と まで す る こ と はで きな い 、 と述 べ た。 こ の裁 判 で 、 原 告 側 は 、 憲 法13条 、14条 と と も に 、 自由権 規 約17条(干 渉 又 は攻 撃 に対 す る保 護i)、24条(児 童 の権 利)、26条(法 律 の 前 の平 等)、 世 界 人 権 宣 言25条2項(生 活 水 準 の 確 保)、 子 ど も の権 利 条 約11条(不 法 な 移 送 及 び 不 送 還 の 防 止)に 言 及 して い る。 と りわ け こ の文 脈 で 述 べ る と 、 批 准 前 の 子 ど もの権 利 条 約 に沿 っ て論 を展 開 して い る。 裁 判 所 は 、 「子 ど もの権 利 に 関 す る条 約 は、 本 件 住 民 票 の 記 載 が行 な わ れ た 昭 和60年8月 の 時 点 で は 、 わ が国 に よ る批 准 は も と よ り、 未 だ 国 連 に お け る採 択 自体 が行 わ れ て い な か った 条 約 で あ る こ と が 明 らか で あ り、 これ らの 条 約 等 の 違 反 を い う原 告 らの主 張 はそ の主 張 自体 にお い て 失

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当 」 で あ る と して い る。 ② 次 に 、 後 者 の 決 定 は 、 非 嫡 出 子 の相 続 分 を嫡 出 子 の 相 続 分 の2分 の1と す る民 法900条4 号 但 書 前 段 の 規 定 は憲 法14条1項 の規 定 に違 反 し、無 効 で あ る と した 画 期 的 な決 定 で あ る。 裁 判 所 は 、 「民 法900条4号 但 書 前 段 の 規 定 は 、憲 法14条1項 の 規定 に違 反 し、 無 効 で あ る と解 す る。」 と して 、 そ の理 由 を次 の通 り述 べ る。 「憲 法14条1項 所 定 の 「社 会 的 身 分 」 とは 、 出 生 に よ って 決 定 され る社 会 的 な 地 位 又 は 身 分 を い う と解 され る と こ ろ、 嫡 出子 か嫡 出 子 で な い か は 、 本 人 を懐 胎 した 母 が、 本 人 の 父 と 法 律 上 の 婚 姻 を して い る か ど う か に よ って 決 定 され る(民 法772条)事 柄 で あ る か ら、 子 の 立 場 か ら見 れ ば 、正 に 出 生 に よ って 決定 され る社 会 的 な地 位 又 は 身 分 とい うこ と が で き る。 そ うだ とす る と、 民 法900条4号 但 書 前 段 の 規 定 は 、 嫡 出 子 と非 嫡 出 子 と を相 続 分 に お い て 区 別 して 取 り扱 う もの で あ る こ とが 明 ら か で あ るか ら、 憲 法14条1項 にい う 「社 会 的 身 分 に よ る経 済 的 又 は社 会 的 関 係 に お け る差 別 的 取 扱 い」 に 当 た る とい うべ きで あ る。」 と し、 「社 会 的 身 分 を理 由 とす る差 別 的 取 扱 い は、 個 人 の 意 思 や 努 力 に よ って は い か ん と も しが た い 性 質 の もの で あ り、 個 人 の尊 厳 と人 格 価 値 の 平 等 の 原 理 を至 上 の もの と した 憲 法 の 精 神 (憲 法13条 、24条2項)に か ん が み る と 、 当該 規 定 の 合 理 性 の 有 無 の 審 査 に あ た って は 、立 法 の 目的(右 規 定 所 定 の 差 別 的 な 取 扱 い の 目的)が 重 要 な もの で あ る こ と、 及 び そ の 目的 と 規 制 手 段 と の間 に事 実 上 の 実 質 的 関 連 性 が あ る こ との2点 が論 証 され な けれ ば な らな い と解 せ られ る。」 と判 示 した。 抗 告 人 が提 出 した 抗 告 理 由 の 中 で 、 諸 条 約 違 反 とい う こ とで 、 子 ど もの権 利 宣 言 、 世 界 人 権 宣 言 、 自 由権 規 約 、 女 子 差 別 撤 廃 条 約 と と もに 、 子 ど もの 権 利 条 約 を援 用 して い る。 そ れ に よ る と 、「1989年11月 の 国 連 総 会 で採 択 され た 子 ど も の権 利 条 約 で は 、 子 ど も の権 利 論 が さ ら に拡 大 深 化 し、 意 見 表 明 権 を も含 ん だ 、 子 ど もを権 利 の行 使 主 体 と見 る考 え 方 に裏 打 ち され て い る。」 と して 、2条1項 、(差別 の 禁 止)、3条 、7条(氏 名 及 び 国籍 につ い て の権 利)、 18条 を挙 げ 、 さ らに 、 条 約 の審 議 過 程 も挙 げ て 詳 細 に検 討 して い る。 そ して 、「権 利 条 約 を 文 字 通 り読 め ば2条1項 で す べて の子 ど もが 「出 生 に よ る い か な る差 別 もな しに 」 同等 の 権 利 を有 す る こ とを保 障 して い る もの と解 す べ きで あ る。 よ って 、 民 法900条4号 の 但 書 は2 条1項 に違 反 して い る。」 と述 べ て い る。 ま た 、 「ち な み に現 在 民 法 見 直 しを 審 議 中 の 法 制 審 議 会 民 法 部 会 身 分 法 小 委 員 会 で も、 非 嫡 出 子 の 相 続 分 差 別 が子 ど も の権 利 条 約 との 関 係 で 問 題 が あ る こ とを指 摘 され て い る との こ とで あ る 。」 とい い 、 「本 条 約 は 、 本 年9月2ユ 日に 日本 政 府 も署 名 し、近 々 わ が 国 で も批 准 が 予 定 され て い るが 、 上 記 の 各 規 定 に照 ら せ ば 、 嫡 出 子 と非 嫡 出 子 の相 続 分 を 差 別 す る 民 法 900条4号 但 書 の 規 定 が条 約 に違 反 して い る こ と は 明 白で あ る。」 と主張 して い る。' 裁 判 所 も、「この 点 に関 す る近 時 の 諸 外 国 に お け る立 法 の 動 向 を 見 る と、 非 嫡 出 子 に つ い て 権 利 の 平 等 化 を強 く志 向す る傾 向 に あ る こ とが窺 わ れ 、 さ らに、 国 際 連 合 に よ る 「市 民 的 及 び政 治 的 権 利 に 関 す る国 際 規 約 」24条1項 の規 定 の 精 神 及 び 我 が国 に おい て 未 だ批 准 して い な い も の の 、近 々批 准 す る こ とが 予 定 され て い る 「児 童 の 権 利 に関 す る条 約 」2条2項 の 精 神 に か ん が み れ ば 、 適 法 な 結 婚 に基 づ く家 族 関 係 の保 護 と い う理 念 と非 嫡 出子 の 個 人 の尊 厳 とい う理 念 は 、 そ の 双 方 が 両 立 す る形 で 問題 の 解 決 が 図 られ な け れ ば な らな い と考 え る。」 と判 示 した。 子 ど も の権 利 条 約 に つ い て は、 判 例 上 、1991年 の非 嫡 出 子 の住 民 票 続 柄 取 消 請 求 事 件 第 一

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審 判 決 は、 本 件 住 民 票 の 記 載 が行 な わ れ た1985年 は 国連 で の採 択 も わ が国 の批 准 もな か っ た の で 条 約 違 反 を い う主 張 は 失 当 と して お り、1993年 の留 萌 市 立 留 萌 中 学 校 入 級 処 分 事 件 も わ が 国 が 批 准 を終 え て い ない か ら裁 判 規 範 と して の 前 提 を 欠 き失 当 と して い る。 しか し、1993 年6月23日 の 民 法900条4号 但 書 前 段 の 規 定 の 合 憲 性 の 決定 に至 る と、 子 ど もの 権 利 条 約 が 批 准 の 射 程 に入 って きて い る時 期 に 出 た判 決 で も あ り、 また 、 か な り条 約 上 も疑 義 が強 い 非 嫡 出 子 の 問 題 で もあ って 、 批 准 前 の 同条 約 に 立 ち 入 って判 断 を下 して い る点 が注 目 され る。

2、 子 どもの権利条約批准後の判例 と当該条約の影響

子 ど もの 権 利 条 約 が 国 内効 力 を持 っ た1994年5月22日 以 降 の子 ど もの 人 権 に関 す る判 例 を 検 討 し、子 ど もの 権 利 条 約 の影 響 が ど の程 度 見 られ るか 否 か を検 討 す る。 (1)学 校 に お け る生 徒 の 思 想 ・良 心 ・信 教 の 自 由 が 問 題 と な った 事 例 と して 、「エ ホ バ の 証 人 」 高 等 専 門 学 校 進 級 拒 否 ・退 学 処 分 取 消 請 求(36)を 挙 げ る。 「エ ホバ の 証 人 」 の 信 者 で あ る神 戸 市 立 工 業 高 等 専 門学 校 の 生 徒 が 、 あ らゆ る格 闘 技 へ の 参 加 を禁 じる同 宗 教 の信 仰 上 の理 由 か ら、 同校 で 必 須 科 目 と され て い る体 育 科 目の 剣 道 実 技 へ の 参 加 を拒 否 した た め 、 同校 校 長 か ら進 級 を拒 否 され 、 さ らに退 学 を命 じ られ た こ と に対 す る裁 判 で あ る。 神 戸地 裁 は 、 「憲 法26条 が子 供 の 学 習 権 を 規 定 して い るの は 原 告 の 主 張 す る と お りで あ り、 また 、教 育 は そ の 権 利 の充 足 を 図 り うる立 場 に あ る者 の責 務 と解 され る。 しか し、 そ の こ とか ら、 教 育 内 容 を誰 が ど の よ うに 決 定 す る か が 当然 に 導 き出 され るわ け で は な く、 高 等 専 門学 校 に お け る教 育 内 容 は 、 前 述 の とお り、 国 の定 め る大 綱 に従 って教 師 が裁 量 的 に決 定 す べ き もの で あ る。 そ して 、 神 戸 高 専 に お い て は、 裁 量 権 の逸 脱 及 び濫 用 もな く、 教 育 内容 が 適 正 に 決定 され 運 用 され て い るの で あ るか ら、 そ の た め に 、 不 利 益 が生 じた と して も、 学 習 権 が 侵 害 され た と い う こ とは で き な い。」 と判 示 した 。 そ れ に対 して 、 高 裁 は 、「憲 法 が 保 障 す る信 教 の 自 由 は 、 そ れ が 内心 の 信 仰 に と ど ま る 限 り は 、 これ を制 約 す る こ と は許 され な い が 、信 仰 が外 部 に対 し、 積 極 的 又 は 消 極 的 な形 で 表 され る場 合 に 、 そ れ に よ って 他 の権 利 や 利 益 を害 す る と き は、 常 に そ の 自 由が 保 障 され る と い う も の で は な い。 そ して 、 こ の よ うな場 合 に は 、信 教 の 自 由 を制 約 す る こ と に よ っ て得 られ る公 共 的 利 益 と そ れ に よ って 失 わ れ る信 仰 者 の 利 益 に つ い て 、 そ れ ぞ れ の利 益 を法 的 に認 め た 目的 、 重 要 性 、 各 利 益 が制 限 され る程 度 等 に よ り、 そ の軽 量 を比 較 考 量 して 、 信 教 の 自由 を 制 限 す る こ と が適 法 で あ るか 否 か を決 定 す べ きで あ る。」 と述 べ 、「神 戸 高 専 の教 育 施 設 と して の 公 共 的 な利 益 と控 訴 人(学 生)が 失 う利 益 と を比 較 考 量 す る と、 本 件 の場 合 に は 、 被 控 訴 人(神 戸 高 専)は 、 信 仰 上 の理 由 で 剣 道 実 技 の授 業 に参 加 しな い 控 訴 人 に対 し、代 替 措 置 を と る こ と に つ い て 法 的 、 実 際 的障 害 が ない 限 り、 そ の 教 育 的 配 慮 に 基 づ き、 剣 道 実 技 の授 業 に代 わ る代 替 措 置 を と るべ き で あ っ た とい わ な け れ ば な ら ない 。」 と い い 、「被 控 訴 人 は 、 本 件 各 処 分 を す る に 当 た って 、 そ の処 分 理 由 及 び 処 分 の 必 要 性 の判 定 に お い て 行 使 され るべ き裁 量 権 を著 し く逸 脱 して 本 件 処 分 を した」 と判 示 した 。 最 高 裁 は 、「信 仰 上 の理 由 に よ る剣 道 実 技 の履 修 拒 否 を 、 正 当 な理 由 の な い 履 修 拒 否 と区 別 す る こ とな く、 代 替 措 置 が 不 可 能 と い うわ け で も な い の に 、 代 替 措 置 に つ い て 何 ら検 討 す る こ

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と もな く、 体 育 科 目を 不 認 定 と した担 当教 員 らの評 価 を受 け て 、原 級 留 置 処 分 を し、 さ らに 、 不 認 定 の 主 た る理 由及 び 全 体 成 績 に つ い て 勘 案 す る こ と な く、2年 続 け て 原 級 留 置 と な っ た た め進 級 等 規 程 及 び退 学 内 規 に従 っ て学 則 に い う 「学 力 劣 等 で成 業 の見 込 み が な い と認 め られ る 者 」 に 当 た る と し、退 学 処 分 を した とい う上 告 人 の 措 置 は 、考 慮 す べ き事 項 を考 慮 して お らず 、 又 は 考 慮 され た事 実 に 対 す る評 価 が 明 白に 合 理 性 を 欠 き、 そ の結 果 、社 会 観 念 上 著 し く妥 当 を 欠 く処 分 を した もの と評 す るほ か な く、 本 件 各 処 分 は 、 裁 量 権 の範 囲 を超 え る違 法 な もの とい わ ざ る を得 な い。」 と判 示 して 、 高 裁 の判 断 を 支 持 して 校 長 の 上 告 を棄 却 した 。 裁 判 所 は、 地 裁 で は 、 憲 法20条 、26条 、 高 裁 ・最 高 裁 で は 、 憲法20条 に言 及 して い る。 こ の判 決 は 、rエ ホ バ の 証 人 」 と言 う 日本 社 会 で は 少 数 派 の宗 教 団体 に属 して 、 そ の 信 仰 に 基 づ い て 格 闘 技 を 拒 否 した生 徒 に 対 して 、 学 校 とい う公 の 制 度 が一 定 の 配 慮 を しな け れ ば な ら な い とい う こ とを 初 め て 認 め た点 で 非 常 に 大 きな意 味 が あ る。 また 、憲 法訴 訟 にお い て 従 来 は 、 学 校 側 の教 育 目的 と子 ど もの利 益 を比 較 衡 量 す る手 法 が 見 られ た が 、 本 判 決 で は 、 学 校 側 の 規 制 に よ っ て得 られ る利 益 を具 体 的 に きめ 細 か く認 定 して 、 そ の 上 に立 っ て 憲 法 価 値 の 比較 衡 量 を して 判 断 して い る。(37)その意 味 で 、本 判 決 に は、 子 ど も の権 利 条 約 の影 響 が 見 られ る とい っ て よ い の で は な い か と思 わ れ る。 (2)進 級 処 分 事 件 と して 、 土 佐 高 校 進 学 拒 否 事 件(38)を 取 り上 げ る と、 「中 高 一 貫 教 育 を標 榜 して い る学 校 に お い て も、 そ れ は主 と して 教 育 内 容 に関 して の もの で あ って 、 中学 校 、 高 等 学 校 は 、学 校 教 育 法 上 別 個 の もの で あ るか ら、 一 貫教 育 体 制 を取 る こ とか ら、 直 ち に 一 貫 教 育 期 間 全体 に つ い て の在 学 契 約 が締 結 され る と考 え る こ と は で きず 、 高校 に つ いて の 在 学 契 約 が 締 結 され た と い え るた め に は 、在 学 契 約 時 に お い て 、 そ の 旨 明示 す るか 、 あ る い は 高 校 に つ い て も併 せ て 契 約 を締 結 した と評 価 す べ き特 段 の事 情 が あ る こ とが 必 要 で あ る。」 と判 示 した 。 これ に つ い て は 、 今 まで 同様 一 貫 した判 決 内容 とな っ て い る。 (3)校 則 に つ い て は 、 小 野 市 立 小 野 中 学 校 丸 刈 り等 校 則 事 件(39)を 挙 げ る。 第 一 審 の 神 戸地 裁 は 、学 校 は 、 生 徒 の 教 育 とい う設 置 目的 を達 成 す る た め に 必 要 な事 項 につ い て は、 法 令 に 格 別 の規 定 が な い場 合 で も校 則 等 に よ りこれ を規 定 し実 施 す る こ と の で き る 自 律 的 、 包 括 的 な権 能 を有 し、 校 則 等 は 、学 校 とい う特 殊 な 部 分 社 会 に お け る 自律 的 な 法 規 範 と して の性 格 を有 して お り、 そ れ が 内部 規 範 に と ど ま る限 りは、 当該 部 分 社 会 の 自律 的 措 置 に任 せ る の が適 切 で あ っ て 、 裁 判 所 が法 を適 用 実 現 して 紛 争 を解 決 す るの は適 当 で な い とい え る か ら、 市 立 中 学 校 の 「中 学 校 生 徒 心 得 」 に男 子 生 徒 の頭 髪 は 丸 刈 り とす る 旨の 定 め を お く行 為 は 抗 告 対 象 と な らな い と判 示 した。 控 訴 審 で も、本 件 各 定 め は 、生 徒 の守 る べ き一 般 的 な心 得 を示 す に と ど ま り、 そ れ 以 上 、 こ れ に違 反 した場 合 の 処 分 な ど、 個 々 の 生徒 に対 す る具 体 的 な権 利 義 務 そ の 他 の法 律 効 果 を 生 ぜ しめ る もの で は な く、 抗 告 訴 訟 の 対 象 と な る行 政 庁 の 処 分 そ の 他 の 公 権 力 の行 使 は 、 特 定 の 人 に対 し権 利 義 務 そ の 他 具 体 的 な法 律 効 果 を 生 ず る も の で あ る こ と を要 す る か ら、 一 般 的 、 抽 象 的 に 生 徒 が 、 守 るべ き規 律 を 定 め る も の に す ぎな い 本 件 行 為 は、 これ に 当 た らな い と して 、 控 訴 を 棄 却 した 。 最 高 裁 も、 「… これ らの 定 め は 、 生 徒 の守 る べ き一 般 的 な心 得 を示 す に止 ま り、 そ れ 以 上 に、 個 々 の 生 徒 に対 す る具 体 的 な権 利 義 務 を形 成 す る な ど の法 的 な効 果 を 生 ず る もの で は な

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い と した 原 審 の 判 断 は 、 肯 首 す る に 足 り る。」 と判 示 した 。 最 高 裁 が 校 則 の法 的 性 質 に つ い て 初 め て の 判 断 を示 した事 案 で あ る。 上 告 人 は 詳 細 にわ た る上 告 理 由 を提 出 して い る。 そ れ に よ る と、特 別 権 力 関 係 論 、 部 分 社 会 論 に よ る違 法 性 、 憲 法26条 等 に よ る違 反 を 訴 えて い る。 最 高裁 は 「校 則 に 生 徒 の守 るべ き心 得 で 、 個 々 の 生 徒 の 具 体 的 な権 利 義 務 を定 め る な どの 法 的 効 果 は 生 じない 」 と の判 決 を 下 した が 、 校 則 の法 的 効 力 が あ る の か な い か の議 論 は 、 そ の 校 則 が違 反 行 為 に対 して 直 接 的 に 制裁 を加 え る仕 組 み とな って い る か ど うか 、 校 則 制 定 権 者 が 制 裁 機 能 を持 って い る か否 か に か か って い るが 、 そ の よ うな機 能 が な い場 合 で あ って も 、生 徒 心 得 に は法 的効 力 が な い と い え るの か と い う疑 問 が提 起 され て い る。(40) (4)情 報 公 開 と個 人 情 報 保 護 に つ い て は 、 高 槻 市 内 申 書 非 開示 処 分 取 消 訴 訟(41)を 取 り上 げ る。 裁 判 所 は 、 「原 告 は 、 憲 法13条 及 び本 件 条 例13条 に よ り認 め られ る 自己 に関 す る情 報 を コ ソ トロ ー ル す る権利 に 基 づ き、個 人 に か か わ る情 報 を記 載 した 調 査 書 は 、 当 然 に本 人 に開 示 され るべ きで あ る と主張 し、 ま た 、調 査 書 は 生 徒 が 進 学 す べ き学 校 を選 定 す る際 の貴 重 な判 断 資 料 で あ る か ら、 憲 法26条 に よ り保 障 され る親 の 教 育 の 自由 、子 供 の学 習権 に基 づ き、 開 示 され る べ きで あ る と も主 張 し、 さ らに 、 調 査 書 の 開示 請 求 に応 じな い こ と は、9国際 人 権 規 約(B規 約) 17条 や 子 ど もの 権利 に 関 す る条 約28条 に反 す る と主 張 す るが 、 本 件 条 例 で 定 め られ て い る情 報 開 示 請 求 権 は 、 憲法 や 右 各 条 約 か ら直 接 導 き出 され る もの で は な く、 本 件 条 例 に よ り創 設 的 に 認 め られ た権 利 で あ る とい うべ きで あ る。 した が って 、 ど の よ うな もの を 開 示 請 求 の 対 象 とす るか は 、 条 例 の制 定 権 者 が 諸 種 の事 情 を検 討 、 総 合 判 断 し、 そ の 裁 量 に お い て 決 定 す べ き事 柄 で あ り、 原告 に 本件 調 査 書 の 開 示請 求 権 が あ る か否 か は 、右 制 定 権 者 が 定 めた 本 件 条 例 の 趣 旨 ・ 文 言 に即 して 決 せ られ るべ き問 題 で あ っ て調 査 書 に つ いて も、 自己 情 報 の コ ソ トロー ル 権 、 あ るい は 、 教 育 の 自由 ・学 習 権 に基 づ き、 当然 に 本 人 に開 示 」 で き な い と述 べ 、 そ の上 で 、 総 合 所 見 につ い て は 、平 成5年2月22日 付 文 部 事 務 次 官 通 達(文 初 高 第234号 〉 に あ る と お り、 「高 校 入 学 者 選 抜 の資 料 と して の 客 観 性 ・公 平 性 を確 保 す る よ うに 留 意 しつ つ 、 生 徒 の個 性 を他 面 的 に捉 え た り、 生徒 の優 れ て い る点 や 長 所 を積 極 的 に 評 価 し、 これ を活 用 して い くこと」 に な っ て い るが 、 総 合 所 見 に つ い て は 本 人 に 開 示 す る こ とに よ っ て教 師 へ の不 信 感 や 遺 恨 等 を招 き、 教 師 と生 徒 の 信 頼 関 係 を損 な うよ うな 事 態 も起 きな い と は い え ず 、 ま た 、 これ らの弊 害 を恐 れ て記 載 が形 骸 化 し、入 学 者 選 抜 資 料 と して の客 観 性 、 公 正 さが減 殺 され る おそ れ が生 じ るの で 、 本 件 調 査 書 の うち 、「総 合所 見」 欄 に つ い て は非 開示 事 由 に該 当 す るが 、 「各 教科 の学 習 の記 録 」、 「学 習 の 総 評 」 及 び 「身 体 の記 録 」 の 各 欄 に つ い て は 、 非 開 示 事 由該 当 性 を 否 定 した。 原 告 は 憲 法13条 、26条 、 国 際 人 権 規 約B規 約17条 と と もに子 ど も の権 利 条 約28条(教 育 に つ いて の権 利)を 挙 げ た が 、裁 判 所 は 、 情 報 開 示 請 求 権 は 憲 法 や 上 に挙 げ た 条 約 か ら直 接 導 き 出 され る もの で は な く、 条 例 に よ って 創 設 的 に認 め られ た 権 利 で あ る と して 上 記 条 約 の 直接 適 用 性 を否 定 して い る。 (5)非 嫡 出 子 の 差 別 に つ い て は 、 非 嫡 出 子 の相 続 分 を嫡 出 子 の相 続 分 の2分 の1と す る民 法 900条4号 但 書 の規 定 の 合 憲 性 の 高 裁 判 決(42)と 非 嫡 出 子 の 住 民 票 続 柄 記 載 取 消 請 求 事 件 控 訴 審 判 決(43)、 さ らに 、 国 籍 確 認 等 請 求 事 件(44)を挙 げ る。

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① 非 嫡 出 子 の 相 続 分 に つ い て の判 決 は 、 厂民 法900条4号 但 書 前 段 の 規 定 は 、 嫡 出 子 で な い 子 の 相 続 分 を嫡 出子 の2分 の1と す る もの で あ る と こ ろ 、嫡 出 子 か嫡 出子 で な い か は、 本 人 の 父 母 が 法 律 上 の婚 姻 関係 に あ る か ど うか 、 す な わ ち、 本 人 を 懐 胎 した母 が妻 た る身 分 を取 得 した 後 に出 生 した か 否 か に よ っ て決 定 され る事 柄 で あ るか ら、 子 の 立 場 か らみ れ ば、 正 に出 生 に よ って 決 定 され る一 種 の 地 位 又 は 身 分 で あ り、 この よ う な事 由 に基 づ く差 別 が、・憲 法14 条1項 後 段 に該 当 す る こ とは 明 らか で あ る。」 と述 べ 、 さ らに 、「最 も、 非 嫡 出 子 の相 続 分 を 含 め 、 相続 制 度 を ど の よ うに 定 め るか は 夫 婦 財 産 制 や扶 養制 度 に も深 く関 連 す る事 柄 で あ り、 家 族 に関 す る法 制 度 全 体 の 中 で考 え られ な け れ ば な らな い 問 題 で あ っ て 、 立 法 府 の裁 量 の 余 地 が 大 き い こ と は確 か で あ る が 、 そ の 中 の規 定 が 法 制 度 と して 著 し く不 合理 で あ る場 合 に は そ の 裁 量 の範 囲 を逸 脱 した もの と して そ の効 力 が 否 定 され な けれ ば な らな い と考 え る。 本 件 条 項 は 、 前 記 の よ うに 立 法 目的 は そ れ な りの 合理 性 を持 つ もの で あ る に して も、 … 出生 に よ る差 別 は 、 本 人 の 意 思 や 努 力 に よ って は い か ん と も しが た い 事 由 に よ る差 別 で あ り、憲 法14 条1項 の 趣 旨 か ら して この よ うな事 由 に よ る 差 別 は 極 力 回 避 され な け れ ば な ら な い と考 え ら れ る こ と等 か らす れ ば 、 本 件 条 項 は 、 立 法 府 の 裁 量 の 問題 と して 看 過 しえ な い 非 合 理 的 な規 定 とい わ ざ る を得 ず 、 憲 法14条1項 に違 反 す る もの で あ り、 無 効 で あ る」 と判 示 した。 この 判 決 は 、 第 一 審 の 静 岡 地 裁(静 岡地 判3・2・27)の 判 決 、1993年6月23日 の 東 京 高 裁 決 定 と同 趣 旨 で あ る。 ② 次 の 非 嫡 出子 の 住 民 票 記 載 の判 決 は、 い わ ゆ る別 姓 夫 婦 の 子 の住 民 票 の 世 帯 主 と の続 柄 欄 に 、 嫡 出 子 の場 合 と異 な り、 単 に 「子 」 と す る記 載 が な され て い る こ と につ い て 、 右 の記 載 は 、 住 民 基 本 台 帳 制 度 の 目的 との 関 係 で 合理 性 、 必 要 性 が な く、右 夫 婦 及 び 子 の 有 す る プ ラ イ バ シー を侵 害 し、 かつ 、 子 を そ の 社 会 的 身 分 で あ る非 嫡 出 子 で あ る こ とを 理 由 と して 、 憲 法14条 の 禁 止 す る不 合 理 な差 別 をす る も の で あ って 違 法 で あ る と した 。 平 成6年7月 に 本 件 控 訴 審 の 口頭 弁 論 は終 結 した が 、 そ の 前 後 を通 じて 非 嫡 出子 の法 的 地 位 に つ い て 裁 判 所 内 外 の状 況 に大 き な変 化 が あ った 。 そ れ は、1つ に は 、 民 法900条 但 書 の 嫡 出 子 と非 嫡 出 子 と の相 続 分 差 別 規 定 を 憲 法14条 違 反 とす る裁 判 例 が 重 ね られ た こ と、2つ に 、 児 童 扶 養 手 当 支 給 差 別 規 定 を憲 法14条 に 違 反 す る とす る判 決 が な され た こ と、3つ に、 民 法 に お け る身 分 法 の改 正 の 一 貫 と して 同 法900条 但 書 の相 続 分 差 別 規 定 の廃 止 が 民 法 改 正 要 綱 試 案 に盛 り込 まれ 現 実 の検 討 課 題 と な っ た こ と 、 で あ る。(45)その よ うな 中 で 、 住 民 票 の 記 載 に つ い て 、 自治 省 は 本 件 控 訴 審 判 決 に先 立 ち 、 プ ラ イ バ シー保 護 を図 る趣 旨 か ら 、平 成6年12月 に 住 民 基 本 台 帳 事 務 処 理 要 領 の 一 部 改 正 を行 な い 、平 成7年3月1日 か ら住 民 票 に お け る 子 の 世 帯 主 との続 柄 は、 嫡 出子 で あ る と認 知 さ れ た 非嫡 出 子 で あ る と を 問 わ ず 、 い ず れ も 「子 」 と記 載 す る こと に改 め た の で 、判 決 前 に 、行 政 上 の改 革 が 先 に進 ん だ格 好 と な っ た 。 控 訴 人 は 、 控 訴 理 由 の 中 で 、 本 件 は条 約 違 反 で あ る と して 、 次 の よ うに主 張 した 。 す な わ ち 、「条 約 は憲 法 の 水 準 以 上 の人 権 を 保 障 す る こ と が あ り得 る。 批 准 さ れ た 条 約 は 国 内 的 効 力 、 自動 執 行 性 を有 す る。」 と して 、 国 際 人 権 規 約B規 約 の 規 定 、相 続 分 に つ い て の1989年 の 規 約 人 権 委 員 会 の 一 般 的 意 見 、世 界 人 権 宣 言 、 子 ど もの権 利 宣 言 、 国連 経 済 社 会 理 事 会 の 1972年 と1979年 の勧 告 を例 に 出 し、 さ ら に、 子 ど も の権 利 条 約2条1・2項 に違 反 す る と し た 。

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裁 判 所 は 、 「前 記 の よ う に、 い ず れ も プ ラ イ バ シ ー の 保 護 の 見 地 か ら行 わ れ た 法 の 改 正 (昭和61年6月 施 行)》 健 康 保 険 等 の被 保 険 者 証 等 に お け る続 柄 記 載 の統 一(平 成3年2月)、 へ 全 国 の住 民 基 本 台 帳 実 務 担 当 者 の 協 議 会 に お け る続 柄 記 載 の統 一 要 望 の採 択(平 成5年10月) 等 の 国 内 の 動 向や 国際 人 権 規 約 委 員 会 に よ る 日本 政 府 宛 の婚 外 子 に対 す る差 別 的 な法 規 定 や' 実 務慣 行 が 、 国 際 人 権B規 約17条 、24条 に違 反 す る な ど とす る コ メ ソ トの採 択(同11月 、 甲 194)な どの 国 外 に お け る動 向 が見 られ 、 非 嫡 出 子 の人 権 な ど をめ ぐって の状 況 の 変化 が あ っ た 。」 と述 べ た が 、 子 ど もの 権 利 条 約 に つ いて は ふ れ な か っ た。 ③ 最 後 の 国 籍 確 認 に 関 す る判 決 で は 、 第 一 審 大 阪 地 裁 は 、原 告 の 国 籍 法 上 、認 知 の遡 及 効 を 認 め な い と の解 釈 は 、 嫡 出 子 と非 嫡 出 子 、 生後 認 知 と胎 児 認 知 の 問 に不 合 理 な 差 別 を もた ら す もの で あ り、 憲 法14条 や 国 際 人 権 規 約 ・(B規約)、 児 童 の 権 利 に 関 す る条 約 に違 反 す る と い う主 張 に 対 し、 憲 法 が 国 籍 取 得 要 件 に つ い て の 定 め を法 律 に 委 ね て い る(憲 法10条)こ と か ら、 立 法 府 の 裁 量 を 広 く認 め 、 憲 法14条 との 関 係 に お い て裁 量 の 範 囲 を逸 脱 す る もの で は な く、B規 約24条 、児 童 権 利 条 約2条 、7条 等 の 条 約 は 、 い ず れ も無 国 籍 児:童の 一 掃 を 目的 と した もの で あ り、憲 法14条 を越 え た 利 益 を保 護 す る もの とは い え な い と判 示 した。 大 阪 高 裁 も地 裁 の判 決 を支 持 して 、 お お む ね 同 一 の理 由 を述 べ た 。 原 告 は 、 そ の 主 張 に子 ど も の権 利 条 約 を援 用 した が、 裁 判 所 も 同条 約2条 、7条 を援 用 し 国 籍 取 得 に 関 して 非 嫡 出 子 を嫡 出 子 と区 別 す る こ と が本 条 約 に違 反 しな い 旨 を述 べ 、 憲 法14 条 と の適 合 性 を 論 じた。 (6)少 年 司法 に 関 して は 、 い わ ゆ る調 布 駅 前 暴 行 事 件(46)を挙 げ る。 東 京 地 裁 は 、 刑 事 事 件 に お け る不 利 益 変 更 禁 止 の原 則(刑 訴 法402条)は 、 明 文 の規 定 の な い 少 年 保 護 事 件 手 続 に お い て も適 用 が あ る と解 す べ きで あ り、少 年 法20条 に よ る検 察 官 送 致 決 定 は 、 少 年 法 上 の保 護 処 分 決 定 と比 較 して 不 利 益 な 処 分 と い うべ きで あ る か ら、 この 決 定 は 、 本 件 中 等 少 年 院 送 致 決 定 を不 利 益 に変 更 した もの で あ って 、 不 利 益 変 更 禁 止 の原 則 に 抵 触 す る 違 法 、 無 効 な措 置 で あ り、本 件 検 察 官 送 致 決 定 を受 け た 本 件 公 訴 の 提 起 もま た違 法 、 無 効 な も の で あ る と して 、 本 件 公 訴 を 棄却 す る 旨 判 示 した。 高 裁 は 、 「少 年 保 護i事件 手 続 に お い て は 、 少 年 法 の解 釈 と して 、 少 年 の権 利 保 障 の見 地 か ら、 保 護i処分 決 定 に 対 す る抗 告 に つ い て 、 刑 事 訴 訟 法402条 と 同様 に 、 不 利 益 変 更 禁 止 の 原 則 の 適 用 が あ る もの と解 す るの が相 当」 と して 、 第 一 審 判 決 を支 持 し、 本 件 中 等 少 年 院 送 致 決 定 に対 す る抗 告 につ い て も同 原 則 の適 用 が あ る と した。 しか し、 同 高 裁 は 、 少 年 保 護 事 件 手 続 に お け る不 利 益 変 更 の原 則 の 適 用 場 面 で は 、保 護 処 分 相 互 間 に お け る利 益 ・不 利 益 の 問 題 を検 討 す る余 地 が あ る と と もに 、 保 護 処 分 と刑 事 処 分 と の 間 に お い て も個 別 的 ・実 質 的 に利 益 ・不 利 益 の 問 題 を検 討 す る余 地 が あ る と し、 また 、 中 等 少 年 院 送 致 決 定 に対 す る抗 告 審 で そ の 決 定 が 取 り消 され た場 合 に お い て 、 差 戻 しを受 け た 家 庭 裁 判所 が 刑事 処 分 相 当 と して した検 察 官 送 致 決定 は 、手 続 上 の中 間 的 処 分 で あ るか ら、 これ を もっ て 取 り消 され る前 の 中 等 少 年 院 送 致 決 定 と比 較 して 、不 利 益 変 更 に 当 た るか ど うか に つ い て 判 断 す る こ とは 相 当 で な い と して 、検 察 官 送 致 決 定 及 び これ を受 け た検 察 官 に よ る公 訴 提 起 を違 法 、 無 効 と した 第 一 審 の判 断 を否 定 した 。 少 年 法 の基 本理 念 で あ る保 護 処 分 優 先 主 義 か ら、 少 年 に対 す る刑 事 事 件 処 分 は保 護 不 能 な い

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し保 護 不 適 な場 合 の 例 外 的 な処 遇 な の で 、 通 説 的 見 解 は保 護 処 分 決 定 に対 して検 察 官 送 致 決定 を 求 め る抗 告 は 、 不 利 益 な 措 置 を求 め る こ と に な るか ら不 適 法 で あ る と解 して きた が 、 本 判 決 は 、 身 体 的 自 由 の 制 約 の有 無 の 面 か ら、 少 年 に と って 、 執 行 猶 予 付 の 懲 役 ・禁 固 刑 の 方 が有 利 な処 分 と受 け止 め る こ と も あ り得 る こ とを 考 え る と、 個 別 的 ・実 質 的 な考 慮 が必 要 で あ り、一 概 に 刑 事 処 分 は保 護 処 分 よ り不 利 益 で あ る と言 い き る こ と は で きな い と した。 そ の 意 味 で 、 本 判 決 は 、 少 年 法 手 続 と刑 事 訴 訟 法 手 続 と の基 本 的 関 係 や 保 護処 分 を 含 む 少 年 の処 遇 全 般 に関 わ る論 点 に 一 石 を投 げ か け た 。 上 記 判 例 か ら判 断 す る と こ ろで は、 子 ど もの 権 利 条 約 が直 接 判 例 に反 映 され て い る とは 判 断 で きか ね るが 、 原 告 が 子 ど もの権 利 条 約 を援 用 す る機 会 は 確 実 に増 え て い る こ と は い え る。 そ れ に 伴 って裁 判 所 で も子 ど もの 権 利 条 約 を含 め た 判 断(多 くは 憲 法 との兼 ね 合 い で)が 要 求 され る の で あ って 、 そ れ が現 れ て い るの は た と え ば 、 平 成6年6月28日 の 国籍 確 認 等 請 求 事 件 で あ る。 大 阪 地 裁 は 、 憲 法10条 、14条 と子 ど も の権 利 条 約2条 、7条 と の関 係 を取 り上 げ て い る。 結 果 と し て 、裁 判 所 が 子 ど もの 権 利 条 約 は 無 国 籍 児 童 の 一 掃 を 目的 と した もの で あ る か ら憲 法10条 、14状 の 趣 旨 か ら国 籍 取 得 に つ い て非 嫡 出 子 と嫡 出 子 を区 別 す る こ と は 本条 約 に違 反 しな い し、 憲 法 の 趣 旨 に も適 合 す る との 判 断 を下 した の は そ の 一 例 とい え る。 お わ り に 子 ど もの権 利 条 約 が 批 准 され て 今 年(1999年)で 約5年 しか経 っ て お らず 、 判 例 も さほ ど集 積 され て い る と は い え な い(上 記 挙 げ た 判 例 は 平 成8年 ま で の も の)現 時 点 で 、 子 ど も関 連 の判 例 に子 ど もの権 利 条 約 が どの よ うな 影 響 を及 ぼ して い る か は即 断 で きな い。 しか し、批 准 さ れ 国 内 法 と な った 子 ど もの 権 利 条 約 が 、 今 後 の 子 ど もの 人 権 につ い て の 判 決 に 何 らの 影 響 も及 ぼ さな い と い う こ とは 考 え に くい 。 そ の場 合 、 子 ど もの権 利 条 約 が 裁 判 上 直 接 適 用 され る な らば 、 同条 約 は 子 ど もの 人 権 裁 判 に 大 き く貢 献 す る こ と に な る。 そ こで 、 同 条 約 が 直 接 適 用 され る可 能 性 は あ る か ど うか が 吟 味 され な けれ ば な ら ない 。 米 沢 広 一 氏 は、 憲 法 の 立 場 か ら次 の よ うに 主 張 す る。 同 氏 は 、 子 ど もの権 利 条 約 の 規 定 す る権 利 の 実 現 を裁 判 所 を通 じて 目指 す場 合 に は、 同 条 約 に よ る保 障 の 射 程 を 明確 に す る と と もに憲 法 に よ る保 障 と対 比 して 、 同 条 約 固 有 の 意 義 を 明 ら か にす る必 要 が あ り、 そ の視 点 か ら同 条 約 を 見 る と、 文 言 上 、 憲 法 に 明 示 され て い ない 権 利 を 明 示 した り、 憲 法 よ り も保 障 内 容 を 詳 し く明示 し て い る場 合 や 規 定 され て い る制 約 事 由が 憲 法 に 規 定 され て い る制 約 事 由 よ り も狭 い よ うに読 め る 場 合 な ど の よ うに 、憲 法 よ り も広 く権利 を保 障 して い る条 文 が 数 多 くあ る、 と言 う。 また 、 同氏 は、 そ れ らは ① 「文 言 は 異 な っ て い て も、 実 質 的 に は憲 法 の解 釈 に よ って 導 か れ る 保 障 と異 な ら な い部 分 」 と② 「憲 法 に よ る保 障 に 上 づ み を して い る部 分 」 とに 分 か れ 、 ② は さ ら に 、 「既 に我 が 国 が 批 准 した 他 の国 際 人権 条 約 に よ って 保 障 が与 え られ て い る部 分」 と、「児 童 の 権 利 条 約 が新 た に保 障 を与 え た部 分 」 に区 分 され る と い う。 この 中 で 同氏 は 、 厳 密 な意 味 で 子 ど もの 権 利 条 約 が固 有 の 意 義 を有 す るの は 「児 童 の 権 利 条 約 が新 た に保 障 を与 え た 部 分 」 で あ る と す る。 さ らに 、 裁 判 所 に お い て 同条 約 が 固 有 の 意 義 を有 す るた め に は 、 この 部 分 が 自動 執 行 的 性 格 を 有 す る こ とが 必 要 に な る と述 べ て い る。(47) 次 に 、 国 際 法 の立 場 か ら、 以 下 の 三 氏 の主 張 を 挙 げ る。

参照

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