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<原著>CXD(computed X-ray densitometry)法による骨密度測定と骨折の関係についての検討 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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CXD

(computed X−ray densitometry)法による

骨密度測定と骨折の関係についての検討

宮村季浩・福島 博1)・浅香昭雄

    山梨医科大学保健学H講座,1)福島整形外科 抄録:本研究は,CXD法により測定された中手骨骨密度の減少が骨折の指標となるかどうかを 明らかにする目的で行った。対象は整形外科外来を受診しCXD法により骨密度の測定を行った閉 経後の女性である。慢性関節リウマチの集団で骨密度が少ない結果が得られたため,対象から除き 骨折部位ごとの比較を行った。その結果,骨折の既往のない集団と比べ,大腿骨頸部骨折,脊椎圧 迫骨折,擁骨遠位部骨折の既往のある集団で有意に年齢で補正した骨密度が低くなっており,また 他の部位の骨折と比べても骨密度が低い傾向が認められた。このことは本法により発見された中手 骨骨密度減少が,大腿骨頸部骨折,脊椎圧迫骨折および檎骨遠位部骨折の指標となる可能性を示唆 している。 キーワード 骨密度,CXD法,骨折部位 緒  言  骨粗応化にともなう骨折は,我が国の高齢者 の寝たきりの原因の一つとして重要な問題と なっている。それとともに骨粗垣症の指標の一 つとして骨塩量の減少が注目されており, DXA (dual energy X−ray absorptiometry)法 をはじめ各種の製塩量定量法が普及してきた。 特に,MD(microde益sitometry)法のフイルム 濃度の読みとりを半自動化したCXD(com− puted X.ray densitometry)法は,測定に特別 の骨塩量定量装置を必要とせず,簡便で多くの 施設で利用されはじめている。本測定法は再現 性が高く,またこれまでのX線画像による測 定法では困難であった骨四割に相当する中手骨 骨密度(ΣGS/D)を測定することができると いった特徴がある。 〒409−38 山梨県中巨摩郡玉穂町下河東1110 1)〒400−01 山梨県中巨摩郡竜王町西八幡1196 受付:1996年5月13日 受理:1996年5月31霞  しかし一方では,主に皮質骨からなる中手骨 を測定に用いることから,全身の骨塩量,特に 海綿骨の骨塩量減少の指標として用いることへ の問題点が指摘されている。また,骨折には骨 密度だけでなく骨構造も強く影響しており, CXD法によって発見された中手骨骨密度の減 少が骨折とどの程度関係しているのか明らかに なっていない1)。  本研究では,CXD法により測定された中手 骨骨密度の減少が骨折の危険因子の一つとなる かどうかを明らかにする目的で,以下の調査研 究を行った。 研究方法  調査は,1995年5月から1995年!2月までに整 形外科外来を受診しCXD法による骨密度の測 定を行った34歳から97歳までの女性312名を対 象とした。骨折については,過去5年間の骨折 の既往を問診および診療録により調査した。  年齢で補正した骨密度としては,5歳ごとの

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宮村季浩,他

各年齢階級における骨密度の平均値を0,標準 偏差を1として算出したZscoreを用いている。 解析は,年齢階級内の対象者が1名のみであっ た93歳以上の2名と,閉経による影響を除くた め閉経前の8名を除いた50歳から88歳までの女 性302名の結果に対して行った。  解析は,統計プログラムパッケージPC−SAS を用いて,回帰分析およびノンパラメトリック 法のKτuska1−Wallis test, Mann−Whitney U tes毛 を行っている。 結  果  図1は,年齢と骨密度を示すΣGS/Dとの関 係を示す。ここでΣGS/Dとは, X線撮影によ る中手骨の陰影濃度を同時に撮影,測定を行う アルミニウムステップウエッジの厚さで換算し た値である。回帰直線を求めると図のように加 齢とともに骨密度が減少する傾向が認められる。 また松本らによる健常女性の骨密度2)とほぼ同 じ分布を示している。  図2は,受診の契機となった病名とZscore との関係である。慢性関節リウマチの集団で骨 密度が少ない結果が認められたため,以後の解 析は慢性関節リウマチ患者を除いた290名の女 性を対象に行った。  図3は,骨折の既往の無い集団および既往の あるものを骨折部位別に分けた各集団の年齢の 平均を示したものである。脊椎圧迫骨折は他の 骨折に比べ高年齢で起こっている。なお,閉経 後の年数と骨密度および骨折の有無との間に明 らかな関係は認められなかった。 図4は,骨折の既往の無い集団および既往のあ るものを骨折部位別に分けた各集団のZscore ΣGS/D (mmAり32 3 2.8 2.6 2.4 2.2 2 L8 1.6 1.4 1.2 1 (a) (b) 偽    ○.○ %Φ「 1:〈葛:Q ○ ○

三瓶

 ○

 ○

○○       ○   ゾ…Q’ ・’;18『◎・づド ○

。,♂σお。・

   ○ ○  0

8

蕊∵

.轟3

 ○  ○○ ○○ ○  ○ ○ ○ 45     50     55     60     65     70     75     80     85     90 図!.年齢とΣGS/Dとの関係.    (a)回帰直線 y=3.613−O.023x          n皿302. R2罵0.348 F=159.910 p〈0.000!    (b)松本ら2)による健常女性の骨密度年齢別平均値±1SD 年齢

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Zscore   O.5 0,25 0 一〇.25 一〇.5 一〇.75 4 一1.25 一1.5 一1.75 (mea獅±1SE) Kruskal−Wallis宝est:p置0.0005

変形性膝関節症    腰痛疲    外傷(馨折なし》    RA  (n濡108)       (渦鷹49)       (n隅蓬0)       (n醤12)    膝以外の      膝関節炎    外傷(骨折あり)   病名無し    変形性関節症    (n=34)     (nロ46)     (轟=16)     (n篇27)    図2.受診時病名別のZscoreの平均値.  80 齢 年 められる。 77.5 75 725 70 67.5 65 62.5 60 575 φ (鳶1ean:と1SE) Kruskal−Wa闘is test:p=0.OOO1

骨折なし      大腿骨頚酪脅折      その他の骨折 (n置窪97)      (n電3}   概骨遠位媛骨折    《震瓢7)     (轟冨2嘩} 脊椎庄迫骨折  (轟=62) 図3.骨折部位別の年齢の平均値. の平均値を示す。骨折のない集団と比べ,大腿 骨頸部骨折,脊椎圧迫骨折,梶骨遠位部骨折の 既往のある集団では有意に骨密度が低くなって いる。他部位の骨折と比べても同様の傾向が認 考  察  以前に筆者らが指摘しているように3),閉経 後の年数は骨密度の経時的減少量に影響してい る。そのため閉経後の年数が同時に骨折の危険 因子となる可能性が考えられたが,本研究では 明らかな関係は認められなかった。  受診時の病名とZscoreとの関係で慢性関節 リウマチの集団において骨密度が少ない結果が 得られたことは,慢性関節リウマチが続発的に 骨塩量を減少させる疾患の一つであり,中手骨 の骨密度も減少させることを示している4)。ま た,慢性関節リウマチ患者では大腿骨頸部骨折 をはじめ骨折の頻度が高いとされており5),本 研究でも慢性関節リウマチ患者15名中,大腿骨 頸部骨折の既往のある者2名,脊椎圧迫骨折の 既往のある者2名となっている。  つぎに慢性関節リウマチは,骨密度減少ある

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宮村季浩,他

ZScore   I5 1 0.5 0 一〇5 一1 一15 ⋮⑭ (mean±1SEi)

Mam−Whitney U test    P=0.0365 P讐0。005壌

P繍0.03歪6

Φ

上腕骨    膝蓋骨    足関節    中足骨    脊椎    骨折なし (n譜1)  (n冨3)  (n講灌   肋骨    膝関節   (n繍7)       (n=5)   (n瓢2)      (n=・62)     (n=197> 踵骨   橦骨遠位端  大腿骨頚部 (n漏2)      (n篇7)      (n謹3) 図4.骨折部位別のZscoreの平均値. いは骨折に関して影響を与える可能性があり対 象から除外して分析を行った。骨密度と骨折と の関係では,骨折の既往のない集団と比べ,大 腿骨頸部骨折,脊椎圧迫骨折,擁骨遠位部骨折 の既往のある集団で有意にZscoreが低くなっ

ており,また他の部位の骨折と比べてもZ

scoreが低い傾向が認められた。このことは, CXD法により発見される中手骨の骨密度減少 が大腿骨頸部骨折,脊椎圧迫骨折および擁骨遠 位部骨折の指標となる可能性を示唆している。 松本らの報告6)によると,中手骨骨密度との相 関係数は,腰椎で0,58,大腿骨近位部で0.59, 擁骨で0.83としており,擁骨の骨密度は腰椎, 大腿骨に比べて中手骨骨密度との相関が高いと されている。今回,中手骨の骨密度減少が梶骨 遠位部の骨折だけでなく,海綿骨の比率の高い 脊椎や大腿骨頚部の骨折の指標にもなる可能性 が認められたことは非常に興味深いことと考え る。  骨折には骨増量の減少だけでなく受傷の機序 や筋肉量7)も大きく影響する。そのため,今後 これらの点を明らかにするための調査研究が必 要である。 文  献 1)福永仁夫.骨粗懸症の診断一骨量の測定法とそ   の意義一.診断と治療1995;83:853−858. 2) Matsumoto C, K疑shida K, Sato Y,6砲Z. De−  velopme簸t of a new computed X−ray densi−   tometry an(玉 its apP韮icadon・ OsteoPorosis   l991;3:772−776. 3)宮村季浩,山縣然太朗,飯島純夫,ほか.骨粗・   巻症危険因子の骨塩量に与える影響についての  検討.日本公衛誌1994;41:1122−U30. 4)豊島良太,山本吉蔵,萩野 浩,ほか.骨粗霧   症一慢性関節リウマチ合併症と対策一.日本臨

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X 1992, 50: 592-596.

Hooyman, JR. Fractures after rheumatoid arthritis. Arthritis Rheum 1965; 8: 943-954.

JIt2it7Isc=F-eeft, EiliiM-tipti, EliiilllE es, eimi. gkELL

<ee5EL72i]Eg3XueigerEgEtaijXi-EXuea)gg1sc・I:t

EE. eefl}E(7) EE) mp) ti5z` 199I; 156: 7tl1-742.

7) HippJA, Myers ER, Greenspan SL, et al. Soft tissue thickness and energy absorption ity as potential determinant of hip fracture risk. Trans Orthopaed Res Soc 1991; l6: 135.

The Relationship between Bone Mineral Density Measured by CXD (Computed X-Ray Densitemetry) Method and Fracture Site

'

Toshihiro Miyamura, Hiroshi Fukushimai) and Akio Asaka

Dopartment ofHealth Sciences, Yamanashi Medical Universdy and iJFukushima Orthopedic Clinic

This study investigated metacarpa} bone inineral density loss measured by the CXD rnethod as a useful in-dicator of bone fracture. The subjects were 312 postmenopausal women who consulted an orthopedic dinic

be-tween August l995 to December 1995. Because the chronic rheumatoid arthritis group showed low bone

mineral density, we excluded this group frorn analysis. We examined the relationship between metacarpal bone mineral density and fracture site. Z score of bone mineral density adjusted by age was lower among patients with a history of femoral neck fracture, vertebral compression fracture and distal radius fracture than among those wjthout a history of such fractures. Z score of these sites also showed a lower level, on comparison to that in patients with other fracture sites. In conclusion, these results indicated that decreased metacarpaa bone mineral density measured by CXD method is a useful indicator of the risk of femoral neck fracture, vertebral compression fracture and distal radius fracture.

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