• 検索結果がありません。

差分変動率法を用いたブラックホール天体GRS1915+105の長時間変動の解析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "差分変動率法を用いたブラックホール天体GRS1915+105の長時間変動の解析"

Copied!
38
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

差分変動率法を用いた

ブラックホール天体

GRS1915+105 の

長時間変動の解析

明星大学 理工学部 総合理工学科 物理学系

14s1-023 佐藤太一

(2)

1

要旨

ブラックホールは多くの人に存在を知られている天体であるが、未だ謎も多くある。そ のブラックホールについての理解を深めるため、伴星から落ちるガスが放射するX 線の変 動を解析した。 全天X 線監視装置(MAXI)によるブラックホール天体「GRS1915+105」の観測デー タを、差分変動率法を用いてState A、State B、State C の 3 つの状態について解析し長 時間変動の特徴を調べた。 データは90 分(1/16 日)を 1 点とする orbit データと orbit データを 1 日(90 分× 16)にまとめて 1 点とする day データを使用した。範囲は 2009 年 8 月 15 日から 2017 年 6 月 10 日である。 orbit データを 2 ビン、4 ビン、8 ビン、16 ビンの時間幅でまとめたものがそれぞれ 1/8 日、1/4 日、1/2 日、1 日となり、day データを 2 ビン、4 ビン、8 ビンでまとめたものが それぞれ2 日、4 日、8 日となる。各状態での時間幅ごとの変動率の違いを 2-4keV(L バ ンド)、4-10keV(M バンド)、10-20keV(H バンド)についてそれぞれ調べた。

得られた差分変動率の結果と、X 線強度の強弱の比較から、State A、State B、State C がそれぞれ降着円盤の理論的モデルのどれに対応しているかを考察した。その考察の結果 は、これまで言われてきた対応と矛盾しないものであった。

(3)

2

目次

1 序論

1.1 X 線天文学 1.2 X 線連星 1.3 GRS1915+105 1.4 全天 X 線監視装置(MAXI)

2 解析

2.1 GRS1915+105 の観測データ 2.2 State A、State B、State C の区分 2.3 差分変動率

2.4 解析結果

3 考察

4 謝辞

(4)

3

1 序論

1.1 X 線天文学

X 線天文学は、1962 年にリカルド・ジャッコーニらが打ち上げた観測ロケットによって X 線天体を発見したことから始まった。X 線は大気に吸収されて地表までは到達できない ため宇宙空間まで行く必要があったのである。 X 線は、電磁波のうち波長が 0.01nm から 10nm の範囲のもので、エネルギーは 0.1keV から100keV ほどである。波長が短いということは、エネルギーが高い、透過力が高い、 屈折しにくい、ということでもある。 宇宙には、超高温の現象から超低温の現象まで様々な現象がある。それらを見るために は、それぞれの現象に適した波長で観測しなければならない。電波は絶対零度に近いよう な領域。赤外線は輻射熱や摩擦熱のような数百度程度の比較的穏やかな温度の領域。可視 光から紫外線にかけては、太陽や他の恒星などの数千度という温度の領域。X線やガンマ 線は、星の爆発や、ブラックホールなど、数万度から数億度というきわめて高い温度の領 域を観測できる。 図1.1 電磁波波長領域(JAXA) 図1.2 可視光と X 線で見たおとめ座銀河団(JAXA)

(5)

4

1.2 X 線連星

1.2.1 近接連星系 夜空にある星のうち半分は連星系を成しているといわれている。連星系とは、2 つ以上の 星が重力を及ぼしあい、互いの周りをまわっている系のことである。近接連星系はその中で も、2 つの星の間隔が星の半径ほどまで接近しているものであり、近い距離にあるためガス やエネルギーのやり取りを行う場合もある。近接連星系は連星の等ポテンシャル面のロッ シュローブを用いてさらに 3 種類に分けられる。等ポテンシャル面とは、その星の重力と その星に作用する遠心力との和が一定になる面のことであり、ロッシュローブとは等ポテ ンシャル面のうち、ラグランジュ点L1 を通る面のことである。ロッシュローブは2つの星 の重力圏の範囲がくっついた形をしており、この範囲内に入るとその中心の星の重力にと らえられる。 図1.3 質量比 4:1 の連星の等ポテンシャル面(太字はロッシュローブ) ロッシュローブによる近接連星系の3 つの分類は、分離型、半分離型、接触型である。2 つの星ともロッシュローブ内にあるものが分離型。片方の星がロッシュローブを満たして いるものが半分離型。両方の星ともロッシュローブを満たし、共有の外層を持っているも のが接触型である。半分離型や接触型は、ガスの輸送や星の変形などエネルギーの変化に より激しい相互作用を及ぼす。

(6)

5 図1.4 近接連星系の分類 ガスの輸送が起こる半分離型では、ガスが主星の重力圏に流れ込むことで、降着円盤を 形成する。主星とは半分離型の星のうちロッシュローブを満たさない方である。逆にロッ シュローブを満たす方の星を伴星という。分離型はガスの輸送は起こらないが、伴星から の星風の一部が主星の重力にと らえられた場合に同じく降着円盤を形成する。 1.2.2 X 線連星系 伴星から主星にガスが落ち込む過程で降着円盤を形成するが、このとき電磁波を放出す る。これにより可視光では見ることのできない星を見ることができる。X 線連星系とは、 主星が中性子星やブラックホールなどのコンパクト天体の連星系であり、X 線で明るく光 っている。 中性子星は硬い表面を持つため、ガスが落ち込む際、勢いよく表面にぶつかる。そのた め、降着円盤の内側部分から高いエネルギーのX 線が観測される。ブラックホールの場 合、落ち込むガスはそのままブラックホールに吸収されるためブラックホールの境界部分 からの高エネルギーのX 線は観測されない。 これにより、中心星が中性子星かブラックホールかを区別することができる。 1.2.3 降着円盤 ガスが中心に向かって回転しながら落ちていくとき、角運動量は一定であるため、主星 までの距離に反比例して降着流の回転速度は大きくなる。そのため、ガスに働く遠心力が 大きくなり、最終的に重力と遠心力がつりあう位置でリング状のガス円盤ができる。 角

(7)

6 速度Ω=√GM/r^3 より、リングの内側と外側でガスの速さが異なるため、ガスの粘性の 作用によりガスが同じ角速度になろうと働き、内側から外側へ角運動量が輸送される。よ って、内側のガスは角運動量を失い、重力優勢となり主星に落ちていき、外側のガスは角 運動量を得て遠心力優勢となりさらに外側へと広がっていく。 粘性はまた、運動エネルギーを熱エネルギーに転化させ円盤ガスを加熱する。加熱され たガスは電磁波を出し明るく光る。つまり、重力エネルギーから熱エネルギー、熱エネル ギーから放射エネルギーへと変換される。 放射のモデルは主に、標準円盤モデルと高温降着流モデル、スリム円盤モデルに分けら れる。 標準円盤モデル 標準円盤モデルとは、重力エネルギーが効率よく放射エネルギーに転化されるモデルで ある。放射で温度が下がり、圧力が下がるため、円盤は薄くなる。ガスがゆっくりと降着 していくので重力エネルギーも徐々に解放され、円盤は黒体放射をする。このモデルは、 放射が効率的なため光度が大きい。 図1.5 標準円盤モデルのスペクトル 高温降着流モデル 高温降着流モデルとは、放射が非効率でガスの流れが高温、低密度のモデルである。放 射冷却がされず、ガスは高温になるため粘性が大きくなり角運動量の輸送率が高まるた め、ガスは速く落ち込む。シンクロトロン放射、コンプトン散乱、熱的制動放射など、 様々な放射が行われることで、電波からガンマ線までの広い波長域の放射がなされる。 標準円盤モデルとは逆に、光度は小さい。

(8)

7 図1.6 高温降着流モデルのスペクトル スリム円盤モデル スリム円盤モデルは、3 つのモデルのうち最も降着率が大きく高密度のモデルである。 エディントン限界に近い高光度で存在し、円盤は幾何学的に厚めである。放射は標準円盤 と同様に多温度の黒体放射。 標準円盤モデル 高温降着流モデル スリム円盤モデル 図1.7 各モデルの円盤のイメージ

1.3 GRS1915+105

赤経19h15m、赤緯+10°5’に位置する X 線連星であり、主星は 14M☉のブラックホ ールである。また、時に光速に近い速度のジェットを放出することで知られている。

(9)

8

図1.8 GRS1915+105 の X 線画像(左上)と周辺の可視光画像 (NASA)

1.4 全天 X 線監視装置(MAXI)

MAXI(Monitor of All-sky X-ray Image)は、国際宇宙ステーションに搭載されてい る、実験棟および船外実験プラットフォーム「きぼう」に設置してあるX 線観測装置であ る。 大きさ 1.85m×0.8m×1m 質量 520kg 観測周期 約90 分 図1.9 国際宇宙ステーションに搭載された MAXI(NASA)

(10)

9 観測装置として、比例計数管を用いたガススリットカメラ(GSC)と、X 線 CCD を用 いたX 線 CCD スリットカメラ(SSC)が搭載されている。GSC は 2~30keV のエネルギ ー帯のX 線、SSC は 0.5~12keV のエネルギー帯の X 線を観測する。 図1.10 MAXI 内部略図(JAXA) 本研究では、GSC によるデータを解析する。GSC は、国際宇宙ステーションが地球を 1 周する約 90 分で、ほぼ全天の X 線源を観測できるように設計されている。各 X 線源の X 線強度は 1 周するごとに1回記録され、このデータは orbit データと呼ばれて公表され ている。この90 分の周期はおよそ 1/16 日に相当するが、その 16 周分を集めて 1 日ごと に平均したデータもday データと呼ばれて公表される。また、それらのデータは X 線のエ ネルギーごとに、2-20keV:All(A)バンド、2-4keV:Low(L)バンド、4-10keV: Medium(M)バンド、10-20keV:High(H)バンドの 4 つのバンドの X 線強度として 表示されている。

(11)

10

2 解析

2.1 GRS1915+105 の観測データ

GRS1915+105 の解析は、orbit データと day データを両方用いて行った。図 2.1 は、 MAXI が観測した 2009 年 8 月 15 日から 2017 年 6 月 10 日までのほぼ 8 年間の全 orbit データを、A,L,M,H バンド ごとに図示したものである。縦軸が X 線強度[Photons/s/ cm2]、横軸が修正ユリウス日であり、差し渡しが 3000 日になっている。図 2.2 は、同じ 期間のday データを図 2.1 と同様に A,L,M,H バンドに分けて図示したものである。 -5 0 5 10 15 20 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

2-20keV (Aバンド)

-1 0 1 2 3 4 5 6 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

2-4keV (Lバンド)

(12)

11 図2.1 GRS1915+105 orbit データの各バンドの X 線強度の時間変化 -2 0 2 4 6 8 10 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

4-10keV (Mバンド)

-0.5 0 0.5 1 1.5 2 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

10-20keV (Hバンド)

0 2 4 6 8 10 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

2-20keV (Aバンド)

(13)

12

図2.2 GRS1915+105 day データの各バンドの X 線強度の時間変化

2.2 State A、State B、State C の区分

day データの全データに対し、エネルギーが高い方の M,H バンドの強度比(H/M) を、エネルギーが低い方のL,M バンドの強度比(M/L)に対してプロットしたものが図 2.3 である。図に示される通り、およそ 3 つの領域に分けられる。それぞれ Fender and Belloni(2004)にならって State A、State B、State C と呼ぶことにする。そして、 L,M,H バンドの関係から全観測期間の状態を State A,B,C の 3 つに分けて表示したものが 図2.4 である。 0 1 2 3 4 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

2-4keV (Lバンド)

0 1 2 3 4 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

4-10keV (Mバンド)

0 0.2 0.4 0.6 55000 55500 56000 56500 57000 57500 58000

10-20keV (Hバンド)

(14)

13

図2.3 M/H‐M/L の関係図

図2.4 State A,B,C の偏移

以下、図2.5~図 2.13 まで State A,B,C それぞれの L,M,H バンドの時間ビン幅ごとの変 動の様子の例を示した。State A については 200 日、State B については 400 日、State C については10 日ほどの期間のものである。1 ビン 1/16 日のデータの隣り合う 2 ビンの平 均を出したデータを1/8 日ビンデータ、そのデータの隣り合う 2 ビンで平均を出したもの を1/4 日ビンデータというように、orbit データから 1 日ビンデータまでを作る。さらに day データをもとに、2 日ビン、4 日ビン、8 日ビンのデータを作り図示してある。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 H /M M/L

State A

State B

State C

(15)

14

※以下、図2.5~2.13 まで(例)State A-L バンド-1/8 日→A-L-1/8、として省略。

縦軸:X 線強度[Photons/s/cm^2] 横軸:修正ユリウス日[日](図 2.5~2.13) 0 0.5 1 1.5 2 2.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-L-1/8

0 0.5 1 1.5 2 2.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-L-1/4

0 0.5 1 1.5 2 2.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-L-1/2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-L-1

(16)

15 図2.5 State A-L バンドの時間幅ごとの変動 0 0.5 1 1.5 2 2.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-L-2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-L-4

0 0.5 1 1.5 2 2.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-L-8

(17)

16 0 0.5 1 1.5 2 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-M-1/8

0 0.5 1 1.5 2 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-M-1/4

0 0.5 1 1.5 2 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-M-1/2

0 0.5 1 1.5 2 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-M-1

(18)

17 図2.6 State A-M バンドの時間幅ごとの変動 0 0.5 1 1.5 2 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-M-2

0 0.5 1 1.5 2 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-M-4

0 0.5 1 1.5 2 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-M-8

(19)

18 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-H-1/8

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-H-1/4

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-H-1/2

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-H-1

(20)

19 図2.7 State A-H バンドの時間幅ごとの変動 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-H-2

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-H-4

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 56570 56590 56610 56630 56650 56670 56690 56710 56730 56750

A-H-8

(21)

20 0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-L-1/8

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-L-1/4

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-L-1/2

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-L-1

(22)

21 図2.8 State B-L バンドの時間幅ごとの変動 0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-L-2

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-L-4

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-L-8

(23)

22 0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-M-1/8

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-M-1/4

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

M-B-1/2

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-M-1

(24)

23 図2.9 State B-M バンドの時間幅ごとの変動 0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-M-2

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-M-4

0 1 2 3 4 5 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-M-8

(25)

24 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-H-1/8

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-H-1/4

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-H-1/2

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-H-1

(26)

25 図2.10 State B-H バンドの時間幅ごとの変動 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-H-2

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-H-4

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 57090 57140 57190 57240 57290 57340 57390 57440

B-H-8

(27)

26 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-L-1/8

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-L-1/4

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-L-1/2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-L-1

(28)

27 図2.11 State C-L バンドの時間幅ごとの変動 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-L-2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-L-4

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-L-8

(29)

28 0 0.5 1 1.5 2 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-M-1/8

0 0.5 1 1.5 2 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-M-1/4

0 0.5 1 1.5 2 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-M-1/2

0 0.5 1 1.5 2 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-M-1

(30)

29 図2.12 State C-M バンドの時間幅ごとの変動 0 0.5 1 1.5 2 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-M-2

0 0.5 1 1.5 2 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-M-4

0 0.5 1 1.5 2 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-M-8

(31)

30 0 0.2 0.4 0.6 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-H-1/8

0 0.2 0.4 0.6 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-H-1/4

0 0.2 0.4 0.6 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-H-1/2

0 0.2 0.4 0.6 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-H-1

(32)

31 図2.13 State C-H バンドの時間幅ごとの変動 次に、上に図示したA,B,C それぞれの State のデータに対し差分変動率を求めた。

2.2 差分変動率

差分変動率は、ある連続するデータの隣り合うビンについて「差の絶対値の平均」と 「和の平均」に対する比をとったものである。 (例)ある時間幅の隣り合う2 ビンのデータ:

{𝑥

𝑖

}(𝑖 = 1,2,3 … … … 𝑁)

について 0 0.2 0.4 0.6 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-H-2

0 0.2 0.4 0.6 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-H-4

0 0.2 0.4 0.6 56470 56472 56474 56476 56478 56480 56482 56484

C-H-8

(33)

32

|𝑥

2𝑗

− 𝑥

2𝑗+1

|

2

𝑁/2

𝑗=0

𝑥

2𝑗

+ 𝑥

2𝑗+1

2

𝑁/2

𝑗=0

を計算する。 図2.14 差分変動率法のイメージ 図2.3 において、矢印が「差の絶対値の平均」を、赤線が「和の平均」を表している。 「差の絶対値の平均」は2 つのデータを波とした時の振幅を示しており、これはフーリエ 成分の振幅と同じである。

2.4 解析結果

まず orbit データについて A、B、C それぞれの強度ごとに 2 ビン、4 ビン、8 ビン、16 ビンの差分変動率を求め、1/8 日、1/4 日、1/2 日、1 日の変動率とし、続いて、同様に day データについても 2 ビン、4 ビン、8 ビンの差分変動率を求め、2 日、4 日、8 日の変 動率とした。また、それらを連続したデータとしてA、B、C をそれぞれ図 2.4、図 2.5、 図2.6 にまとめた。

(34)

33 図2.15 差分変動率 State C に関してはデータが少なかったため、1,4,8 日の差分変動率にばらつきが出てし まったが、State A,B についてはおおよそデータと矛盾のない結果となった。 0.01 0.1 1 1/8 1/4 1/2 1 2 4 8 変動率 log y log Δt (日)

State A

L M H 0.01 0.1 1 1/8 1/4 1/2 1 2 4 8 変動率 log y log Δt (日)

State B

L M H 0.01 0.1 1 1/8 1/4 1/2 1 2 4 8 変動率 log y log Δt (日)

State C

L M H

(35)

34

3 考察

今回、MAXI による GRS1915+105 の観測データを用いて解析を行った。解析により得 られた各状態の1/8 日~8 日の差分変動率のデータと、各状態の時間幅ごとの時間変化を 比較した。 図2.15 の差分変動率のグラフより、まず ① State A-H バンドの変動率が L,M バンドと比べて短い時間幅時間幅では大きく、長い 時間幅では小さい ② State B において短い時間幅では H バンドと L,M バンドの変動率に差があったが、時 間が長くなるにつれ近づいている ③ State C で L,M,H バンドとも 1/8 日でほぼ同じ変動率であり、1/4 日、1/2 日、2 日で も近い値である という3 点が見てとれた。さらに、State A,B,C ごとの L,M,H バンドの X 線強度をグラフ から比較して ④ State A と State B の H バンドの X 線強度が L,M バンドの強度と比べて明らかに小 さい ⑤ State A の X 線強度が全体として State B より小さい ⑥ State C-L,M バンドの X 線強度が State A,B より小さい

⑦ State C において、H バンドの L,M バンドに対する X 線強度の割合が State A,B の場 合より大きい

の4 点も見てとれた。以上 7 点より、State A は標準円盤、State B はスリム円盤、State C は高温降着流であると考えられる。この結論はこれまでの観測的結果に矛盾しない。

今回の変動率の解析では、10 日程度の時間スケールまでしか変動を見なかった。図 3.1 のとおりState A では最大 30 日程、State B では最大 150 日程の周期の sin 波のようなも のが見られたが、今回の方法では連続した長時間のデータが少なく確かめることができな かった。しかし、今回は時間の関係でできなかったが、“2 ビンごと”ではなく例えば“5 ビンごと”のように長い時間幅で平均をとり計算をすれば10 日以上、また、100 日以上 の変動も今回のように可視化できたと思われる。

(36)

35

縦軸:X 線強度[Photons/s/cm^2] 横軸:修正ユリウス日[日]

(37)

36

4 謝辞

今回の研究にあたりご指導くださった井上一先生、小野寺幸子先生、日比野由美さんに 深く感謝いたします。また、天文学研究室の皆様にも大変お世話になりました。ありがと うございました。

(38)

37

5 参考文献

1. 2004 ARAA 42 317-364 Fender and Belloni 「GRS 1915+105 AND THE DISC-JET COUPLING IN ACCRITING BLACK HOLE SYSTEMS」

2. 明星大学 2016 年度卒業研究論文 東城直美 「差分変動率法を用いた Sco X-1 時間 変動の解析」 3. 日本評論社 嶺重慎 「ブラックホール天文学」 4. 日本評論社 小山勝二・嶺重慎 「ブラックホールと高エネルギー現象」 5. JAXA 「全天監視装置(MAXI)」<http://iss.jaxa.jp/kiboexp/equipment/ef/maxi/> 6. JAXA 「全天 X 線監視装置」 <http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/maxi.html>

7. NASA「GRS 1915+105: Taking the Pulse of a Black Hole System」< http://chandra.harvard.edu/photo/2011/g1915/>

図 1.8  GRS1915+105 の X 線画像(左上)と周辺の可視光画像  (NASA)
図 2.2  GRS1915+105  day データの各バンドの X 線強度の時間変化
図 2.3  M/H‐M/L の関係図
図 3.1  長時間周期の変動が見られたグラフ

参照

関連したドキュメント

の変化は空間的に滑らかである」という仮定に基づいて おり,任意の画素と隣接する画素のフローの差分が小さ くなるまで推定を何回も繰り返す必要がある

 処分の違法を主張したとしても、処分の効力あるいは法効果を争うことに

1.4.2 流れの条件を変えるもの

振動流中および一様 流中に没水 した小口径の直立 円柱周辺の3次 元流体場 に関する数値解析 を行った.円 柱高 さの違いに よる流況および底面せん断力

2011 年の主たる動向は、欧州連合 (EU) の海洋政策に新たな枠組みが追加されたことであ る。漁業分野を除いた

自分ではおかしいと思って も、「自分の体は汚れてい るのではないか」「ひどい ことを周りの人にしたので

    (b)のこ刃が循環運動するのこ盤:これには、チェーンソー、立型又は横型の帯の     こ盤、quartering  band  saw 及び halving 

1) 。その中で「トイレ(排泄)」は「身の回りの用事」に