まず
orbit
データについてA、B、C
それぞれの強度ごとに2
ビン、4ビン、8ビン、16ビンの差分変動率を求め、1/8日、1/4日、1/2日、1日の変動率とし、続いて、同様に
day
データについても2
ビン、4ビン、8ビンの差分変動率を求め、2日、4日、8日の変 動率とした。また、それらを連続したデータとしてA、B、C
をそれぞれ図2.4、図 2.5、
図
2.6
にまとめた。33
図
2.15 差分変動率
State C
に関してはデータが少なかったため、1,4,8日の差分変動率にばらつきが出てしまったが、State A,Bについてはおおよそデータと矛盾のない結果となった。
0.01 0.1 1
1/8 1/4 1/2 1 2 4 8
変動率log y
log Δt (日)
State A
L M H
0.01 0.1 1
1/8 1/4 1/2 1 2 4 8
変動率log y
log Δt (日)
State B
L M H
0.01 0.1 1
1/8 1/4 1/2 1 2 4 8
変動率log y
log Δt (日)
State C
L M H
34
3 考察
今回、MAXIによる
GRS1915+105
の観測データを用いて解析を行った。解析により得 られた各状態の1/8
日~8日の差分変動率のデータと、各状態の時間幅ごとの時間変化を 比較した。図
2.15
の差分変動率のグラフより、まず①
State A-H
バンドの変動率がL,M
バンドと比べて短い時間幅時間幅では大きく、長い時間幅では小さい
②
State B
において短い時間幅ではH
バンドとL,M
バンドの変動率に差があったが、時間が長くなるにつれ近づいている
③
State C
でL,M,H
バンドとも1/8
日でほぼ同じ変動率であり、1/4日、1/2日、2日で も近い値であるという
3
点が見てとれた。さらに、State A,B,CごとのL,M,H
バンドのX
線強度をグラフ から比較して④
State A
とState B
のH
バンドのX
線強度がL,M
バンドの強度と比べて明らかに小 さい⑤
State A
のX
線強度が全体としてState B
より小さい⑥
State C-L,M
バンドのX
線強度がState A,B
より小さい⑦
State C
において、HバンドのL,M
バンドに対するX
線強度の割合がState A,B
の場 合より大きいの
4
点も見てとれた。以上7
点より、State Aは標準円盤、State Bはスリム円盤、StateC
は高温降着流であると考えられる。この結論はこれまでの観測的結果に矛盾しない。今回の変動率の解析では、10日程度の時間スケールまでしか変動を見なかった。図
3.1
のとおりState A
では最大30
日程、State Bでは最大150
日程の周期のsin
波のようなも のが見られたが、今回の方法では連続した長時間のデータが少なく確かめることができな かった。しかし、今回は時間の関係でできなかったが、“2ビンごと”ではなく例えば“5 ビンごと”のように長い時間幅で平均をとり計算をすれば10
日以上、また、100日以上 の変動も今回のように可視化できたと思われる。35
縦軸:X線強度[Photons/s/cm^2] 横軸:修正ユリウス日[日]
図
3.1 長時間周期の変動が見られたグラフ
36
4 謝辞
今回の研究にあたりご指導くださった井上一先生、小野寺幸子先生、日比野由美さんに 深く感謝いたします。また、天文学研究室の皆様にも大変お世話になりました。ありがと うございました。
37
5 参考文献
1. 2004 ARAA 42 317-364 Fender and Belloni
「GRS 1915+105 AND THE DISC-JETCOUPLING IN ACCRITING BLACK HOLE SYSTEMS」
2.
明星大学2016
年度卒業研究論文 東城直美 「差分変動率法を用いたSco X-1
時間 変動の解析」3.
日本評論社 嶺重慎 「ブラックホール天文学」4.
日本評論社 小山勝二・嶺重慎 「ブラックホールと高エネルギー現象」5. JAXA
「全天監視装置(MAXI)」<http://iss.jaxa.jp/kiboexp/equipment/ef/maxi/>6. JAXA
「全天X
線監視装置」 <http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/maxi.html>
ドキュメント内
差分変動率法を用いたブラックホール天体GRS1915+105の長時間変動の解析
(ページ 33-38)