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「課題設定の能力」の育成を目指した実践研究 : 「子どものための哲学」の授業を通して

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(1)2005年度 学 位 論 文. r課題設定の能力』の育成を目指した実践研究  一  r子どものための哲学』の授業を通して 一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 修士課程   教科・領域教育専攻 総合学習系コース. MO4309H 澤 田 千 歳. 主任指導教員. 松本伸示 教授. 指導教員. 松本伸示 教授.

(2) 「課題設定の能力』の育成を目指した実践研究.        一 r子どものための哲学』の授業を通して 一.  総合的な学習における「課題設定」は,疑問や 発見した問題の中から適切なものを選択したり, 複数の問題やキーワードを関連付けて考えたり, 追究可能であるか考えたりしながら,追究する価 値のある課題に練り上げていく作業である。この r課題設定」の段階においては,思考力が必要で あり,思考力を育てることはr課題設定の能力」 の育成につながると考える。  現在米国を始め多くの諸国においてリーズニン. を高めることにも効果を上げているプログラム r子どものための哲学」 (Philosophy£or Children)が実践され,思考力の育成に効果を上 げている。そして,思考力の評価をするテストに NJTRS(The New Jersey Test of Reasoning Skills). がある。このテストは,22のリーズニングスキル 領域を対象としている。この中には, 「妥当でな い問題を識別すること」「関係づけて考えること」. など, 「課題設定」に関係していると考えられる. 項目がいくつも見られる。  そこで, 「課題設定の能力」の育成のために,. 「子どものための哲学」の学習を導入して,リー ズニングスキルの育成を図ることが効果的である と考え,研究に取り組むことにした。. 2 研究の目的  本研究の目的は, 「課題設定の能力」を育成す. るために,必要とされるリーズニングスキルを特 定し,それらのスキルを高めることが有効な方法 となりうるかどうか,その可能性を検討すること である。. 3 研究の方法 (1)「課題設定の能力」に関連するリーズニン   グスキルの特定   ア.r課題設定の能力」を点数化して測定す    ることができる9項目の基準を作成した。   イ.愛知県公立H小学校6年生を対象に,r課    題設定の能力」に関する調査,リーズニン    グスキル測定ツールを実施した。   ウ.2つの調査結果の相関を基にr課題設定    の能力」に関連するリーズニングスキルを    特定した。22のリーズニングスキルうち,.    7つのスキルを特定することができた. (2)実践する章の決定.  高学年用リーディングテキストrHARRY STOTTLEMEIER’S DISCOVERY』(全17章) のどの章が特定したリーズニングスキルを育成す るのに効果的であるかを洗い出した。その結果を. 基に第3章,第7章,第8章,第12章の4つの章 を授業で扱うことにした。.  なお,(1)で特定したスキルのうち,r④妥当 でない問題を識別すること」については,全17 章の中で直接扱っていないので,残りの6つのス キルについて重点的に育成を図ることにした。. ③⑩⑪⑮⑲⑳. グスキル(ReasoningSkil1:論理的に考える能力). 攻スH歳 専一9 育コ 千. れる。. 教系o 域習3 領学4田. その能力は課題解決を始動させる原動力にもなる 重要な能力であると考える。  しかし,総合的な学習の課題解決において,「課 題設定」がうまくいっていないことが原因となっ て,計画を立てる場面で見通しを持った計画を立 てることができない,課題追究の場面で追究活動 への意欲が持続しないなどということがよく見ら. 科合o. うに「課題設定」は,課題解決の第一段階であり,. 教総M澤. 学習を行うにあたっては,問題解決的な学習を積 極的に取り入れることが求められている。  問題解決的な学習は,まず課題を設定すること から始まる。学習指導要領の一つ目のねらいにも r自ら課題を見つけ,自ら学び.……」とあるよ. 攻ス号名. 学習の時間」 (以下総合的な学習と記述する)の. 一縮. 専コ学氏. 1 研究の背景と動機  平成14年度から本格的に始まった「総合的な. 包括すること,包含しないこと 関係づけて考えること 曖昧性を検出すること 種類と程度の違いを見分けること 言明を否定すること 三段論法を用いて考えること(条件的). (3)リーズニングスキル測定ツールの作成  先行研究においては,1っのスキルにつき,リ ーズニングスキル測定ツールの1問が対応してい た。本研究では,特定のスキルについては,2問 ずつ設けることにした。そこで,従来の22問に6 問を追加作成し,28問の測定ツールを新たに3種 類作成した。. (4)授業実践(愛知県公立H小学校6年生児童   2学級59名,平成17年4∼6月).

(3)  r子どものための哲学」の授業実践を総合的な 学習の初めの課題設定場面に位置づけた。. の能力」が向上したと考えられる。.  そして,r子どものための哲学」の学習の前後(表.   定の能力」の評価結果の相関  2つの結果をクロス表に表し,独立性の検定を 行ったところ,有意な差が認められなかった(5% 水準)。よって,2つは独立ではなく,何らかの相. 中の2,8)に,ウェビングを作成し課題を設定 する場面を設け,2回のウェビング,課題を評価 することにより,「課題設定の能力」が向上したか どうかを検証する。. A群(6年2組,29名) B群(6年1組,30名). 1 2. ウェビング(1),課題設定(1). 3. リーズニングスキル調査1  (1時間). r総合的な学習の時間」単元オリエンテーション. 4 P4C授業(9時間) P4C授業なし 5 リーズニングスキル調査H  (1時間) 6 P4C授業なし    P4C授業(9時間) 7 リーズニングスキル調査皿  (1時間) 8 ウェピング(2),課題設定(2). 9. r総合的な学習の時問」単元.    ※P4C:PhilosophyforChildren 4 結果と考察 (1)リーズニングスキル調査の結果.   ①調査1,Hの結果  t検定の結果,調査1とHの間では,A群,B 群ともに有意な差が認められた(5%水準)。授業 実践で直接扱った6つのスキル(12問)について. は,調査1とnの間では,A群では有意な差が認 められ,B群では認められなかった(5%水準)。.   ②調査H,皿の結果  t検定の結果,調査Hと皿の間では,B群では 有意な差が認められ,A群では認められなかった (5%水準)。6つのスキル(12問)についても, 同様の結果であった。.  このことから,「子どものための哲学」の授業実. 践により,「課題設定の能力」に関連する6つのリ ーズニングスキルを育成することができた。 (2)ウェビングと課題の評価結果  ウェビングについては,ワード数,カテゴリー 数,疑問数について評価した。t検定の結果,い ずれも,プリ・ポストテストの間に有意な差が認 められた(5%水準)。.  課題については,課題の数,課題の質について 評価した。t検定の結果,課題の数については, プリ・ポストテストの間に有意な差が認められた (5%水準)。課題の質については,4つの観点で. 評価した。評価は,6年担任2名と筆者の3人で 行った。t検定の結果,3人の評価合計において,. プリ・ポストテストの間に有意な差が認められた (5%水準)。.  ウェビングと課題の評価結果より, 「課題設定. (3)リーズニングスキル調査の結果と「課題設. 関があると考えられる。.  つまり,今回の実践で,リーズニングスキルを 育成することが「課題設定の能力」を向上させる ことに効果を上げると言うことが示唆された。. (4)リーズニングスキルとウェビングの関係  榎本(2003)は提言として,ウェビングを作 成する際にリーズニングスキルの「③包括するこ と,包含しないこと」r⑮程度と種類の違いを見分 けること」の2つのスキルを適応させて考えるこ とができると述べている。.  そこで,リーズニングスキル調査の2スキルの 結果とウェビングの評価結果との間に相関が見ら れるかどうかを検証してみることにした。  2つの結果をクロス表に表し,独立性の検定を 行ったところ,有意な差が認められなかった(5% 水準)。よって,2つは独立ではなく,何らかの相 関があると考えられる。.  つまり,今回の実践で,③と⑮の2つのリーズ ニングスキルを育成することにより,ウェビング を作成する素地を培うことができたと考えられる。 (5)授業実践から読み取れること  授業実践のデータより,「課題の質の評価」「課 題設定に関する自己評価(満足度)」「追究活動の. 評価」「追究活動に関する自己評価」の4つの関係 について検討した。.  その結果,課題の質が高い場合,課題設定に関 する満足度も高く,追究活動も意欲的になってい た。また,課題設定に関する満足度が高い場合, 追究活動も意欲的であり,追究活動に関する自己 評価も高くなっていた。.  っまり,課題の設定がうまくいき満足できる課 題を作成することができれば,児童の追究活動も 意欲的になる可能性が示唆できる。 5 結論  本研究により, r課題設定の能力」を育成する ためにr子どものための哲学」の学習を導入し, リーズニングスキルを育成することが効果的であ ること,また,このプログラムを総合的な学習の 単元に組み込むことが可能であることが明らかに なった。.      主任指導教員松本伸示.     指導教員 松本伸示.

(4) 目 次 目次・・・・・・… 唖・・・… 璽・・・・・・・・・・・・・・・…  1. はじめに・D9・9・・・・・・・・・・・・・…  9・…  9・・彫。●● 5.  第1節 問題の所在・・・・・・・・・・・・…  9・・・・・・…  9・・  第2節 研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  9・曹…. 7714且. 第1章 問題の所在と研究の目的一・・・・・・・・・・・・・・・・・….  第3節 研究の概要・・■・…  9・・・・・・・・・・・・・・・…  9・. 第2章. 「子どものための哲学」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 15.  第1節. r子どものための哲学」の概要・・・・・…  9・・…  の・・…  15.  第2節. r子どものための哲学」の目的と目標・・・・・・・・・・・・・…  15.  第3節. r子どものための哲学」のカリキュラム・・・・・・・・・・・・…  16.  第4節. r子どものための哲学」の授業・・・・・・・・・・・・・・・・…  18.  第1項  「子どものための哲学」の授業の流れ・・・・…  99・・・…  18.  第2項  授業における教師の心得・・・…  一・・・・・・・・・・…  20. 第5節. ニュージャージテスト.  (NJTRS=TheNewJerseyTestofReasoningSkiHs) ・・…  21  第1項  ニュージャージテストの概要・・・・・・・…  99・6・・…  21  第2項  リーズニングスキルの22領域・・・・…  6・・・・・・・…  21  第3項  リーズニングスキル測定ツール・・・・・・・・・・・・・・…   23. 第6節 総合的な学習における先行研究・・・・・・・・・・・・・・・…   25 第3章 「課題設定の能力」に関連するリーズニングスキルの特定・・9927  第1節関連するリーズニングスキルの特定の方法・・・・・・・・・・・… 27  第2節 r課題設定の能力」を測るための観点作成・・・・・・・・・・・…  28.  第1項現職教員への調査(1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  28  第2項現職教員への調査(2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  31  第3節所属校における予備調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  34.  第1項 「課題設定の能力」に関する調査・・・・・・・・・・・・・・… 34  第2項 「課題設定の能力」が高いかどうかに関する調査・99・・・・… 34  第3項 リーズニングスキル測定ツールによる調査・・・・・・・・・・…  35. 第4節予備調査の結果と分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  35.  第1項リーズニングスキル測定ツールの結果・・・・・・・・・・・・… 35  第2項 「課題設定の能力」が高いかどうかに関する調査結果・・・・… 936  第3項 r課題設定の能力」の12観点とA,B,C評価のクロス分析・・…  36. 1.

(5)  第4項 r課題設定の能力」の9観点の得点データの適合度検定・・・・…  40  第5項 「課題設定の能力」の9観点とリーズニングスキルの相関係数・… 41. 第5節関連するリーズニングスキルの特定・・・・… 99・・・・・… 44 第6節授業実践に使用するテキストと章の決定・・・・・・・・・・・・…  45.  第1項授業実践に使用するテキスト・・999・・・・・・・・・・・… 45  第2項 リーズニングスキルの洗い出し・・・・・・・・・・・・・… 9・46  第3項授業実践する章の決定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  47. 第4章 リーズニングスキル測定ツールの作成・・・・・・・・・・・・…  48  第1節従来のリーズニングスキル測定ツール・・・・・・・・・・・・・…  48.  第2節新たな測定ツールの作成・・・・・・…  99・・・・・・・・…  48  第1項作成の目的・99・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  48  第2項作成に当たって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  48  第3項作成した測定ッール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 50  第4項信頼性の確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  53. 第5章授業実践・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 54  第1節実践の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  54.  第2節授業実践に向けて・・・・・・・・・・・・・・…  9・・・・…  54  第1項教師用マニュアルの翻訳・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  54  第2項指導計画,指導案,,テキスト,練習問題の作成・・・・・・・…  55  第3節授業で扱うリーズニングスキル・・・・・・・・・・・・・・・・…  57  第4節授業実践計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  58  第5節 r子どものための哲学」授業実践の記録・・・・・・・・・・・・…  60.  第1項実践の記録と提案された論題・・・・・・・・・・・・・・・・…  60  第2項児童へのアンケートの結果・・・・・・・・・・・・・・・・・…  75 第6節ウェビング,課題設定場面・・・・・・・・… ∴・・・・・…  80.  第1項ウェビング・・・・・・・・・・・・・・… 9・9・・・・… 80  第2項ウェビング,課題設定の実際・・・・・・・・・・・・・・・・…  80 第6章 結果と分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  82.  第1節リーズニングスキル測定ッールの結果と考察■9・・・・・・・・… 82  第1項調査結果1(リーズニングスキル測定ツール1による調査)・・…  82  第2項調査結果2(リーズニングスキル測定ツール1,Hの結果)・・…  83.  第3項調査結果3      (リーズニングスキル測定ツール1,Hの結果,6スキル)・・99984  第4項調査結果4(リーズニングスキル測定ッールH,皿の結果)・・…  85.  第5項調査結果5      (リーズニングスキル測定ツールH,皿の結果,6スキル)・・…  86. 2.

(6)  第6項信頼性係数の推定・・・・・・・・・…  9・・・・・・・・…  87.  第7項考察・・・・…  9・・9・9・・・・・・・・…  99・・9・87 第2節ウェビング,課題の評価結果と考察・・・・・・・・・・・・・・…  88  第1項  ウェピングの評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  88. 第2項 課題の評価・・・・・・・・・・・・・・…  9・・・・・・…  92  第3項  児童が実際に作成した課題例・・・・・・・・・・・・・…  99・99  第4項  考察9…  9・・・・…  99・99・6・・・・・・・・…  101. 第3節. リーズニングスキルとr課題設定の能力」との相関・・・・・・・… 102.  第1項  リーズニングスキル調査の結果・・・・・・・・・・・・・・…  102  第2項  「課題設定の能力」の評価結果・・・・・・・・・・・・…  辱・ 102  第3項  リーズニングスキル調査の結果と.     「課題設定の能力」(課題の質)の評価結果・・・・・…  103. 第4項 リーズニングスキル調査の結果と     「課題設定の能力」(課題の質)の評価結果の相関・・…  103. 第4節. リーズニングスキルとウェビングとの関係…  99・・・・・・… 104.  第1項  リーズニングスキル調査の結果・・・…  99・・・・・・・…  104  第2項  ウェビングの評価結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  104  第3項  リーズニングスキル調査の結果とウェビングの評価結果・・・・… 105  第4項  リーズニングスキル調査の結果とウェビングの評価結果の関係一・・105. 第5節 授業実践のデータから読み取れること・・・・・・・・・・・・・…  106  第1項  課題の質の評価と課題設定に関する自己評価(満足度)との関係…  106  第2項  課題の質の評価と追究活動の評価との関係・・・・・・・・・・…  107.  第3項  課題設定に関する自己評価(満足度)と追究活動の評価との関係… 109  第4項  課題設定に関する自己評価(満足度)と.       追究活動に関する自己評価との関係・・・・・・…  110 第5項 考察・・・・・…  9・・・・・・・・…  9・・・・・…  lll. 第7章 結論及び提言・・・… 99・・・・・・・・・・・・・・・・…  112. 第1節結論・・・・・・・… 第2節提言・・・・・・・….  ・・・・・・・・・・・・・・・・…  112. 第3節 今後の課題・…  6・・. 。 9 ● ● ● ● . ● ● ● ● ● ・ 。 ・ ● ● ● ● ● ● 119.  ・・・・…  9・・・・・…  9・・ll7. おわりに・…  9・・・…  999・・・・・・・・・・・・・・・・…  121 参考・引用文献,論文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 123. 参考9引用ホームページ・・999・・・・…  99’99。●●●●●●’●125 謝辞9・・・…  9・D…  9・・・・…  一9・・・・・・・・・…  126. 3.

(7) 12345678910H12. 巻末資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  g…  。.。。..g                                  127 現職教員への調査用紙(1)(2)・・・・・・・・・・・…  6・・…  1 「課題設定の能力」に関する調査(12観点)・・・・・・・・・・・・…  3 リーズニングスキル測定ツール1(榎本2003)・・・・・・・・・・・…  4. 新たに作成したリーズニングスキル測定ツール1,H,皿・・・・・・…  9 6年春木っ子タイム授業実践状況・・・・・・・・・・・・・・・・…  29 r子どものための哲学」指導案(9時間分)・・・・・・・・・・・…  31 「子どものための哲学」リーディングテキスト(9時問分)・・・・…  49 「子どものための哲学」練習問題集(9時間分)・・・・・・・・・…  63. 「子どものための哲学」学習後のアンケート調査用紙・・・・・・・…  79. 学習カード「ウェビング説明」・・…  D D・・・・・・・・・・…  80. 学習カード「ウェビングと課題設定用紙」・・・・・・・…  9・…  81. 振り返りカード・・・・…  9・・・・・・…  9・・・・・・… 82. 4.

(8) はじめに  平成14年度(2002)の新学習指導要領の施行にともない,学校5日制が完全実施さ れ,「総合的な学習の時間」(以下「総合的な学習」と記述する。)が創設された。.  この学習の導入された背景としては,今日の変化の激しい社会に対応できる人材の育. 成が挙げられる。始まったばかりの21世紀は,情報化,I T革命,高齢化,国際化, 環境問題の顕在化,価値観の多様化などの進展とともに,ますます激しく変化すること. が予想される。こうした社会においては,状況に応じて自分で考えたり,判断したりす る力がいっそう必要になってきているのである。.  学習指導要領によると,この総合的な学習のねらい1は,.  (1)自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解   決する資質や能力を育てること,  (2)学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探求活動に主体的,創造的に   取り組む態度を育て,自己の生き方を考えるようにすること,.  (3)各教科,道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習   や生活において生かし,それが総合的に働くようにすること, である。.  (2)のねらいについて小川は, r児童自らが課題をもち,自らの方法で学び考え,. 主体的に追究することを重視している。言い換えれば,児童の課題,児童の方法,児童. の解答を求めているのであり,児童なりの問題解決の力の育成を目指している。2」と 述べている。.  また,嶋野は著書の中で,次のように述べている。.  「変化の激しい先行き不透明な社会にあっては,その時々の状況を踏まえ,考えたり. 判断したりする力がいっそう重要になっている。…  (中略)… よりよい生活を することは,連続する複雑な応用問題に対処していくことである。子どもであっても,. そこに生活し,社会や人,自然とかかわり合っている以上,常に様々な問題解決場面に. 直面している。子どもたちの生きる社会や生活をこのように捉えるとき,これからの子 どもに必要となるのは,いかに社会が変化しようと,自分で課題を見つけ,自ら学び,. 自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力であるといえ る。 『問題解決の能力』が強く求められるゆえんである。3」. 1文部科学省H P   http:〃www。mext.gojp/b_menu/shuppan/sonota/990301/03122601/001.htm. 2小川哲男 2001 『総合と教科をつなぐカリキュラムデザインと評価の実際』 東   洋館出版 p.17. 3嶋野道弘 2003 『評価から考える「総合的な学習の時間」』 教育報道出版社   pp.65−66. 5.

(9)  このように,総合的な学習においては,学び方を身に付けさせ,問題解決の能力の育 成を図ることが重視されている。そして,この学習を行うにあたっては,問題解決的な. 学習を積極的に取り入れることが求められているのである。また,平成15年(2003). には,文部科学省が学習指導要領を一部改正し,r確かな学力」の育成をより充実させ ることを打ち出した。この「確かな学力」とは,「生きる力」の知的側面すなわち問題. 解決の能力や思考力,判断力,表現力に学習意欲も加えた,幅広い観点から捉えた学力. である。このように,「確かな学力」を支える問題解決の能力を育成することは急務で あり, r生きる力」を育むためにも重要なことである。.  筆者は,総合的な学習の試行段階の平成12年(2000)より,問題解決の能力を子ど もたちに育成すべく小学校現場において,総合的な学習に取り組んできた。しかし,問. 題解決の能力がなかなか育成できないと感じていた。また,周りの多くの教師からも同 じような声が聞かれ,常日頃から何とかその能力を育成することはできないかと考えて いた。.  そんな折に,本大学院で学ぶ機会を得た。そこで,問題解決の能力の育成を目指して 研究に取り組もうと考えた。. 6.

(10) 第1章 問題の所在と研究の目的 第1章では,研究の背景と研究の目的について述べる。  第1節では,筆者が現場での経験から抱いた総合的な学習についての問題や課題,研 究の動機などについて述べる。.  第2節では,研究の目的を述べる。  第3節では,研究の概要として論文構成を概観する。. 第1節 問題の所在 ○  「課題設定の能力」の重要性. 嶋野は,r課題設定の能力」について次のように述べている。  ノ∼な桜々な課題と向き台つで生きでのる。生’きるごとぽ,翼体融な生の課題との対酵の連 続と・めえる。ごれらの課題を扉映してのぐ資質・能力や薫度が名をきるカノ=なじめて遭遡す. るよラな瘍面でも.身分で誤題を児つげ,β6考え,βら周題を潔決乙。τのぐ資質や能力=で ある。.  自分カゴ生涯する4アで考,えでみノをの謀1題を」娃:フご∠ゴは. よクよぐ生きるラ,えでン欠かぜ,なク」。.           ピ4硲ノ  現κ社会だからごぞ生びる,新たな潔決すべき誤題が多方面’ご広‘がつτめる。そ拘らに.無園 ・δでのたのでな’.蒔の』痂りだ責けでむまラ。.  兵存’・ノ幸』生社’会が求め6れるよラだなっτ,そごでな’,r自分が何をひでもらラ,か,でぽな ぐ,∠夕』分〆ご〃4>グできるノかノκ〉ず屑7わ∼ヤるよラ’ご,なっでのる。ご∼ワま’で以ノf’ご,首ら誤題を6つご. とができるカが求めらカる4。.  加藤5は, 「総合的学習にとって『課題づくり』はなんといっても最大の問題」で あると述べ, 「課題設定」の重要性を説いている。また,安西6は,問題解決のプロ セスの中で,一番難しいのは問題をどう表現するかと言うことであると述べている。 この問題を表現するという作業は,「課題設定」のことを意味していると考えられる。 このように, 「課題設定」は重要である上に難しい作業なのである。.  総合的な学習の一つ目のねらいに「自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体.  前掲書3 pp.39−40  加藤幸次 2000 r総合的学習を成功に導くために」 r総合的学習・手立集』 日   本文教出版 p.6. 6安西祐一郎 1985 r問題解決の心理学』 中央公論新社 p.125. 7.

(11) 的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること」あるように,問題解 決的な学習,課題解決はまず課題を設定することから始まる。.  「課題設定」は,課題解決の第一段階であり,その後の学習の成否を左右する重要 な場面である。そして,その能力は課題解決を始動させる原動力にもなる重要な能力 と言える。.  総合的な学習における「課題設定」は,どう学習をデザインしていくかという意味 で「自己決定」をしていると捉えることができる。黒木(1998)7は自己決定感を「児 童が学習に関する様々な活動を自分で決めている,自分で決めていける環境にある感 覚」と定義している。黒木によれば,自己決定感を高めることにより,学習意欲が高 めることができるとしている。このことから,児童に「課題設定」を自分の力で納得. できる形で行わせることにより,つまり,自己決定させることにより,自己決定感が 高まり,学習意欲が向上すると考えられる。そして,追究活動への取り組みに対する. 意欲が高まり,積極的に追究する姿が期待できる。このr自己決定」させるという意 味からも,「課題設定の能力」を育成することは大切なことであると言える。  また,嶋野は,「課題設定の能力」は小学生のころから育てていくべき重要な資質・. 能力であると述べ8,計画的に継続的に育成するように求めている。. ○ 児童の実態  ところが,現場においては,多くの学校で多くの教師が児童の「課題設定」がうま くいっていないと感じているのではないだろうか。北は,総合的な学習にかかわる多 くの研究会や学校などで,ほぼ共通して「子ども自らに課題を作らせて総合的な学習. を進めようとするのですが,総合的な学習の課題づくりをどのように行ったらよいの ですか。」といった課題や疑問,質問などが出されると述べている9。.  筆者自身も現場で実際に総合的な学習の指導に携わってみて,総合的な学習の課題 解決において,計画を立てる場面で見通しを持ったきちんとした計画を立てることが できない,課題追究の場面で追究活動への意欲が持続しない,短い時間で追究活動が 終わってしまう,いい加減なまとめ方になってしまうという児童の姿を目にすること が多かった。.  これらのことは,児童の課題意識が高まらず,自分の思いのこもった課題を設定で きないなど「課題設定」がうまくいっていないことが原因となっているのではないだ ろうか。児童の課題意識が高まり,本当に追究したい課題を自分の思いで設定するこ とができれば,追究意欲が持続し,追究活動も主体的になると考える。. 7黒木貴 1998 「授業過程における児童の自己決定感に関する研究」   心理学会 第40回総会発表論文集』 p.293  前掲書3 p.40  北俊夫 2001 rr総合的な学習」の課題づくり』 明治図書 p.3. 8. 『日本教育.

(12)  そこで,本研究では,問題解決,課題解決の中でもその第一段階である「課題設定 の能力」の育成を目指したい。. ○ 思考力の必要性  安彦は著書の中で,問題解決学習とは,内省的思考,問題解決的思考などの思考力 を重視した学習であると述べている・o。また,舟本は「日々,新たな問題を持ち,こ. れを解決していくためには,どのようにして解決していくかということが問題とな る。そのためには,主として解決のための考える力,すなわち思考力というものをわ れわれの頭の中で,常に働かさなければならない。・・」と述べている。さらに,梅根. は,問題解決能力は問題解決的思考,問題解決的行動からなると述べている12。この ことから,問題解決的な学習の問題解決や課題解決においては,思考力が必要である と言える。.  梅根によると,デューイは問題解決的思考の一つの要素として,困難点,問題点の 明確化をあげている13。この困難点,問題点の明確化こそ課題解決における「課題設. 定」と捉えることができる。また,舟本によると,デューイは反省的思考(問題解決 的思考)の5つの側面の一つに「②直接体験した困難や当惑を,解決すべき疑問へと. 知性化する面」をあげている14。これは,課題解決における「課題設定」と捉えるこ とができる。さらに,梅根によると,ソビエトの心理学者チェプロフは,「問題を見 出すだけではたりない。その問題の焦点は何か,ということを完全に明確に認めるこ とが必要なのだ。問題解決における成功は,まず第一に,問題がいかに正しく定式化 されているかにかかっている。課題を理解すること一それはまず第一に,問題を正し く定義することを意味し,そのためにはときとして,多大の思考活動が必要とされる。. 15」と述べている。この問題を正しく定式化し,正しく定義するということは「課題 設定」と捉えることができる。以上のことから,問題解決や課題解決の初めの「課題 設定」の段階においても思考力が必要であると言える。  また,総合的な学習の活動に目を向けてみると,総合的な学習における「課題設定」. は,疑問や発見した問題の中から適切なものを選択したり,複数の問題やキーワード. を関連付けて考えたり,追究可能であるか考えたりしながら,追究する価値のある課. 題に練り上げていく作業である(図1−1参照)。このことからも「課題設定」の段 階において思考力が必要であることが分かる。そして,思考力を育成することはr課 題設定の能力」の育成にっながると考えられる。. 012傷D4FD. 111111. 安彦忠彦 1996 『新学力観と基礎学力』 明治図書 p。31. 舟本久義 1985 r問題解決学習に関する研究』 開隆堂出版 p.1 梅根悟 1g54 r問題解決学習』 誠文堂新光社 p.27 前掲書12 p.63 前掲書11 p.96 前掲書12 p.69. 9.

(13) 問題意識     友達との対話. 興味・関心 → 問題を発見する → 疑問を持つ   (思いつくだけ). → → → 課題を設定する → 追究 選択する           課題意識   ・見通しはあるか   ・追究可能か(方法). ウェビング.   ・○時間追究可能か. ・ワードを書き出す.   ・他の人に伝わる表現か. ・分類・整理.   ・一問一答でないか.  (カテゴリー化).   ・目標・能力に合っているか   ・原因追究,提案になっているか など. 吟味する,修正する. 膨らませる   友達との相談 中学年.  関連付ける    教師との対話. 練り上げる. 表現を適切に. 図1−1 「課題設定」の流れ16. ○先行研究  r課題設定の能力」の育成を図ることを目指した先行研究や実践例は多数見られ る。.  その多くは,北田(2001)17,藤原(2001)18などのウェビングやブレーン・スト ーミングといった発散思考法を用いた研究である。また,池田(2003)19のように, コンピュータによる支援システムを用いた研究も見られる。. 16図1−1は,「課題設定」の流れについて,現場での経験や参考文献等を参考に筆  者が図式化したものである。 17北田真治 2001 「課題設定スキル育成のための単元モデルの開発」 「総合的学  習の主体的・共同的学習スキル育成手法の開発と体系化に関する研究」(代表村川  雅弘,鳴門教育大学) pp.135−147 18藤原孝章 2000 「『総合的な学習の時間』の学習原理とテーマ設定に関する一考  察」  r富山大学教育実践総合センター紀要2000.12』巻号2 pp.1−10 19池田晃敏 2003 「生徒の商業的観点を明確化したr課題研究』テーマ設定法とそ   の支援システムについて」 兵庫教育大学修士論文 10.

(14)  一方,思考力に関する先行研究についても国語科(長尾《1998》20など)や社会科 (石飛《1988》21など),理科(小川《1997》22など)等の教科における思考力の育. 成を目指したものや思考力そのものに関する研究などが多数見られる。しかし,思考 力そのものを育てることを通して「課題設定の能力」の育成を図る取り組みは,今の ところ見あたらない。 ○  「子どものための哲学」.  現在米国を始め多くの諸国においてリーズニングスキル(Reasoning Sk且1:論理 的に考える能力)を高めることにも効果を上げているプログラム「子どものための哲 学」(Philosophyfbr Children)が実践され,思考力の育成に効果を上げている。そ して,思考力の評価をするテストにニュージャージーテスト(N J T R S=The New. JerseyTestofReasoningSk皿s)がある。このテストは,22のリーズニングスキル 領域を対象としている。この中には,「妥当でない問題を識別すること」 「関係づけ. て考えることjなど,「課題設定」に関係していると考えられる項目がいくつも見ら れる。.  そこで,「課題設定の能力」の育成のために,「子どものための哲学」の学習を導 入して,リーズニングスキルの育成を図ることが効果的であると考え,研究に取り組 むことにした。. O 哲学導入の可能性  哲学というと何か堅いイメージがある。筆者自身にも今まで哲学という学問につい て苦手意識は少なからずあった。しかし,r子どものための哲学」というプログラム が米国を始め多くの諸国において実施され,思考力の育成に効果を上げていること,. また,日本においても研究がなされ,成果を上げていることを知り,「子どものため の哲学」に興味を持ち,その研究に関わりたいと考えたのである。そこで,ここでは,. 子どもに哲学をさせること,「子どものための哲学」の学習を導入することの可能性,. 必然性について述べたいと思う。.  「子どものための哲学」の趣旨に賛同するG.B.Matthewsは,著書の中で次のよ うに述べている。. 20長尾佳和 1998 「説明的文章の学習指導の研究一論理的思考力育成の方略一」   兵庫教育大学修士論文 21石飛公士 1988 「小学校社会科における比較学習の研究一比較思考力の系統的な   育成をめざして一」 兵庫教育大学修士論文 22小川俊行 1997 「生徒の思考力を育成する教授・学習過程の研究一思考実験と現   物実験の統合を通して一」 兵庫教育大学修士論文 11.

(15) ・哲学な驚ぐごとか6始まる23。 ・ 0つな哲学な㊨ぱひぱ遊び概.念の遊びなのである24。. ・わたひの畑る醍ク,五歳班や六歳瑠ぽ値るのは,ひょっとひたら右歳班靭ナニや ナ四の子どもよクも,はるかだ哲学的な説明をするものである25。 ・ ス類の幼め成買にとっτ,哲学的、盟考な一鋭の独創的な推論を含んでのることもある. が一歌を歌ったクゲームを乙。たクするのと房0ぐ5〃膚.撚なごとであク,λ周であるご  との一部なのである26。 ・ ヂどもの揚台は.茄獲崔fされた擢乙・κ冗なぐと望5,素樫さぱβ撚γご』生ま’ノ2る。99σ哲学  もま’ノを,少ノなぐと芒)一部の子ども’ごおのτ’ま∠ヲ.撚〆ご生ま’ノ2るで‘あろラと1期待するこrどゴカゴ.  できる。、実際堂まれるのである27。.  このように,人間にとって哲学は驚きや疑問などから自然に始められるもので,子 どもといえども哲学することは可能なのである。.  また,G.B.M段tthewsは,次のようにも述べ,子どもが哲学することを妨げてはい けないとしている。 ・ 茸学グームぽ楽ひの。子どもと一緒密このゲームをするごとをのつでも拒否する親や 教師は,β分たち身身の究1的塗』房を貧弱なものだし,子どもとの衡F孫を悪』化さ、ぜ,子ど もの中の独一立乙。た効的探究心を萎えさぜて’ひまラ28。. ・ 幼のヂどもの想蕨淫や創造力だ満ちた塚考を,おとな力撫視ひたク誤解ひた0ひやす め。へんでこな質周やとんちんかんな結論をのフも認識力の不足のぜのと片付〃プτひま ニラなら,子どもの言おラと・乙.ノをこどゴのなカ〕’ごお61レろのこ∠ゴカゴたぐさ/を∼替んでのるごと・. を児逃Pしでひまラ29。. 一方,永井も著書の中で次のように述べている。 ・ 淳年の茸学,大スの哲学,老スの哲学な’,・9σ・子どもの哲学ごそが最も哲:学らし の哲:学である理∠カがそこ’ごある。ぞこだごそ,勿ものだもとらわれなの純粋な疑周と、蟹. 考の原型があるからだ80。 ・ 茸学な’肩1ごラ卿だあるのでな’なの。99θζ砲略ノ999哲:学な’こちら卿にある。β分身. Wーーー     e          9 出33333319. 飢222222 M書書書書書書均 B掲掲掲掲掲掲井 α前前前前前前永. 34 2 25 26 27 28 29 20.         1996 『子どもは小さな哲学者』 P.27 P.129. P.70 p.162. P.45 P。239. 6  『<子ども>のための哲学』 講談社 p.25 12. 新思索社 p.13.

(16) 身の内奥か6哲学をぱoめるべきだ31。 ・ 后7』分首身のま「つたぐ一単縄,な伏ノ∼からメ置ノをら’記か’記かひ〃)よラ,なク屑7のから哲・学をは. 0めるとのラことが できるのでぼなのだろラか。われわれなみんな,なぜとも勿らず に存左しでひまった宇宙のζ子どもノたちなのだから。その奇跡の揚所か5,ただ’その 欝き、からのみ,素手で哲:学をはoめるとのラごとκ冗もっと,なされでのののでな’なのか。 そニラめニラごと・カゴできるのノを㌧ 乙・て’のρのだ㌧ ∠ゴPラご∠rカゴ認められτさえ〃〕れ’試1』多ぐ. のメ.だその可能淫があるので似なのだろラか32..  このように,子どもが哲学することは可能であるとしている。まさに著書名にある ように「子どもは小さな哲学者」と呼べるのである。.  「子どものための哲学」は,哲学というよりは論理学を扱うような学習内容になっ ている。「子どものための哲学」について研究した安藤は,リーディングテキスト『ハ. リー・ストットルマイヤーの発見』の根底にある考え方として,r論理学の導入は,. それ自体が目的ではなく,子どもの思考を促すための手段にすぎない。子どもは,不. 完全な大人であり,保護されるべき対象として捉えるのではなく,自立した思考をす る人間であるという見方を徹底させようとしている。33」とし,「子どものための哲学」. のプログラムの有効性について述べている。.  このように,子どもに哲学をさせること,「子どものための哲学」のプログラムを 導入することは,子どもにとって決して高度なことを学ぶということではなく,いた って自然なことであると言える。また,思考力を育成するためにとても効果的なこと なのである。.  次に,r子どものための哲学」に関する最近の動向について簡単に述べる。榎本 (2003)34や水谷(2004)35は,小学校においてr子どものための哲学」の学習を実. 践し成果を上げている。これについては,第2章第6節で詳しく述べることにする。 また,平成17年(2005〉には兵庫教育大学附属中学校の2年生の選択授業において, r子どものための哲学」の授業が行われている。.  その他,哲学の学習に関する動向について述べれば,東京都世田谷区では,表現力. 3・前掲書30 p.29 32前掲書30 pp.214−215 33安藤輝次 1993 rM.リップマンのr子どものための哲学』(H)」 r福井大学   教育学部紀要IV(教育科学)』第47号 p.6 34榎本英雄 2003 「ReasoninngSkillsの育成を目指したカリキュラム開発及び授業   実践一『子どものための哲学』プログラムを手がかりにして一」 兵庫教育大学修   士論文 35水谷浩文 2004 「事前評価を活かしたReasoning Skillの育成を目指した授業実   践一r子どものための哲学』プログラムの焦点的活用を通して一」 兵庫教育大学   修士論文 13.

(17) などを養う教科の新設を進めるために,全国初の「日本語教育特区」の実現を目指し,. 2006年度より試行を始めようとしている。そして,その実現のために中学校におい て「哲学」という教科を新設する方針を打ち出している。これは,「子どものための. 哲学」の授業とは異なるかもしれないが,今後,多くの学校で哲学の学習が取り入れ られたり,「子どものための哲学」のプログラムが導入されたりするきっかけとなる 可能性は十分にあると考えられる。. 第2節 研究の目的  本研究の目的は, 「課題設定の能力」を育成するために,必要とされるリーズニン. グスキルを特定し,そのスキルを高めることが,有効な方法となりうるかどうかその可 能性を検討することである。. 第3節 研究の概要 本論文は,7章から構成されており,概要は次のとおりである。  第1章では,研究の背景と研究の目的について述べた。.  第2章では,第1章で取り上げたr子どものための哲学」とは,どのような学習,プ ログラムであるかについて述べる。.  第3章では,「子どものための哲学」の評価に用いるニュージャージーテストが対象 としている22のリーズニングスキル領域の中から「課題設定の能力」に関連するスキ ルを特定する方法と実際に行った作業,また,それをふまえてr子どものための哲学」 の授業実践でどのリーディングテキストを使用し,どの章を学習するかについて述べる。.  第4章では,本研究の「子どものための哲学」の授業実践の検証のために作成した新 たなリーズニングスキル測定ツールについて述べる。  第5章では,「子どものための哲学」の授業を中心とした総合的な学習の授業実践の 実際について述べる。.  第6章では,第5章の授業実践から得られた結果とその分析について述べる。.  第7章では,本研究の結果を基にして得られた知見について述べるとともに,r子ど ものための哲学」の学習に関する提言を行う。. 14.

(18) 第2章 r子どものための哲学』 第2章では,第1章でリーズニングスキルを育成することにも効果を上げているプロ グラムとして取り上げた「子どものための哲学」とは,どのような学習,プログラムで あるかについて述べる。. 第1節では,r子どものための哲学」の概要について述べる。. 第2節では,「子どものための哲学」の目的と目標について述べる。 第3節では,「子どものための哲学」のカリキュラムについて述べる。. 第4節では,「子どものための哲学」の授業の流れと教師の心得について述べる。. 第5節では,評価に用いるニュージャージーテストについて述べる。 第6節では,総合的な学習における先行研究について述べる。. 第1節  r子どものための哲学」の概要  「子どものための哲学」は1969年にLipman,M.により提唱され,アメリカのニュ ージャージ州にあるモントクレア大学のIAPC(Institute fbrAdvancement of Philosophy£or Children)を中心にして,オーストラリア,ニュージーランド,南米諸. 国,アフリカ諸国,ロシア,シンガポール,韓国,中国,台湾など多くの国々で導入が 図られている36。また,世界各国に支部が置かれ,広く研究が進められている。特に,. アメリカにおいては,1993年現在でおよそ5000校で「子どものための哲学」を採用し ているといわれている37。.  この学習では,哲学的トピックを扱った小説を教科書として読ませ,問答・討論をさ. せることを通して,リーズニングスキルの育成をすることも目指している。リーズニン グスキルには,22の領域がある。           一ト1・. 第2節 r子どものための哲学」の目的と目標  「子どものための哲学」の目的は,子どもたちが自分の力で自ら進んで考え,反省的 に,批判的にものが見られるようになることを支援することである。 Lipman,M.,and Sharp,八M.,and Oscanyan,ES.(1980)38は,この目的の達成のた. めに,以下の5つの目標を挙げている。.  (1)創造性の発達(Development ofCreativity). 36福井大学 http:〃wwwfedu.fukui−u.acjp/〈andou/andou/lipman.html. 37前掲書33 p.12 38Lipman,M.,and Sharp,A.M。,and Oscanyan,ES。1980 Ph1Zoθρρ砂加訪θ   伽55■oo蝦 Temple Univercity press pp.51−81 15.

(19) (2)個性と対人関係性の育成(Personal and Interpersonal Growth). (3)倫理的な理解力の発達(Development ofEthic&l Understanding). (4)経験における意味を見いだす能力の発達(DevelopmentoftheAbihtytoFind  Meaning in Experience). (5)リーズニング能力の向上(lmprovement ofReasoning ability).  5つのうち,(5)のリーズニング能力の向上(lmprovementofReasoning ability) は,「子どものための哲学」プログラムの目的を達成するために最も重要とされ,他の 4つの目標のいずれのものとも何らかの形で関係していると考えられている39。. 第3節 r子どものための哲学」のカリキュラム  「子どものための哲学」のカリキュラムは,リーディングテキストを中心に構成され. ている。リーディングテキストは,『HARRYSTOTTLEMEIER’SDISCOVERY』(『ハ リー・ストットルマイヤーの発見』)を初めとして8つあり,それぞれのテキストは約 80∼90ページの長さで,子どもたちにとって親しみやすい言葉を用いて書かれている。. リーディングテキストは,幼稚園から高等学校第3学年の子どもたちの発達段階に応じ. て作成されており,学習の中心となるリーズニングスキルも段階的に設定されている (表2−1)。.  なお,安藤・渡辺40によると,カリキュラムの特徴(内容や教材や教師用指導書に焦 点化)として,以下のような点があげられる。. 1 小学校では,思考技能の練習,ミドルスクールでは思考技能の根底にある理論的  根拠の学習,高校になると思考技能を生活諸問題に応用することを原則としている。. 2 結論を子どもに教え込もうという月並みな教科書ではなく,小説を教科書としな がら子どもに探求させようとしている。. 3 登場人物のキャラクターが明確にされ,読者である子どもは,それぞれの人物の. 動きを認知的に追いやすくなっただけでなく感情的にも連続させて捉えることが  でき,特定の人物と自己とを同一化しながら,自らの反省と探求に至る興奮の感覚  を生み出そうとしている。. 4 教師用指導書は,教師が単にその通りに教えればよいというようには構成されて  いない。事前に教師が教師用指導書に示された議論のポイント,討論計画,技能の. 練習問題を熟読して,背景の情報としてもっておき,実際の授業展開に応じて適時 取捨選択できるかどうかにかかっている。. 39安藤輝次・渡辺一保 1993 「M.リップマンの『子どものための哲学』の検討」   『福井大学教育学部紀要IV(教育科学)』第45号 pp.19−41. 40前掲書39 pp.31−33 16.

(20)  また,それぞれのリーディングテキストには,教師用マニュアルが準備されている。. 教師用マニュアルは,約400∼600ページあり,授業を行うに当たっての,教師の心得 や授業で扱う内容の概論, 「子どもから誘発すべき考え」 (Leading Idea),討論計画. (Discussion Plan)や練習問題(Exercise)から成っている。.  『HARRY STOTTLEMEIER7S DISCOVERY』の教師用マニュアル『哲学的探究』 については,473ページより成っている。. 表2−1 リーディングテキストとその内容 リーディングテキスト. 対象(学年). 学習テーマ. 学習の中心となる.   リーズニング. ELFIE KIO & GUS. PIXIE NOUS. 幼稚園∼ 考えをまと る 小1年 小2∼3年. 思考に関わる.   リーズニング. 不思議な世 自然に関わる   リーズニング. 小3∼4年. 意味の追究. 言語に関わる.   リーズニング. 小4∼6年. 行為の決定. 倫理に関わる.   リーズニング. HARRY. 小5∼6年. 哲学的探求. 基本のリーズニング. 中1∼2年. 倫理的探求. 倫理に関わる. TOTTLEMEIER’S. ISCOVERY. LISA SUKI. MARK.   リーズニング. 中3∼ 高1年. 方法と根拠. 高2∼3年. 社会的探求. 言語技術に関わる.   リーズニング 社会的探求に関わる.   リーズニング. 17.

(21) 第4節 r子どものための哲学」の授業 第1項 「子どものための哲学」の授業の流れ  「子どものための哲学」の授業では,基本的な授業の流れや授業形態が確立されてい る。榎本(2003)4且は,授業の流れを図2−1のように作成している42。 今回の実践も,この流れを基に指導案を作成して授業を行うことにする。. 子 ど も の 活 動 導 入. 1 円状の座席に座る。. 教師の関わり ○ 教師と児童がともに討論活動を行. ・ 大まかな円状. 2 読み物資料rハリーストットルマ. えるように対面式とする。. ○ 読み物資料は,児童にとって論題. イヤーの発見』を読む。. を得やすい長さとする。. 読み物 資料. 0 5行前後の文章を輪番で読む。 展 開. 3 物語のできごとの中から,論題を ○ 児童への質問により,論題を見つ 提案する。. O 物語から得られた疑問などを発. け出すことを試みる。 (発問). 模造紙 名前磁 石. 「なぜだろうと不思議に思ったこと. 表する。. ○ 論題が見っからないときは,も. や,発見したこと,おもしろいと思. う一度読み直し論題を見つける。. ったことはありますか。」. ○ 児童から反応がないときは,物語 のできごとや登場人物についての質 問をする。. ○ 論題を板書する。(次時に使うため に模造紙に書いてもよい). ・ 話し合いに参加したいという意. 識付けのためにも,論題には,発 表した児童の名前を記入する。. ・ 論題は,できるだけ児童の言葉. を使い,児童に質問しながら,要 点を見つけ出す。. ○ 論題を十分に得られないときに は,教師からも論題を加える。(教師. 41前掲書34 42図2−1の流れについては,榎本(2003)の前掲書34 p.35を基にしているが,   一部加筆修正が加えてあるので,原版とは異なる部分がある。 18.

(22) 用マニュアルの発問例). 4 得られた論題を基に,討論活動を ○ 児童から出された論題の中から, 行う。. 教師用マニュアルにある論題を選択. ○ 自分のもった疑問についてある. し,討論を促す。. 程度考えてから,討論活動に参加. ・ 教師用マニュアルに沿って討論. する。(紙などに考えを書くのもよ. を進める前に,児童から得られた. い). 論題に関する1,2の質問をし, 短い対話を試みる。(中心となる 論題からあまりにも離れないよう にする). ○ 教師からの発問は,何が起きたの かではなく,なぜそれが起きたのか を尋ねるようにする。. ・ 児童の意見には,理由を求める ようにする。. 0 1つの論題に関して児童の討論が 続いたときには,次の論題に進める ことを急がないようにする。. ○ 教師と児童の関係よりも,児童同. 士の相互作用を促進するように心が ける。. 5 練習問題を解く。. ○ 必要に応じて,リーズニングスキ ルに関する練習問題を行う。. 練習問 題プリ ント. ま と. 6 本時で話し合われた論題を確認. ○ 本時の討論活動の論題について,. し,次時の学習につなげる。. 大切な点を確認する。. め. ・ 必要であれば,教師の考えを述 べる。. 図2−1 r子どものための哲学」の授業の流れ. 19.

(23) 第2項授業における教師の心得  教師用マニュアルには,r子どものための哲学」授業において教師が配慮すべきこと を中心に,マニュアル使用上の注意事項や教師の指導等に関して,25項目にわたって. 述べられている(図2−2)。 1 子どもたち自身の興味・関心よりもマニュアルの誘発すべき概念に従うように強  制しないこと。. 2 哲学的概念を教えるのではなくて,子どもたち自身の対話を通して理論的理解を  するように促すこと。. 3 各章の本質的なテーマを無視した無用な話し合いに長い時間を費やさないこと。. 4 練習問題を活用して哲学的概念の補強を怠らないこと。 5 お互いの考えを構築するよう子どもたちを励ますこと。. 6 子どもたちにお互いが発言したことの意味を理解するように試みること。 7 子どもたち自身に彼ら自身の思いこみに気づくようにすること。 8 自身の信念を正当化する理由を見いだすよう励ますこと。. 9 すべての発言が教師であるあなたに向けられるように強要しないこと。. 10子どもたちがお互いに話すことを妨げないこと。. 11子どもたちの発言に耳を傾けないことによって,子どもたちもお互いの発言に耳  を傾けなくなることを避けること。 12子どもの発言によって,教師自身も考えさせられていることを示すこと。 13 教師が常に討論を方向付けなければならないと考えないこと。 14 「答え」に到達するまで,子どもが一つの疑問について討論することを強要しな  いこと。. 15今討論している章のテーマやエピソードとどのように関連しているのかを明確  にしないままで,練習問題を使用しないこと。. 16教師自身の意見を強制しないで,子どもたち自身で考えるように励ますこと。 17 教師が会話を独占しないこと。. 18過度のドリル練習の使用により,形式論理の重要性を過大解釈しないこと。. 19物語の中の隠された意味を探そうとしている子どもたちに対して寛容であるこ  と。. 20 教室での対話を犠牲にして,練習問題をもっぱら宿題のために使わないこと。. 21教師自身の意見がもっとも正当であるかのように話し合いを操作しないこと。 22 この授業をなにかの集団療法の時間に変えてしまわないこと。. 23多数決で哲学的な問題を決着させることができるかのような考えを子どもたち  に抱かせないこと。. 24 認知的側面を疎かにして情意的側面を強調しないこと。. 25情意的側面を疎かにして認知的側面を強調しないこと。. 図2−2 「子どものための哲学」授業における心得25か条(松本2003). 20.

(24) 第5節ニュージャージテスト(NJTRS=TheNewJerseyTestof    Reasoning Skills). 第1項ニュージャージテストの概要  ニュージャージーテストは, 「子どものための哲学」プログラムを評価するために, ニュージャージー州のプリンストンにある教育用テストサービスにおいて,Shipman,V。. と心理学の研究者によって,1976年から1981年にかけて開発された。「子どものため の哲学」プログラムを学校において実施していることの説明責任の意味もあったとされ ている。.  このテストは,リーズニングスキルを測定するテストで,3つの選択肢を含む50問 の文章問題から構成されている。小学2年生から大学1年生において使用することがで きるが,小学校の高学年から中学校にかけての子どもたちにとって最も効果的であると されている。. 第2項 リーズニングスキルの22領域  ニュージャージーテストで測定されるリーズニングスキルには22の領域があり,50 問の問題はいずれかの領域に対応している(表2−2)。. 表2−2 リーズニングスキルの22領域. 1 2. 言明を言い換えること. Conver t i ng S t atement s. 言明の言い方を標準化すること. Standardizing Statements. 包括すること,包含しないこと. Inclusion Exclusion. 妥当でない問題を識別すること. Rec ogn i z i ng Improper Que s t i on. 結論への飛躍を防ぐこと. Avo i d i ng Jump i ng t o Conc l us i ons. 類推に基づき考えること. Ana l ogi ca l Reasoni ng. 隠された想定を見抜くこと. De tec t i ng Under lyi ng Assumpt i ons. 選択肢を削除していくこと. Eliminating Alternatives. 帰納的に考えること. Inductive Reasoning. 関係づけて考えること. Reasoning with Relationships. 曖昧性を検出すること. De t e c t i ng Amb i gu i t i e s. 12. 適した理由を見分けること. Ident i fying Goo〔i Reasons. 13. 対称的関係を識別すること. Rec ogn i z i ng Symme t r i c a l. 3 4 5 6 7 8 9 10 11. elationships 14. 三段論法を用いて考えること(定言的). SyHogisticReasoning(Categorical). 15. 程度と種類の違いを見分けること. Distinguishing Differences of Kind nd Degree. 21.

(25) 16. 推移的関係を識別すること. Recogni z i ng Trans i t ive Re l a t i onsh i ps. 17. 疑わしい根拠を識別すること. Recogni z i ng Dub i ous Au thor i ty. 18. 4つの可能性をもとに考えること. Reasoni ng wi th4Poss i b i l i t i es Mat r ix. 19. 言明を否定すること. Contradicting Statements. 20. 全体から一部分,一部分から全体を. Who l e−Par t and Par t−Who l e Reas on i ng. えること 21. 三段論法を用いて考えること(条件的). Syl logistic Reasoning(Condi tional). 22. 原因との関係を識別すること. Discerning Causal Relationships. 22.

(26) 第3項 リーズニングスキル測定ツール  榎本(2003)は,ニュージャージーテストを基に日本語版リーズニングスキル測定ツ. ール「榎本2003」43を作成している。50問の中から22領域の各リーズニングスキルに 対応する問題を1問ずつを選択し,それを基に作成されている。問題を選択する際には,. 授業に使用したリーディングテキスト『HARRYSTOTTLEMEIER7S DISCOVERY』 の内容に対応していると考えられる問題をできるだけ選出するように留意している。.  下の図は,リーズニングスキル測定ツール(榎本2003)の調査問題の問1と説明部 分である(図2−3)。. 考え方調査 1                かいとうようし. お願い’それぞれの問いについて、回答用紙の問題番号の次の(ア、イ、ウ)の中か.    らあなたがもっとも当てはまると思う答えの記号を選んで○を付けてくださ    い。どの答えにしようかはっきりしない場合でも一番自分の考えに近いものを    選んでください。問いの中のことばが分からないときは手をあげて質問してく    ださい。 練習問題:.          せ デイルはクリスより背が高いです。そうだとすると、 ア.クリスはデイルより背が高いです。. イ.クリスはデイルと背の高さが同じだとか、違うとか言うことはできません。 ウ。クリスはデイルよりも背が低いです。                    練習問題   ア イ ウ. 答えはウですね。この場合は回答用紙のウのところに○を付けることになります。. 問1.ジムが、「すべてのトラは、しまもようのある動物だ。」といいました。ドナは   これに対して、「でも、しまもようのあるすべての動物が、トラだということには   なりません。」とこたえました。. ア。ドナはまちがっています。ジムの言っていることから、しまもようのあるすべて  の動物は、トラだということになります。 イ.ドナは正しいです。ジムの言っていることは正しいのですが、しまもようのある  すべての動物が、トラだということにはなりません。. ウ.ドナが正しいのか、まちがっているのかを言うことはできません。. 図2−3 リーズニングスキル測定ツール1(榎本2003). 43前掲書34 pp.57−60 23.

参照

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