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「助産師の専門性を活かした学校における性教育に関する研究」

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Academic year: 2021

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(1)r助産師の専門性を活かした学校における性教育に関する研究」 教科・領域教育学専攻. 生活・健康・総合内容系コース. キーワード1助産師 学校性教育 I.序論 1.背景および目的  青少牛の健康に影響を及ぼす危険行動の一つに, 性の問題行動(性の逸脱行動)がある。木原1)によ. る最近の報告では,①20代の若者のHIV感染者の増 加,②クラミジア感染症などの性感染症の増加,③ 1O代の人工妊娠中絶の増加のように,日本における 青少年の性の逸脱行動は増加の傾向にあり深刻化し ていると言わざるをえない。思春期の性に関する指 導については,一次予防としての学校教育が果たす 千蜷』は極めて重要である。.  厚生労働省は,2001年に「健やカ親子21」を策定 し,その主要課題の一つとして,『思春期の保健対策. M08239E  田中 成子. 表1助産師による㎜Iの課題設定 性に対する考え方 住1 「命をつなぐ」「次世代を産む」こと 柱2 思春期の性教育 柱3 望ましし性教育 柱4 表2助産師と養護教諭こよる冊Iの課題設定 思春期の性教育何が大事か 住1 性教育実施して 良かった点 柱2 @      課題となった点 双方の立場から望むこと 柱3 (4)分析カ怯 (4)分析カ法. 冊Iの逐語録データを質的データ分析法により,分 析・検討を行った。. の強化と健康教育の推進』を挙げ,10代の自殺率の 減少,1O代の人工妊娠中絶の減少,1O代の性感染症 の減少を今後10年間の達成すべき目標に設定した。.  助産師は,その職務内容から思春期の子どものハ イリスク事例とかかわる機会も多く,性に関する指 導を行う専門職でもある。このため,近年,思春期 の子どもを対象としたr命の大切さを伝える性教育」 の講演依頼が増加しつつあるとの報告もある勃。.  そこで本研究は,学校における性教育での助産師 との効果的な連携の在り方,どのような指導内容が 求められるのか,性教育への支援の在り方について 検討することを目的とする。. IL方法. 2.量的調査:質問紙法 (1)目的.  助産師の性教育に対する意識調査 (2)調査時期と対象. 調査時期:2010年9∼11月  対象1関東・関西・中国・九州地方において     臨床経験のある助産師 (3)調査方法および内容. 郵送または直接手渡し配布による質問紙法. 調査内容:冊Iより抽出された14項目を中心とした r小学校以上での学校における性教育について」r中学. 校における性教育について」等26項目 (4)分析方法. 1.質的調査:㎜I法(フ汽カス・グトプ・インクピガ) (1)目的. 集計・解析にはEXCEL2007,SPSS12.OJ fOr windOws を使用した。.  量的調査の問いを作成するための基礎調査 (2)調査時期と対象.  ①2009年1月助産師4名  ②2009年3月助産師4名  ③2009年6月助産師4名  ④2010年3月 助産師2名 養護教諭2名 (3)調査方法および内容.  筆者の司会進行による1時間半程度のグノトプ・イ ンタビューを実施。その際同意のもと録音し逐語記 録とした。FGIの課題設定を以下に示す。  (表1・表2). 皿結果 1.質的調査.  FGIの逐語録の内容を切片化し,コーディング作業 を行った。他者を交えた複数回の作業の上,マトリッ クスを作成し,発言内容・回数に着目し,共通点,相 違点,背景要因などの検討を行った。 (1)発言回数. 助産師だけを構成メンバーとするFGIでは,経験年 数に応じて,.発言回数の増加がみられた。. カテゴリー「事例に基づく助産師の考え・その他」 に分類される意見が,いずれの柱にも出現しており,. 一382一.

(2) ③学校側の打ち合わせ担当者としては,学級担任. 現場での事例に基づく発言が釧傾向が認められた 2職種によるFGIでは,各参加者がいずれの柱の中で も3っから5つのカテゴリーについて意見を述べ,柱. および学年主任,養護教諭が多かった。. の中で,各々3回以上の発言が認められた。. 容」「児童生徒の実態」,「学校の教育方針・これまでの. (2)具体的内容. 性教育に対する取組」が多く8割を超えていた。. 助産師からは一性教育について,「家庭に戻す」「いの ちの話」r打ち合わせ」に関した発言が多く認められた。. 養護教諭からは,rいのちの誕生」やr教科書では なく助産師ならではの話を」といった現場の助産師へ の要望とともに,「指導時間や指導体制の問題」といっ. た学校側としての具体的意見が認められた。. ④事前に打ち合わせた項目として,「具体的指導内. ⑤この1年以内で指導した内容としては,「生命の 大切さ」と「生命誕生」が多かった。一方,「避妊」「性 交」「中絶」「性被害」「マスターべ一ション」といった. より発展的な項目は少なかった。. ⑥助産師が学校で指導した際の困った点として, 「対象の児童生徒の発達段階に応じた指導内容であっ たか不安を感じた」「学校からの指導内容についての要. 2.量的調査. 望が,自分のしたい内容とずれていた」「指導時に機材. (1)回収状況. がうまく作動しないなどのトラブルが発生した」が多.  質問紙配布教:335部 同収数1288部. い回答であった。 困った点として,r打ち合わせを行.  有効回収数:263部(有効回収率78.5%). っていたが,教員と目的・進め方について共通理解が. (2)調査結果と考察. できていなかった」「打ち合わせ通りに行っても生徒の. 1)回答者全体の性教育への意識面で,明らかになっ. 理解が得られず困った」なども挙げられ,指導内容と. たことは,以下の点である。. ともに対応方針等についての具体的な打ち合わせが重. ①小学校以上の学校における性教育が十分である. 要であるとの課題も明らかになった。. と考えている助産師は少数(3.4%)であった不十分で あるよりもわからないと答えた者(51.7%)が多かった。. V結論. その中でも,指導経験のある者は不十分であると答え. 助産師による効果的な支援の在り方. た者が,わからないよりも多かった いて,積極的に行った方がよい(57.8%)状況に応じて. ○連携については,学級担任および学年主任や養護教 諭など指導を依頼された学校における担当者と,学校 の教育方針や対象となる児童生徒の状況想定外の流. すればよい(40.3%),その必要はないと答えた者はい. れとなった場合の対応方針等についての具体的な打ち. なかった。おおむね肯定的な意識であることが示され. 合わせを行い,発達段階に応じた学校の求める指導内. た。. 容をしっかりと把握することが重要であると考えられ. ②助産師が学校へ出向いて性教育を行うことにつ. ③自分自身が中学校へ出向いて性教育を行うことに. た口. ついては,したい(43.O%)という回答が最も多く,. ○学校へ出向くことについて,肯定的な意識をもち関. 興味がない(6.5%)が最も少なかった。多くは意欲的. 心を示した者が多いことより、さまざまな機会を通じ. な意識であることが示唆された。. て,性教育に参画することが,助産師活動のエンパワ. ④学校が助産師の性教育に特に期待していると思. ーメントにつながり,より専門性を活かした効果的な. う内容としては,「生命の大切さ」『生命誕生に立ち会. 指導のための連携つくりが重要であると示唆された。. う現場での話」が多く,次いで,r性感染症とその予防」. r具体的な避妊法」r妊娠・出産のメカニズムの説明」 の順に多かった、.  年齢,助産師の経験年数,性教育の経験の有無が, これらの性教育の意識に影響を及ぼす可能性があるこ とが明らかになり,質的調査結果とほぼ同様の傾向が 示唆された。. 2)指導経験のある者の回答(n=63)からは,以下の点 が明らかになった。. ①指導件数では,一人あたり1件から200件以上の回 答がみられ,年齢と経験年数が増えるとともに件数の 多くなる傾向が示唆された。. ②指導対象の学年は,小学校4年生から中学校3年生 が20人以上の回答を得られた多い学年であった。. 一383皿. ○学校との連携体制づくりとして,所属施設や職能 団体,地域の行政窓口等の橋渡し役の明確化と関連す る他職種,保護者,地域との交流が重要であることも 示唆された。. <引用・参考文献〉.  1)木原雅子1I0代の性行動と日本社会   一そしてWSH教育の視点一,ミネルヴァ書房,2006  2) (拙岡山県看護協会助産師職能委員会   r思春期保健の強化と健康教育」ノ1唾員会1.   高校生の性教育の手引き,2004. 主任指導教員  松村京子   指導教員  鬼頭英明.

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参照

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