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戦前期雑誌にみる道路交通安全問題に関する編集動向 - 雑誌「モーター」を事例として -

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Academic year: 2021

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(1)罫. 贈. 蠣. 済論叢 第7巻 第1号20。9年7月. 、,蹟 、. 戦前期雑誌 にみ る道路交通安全 問題 に関す る編集動 向 雑誌. 「モ ー タ ー 」 を 事 例 と して. 齊 1.は. 研 究 の動 機. 1.2.本. 研 究 の 目的. 析 の対 象. 2.2.分. 析 の方 法. 3.雑. 誌. 「モ ー タ ー 」 と 編 集 者 ・山 本 豊 村. 4.雑. 誌. 「モ ー タ ー 」 の 編 集 動 向. 4。1.第1期(勃. 興 期)1913(大. 正2)年. 4.1.1.道. 路交通及び交通事故の状況. 4⊥2.編. 集状況. 4.2.第2期(発 4.2.1。. 展 期)1924(大. 正13)年. ∼1923(同12)年(創. ∼1936(昭. 和11)年(大. 刊 ∼ 関 東 大 震 災). 震 災 翌 年 ∼ 日 中 戦 争 前 年). 道路交通及び交通事故の状況. 4.2.2.編. 集状況. 4.3.第3期(戦. 時 期)1937(昭. 和12)年. 4.3.1.道. 路交通及び交通事故の状況. 4.3.2.編. 集状況. ∼1942(同17)年(日. 中 戦 争 勃 発 ∼ 終 刊). とめ. 5.1.ま 5.2.今. とめ 後 の研 究 課題. 5.2.1.道 5.2.2。. 概要. 彦. 究 の方 法. 2.1.分. 5.ま. 俊. じ∼ ¢)に. 1.1.本. 2.研. 藤. 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る雑 誌 記 事 デ ー タベ ー ス 山本二 豊 村( . 太)業. 績調査. 近 代 にお け る道 路 交 通 事 故 は,自 動 車 交 通 の 普 及 と と も に増 大 した 。 大 正 か ら昭 和 戦. 前 期 にか けて の 道 路 交 通 安 全 に関 す る問 題 は,戦 後 の モ ー タ リゼ ー シ ョンの 先 駆 期 と して, そ の 原 型 を 提 示 して い る に もか か わ らず,研 究 が 乏 しい。 本 研 究 にお いて そ の 時 期 にお け る 問 題 と対 応 を 検 討 す る こ と は,今 日 にい た る道 路 交 通 史 の 一 面 を 構 成 す る交 通 安 全 問 題 を 考 え る上 で 重 要 で あ る。 特 に当 時 の 道 路 交 通 事 故 を あ ぐる問 題 につ い て,雑 誌 ジ ャー ナ リズ ム の 記 事 内 容 及 び編 集 動 向 を 研 究 す る こ とは,当 時 にお け る道 路 交 通 安 全 問 題 の 構 造 の 認 識 及 び そ の 対 応 策 を 解 明 す る うえ で 必 要 と考 え る。 従 って,本 研 究 で は,戦 前 期 自動 車 関 係 雑 誌 にお け る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る記 事 内 容 及 び 編 集 動 向 につ い て 分 析 を 行 う。. キ ー ワー ド. 道 路 交 通 事 故,道 路 交 通 安 全,自 動 車,戦 前 期,「 モ ー ター 」. 原 稿 受 理 日2009年6月2日. 一139(139)一.

(2) AO7. Abstract. The. number. of traffic. accidents. the universalisation. of car traffic.. Japan,. 1910's to early. namely. motorised. post-war. port. matters. lyse. the types. provide. from. in that. fic accidents. fore, this. words. the. at that. is a severe. period. traffic. on trans-. is conducted. to ana-. in that. period. and issues. present. traffic. safety. trends. regarding. would. be necessary. safety trends. issues. to clarify at that. on traffic. in. in the. on editorial. on editorial. to. II period. of research. therefore,. into. War. of the problems. dearth. to them. according. study. to the traffic. in the pre-war. increased. in the pre World. research,. time. Japan. a prototype. responses. Especially. will give an analysis. traffic accidents, 'M otor' magazine. there. to examination. on and responses. study. the car magazines. Key. and. history.. in the magazines. of recognition. The problems. The present. problems. contribution. of transport. in modern. 1940's, present. However,. period.. of the. significant. a history. period.. AO1. will in. traf-. the pattern. period. safety. There-. matters. in. of Japan.. safety,. car,. the. pre-World. War. II period,. the.

(3) 戦前期雑誌 にみ る道路交通安全問題 に関す る編集動向(齊 藤). 1.は. 1.1.本. 研究の動機. 1994(平. 成6)年,内. じ. め. に. 海 倫 氏 を主 宰 とす る 「道 路 交 通 問 題 研 究 会 」(1)の 共 同研 究 が 発 足. し,筆 者 も参 加 した 。 研 究 の 主 題 は,戦 後 に於 け る道 路 交 通 の 実 態 と,そ れ に対 応 して 執 られ た 政 策 ・対 策,及 2002(同14)年12月,『. びそ れ らの 推 移 と実 績 の 調 査 を 主 とす る もの で あ った 。 そ の 成 果 は 道路交通政策史概観. 論 説 編 ・資 料 編 』 と して ま とめ られ て い る。. 対 象 と した 時 代 の 範 囲 は,占 領 期 とモ ー タ リゼ ー シ ョ ンの1945∼1989(昭. 和20∼64)年. 昭 和 戦 後 期 が 中心 で あ る。 さ らに,そ の 「前 史 」 と して,明 治 ・大 正 期,そ. の. して 敗 戦 に至. る昭 和 戦 前 期 の 約80年 にわ た る道 路 交 通 の 発 展 及 び交 通 事 故 問 題 と対 策 の 推 移 につ いて の 概 要 もお さめ られ,筆 者 が 執 筆 を 担 当 した 。 この 間 の 研 究 結 果 か ら,さ らに調 査 が 必 要 と考 え られ るの が 下 記 の2点 で あ る。 第1点. は,現 在 の 道 路 交 通 安 全 に関 す る諸 問 題 の 萌 芽 が,す で に戦 前,特. ら昭 和 戦 前 期 にか けて 発 生 して い る事 実,そ. に大 正 後 期 か. して,現 場 第 一 線 の 業 務 に携 わ って きた 先 人. た ちが,交 通 安 全 確 保 の た あ に手 探 りの 努 力 を 続 けて きた 事 実 で あ る。 しか し,こ の 事 実 に関 す る体 系 的 な 研 究 は未 だ 十 分 で はな い。 第2点. は,前 項 にお け る諸 問 題 の 推 移 とそ れ に対 す る道 路 交 通 安 全 確 保 の 努 力 と成 果 を. 調 査 研 究 す る うえ で,雑 誌 記 事 の 資 料 的 価 値 はす こぶ る大 き い もの が あ る。 前 述 の 「前 史 」稿 執 筆 に お い て は,先 ず,基 本 的 な 資 料 と して,警 察 史,各 省 庁 関係 史, 各 種 統 計,諸 団 体 史,社 史,そ して研 究者 の著 作,論 文 を 参 照 す る と共 に,「警 察 協 会 雑 誌 」 と 「道 路 の改 良」 を 中心 に,「 モ ー タ ー」 な どの 雑 誌 記 事 に よ って 補 完 した。 しか し,執 筆 の 時 間 的 制 約 の た め,発 行 冊 数 全 体 の 記 事 調 査 はで きず,必 要 に応 じて そ の 時 期 の 記 事 を 参 照 す る程 度 で,そ の 活 用 は あ くまで も補 完 の 域 に と ど ま った 。 今 後,近 代 道 路 交 通 史 の 視 点 か ら,こ の 戦 前 期 にお け る道 路 交 通 安 全 問 題 につ いて さ ら に研 究 を 深 め るた め に,今 回 の 経 験 を 活 か して,よ. り広 範 な 各 分 野 の 雑 誌 を 調 査 対 象 とす. る こ とが 必 要 と考 え た 。 以 上 が,本 研 究 の 動 機 で あ る。. 1.2.本. 研 究 の 目的. 前 述 した よ う に,こ. の 時 期 に 於 け る 道 路 交 通 安 全 問 題 の 研 究 資 料 の 一 環 と して,専 一141(141)一. 門的.

(4) 第7巻. 第1号. な 見 識 に基 づ く雑 誌 ジ ャー ナ リズ ムの 資 料 的 価 値 に注 目す る必 要 が あ る。 専 門 雑 誌 の 任 務 は,そ の 分 野 の 問 題 点 を,多 角 的 且 つ 理 解 しや す い文 章 で 読 者 に提 供 す る こ とで あ る。 し た が って,そ の 掲 載 記 事 の 内 容 を 分 析 す る こ と に よ って,当 時 の 問 題 点 と視 点 の 推 移 を 知 る こ とが で き る。 こ と に,そ れ ぞ れ の立 場 か らの 寄 稿 者 の論 旨 が参 考 に な る こ と は 大 き い。 また 同 時 に,こ の よ うな 専 門 ジ ャー ナ リズ ム は世 論 の 形 成,と. き に は業 界 や 行 政 にお. け る政 策 の 形 成 に対 して も,影 響 力 を 有 して い るの で あ る。 雑 誌 の 種 別 は一 般 誌,学 術 誌,官 公 庁 誌,団 体 ・協 会 誌,同 人 誌,企 業 誌 な ど多 様 で あ る。 戦 前 期 にお け る道 路 交 通 安 全 問 題 につ いて は,こ れ らの 中か ら,警 察,消 防,自 動 車, 鉄 道,電 車,自 転 車,道 路,教 育,裁 判,保 険,家 庭 な どの 分 野 の もの が 関 連 す る もの と 考 え られ る。 当 時,こ の 道 路 交 通 安 全 問 題 を め ぐって,各 分 野 の 雑 誌 ジ ャー ナ リズ ムが どの よ うな 記 事 を 掲 載 し,ど の よ うな 編 集 の 動 向 で あ った か を 研 究 す る こ と は,当 時 の 関 係 者 にお け る 問 題 の 認 識 な らび に対 応 策 を 解 明 す る うえ で 必 要 と考 え る。 した が って,本 研 究 で は,こ の 問 題 に関 係 深 い 自動 車 の 専 門 雑 誌 を 対 象 と して,道 路 交 通 安 全 に関 す る記 事 及 び編 集 動 向 につ いて 分 析 を 行 う。. 2.研. 2.1.分. 析の対象. 現 在,筆. 者 が 確 認 して い る 戦 前 期 に お け る 自 動 車 専 門 誌 は29誌 で あ る 。 こ れ らの 創 刊 ・. 廃 刊 ・合 併 事 項 に つ い て は,柏 は,筆. 究 の 方 法. 者 が 収 集 した. そ して,分. 本(1995)(2)に. 詳 し く,28誌. を 紹 介 し て い る 。 残 り の1誌. 「飛 行 機 と 自 動 車 」(3)であ る 。. 析 の 対 象 誌 と して,こ. れ らの 自 動 車 専 門 誌 の な か か ら,早. 期 且 つ 長 期 にわ た. り発 行 さ れ た 一 誌 を 選 ぶ こ と に した 。 発 行 の 期 間 が 長 期 に 及 ぶ ほ ど,そ. の編集動向を時系. 列 的 に 確 認 す る こ と が で き る か らで あ る 。 こ の29誌 の 中 で,最. も早 い 時 期 の 発 行 は,1911(明. 車 」,次 い で1912(大. 正 元)年12月. 創 刊 の 「自 動 車 」,そ. 「モ ー タ ー 」 誌 で あ る 。 そ し て,こ 「モ ー タ ー 」 の30年,次 ピー ド」 の22年,そ. い で1918(大. して1925(大. 治44)年5月. 創刊の. 「飛 行 機 と 自 動. し て1913(同2)年8月. 創刊 の. れ ら29誌 の な か で 最 も 長 期 に わ た り発 行 さ れ た の は, 正7)年2月. 正14)年10月. タ ー フ ァ ン」 の18年 で あ る 。 従 っ て,本. 創 刊,1940(昭 頃 創 刊,1943(昭. 和15)年 和18)年5月. 頃終 刊 の. 「ス. 終 刊 の 「モ ー. 研 究 で は 「モ ー タ ー 」 誌 を 分 析 の 対 象 と す る こ と. 一142(142)一.

(5) 戦 前 期 雑 誌 にみ る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る編 集 動 向(齊 藤) に した 。 「モ ー タ ー 」 誌 は,1913(大 細 調 査 中)で 休 刊 と,発. 正2)年8月. あ る 。 そ の 間,1923(大. 行 日変 更 の 都 合 で1930(昭. な っ た の を 含 あ,こ. の30年 間 に4冊. 冊 数 は349冊 で あ る 。 そ し て,こ. 2.2.分. 創 刊,終. 刊 が1942(昭. 定。詳. 正12)年9月. に お け る 関 東 大 震 災 直 後 の10,11月. 和5)年3月. 号 及 び1938(同13)年11月. が 発 行 さ れ て い な い の で,全. の 分 析 対 象349冊. の. 号が欠号 と. 期 間 に お け る 発 行(月. 刊). の 目 次 は 全 部 収 集 した(4)。. 析の方法. 本 研 究 の 目 的 は,前. 述 の 通 り,戦. 前 期 自動 車 専 門 誌. 全 に 関 す る 記 事 タ イ トル を 抽 出 し,下 通 事 故,事. 「モ ー タ ー 」 目 次 か ら,道. 記 の 分 類 内 容 別 に 分 類 し,分. 1.交. 通 事 故:(交. 2.法. 令:(法. 令 告 示,解. 説,法. 3.行. 政:(交. 通 取 締,交. 通 整 理,道. 路 標 識,提. 言 と 回 答). 4.道. 路:(道. 路 状 況,道. 路 改 良,自. 動 車 道,電. 車 停 留 所,踏. 5.運. 転 手:(自. 動 車 学 校,運. 6.歩. 行 者:(左. 側 通 行,道. 7.公. 害:(泥. は ね,泥. 8.救. 済:(自. 動 車 保 険,救. 9.一. 般:(上. 記 に 分 類 で き な い も の). 3.雑. 雑誌. 和17)年11月(推. 故 防 止,統. 析 を 行 う こ と とす る。. 例). 令 改 正 希 望). 転 手 免 許 試 験,運. 転 技 術,教. 切 道) 育 講 座). 路 横 断). 除,塵. 埃,騒. 音). 急 車). 誌 「モ ー タ ー 」 と 編 集 者 ・山 本 豊 村. 「モ ー タ ー 」 は,1913(大. 正2)年8月. 動 車 ・オ ー トバ イ ・航 空 機 専 門 誌 で,太 誌 統 合 に よ り,約30年. 計,判. 路交通安. に,山. 本 豊 村(本. 名:  太)(5)が 創 刊 した 自. 平 洋 戦 争 に 突 入 した 翌1942(昭. の 幕 を と じて 廃 刊 と な っ た(調. 和17)年11月,雑. 査 中)。. こ の 日本 に お け る 草 創 期 の モ ー タ ー ジ ャー ナ リ ス トで あ る 山 本 豊 村 は,1883(明 年 頃,新. 潟 県 東 頸 城 郡 沖 見 村 平 方(現. 稲 田 大 学 英 文 科 に 入 学,1903(明. 上 越 市 牧 区 平 方)に. 治36)年7月,専. 生 ま れ,16歳. を 得 て,1913(大 先 ず,創. 刊号の. 正2)年8月,月. 刊誌. で 父 を 失 った 。 早. 門 部 法 律 科 三 年 級 卒 業 後,英. 倉 由 三 郎 と の 関 係 で 自 動 車 知 識 普 及 の 翻 訳 に 携 わ る 。 そ の 後,元. 治16). 文学者岡. 早 大 総 長 田 中穂 積 の 知 己. 「モ ー タ ー 」 の 創 刊 に 至 る 。. 「発 刊 の 辞 」 に よ る と,19世. 紀 の 交 通 界 は 軌 道 が 中 心 で あ り,蒸. 一143(143)一. 気機関.

(6) 第7巻. 第1号. 車 が 実 用 に供 せ られ て か ら僅 か に89年 経 た だ けで も世 界 の3分 の2は 鉄 道 網 に 占め られ て い る。 しか し今 や軌 道 を必 要 と しな い 新 しい 自動 車 ・オ ー トバ イ が 出 現 した と述 べ た 上 で,次 の よ う に主 張 して い る。. 今 後 八 十 有 余 年 は勿 論,五 十 年,三 十 年 の 後,果 た して 如 何 にな り行 くべ きか,容 易 に想 像 し 得 べ か らず と錐 も,し か も蒸 気 車 に比 し,其 発 展 の 大 な る は,何 人 と錐 も否 定 せ じ。 故 に人 若 し 此 急 激 に進 歩 発 展 す べ き,動 力 に就 き充 分 の 研 究 と,平 常 の 準 備 とを 努 む る にあ ら ざれ ば,到 底 世 界 の 大 勢 に適 応 し得 べ くも あ ら ざ るべ し。 吾 人 が 藪 に本 誌 を 刊 行 せ む と欲 す る,又,他. 意あ ら. ざ るな し。. 彼 が 創 刊 した1913(大 だ 僅 か761台. 年11月,株. 当 時 は,わ. に 過 ぎ な か っ た 。 し か し,彼. 年 に は14,737台,20年 創 刊 後3年. 正2)年. 後 の1933(昭. を 経 て,1916(大. が 国 の 自 動 車 台 数 も特 種 自 動 車 を 加 え て,ま. の 見 通 し に 狂 い は な く,10年. 和8)年. に は134,784台. 正5)年6月,合. 正12)年9月,関. に 新 社 屋 に 復 帰 。1936(昭. 誌. 「モ ー タ ー 」 は,常. 米 を 含 む),団. 用 自 動 車 関 係)な. 体 首 脳,経. 営 者,学. 界,そ. ど 多 彩 な 執 筆 者 の 寄 稿 は,そ. 者 の 関 心 を よ ん だ こ と と 思 わ れ る 。 ま た,時 積 極 的 に 行 っ て い る 彼 の 提 言 は,当 彼 は,常. 東大震災で社. 和11)年. に 「旬 刊 モ ー. に 先 見 性 を も っ た 編 集 方 針 で 貫 か れ,. 広 範 な 角 度 か らモ ー タ ー 問 題 を と らえ て 読 者 に 提 供 して い る が,と. 僚 ・軍 人(軍. 正8). ー タ ー 界 の 動 き を 中 心 に 速 報 す る こ と に した 。. こ の 様 な 社 歴 を 背 景 に,雑. 各 方 面 の 専 門 家(欧. に1919(大. 月 休 刊 の の ち12月 に は 「震 災 復 興 号 」 で 復 刊 。 翌1924年. 1月 号 か ら関 西 支 局 か ら 出 稿 開 始,同2月 タ ー 」 を 発 行 し,モ. 正12). に達 し て い る。. 資 会 社 極 東 書 院 に,更. 式 会 社 極 東 書 院 を 設 立 した 。 そ の 後,1923(大. 屋 ・自 宅 と も に 焼 失 した が,2ケ. 後 の1923(大. りわ け,自. 動車関係の. して交 通 警 察 は じめ諸 省 官 れ ぞ れ の 立 場 を 反 映 して,読. 期 々 々 の 課 題 に 対 して,社. 説 や 論 説 を もって. 時 の 事 情 を 理 解 す る上 で 参 考 にな る。. に 自 動 車 界 の 小 使 い と 自 称 し,自. 動 車 団 体 な どへ の 協 力 は惜 しまな か った 。 彼. の 業 績 を,『 日本 自動 車 工 業 史 稿(2)』 は 次 の よ う に 記 し て い る(6)。. 一 方 で は 山本 豊 村(本 名   太)氏 を 主 幹 とす る飛 行 機 と 自動 車 の 専 門 雑 誌 「モ ー ター 」 が ,大 正 年 間 か ら昭 和 初 期 にか け長 く発 行 され,特. に 山本 豊 村 氏 は資 料 の 正 確 さ,公 平 的 確 な 意 見,諸. 外 国 の 情 勢 紹 介 の 指 導 的 価 値,国 内 情 勢 分 析 等 の 面 で 業 界 か ら高 い 真 価 を 認 め られ,信 頼 され る 名 主 幹 の 称 が あ った 。 た め に 「モ ー ター 」 は長 期 にわ た って 継 続 発 行 され,量 一144(144)一. と質 の 両 面 か ら も.

(7) 戦 前 期 雑 誌 にみ る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る編 集 動 向(齊 藤) 代 表 的 専 門 誌 で あ った 。 発 行 機 関 は㈱ 極 東 書 院 と称 し,そ の 役 員 は 次 の 通 り業 界 知 名 の 士 が 名 を 連 ね て い る。 相談役. 大倉喜七郎. 専務取締役. 山本   太. 取締役. 梁瀬長太郎. 水喚俊一郎. 石沢愛三. 監査役. 範多. 松川善次郎. 英徳. こ の 記 事 に あ る よ う に,創. 刊 当 時 か ら,代. 表 的 な 自 動 車 愛 好 者 で あ っ た 大 倉 喜 七 郎(7)を. は じめ 実 業 界 の 信 頼 が 厚 か っ た 。 先 述 した よ う に,関. 東 大 震 災 の 致 命 的 被 害 か らい ち早 く. 再 出 発 で き た の も大 倉 等 財 界 人 の 応 援 に よ っ た か らで あ る 。 そ の 後,戦. 時 体 制 に い り,1938(昭. 刊 モ ー タ ー 」 を 合 併 し,7月. 和13)年,用. 紙 節 約 指 令 に 「月 刊 モ ー タ ー 」 と 「旬. 号 よ り 「モ ー タ ー 」 と 改 題 した 。 そ して1940(昭. 月,「 日 本 自 動 車 界 」,「乗 合 自 動 車 界 」,「 自 動 車 知 識 」 を 合 同 し,さ 教育会機関誌 だ が,太. 和15)年5. ら に 同 年8月,交. 通. 「交 通 訓 練 」 も 「モ ー タ ー 」 誌 に 合 同 した(8)。. 平 洋 戦 争 の や や 敗 色 に 転 じた1942(昭. 自 動 車 交 通 弘 報 社 の 創 立 に 参 加 し,顧 に 統 合 さ れ 廃 刊 と な っ た 。 そ の 後,新. 和17)年,鉄. 道 省 自動 車 局 の 外 郭 団 体 ・. 問 に 就 任,「 モ ー タ ー 」 誌 は 同 社 潟 県 東 頸 城 郡 安 塚 村(現. した 。 敗 戦 を 迎 え て 復 刊 を 準 備 した が,病. の た め1948(昭. 上 越 市)の. 「自 動 車 青 年 」 誌 妻 の 実 家 に疎 開. 和23)年4月12日,65歳. で逝去. した(9)⑩。. 4.雑. 雑誌. 誌. 「モ ー タ ー 」 の 編 集 動 向. 「モ ー タ ー 」 が 発 行 さ れ た30年 間 を,筆. 者 は 自 動 車 交 通 の 変 化 を 中 心 と して,下. 記. の よ う に 区 分 した 。 第1期(勃. 興 期)1913(大. 正2)年. ∼1923(同12)年(創. 第2期(発. 展 期)1924(大. 正13)年. ∼1936(昭. 第3期(戦. 時 期)1937(昭. 和12)年. ∼1942(同17)年(日. そ して,こ. の 全 期 間 にお け る雑 誌. 和11)年(大. 刊 ∼ 関 東 大 震 災) 震 災 翌 年 ∼ 日 中 戦 争 前 年) 中 戦 争 勃 発 ∼ 終 刊). 「モ ー タ ー 」 目 次 か ら抽 出 した 道 路 交 通 安 全 問 題 に 関. す る 記 事 は,第1期170,第2期278,第3期86,計534タ な お,タ. イ トル で あ る 。. イ トル に よ る 記 事 選 択 の 的 確 性 を 維 持 す る た あ に,必. を 参 照 した 。 そ の 記 事 数 は302件,総. 記 事 数534件. 一145(145)一. の56.6%で. 要 に 応 じて 記 事 そ の もの. あ る。.

(8) 第7巻 4.1.第1期(勃 4.1.1.道. 正2)年. ∼1923(同12)年(創. 刊 ∼ 関 東 大 震 災). 路 交 通 及 び交 通 事 故 の状 況. 4.1.1.1.道 雑誌. 興 期)1913(大. 第1号. 路 交 通 の状 況. 「モ ー タ ー 」 創 刊 の 翌1914(大. 正3)に. 第 一 次 世 界 大 戦 が 勃 発,日. 本 は参 戦 に よ る. 未 曾 有 の 大 戦 景 気 で 潤 っ た 。 そ れ ま で 上 流 ・富 裕 階 層 が 主 で あ っ た 自 動 車 の 利 用 が,次 に 実 用 に 供 せ られ る よ う に な っ た 。 さ ら に,オ. ー トバ イ,自. 転 車 の 急 増 が 加 わ り,旧. 人 力 ・畜 力 の 諸 車 と の 混 合 交 通 の 度 合 い は ま す ま す 強 ま っ た 。 下 表 は,そ. 第 来の. の 自動 車 台 数 増. 加 の 推 移 で あ る。. 表1全. 国 自動車保有統計(普 通及び特種自動車の合計). 大. 正. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 台. 数. 761. 791. 897. 1,307. 2,799. 3,869. 5,553. 7,912. 9,648. 12,091. 14,737. 内 閣 統 計 局 編 「日本 帝 国 統 計 年 鑑. 実 用 化 の 事 例 と して,例 戦 終 了 の1918(同7)年. 第44回 」 東 京 統 計 協 会,大 正14年,227頁. え ば,1912(大. 正 元)年,バ. に は40業 者,1923(同12)年. 国 的 な 広 が りを 見 せ つ つ あ っ た 。 ま た,ハ は 僅 か94台. に 過 ぎ な か っ た が,1923年. こ の よ う に,人 あ っ た 人 力 車,乗 台,乗. て い る 。 し か し,貨. 令 は,初. イ ・タ ク 業 の 成 長 は,こ. 正8)年4月,日 年12月. の 牛 馬 車35.2万. の 人 力 車126,846 半 減 に 近 くな っ. 台,荷. 車21.9万. 台に対. に 「道 路 構 造 令 」 と 「街 路 構 造 令 」 が 公 布 と な っ た 。 こ れ らの 構 造. 路 整 備 につ いて 初 の. 府 は,道. だ,道. 路交通の主体が馬車や荷車であ. 路 法 の 制 定 と と も に,積. 極的な道路近代化計. 「第 一 次 道 路 改 良 計 画 」 を ス タ ー トさ せ た 。1920年. 初 年 度 と し て30ケ 年 に 及 ぶ 長 期 計 画 で あ っ た 。 ま た,道. 4.1⊥2.道. 正2)年. 本 に 於 け る 道 路 行 政 の 基 本 で あ る 「道 路 法 」 が 公 布 さ れ,そ. る こ と に 配 慮 して い た 。 そ して,政. て,1922年,「. に. だ 遠 く及 ぶ も の で は な か っ た ⑫。. め て 自 動 車 を 視 野 に い れ て い る もの の,ま. 画 を 図 り,道. ス網 は 全. れ まで 道 路 交 通 の 主 役 で. に は,89,149台(70%),4,912台(57%)と. で は,ま. 一次大. イ ・タ ク 業 も東 京 市 の 場 合,1915(同4)年. 物 輸 送 の 場 合,1923(同12)年. す る トラ ッ ク 台 数3,058台. れ を う け て,同. に は167業 者 に 増 大 し,バ. 合 馬 車 に 影 響 を 与 え る よ う に な っ た 。1913(大 も,1923年. 者 は,第. に な る と1,509台 に も達 し て い る(ll)。. 員 を 輸 送 す る バ ス,ハ. 合 馬 車8,581台. 1919(大. ス 路 線 開 業 の3業. 度を. 路 法 施 行 に 伴 う整 備 の 一 環 と し. 道 路 警 戒 標 お よ び 道 路 方 向 標 に 関 す る 件 」 が 公 布 と な っ た ⑱。 路 交 通 事 故 の状 況. 「モ ー タ ー 」 誌 掲 載 の 道 路 交 通 安 全 問 題 に 関 す る 記 事 の 背 景 と な る の は,当 一146(146)一. 時,起. きて.

(9) 戦前期雑誌 にみ る道路交通安全問題 に関す る編集動向(齊 藤) い る交 通 事 故 の 現 実 で あ る。 先 述 した よ う に,こ の 時 期 は ま さ に 自動 車 実 用 化 の 段 階 で あ り,自 動 車 台 数 と と もに交 通 事 故 も増 加 の 一 途 を 辿 った 。 東 京 府 にお け る状 況 を 表2に 示 した が,1913(大. 正2)年. か ら6年 目 に は2倍 を 超 え,10年. 目の1923(大. 正12)年. に は3. 倍 近 くに達 す る ほ どの 激 増 で あ る。. 表2第1期 大. 正. 2年. にお ける東京府の道路交通事故件数及び自動車保有台数. 3年. 4年. 5年. 6年. 7年. 8年. 9年. 10年. 11年. 12年. 1木/日 口 獄. 事故件数 指. 数. 警 視 庁 交 通 部 編 「交 通 年 鑑. 平 成4年 」 ㈲ 東 京 交 通 安 全 協 会,1993年,60頁. 警 視 庁 は,こ の状 況 に対 処 す る た め に い ろ い ろ な対 策 を講 じた。1918(大. 正7)年. に は,. 交 通 専 務 巡 査 の 制 度 を 設 け,100名 を交 通 頻 繁 な警 察 署 に配 置 し,オ ー トバ イ に よ る交 通 の 指 導 取 締 り も実 施(通 称 赤 バ イ)し た 。 また,1919年. に は交 通 信 号 台 を 初 め て 設 置 。 翌 年. に は電 車 線 路 横 断 線(横 断 歩 道)の 設 置 を 行 った 。1921年 に は道 路 取 締 令 が 施 行 とな った の で,左 側 通 行 を は じあ 危 険 防 止 の 事 項 遵 守 につ いて 指 導 を 強 化 した ω。. 4.1.2.編 注:(以. 集状況 下,「 モ ー タ ー 」 か ら 引 用 す る 記 事 の 掲 載 年 月 号 を(大. ま た は 昭 年 一月)と. 表記. す る) と こ ろ で,創. 刊 号(大2-8)か. ら震 災 復 興 号(大12-12)に. 誌 へ 掲 載 さ れ た 道 路 交 通 安 全 問 題 に 関 す る記 事 は,連 間 の 発 行 冊 数 は123冊 な の で,1冊. い た る 期 間 に,「 モ ー タ ー 」. 載 を 含 め170タ. イ トル で あ る 。 こ の. へ の 掲 載 平 均 は1.4タ イ トル と な る 。 こ れ ら の 記 事 の 内. 容 別 分 類 を 下 表 に示 す 。 こ の 表 に 示 さ れ る よ う に,創 次 第 に 交 通 事 故,法 の 数 字 も大 正6∼8年. 令,行. 刊 後 の 数 年 間 は,運. 政,そ. して 道 路,公. 転 手 の 分 類 に 入 る 記 事 が 多 か っ た が,. 害 と 多 様 に な っ て き て い る 。 そ して,年. に 入 る と こ れ ま で の2倍. 近 く に 増 加 し,当. 計. 時 の 自動 車 関 係 法 令 の 制. 定 や 行 政 の 積 極 的 な 動 き を 反 映 して い る 。 こ の よ う な 動 き を 背 景 と して,こ 重 点 は,運. 転 手(74件),交. 路(1件)・. 公 害(7件)の4点. の 時 期 にお け る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る記 事 編 集 の. 通 事 故(37件)と. 法 令(25件)・. に お か れ た と見 ら れ る 。 -147(147)一. 行 政(16件)そ. して 泥 害 の 道.

(10) 第7巻 表3「. 大. 正. 第1号. モ ー タ ー 」 誌 掲 載 の 「道 路 交 通 安 全 問 題 関 係 記 事 」 内 容 別 分 類 一 覧(第1期) 2年. 3年. 4年. 5年. 6年. 7年. 8年. 9年. 10年. 11年. 12年. 計. 交通事磁 法. 全. 行. 膨. 道. 跨. 運 転 斗 歩 行 者 公. 薯. 救. 浮 舷. 年. 計. 筆者作成. 4.1.2.1.運. 転手. 先 ず,「 自動 車 運 転 手 諸 君 」(法 学 士 付 堂 生,. 大5-10)の. 記 述 を紹 介 す る。. 日本 で 自動 車 の 事 を 談 ず る者 は 皆 申 し合 わ せ た よ う に,運 転 手 の 問 題 に 口を 触 る るの を 見 る。 米 国 な どで 自動 車 の 事 と言 え ば,其 の 製 造 の 事 か,新 型 か,長 途 旅 行 談 か … … だ が,我. 日本 で は. 主 と して 運 転 手 の 事 の み に限 られ て い る。 これ は実 に止 む を 得 な い 事 で あ る。(中 略)。 換 言 す れ ば,日 本 には 自動 車 の 製 作 所 な く,鑑 定 所 な く,自 動 車 学 校 な く,オ ー ナ ー ドライ ヴ ァー 又 殆 ど な し と云 う現 状 で あ って 見 れ ば,日 本 の 自動 車 界 と云 う もの は,運 転 手 の み と云 う事 にな る。 故 を 以 て,自 動 車 界 の 改 善,進 歩,発 展 を 導 こ う と云 う には,一. に この 運 転 手 界 か ら手 を つ け,改. 善 して か か らね ば な らな い 。 モ ー ター 雑 誌 は発 刊 以 来,此 の 問 題 に最 も力 を 用 い,通 俗 講 座 を 初 め 常 に運 転 手 の 参 考 とな るべ き技 術 的 記 事 を 掲 載 し,其 の 知 識 を 開 発 し,自 動 車 の 機 械 的 使 用 に 一 大 進 歩 を 来 た さ しめ よ う と企 て て 居 る一 方 に は,人 格 陶 冶 の 必 要 を も認 め,… … 等 の 意 見 を 紹 介 し… … 以 て 其 の 自省 の 料 に供 した 。. この 論 旨 に よ って,道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る記 事 に 占あ る運 転 手 関 係 記 事 の 多 さ,そ して,交 通 事 故 防 止 に も通 じる専 門 知 識 ・技 術 向 上 を 内 容 と した 記 事 の 多 さ も理 解 で き よ う。 さ らに,こ れ らの 記 事 は,運 転 手 資 格 取 得 前(33件)と. 取 得 後(41件)に. 区 分 され る。. と りわ け,編 集 者 の 考 え は,運 転 手 の 最 初 の 出発 点 で あ る 自動 車 学 校 の 充 実,そ 一148(148)一. して 運.

(11) 戦前期雑誌 にみ る道路交通安全問題 に関す る編集動向(齊 藤) 転 手 試 験 制 度 確 立 の 問 題 提 起 で あ る。 当 時 は まだ,自 動 車 学 校 の 基 盤 も浅 く,読 者 か ら「運 転 士 学 校 の 設 立 を望 む」(大2-12)と. 寄 せ られ て い る。 そ の 後,「 本 誌 が 責 任 を以 て 計 画. せ る模 範 運 転 手 養 成 所 成 る」(大6-10)に. 報 ぜ られ て い る よ うに,「 モ ー タ ー」 誌 の 事 業. と して,理 想 的 な 自動 車 学 校 を め ざ した 「中央 運 転 手 学 会 」(注:校. 名)を 創 設 した ほ ど. の 熱 意 が 籠 あ られ て いた 。 また,運 転 手 試 験 につ いて は,明 治 期 に制 定 され た 各 府 県 の 自動 車 取 締 規 則,ま た1919 (大正8)年. 公 布 の 自動 車 取 締 令 に基 づ く 自動 車 取 締 令 施 行 細 則 に よ って も,試 験 方 法 な ど. に不 明確 な 点 が あ った の で,「 自動 車 運 転 手 試 験 規 則 を 制 定 す べ し」(大5-4)及 動 車 運 転 手 試 験 制 度 を 確 立 せ よ」(大11-2)の 希 望 者 の 参 考 に供 す るた め に,専 門 家2人 して い る(注:大. 正15年6月. び 「自. 論 説 で 改 善 を 主 張 して い る。 さ らに,受 験. に委 嘱 して 「運 転 手 模 擬 試 験 問 題 」 を10回 掲 載. 号 以 降,警 視 庁 な どが 実 施 した 試 験 問 題 を 掲 載)。. な お,運 転 技 術 や 知 識 の 向 上 を 図 って,「 モ ー タ ー通 俗 講 座 」(大3-5か 自動 車 業 組 合 長 藤 原 俊 雄 の 「運 転 手 心 得 五 十 則 詳 説 」(大7-9か. ら4回)な. 講 座 や,帝 国 ホ テル 支 配 人 ・林 愛 作 「運 転 手 と人 格 問題 」(大7-6),警 郎 「運 転 手 諸 君 の 注 意 を 促 す 」(大9-6)な. ら28回),東. 京. ど各 種 の 教 育 視 総 監 ・岡 嘉 七. どの 厳 しい指 摘 も掲 載 して い る。. また,こ れ らの 背 景 に,自 動 車 に対 す る正 しい理 解 を との 希 望 が,こ の 時 期 にお け る編 集 方 針 に存 在 した こ と は否 定 で きな い。 「モ ー タ ー」創 刊 当時,自 動 車 に対 す る一 般 の 反 感 は強 か った 。 記 事 中 に も,運 転 技 術 も低 く,無 責 任 で 品 性 を 疑 う よ うな 運 転 手 に関 す る記 述 もみ られ た。 山本 主 幹 も,「 本 邦 自動 車 界 の 進 歩 と現 状 」(大8-1)の. 文 中 で次 の よ う. に述 べ て い る。. 衝 突 ・殺 櫟 な どの 事 故 が 勃 発 す る と… … 社 会 は これ を 唯 一 途 に 自動 車 の 責 任 と して 盛 ん に攻 撃 す る。 甚 だ しきは 殺 人 機 な り,魔 車 な り,無 用 の 長 物 な り と悪 罵 酷 評 を 浴 びせ て 之 が 使 用 まで 禁 止 す べ し とい う論 まで 呼 号 せ られ た 。. ま た,大. 倉 喜 七 郎 も,「 自 動 車 界 管 見 」(大5-9)の. 中で. 「自 動 車 非 難 の 理 由 に,運. 転. 手 と主 人 の 態 度 が あ る。 自制 す べ きだ 」 と述 べ て い る ほ どで あ る。 4.1.2.2.法. 令,行. こ の 時 期 は,道. 政. 路 交 通 安 全 問 題 関 係 法 令 の 整 備 が 図 られ た 。1903(明. 府 県 で 自 動 車 取 締 規 則 が 定 め られ て い た が,全 正8)年. に 自動 車 取 締 令(内. 治36)年. 以 降,各. 国 統 一 の 初 め て の 交 通 法 規 と して1919(大. 務 省 令 第1号),そ 一149(149)一. して 翌1920年. に は 道 路 取 締 令(内. 務 省令.

(12) 第7巻 第45号)が. 第1号. 制 定 さ れ た 。 自動 車 取 締 令 は,自 動 車 の定 義 ・最 高 速 度 ・車 体 検 査 ・運 転 免. 許 ・交 通 事 故 を 起 こ した 場 合 の 措 置 な ど につ いて か な り詳 細 に規 定 し,道 路 取 締 令 は,左 側 通 行 を 義 務 づ け,人 及 び牛 馬 車 ・諸 車 の 通 行 区 分,横 断 ・追 い越 し ・踏 切 及 び安 全 地 帯 の 通 行 な どの 禁 止 行 為 等 につ いて 規 定 す る交 通 安 全 確 保 に関 す る基 本 法 規 で あ った ⑮。 か ね て か ら,法 令 の 改 定 を 望 ん で いた 「モ ー ター 」 誌 で は,早 速 に 「自動 車 新 取 締 令 を 歓 迎 す 」(大8-2)の (大8-3)を. 論 説 を 掲 げ,翌 月 か ら3回 の連 載 で 「内務 省 令. 自動 車 取 締 令 講 義 」. 山本 主 幹 の 解 説 で 周 知 を 図 って い る。. 行 政 と して の 大 きな 記 事 はな いが,「 道 行 く人 へ ∼警 視 庁 よ り注 意 書 発 表 さ る ∼」(大6 -4)や. 「愛 知 県 警 察 の注 意 書」(大9-9)な. ど,新. しい 法 令 に基 づ い て の 市 民 や運 転 手. に対 す る地 道 な 活 動 を 取 り上 げて い る。 4.1.2.3.交 通 事 故 と こ ろ で,「 自動 車 取 締 規 則 特 輯 号 」(大6-7)の. 冒頭 で,山 本 主 幹 は 「交 通 事 故 の 断. 案 」 で 最 近 の 自動 車 交 通 事 故 の 増 加 につ いて 所 論 を 述 べ,更 い る。 そ の う ち,「 自動 車 事 故 の 原 因 」(熊 本 高 等 工 業 学 校 (日本 自動 車 倶 楽 部. 高 田琢 雄)は,交. に各 界6名 の 寄 稿 を 掲 載 して 星 子 勇),「 自動 車 事 故 と報 道 」. 通 事 故 の 自動 車 交 通 事 故 の 原 因 は歩 行 者 サ イ ドに多. くの 原 因 が あ る にか か わ らず,報 道 は殆 どが 自動 車 が 悪 との 前 提 で あ り,公 平 で はな い と 強 く主 張 して い る。 4.1.2.4泥. 害. 悪 路 と と もに 庶 民 の 困 惑 と怒 りの 的 は 自動 車 に よ る泥 はね で あ った。 「泥 津 に は 徐 行 い た しま し ょう」(大12-3)に. 都 新 聞 の 投 書 紹 介 が あ る。. ・ 乗 合 自動 車 の 疾 走 は ま こ と に横 暴 を 極 め て い ます 。 交 通 の 為 に認 可 にな り衆 人 の 便 利 にな る事 ゆ え 通 行 す る事 に就 て は歓 迎 し ます が,今. 日な ど は吾 妻 橋 か ら言 問 間 に於 い て 乗 合 自動 車 に. 泥 を 跳 ね 飛 ば され て 半 身 泥 まみ れ とな りた る婦 人 と学 校 通 い の 生 徒 三 人 を 目撃 し実 に黙 止 す る事 が 出来 ま せ ん 。 所 轄 警 察 署 にて 疾 走 せ ぬ よ う我 等 多 数 徒 歩 者 為 に御 取 締 を願 い た い と思 い ま す (向 島 阿 久 津). 自動 車 に取 り付 け て泥 は ね を 防 止 す るた め,「 泥 除 器 の 解 説 」(大8-6)な. ど,紹 介 も. た びた び あ るが,か え って 泥 沫 飛 散 器 と化 して い る実 情 が 多 か った よ うで あ る。. 一150(150)一.

(13) 戦 前 期 雑 誌 にみ る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る編 集 動 向(齊 藤) 4.2.第2期(発. 展 期)1924(大. 正13)年. ∼1936(昭. 和ll)年(大. 震災翌 年∼ 日中戦争. 前 年) 4.2.1.道. 路 交 通 及 び交 通 事 故 の状 況. こ の 第2期. は,関. 大 戦 時 の 好 況,さ. 東 大 震 災 の 翌 年 か ら,日. 中 戦 争 勃 発 前 年 ま で の12年 間 で あ る 。 第 一 次. ら に 関 東 大 震 災 復 興 に 際 して の 活 躍 を 契 機 と して,急. 速 に 飛 躍 した 自 動. 車 交 通 に象 徴 され る時 期 で あ る。 自 動 車 性 能 の 改 良 と 米 国 に お け る 量 産 化,そ の 大 幅 引 き 下 げ,月 果,小. し て フ ォ ー ド,GMの. 日本 進 出 に よ る 価 格. 賦 制 度 の 導 入 な ど で 非 常 に 求 め や す くな り事 業 熱 は 高 ま っ た 。 そ の 結. 規 模 業 者 の 乱 立 と 過 当 競 争 か ら 円 タ ク が 出 現 した 。 ま た 乗 合 自 動 車,貨. 物 自動 車 業. 界 の 急 速 な 発 展 に よ っ て 鉄 道 ・軌 道 は 大 き な 影 響 を 受 け る に 至 っ た(1④ 。 次 ぎ に,道. 路 交 通 の 担 い 手 で あ る 諸 車 の 動 き を 見 て み よ う 。1924(大. 数 の 指 数 を そ れ ぞ れ100と す れ ば,1936(昭 指 数)は. 次 の 通 りで あ る 。 先 ず,貨. 台(509)と (104),牛. 和11)年. 車109,162台(158)が. を 始 め に,乗. 場 合 は,旧. 転 車7,721,785台(210),荷. 車1,564,765(72)が. 弧内 は. 馬 車303,838台 力 車17,454台(20). 減 少 と な っ て い るq7)。即 ち,旅. 動 車 の 急 増 に 対 して 旧 来 の 人 力 車 ・乗 用 馬 車 の 退 潮 は 著 し く,貨. 来 の 牛 馬 車 は 貨 物 自 動 車 の8倍. の諸車台. して 乗 用 自 動 車74,910. そ れ ぞ れ 増 加 を 示 し て い る。 一 方,人. 用 馬 車1,108(25),荷. 輸 送 の 場 合,自. に お け る 諸 車 台 数 の 増 減(括. 物 自 動 車 の51,338台(889),そ. い う 驚 異 的 な 増 加 を 始 め と し て,自. 正13)年. も あ り,依. 客. 物輸送の. 然 と して 活 力 を 保 っ て い る こ と が 理. 解 で き る。 と こ ろ で,東. 京 市 内 で の バ ス ・タ ク シ ー の 発 展 状 況 を,各. て み よ う 。1926(大 倍 の13億7,400万. 正15)年. の 全 輸 送 人 員,8億8,200万. 人 に 増 加 し て い る。 そ の な か で,バ. 全 輪 送 人 員 に お け る8%か. ら,10年. 後 に は33%を. 輸送機関別輸送分担比率で見. 人 が,1935(昭. 和10)年. に は,1.6. ス ・タ ク シ ー の 分 担 比 率 は,1926年. 占 め る に 至 り,自. の. 動 車 交 通 の 活 躍 ぶ りを. 示 して い るq8)。 当 時 の 道 路 の 発 展 を,東 の は1920(大 と に な っ て,東. 正9)年. 京 の 事 例 で 見 て み よ う。 東 京 の 道 路 が 本 格 的 に整 備 され 始 め た. で あ る 。 しか し,関. 東 大 震 災 の 復 興 事 業 が 国 の 予 算 で 実 施 され る こ. 京 市 内 の 路 面 舗 装 の 普 及 は 促 進 さ れ た 。1921(同10)年. に お け る 舗 装 率 は10%に. す ぎ な か っ た が,1930(昭. こ の よ う な 陸 上 交 通 の 活 況 を 背 景 と して,全 に,そ. 和5)年. に は55%に. 増 加 して い る ⑲。. 国 に お け る 道 路 交 通 事 故 は 増 大 した 。 こ と. の な か に 占 め る 自 動 車 に よ る 事 故 の 急 増 は 顕 著 で あ っ た 。 表4に. (大 正13)年,全. に市 内 道 路 総 面 積. 国 道 路 交 通 事 故 総 件 数4万5千 一151(151)一. 件 の う ち24%で. 示 す よ う に,1924. あ った 自動 車 に よ る事 故.

(14) 第7巻 は,1931(昭. 和6)年. 第1号. に は,総 件 数6万9千. 件 の う ちの64%を. 越 え,以 降 そ の 前 後 の 割 合. で 推 移 して い る。 この 交 通 事 故 増 大 に注 目 した 論 考 に,日 本 交 通 協 会 主 事 ・伏 島 孔 次 の 「都 市 生 活 と交 通 常 識(1∼2)」(昭8-2,3)が 通 の 質 的 変 化,そ. あ る。 伏 島 は,交 通 事 故 増 加 の 発 生 原 因 を,交 通 量 と交. して 車 両 の 無 統 制 の3点. に集 約 して い る。. 先 ず,交 通 量 の 変 化 は 「人 口増 加,文 化 の 発 達,高 層 建 築 の 増 加 に起 因 す る。 人 口増 加 が 道 路 の 混 雑 を 増 す こ と は説 明 す る まで もな く,又,文. 化 が 発 達 す れ ば分 業 が 盛 ん にな り. 勢 い交 通 量 が 増 す 。 また 高 層 建 築 は国 土 の 立 体 的 延 長 で,例 え ば丸 の 内 ビル の 廊 下 総 延 長 は一 里 四 町 で,新 橋 須 田町 間 の 距 離 よ りや や 長 く,昼 間 勤 務 者 数 は丸 の 内 全 体 の 夜 間 人 口 の 二 倍 に相 当 す る」 と述 べ,質 的 変 化 を 「近 年 著 しき速 度 を 以 て 発 達 した 自動 車 の 増 加 で あ る」 と し,さ らに 「人 力 車,荷 車,牛 馬 荷 車,自 動 車,オ ー トバ イ,自 転 車 な ど速 度 を 異 にす る諸 車 が 同 一 路 面 を 走 る」 こ とを 指 摘 して い る。. 表4第2期. に お け る 全 国 道 路 交 通 事 故 総 計 ・自動 車 に よ る 加 害 数 ・自 動 車 台 数 の 推 移. 年. 大 正13. 14. 昭 和2. 15. 3. 4. 5. 臼ミ父 魍 争 貞又. 自動 車 に よ る事 故. 比. 率. 自動車台数 年 全交通事故 自動 車 に よ る事 故. 比. 率. 自動車台数 側)交通 事 故 総 合 分 析 セ ン ター 『交 通 事 故 統 計 年 報. 4.2.2.編. 平 成17年 版 」. 集状況. と こ ろ で,1924(大. 正13)年1月. 号 か ら1936(昭. 和11)年12月. タ ー 」 誌 に 掲 載 さ れ た 道 路 交 通 安 全 問 題 に 関 す る 記 事 を,連 た 。 こ の 間 の 発 行 冊 数 は155冊 な の で,1冊. 号 に わ た る 期 間 に,「 モ ー 載 を 含 め278タ. イ トル 抽 出 し. の 掲 載 平 均 は1.8タ イ トル で あ る。 こ れ ら の 記. 事 の 内 容 別 分 類 を 下 表 に示 す 。. 一152(152)一.

(15) 戦 前 期 雑 誌 にみ る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る編 集 動 向(齊 藤) 表5「 大13. モ ー タ ー 」 誌 掲 載 の 「道 路 交 通 安 全 問 題 関 係 記 事 」 内 容 別 分 類 一 覧(第2期). 昭元 昭2. 大14. 昭3. 昭4. 令,行. 政,道. 昭5. 昭6. 昭7. 昭8. 昭9. 昭10. 昭11. 計. 交通事左 法. イ. 行. 正. 道. 出. 運 転 ヨ. 歩 行 毫 公. 雫. 救. 汐 舟. 年. 計. 筆者作成. タ イ トル 数 は,交 に 関 す る 数74が,今. 通 事 故,法. 回 は34に 減 少 して5位. 運 転 手 育 成 の 基 盤 が,モ. 路,運. 転 手 ・救 済 の 順 に 続 く,前. に な っ て い る 。 当 時,編. 期の運転手. 集 面 で の 強 化 を 図 った. ー タ ー 界 で 次 第 に 充 実 さ れ た もの と 思 わ れ る 。. 4.2.2.1.交 通 事 故 交 通 事 故 につ いて は,防 止 対 策 に 関 す る論 考 が 多 く掲 載 され て い る。 例 え ば,「交 通 事 故 に対 す る私 見 」(昭4-11)で. は,自 動 車 交 通 事 故 の 多 くが 職 業 運 転 手 の 睡 眠 不 足 や 過 労 に. 因 して い る こ とを 指 摘 し,何 故,そ の 改 善 が な され な いか を 嘆 じて い る。 また,和 歌 山 自 動 車 営 業 組 合 が 開 催 した 官 民 合 同 の 事 故 防 止 座 談 会 で の 率 直 な 意 見 交 換 が 「交 通 事 故 の 防 止 に就 いて 」(昭6-4)に. ま とめ られ て い る。 これ らの な か で,3回. にわ た って 寄 稿 され. た 警 視 庁 交 通 係 長 ・荒 井 退 蔵 の 「交 通 事 故 と其 防止 に 就 い て」(昭6-6,7,9)は,統 計 を 駆 使 して 事 故 の 傾 向 を 分 析 し,実 務 体 験 を 基 礎 にそ の 防 止 策 を 体 系 的 に論 じて い る。 特 に,年 間1,200余 名 の可 憐 な児 童 の犠 牲 者 を半 減 させ る た め に,そ して 将 来 の 交 通 安 全 の た め に,警 察 と教 師 との 協 力 で 小 学 校 児 童 に対 す る教 育 訓 練 を 進 め て ゆ こ う と 「児 童 の 交 通 安 全 に関 す る13ケ 条 」 を 掲 げて の 提 案 は現 代 に通 じる。 4.2.2.2.法. 令. 法 令 につ いて は,50タ イ トル の 殆 どを 全 文 紹 介 や 解 説 に あて,そ の 周 知 を 図 って い る。 また,1933(昭. 和8)年8月,さ. きの 内 務 省 令 「自動 車 取 締 令 」 が 全 面 的 に改 定 され,運. 転 免 許 制 度,運 転 者 の 遵 守 事 項 そ の 他 につ いて 詳 細 厳 格 な 規 定 を 設 け交 通 事 故 の 防 止 を は 一153(153)一.

(16) 第7巻 か って い るが,そ. の改 正 前 の1930(昭. 第1号. 和5)年11月,「. モ ー タ ー」 誌 は識 者 の 座 談 会 を 主. 催 して,内 容 を と り ま と め て 内務 省 に提 出 し,「 自動 車 取 締 令 改 正 に対 す る民 間 の 意 見 」 (昭6-1)と. して 掲 載 して い る。 そ の 後 も,自 動 車 取 締 令 だ けで な く,自 動 車 事 業 法,自. 動 車 取 締 令 施 行 細 則,そ 4.2.2.3.行. して 警 視 庁 の 交 通 取 締 規 則 な ど,関 連 した 記 事 を 特 輯 して い る。. 政. 行 政 関 係 で は,逓 信 ・内 務 ・鉄 道 の3省 で 争 わ れ た 自動 車 事 業 の 監 督 権 が 逓 信 省 か ら鉄 道 省 の 所 管 とな り⑫ ①,「乗 合 自動 車 監 督 主 務 省 の移 管 」(昭3-10)で 1930(昭. 和5)年4月,警. 扱 って い る。 そ して,. 視 庁 は交 通 事 故 防 止 の 強 化 を 図 るた め に 「交 通 整 理 ノ信 号 方 法. 二 関 スル 件 」 を 定 め 交 通 信 号 方 法 を 統 一 した 。 「交 通 整 理 信 号 定 め られ る」(昭5-7)に, 従 来 は規 定 も無 か った の で,警 官 の 手 信 号 もま ち ま ちで,時. に は通 行 人 を 惑 わ せ る こ と も. あ った と説 明 して い る。 そ の 他 も,信 号 機 設 置,ロ ー タ リー式 交 通 整 理 や交 通 規 制 の実 施, 電 車 横 断 線 や 道 路 標 識 の 設 置 な どの 方 法 を 積 極 的 に導 入 して い るの が 注 目 され る。 また,非 常 の 場 合,警 察 官 の 交 通 整 理 を 援 助 す る活 動 につ いて,蔵 前 警 察 署 長 が 「防 護 団 交 通 整 理 の 任 務 に就 いて 」(昭8-8)を. 寄 稿 して い る。 そ して,去 る1930(昭 和5)年,. 照 明 学 会 が 交 通 整 理 委 員 会 を 設 けて 研 究 した 結 果 を 「交 通 整 理 標 準 案 」(昭9-1∼3)と 題 し3回 にわ た って 発 表 して い る。 4.2.2.4.道. 路. 道 路 関 係 で は,道 路 の 改 良 や 自動 車 道,そ 1919(大. 正8)年. して 踏 切 に関 す る記 事 が 多 い。 国 道 の 場 合,. か ら改 良 工 事 を 進 め て きた が,1932(昭. 和7)年. 現 在,数. カ所 を 除 けば. 全 国 の 国 道 は 自動 車 を 通 す こ とが で き る 旨,内 務 省 の 中 川 技監 が 述 べ る 「最 近 の道 路 事 業 」 (昭8-1)な. どが あ る。 また,自 動 車 道 に関 す る記 事 の う ち,1934(昭. 「自動 車 専 用 道 路 開設 状 況 」(昭10-2)は. 和9)年. 全 体 の 動 きが 把 握 で き る。 踏 切 道,す. 道 や 専 用 軌 道 と道 路 との 平 面 交 差 は,交 通 事 故 の 発 生 原 因 とな るの で,1927(昭. 末調査の な わ ち鉄 和2)年,. 内 務 省 は認 め な い方 針 と した⑳。 鉄 道 省 運 輸 局 の 「 鉄 道 踏 切 と 自動 車 事 故 の 調 査 」(昭36),そ Tk生. して,翌 年 の更 に詳 細 な調 査 も1929(昭. 和4)年6月. 号 に掲 載 して い る。 また,. と い う専 門 家 の 寄 稿 「踏 切 に於 け る事 故 防止 策 」(昭6-3)で,「. 事 故 は運 転 者 の 不. 注 意 が 招 く もの で,地 方 や 深 夜 に多 い。 運 転 者 の 注 意 を 促 す よ う に設 備 を 改 良 す べ きだ 。 この よ うな 事 故 防 止 策 を,有 力 誌 の 「モ ー ター 」 が 先 頭 に立 って 当 局 に建 議 して 欲 しい」 と述 べ て い る。 自動 車 保 険 につ いて は,「 大 日本 自動 車 保 険株 式 会 社 の創 立 総 会 と保 険 内容 」(昭3-10) な ど,い ろ い ろ な 情 報 を 掲 載 して い る し,さ ま ざ ま な裁 判 の判 決 事 例 も参 考 に供 して い る。 -154(154)一.

(17) 戦 前 期 雑 誌 にみ る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る編 集 動 向(齊 藤) 4.3.第3期(戦 4.3.1.道. 時 期)1937(昭. 和12)年. ∼1942(同17)年(日. 路 交 通 及 び交 通 事 故 の状 況. こ の 時 期 は,戦. 争 に 終 始 した 。1937(昭. 制 が 強 化 さ れ た 。 翌1938年 に よ っ て,陸. の. 和12)年,日. 中戦 争 が 勃 発 。 年 を 追 って 戦 時 体. 「国 家 総 動 員 法 」 の 成 立 や. 「陸 上 交 通 事 業 調 整 法 」 制 定 な ど. 運 産 業 は 戦 時 交 通 統 制 と 業 界 再 編 の 強 化 の 方 向 を た ど る こ と と な る 。3次. 及 ぶ 石 油 消 費 規 正 と 代 燃 化 推 進 を 余 儀 な く さ れ,併 て,さ. 中 戦 争 勃 発 ∼ 終 刊). ら に1941年. に. せ て 新 車 や 用 品 の 補 充 困 難 も重 な っ. に は 太 平 洋 戦 争 に 突 入 。 輸 送 需 要 は ま す ま す 増 大 す る の に 拘 わ らず,自. 動 車 輸 送 力 は 低 下 して い っ た 。 戦 時 統 制 に よ っ て 交 通 の 企 業 体 制 も大 規 模 な 統 合 や 再 編 成 が 進 め られ た 。 バ ス の 場 合,道 は1都. 市1業. 和11)年. 者,ト. 府 県 を1或. ラ ッ ク は1地. 当 時,2,747業. 区1社. い は 数 個 の 交 通 圏 に わ け て1業. 者 を 数 え た バ ス 業 者 は,1945(昭 者 か ら,820業. 26,548業 者 か ら,340業. 者 に 激 減 し て い る⑫ ⇒ 。. 8月15日,ポ. 者 と な り,ト. 和20)年. こ の よ う な 情 勢 を 反 映 して,表6に. に は256業 者 に,タ. ラ ッ ク の 場 合 は,1939(昭. え 間 な い 空 襲 に よ り本 土 は 焦 土 化,そ ッ ダ ム 宣 言 を 受 諾,無. イ ・タ ク. を 目 標 に 統 合 を す す め ら れ た 。 そ の 結 果,1936(昭. 業 者 も 同 様 に22,297業. こ の 間,絶. 者,ハ. して1945年,広. ク シー. 和14)年. の. 島 ・長 崎 に 原 爆 投 下,. 条 件 降 伏 に至 った の で あ る。 示 す よ う に 自 動 車 保 有 台 数 は 減 少 し,ま. た全国道路. 交 通 事 故 件 数 も下 降 して い る 。. 表6第3期. 事故数. 昭和 件 %. にお ける 全 国 道 路 交 通 事 故 総 計 ・自 動 車 台 数 の 推 移. 12. 13. 14. 55,958. 47,017. 35,634. 100. 84.0. 63.7. 15. 16 24,082. 30,777. 17. 18. 21,159. 16,780. 43.0. 55.0. 37.8. 30.0. 19. 20. 11,507. 8,706. 20.6. 15.6. 台. 台数. 214,146. %. 100. 222,246 103.7. 217,585 101.6. 217,199. 199,001. 101.4. 爾 交 通 事 故 総 合 分 析 セ ン ター 『交 通 事 故 統 計 年 報. 188,295. 92.9. 87.9. 179,753 83.9. 163,635. 144,351. 76.4. 67.4. 平 成17年 版 」. 例 年 の 交 通 事 故 内 容 を 通 観 して 述 べ た 「東 京 市 に於 け る事 故 防 止 運 動 」(昭16-4)に. よ. る と,昨 年 の 警 視 庁 交 通 課 の 調 査 で は 過 去10年 間 の 道 路 交 通 事 故 件 数 の な か で 昭 和7年 (注:71,221件)を. 最 高 と して,毎 年 事 故 件 数 は下 降 との こ とで,そ の 理 由を 交 通 道 徳 が 遵. 奉 され つ つ あ る」 と述 べ て い る。 そ して,. 事 故 発 生 を 時 間 的 にみ て も,必 ず しも ラ ッ シ ュ ア ワー に多 くな い の で,一 般 人 の 心 の ゆ るみ も 多 分 にあ るだ ろ う。 個 々の 発 生 原 因 で は乗 務 員 側 の 怠 慢 に起 因 す るス ピー ド違 反,信 号 無 視,追 一155(155)一.

(18) 第7巻. 第1号. い 越 しな どが 多 く,一 方,一 般 の 通 行 人 や 乗 客 の 場 合 で は,車 の 直 前 直 後 横 断 お よび 信 号 無 視 が 断 然 多 い 。 交 通 事 故 の80%は. 従 業 員 サ イ ドの 過 失 ・不 用 意 に起 因 して い る。 過 失 や 不 用 意 が 原 因. で あ り,警 視 庁 は,従 業 員 を 再 訓 練 す る よ う に関 係 先 に通 達 した 。. と,事 故 の 起 因 の 多 くが,乗 務 員 サ イ ドに あ る と述 べ て い る。 しか し,こ の 乗 務 員 サ イ ドの 人 的 原 因 に は,熟 練 従 業 員 の 召 集,そ. して 徴 用 と い う当 時. の 事 情 が あ る。 交 通 事 業 な ど は人 手 不 足 を 招 き,電 車 や バ スの 車 掌 に女 子 を 代 用 され る傾 向 とな って いた ㈱。 さ らに,全 国 にお いて も同 様 で あ った ろ うが,戦 時 中の 交 通 警 察 の 業 務 状 況 につ いて, 『警 視 庁 史. 昭和 中編(上)』 は次 の よ うに記 述 して い る(344頁)。. 戦 時 中 の 交 通 警 察 は 専 ら軍 事 物 資 の 輸 送 確 保 が 重 点 と され,交 通 の 指 導 取 締 りは ほ とん ど行 わ れ な か った た め,自 動 車 運 転 者 も,一 般 都 民 も,交 通 法 規 に対 す る関 心 が 薄 ら ぎ,交 通 道 徳 は 著 し く低 下 して いた 。. 4.3.2.編. 集状況. と こ ろ で,1937(昭. 和12)年1月. 号 か ら1942(昭. 和17)年11月. タ ー 」 誌 に 掲 載 さ れ た 交 通 安 全 問 題 に 関 す る 記 事 は,連 間 の 発 行 冊 数 は71冊 な の で,1冊. 号 に わ た る 期 間 に,「 モ ー. 載 を 含 さ686タ イ トル で あ る 。 こ の. の 掲 載 平 均 は1.2タ イ トル で3期. の う ちで 最 も低 い。 こ. れ らの 記 事 の 内 容 別 分 類 を 下 表 に 示 す 。. 表7「 昭. 不目. 交通事故 法. 令. 行. 政. 道. 路. 運 転 手 歩 行 者 公. 害. 救. 済 般. 年. 計. 筆者作成. モ ー タ ー 」 誌 掲 載 の 「道 路 交 通 安 全 問 題 関 係 記 事 」 内 容 別 分 類 一 覧(第3期).

(19) 戦 前 期 雑 誌 にみ る道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る編 集 動 向(齊 藤) さ て,こ. の 表7に. よ る と,「 行 政 」,「交 通 事 故 」 の 項 が37,23タ. イ トル と 高 く,次. 「法 令 」,「道 路 」,「一 般 」,「運 転 手 」,「救 済 」 の 順 で,「 歩 行 者 」,「公 害 」 は0と る 。 こ れ らの 項 の 内 訳 で は 「行 政 」 と 「一般 」 に 含 ま れ た 交 通 道 徳30,次 の 踏 切7が. 最 も多 く,こ. 4.3.2.1.交. の2点. ぎに. な って い. ぎ に 「交 通 事 故 」. の 編 集 内 容 に つ い て 以 下 説 明 を 加 え る こ と に した い 。. 通道徳. 「交 通 道 徳 」 と は,い. わ ゆ る 交 通 マ ナ ー と い う こ と で あ る が,当. 時 の こ の用 語 に は 行 政. サ イ ドの 指 導 推 進 と い う 強 制 的 な 意 味 も含 ま れ て い た 。 当 時,「 モ ー タ ー 」 誌 の 文 中 に よ く 「交 通 地 獄 」 や 「乗 物 地 獄 」 な ど の 語 が 用 い ら れ て い る が,そ. れ は,鉄. 道,電. 車 ・バ ス に お け る 朝 夕 の 殺 人 的 ラ ッ シ ュ ア ワ ー の 表 現 で あ っ. た 。 こ の 状 況 を,1942(昭. 和17)年4月,大. 阪 市 会 に提 出 され た. す る 建 議 案 」(昭17-5)の. 一 節 を 借 りて 紹 介 して み よ う 。. 「大 阪 市 電 乗 客 緩 和 に 関. 現 下 重 大 時 局 にお け る生 産 力 拡 充 政 策 に も とず く各 種 重 要 産 業 の 振 興 は 必 然 的 に人 口の 都 市 集 中 を 招 来 し これ に伴 い 市 内 にお け る交 通 難 の 増 大 せ る は周 知 の 事 実 な り。 加 え る に近 時 の ガ ソ リ ンの 消 費 規 制,自 動 車 の 激 減 等 に よ り,市 内 大 衆 唯 一 の 交 通 機 関 た る電 車 お よ び乗 合 自動 車 に よ る交 通 量 の 激 増 は 洵 に驚 嘆 す べ き もの あ り。 … … 等 種 々の 理 由 に よ り輸 送 能 力 に大 い な る不 足 を 来 しつ つ あ りて,こ れ が た め 電 車 お よ び乗 合 自動 車 の 混 雑 は 日を 逐 うて 激 甚 とな り,朝 夕 の ラ ッ シ ュア ワー にあ りて は そ の 雑 踏 は 殆 ど言 語 に絶 す る状 況 な り。. こ の 乗 物 地 獄 の 原 因 と な る 乗 客 数 増 加 に つ い て,「 旅 行 難 の 打 開 」(昭16-7)は,次. の. よ う に述 べ て い る。. 事 変 勃 発 前 年 昭 和11年 を100と す れ ば,昨15年. 度 の 全 国 旅 客 交 通 量 は188の 増 加 に対 して 客 車 数. は116し か 増 加 して いな い。 この 旅 客 数 増 加 の 因 は 1.軍. 隊 関 係 各 種 輸 送 の増 加. 2.大. 陸 と の往 来 の増 加. 3.経. 済 統 制,思 想 統 制 の為,中 央 ・地 方 と の打 合 せ,調 査 ・陳 情 の増 加. 4.工. 場 通 勤 者 の増 加(満 州 事 変 勃 発 当時 の10倍)」. こ の 混 雑 状 況 を 打 開 す る た め に,警 行 運 転,タ. ク シ ー の 相 乗 り。 ま た,時. 視 庁 と して,1941(昭. 和16)年4月. か ら,電. 差 出 勤 な ど い ろ い ろ と 対 策 を 講 じて い る が,い 一157(157)一. 車の急 ずれ.

(20) 第7巻. 第1号. も本 格 的 な 解 決 策 に はな らな か った(「 東 西 南 北. 出勤,退 社 の 時差 は十 分 宛 」 昭16-5)。. ま た,根 本 的対 策 と して 地 下 鉄 路 線 網 の 強 化 を主 張 す る 「大 都 市 交 通 地 獄 の 緩 和 策 」(昭 17-3)が. あ った が,当 時 の実 現 は 困難 で あ った。. この 交 通 地 獄 の 解 決 策 と して,行 政 や 交 通 機 関 の 立 場 か ら強 力 にバ ック ア ップ され た の が 「交 通 道 徳 」 の 語 に象 徴 され る交 通 ル ー ル 行 動 の 推 進 で あ る。 特 に,東 京 府 中等 学 校 保 導 協 会 ・東 鉄 ・東 京 府 ・警 視 庁 ・市 電 の 発 起 で,1940(昭. 和15)年12月. 早 々,府 下 の 中等. 学 校24万 人 の 生 徒 を 動 員 して 交 通 道 徳 強 調 週 間 を 実 施 した の を 最 初 に,街 頭 で の 左 側 通 行 な どの 交 通 整 理 や,駅 や 電 停 ・バ ス停 にお け る乗 車 の 一 列 励 行 な どの 活 動 して い る こ とが 「交 通 寸 話. 交 通 道 徳 実 践 指 導 」(昭15-12)に. 紹 介 され て い る。 そ の 後 も,こ の よ うな 学. 校 や 大 日本 青 少 年 団 な どの 活 躍 が 社 会 の 好 感 を 得 て い る様 子 が 伝 え られ て い る。 さ らに, 国 鉄 や 市 電 側 で も交 通 混 雑 の打 開 策 の 一 環 と して交 通 道 徳 実 践 の 強 化 を 図 っ て い る(「 大 都 市 交 通 地 獄 の 緩 和 策 」昭16-2)。 17-8)に. お い て,タ. そ して,山 本 主 幹 も 「自動 車 界 新 道 徳 確 立 の急 務 」(昭. ク シー,運 送 業 者,修 理 業 者 な ど 自動 車 界 の 道 義 問 題 を 憂 え て,お. 互 い を尊 重 し よ う と の新 道 徳 を 提 唱 して い る。 しか し,「交 通 道 徳 を忘 れ た 民 衆 」(昭169)に,国. 策 協 カ ー 辺 倒 だ けで な い記 者 の 一 面 を 感 じさせ る。. 4.3.2.2.踏 切 事 故 防止 勿 論,交 通 事 故 に よ る死 傷 者 を 出 さな い こ とが 主 眼 で あ った が,こ. と に,そ の事 故 に. よ って 交 通 機 関 の 円滑 な 運 行 が 妨 げ られ な いた あ に,特 に留 意 され た の が 踏 切 事 故 防 止 で あ った。 「踏 切 安 全 日開 催 」(昭15-9)に,1939(昭 道 路 交 通 事 故 死 者 の18%,573名. 和14)年. に お け る踏 切 事 故 死 者 は,. と伝 え て い るが,特 に一 つ の 事 故 か ら生 ず る大 量 輸 送 へ の. 悪 影 響 を恐 れ た こ とが 考 え られ る。 「踏 切 安 全 日 に際 し鉄 道 の歴 史 及 び ダ イ ヤ ル保 持 の 苦 心 談 」(昭15-12)の. 一 節 に 「踏 切 事 故 は尊 き生 命 を一 瞬 に して失 う悲 惨 事 な る の み な らず,. ダイ ヤを 混 乱 して 円滑 な る輸 送 を 妨 げ,更 に重 大 な る脱 線 事 故,転 覆 事 故 を 惹 起 す る催 れ が 多 分 に あ る」 と述 べ,踏 切 事 故 が 僅 か な 人 身 事 故 に と ど ま らず,大. きな 輸 送 障 害 とな る. こ とを 指 摘 して い る。. 5.ま. 5.1.ま 以 上,戦. め. と. とめ 前 期 に お け る 道 路 交 通 安 全 問 題 に つ い て,自. う な 編 集 を 行 っ て き た か,30年. 間 の 発 行 歴 を3期 一158(158)一. 動車専門誌. に 分 け,そ. 「モ ー タ ー 」 が ど の よ. れぞれの掲載記事数を基準 と.

(21) 戦前期雑誌 にみ る道路交通安全問題 に関す る編集動向(齊 藤) して 分 析 を 行 った 結 果,下 記 の 事 項 に編 集 の 重 点 が お か れ た とみ る こ とが で き る。 第1期(勃. 興 期)は,自. 動 車 利 用 の 拡 大 に対 応 す る良 質 の 運 転 手 の 養 成,自 動 車 関 係 法. 令 の 周 知 と提 言,泥 害 防 止 対 策,自 動 車 の 社 会 的 機 能 認 識 へ の 希 望 の4点 が 挙 げ られ る。 第2期(発. 展 期)は,交. 通 事 故 防 止,法 令 の 紹 介 ・解 説 と提 言,行 政 で は,交 通 信 号 方. 法 の 統 一 や 交 通 整 理,自 動 車 交 通 に対 応 す る道 路 改 良 の 進 展,踏 切 事 故 防 止,そ. して 自動. 車 保 険 な ど,発 展 期 に応 じた 編 集 の 多 様 化 が み られ て い る。 第3期(戦. 時 期)は,戦. 時 下,許 容 度 を 超 え る交 通 量 の 増 大 に よ って,異 常 な 交 通 ラ ッ. シ ュ,い わ ゆ る乗 物 地 獄 の 現 象 を 生 じた 。 そ の 解 決 策 と して,行 政 が 推 進 した 交 通 道 徳 の 実 践,そ. して,交 通 機 関 の 円滑 な 運 行 を 妨 げ る危 険 の 大 き い踏 切 事 故 防 止 の2点 が 強 調 さ. れ て い る。 いず れ も国 策 に協 力 の 編 集 で あ る。 す な わ ち,勃 興 期 で は新 しい交 通 手 段 で あ る 自動 車 が 抱 え る卑 近 な 基 礎 的 問 題 の 迅 速 な 取 り組 み が 主 張 され,発 展 期 で は,拡 大 す る 自動 車 交 通 が 直 面 す る物 理 的 環 境,法 的 ・社 会 的 制 度 の 整 備 が 中心 的 な 課 題 とな り,戦 時 期 に は戦 争 下 にお け る国 策 の 推 進 が 進 め られ る に至 った 。 以 上 が,各 期 を 通 じた 編 集 の 動 向 で あ る。 30年 にお よぶ 雑 誌 「モ ー ター 」 の 目次 に掲 載 され た 道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る記 事 は, 1冊 平 均1.5タ イ トル で あ り,1冊. 全 タ イ トル の僅 か3.3%を. 占 め る ほ ど に過 ぎ な い ⑳。 し. か しな が ら,こ れ らの 記 事 の 集 積 に よ って 編 集 の 動 向 を み た 場 合,そ れ ぞ れ の 時 期 にお い て 変 化 す る問 題 を 常 に反 映 して い る こ とが 理 解 で き る。. 5.2.今. 後の研究課題. 5.2.1.道 路 交 通 安 全 問題 に 関す る雑 誌 記 事 デ ー タ ベ ー ス 戦 前 期 にお け る道 路 交 通 安 全 に関 す る問 題 は,近 代 道 路 交 通 史 の 研 究 の 上 で 欠 くこ との で きな い内 容 で あ る。 本 研 究 で み た よ う に,雑 誌 ジ ャー ナ リズ ムの 利 用 は この 研 究 に と っ て ま こ と に有 益 で あ る。 今 回 は,自 動 車 専 門 雑 誌 「モ ー ター 」 の み を 取 り上 げた が,こ の 道 路 交 通 安 全 問 題 は,単 に 自動 車 専 門 誌 だ けで な く,各 分 野 の 雑 誌 に と って も,記 事 掲 載 が 必 要 で あ った こ と は推 測 で き る。 も し,こ れ らを 広 く収 録 した 「記 事 索 引 」 に よ って, 必 要 な 記 事 項 目を 検 索 し,総 合 的 に利 用 出来 る とす れ ば,研 究 の 内 容 を 一 段 と深 め る こ と にな る。 筆 者 は,戦 前 に発 行 され た 雑 誌 か ら道 路 交 通 に関 す る記 事 タ イ トル の 収 集 を 少 しず つ 続 けて きて い るが,先 ず,道 路 交 通 安 全 問 題 に関 す る雑 誌 記 事 索 引 を 完 成 させ た い と考 え て 一159(159)一.

(22) 第7巻 い る 。 しか しな が ら,個 的 な 関 与 に よ っ て,戦. 第1号. 人 と して の 調 査 収 集 に は 限 界 が あ り,研. 究 プ ロ ジ ェ ク トな ど 組 織. 前 戦 後 を 通 じて の デ ー タ ベ ー ス 作 成 が 望 ま れ る 。. 5.2.2.山. 本 豊 村( . 太)業. 績調査. 当 時,国. 内 の 自 動 車 が,ま. だ500台. ほ ど の 保 有 に しか 過 ぎ な か っ た1913年,日. 本 のモー. ター 界(自 動 車 と飛 行 機)の 将 来 を 期 待 し,雑 誌 「モ ー ター 」 を 創 刊 して 爾 来30年,主. 筆. と して 健 筆 を 振 る った 。 彼 は,読 者 に時 機 に応 じた 多 彩 な 編 集 の 誌 面 を 提 供 して い るが, 特 に論 説 を 通 じて 行 政 や 業 界,そ. して 社 会 に率 直 な 提 言 を 行 って い る。 また,編 集 を 通 じ. て 行 政,業 界 団 体,経 営 者,学 界,技 術 者 な ど多 彩 な 人 脈 を 形 成 し,各 業 界 の 活 動 に も積 極 的 に協 力 して い る。 この 広 範 な 情 報 網 を 背 景 と した そ れ ら提 言 の 分 析 に よ って,当 時 に 於 け るモ ー ター 界 の 問 題 と,そ れ に対 す る政 策,業 界 等 の 対 策 の 推 移 を 理 解 す る参 考 にな る か と 考 え る 。 しか しな が ら,こ. の ジ ャー ナ リ ス トと して の 山 本   太 の 業 績 に つ い て は,. まだ 明 らか に され て いな い。 調 査 は今 後 の 課 題 で あ る。. 注. (1)内. 海 倫 氏 は1917年. 生 ま れ 。 警 察 庁 交 通 局 長,防. 衛 庁 事 務 次 官,人. 事 院 総 裁,交. 総 合 分 析 セ ン タ ー 理 事 長 を 歴 任 。 「道 路 交 通 問 題 研 究 会 」 は,1994年6月 主 宰 と して 元 警 察 庁 関 係 者 を 中 心 と す る 会 員 で 構 成 し,月 め て2002年 (2)柏. に 『道 路 交 通 政 策 史 概 観. 本奈美恵. 論 説 編,資. 通事故. よ り内 海 倫 氏 を. 例 会 を 開 催,そ. の研究を まと. 料 編 』 を 刊 行 した 。. 「日本 の 戦 前 の 自 動 車 雑 誌 に つ い て 」 「トヨ タ 博 物 館 紀 要 』 第2号,1995. 年,27頁 (3)東. 京 大 学 明 治 新 聞 雑 誌 文 庫 か ら,日. 本 最 初 の 自 動 車 雑 誌(明. 治44年6月. 創 刊 と 推 定). と 考 え られ る 「飛 行 機 と 自 動 車 」 誌 の 目 次 及 び 参 考 記 事 を お 願 い して 収 集 した 。 (4)1.「. モ ー タ ー 」 誌 の 目 次 と 参 考 記 事 は,345冊. 4冊 は 東 京 大 学,早. 稲 田 大 学,東. は 国 会 図 書 館 か ら収 集 し た が,欠. 京 工 業 大 学,日. 号の. 本 自動 車 工 業 会 自動 車 図 書 館 にお 願 い. して 収 集 した 。 2.創. 刊 号 か ら の 誌 名 は 「モ ー タ ー 」 で あ っ た が,昭. タ ー 」 に 変 更 し,昭 し,こ (5)創. 号 か ら,再. 和7年9月. 号 か ら,月. 刊. 「モ ー. び 「モ ー タ ー 」 の 誌 名 に 復 帰 して い る 。 しか. こ で は 「モ ー タ ー 」 の 誌 名 で 統 一 して 使 用 した 。. 刊 号 か ら 大 正7年12月. 14年9月 人,豊. 和13年7月. 号 ま で 山 本   太 。 大 正8年1月. 号 か ら主 幹 山本   太 。 大 正. 号 か ら終 刊 号 ま で 主 幹 山 本 豊 村 を 使 用 して い る。 そ の 間,豊. 村 野 人,豊. 村学. 村 耕 人 の ペ ンネ ー ム も時 折 使 用 した 。. (6)自. 動 車 工 業 会 編 『日本 自 動 車 工 業 史 稿(2)』1967年,65∼66頁. (7)西. 川稔. 「大 正 初 期 の 自動 車 観(上)」. 『ト ヨ タ 博 物 館 だ よ り』No.47,2001年3月. 号,. 13頁 (8)雑. 誌 「モ ー タ ー 」 昭 和13年12月. 合 同 御 挨 拶 。 昭 和15年8月. 号,40頁,月. 号,117頁,「. 刊 旬 刊 合 併 社 告 。 昭 和15年6月. 号,85頁,. 交 通 訓 練 」 新 た に 「モ ー タ ー 」 に 合 同. (9)「 豊 作 氏 逝 く」 『自 動 車 青 年 』5巻5号,昭. 一160(160)一. 和23年5月. 号,13頁.

(23) 戦前期雑誌 にみ る道路交通安全問題 に関す る編集動向(齊 藤) ⑩. 彼 の 経 歴 を 調 査 す る う え で,佐. 藤 能 丸,山. 本 良 平,山. 崎 隆 昌,浜. 野 兼 一 各 氏 の ご協 力. を得た。 (ID広 ⑫. 岡 治 哉 編 『近 代 日本 交 通 史 』 法 政 大 学 出 版 局,1987年,179頁 内 閣 統 計 局 編 『日本 帝 国 統 計 年 鑑. q3)武. 第44回 』 東 京 統 計 協 会,大. 部 健 一 『もの と 人 間 の 文 化 史116-II・. G4)道. 道II』. 正14年,227頁. 法 政 大 学 出 版 局,2003年,195∼204頁. 路 交 通 問 題 研 究 会 編 『道 路 交 通 政 策 史 概 観. 論 述 編 』2002年,49∼56頁. ⑮. 道 路 交 通 問 題 研 究 会 編 『道 路 交 通 政 策 史 概 観. 論 述 編 』2002年,26∼28頁. ⑯. 広 岡 治 哉 編 『近 代 日本 交 通 史 』 法 政 大 学 出 版 局,1987年,172∼183頁. ⑰. 内 閣 統 計 局 編 『日本 帝 国 統 計 年 鑑 第44回 』 東 京 統 計 協 会,大. 正14年,227頁,『. 同 第57. 回 』242頁 ⑱. 山 本 弘 文 編 『交 通 ・運 輸 の 発 達 と 技 術 革 新 ∼ 歴 史 的 考 察 ∼ 』 国 際 連 合 大 学,1986年, 145頁. ⑲. 武 部 健 一 『もの と 人 間 の 文 化 史116-II・. ⑳. 柳 田諒 三. 道II』. 『自動 車 三 十 年 史 』 山 水 社,昭. 法 政 大 学 出 版 局,2003年,195∼204頁. 和16年,複. 刻 版,柳. 田 勇 彦,平. 成12年,200. 頁 ⑳. 『内 務 省 史. ⑳. 広 岡 治 哉 編 『近 代 日本 交 通 史 』 法 政 大 学 出 版 局,1987年,259∼261頁. 第 三 巻 』 大 霞 会,昭. ㈱. 渡 邊 伊 之 輔 『東 京 の 交 通 』 東 京 都 交 通 局,昭. 和29年,237頁. ②の. 参 考 例 と して,雑. 号 目 次(大. と30冊 で1,361タ. 誌. 和46年,131頁. 「モ ー タ ー 」 の 毎 年6月. イ トル 。1冊. 平 均45.3タ. た 道 路 交 通 安 全 問 題 に 関 す る 記 事 は534タ イ トル 。1冊. 参. 考. 文. は8月. 号)を. 冊 数349冊. 集計す る か ら抽 出 し. 平 均1.5タ イ トル で あ る 。. 献. 〔1〕. 佐 々 木 烈 『日本 自 動 車 史 』 三 樹 書 房,2004年. 〔2〕. 佐 々 木 烈 『日本 自 動 車 史II』. 〔3〕. 富 永 誠 美 『住 友 海 上 福 祉 財 団 交 通 安 全 シ リー ズ5交 ビ ス セ ン タ ー,1993年. 正2年. イ トル と な る 。 一 方,全. 三 樹 書 房,2005年 通 安 全 へ の 道 』 勤 草 出版 サ ー.

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